転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
フレンドシップカップ、1回戦も後半…ついに偽りの仮面が剥がれ落ちる…!
それでは、最新話をどうぞ!
《フォウ、キュー…》
《おや?フォウ、どうしました…ああ、お腹が空いたんですね?》
《フォウ!》
シティ近海、移動要塞『アポクリフォート・キラー』……遊海の看病・治療を続けていた人間体の彩華にフォウが切なげに声をかける…お腹が空いてしまったようだった。
《ちょっと待っていてくださいね…たしか、キャットフード───いえ、賢者の鍵のせいで消費期限が……ごめんなさい、あとで買ってくるので…もう少し待っててくださいね?》
《フォウ!?キュ〜ン……》
非常用に備蓄してあったキャットフードを取り出そうとする彩華だったが…期限が分からなくなっている事に気付いてフォウに謝る…それを聞いたフォウはガックリと項垂れてしまった…。
「………あや、か……」
《あっ──おはようございます、マスター…調子はどうですか?》
「うぅ…あたま、いたい……ぜんしん、いたい……きもち、わるい………のど、かわいた……」
《フォウ、フォーウ…(全身ボロボロだもん、しょうがないよ…)》
そんな時、丸一日意識を失っていた遊海が意識を取り戻す…だが、ダメージは回復しきっておらず…起きているのも辛そうな様子だった。
フォウは心配そうに遊海に寄り添っている…。
「ゆう、や…は…?」
《先程、一回戦の戦いが終わりました…デュエルチェイサー227の代わりにシンクロ次元の龍亞と戦って……ちょっと面白い勝ち方でしたよ?》
「…ははっ……そっ…か……───」
《……(思っていたよりもダメージが……このままではアカデミアの侵攻には──)》
《キュウ……(遊海、少しでも休んで…)》
遊矢の無事を確認した遊海は小さく笑みを浮かべ──再び深い眠りに落ちてしまった…。
───────────────────────────
『遊矢様、お疲れ様でした』
「うん、ありがとうサム」
試合を終えた遊矢は部屋へと戻ってきた、そして付き添ってくれたサムと別れると──ベッドへと倒れこんだ。
「うわあああ…!!デュエルには勝ったけど、なんだか微妙な感じになっちゃった──!!あんな宣言したのに──!」
枕に顔を埋めながら、遊矢は足でバタバタとベッドを叩く…エンターテイナーとしての出直しを賭けた1回戦、勝つ事には勝ったのだが──なんとも言えない
「うーん…先が思いやられるなぁ……本当なら、何かでフォローできれば良かったんだけど…」
エンタメデュエルとは1人では成立しない…舞網チャンピオンシップでの沢渡戦や柚子対徳松戦のように、自分・相手・観客が1つになってこそ…エンターテイメント足り得るのだ…。
『さーて!フレンドシップカップ、続いての対戦は〜!沢渡シンゴ選手対ユーゴ選手!!』
「えっ…?沢渡と……ユーゴ!?」
モニターから続いての組み合わせが発表される…それはまた思わぬ組み合わせだった…!
…………
「よっしゃよっしゃ─!!ついに来たぜ、待ちに待ったこの時が!見てろよ…リン!オレ達の夢を叶える時が来たぜ!」
『っしゃぁ!!フレンドシップカップの主役はこのオレ様だ!!』
白いDホイールを操るユーゴ、そして緑色のDホイールに乗る沢渡が入場する…お互いに目立ちたがり屋であり、我の強い二人…そのデュエルの行方は…───
デュエルダイジェスト 沢渡対ユーゴ
「う、うおおおっ!?」
『どっわぁ!?あっぶねぇ!?』
コーナーを先取したのは沢渡…思わずアクセルを強くひねりすぎ、ユーゴに衝突するギリギリで追い抜かしたのだ。
「やってくれるなぁ!?」
『へ、へへっ…おれ様のライディングテクニックをみ、見たか…!だけど、本番はこれからだ!沢渡劇場の、開幕だ!』
スピードへの恐怖で声を震わせながらも、沢渡は己のデュエルを展開する。
沢渡が扱うのはLDS製のペンデュラムテーマ『魔界劇団』…イレギュラーなオベリスクフォースや、遊海のせいで実力を発揮しきれなかったが…魔法カード『魔界台本』の力を使い、トリッキーな戦い方をするデッキである。
先攻を取った沢渡はエースである『魔界劇団─ビッグ・スター』と『魔界劇団─サッシー・ルーキー』を召喚してユーゴに備える…そして、現れたのは──
「その美しくも雄々しき翼翻し…光の速さど敵を討て!シンクロ召喚!現われろ!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」
それはユーゴのエース、翡翠の翼を持つ白きドラゴン…「シンクロ」の名を持つドラゴンが咆哮を轟かせる…!
