転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

久々に筆が乗ったので、連続投稿!

シンクロ次元のキング、ジャック・アトラスへと宣戦布告した遊海…彼は、世界を変える事ができるのか…!

それでは最新話をどうぞ!


王者と英雄─奇跡の導き─

『なっ…白波遊海!?』

 

『あんな場所で何をしている…!』

 

「……はぁ…凌牙に聞いていた以上の行動力だな…20万人もの観客の前に躊躇なく飛び出すか…しかも、()()()()()()()()()()()()()で…」

同じ頃、行政評議会は動揺していた…ジャックが遊矢を倒すのは想定内、いつも通りの事だ……だが、そこへ姿を消した遊海が現れるとは考えていなかったのだ。

なお、その中で零児は珍しく溜息をついている…。

 

 

 

『赤馬零児、白波遊海は何をしようとしているのです!』

 

『仮にもお前の()()ならば、分かるはずだ』

 

「部下?ご冗談を…白波遊海は私の手に負える男ではない、彼は本当に()()で同行してくれた…1人で()()()()()()()()()()と豪語した男だ」

 

『『『『なっ…!?』』』』

行政評議会の問いかけに零児は眼鏡を押し上げながら答えるが…その答えに評議会の4人は絶句する…!

 

 

『赤馬零児、君は白波遊海が何をしようとしていると考えますか?』

ホワイト議長は変わらぬ穏やかな笑顔のまま、零児に問いかける。

 

 

「私の友人…彼の息子の言葉通りなら──彼はこの世界を()()()とするでしょう、差別や陰謀という名の『毒』に侵された、この世界を…」

 

『そうですか…では、お手並み拝見といきましょうか』

零児の言葉を聞いてなお、ホワイト議長は朗らかに笑っていた。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

「おい、デュエルしろよ」

 

『なっ…クッ、ふはははは!!何処の馬の骨とも知れぬ貴様が、この俺にデュエルを挑むというのか?』

スタジアム・デュエルパレス…遊海によって宣戦布告を叩きつけられたジャックは笑い声を響かせる…。

 

 

「ゆ、遊海!何を考えてるんだよ!?」

 

「おっと、その前にやる事があったな…彩華!」

 

《はい、マスター…柊柚子さんをお連れしました》

 

「えっ!?」

突然の事に慌てて遊海に声をかける遊矢、そして先に解決すべき事を思い出した遊海は人間体の彩華を呼び出す…その腕にはお姫様抱っこされた柚子の姿があった…。

 

 

「ゆ、遊矢…!!」

 

「柚子!!」

彩華に優しく降ろされた柚子は遊矢へと抱き着く…お互いの目には涙が浮かんでいた…。

なお、ユーゴは観客席で残念そうな嬉しそうな…微妙な表情をしている。

 

 

「柚子…柚子…!無事で、無事で良かった…!守りきれなくて、ごめん…!」

 

「いいの…!遊希…遊海さんから全部聞いた…!私の為に、次元を越えて助けに来てくれたって…!!」

 

 

 

『これは…どういう事だ?』

 

「遊矢は()調()()ではなかったって事だ、委細は行政評議会に聞いていると思うが…遊矢はこの子、柚子ちゃんを助ける為にこの街にやって来た…だけど、セキュリティに追われたり…収容所に捕まったり…ちょっと酷い目にあって精神的に追い詰められていたんだ」

 

『フン…それを負けた理由にするのか?』

 

「いやいや、負けたのは遊矢がまだ未熟だからさ…コモンズから茨の道を歩いて、叩き上げられたデュエルの強さと揺るがぬ信念を持ってるお前にいきなり勝てるとは思ってないよ」

遊矢と柚子が再会を喜ぶ横で遊海はジャックへと遊矢の来歴を伝える。

 

「それでも…遊矢は頑張り屋だからな、すぐにお前の眼鏡に適うデュエリストになるだろうさ…その王座へと迫るほどに…!」

 

『その()()()がか?…フン、ずいぶんと夢を語るではないか』

遊海のフォローを鼻で笑うジャック…その余裕は崩れていなかった。

 

 

 

「一つ解決した所で…答えを聞かせてくれよ、ジャック・アトラス…所詮、このエキシビションマッチは()()()だ…ちょっとぐらい付き合ってくれてもいいだろう?」

 

『フッ…生意気な事を…その口振り、まさか…俺に勝てると思っているのか?』

 

()()、今のデュエルに満足していない…燃え尽きてるお前にならな?」

 

『……貴様』

先ほどとは一転、鋭い言葉を突きつける遊海…だが、ジャックは分かっていた…この男は()()()、自分を焚き付ける為に挑発しているのだと…。

 

 

『……いいだろう、キングの誇りに賭けて…貴様の鼻っ柱を叩き折ってやる!』

 

「そう来なくっちゃな…!」

スタジアムで遊海とジャックが火花を散らす…!

