転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
やっと書けたぁ…囚われたランサーズ、彼らはこの状況をどう抜け出すのか…。
そして、歯車はゆっくりと回り始める…。
それでは、最新話をどうぞ!
「もぐもぐ…!」
「わお…朝からすごい食欲だね、徳松さん…」
「あったりめぇよ!良いデュエルをするとメシがうめぇんだ!ほれ、オメェ達も食え食え!」
「「いただきます!!」」
エンジョイ長次郎と遊矢のデュエルから一夜が明けた…収容所の食堂では本来の性格に戻った長次郎が豪勢な食事にがっついており…遊矢や沢渡達も相伴に与っていた。
『本来の貴方を取り戻したみたいですね、長次郎さん』
「あっ…不動博士!」
「おう、先生じゃねぇか!……悪かったなぁ、アンタの言った通りだったぜ…」
そんな時、不動博士が長次郎へと話しかける…そんな彼に長次郎は謝っていた…。
「あれ…?たしか、徳松さんと不動博士って仲が悪いんじゃ…?」
「違げぇんだ……先生はよぉ、オメェより先に俺を立ち直らせようとしてくれてたのさ……けど、俺は捻くれてたからよぉ……先生を邪険にしちまったのさ……」
『ふふっ、昔の貴方の矜持を……デュエルは人を繋ぐ絆であり、未来を切り拓くモノだという思いを取り戻してくれて…本当に良かった、私の息子も貴方のファンでね……やさぐれてしまった貴方を見ていられなかったんだ』
「そうだったのかい、いつか…ここから出られたら会ってみてぇな、先生の息子によ」
『ああ、きっと息子も喜ぶよ』
2人によって明かされた不仲の真相…だが、遊矢によってその不仲も解消されていた…。
「は、離せ!オレは関係ねぇ!!」
『いいからさっさと来い!!』
「嫌だ…!いやだぁぁ!?」
「っ…あれは…!」
そんな時、食堂に囚人の叫びが響く…遊矢が見たのは看守に連行されていく1人の囚人の姿だった…。
「……なにぃ?脱獄?」
「脱獄!?」
「……バカな事しやがって…」
その時、長次郎の子分の1人が情報を伝える…どうやら、脱獄を企てた囚人がいたのだと……それを聞いた遊矢は驚き、長次郎とクロウ・シンジは頭を抱えていた…。
「まったく…残された仲間の事を考えろってんだ…」
「どういう事…?」
『囚人が脱獄を企てたると…その仲間や話を知っていた者も
「連帯責任…」
それは腐りきった収容所においても守られている『掟』…脱獄を企てた囚人や仲間が収容所に戻されて来た事は一度もないのだ。
「まぁ、オメェらは初犯なんだろ?なんでもなけりゃ、半年くらいで出られるだろ…生き急ぐんじゃねぇぞ」
「徳松さん…」
長次郎は遊矢達に助言を送る…その眼には彼が見てきた脱獄未遂の末路が映っているようだった…。
「……ふぅ、こんな感じかな……ん…?カード…?」
しばらく時間が過ぎ、遊矢は看守によって自分達の雑居房の清掃を命じられていた…そんな時、遊矢はベッドの下に落ちていたカードを見つけた…それは…。
「これ…クロウの…」
それはカード型のスリーブに入れられたクロウと孤児達の写真だった…写真の中ではクロウとアマンダ・フランク・タナーが笑っていた。
「あの子達…大丈夫かな…」
写真を見ながら残された孤児達を心配する遊矢…その時。
「お〜い!遊矢、明日も頼むぜ!」
「シンジ?…え〜っ…明日も掃除当番…?」
「違うって…そんな狡い事しねぇよ…」
雑居房に自分の掃除を終えたらしいシンジが戻ってくる、その表情は明るかった…その理由は…。
「ほら、また昨日みたいなデュエルが見てぇと思ってよ!徳松さんに相談してみたんだよ!」
「おう、どうせなら人を集めて、もっと盛り上がる『エンジョイ長次郎』のデュエルが見てぇっていうからよ!俺が所長に話をつけて…明日の夜は食堂で大エンタメデュエル大会っう訳よ!!」
「わお…!?」
シンジに続く形でやって来た長次郎が大エンタメデュエル大会の開催を告げる…その出場依頼を遊矢に持ってきたのだ。
「なら!当然、このネオ・ニュー・沢渡の出番だな!」
「おっ?兄ちゃんも自身ありげだなぁ!」
「当然だ!それに、『エンタメデュエル』ならオレ達のデュエルディスクが使えればもっと盛り上がるぜ!」
「そりゃいい事聞いたな!それも話つけてやる!」
そこに戻ってきた沢渡やクロウも割り込む…だが、長次郎が沢渡の話を聞いているうちにクロウは静かに部屋を離れようとしていた。
「あっ…クロウ!」
「ん…どうした?」
「これ、クロウのだろ?」
「おっ…サンキュー、助かったぜ」
遊矢は房から飛び出してクロウに写真を返す、写真を受け取ったクロウは笑顔を見せるが…すぐに表情を戻した…。
「……遊矢、シンジから
「えっ…デュエル大会の事?」
「……聞いてないならいい……お前はデュエルを
「……クロウ、まさか……
意味深な態度を取るクロウ…遊矢は気付いた、クロウとシンジは脱獄を考えているのだと…!
