転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

今回は題名通り、という事で…。


最新話をどうぞ!!


再会

「う、ぐ………いってぇ………あたま、ガンガンする…」

 

《フォウ、フォーウ…!?(遊海!大丈夫…!?)》

 

「遊海!気がついた!?僕達を助けて、そのまま落ちちゃったからびっくりしたよ!!」

 

「……フォウ…素良君……ああ、そうだ…いきなり、たかいところから、おちて……」

しばらく気絶していた遊海が目を覚ます、凄まじい頭痛に襲われる中…フォウや素良が心配をそうに遊海を覗き込んでいた…。

 

 

 

《マスター…あの状況でよそ見をするのはやめてください、いくら()()()()と言っても限度があります》

 

「アヤカ……何が、あったんだっけ…?」

そして人間体のアヤカが声をかける…遊海が目を覚ますまで、膝枕をしていたのだ。

 

 

《はぁ…何かに気を取られたマスターは5階建てマンションの廃墟へ落下、その直前に精霊アーマーを纏い、フォウを庇うように背中から激突……マンションを屋上から地下一階の駐車場まで貫いて…頭を強く打って失神していたんです》

 

「ああ…どおりで、みごとに穴があいてるわけだ……」

仰向けに倒れていた遊海は改めて天井を見る…そこにはハートランドの曇り空がはっきりと見える大穴が開いていた…。

 

 

「……というか、どうして普通に目が覚めるのさ…普通なら死んでるって…」

 

「ははっ…まぁ、常人よりは耐久力と回復力はあるからな…よっと…イタタ…」

遊海の頑丈さに若干引いている素良に笑いかけながら起き上がる遊海…周囲にはアヤカが張ったのであろう『スフィアフィールド』が展開されており、その隅ではセレナが体育座りで落ち込んでいた…。

 

 

 

「……セレナちゃんはどうしたんだ?」

 

《うむ……自分が思っていたよりも被害の大きいハートランドの惨状を見て、ショックを受けておるようだ……子供なら、無理もあるまい…》

 

「……そうか」

メガロックの言葉に遊海はセレナの状況を理解する。

 

アカデミアにおいて文字通り『箱入り娘』として育てられていたセレナ…赤馬零王や教師達からも『アカデミアは正義である』『戦場で誇り高い戦いをしている』と教え込まれていた彼女……だが、それは事実ではない。

 

アカデミアは誇り高い『戦士』ではなく、悪行を為す『侵略者』だった、柚子や黒咲、他のランサーズの仲間達から真実を聞いた彼女はショックを受けただろう……そして、彼女は来てしまったのだ…アカデミアの『罪』の象徴とも言えるこの街に…。

 

 

 

「セレナちゃん、大丈夫かい?」

 

「あっ……遊海、目が覚めていたんだな……無事で良かった」

 

「ああ、ありがとう…びっくりさせてごめんな?」

遊海が目を覚ましていた事にも気付いていなかったセレナが目を見開く…思っていたよりもショックが大きいようだ。

 

 

「……辛いなら、シンクロ次元に戻るといい…赤馬零児も分かってくれるさ、シグナー達やラプラスなら…必ず君を守ってくれる」

 

「……いいや、私は…帰らない…!ここで目を逸らしてしまったら、私は…私は…!」

 

「──フォウくん」

 

《フォーウ!(まかせて〜!)》

 

「わぷっ!?」

自分で自分を追い詰めてしまうセレナ…その姿を見た遊海はフォウへと声をかける、その意図を察したフォウはセレナの肩に飛び乗り、涙目の彼女にじゃれついた。

 

 

「こら…!くすぐったい!やめ……あははは!」

 

「ふふっ…セレナちゃん、レジスタンスの拠点に着くまで…フォウのお世話を頼んでいいかな?………大丈夫、君達に降りかかる脅威は……全部、俺が薙ぎ払う」

 

「あはは…ははっ……ありがとう、遊海…フォウ」

 

《フォウ!》

じゃれつくフォウのくすぐったさに思わず笑ってしまうセレナ…遊海の優しさとフォウの無邪気さがセレナの心を少し軽くしたのだった。

 

 

 

 

 

 

「さて……アヤカ、サーチ頼むぞ!」

 