 

 

『こ、これは大事件!ジャックが乱入者の挑戦を受けた!もう一度ジャックの…キングのデュエルが見られるようです!!』

 

「「「うおおおっ!?」」」

突然の事態に戸惑っていたメリッサが実況を再開する…それを聞いた観客達からは歓声が上がった…!

 

 

 

 

「(シンクロ次元は『勝者の言葉』が大きな意味を持つ…ならば、ここでジャックに勝つ事で足掛かりを作る……それに、別人とはいえ…()()ジャックが、こんなつまらなさそうな顔してるのは、見てられない!!)」

歓声が上がるスタジアムで遊海は目的を確認する…この後の()()の為に、そしてジャック自身の為に負ける訳にはいかないと…!

 

 

「遊海、まさか…エキシビションで戦績が反映されないのが分かってて…!」

 

「ああ、人々に…評議会に力を見せるのはお前の役目だ…ならば俺は、さらに大きなモノを背負って戦おう!彩華、二人を頼むぞ」

 

《了解です、マスター…ご武運を!》

 

「ああ…来い!ホイール・オブ・フォートレス!!」

遊海の背後の空間が割れる…その中から近未来的デザインの赤と白のDホイールが飛び出す!

 

 

『フン…良いデザインだ』

 

「ありがとよ…さぁ、ひとっ走り付き合えよ!」

 

【フィールド魔法『スピードワールド・ネオ』アクションフィールド『クロスオーバー・アクセル』発動!デュエルモード・スタンバーイ!!】

スタートラインについた二人…そしてシグナルが青に変わった…!!

 

 

「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」

 

孤高の王者と希望の英雄…二人のライディングデュエルが始まった…!

 

 

ジャックLP4000

遊海LP4000

 

 

アクションフィールド『クロスオーバー・アクセル』発動中

・アクションカード発動可能

 

 

 

 

 

『俺のターン!』

『お前には…キングの力を思い知らせてやろう!「レッド・リゾネーター」を召喚!!』

炎の衣を纏った音叉の悪魔が現れる! ATK600

 

『さらに「レッド」モンスターの召喚に成功した事で手札の「レッド・ウルフ」は特殊召喚できる!』

さらに炎を纏う獰猛な狼が現れる! ATK1400

 

『俺はレベル6の「レッド・ウルフ」にレベル2の「レッドリゾネーター」をチューニング!』

 

2+6=8

 

『王者の咆哮!今、天地を揺るがす…唯一無二たる覇者の力をその身に刻むがいい!シンクロ召喚!!荒ぶる魂!レベル8!「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト」!!』

歴戦の悪魔竜が咆哮する! ATK3000

 

 

『俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!』

 

ジャックLP4000

スカーライト 伏せ2 手札1

 

 

 

『ジャックはいきなりエースモンスター「レッドデーモンズドラゴン・スカーライト」を召喚!鋼の騎士はその期待に応えられるのか〜!?』

 

「ふぅ……力を貸してくれ、()()()()…お前の荒ぶる魂を…」

 

『……なに?』

メリッサの実況が響く中、遊海は静かにデッキに手を掛ける…その時、ジャックは遊海の呟きに耳を疑った。

 

 

 

「俺のターン…ドロー!!」

「俺のフィールドにモンスターが存在しない時!手札の『クリムゾン・リゾネーター』は特殊召喚できる!!」

 

『「リゾネーター」だと?』

遊海の場に紅蓮の炎を背負う音叉の悪魔が現れる! ATK800

 

 

『こ、これは…!?鋼の騎士がジャックの使うモンスターに似たモンスターを呼び出した〜!?えっ、どゆこと!?』

 

「さらに俺は手札から『スカーレッド・ファミリア』を召喚!!」

全身が炎に包まれた魔人が現れる! ATK1600

 

 

