転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ロジェの企みによってシティのデュエルキング、ジャック・アトラスとぶつかり合う事になった遊矢。
…そして、単独行動の遊海……彼は最短距離での『最善』を目指す…!

それでは、最新話をどうぞ!


孤高の王者〜洗礼、そして…〜

「ふぅ…ようやく始まるか…」

 

行政評議会での一幕から2日…遊海はフレンドシップカップの会場となる大規模スタジアム『デュエルパレス』を訪れていた。

今日は前夜祭…今日を楽しみにしていた観客達でスタジアムはごった返している。

 

 

「遊海、良かったのか?本当はアンタも出場者なんだろ?」

 

「まぁな、だけど…出場者じゃないからできる事もある」

そして、遊海は一人ではない…家族との再会を果たした遊星と一緒にやって来ていた。

遊海は遊星に自分の正体…別次元からの来訪者であり、仲間達がフレンドシップカップに出場する事も話している。

 

なお、不動博士には()()を打ち明けていた。

 

 

 

 

「うわっ!?」

 

「おっと…!君、大丈……るっ!?」

空いている席を探して移動する遊海…その時、混雑する通路で一人の少年とぶつかってしまう…それは───緑色の髪をポニーテールにした少年だった。

 

 

「ご、ごめんなさい!妹とはぐれて探してて…」

 

「だ、大丈夫大丈夫……ん?あの子かな?」

 

「えっ?」

 

()()!もう…焦りすぎよ!そんなに急いだってジャックは逃げないって…!」

 

()()!ごめんごめん!!」

妹を探していたらしい少年は無事に妹と合流する…その顔は髪型を除けば瓜二つだった。

 

 

「……見つかって良かったな!今度ははぐれないようにするんだぞ?」

 

「「は〜い!」」

遊海が注意すると2人は元気に応えて走っていった。

 

 

 

「………アヤカ、サーチ頼む」

 

《はい………デュエルパレス周辺にブルーノを除くチーム5D's、その並行存在全員が集まっています》

 

「………『絆』は世界が違っても繋がっている、か…」

 

《フォーウ》

アヤカの言葉を聞いた遊海は炎の()が刻まれた右腕を静かに撫でた…。

 

 

 

………

 

 

 

『シティの中心部にそびえ立つデュエルパレスには実に20万人以上の大観衆が詰めかけ、フレンドシップカップ開幕を待つ熱気で盛り上がっております!!』

開始時間が迫り、スタジアムには実況を務めるカウガール衣装のアナウンサー、メリッサの声が響く…一方、その頃…。

 

 

 

「っ…みんな、何処に連れて行かれたんだろう…それに裏切り者って…」

スタジアム内の選手控え室…そこで赤いライダースーツを着た遊矢は浮かない表情で出番を待っていた。

行政評議会によって分断されてしまったランサーズ…行方が分からない柚子…そして、クロウが見せたシティのデュエルキング、ジャック・アトラスへの怒り…様々な思いが巡り、遊矢は追い詰められていた…。

 

 

「……ねぇ、()()…ジャック・アトラスって、どんな人なの?」

 

「っ…」

そんな時、遊矢は少しでも情報を得る為に自分に付いているホテルマンのような服装の少年に話しかける…だが、少年は遊矢の言葉に驚くような表情をしていた。

 

 

「あっ…もしかして、オレと話しちゃダメだったかな?」

 

「いえ…そんな事は、ないです……」

 

「キミも…ジャック・アトラスのファンなの?ジャックはトップス・コモンズ両方のキングで、ファンが多いって聞いたから…彼の事を教えて欲しいんだ」

 

「……ジャック・アトラスは3年前のフレンドシップカップでコモンズ出身として初めて優勝して…それからずっとキングの座に君臨する『絶対王者』なんです、その振る舞いや言動は全てにおいて史上最強に相応しい……と、みんなは言ってます…」

 

「……ごめん、少し言いづらい事だったかな…?」

遊矢の問いに付き人の少年は少し戸惑い…言葉を選びながら答える…遊矢はその様子から何かを察したようだ…。

 

 

 

「い、いえ…そろそろお時間です、ご案内します…」

 

「うん、ありがとう…よろしくね」

付き人の少年は遊矢に移動を促す…そして遊矢は戦いの場に向かった…。

 

 