《了解……遊園地までは徒歩で約2時間、遊矢達は……ここから5km先……彼らも1時間半程で遊園地に到着しそうです……それから………どうやら、カイトが行動を共にしているようです》

 

「カイト…?俺の知ってる方か?」

 

《はい、オービタル7の識別信号も確認…間違いないかと》

 

「……流石だな、Dr.フェイカーとアストラル・バリアン世界の科学力…」

 

「……えっ、今の一瞬でそこまで分かるの!?」

 

「ふっ…俺の相棒の探索・解析能力は世界一さ!」

 

《もう…褒め過ぎですよ、マスター》

マンション地下から脱出した遊海はアヤカによるサーチで状況を把握する、その様子を見た素良は驚いている…。

 

 

「それから……()の居場所は…?」

 

《それが…どうやらフレアが遊園地に結界を張っているみたいで……遊園地周辺は上手くサーチできないのです、おそらくマスター達が上空に転移してしまったのもそれが原因かと……》

 

「そうか……よし、行こうか!」

 

「うん!」

 

《フォーウ!(しゅっぱーつ!)》

 

「ああ!……ふふっ…可愛いな、お前…」

大方の状況を把握した遊海達は遊園地跡へ向かって歩き出した…。

 

 

 

 

……………

 

 

 

 

「素良君、セレナちゃん、体力は大丈夫か?休みたいなら言ってくれよ?」

 

「大丈夫!アカデミアの訓練よりは、全然楽だよ!」

 

「私も、大丈夫だ!先を急ごう…柚子や遊矢達が心配だ」

歩き始めて約1時間…予定よりも早く進み、少しずつ遊園地の防壁が大きくなってくる…。

 

 

《マスター…先程、マスターが気を取られたのは……》

 

「……ああ、()()だな」

 

「うわ…地面が抉れてる…!?」

 

「いったい、どんな攻撃をしたらこんなになるんだ…?」

そんな時、遊海はあるモノを見つける…それは幅10m、深さ3m近く…そして長さ数kmに渡って抉れた地面──遊海が空中で気を取られた場所だった。

 

 

《このエネルギーの残滓は……フレアの「ゴッド・ブレイズ・キャノン」…?それにしては威力が……》

 

「威力が()()()()……よっぽど怒ったんだろうな…」

アヤカのサーチがその原因を解き明かす、それはフレア…『ラーの翼神竜』の攻撃の跡だった……ただし、凄まじい威力で放たれている…。

 

 

「えっ…これ、味方の攻撃なの…?」

 

「ああ、俺の()()()()…最強の精霊を()に預けていたんだ…もしかしたら、噂で聞いた事があるんじゃないか?」

 

「そういえば…僕がスタンダード次元に向かう前、すごい人数の怪我人が運ばれてきた事があったっけ……詳しくは知らないけど、よっぽど怖い思いをしたみたいだよ?」

 

「……ああ、やっぱりか…」

攻撃の規模に驚く素良だったが、アカデミアの出来事を思い出して遊海に伝える…それを聞いた遊海は原因を特定して苦笑いするしかなかった…。

 

 

 

《……!?転移反応の兆候を確認、何かが来ます!》

 

「なにっ…!?」

その時、アヤカのセンサーが転移の反応を感じ取り…遊海達は警戒態勢を取る…!

 

 

キィン─!

 

 

『───お前達…アカデミアか?』

 

「……お前は…」

粒子が集い、遊海達の前に人影が現れる、それは紺色のコートを纏い…金色の逆立った髪と暗緑色の逆立った前髪が特徴的な鋭い目つきの少年───エクシーズ次元のカイトだった。

 

 

「ちょうど良かった……俺の名は白波遊海!スタンダード次元防衛隊、ランサーズとしてレジスタンスの助太刀に来た!俺の息子、白波凌牙から話は聞いているはずだ!」

 

『お前が…!遊馬達の言っていた「英雄」か!』

カイトを前に堂々と名乗る遊海…その名を聞いたカイトは驚き、目を見開く…。

 

 

「待たせてしまってすまない!シンクロ次元と同盟を結び、融合次元の侵略を解決する為に来た…レジスタンスの拠点への案内を頼む!」

 

『……待て、貴方の後ろにいる者達は誰だ?その服はアカデミアの制服のはずだ…しかも上位の!』

 

「おっと…女の子はセレナ、男の子の方は紫雲院素良…アカデミアから離反し、ランサーズに加入してくれた仲間だ!心配する事はない!」

カイトへレジスタンス拠点への案内を頼む遊海…だが、カイトはアカデミアの制服を着ている素良達を見て警戒している…!