「…今日からオレ達は仲間じゃねぇ、心配すんな……お前らには迷惑はかけねぇよ……オレはシンジに恩義がある、だから…一緒に行くんだ…!」
「クロウ…!」
クロウは遊矢を突き放す言葉を突きつける……
「ん…おう!クロウ!俺もお前の
「デイモン!」
そんな時、クロウに紫色のモヒカンと福耳が特徴の黒人の少年が話しかける…デイモンというらしい彼はクロウの知り合いのようだが…ふと傍らにいた遊矢へと目を向けた。
「あっ…お前!やっぱり捕まったのか?」
「えっ…?」
「ほら!桃色の髪の女とポスター貼りしてたろ?『別次元が侵略してくる!』とか『融合次元に気をつけて!』とか……」
「あっ……柚子…!?」
デイモンの言葉に遊矢は気付く…彼はユーゴと柚子の姿を見たのだと…!
「女はどうした?一緒に捕まったか?まぁ…セキュリティに目をつけられてたもんなぁ…まっ、危ない事はすんなよ?じゃあな〜」
「ゆ、柚子…!!」
デイモンの言葉に遊矢の表情は青褪める…柚子もまたセキュリティに追われているのだから…。
「はぁ…」
『おや、遊矢君…1人かい?珍しいじゃないか…隣良いかな?』
「不動博士…どうぞ!」
夕食の時間、少し悩んだ様子の遊矢は1人で食事を食べていた…そんな時、その隣に不動博士が腰掛けた…。
『何か…悩み事かい?』
「……柚子が…この世界にいる、オレの幼なじみが…セキュリティに追われているみたいなんです」
『権現坂君から君達の事情は聞いたよ、この世界の外から…別の次元から幼なじみの少女を助ける為に、この世界に来たんだって……心配なんだね』
「うん…!オレ、約束したんだ…また会おうって…!」
穏やかな不動博士の言葉に遊矢はポツリと悩みを打ち明ける、その脳裏には舞網チャンピオンシップで柚子と別れた時の言葉が過ぎっていた…。
『そこまで心配する事はないよ、セキュリティの彼らも人間だ…年若い少女に手荒な事はしないさ…』
「……でも、オレ…」
『急いては事を仕損じる…心配な事があって急ぎたいのはよく分かる…それでも、冷静でいないと…いざという時に失敗してしまうよ?私もそういう経験を何度もしてきた…』
「不動博士……そういえば、不動博士の『罪』って…?貴方みたいな人が犯罪をするようには見えないけど…?」
不動博士の言葉で遊矢は少し冷静さを取り戻す…そこで遊矢は気になった事を訊ねる、遊矢から見ても不動博士は
『ん?……ああ、収容所に入れられたのは研究予算の着服とか、その他諸々の濡れ衣のせい…私は潔白さ………でも、私には償わなければならない『罪』があるんだ……遊矢君は
「前世…?自分が生まれる前の人生の事?」
『そう…私には、その前世の「記憶」が残っているんだ…朧げだけどね?』
「えっ…!?それって、すごい事なんじゃ…!?」
不動博士の突拍子のない言葉に遊矢は驚く…その様子を見た不動博士は苦笑していた。
『それがまぁ…なかなか辛い記憶でね……科学者だった「私」は前世でも、半永久動力機関であるモーメントを開発したんだ……でも、その影響なのか…様々な陰謀が重なって「大災害」が起きてね……「私」も妻も…その災害で命を落としてしまうんだ……たくさんの人々と一緒に……』
「そんな…!?」
不動博士が軽く語った『前世』の記憶…その話に遊矢は絶句する。
『でも、本番はここから…死んだはずの「私」は無念からか成仏できず、生と死の狭間……『繋ぐ』という働きを持つ『遊星粒子』のモーメントエネルギーにしがみついてしまった……そこから、19年…モーメントを通して復興する町や…成長する息子の姿を見守っていた……そして、息子が大災害の原因となった闇や、未来を変える為に戦った秘密結社と戦うのを見届けて───気付いたら、私はこの世界に再び生を受けていた』
「それじゃ…博士の罪って…前世の…!」
『ああ…今度こそ、家族を…人々を幸せにしようと頑張った……頑張ったん、だけどなぁ……』
自分の『罪』を語った不動博士は項垂れる…人々の為になる事をしたのに捕まってしまったのは、いまだにショックだったようだ。