 

 

《……マスター、シンクロ次元のズァークの反応を確認しました…!》

 

「ん…ありがとう、アヤカ……遊星、すまないが席を外すぞ?」

 

「ああ……遊海、あまり無茶な事はするなよ…?」

 

「ふっ…心配すんな、俺は……お前達が暮らすこの街を良くしたいだけさ」

 

 

 

 

 

 

「待ってよ!ユーゴ!」

 

「おお…!うおおお!!ついに来たぜ!デュエルパレス!!すげぇ!でっけぇ!!広すぎる!!」

デュエルパレスの一角に慌てた柚子の声が響く…その隣には白いライダースーツを着た少年、ユーゴの姿があった…。

 

 

「舞網市のデュエルスタジアムも大きかったけど…ライディングデュエルの会場ってこんなに広いんだ…!」

柚子は改めてスタジアムを見渡す…「アクションデュエル」を行なう関係上、スタンダード次元のデュエルスタジアムも広い場所が多かったが…デュエルパレスはその数倍の広さがあるようだった。

 

 

 

『それでは!いよいよ本日のメインイベント…シティが誇るデュエルキング!ジャック・アトラスによるスペシャルマッチの開幕です!!』

 

「「「うおおお!!」」」

 

「「「ジャック!ジャック!ジャック!!」」」

 

スタジアムにメリッサの宣言が響き渡る、そしてスタジアムは歓声とジャックコールに包まれる…!

 

 

『流石はフレンドシップカップの象徴!ジャック・アトラス!トップスもコモンズもなく、彼の名を呼んでいますが…ちょっとお待ちを!彼の登場の前に、今回のスペシャルマッチの対戦相手に選ばれた幸運なデュエリストをご紹介します!!その名は…()()()!!』

 

「えっ…!?」

メリッサによって今年のエキシビションマッチの対戦相手が発表される…そして、その名前を聞いた柚子は目を見開いた。

……そして、ライディングコースの入場口から赤色の量産型Dホイールに乗った赤いライディングスーツ、そして見覚えのあるゴーグルを着けた少年が飛び出した…!

 

 

 

「遊矢…!?本当に、遊矢なの…!?あっ…!」

 

キィン─!

 

危なっかしくDホイールを操るライダーが遊矢なのか分からず戸惑う柚子…だが、その時…柚子のブレスレットが淡い光を放つ…!

 

 

「ブレスレットが、光ってる…2人が、ここにいるから…?ああっ……ああ…!!」

 

「おい柚子!?大丈夫か!?」

その光を見た柚子は確信する、あのDホイールに乗っているのは…間違いなく遊矢なのだと…。

そしてその目からは安堵の涙が零れ…隣ではユーゴがあたふたと慌てている…。

 

 

 

 

《フォウ!フォーウ!!》

 

「ふぇ…?フォウ、くん…?」

スタジアムを周回する遊矢を見て涙を流す柚子、その足元から聞き慣れた鳴き声がする事に気付く…それは不思議な白猫、フォウの声だった。

 

「なんで、フォウくんがシンクロ次元に…?」

 

「ようやく見つけたよ…柊柚子ちゃん、そして…ユーゴ君?」

 

「えっ…あ…!」

フォウとの思わぬ再会に驚く柚子…その時、観客席の出入り口に立つ2人に声をかける者がいた。

 

「な、なんだお前!セキュリテ「遊希さん!!」おわっ!?知り合いか!?」

突然現れた人物を警戒するユーゴだったが…柚子はその人物へと躊躇なく抱きついた…。

 

 

「遊希さん…!怖かった…寂しかった…!!」

 

「……ごめんな、柚子ちゃん……俺は違うんだ…」

 

「えっ…?」

飛び込んだ青年の胸元で再び涙を流す柚子…その背中を優しく叩きながら、青年は……遊海は柚子に()()()である事を伝える…。

 

 

「遊希、さん…?記憶が…戻ったの…?それに…左目が!!」

 

「俺は白波遊海、榊遊希が命を賭けて守ってくれた…本当の姿だ、そして…スタンダード次元防衛隊『ランサーズ』として、君を助けに来た……他にも遊矢や沢渡君、権現坂君もこの次元に来ている……1人でよく頑張った…!」

 