『へっ…仇役にはピッタリなドラゴンだな…!今回の演目は「ドラゴン征伐」だ!』
「やれるもんならやってみやがれ─!」
威圧感を放つ翡翠の竜にも怯まず、自分のペースを貫く沢渡…最初の攻撃は『サッシー・ルーキー』の持つ耐性で最小限のダメージに抑えたが…天才肌のDホイーラーは確実に沢渡を追い詰める…!
「『クリアウィング』を対象に永続罠『
『なっ…ペンデュラム召喚封じしてきやがった!?』
それはユーゴによるロック戦術…沢渡はペンデュラム召喚によるモンスター追加を封じられてしまう…!
『でも、そのドラゴンを倒す方法はバトルだけじゃねぇ!『魔界台本─ファンタジー・マジック』を使えば、そのモンスターをデッキに戻せる!「ビッグスター」の効果発動!』
「させるかよ!『クリアウィング』の効果発動!レベル5以上のモンスターが効果を発動した時、その効果を無効にし破壊する!ダイクロイック・ミラー!」
『なにィィ!?』
それは効果モンスターに対してはまさに『天敵』とも言える効果…ビッグスターは破壊され、さらに『竜の束縛』によって再ペンデュラム召喚も封じられてしまう…!
『っ…このままじゃやべぇな…!三十六計逃げるに如かずだ!永続魔法「魔界大道具─ニゲ馬車」を発動─!!』
勝負の期を伺う為、沢渡は通常召喚した『魔界劇団─プリティ・ヒロイン』と『サッシールーキー』を馬車に乗せて逃げの一手を打つ…!
『「逃がすか!!」』
逃げる沢渡を追うユーゴ…だが、本人も気付かぬ変化が起きていた…。
Side遊矢
「っ…なんだ、これ……誰かの、声が…思いが、流れ込んで…!」
デッキを握りしめながら戸惑う遊矢…デュエルの観戦中、突然『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』のカードが輝き始め…それと共に誰かの声が…意思が流れ込んで来ていたのだ…。
「『逃げても無駄だ!諦めろ!』……っ?!なんだ、よ…これ…!?」
普通の状態とトランス状態を行き来しながら戸惑う遊矢…それが意味するのは…。
Side OUT
デュエルは進んでいく、『竜の束縛』によって追い詰められたかに思えた沢渡…だが、『プリティ・ヒロイン』と『ニゲ馬車』のコンボによって『クリアウィング』の攻撃力をダウンさせる事で活路を開く…そして『ビッグスター』と『魔界劇団─ファンキー・コメディアン』のコンボによって『サッシールーキー』を大幅に強化してユーゴに迫るが…ユーゴはアクションマジック『奇跡』によって致命傷を回避、反撃に転じる…!
「双翼抱くきらめくボディー!その翼で天空に跳ね上がれ!シンクロ召喚!『HSR-マッハゴー・イータ』!!」
それは逆転の一手…1体のモンスターが活路を開く…!