 

 

『アカデミアはあらゆる手を使って俺達を欺き、狩ろうとする…悪いが、俺のデュエルで見極めさせてもらう!お前が本当に『英雄』だというのなら、俺に示してみせろ!!』

 

「ゆ、遊海…!ごめん、僕達のせいで…」

 

「心配するな2人とも……彼は…カイトは俺を試したいだけだ、すぐに分かってくれるさ」

アカデミアである素良とセレナを警戒し、デュエルディスクを構えるカイト…それを見た遊海は穏やかに声をかけ、前に出る!

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

カイトLP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

『俺のターン!』

『「光波翼機(サイファー・ウィング)」を召喚!』

煌めく翼を持つ機械が現れる! ATK1400

 

『さらに!フィールドに「光波翼機」が存在する事で2体目の「光波翼機」は特殊召喚できる!』

翼を持つ機械が並び立つ!

 

『そして永続魔法「二重露光(ダブル・エクスポージャー)」を発動!フィールドの「光波翼機」のレベルを2倍にする!』

 

 

光波翼機☆4→8

 

光波翼機☆4→8

 

 

「これで…レベル8のモンスターが2体…!」

 

『俺はレベル8の「光波翼機」2体でオーバーレイネットワークを構築!闇に輝く銀河よ!復讐の鬼神に宿りて、我が下僕となれ!!エクシーズ召喚!降臨せよ…!ランク8!「銀河眼の光波竜」!』

フィールドの銀河から光が弾ける、そして…煌めく翼を広げ、怒りを瞳に宿すギャラクシーアイズが咆哮する! ATK3000

 

 

『俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!』

 

カイトLP4000

光波竜 二重露光 伏せ2 手札0

 

 

 

「それじゃ…いかせてもらう!」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「俺はスケール2の『マジェスペクター・キャット』とスケール5の『マジェスペクター・フロッグ』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

『ペンデュラム召喚…!』

 

PENDULUM!!

 

遊海の背後に光の柱が立ち上がり、尻尾に小さな竜巻を纏うネコと法衣を纏ったカエルが浮かび上がる!

 

 

「これで俺はレベル3か4のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ、希望のペンデュラム!我が魂に宿る大いなる力よ!世界を変える風を呼び覚ませ!ペンデュラム召喚!!手札かレベル3『マジェスペクター・ラクーン』!レベル4『マジェスペクター・フォックス』!レベル4『マジェスペクター・クロウ』!」

赤のペンデュラムが揺れ動く…その軌跡から背中に竜巻を背負うタヌキ、尻尾が竜巻に包まれたキツネ、足元に竜巻を纏う紫色のカラスが現れる! DEF900 ATK1500 DEF1500

 

 

『モンスターの同時召喚…!』

 

「そして『ラクーン』の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時!デッキから『マジェスペクター』モンスター、『マジェスペクター・ユニコーン』を手札に加える!さらに『フォックス』の効果!同じくデッキから罠カード『マジェスペクター・テンペスト』を手札に加える!さらに『クロウ』の効果!デッキから魔法カード『マジェスペクター・ソニック』を手札に加える!」

柔らかな風が遊海の手元に新たなカードを導く!

 

「そして俺は『ラクーン』をリリース!『マジェスペクター・ユニコーン』をアドバンス召喚!!」

額から生えた一本角に風を纏う一角獣が現れる! ATK2000

 

 

「『ユニコーン』の効果!モンスターゾーンの『フォックス』を手札に戻す事で相手のモンスター1体を手札に戻す!エクストラデッキに戻ってもらうぞ!『光波竜』!」

ユニコーンの角を中心に強い風が吹き荒れ。光波竜を吹き飛ばしにかかる!