「おお!お前の仲間が迎えに来たのか!良かったじゃねぇか!!」

柚子の言葉に遊海は優しく、そして手短に情報を伝える…そして、心細かったであろう柚子を労った。

 

 

「遊希……遊海、さん…それじゃ、あのDホイールに乗ってるのは、本当に…!」

 

「ああ、これからジャック・アトラスと戦おうとしてるのは正真正銘、君の幼なじみの榊遊矢だ…行政評議会や治安維持局との交渉でランサーズはこの大会に出場する事になった……そして、このエキシビションでは遊矢に白羽の矢が立ったんだ」

 

「そりゃ…本当に()()()()だな…」

 

「えっ…?」

柚子は遊矢の無事を聞いて安堵していたが…ユーゴは苦々しい顔をしていた…。

 

 

「エキシビションマッチの対戦相手はジャックへの()()…フレンドシップカップはキングへの()()()を掴む為の大会だ……その代わり、本戦には出場しないキングの強さを見せつける為に…エキシビションマッチの相手は完膚なきまでに叩き潰される、出場者達の闘志を煽る為にな…それが前夜祭の()()さ」

 

「そんな…!」

ユーゴが語るエキシビションマッチの真実に柚子は顔を曇らせる…()()()()という言葉がその不安を煽っていた…。

 

 

「……柚子ちゃん、遊矢は今…()()()に戦おうとしているんだ」

 

「えっ…?」

 

「この会場の何処かで君が見ていてくれる…だから、自分の元気な姿を見せて安心させたい…そして、エンタメデュエルでシンクロ次元のお客さんを楽しませたい……他にも、様々な思いを抱えて遊矢はあそこに立っている……君がしなきゃならない事は分かるかな?」

 

「っ…はい!!頑張って!遊矢─!!」

遊海から遊矢の想いを聞いた柚子は声を張り上げる…彼女ができるのは、応援する事だけなのだから…。

 

 

 

「なぁ、アンタもランサーズなら大会に出るんだろ?こんなトコにいていいのか?」

 

「悪いけど…俺は()()して貰ったんだ、やりたい事があってね?」

 

「へぇ?何をするんだ?」

 

「………()()()()…かな?」

 

「………はぁ??」

遊矢を応援する柚子を見ながらユーゴが遊海へと問いかける…だが、その答えの意味が分からず首を傾げた…。

 

 

 

 

『さぁ!お待ちかね…!いよいよキングの登場です!!その強さ…その威厳の前にシティはひれ伏した…!コモンズ出身ながら、昇り竜の如くサクセスロードを駆け上がり!デュエリストの頂点に登りつめた生きる伝説!レジェンド!!我らがデュエルキング!!ジャック・アトラス!!』

スタジアムの照明が落とされ、メリッサの声が響く…そしてその輝かしい経歴の紹介と共に、一台のモノホイール型Dホイールが会場へと現れる…それを操る男こそ、シティの『王』…ジャック・アトラス!

 

 

「「「ジャック!ジャック!ジャック!!」」」

スタジアムに響き渡るジャックコールの中、キングはその声援に応える…!

 

 

『キングは1人、この俺だ!!』

 

 

「「「うおおおお!!」」」

Dホイール『ホイール・オブ・フォーチュン』で疾走しながら得意のポーズを披露するジャック…スタジアムはさらなる熱狂に包まれる。

 

 

「………ジャック…」

その姿を見つめながら…遊海は感じていた、自分の知る「ジャック」とも…漫画版の『ジャック』とも、そして時空の狭間から紛れ込んだ『シンクロ次元後ジャック』とも違う…現在のジャックが抱える空虚さを…そして、ジャックはスタート位置で待機する遊矢へと横付けする…!

 

 

 

『皆に尋ねる!今宵…俺は()()()()でコイツを倒す?』

 

「えっ…!?」

それは突然の勝利宣言…ジャックはデュエルが始まる前から遊矢に勝つつもりでいるのだ…!

 

 

「決まってるぜキング!そんなガキ1ターンで終いだ!!」

 

『フッ…キングのデュエルは()()()()()()()()()()でなければならない!』

 

「っ…エンタメ…?」

観客から飛び出す1ターンキル希望…だが、ジャックはそれを流す…その横で遊矢はジャックもまた『エンタメデュエリスト』であると知った…。

 

 

『ターン1!先攻を取るのはこの俺だ!その幕開けに続き…ターン2!相手にも充分な見せ場を与え──ターン3!最後はそれを上回る圧倒的な力の差を見せつける!!』

指で数えながら…ジャックは遊矢と観客達に対して予告勝利を宣言する…!