「『マッハゴー・イータ』は自身をリリースする事でフィールドのモンスターに『自身のレベルが変動した時、その数値に+1する』効果を与える!」
『はっ…無駄な事を…お前はもう終わってる!攻撃力0の「クリアウィング」でどう勝つつもりだ?』
「終わってるのはお前だ…!『お楽しみはこれからだ!!』」
『アン…?そのセリフは──?』
状況を見て余裕の表情の沢渡…だが、ユーゴのセリフに既視感と…嫌な予感を感じ取った…!
「魔法カード『ハイ・スピード・リレベル』を発動!墓地の『マッハゴーイータ』を除外する事でフィールドのモンスターのレベルは『マッハゴーイータ』と同じ
『……レベル、5──しまったぁ!?』
「今頃気づいても遅せぇ!レベルが変動した事で『プリティヒロイン』と『サッシールーキー』のレベルは6になる…だが!『クリアウィング』の効果発動!レベル5以上のモンスターが発動した効果を無効にし、破壊する!ダイクロイックミラー!!さらに!破壊したモンスターの攻撃力分、自身の攻撃力をアップする!」
光の反射によって破壊される2体のモンスター…そして────
「『クリアウィング』でダイレクトアタック!旋風のヘルダイブ・スラッシャー!!」
『うおおおっ!?』
烈風を纏った突進が沢渡のライフを消し飛ばし…決着となった…。
沢渡LP0
ユーゴWIN!
『逆転に次ぐ逆転の壮絶なデュエルで勝利をもぎ取ったのはユーゴ選手だ─!!』
「───あれ、オレ勝ったのか……なんだか、途中からテンション上がっちまって…まっ、いいか!」
スタジアムにメリッサの実況が響く…そんな中でユーゴは自分の状態に違和感を覚えていたのだが、生来の楽観的性格ですぐに忘れてしまったのだった…。
「沢渡劇場良かったぞ〜!!」
「面白かった!!」
『おっ…沢渡劇場、今回も大成功…ってな!』
一方、沢渡は負けこそしたが観客達からたくさんの歓声を浴びて礼を以て応える…逆転に次ぐ逆転のどんでん返しの連続はしっかりと観客達の心を掴んだのだった。
『おーい!お前も歓声に応えろ……って、お前…近くで見ると遊矢にそっくりだな?それからユートにも…』
「ん?ああ、柚子から聞いたけど…なんかそうらしいな?」
『──いや、そっくり過ぎだろ!?瓜二つ、つうか三つ子か!?なんでそんなに似てんだよ!?』
「そんな事、オレに言われてもなぁ…?」
デュエルが終わり、ユーゴに歩み寄る沢渡…だが、遊矢やユートにそっくりなユーゴに驚く…だが、当のユーゴはそこまで気にしてはいないようだった。
『まぁ、世界にゃ3人は同じ顔がいるって言うしな!今度は負けねーぜ、ユーゴ』
「おう!また相手になってやるぜ!」
沢渡とユーゴは拳を突き合わせる…これにて奇妙なお調子者対決は終わったのだった…。
デュエルダイジェスト 遊星対デイモン
「悪いなデイモン…今回のオレは──負ける訳にはいかない!!『ロード・ウォリアー』で『エイリアン・ソルジャー』を攻撃!ライトニング・クロー!!」
『どわあああ!?お前そんなに強かったのかよ──!?』
『け、決着!!遊星選手強い!!デイモン選手を一蹴だー!!』
メリッサの実況が夕暮れのスタジアムに響く…知り合いのデイモンすら驚愕する程の強さで遊星は一回戦を制したのだった…。
『フッ…(それでこそだ、遊星…我が
「(分かってる、待っていてくれジャック…でも、今は──)」
視線をぶつけ合う玉座のジャックとコースの遊星…だが、遊星はとある場所へと視線を向ける…そこには───
「遊星!かっこよかったぞ──!!」
「おめでとーう!!」
「ありがとう!父さん!母さん!」
観客席で喜ぶ父と母に向かって遊星は拳を突き上げた…。
Side遊矢
「良かったね、不動博士…遊星」
ペントハウスでデュエルを見守っていた遊矢は嬉しそうに呟く…中継カメラにも嬉しそうな不動夫妻と遊星の様子が映っていたのだ。