「俺はレベル4の『スカーレッド・ファミリア』にレベル2の『クリムゾン・リゾネーター』をチューニング!!」

 

4+2=6

 

「紅蓮の炎が眠りし魂を震わせる…シンクロ召喚!!王者の魂をその身に宿せ!レベル6!『レッド・ライジング・ドラゴン』!!」

紅蓮の炎に包まれた竜の幻影が現れる! ATK2100

 

 

「さらに!『レッドライジングドラゴン』の効果発動!シンクロ召喚に成功した時!このターンの間、闇属性ドラゴン族のシンクロモンスターしかエクストラデッキから召喚できなくなる代わりに、墓地の『クリムゾン・リゾネーター』を特殊召喚!」

音叉の悪魔が復活する! ATK800

 

「そして『クリムゾン・リゾネーター』の効果発動!自分の場に存在する、自身以外のモンスターが闇属性ドラゴン族のシンクロモンスターのみの時!手札・デッキから新たな『リゾネーター』を呼び出す!デッキから現われろ!!『ダーク・リゾネーター』!『シンクローン・リゾネーター』!」

音叉の響きが黒衣の悪魔とト音記号を背負う悪魔を呼び出す! ATK1300 ATK100

 

 

『貴様…!まさか…!』

 

「俺はレベル6の『レッドライジングドラゴン』にレベル2『クリムゾンリゾネーター』をチューニング!!」

 

 

6+2=8

 

 

「王者の鼓動…今ここに列をなす!天地鳴動の力を見るがいい!!シンクロ召喚!荒ぶる王者の魂!レベル8!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!!」

フィールドに炎が噴き上がる…その中から荒ぶる炎を纏いし、誇り高き悪魔竜が咆哮を轟かせる!! ATK3000

 

 

『馬鹿な…そのカードは…!!』

 

『えっ…!?フィールドに、「レッドデーモンズ・ドラゴン」が2体!?!?』

 

「嘘、だろ…!?」

 

「ジャックと、同じモンスター…!?」

遊海の召喚したモンスターの姿にスタジアム全体が騒然となる…フィールドでは鏡写しのような2体のドラゴンが睨み合っている…!

 

 

『そのカードは…「レッドデーモンズ・ドラゴン」は…傷付き、「スカーライト」へと変わったはず…!何故貴様がそのモンスターを!!』

 

「ああ、聞いてるよ…3年前のフレンドシップカップの前、お前はコモンズの()()()()と凄まじいデュエルをしたと…その戦いの後に、今の『スカーライト』へと姿が変わってしまったのだと……思い出せよ、ジャック・アトラス…あの時のように燃えていた…本当の荒ぶる魂を!!」

かつての相棒の登場に動揺するジャック…そのジャックを鼓舞するように、遊海は右手を胸に当てる…!

 

「燃え上がれ…荒ぶる決闘者(デュエリスト)魂!!バーニング・ソウル!!」

 

ゴウッ!!

 

『は、鋼の騎士が燃えたぁぁ!?』

遊海から溢れ出す荒ぶる魂の発露…それは新たな進化を呼び寄せる!!

 

 

「俺はレベル8『レッドデーモンズドラゴン』にレベル3『ダークリゾネーター』!レベル1『シンクローンリゾネーター』をダブルチューニング!!」

 

『『「「ダブルチューニングだって!?」」』』

音叉の悪魔達が炎の輪となって悪魔竜を包み込む!!

 

 

8+3+1=12

 

 

「うおおおっ!!王者と悪魔!今ここに交わる!!荒ぶる魂よ…天地創造の叫びを上げよ!シンクロ召喚!!現われろ!レベル12!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!!

 

《ガオァァァン!!》

スタジアムの周囲が真昼に変えるような炎が大地から噴き上がる…紅蓮の炎の彼方から、光と闇を超克した悪魔竜が咆哮する!! ATK3500

 

 

『「レッドデーモンズドラゴン」に…こんな姿が…!』

 

「はぁ…はぁ…!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』は…俺の知る、荒ぶる王者の魂の発露…力を超えた、力を宿す!このモンスターの攻撃力は墓地のチューナー1体につき500アップする!墓地のチューナーは3体!」

 

 

スカーレッドノヴァ ATK3500→5000

 

 

『攻撃力、5000…!』

 

「受けてみろ!ジャック・アトラス!『スカーレッドノヴァドラゴン』で『スカーライト』を攻撃!バーニング・ソウル!!」

 

『っ…我が魂をそう簡単に破壊できると思うな!!罠カード「レッド・クリスタル」!このターンの終わりまで「レッド」モンスターの戦闘・効果による破壊を無効にする!ぐううぅぅっ!!』

手足を折りたたみ紅蓮の流星がスカーライトへと突撃する…だが、赤い宝玉が盾となり破壊は免れる!