 

 

 

「(オレが3ターンで負けるなんてあるわけない……)」

 

 

──裏切り者のジャックをぶっ倒してやれ!──

 

──これが最初の試練だ、お前の『エンタメ』を貫いてみせろ──

 

 

「俺のエンタメを……見せてやる…!!」

ジャックの宣言を前に遊矢は自分なりのエンタメデュエルをすると決める…!

 

 

 

 

『さぁ!まずはフィールド魔法の発動です!…って、ルール変更?アクションフィールド??』

 

「えっ…アクションフィールド!?」

 

「ランサーズは次元戦争に対応する為にアクションフィールド投影技術をこの世界に持ち込んだ…まぁ、アクションライディングデュエルって所だね」

ルール変更のカンペを読んだメリッサが戸惑う…そして同じく戸惑った柚子に遊海が補足した…。

 

 

『よく分からないけど…アクションフィールド・オン!フィールド魔法「クロスオーバー・アクセル」!』

 

【フィールド魔法『スピードワールド・ネオ』『クロスオーバー・アクセル』発動、オートパイロット・スタンバーイ…】

メリッサの宣言と共にDホイールのデュエル機能が開放される!

 

 

 

「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」

 

 

シティのキングとエンタメの申し子…2人のデュエルが始まった…!

 

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢対ジャック

 

 

 

 

「そんな…!!」

遊矢は動揺していた…あまりにも遠く、高みにいるジャックの力を前に…。

 

 

 

 

1ターン目、ジャックの先攻…レベル6の『レッド・ワイバーン』をシンクロ召喚し、カードを1枚伏せてターンを終える。

 

 

2ターン目、遊矢の後攻…『星読み』『時読み』2体の魔術師によるペンデュラム召喚によってエースである『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を呼び出し、さらにペンデュラム融合によって神秘の眼『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を…そしてペンデュラムエクシーズによって反逆の牙『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』を呼び出し、観客を圧倒する()()()を作る。

 

ジャックは格上のモンスターを破壊できる『レッド・ワイバーン』の効果を発動する…だが、遊矢はアクションマジック『ミラー・バリア』によって回避…『ダークリベリオン』の攻撃によってジャックのライフを残り300まで追い詰める。

 

しかし、ジャックは終わらない…即座にアクションデュエルに適応してアクションマジック『魔回避』、さらに罠カード『リジェクト・リボーン』によって残りの攻撃を回避した上で『レッドリゾネーター』『レッドワイバーン』を蘇生して布石を整える。

 

そしてジャックは遊矢を戒める…!

 

 

 

『榊遊矢…お前は口にしたな?エンタメデュエルと…だが、お前のデュエルは()()()()()に過ぎない!エンターテイメントには程遠い……お前には、俺が立つ頂まで登ってくる力はない!!』

 

「なにっ…!?」

シティのキングとして、ジャックは遊矢の弱点を叩き付ける…この時点で遊矢は冷静ではなかった。

突然の相手による勝利宣言…仲間や柚子の行方の不安…色々な悪条件が重なり、遊矢は本来の魅せるエンタメデュエルではなく…エンタメとは名ばかりの力押しのデュエルをしてしまった。

 

しかし、力押しならば……ジャック・アトラスはその二歩先を行く…!!

 

 

 

 

『王者の咆哮!今、天地を揺るがす…唯一無二たる覇者の力をその身に刻むがいい!シンクロ召喚!!荒ぶる魂…レベル8!「レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライト」!!』

3ターン目、ジャックのフィールドで炎が弾ける…それは右角が折れ、右腕にも大きな傷を負いし荒ぶる魔竜…予告通り、ジャックは圧倒的な力を見せつける!!

 

 

『「スカーライト」の効果発動!1ターンに1度、自身以下の攻撃力を持つ、特殊召喚されたモンスターを全て破壊し!1体につき500ダメージを与える!!アブソリュート・パワー・フレイム!!』

 

「そん、なっ…!?」

紅蓮の炎が神秘の眼と反逆の牙を吹き飛ばす…そして、アクションカードもない…!