 

『くっ…!そうはいくか!カウンター罠発動!「エクシーズ・ブロック」!「光波竜」のORUを1つ使い、相手モンスターが発動した効果を無効にし、破壊する!竜巻を蹴散らせ!』

 

《ギシャアアアン!!》

カイトは咄嗟にカウンター罠を発動、ORUを吸収した光波竜はブレスを放ち、ユニコーンの作り出した竜巻とユニコーンを撃ち抜く…だが───

 

 

光波竜 ORU2→1

 

 

 

『っ…!?何故、破壊されていない!?』

 

「『マジェスペクター』達は共通して『相手の効果対象にならず、相手の効果では破壊されない』効果を持っている!よって、『ユニコーン』の効果は無効になったが…破壊はされない!」

 

『っ…!(『光波竜』の効果も効かないという事か…!!)』

遊海の説明を聞いたカイトは内心で驚愕する。

 

『銀河眼の光波竜』はエクシーズ素材を1つ使う事で相手モンスター1体のコントロールを奪い、攻撃力3000の『銀河眼の光波竜』として扱う、という効果を持っている……そしてその効果は『対象を取る』効果……つまり、『マジェスペクター』にとって最悪の相性なのである。

 

 

『しかし!「光波竜」の方が攻撃力は上回っている!』

 

「それはどうかな?バトルだ!『ユニコーン』で『光波竜』を攻撃!」

 

『攻撃力の低いモンスターで攻撃だと!?』

 

「さらに速攻魔法『マジェスペクター・ソニック』発動!『マジェスペクター』1体の攻撃力・守備力を2倍にする!その代わり、与えるバトルダメージは半分になる!」

力強い風がユニコーンに力を与える!

 

ユニコーン ATK2000→4000

 

 

『っつ!?罠カード「光波防輪(サイファー・ビット)」発動!自分の「光波」エクシーズモンスターが戦闘・効果で破壊される場合!その破壊を無効にして、このカードをそのモンスターのORUにする!ぐううっ…!』

光波竜に向かって放たれた竜巻が障壁に阻まれる!

 

 

カイトLP4000→3500

 

光波竜 ORU1→2

 

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊海LP4000

ユニコーン クロウ (Pキャット フロッグ)伏せ2 手札0

 

 

 

 

 

「す、すごい…!相手のデュエリストも実力者のはずなのに…!」

 

「これが遊海のペンデュラム…!」

遊海の見事なプレイングにセレナも素良も驚く…遊矢のように『華』があるプレイングではないが、圧倒的な『運』と『実力』が見る者を惹き付ける…!

 

 

『流石は英雄と呼ばれるだけはある…だが、俺もアカデミアと戦い続けてきた…いくぞ!』

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『いくぞ!魔法カード「RUM─光波昇華(サイファー・アセンション)」を発動!「光波竜」を対象にそれよりランクが1つ高いエクシーズモンスターをエクシーズ召喚する!!』

光波竜が光の銀河に飛び込み、大爆発を起こす!

 

 

『闇に輝く銀河よ!永久(とこしえ)に変わらぬ光放ち、未来を照らす道しるべとなれ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!降臨せよ…ランク9!!「超銀河眼の光波龍」!!』

光の大爆発の中からカイトの切り札…進化せし3つの首を持つギャラクシーアイズが咆哮する! ATK4500

 

 

『「超光波龍」の効果発動!ORUを全て使い!相手フィールド全てのモンスターのコントロールを得る!この効果は対象を取らない!!サイファー・スーパー・プロジェクション!!』

超光波龍が翼を広げ、虹色の光で遊海のフィールドを照らす!

 

 

「悪いな…今回は本気でやらせてもらう!カウンター罠『マジェスペクター・テンペスト』発動!『クロウ』をリリースする事でモンスターが発動した効果を無効にし、破壊する!嵐よ!吹き荒べ!!」

 

『なんだと!?』

クロウが凄まじい大竜巻を起こす、その竜巻は虹色の光を掻き消し、超光波龍をも吹き飛ばしてしまった!