 

ジャックLP4000→2000

 

 

「俺は…カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊海LP4000

スカーレッドノヴァ 伏せ2 手札2

 

 

 

『わ、我々はいったい…何を目にしているのでしょうか…!?謎のヒーローがレベル12のシンクロモンスターを操り、ジャックを追い詰めています!!』

 

 

「す、すごい…!?沢渡の時よりも、収容所の時よりも…強い…!!」

 

「これが…記憶を取り戻した遊希さんの、本当の力…!」

メリッサの震える実況を聞きながら、遊矢と柚子は喉を鳴らす…シンクロ次元の王を前に、遊海はそれを上回る…!

 

 

 

『今の一撃…榊遊矢の攻撃よりも効いたぞ…!力の乗り方が…魂の懸け方が違う…!』

 

「流石だな…さぁ、声援に応えて向かって来い!!」

遊海の圧倒的力を前に久しぶりの冷や汗を流すジャック、その様子を見た遊海はジャックへと声かける…スタジアムは再びのジャックコールに埋め尽くされていた…!

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『装備魔法「魂を刻む右(エングレイブ・ソウル・ライト)」を発動!このカードは自分の「レッド」モンスターに装備され、効果を発動する!相手フィールドに自身の攻撃力を上回るモンスターが存在する時!そのモンスターを装備モンスターである「スカーライト」と同じにする!』

スカーライトの右腕に浮かび上がった紋章がスカーレッドノヴァの力を抑え込む!

 

スカーレッドノヴァ ATK5000→3000

 

『そして「スカーライト」の効果発動!1ターンに1度!自身以下の攻撃力を持つ相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを破壊し、1体につき500ダメージを与える!アブソリュート・パワー・フレイム!!』

 

「無駄だ!『スカーレッドノヴァドラゴン』は効果では破壊されない!」

 

『くっ…!!』

遊矢のモンスターを一掃した一撃はスカーレッドノヴァの腕に振り払われる!

 

 

『ならば…バトルだ!「スカーライト」で「スカーレッドノヴァドラゴン」を攻撃!さらに、アクションマジック「起死回生」を発動!このダメージ計算時のみ、「スカーライト」の攻撃力は800アップし!さらに戦闘では破壊されなくなる!受けてみろ!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!』

 

「遊海!!」

強化された炎の息吹がスカーレッドノヴァに迫る!

 

スカーライト ATK3000→3800

 

 

「『スカーレッドノヴァドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、このモンスターをエンドフェイズまで除外する事で攻撃を1度だけ無効にする!」

 

『むっ…!?そんな効果を!!ならば─!』

紅蓮の炎はスカーレッドノヴァの攻撃に弾かれる…だが、ジャックはさらにターンバック走行でさらなるアクションカードを手にする!

 

 

『アクションマジック「ワンダー・チャンス」!これによって「スカーライト」はもう一度バトルを行える!鋼の騎士にダイレクトアタック!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!』

 

「ぐううぅ!!」

 

「遊海!!」

再び放たれた火炎が遊海を飲み込む!!

 

遊海LP4000→1000

 

『これが…キングのデュエルだ!ターンエンド!』

 

「この瞬間、除外された『スカーレッドノヴァドラゴン』はフィールドに帰ってくる!!」

 

スカーレッドノヴァ ATK3500→5000

 

 

ジャックLP2000

スカーライト(魂を刻む右) 伏せ1 手札1

 

 

 

『じ、ジャックが逆転!鋼の騎士を押し返したー!!』

 

「「「うおおお!!」」」

息をつかせぬ攻防の末にジャックが逆転…スタジアムが歓声に包まれる!