「父さん…」
遊矢はその手に母から託された『スマイル・ワールド』を持ちながらポツリと呟く…行方知れずの父、遊矢の目標たる榊遊勝の事を思いながら…。
コンコンコン
「あっ…誰だろう?柚子かな…?」
そんな時、遊矢の部屋を誰かがノックする…遊矢が応対すると…。
『遊矢…いま、大丈夫…?』
「あっ…零羅!どうしたんだ?」
そこに立っていたのは月影に付き添われた零羅だった…いつも通りおどおどとしていたが、その瞳には強い光が宿っている。
『遊矢…さっきのデュエル、面白かった……「ホタルクス」が目を回したり、「オッドアイズ」が困った表情しながら攻撃したり…テレビのコメディ番組みたいだった…』
「──ありがとう、零羅…さっきのデュエルの感想を伝えに来てくれたのか?」
『えっと……』
遊矢はしゃがみ込み、零羅の目線に合わせて話す……そして、零羅はゆっくりと言葉を選んで口にする…。
『遊矢、僕の事をずっと守ってくれた…僕に優しくしてくれた……おかげで、勇気が出た……だから、僕も
「零羅…」
この数日で零羅は大きく成長した…零児が言ったように、「自分」をしっかりと持ち、意見を言えるようになったのだ。
『だから…遊矢も、戦って…!自分の為に…それで、ジャックともう1回戦ってほしい……シンクロ次元の人達は、まだランサーズの事や、次元戦争の事を信じきれてないから……遊矢が強い事を見せて…ジャックに勝って、認めさせてほしい…!』
『零羅……月影、いったい零羅はどうしたんだ?たった1日でこんなに強くなって…!』
『昨夜、零児殿と零羅殿は行政評議会とキング、ジャック・アトラスとの夕食会に招かれた…そこでジャックからこう言われたのだ──「何かを成し遂げようとするなら、怯むな」と…その言葉が零羅殿の強さを引き出したのだろう』
「ジャックが……やっぱり、遊星が言っていたように……」
零羅の急成長の理由を知った遊矢は遊星の言葉に納得する…彼はただ傲慢なのではなく、その中に熱い魂を宿しているのだと。
「…ありがとう零羅…オレ、絶対に優勝する…!ジャックともう一度戦う為に…!」
『……うん…!』
遊矢の決意を聞いた零羅は不器用な…嬉しそうな笑顔を見せた…。
『零羅殿、そろそろ行きましょう…評議会で零児殿がお待ちです』
『うん…付き合ってくれてありがとう、月影』
『いえ…零児殿からの指示ですからな』
「月影…そういえば、どうしてお前は赤馬零児に従ってるんだ…?セレナの保護とか、零羅をセキュリティから助けだしたり…危ない事ばかりさせられるのに…」
零羅と共に戻ろうとする月影に遊矢が声を掛ける…舞網チャンピオンシップの時から…どうして、赤馬零児の命令に従っているのかと…。
『……もしも、零児殿がアカデミアのように人の命を軽く見ている人間なら…拙者も兄者も見限っていただろう……だが、零児殿は違う…彼はアカデミアを憎み、戦う為に司令官であるのに危険を冒してまで、我らと共に次元を越えてきた……なかなか感情を読めぬ御仁であるが、零児殿は我らを信用してくれている…ならば、その思いに全力で応えるまでだ』
「月影…」
それは月影なりの信頼…アカデミアと戦う為に全てを賭けている零児への思いだった。
Side OUT
『さぁ…それでは一回戦のラストデュエル!その組み合わせは──黒咲隼選手対デニス・マックフィールド選手です!!』
夜の帳が落ち、眩いライトが照らすスタジアムにメリッサの実況が響く…フレンドシップカップ一回戦、その最終試合が行われようとしていた…!
『黒咲!仲間同士でやる事になったけど…頑張ろうね!』
「ふん…
『そんな〜!連れない事言わないでよ〜!』
スタジアムが歓声に包まれる中、スタートラインでデニスと黒咲が言葉を交わす…だが、黒咲は気付いていたのだ……デニスの秘密に…!