 

 

『俺は…これでターンエンドだ』

 

カイトLP3500

二重露光 手札0

 

 

 

『まるで…俺の手が先読みされているようだ…!!』

 

「俺も知ってるからな…お前と同じ、家族を守る為に…そして仲間達の為に戦う──誇り高いドラゴン使いを」

 

『そうか…遊馬が言っていた「別」の俺の事か……納得した』

遊海の戦術によってフィールドががら空きになったカイト…彼はその身で遊海の『強さ』を感じ取っていた…。

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「俺はセッティング済みの『キャット』と『フロッグ』で再びペンデュラムスケールをセッティング!ペンデュラム召喚!エクストラデッキから蘇れ!『フォックス』!『クロウ』!」

再び赤の軌跡が揺れ動き、竜巻を纏うキツネとカラスが現れる! ATK1500 DEF1500

 

 

「『フォックス』の効果!特殊召喚に成功した事で、デッキから罠カード『マジェスペクター・トルネード』を手札に加える!さらに『クロウ』の効果!魔法カード『マジェスペクター・サイクロン』を手札に加える!…カイト!お前の魂のカードに応え…俺の魂のカードを見せよう!!俺はレベル4の『フォックス』と『クロウ』の2体でオーバーレイネットワークを構築……エクシーズ召喚!!」

遊海の宣言と共にキツネとカラスが銀河へと飛び込み、ビッグバンか起きる!!

 

 

「現れろ!『No.∞』!俺の歩みし戦いのロード…今こそ未来を切り開け!!『決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)』!!」

光の爆発の中から旧式決闘盤を模した大剣が遊海の傍らに突き刺さる! ATK2500

 

 

『ナンバーズ…!遊馬と凌牙が言っていた…「魂の大剣」か…!!』

 

「その通り…これが俺の戦いの歴史の結晶!『決闘の守護者』がエクシーズ召喚に成功した事でデッキからカードを1枚ドローできる!バトルだ!『ユニコーン』でダイレクトアタック!」

 

『くうっ…!』

ユニコーンの起こした突風がカイトのライフを削る!

 

カイトLP3500→1500

 

 

「そして『決闘の守護者』でダイレクトアタック!……決着だな?」

 

『ああ…完敗だ』

遊海が魂の大剣をカイトに添える…見事な完封勝利だった。

 

 

カイトLP0

 

 

 

 

 

 

『疑って悪かった…貴方は紛れもない、「英雄」だ』

 

「ははっ…分かってくれたならいいさ!さぁ、レジスタンスと合流」

 

 

 

 

ドゴン!!!

 

 

 

 

「「『はっ?』」」

 

《フォウ!?》

 

 

 

それは一瞬の事だった。

 

カイトと共にレジスタンスの拠点に向かおうとした遊海の姿が消えた……否、()()()()()のだ。

 

 

 

がああっ!?なんだぁぁ──!?」

突然の衝撃に瓦礫を砕き、バウンドしながら数百メートルふっ飛ばされた遊海はクリフォートの鎧を纏い、無理矢理に体勢を立て直す!

 

 

「(何が起きた!?デュエル中とはいえ、警戒は緩めてない…気配を感じなかった!?)」

凄まじい衝撃を受けた左の脇腹を押さえながら遊海は襲撃者を確認する…そこには──

 

【…………】

紫色のローブで体を隠した小柄な人物が立っていた…!

 

 

 

 

「小さい…?素良みたいな少年兵か…!?」

襲撃者の正体、それは中学生にしては小柄な素良よりもさらに背の低い、遊勝塾のジュニア達と同じくらいの身長だった…!

 

 

《マスター!おかしいです…!目の前の人物のサーチができません!》

 

「っ…情報が分からなくても、関係ない…!いきなり襲撃して来たって事は『敵』に違いない!」

 

【……!!】

アヤカのサーチすら弾く謎の人物…彼は無言で通常型のデュエルディスクを構える!

 

 

 

 

乱入デュエル

 

 

遊海LP4000

UNKNOWN LP4000

 

 

 

「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

遊海LP4000

決闘の守護者 ユニコーン (P キャット フロッグ)伏せ3 手札2

 

 

 

 

「(伏せカードはモンスターを破壊する『マジェスペクター・サイクロン』、さらに除外できる『マジェスペクター・トルネード』、そしてモンスターを手札に戻す『ユニコーン』とそれをサポートできる『マジェスペクター・スーパーセル』…どんな手でも対応してみせる…!待っててくれ、翠…!!)」

謎の襲撃者を油断なく見据える遊海…そして、謎の襲撃者が動き出す…!