 

 

 

「ははは…はははは!いいぞ、ジャック!ずいぶんと良い表情になったじゃないか!!」

 

『なに…?』

 

「自分の顔を見てみろよ…さっきよりも生き生きとしてるだろ!」

遊海が笑い始めた事に怪訝な顔をするジャック…その口角は自然と上がっていた…。

 

 

「さっき、お前は遊矢の事を半人前と言ったな?ならばさっきまでのお前は()()だ!一流のデュエリストなら…観客を楽しませ、()()()()()()()()()()()()()()意味がない!どうだ?燻ってた魂に火がついてきただろ?」

 

『貴様…何者だ?ただのヒーローではあるまい!その強さ、只者ではない!』

 

「俺は…希望を導く決闘者(デュエリスト)だ!いくぞ、ジャック・アトラス!!」

遊海の強さに少しずつ興奮するジャック…そんなジャックを見ながら、遊海は加速する!

 

 

「遊海…楽しそうだ…観客も、ジャックも楽しませてる…」

そんな中、遊矢は遊海のデュエルに引き込まれていた…遊海は決してエンタメデュエルをしている訳ではない、それでも…圧倒的な力の応酬がシンクロ次元の人々を引き込んでいる…。

 

 

《マスターは本当にデュエルが好きな方です、どんな窮地に陥ろうとも…最後まで希望を捨てずに戦いぬく…それがマスターなのです》

 

「希望を捨てずに戦い抜く…どんな時でも…」

遊矢達を守る彩華の言葉を繰り返す遊矢…そしてデュエルは佳境に突入する…!

 

 

 

「俺のターン…ドロー!!」

「来た…!『チェーン・リゾネーター』を召喚!」

鎖を背負った音叉の悪魔が現れる! ATK100

 

「『チェーンリゾネーター』の効果発動!シンクロモンスターが存在する時に召喚に成功した時!デッキから新たな『リゾネーター』を呼び出す!来い!『フォース・リゾネーター』!」

電気を操る音叉の悪魔が現れる! ATK500

 

「そして墓地の『スカーレッド・ファミリア』の効果発動!墓地の自身を除外する事で自分フィールドの闇属性ドラゴン族シンクロモンスターのレベルを1〜8の任意のレベルに変更できる!俺は『スカーレッドノヴァドラゴン』をレベル7に変更!」

紅蓮の下僕がレベルを操作する!

 

スカーレッドノヴァ☆12→7

 

「さらに!リバース罠『シンクロ・コール』発動!自分の墓地のモンスター1体を特殊召喚し、そのモンスターとフィールド上のモンスターを使って闇属性の悪魔族またはドラゴン族のシンクロモンスターをシンクロ召喚する!墓地から蘇れ!『クリムゾンリゾネーター』!!」

再び紅蓮の炎を背負う悪魔が現れる! ATK800

 

 

『フィールドのモンスターのレベルの合計は…12、だと!?』

 

「もっと燃え上がれ!我が魂の荒ぶる炎!!うおおお!!」

遊海の纏う鋼の鎧が燃え落ちる…遊海から溢れた熱気がフィールドを吹き荒れる…その時!

 

 

キィン──!!

 

 

「これは…赤き竜の痣が…!?」

遊海に刻まれた赤き竜の痣『ドラゴン・フレイム』…その真の形である竜の魂『ドラゴンズ・ソウル』が輝きを放つ!!

 

 

《キュオォォオン!!》

 

 

『な、なんだ!?あのドラゴンは…!』

 

「赤き竜…!?しかも…この感覚は……()()()()()の…!!」

その輝きと共に夜空の時空が歪む…そして時空の彼方から光輝く炎の竜、5D'sや遊海を導きし『赤き竜』が世界を超えて顕現する!

 

 

《キュオォォオン!!》

 

「赤き竜…力を貸してくれ!」

夜空に浮かぶ炎の竜…その声を聞いた遊海は魂の炎を開放する!

 

 

「俺はレベル7の『スカーレッド・ノヴァドラゴン』にレベル2『クリムゾンリゾネーター』!レベル2『フォースリゾネーター』!そしてレベル1『チェーンリゾネーター』をトリプルチューニング!!」

それは前代未聞、前人未到のトリプルチューニング…炎の輪に包まれた悪魔竜が赤き竜に飲み込まれる!

 

 

7+2+2+1=12

 

 

王を迎えるは三賢人!紅き星は滅びず、ただ邪悪を滅するのみ!荒ぶる魂よ…天地開闢の時を刻め!シンクロ召喚!!レベル12!「スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン」!!