『前世の時は厳しくとも研究を後押ししてくれる社長や…頼りになる仲間達、私を気にかけてくれた「決闘王」がいたんだが…今回は、少し間が悪かったな……この世界は前世とは価値観が違うから……競争性が強すぎるんだ、
「あっ…はい…!」
空気が沈んでしまったのを感じた不動博士は話を切り上げる…その目には哀愁の色が浮かんでいた…。
………
「デュエルとはすなわち人生なり…人生は1度っきり!勝つ日もあれば負ける日もある…負けを恥じず、勝っても驕らず!すなわち…レッツ、エンジョイ!!」
「「「うおおおっ!!」」」
そして翌日の夜、ついに長次郎主催の大エンタメデュエル大会が開催されようとしていた…食堂の中心には見事な櫓が立てられ、長次郎は囚人達や看守からの声援を浴びていた…。
「エンジョイ長次郎が帰ってきた!!」
「おうよ!とある若造に焚きつけられちまってな!!さぁ、榊遊矢!楽しいデュエルといこうぜ!!」
「あ……は、はい!」
長次郎に指名されて特設舞台へと上がる遊矢…だが、その表情は固い…この瞬間にも脱獄にむけて動くクロウ、そしてセキュリティに追われる柚子…心配事が多すぎて上の空なのだ…。
「おう!徳松さん!約束通り、本家本元のエンタメデュエル…
「アクションデュエル?なんじゃそりゃ?」
「ヘヘっ…リアルソリッドビジョンで『アクションフィールド』を展開、その中で散らばった『アクションカード』を使っていいっていう派手派手なデュエルさ!」
「ほう…!面白そうじゃねぇか!受けて立つぜ!」
「よ〜し!アクションフィールド『クロスオーバー』発動!!」
沢渡が徳松の言葉を受けてアクションフィールドを展開…遊矢・徳松・沢渡のバトルロイヤルデュエルが始まった…!
───────
『だ、脱獄だぁぁぁ!!』
『デュエルは中止だ!全員、その場を動くな!!』
「しまった…!!」
だが、そのデュエルはすぐに中止される事になる──不意な事故でクロウ達の脱獄がバレてしまったのだ。
最初、デュエルに身が入らなかった遊矢…だが、その様子からクロウ達の脱獄に勘づいた権現坂が事情を把握…遊矢達も脱獄を成功させる為に張り切る事になった…。
だが…アクションカードの取り合いで運悪く、クロウ達が脱出を狙っていた厨房に転がり込んでしまい…看守に気付かれてしまったのだ…!
『お前ら!脱獄は重罪だぁ〜!懲罰を─「うおりゃ!!」ごはっ!?』
「沢渡!?」
「こうなったら…逃げるしかねぇ!!」
クロウに殴りかかろうとする看守に沢渡が頭突きを喰らわせる…こうなったら逃げるしかないと思ったのだ…!
『お前ぇぇ…!!』
「………うそーん」
しかし、腐っても看守…即座に起き上がって沢渡達に襲いかかる……しかし、それを皮切りに囚人達もヒートアップ…大乱闘へと───
バッコーン!!
「「「『『『はっ…!?』』』」」」
その時、収容所に轟音が鳴り響く…呆気に取られた囚人や看守達が音の発生原を探る、それは収容所と外界を隔てる巨大な鉄扉──それがひしゃげて吹き飛んでいたのだ。
「………なんだ、ちょっとタイミングが悪かったか?まぁいいか…遊矢!沢渡!権現坂にデニス!黒咲にセレナ!迎えに来たぞ〜!」
「ゆ、遊海!?」
砂埃が晴れていく、その奥から現れたのは…白銀の鎧に赤いマントを羽織りし英雄──遊海だった。
Side遊海
「ゆ、遊星!大変!大変なんだよ〜!!」
「ラリー?そんなに急いでどうしたんだ?」
時は遊海と月影の再会直後に戻る…デュエルを終え、調子の悪そうなフォウを撫でていた遊星…そこへ飛び込んできたのはニット帽を被った少年、ラリーだった。
「クロウが…クロウとシンジがセキュリティに捕まっちゃったんだ!!」
「クロウ達が…?また因縁でもつけられたのか?」
「なんだか指名手配の奴を匿っちゃったらしくて…って、そうじゃなくて!それでクロウやシンジの仲間が脱獄させようとしてるらしいんだ!!」
「なんだって!?」
ラリーの思わぬ言葉に遊星は驚く…収容所からの脱獄はリスクが高いと知っていたからだ…。
「どうしよう…!このままじゃみんな…」
「っ…ラリー、これ以上関わってはダメだ…巻き添えで捕まってしまう……だが、放ってはおけない…!」
《フォウ…?》
フォウを机の上に置いた遊星はDホイールへと駆け出す…!