「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」
デュエルダイジェスト 黒咲対デニス
スピードの世界で黒咲の反逆の翼
先攻、『RR-デビル・イーグル』によってデニスへと大ダメージを黒咲…しかし、デニスはおどけながら黒咲の手の内を見抜き、観客達を沸かせる。
続くターン、デニスは『デビルイーグル』を弱体化させながらモンスターを展開、ペンデュラム召喚からエースモンスターである『em-トラピーズ・マジシャン』や『em影絵師シャドー・メイカー』を3体を特殊召喚し、黒咲を翻弄していく…しかし、黒咲は止まらない。
エクシーズモンスターが破壊された事で効果を発動する『RUM-デス・ダブル・フォース』によって『RR-レヴォリューション・ファルコン』を喚び出し、破壊とダメージを狙う…だが、デニスはモンスター効果を駆使してそれを回避してしまう。
だが、黒咲は怯まずに追撃──『レボリューションファルコン』による全体攻撃によってついにデニスを追い詰める─!
「『エヴォリューションファルコン』!奴の正体を暴き出せ!!『トラピーズマジシャン』を攻撃!エヴォリューション・エアレイド──!!」
『くっ─!!アクションマジック「ダメージ・バニッシュ」!戦闘ダメージは無効になる!!』
4度目の空襲がついにデニスのエースモンスターを直撃する、ダメージは与えられなかったが…黒咲の目的はダメージではない…!
「この瞬間、罠カード「RR-ターゲット・フラッグ」の効果発動!対象となっていた「トラピーズマジシャン」が破壊された事でお前は手札を公開し、オレが先程ドローしたカードの種類、つまりモンスターカードがあれば破壊する!さぁ、見せろ…貴様の
『あーあ、しょうがないなぁ…キミが見たかったのは──「
「貴様──やはり!!」
デニスは1枚の手札を黒咲に見せつける──それは魔法カード『融合』
デニスが今まで使っていたのはエクシーズテーマの『em』…つまり、『融合』が入る理由はない…それが意味するのは────
『じゃあ…最高のエンターテインメントを見せてあげるよ…ボクのターン!──魔法カード「
デニスのデッキから飛び出したのは『em』とはシナジーがない──そして、融合次元・アカデミアが多用する『
『そして!4体の「古代の機械」を融合!!古の魂受け継ぎし機械仕掛けの猟犬どもよ!その十の首混じり合わせ…混沌にして絶大なる力とならん!融合召喚!!現れろ!レベル10!「古代の機械混沌巨人」!』
4体の猟犬達が融合の渦へと飛び込む…そしてエクシーズ次元を襲いし災厄の巨人が現れる!!
『で、で、デカい!?なんなのよ!あのモンスター─!?』
「そのモンスターは…!!」
『見覚えがあるみたいだね…!』
超巨大モンスターの出現にどよめくスタジアム…その中でデニスは瞳に狂気を宿していた…!
「やはりアカデミアだったか、デニス!!」
『そういう事…さぁ、ハンティングゲームを始めようか…!』
デニスは道化の仮面の下に隠していた狂気を解き放った…!
Side???