 

《ゴオオオァァァ!!!》

スタジアムを光と炎のビックバンが包み込む…そして、荒ぶる炎を御する紅蓮の龍神が降臨する! ATK4000

 

 

 

『この、力の波動は…っ!!』

轟く咆哮と共に広がる、赤い光の波動…その力は時空を越え、選ばれし者を新たな力を目覚めさせる!

 

 

キィン─!

 

 

『なんだ、この痣は…!?』

最初はジャック、焼け付くような痛みと共に右腕に竜の翼『ドラゴン・ウィング』が浮かび上がる!

 

 

キィン─!

 

「えっ…なに、これ…!?」

 

「アキ!?突然どうしたの!?」

観客席で親子でデュエルを観戦していた赤い髪に学生服を着たトップスの少女、十六夜アキには竜の脚『ドラゴン・レッグ』が浮かび…。

 

 

キィン─!

 

「る、龍可!右腕に変なのが!?」

 

「これ、なんだろう…暖かい…!」

同じく、トップス暮らしの双子の兄妹、龍亞と龍可にはそれぞれ竜の心臓『ドラゴンズ・ハート』と竜の腕『ドラゴン・クロー』が宿り…。

 

 

キィン─!

 

 

「うおっ…!?いきなりなんだぁ!?こんなタトゥー入れた覚えねぇぞ!?」

デュエルパレス近くのゲストハウスに軟禁されていたクロウの腕には竜の尾『ドラゴン・テール』が現れ…。

 

 

キィン─!

 

 

「この光は…感じる…!太陽のように暖かい力を…!!」

最後…観客席で遊海とジャックによるデュエルを見守っていた遊星に()()()()のリーダーの証、竜の頭『ドラゴン・ヘッド』が浮かび上がる!!

 

 

 

 

「シグナーの共鳴…!?まさか…『遊星粒子』の力か…!?」

突然現れた「赤き竜」、そしてシンクロ次元のジャック達に現れたシグナーの痣を見た遊海は驚きながらも『仮説』を立てる。

 

 

「赤き竜」とは遥か昔から存在する()()()()()()()()「遊星粒子」が人々の「良い心」を取り込んだ事で生まれた存在…そして、遊星粒子には「繋ぐ」という働きがある。

その「繋ぐ」働きは死したはずの不動博士の「魂」を現世に繋ぎ止め…さらに、時を超えて決闘者を出会わせた。

 

 

……ならば、最後のシグナーである自分を基点として次元と次元を繋いでしまう事も可能なのではないかと…。

 

 

 

「──ああ…伝わってきたぜ、()()!みんな!…世界が離れていても、俺達の『絆』は繋がってる!!決して、途切れる事なく!!」

そして痣を通じて遊海は元の世界に残る遊星達の想いを感じ取る…自分や流星達の無事を祈る願いを!!

 

 

「『スカーレッド・スーパーノヴァドラゴン』の効果!このモンスターの攻撃力は墓地に存在するチューナー1体につき500アップする!墓地のチューナーは5体!」

昂ぶる遊海の魂に呼応するように、紅蓮の龍神は力を増していく!

 

スーパーノヴァ ATK4000→6500

 

 

『馬鹿な…!!』

 

「受け取れ…ジャック!荒ぶる王者の一撃を!!『スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン』で『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』を攻撃!!バーニング・ビッグバン!!

 

『っ─!迎え撃て!「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト」!!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!

 

《ゴオオオァァァ!!!》

 

《グオオオッ!!》

 

紅蓮の隕石と灼熱の息吹が衝突する、世界を揺らがす波動…そしてスタジアムは凄まじい閃光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

「ここは…?」

気付いた時、遊星は暗闇の中にいた…その記憶は2体の悪魔竜の衝突直後に途切れていた…。

 

 

 

──オレ達の未来を受け取れ!Z-ONE!!オレ達の思いが…未来へと続く『光差す道』となる!!──

 

 

「これは…!?」

戸惑う遊星へと見知らぬ記憶が流れ込む…それは、自分ではない『自分』の記録。

 

両親と死別し、サテライトと呼ばれるスラム街で生まれ育ち、仲間との『絆』を紡ぎ…光と闇…そして、破滅の未来を変える為に命を賭けて戦った『英雄』の記録

 

 

 

………

 

 

 