「遊星!?どうするの!?」
「クロウの仲間を説得してくる…!いくらなんでも、無謀過ぎる!!」
脱獄を思い止まらせようとクロウの仲間のもとへ向かおうとする遊星だったが…。
「おう、そんなに慌てて何処に行くんだ?遊星」
「遊海…仲間が…クロウが収容所から脱獄しようとしてるらしいんだ…!止めないと!!」
その前に遊海が立ち塞がる…遊星は慌てて状況を説明する。
「遊星、1つ聞きたいんだが…その収容所にはどんな奴が行くんだ?」
「えっ…セキュリティに因縁をつけられたコモンズか、軽い罪を犯したコモンズが大多数だと……それもほとんど冤罪で……オレの父さんも……」
「そうか……なら、俺はそろそろ自分の役目を果たすとしようか」
「遊海…?自分の役目…とは?」
遊星は纏う空気が変わった遊海に訊ねる…その瞳はデュエルの時よりも鋭かった。
「お前に受けた一宿一飯の恩義…それを返す為に、俺はお前達のヒーローになろうと思う」
「オレ達の、ヒーロー…?」
「この数日、この街で暮らしてみて分かった…この世界はデュエルによって歪んでいる…少数のトップス達は豪華な暮らしを享受する一方で…大多数のコモンズの人々は差別に苦しみ、悲しんでいる……俺はこの世界を変える為に風穴を開ける…まぁ、上手くいくかは分からないが……なんとかなるだろう!」
夕陽を背に語る遊海…その言葉には僅かな怒りが乗っていた…。
『遊海……お前は、いったい…?』
「俺は世界の行く末を見守り…悪を裁き、希望を導く…そんな
その言葉と共に遊海は鋼の鎧を纏う…その名は──
『正義のヒーロー…
「っ…牛尾!?」
「牛尾さん……やっぱり、
遊海のヒーローとしての名を呼ぶ男…それはデュエルチェイサー003──牛尾哲だった、遊星はセキュリティが来た事に慌てるが…遊海は落ち着いていた。
『おう、「閃珖竜スターダスト」の姿を見てからぼんやりと思い出したのさ……俺のもう1つの人生を……お前達が変えた、ネオ童実野シティの事を…頼むぜ、遊海……この
「ええ…!俺は、この世界を変える為に…次元を越えてきたんですから…!」
懐かしき仲間との再会は…再び遊海の胸に光を灯す!
SideOut
「ゆ、遊海!?どうして…!?」
「月影からお前達が捕まってるって聞いたから助けにきたのさ…まったく、柚子ちゃんが心配なのは分かるが…もう少し落ち着いて動けって…まずはランサーズとして合流を目指すべきだったな」
突然の助っ人登場に驚く遊矢…そんな彼に遊海は少し呆れながら応える。
「お、おいおい…!?なんだよ、あの鎧の奴は…!アレもお前らの仲間なのか!?」
「あ、ああ…白波遊海、ランサーズでもトップレベルの凄腕さ……オレなんか一捻りされちまったし…つーか、どんだけ怪力なんだよ!?」
『……?ゆう、み…?……白波遊海!?』
遊海の登場に驚いたのはクロウも同じ…沢渡に事情を聞くが……その名前を聞いた不動博士は動揺していた。
『き…貴様!ここが何処だか分かっているのか!?』
「遊海!!」
そして、遊海は瞬く間に十数人の看守達に取り囲まれる…その異常な状況に囚人達は様子を窺っている…。
「ああ、自分の私腹を肥やす為に偽りの『正義』を掲げ、権力を乱用する…堕落しきった法の番人がいる場所だろう?…ここに捕まってる奴らよりも、お前達の方が悪人顔してるぜ?」
『貴様…!!奴を拘束せよ!!』
「あ、兄ちゃん!危ねぇ!!」
遊海の言葉が癇に障った看守達が警棒を構えて一斉に飛びかかる…!!
「はぁ…お前達とはデュエルする価値もない…自分達の欲深さに溺れるといい……」
迫る看守達を前に遊海はウジャト眼の刻まれた金色の卵を静かに掲げる。
「罰ゲーム!!」
──GREED〜欲望の幻想〜──
静かな言霊と共に、遊海は『何か』をばら撒いた!
『う、うおおおっ!?カードだ!!レアカードだ!』
『俺のだ!!』
『オレのモンだ!!』
『抜けがけするな!!』
「な、なんだぁ…??」
ばら撒かれた
「なんで…看守共は
「汚ね〜…」
……そう、遊海がばら撒いたのは手近にあったゴミ袋の中身、看守達はチリ紙や生ゴミを醜く取り合っていたのだ。
「看守達を武力で倒すのは簡単だが…それじゃ意味がない、欲に目が眩んだ彼らにはこの方が
看守達に追加のゴミをばら撒いた遊海は呆気にとられた様子の遊矢と沢渡、クロウ達に歩み寄る。
「遅くなって悪かったな、迎えに来た!…権現坂とセレナ…デニスと黒咲はどうした?」
「あっ…えーと…?」
「な、なんだなんだ!?急に静かになったと思えば……遊海!?」
「これは…何があった?」
「わーお…なに?看守さん達は酔っ払ってるのかい?」
「なぜゴミ漁りをしているんだ…?」
「ん、いいタイミングだ」
遊矢に権現坂達の行方を聞く遊海…そこへ黒咲と権現坂、そしてデニスとセレナがそれぞれやって来た。
「これで零児と零羅、月影以外のランサーズは集合できたな!