 

 

『「レッドデーモンズ・ドラゴン・スカーライト」でダイレクトアタック!キングの前にひれ伏せ…!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!』

 

 

「う、うわあああああ!!」

 

「遊矢─!!」

それは敵を葬る灼熱の炎…その衝撃は高速走行中のDホイールから遊矢を放り出した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく…免許もなく、自転車にも乗らない子供をいきなりDホイールに乗せたら…こうなるのは当たり前だろうに…ちゃんとした安全装置を付けてやれよ」

 

 

『なにっ…!?』

 

 

 

 

遊矢LP0

 

 

ジャック WIN!

 

 

 

 

 

「えっ…?」

遊矢は襲いかかるはずの衝撃が来ない事を不思議に思って目を開ける…そして、最初に目にしたのは…光を反射する鋼の鎧だった。

 

 

『貴様…キングのデュエルに水を差すのか…!乱入者よ!!』

 

「勝負は決した…なら、余計な傷を子供に負わせる事もないだろう?…お疲れさん、遊矢……今回のデュエルは()()()だ、だから言っただろ?お前の『エンタメ』を貫いて見せろって…予告勝利はお前のペースを乱す為の()()だ、いつもの遊矢なら…もうちょっと食い下がれたんじゃないか?お前が3ターンキルを覆せれば…スタジアムは盛り上がったと思うぞ?」

 

「ゆ、遊海…?」

ジャックの怒声が響く中…遊矢はゆっくりと地面に立たされる、地面に叩き付けられる前に、鋼の鎧を纏った遊海が飛び出して遊矢を回収していたのだ。

 

 

 

『お、お〜っと!!あの銀色の鎧は…!!最近シティに現れ、犯罪を次々と鎮圧し、コモンズ・トップス問わずに人々を救うご当地ヒーロー!謎の戦士、メタルナイトだぁぁ!!』

ざわめくスタジアムにメリッサの実況が響く、遊星と暮らした数日と大会までの2日間、遊海は合間を縫って昼夜を問わずに『鋼の騎士』として人助けに奔走し、()()を作っていたのだ。

 

 

 

『貴様…行政評議会が言っていた「ランサーズ」とやらの仲間か?わざわざフレンドシップカップの出場権を蹴った変わり者らしいな』

 

「ああ、俺は()()()()だろうさ…正規でのお前への挑戦権を蹴ったんだからな……だからこそ、()()()()()ができる」

 

『なに…?』

行政評議会から遊海の事を聞いていたらしいジャックは遊海へと怪訝な目を向ける…。

 

 

 

「おい、デュエルしろよ……お前の燻った魂の炎をつけ直してやる」

 

『なんだと?』

仮面の下で不敵な笑みを浮かべた遊海は…ジャックへと宣戦布告を叩き付けた…!

 

 

 




「………遊海さん……流星……」

「そんなに心配する事はあるまい、我が魂を受け継いだ海亜に、世界を救った九十九遊馬も一緒に行っておるのだ…ズァークや次元の問題など一捻りして帰ってくるに決まっているだろう」

「ジャック…」
DM世界、ネオ童実野シティ…伝説の決闘者の1人、不動遊星は街の見晴らし台から心配そうに空を見上げていた…その隣には彼の終生のライバル、ジャック・アトラスの姿もある…。


「……歯痒いな…年老いたオレ達では、遊海さんの力になれないのは…」

「フン…それを言ったら、若く取り繕ってはいるが遊海は俺達以上の化け物ジジイだろうが……あまり心配し過ぎるのは体に毒だぞ?遊海が戻って来た時にお前がくたばっていたら…あの世にでも奴は乗り込んで来るに違いない」

「ははっ…ああ、絶対に乗り込んでくるだろうな……」
遊海の力になれない事を悔やむ遊星…ジャックはそんな遊星を気遣いながらも、他愛もないジョークで遊星を笑わせる。




「(遊海さん、次元を越えても…世界が違っても…オレ達、チーム5D'sの絆は繋がっている…!俺達の思いよ……どうか、届いてくれ…!)」
遊星は静かに祈る…掛け替えのない仲間の無事を信じて…。




キィン─!!




「………えっ…?」
その時、既に失われたはずの『光』が右腕で疼いたような気がした。
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