──未来は変えられる!自分の可能性を信じて生きていれば…どんな未来にだって辿り着けるはずよ!!──

 

 

「これは…この記憶は…!」

 

忌まわしき力に悩み、闇の中へ飲み込まれ…しかし、掛け替えのない仲間達によって導かれ…優しき光を手にした『少女』の記録

 

 

 

………

 

 

 

 

──遊海の言葉でオレは気づいたんだ、人生は一度きり…過去を変えたって意味がない!だから今を…未来を信じて懸命に生きていくんだってよ!!──

 

 

「なんだよ、これ…?」

 

サテライトでの厳しい生活を送りながらも、朋友の願いを背負い…子供達の為に、仲間達と共に戦い続けた『黒き翼』の記録

 

 

 

………

 

 

 

──違う!絶望はしない!おれは…希望を繋げたんだ!!──

 

 

──龍亞はいつもわたしを守ってくれた、自分の事よりわたしの事を考えてくれた…ずっと変わらない…わたしのヒーローだから!!──

 

 

 

「この、子達は…」

 

「わたし達…?」

 

幼いながらも、かつての「約束」の為に勇気を振り絞って戦った妹……そして、力が無い事を嘆きながらも…絶望を乗り越え、妹を守る為に戦った兄…優しく強い「兄妹」の記録

 

 

 

…………

 

 

 

──龍亞が龍可の為に戦ったように…お前はZ-ONEの為に戦っていた!Z-ONEに繋いだ希望がある限り…お前は絶望しない!そして、俺達の希望は遊星にある!だから…俺達も絶望しない!──

 

 

 

『なんだ…?この胸のざわつきは…沸き上がる思いは!!』

 

それは『王者』の記録、陰謀の果てに飾りの『キング』となった男が過去の因縁を精算し、孤高に…されども掛け替えのない『絆』と共に、真の王座を目指した旅路

 

 

 

 

それは赤き竜の奇跡……異なる世界に生きた、世界を変えた『英雄』達の記録が…シンクロ次元の『決闘者』達に受け継がれる…!

 

 

 

 

 

 

──己の限界を超えた、さらにその先へ進むには自分一人の力だけではダメだ…!仲間の思いを…絆を繋がなければならない!!それを可能にするのがオレ達、『チーム5D's』の絆…!ブルーノ…見つけたぞ!新たな境地を!!!──

 

 

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

『っ…いま、のは…!!』

 

「はぁ…はぁ…ちょっと、優しすぎるんじゃないか?赤き竜……わざわざ、5D'sの『記憶』を運んでくるなんて……!」

 

スタジアムは静まり返っていた…ジャックも遊海も、コースの半ばでDホイールを停止させている。

 

 

 

 

ジャック LP0

 

 

遊海 WIN!

 

 

 

 

 

『貴様…今のは、なんだ?』

ジャックは遊海へと問いかける、自身が垣間見た『記録』の正体を…。

 

 

「……俺の知る、()()()の『ジャック・アトラス』の歩んだ旅の記憶だ……お前と同じく、誇り高い王者のな」

 

『………そうか、ずいぶんと愉快な旅を乗り越えた()がいたものだ……()()()()

 

「望むところだ、ジャック・アトラス」

獰猛な笑みを浮かべながら、ジャックは遊海に再戦の約束を突きつける…そんなジャックに遊海は優しく笑いかけた。

 

 

 

 

『うそ…!?け、決着!!三年間無敗のキングが…謎のデュエリスト…鋼の騎士に対して星を落とした〜!!っていうか、なんかイケメンなんですけど〜!?』

 

「「「!!!?」」」

正気に戻ったメリッサの実況がスタジアムに響く…そしてスタジアムは悲鳴と驚愕の声に包まれた…!

 

 

 

 

 

「あのジャックに…オレが勝てなかったキングに、勝っちゃった…」

 

「すごい…」

本当に間近でデュエルを見守り続けていた遊矢が放心しながら呟く…圧倒的力と力の衝突は遊矢に凄まじい衝撃を与えていた。

 

 

《キュオォォオン!!》

 

「赤き竜…!」

そして、デュエルの決着を見届けた赤き竜が咆哮を響かせながらスタジアム上空を旋回…そして、スタジアムの中心を掠めるように飛び去り──

 

 

 

「ここは…コースの中…!?っ…クロウ!!」

 

「遊星!?オレ、さっきまで評議会の部屋にいたのに!?」

 