さっさと合流するとしようか!」
『…遊海さん…?貴方は…チーム5D'sの…私の知っている…』
「不動博士…?」
一度、フェイスオフした遊海が遊矢達に明るく声を掛ける…その時、声を震わせ…目を潤ませた不動博士が遊海に歩み寄る…。
「……久しぶりです、不動博士…ゼロ・リバースの前に顔を合わせたのが最後だったか……やっぱり、貴方も……」
『っ……!!ありがとう…!!遊星を…息子の仲間達を…未来を守ってくれて………ありがとう…!!』
遊海の手を握り締め、涙は流す不動博士…遊海はその肩を優しく叩く。
「いいや、俺は遊星達の手助けをしただけ…未来を掴んだのは彼らの力さ……さぁ、行こう…
『はい…はい…!!』
優しく不動博士を宥める遊海、その言葉で…不動博士の背負う十字架は軽くなったのであった…。
「さて…他の囚人達よ!外への出口は開けてやったが……どうするかはお前達に任せる!逃げるなら逃げろ、犯した罪を償いたいなら牢屋に戻ると良い!……ただし、凶悪犯以外はな?」
「安心してくれよ、鋼の兄ちゃん…ここにはそんな凶悪犯はいねぇ…軽い盗みやら、ライディングデュエルをして捕まったやら…あとはセキュリティに難癖つけられたような奴ばっかりだ、このエンジョイ長次郎が保証する!」
「そうか…貴方の言葉を信じさせて貰おう」
不動博士との再会を果たした遊海は声を響かせる…なお、看守達は相変わらずゴミ漁りに一生懸命である。
「じゃあ…行こうか!」
「「「うおおお!!!」」」
遊海の号令で囚人──コモンズ達から歓声が上がる、その姿はまさにヒーローのようだった…。
「ねぇ、遊海…いいのかな?こんな事して…?」
「まぁ…普通の世界ならアウトだな、だけど…この世界は歪んでる、それを正すのも…俺の役目さ」
大脱獄の主犯となった遊海に心配そうに訊ねる遊矢…遊海はそんな遊矢に優しく笑いかけた…。
『と、止まれ!貴様ら!!』
『大人しく牢屋に戻れ!刃向かう者は容赦しない!!』
「いけねぇ…!脱獄取締り専門チーム『捕縛隊』だ…!さっきの看守みてぇにはいかねぇぞ…!」
遊海達ランサーズを先頭に牢獄塔から脱出するコモンズ達…その前に三人の特殊部隊が立ち塞がる…!
「へっ…!三人なら、数の暴力で押せば…」
「いいや、俺達はあくまで
「遊海…?」
沢渡の提案を止めた遊海は静かに前に歩み出る。
「シティの秩序を守る者達よ…お前達に問う!お前達の
『我々の任務は脱獄を防ぐ事だ!それによってシティの治安を守る!それが我々の為すべき事!』
遊海の問いかけに捕縛隊の1人が答える…!
「その正義とはトップスに偏った…いいや、
『詭弁を…!それはお前達の脱獄とは関係ない!!』
「いいや、関係はある!彼らが社会に戻れば…新たな仕事が生まれ、社会は回る…それによって少しでも笑顔になるコモンズの人々の為に…俺はお前達に立ち向かおう!!」
遊海は静かにデュエルディスクを構える!
『っ…お前達!奴が脱獄のリーダーだ!力づくで取り押さえろ!!』
『『了解!』』
遊海の迫力に気圧されながらも、捕縛隊は戦闘態勢を取る…!
『遊海さん…!大丈夫ですか…!?』
「不動博士…大丈夫、貴方は必ず…家族のいる場所に帰るんだ…その為ならば、俺はこの世界すら敵に回そう!!」
闘気を開放する遊海…お互いの『正義』を賭けたデュエルが始まる…!
『『『デュエル!!』』』
遊海LP4000
捕縛隊A LP4000
捕縛隊B LP4000
捕縛隊C LP4000
「俺のターン!」
「魔法カード『予想GUY』を発動!自分の場にモンスターが存在しない時、デッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚する!現われろ!『クィーンズ・ナイト』!」
遊海の場に閃光が弾け…女王の名を持つ絵札の騎士が現れる! ATK1500
「さらに『キングス・ナイト』を召喚!」
王の名を持つ絵札の騎士が現れる! ATK1600
「そして『キングス・ナイト』の効果発動!自分の場に『クィーンズナイト』が存在する時に通常召喚に成功した事で…デッキから『ジャックス・ナイト』を特殊召喚!!」
王と女王の導きによって未来を担う絵札の騎士が現れる! ATK1900
『一気にモンスターを三体も…!』
『だが、奴の場にチューナーはいない!すぐに制圧してやる…!』
「制圧、か……できるなら、やってみせろよ…俺は永続魔法『アドバンス・ゾーン』を発動…さらに!速攻魔法『神速召喚』を発動!!自分の場に『キングスナイト』『クィーンズナイト』『ジャックスナイト』が存在する時!デッキから闇属性以外のレベル10・攻撃力?のモンスターを手札に加え、召喚できる!!」
遊海がそのカードを発動した瞬間、収容所の上空が夜闇を塗り潰すほどの黒い雲に覆われていく…!