『……赤馬零児、これはどういう事かな?デニスという男は融合次元に立ち向かうランサーズの一員のはず』
「……無論、ランサーズに敵の
デニスの真実が明らかになった時、行政評議会で零児は説明を求められていた…だが、彼は動揺を見せない…その可能性も織り込み済みだったからだ。
『赤馬零児…1つ聞きます、彼は──黒咲はデニスに勝てますか?』
「ええ、彼はランサーズであり──エクシーズ次元で戦い続けてきた、誇り高きレジスタンスなのだから…!」
ホワイト議長の問いに答えた零児はモニターへと目を向けた…。
「「遊矢!!」」
「柚子!権現坂!」
同じ頃、遊矢の部屋に権現坂と柚子が飛び込んでくる…デニスの真実を知ってじっとしていられなかったのだ。
「まさか、デニスがアカデミアとは…俺達をずっと欺いていたのか…!!」
「……信じられないよ…!デニスがアカデミアだったなんて…!!」
「二人とも…」
権現坂と遊矢は拳を握り締める、遊矢は舞網チャンピオンシップ・バトルロイヤルでデニスと絆を結び…権現坂はシンクロ次元に来てから協力して行動していた…そこに悪意を感じられなかったからだ…。
「黒咲は…大丈夫かな…!?」
「信じるしかあるまい…あいつのデュエルを…!」
Side OUT
「チィ…!この忌々しいデカブツを…二度とのさばらせはしない!!」
仇敵を前に黒咲は全力を解放…二枚の罠カード『RR-ロックチェーン』『RR-リアクター』による破壊と効果ダメージを狙うが、強力な魔法・罠耐性を持つ『混沌巨人』には効かず、さらに自分が攻撃する時限定のモンスター効果封印によって黒咲は窮地に陥る…。
しかも、正体を露わにしたデニスは『エヴォリューションファルコン』を弄ぶように攻撃し、デュエルパレスのコースがボロボロになっていく…だが、黒咲は諦めない…手札に残った『RR-ラスト・ストリクス』の効果によってライフを残す事に成功した…!
『アハハハ…!残りライフ200で、いつまで頑張るつもりかなぁ…?』
「俺はどれだけ追い詰められようと…諦めない!!そして…必ず貴様を叩きのめす!!鉄の意思と鋼の強さをもって!!」
黒咲を煽るデニス…だが、黒咲は鋭い眼差しでデニスを睨みつける──その胸に『希望』を宿して…
………
──モンスターを斬り裂け!「CNo.39希望皇ホープレイ」!!ホープ剣カオススラッシュ!!──
──デュエルモンスターズを…こんな事に使うんじゃねぇ!!穿て!『CNo.101S・H・Ark Knights』!!──
──遅くなって悪かった…!戦いはこれからだ!いくぜ!みんな─!!──
それは、絶望の中に差し込んだ一筋の光……黒咲の心を支える希望だった…!
………
『ふーん…その言葉、エクシーズ次元のプロデュエリスト養成校で学んだのかい?』
「貴様…何故知っている…!」
『実は…キミの事はよく知っているんだ…とっておきのネタを話してあげるよ、ボクがハートランドにいた時のね…!!』
そして、悪意を開放して饒舌になったデニスは衝撃の事実を語り始める。
アカデミアのエクシーズ次元への侵攻直前、プロフェッサーの密命によってハートランドを訪れていた事。
ハートランドで目的の人物──黒咲の妹、瑠璃を見つけて戦争のゴーサインを出した事…そして、瑠璃を誘拐した犯人の1人である事を…!
「貴様…!!アカデミアは瑠璃に何をするつもりだ!!」
『さぁね?それはボクも知らない事さ…そんな事より、瑠璃を助けたいなら…早くアカデミアに乗り込めば?元々、1人でも行くつもりだったんだろ?』
「ああ…そうだな……だが!それは…!瑠璃を攫い、俺の仲間達を地獄に突き落とし──ハートランドから笑顔を奪った貴様を倒してからだ!!」
瑠璃誘拐の事実を知った黒咲は激昂……そして革命の翼は舞い上がる!
「『RUM-ソウル・シェイブ・フォース』発動!ライフを半分払い、墓地の『エヴォリューションファルコン』を特殊召喚し、ランクが2つ高いエクシーズモンスターをエクシーズ召喚する!!」
革命の翼が再び大空へと飛び上がる!
「勇猛果敢なるハヤブサよ…!怒りの炎を巻き上げ、大地を灼き尽くす閃光となれ!!ランクアップ・エクシーズチェンジ!!飛翔しろ!『RR-サテライト・キャノン・ファルコン』!!」
それは黒咲の新たな力…宙を翔ぶハヤブサが咆哮する!