 

 

 

 

【私のターン…ドロー!!】

【フィールド魔法『影牢の呪縛』発動!!】

 

「《─────────────えっ?》」

謎の襲撃者がフィールド魔法を発動する…その瞬間、遊海と彩華の思考は()()()()()()()

 

 

 

【魔法カード『影依融合(シャドール・フュージョン)』を発動!!エクストラデッキから特殊召喚された『決闘の守護者』が存在する事でデッキの『シャドール・ビースト』と『聖なる影(カドシャドール)ケイウス』を融合!!『エルシャドール・ネフィリ厶』を融合召喚!!】

影の人形達を支配する巨大な人形が現れる! ATK2800

 

 

【フィールド魔法『影牢の呪縛』の効果!!『シャドール』モンスターが墓地に送られた事で魔石カウンターを2つ乗せる!!『ビースト』がカード効果で墓地に送られた事で1枚ドロー!!『ケイウス』が墓地に送られた事で手札にある2枚目の『ビースト』を墓地に送り、フィールドの『ネフィリム』の攻撃力を500アップ!!さらに『ネフィリム』の効果発動!!融合召喚に成功した事でデッキから『シャドール・ファルコン』を墓地に送る!!そして『影牢の呪縛』に魔石カウンターが1つ乗る!!効果で墓地に送られた『ファルコン』を裏守備で特殊召喚!!】

凄まじい早さでカードが動き、瞬く間に展開が進んでいく…!

 

影牢の呪縛 魔石カウンター 0→1→2→3

 

ネフィリムATK2800→3300

 

 

【『シャドール・ドラゴン』を召喚!!】

竜星を模した影人形が現れる! ATK1900

 

【さらに装備魔法『魂写しの同化(ネフェシャドール・フュージョン)』を『闇属性』を宣言して『ドラゴン』に装備!!フィールド魔法『影牢の呪縛』の効果で魔石カウンターを3つ使い、相手のモンスター1体を融合素材にできる!!『魂写しの同化』の効果発動!!装備モンスターの『ビースト』と光属性の『決闘の守護者』を融合!!2体目の『エルシャドール・ネフィリム』を融合召喚!!】

フィールドに2体のネフィリムが並び立つ! ATK2800

 

影牢の呪縛 魔石カウンター3→0

 

 

 

 

「ゆ、遊海!大丈……融合モンスター…!?アカデミアか!?」

 

「で、でも…「シャドール」なんてテーマ聞いた事ないよ!?」

ここでようやくセレナ達が遊海達に追い付く…そして、見た事のない融合モンスターに驚いている…。

 

《………フォ、フォーウ……》

 

 

【バトル!!攻撃力2800の『ネフィリム』で『マジェスペクター・ユニコーン』を攻撃!!!!】

 

がっ…!?

 

「ゆ、遊海──!!?」

鋭く振るわれた影糸がユニコーン諸共に遊海を切り裂く…その一撃はクリフォートの鎧を一撃で粉砕し、遊海の身体を切り裂いた。

 

 

……だが、遊海は吹き飛ぶ事も許されない……遊海の足元に()が巻き付いて押さえつけられていたからだ。

 

 

遊海LP4000→2700

 

 

 

「ゆ、遊海!何やってるの!?伏せカードを使いなよ!!負けちゃうよ!!!」

 

『…………いや、彼は…()()()()()()、はずだ……()()には……』

 

「「えっ…?」」

 

《…………》

無防備に攻撃を喰らう遊海に叫ぶ素良……だが、カイトには分かっていた……ローブの人物の()()が…。

 

 

 

【2体目の『ネフィリム』で……ダイレクトアタック──!!!