『な、なんだ…!?』
「空が…!」
「すぅ……てんくうにらいめいとどろくとき、つらなるくさりのなかに、いにしえのまどうしょをたばね…そのちから、むげんのかぎりをほこらん…」
雷鳴が轟き、稲光が走る中…遊海は神への祝詞を紡ぐ…。
「神なき世界に現れよ…!我が友の力の欠片!『オシリスの天空竜』──!!」
遊海は手にしたカードをデュエルディスクに叩きつける…そして遊海の場に稲妻が落ち───何も
「えっ…モンスターが……」
『……な、なんだ…?御大層な演出だけか…?』
「……はぁ、
オシリスATK?→1000
「先攻は攻撃できない…俺は手札1枚を伏せてターンエンド、そして永続魔法『アドバンス・ゾーン』の効果発動!俺がアドバンス召喚したターンのエンドフェイズにリリースしたモンスターの数に応じた効果を発動できる!2体リリースした事で1ドロー!さらに3体リリースした事で墓地の『キングスナイト』を手札に加える!」
オシリスATK1000→0→2000
遊海LP4000
オシリス アドバンスゾーン 伏せ1 手札2
『な、なんだよ…びっくりさせやがって…!!すぐに確保してやる!!』
「ゆ、遊海!本当に大丈夫なの!?」
『ゆ、遊矢君…心配する必要は、ないよ…!私達はいま、
「えっ…?」
目に見えないモンスターを召喚した遊海に戸惑う遊矢…だが、その隣で不動博士の手は震えていた…!
@捕縛隊A
『私のターン!ドロー!』
『いくぞ!「ジュッテ・ナイト」を召喚!!』
江戸時代の岡っ引きのような小柄な戦士が現れる…だが── ATK700
「『オシリスの天空竜』の効果発動!相手が攻撃表示でモンスターを召喚・特殊召喚に成功した時!その攻撃力に2000ダメージを与え、0になったモンスターを破壊する!招雷弾!!」
『なっ─!?』
天空から巨大な雷球が飛来…ジュッテナイトは爆散した!!
『い、いったい…何処から…!?』
「その暗視ゴーグルを外して…周りを見てみろよ」
『なにっ…?』
捕縛隊は暗視ゴーグルを外す、その目に映るのはコモンズ達を背にした遊海の姿……そして、コモンズ達の背後にある
『壁が…赤い…?』
その風景に捕縛隊は違和感を覚える…囚人達の背後はコンクリート製の牢獄塔、ならば…その色は灰色でないとおかしいのだ。
「咆哮せよ!
《ギュアアアアン!!!》
『『「「はっ…!?」」』』
遊海の言葉と共に鼓膜が破れるような大咆哮が響き渡る、その主は…牢獄塔に巻き付いた、2つの口を持つ巨大な赤き龍神だった…。
「で……でかっ!?なにあれ!?」
『…伝説の「三幻神」が一体、オシリスの天空竜…!その姿を生きて見れる時が来るとは…!!』
規格外の巨大さを誇る天空神に驚愕する捕縛隊に遊矢達…不動博士は『神』のカードの登場に声を震わせている。
「さっきまでの威勢はどうした?俺を制圧するんだろ?」
『わ、私は…これでターン、エンドだ…』
捕縛隊に問いかける遊海…捕縛隊は震えながらターンを終えた…。
捕縛隊A LP4000
手札5
@捕縛隊B
『お、オレのターン…!ドロー…』
『モンスターを裏守備表示で、召喚…ターン、エンド…!』
捕縛隊B
伏せモンスター 手札5
@捕縛隊C
『俺の、ターン…』
『モンスターを伏せて、ターンエンド…!』
捕縛隊C
伏せモンスター 手札5
「と、徳松さん…捕縛隊の奴ら、なにも動けないみたいだけど…?」
「うん…?ああ、シンクロ召喚はな…召喚できれば強力なんだが、いかんせんチューナーや他のモンスターは攻撃力が低い事が多い…俺の使う『
まったく手を出せない捕縛隊について徳松に訊ねる遊矢…徳松は遊海の召喚したモンスターの恐ろしさをよく理解していた。
「俺のターン!ドロー!」
「魔法カード『光の護封剣』を発動!このカードは相手ターンで数えて3ターン、フィールドに残って相手の攻撃を封じる…そして!発動時に相手の裏守備表示モンスターは表側守備表示になる!」
『『っ!?』』
捕縛隊のフィールドに光の剣が突き刺さり、伏せられていた2体の『ジュッテナイト』が現れる! DEF900 DEF900
オシリスATK2000→3000→2000
「そして!リバースカード発動!速攻魔法『超電導波サンダー・フォース』!自分の場に『オシリスの天空竜』が存在する時!相手の場の表側表示モンスターを全て破壊する!消し飛ばせ!『オシリス』!!」
《ギュアアアアン!!》
『『うわあ!?』』
咆哮と共にオシリスの巨大な口から凄まじい破壊光線が放たれ、2体のモンスターを飲み込む!