「仲間達を狩り…カードという墓地に封じ込めたアカデミアよ!お前を…叩き潰す!!『サテライトキャノンファルコン』の効果発動!ORUを1つ使い、相手モンスターの攻撃力を800下げる…その効果は墓地の『RR』モンスターの数だけ発動できる!墓地のモンスターは5体だ!」
『なんだって…!?』
「その炎で…狩られし仲間の怒りを示せ!!」
サテライトキャノンファルコンの翼から業火が放たれる…黒咲やレジスタンスの怒りを宿すその炎は一撃ごとに『混沌巨人』を追い詰めていく…!
Side遊矢
──分かるか…遊矢、この思いが…黒咲の…オレ達の怒りが…!──
「ユート…お前の思い、伝わってくる…でも、こんな怒りをぶつけ合うデュエルなんて…!!」
「っ…!いかん!!遊矢!正気に戻るのだ!!」
「遊矢!!」
「っ…?二人、とも…」
同じ時、遊矢は正気を失いかけていた…ユートの魂が遊矢へと語りかけていたのだ。
だが、『逆鱗』の気配を感じ取った権現坂が遊矢の肩を揺さぶる…それによって遊矢は正気に立ち返った…。
「怒りに…憎しみに飲まれるな!!そんな事をするのは榊遊矢ではない!!」
──…………その、言葉は……──
遊矢がデュエルを「争い」に使う事を嫌う事を知る権現坂は遊矢に呼びかける…その言葉は、ユートにも届いていた…。
Side OUT
『く…クソっ…!エンターテイナーである事を捨てたら…アクションカードにも見放された…!!』
そしてデニスはツキに見放されていた…『混沌巨人』による破壊、そして『サテライトキャノンファルコン』の攻撃の余波によってライディングフィールドは大荒れ…アクションカードを何回も取り損ねていた…!
「バトルだ!『サテライトキャノンファルコン』で『混沌巨人』を攻撃!!狩られし者達の全ての思いを受けて…砕け散れ!!エターナル・アベンジ─!!」
サテライトキャノンファルコンは空を飛び…成層圏まで上昇───その名を示す『衛星砲』を放つ…その破壊の光は混沌の巨人を跡形もなく消し飛ばした…。
デニスLP0
黒咲WIN!
『け……決着!!デュエルを制したのは黒咲選手……って…ライディングコースをこんなに荒らしてくれちゃって……どうするのよ─!?』
鬼気迫るデュエルが決着し、メリッサの戸惑う実況が響く…ライディングコースは荒れ果て、しばらくは使い物にならないだろう…。
『(これがアカデミア、か……俺達の「記録」にある秘密結社との戦いには無かった
玉座のジャックはコースの惨状に眉を顰める…そしてアカデミアの脅威を実感したのだった…。
「おう、黒咲って言ったな…ずいぶんと派手にやってくれたもんだ……治安維持局、そして行政評議会の命令でデニスは拘束させてもらうぜ」
「貴様は…前夜祭のセキュリティか………お前になら、任せる…好きにしろ」
倒れ込んだデニスを見下ろす黒咲…その黒咲を捕らえに現れたのはデュエルチェイサー003──牛尾だった。
前夜祭の様子から遊海が彼に信頼を置いている事を覚えていた黒咲は後を任せ、部屋に戻っていった…。
……………
「……ユートの思いが、伝わってきたんだ…アカデミアに怒って、憎んでいても──ユートは、デュエルでみんなを笑顔にしたかったんだって…」
「俺は…ユートの事は詳しくは知らん……だが、その思いは本物なのだろう……」
「……アカデミアは瑠璃だけじゃなくて、シンクロ次元にいたユーゴの幼なじみ…リンも攫った……いったい、なんの為に…?」
「アカデミア…お前達の目的は、なんなんだ…!」
デュエルが終わり、ユートの思いを感じ取る遊矢…そして自分とセレナがアカデミアに狙われている事を理解した柚子……悲劇を引き起こし続けるアカデミアへの謎が深まったのだった…。