「わわっ…!?どうなってんの!?」

 

「赤い竜が…わたし達を導いた…?」

 

「あなた、達は…?」

 

『遊星、クロウ…それにお前達は…!?』

 

「まさか…こんな形で、再び7人のシグナーが集まるなんてな…」

 

「えっ…!?クロウ!?どうして…!」

赤き竜が居た場所にはシンクロ次元の遊星、十六夜アキ、龍亞・龍可、そして評議会に軟禁されていたクロウが集められていた…突然現れた人々に遊矢達は驚いている…。

 

 

 

 

「遊海、お前は…貴方は…オレ達の事を知っていたんだな…だから、父さんを助けてくれた…」

 

「ああ、そうだ…俺は知っている…人々が手を取り合い、身分なんて関係なく──希望の未来を掴み取った『世界』を……」

遊星の問いかけに遊海は頷く。

 

 

「赤い竜が見せてくれた世界…とっても楽しそうだった!」

 

「うん!トップスも、コモンズも仲が良くなって……みんなが笑顔だった…!」

 

「…私は…みんなとは会った事はないけど……向こうの『私』はあなた達と一緒に、とっても生き生きしていたわ…」

 

『……フン、この7()()は…切っても切れない「縁」で結ばれていたという事か……オカルトにも程があるが………悪くはなさそうだ』

 

「……あ〜あ、とんだ面倒事に巻き込まれちまった……でもよぉ、ガキ達の笑顔が輝いている世界は…悪くねぇ……とりあえず、お前との因縁は水に流してやるよ、ジャック」

 

『フン…水に流す程の因縁もないだろう?お前が勝手に因縁を吹っかけただけだ』

 

「なにを〜!?」

ほぼ初対面にも関わらず…シンクロ次元の龍亞・龍可、アキはすぐに打ち解ける…そしてジャックへ憎しみを抱いていたクロウもジャックと仲良く喧嘩している…。

 

 

『えっ、あの…キング?ジャック??いったい、何が──というより、負けて……』

 

『フン……心配するな、今のはあくまでも()()()()()()()()()()()、負けようとも記録に影響はない…だが、言わせて貰おう!俺は()()()()…しかし!盛り上がっただろう!皆の者!!』

 

「「「うおおお!!!」」」

急転する事態に戸惑うメリッサ…その問いかけにジャックは動揺を見せずに呼びかける、それに観客達は大歓声で応えた…力と力の衝突、そして攻防…それは今までにない盛り上がりだった。

 

 

 

『なればこそ…幻の勝者の言葉を聞くがいい!この街では勝者こそが「正義」なのだからな!!』

 

「ふっ…ありがとう、ジャック・アトラス…お前とのデュエルのおかげで──この世界を救う為の準備がしやすくなる」

ジャックから場を任された遊海は前に歩み出る…!

 

 

 

「改めて挨拶をさせて貰おう!俺は『鋼の騎士』こと白波遊海…このシティのある世界『シンクロ次元』の外───スタンダード次元と呼ばれる世界からやって来た異邦人だ!」

 

 

 

「「「「えっ…?!」」」」

 

「ちょ…遊海…!?いきなり!?」

遊海はいきなり、自分が別世界からやって来た事を打ち明ける…スタジアムはそれによって動揺に包まれた…。

 

 




「こ、これは…!?」

同じ頃、コモンズ地区の一角…遊星の工場、そこで不動博士はアヤカによって提供された遊海の世界の遊星が作り上げたモーメント制御フレーム『フォーチュン』のデータを解析し、シンクロ次元でも活かそうとしていた…だが…。


「し、しまった…!私の作った制御システム『フォーチュン』は()()じゃない…!!逆回転はしないだろうが……っ!?」


《キュオォォオン──!!》


「この声…赤き竜か…!?」
シティに響き渡る咆哮に不動博士は外に飛び出す…そこにはデュエルパレス上空を飛ぶ赤き竜の姿があった…。

「赤き竜…古の時代に生み出された、人間の『良い心』の化身……っ…不味い!?赤き竜がこの世界に現れたという事は…!?ゆ、遊星!遊海さん─!!」
赤き竜の姿を見た不動博士は()()()()()()に気付く…それを息子達に伝える為に、不動博士は修理中のDホイールに乗ってデュエルパレスへと飛び出した…。
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