「さらに、自分のメインフェイズに効果を発動した事で追加効果発動!このターン、モンスター1体でしか攻撃できない代わりに…破壊したモンスター1体につき1枚ドローできる!2ドロー!」
遊海手札2→4
オシリスATK2000→4000
『攻撃力、4000…!?』
「バトルだ!『オシリス』で捕縛隊Aを攻撃!サンダー・フォース!!」
『ぐわああああ!?』
容赦ない一撃が捕縛隊を飲み込んだ…。
捕縛隊A LP4000→0
「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
オシリスATK4000→3000
遊海LP4000
オシリス アドバンスゾーン 光の護封剣(3) 伏せ1 手札3
@捕縛隊B
『オレのターン…ドロー!』
『っ…モンスターを伏せ、ターンエンド…』
捕縛隊B LP4000
伏せモンスター 手札5
@捕縛隊C
『俺のターン…!ドロー!』
『モンスターをセット…カードを1枚伏せて、ターンエンドだ…!』
捕縛隊C LP4000
伏せモンスター 伏せ1 手札4
「俺のターン!ドロー!」
「フィールド魔法『神縛りの塚』を発動!」
遊海の背後に神々を祀る塚が現れる。
オシリスATK3000→4000→3000
「さらに罠カード『メタル・リフレクト・スライム』を発動!このカードを水属性水族レベル10、守備力3000のモンスターとして特殊召喚!」
遊海の場に巨大な刺々しいスライムが現れる! DEF3000
「そして!水属性水族、レベル10のモンスターをリリースする事で…エクストラデッキから融合モンスター『
『なっ…!?』
銀色のスライムが変形…大地の神の姿を写した、攻撃形態に変身する! ATK3000
「バトルだ!『神・スライム』で捕縛隊Cの伏せモンスターを攻撃!」
『ここだぁ!!リバース罠「聖なるバリア─ミラー・フォース」を発動!相手の攻撃表示モンスターは全て破壊だ!!』
「それはどうかな?」
『へっ…?ぐわぁああ!?』
ミラーフォースで反撃を狙う捕縛隊…だが、そのバリアは呆気なく神のスライムに砕かれ…伏せられていた『キリビ・レディ』が粉砕される!
「『神縛りの塚』の効果でレベル10以上のモンスターは効果対象にならず、破壊されない…さらに!レベル10以上のモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、相手に1000ダメージを与える!」
『ぎゃあああ!?』
暗雲から稲妻が捕縛隊に直撃する!
捕縛隊C LP4000→3000
「『オシリス』で捕縛隊Cにダイレクトアタック!サンダーフォース!」
『ひぎゃっ…!?』
2人目の捕縛隊も神の前に消し飛ばされた…。
捕縛隊C LP0
『ひっ……わ、うわあああああ!?!?』
「……これぐらいの威圧で使命と仲間を捨てて逃げるか……まだネオ童実野シティのセキュリティの方が強く、正義に燃えてたぞ……情けない」
《ギュアアアアン!!》
最後の捕縛隊はデュエルディスクを捨てて逃げ出す…その姿に遊海は呆れ、オシリスは勝利の咆哮を轟かせた…。
捕縛隊B 逃亡
遊海WIN!
「ああ、囚人達…一つ言い忘れたが……お前達がもし、悪事を働いたなら……俺が
「「「ひっ…!?」」」
デュエルを終えた遊海は穏やかにコモンズ達に声を掛ける…だが、その目はまったく笑っておらず……コモンズ達は壊れた首振り人形のように首を縦に振ったのだった…。
「(あの人、やべぇ……革命の前に…オレが潰される…!)」
特に、コモンズによる革命を計画していた一人の青年は…完全に心を折られたのだった。
ドッカァァァン!!
「よーし、これで外に出られるな!」
「(鋼鉄の門を拳一発で粉々に…!?前から思ってたけど、遊海って何者!?)」
収容所と外界を隔てている巨大門を粉砕した遊海…その規格外の力に遊矢は表情を引き攣らせる…その時だった!
【運動会はそこまでです】
拡声機による声が響くと同時に無数の巨大ライトが遊海達の一団を照らす!
「っ…!せ、セキュリティの本隊だ!!」
「そんな…!ようやく、家に帰れると思ったのに…!?」
収容所から橋を隔てた向こう岸…そこには数十人以上のセキュリティ達、そして…それを率いる一人の男が立っていた…!
【私はシティの治安を預かる責任者、治安維持局長官のジャン・ミシェル・ロジェと申します…脱獄犯諸君、奮闘ご苦労……しかし、それもここまでです】
金髪で落ち着いた雰囲気を纏う男…ロジェは遊海達を追い詰める。
「………なんだ、
【っ…貴様、長官である私に向かって…!】
「黙れ」
【ひっ…!?】
現れたロジェを雑魚と言い捨てた遊海…それに反論しようとしたロジェだったが、遊海の殺気の篭められた言葉に思わず尻もちをつく…。
「お前には
【貴様…!!貴様ぁ!!この私を虚仮にして…タダで済むとでも…!】
呆れた様子でロジェに話す遊海…ロジェはなんとか立ち上がるが…。
『そこまでです、ロジェ長官…彼らの身柄は「行政評議会」の預かりとなります』
『これは評議会の総意であり、治安維持局はそれに従う義務があります』
【なっ…!?行政評議会だと!?】
その時、一機のオスプレイ型輸送機が着陸…その中から現れたのは白いタキシードを纏ったシティの最高機関『治安維持局』の使者だった。
【ま、待ちなさい!彼らはコモンズを扇動し、シティで騒乱を起こそうとする不穏分子!セキュリティの手で徹底的に…!】
──不穏分子かどうかは我々が判断します──
──今すぐ、彼らの…『ランサーズ』の身柄を渡してもらいます──
──これは命令です、ですな?議長──
──はい、そう言う事です──
【そんな…!?】
使者に反論するロジェ…だが、それを諌めたのはホログラムで現れた5人の男女…ホワイト・タキ議長を始めとした『行政評議会』の議員達だった。
──それから…連れてくるのは『ランサーズ』の者達、それに関わったクロウ・ホーガン、シンジ・ウェーバーとその仲間…そして徳松長次郎氏……それ以外の者には
──はい、そういう事です──
【なっ…!?そんな事が、まかり通ると…!】
突然の恩赦宣言に取り乱すロジェ…それは前代未聞の事だった。
──ロジェ長官、貴方が相対しているのはただのデュエリストではありません…気付いていないのですか?貴方はずっと
【はっ…?】
その瞬間、ロジェは後ろを振り返る…ライトが照らす収容所…その背後には虹色の核石が輝く、巨大な
「話はついたな…ランサーズ、お前達は白タキシードの人達の指示に従ってシティの最高意思決定機関『行政評議会』に向かうんだ、そして長次郎さんと…クロウにシンジ君、それからデイモン君?…君達も指示に従ってほしい…危険はないから安心してくれ」
「遊海は…?」
「ちょっと人を送ってから行く…すぐに追いつくさ………行きましょう、不動博士」
『遊海さん…いいのかい?』
「ああ、遊星との
《キュオオン!!》
遊矢達に指示を出した遊海は不動博士と共に夜空へと飛び上がる…そして、光輝く竜の背に乗って夜空へと消えて行った…。
【(な、何なんだ?あの鎧の男は…!?力が、足りない…
渋々、行政評議会の指示に従うロジェ……だが、彼は諦めてはいなかった…。
「おう、いま戻ったぜ遊星!」
「遊海!」
《フォウ!フォーウ!!(遊海!おかえりー!)》
「おっと!ただいまフォウ!乗り物酔いは治ったみたいだな!」
遊星の工場に遊海が帰還する、フォウは遊海へと飛び付き…遊星は作業を中断して遊海へと駆け寄った…。
「クロウ達は!?」
「大丈夫、収容所から助け出して…色々あって行政評議会預かりになった、もう大丈夫だ!」
「行政評議会の!?……でも、無事なら…良かった…」
クロウ達の無事を聞いた遊星は一先ず胸を撫で下ろす…。
「そして…俺から
「えっ…?」
遊海は工場の外へ声を掛ける…そこには…。
『遊星…遊星…!』
「と、父さん…!?」
戸惑いながら、白衣を来た男が遊星に歩み寄る…それは、遊星の記憶から少し窶れてはしまったが……紛れもなく、遊星の父だった…!
「たまたま、俺の仲間と同じ収容所にいたみたいでな…交渉して恩赦にしてもらった……これ以上は野暮な話だな」
《フォーウ(2人だけにしてあげよう!)》
『遊星…寂しく、辛い思いをさせてすまない…!!明日になったら、母さんを迎えに行こう…!トップスの時のように贅沢はできないかもしれない……それでも…』
「…贅沢なんて、いらない…!父さんと、母さんと一緒にいられるなら…!!」
『遊星…ごめん、ごめんな…!!』
ついに果たされた親子の再会…遊星も不動博士も、涙を零しながら再会を喜びあった…。