 

 

「ガッ……!!あああああああああ──────!!!」

 

 

「「ゆ、遊海──!?」」

素良とセレナの悲鳴が重なる。

遊海に放たれた二撃目は糸ではなく、人間の数百倍の大きさを誇るネフィリムの()()……その直撃を受けた遊海は数キロメートル先の遊園地の方角にぶっ飛ばされていった…。

 

 

遊海LP0

 

 

UNKNOWN WIN!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「ゆ、遊海ィィ!!!!」

 

そして現在、ハートランドに遊矢の絶叫が響く…遊園地の防壁にめり込んでしまった遊海は瀕死の状態だった。

 

頭からは血を流し、胸元は鋭い何かで切り裂かれたような傷が刻まれ……その命の灯火は消えかけていた…。

 

 

『白波さん!!』

 

「っ…待て!カイト!!」

 

「遊城さん…!?何故、止めるんです!?白波さんを助けないと!!」

固まってしまったランサーズやレジスタンスチームを見たカイトは遊海を助ける為に飛び出そうとした……だが、それを止めたのは十代だった。

 

 

「今動いたら、()()()()()()…!」

 

『えっ…?』

遊海に起きた事について何かを知っている様子を見せる十代…そして…。

 

 

ガシャン!!

 

 

「っ…今度はなんだ!?」

 

【─────】

カイト達の近くで何かが爆ぜ、砂煙が舞い上がる…そこにいたのは紫色のローブを纏った何者かだった。

 

 

「まさか…アカデミア!?」

 

『っ…!こんな時に…!!』

 

「で、でも…なんだか…小さ過ぎる、ような…」

現れた謎の人物を警戒する遊矢とカイト…だが、柚子は疑問を抱く……謎の人物は小学生くらいの身長しかなかったのだ。

 

 

《…………十代、どうする?》

 

「遊馬と凌牙を呼んできてくれ…なる早で…」

 

《わかったよ………まぁ、今回は()()()()だね》

十代はユベルと小さく言葉を交わす…十代の言葉を聞いたユベルは防壁の奥に消えていった…。

 

 

 

 

「あ、が……────」

 

「遊海!!」

そして、身じろぎをしたのか…ローブの人物の着地の衝撃が伝わったのか……遊海が壁から剥がれ落ち、落下する…その高さは10メートル程、遊矢の叫びが響くが…。

 

 

 

【─────!】

 

「「えっ…!?」」

 

『白波さんを、助けた…?』

ローブの人物が遊矢達の横から飛び出す…そして、空中で呼び出した緑色の髪の影人形が遊海を抱き抱え、壁へと凭れかけさせた…。

 

 

『今のモンスター…精霊は………まさか、そんな事が…!?』

 

「………わかっただろ?今は()()()()()()()なんだよ」

 

「か、カイトさん!十代さん!あれ、アカデミアじゃないのか!?」

 

『………いいや、()()はアカデミアではない……むしろ()だ』

 

「えっ…」

カイトはようやくローブの人物の()()に気付く、そして戸惑っていた遊矢へと静かに語った…。

     

 

 

 

 

 

 

Side遊海

 

 

 

「う、うぅ……」

 

【………】

意識を飛ばしてしまっていた遊海が目を覚ます…全身がバラバラになりそうな激痛の中、最初に見えたのは自分を叩き潰したローブの()の姿だった。

 

 

 

【─────!!】ぎゅっ

 

「……………待たせて、ごめん」

ローブの女……少女は無言で…しかし、強く…小さな体で遊海を抱きしめる……そして、遊海は静かに()()()

 

 

「もっと、早くに気付けばよかった……()として、失格だ…なぁ───()

遊海は右手で優しく少女のフードを上げる、ローブの下に隠されていたのは絹糸のように綺麗な紫色の髪…そして涙を堪えた紫の瞳……体の大きさは変わってしまっても………その泣き顔は変わっていなかった。

 

ローブの少女の正体…それは時空嵐に巻き込まれ、遊馬達よりも幼い姿になってしまった白波翠だったのだ。

 

 

 

 

「……ばか…!遊海さんの、馬鹿!!どうして…どうして1人で無茶ばっかりするのぉ…!!私…わたし…!ずっと…ずっと心配で…うえぇぇ…!!」

 

「ああ…泣かないでくれよ………可愛い顔が、台無しじゃないか……というか、本当に…かわいくなりすぎだ……」

遊海は優しく翠の小さな頭を撫でる、遊海の胸の中で泣きじゃくる小さな翠…その姿を見た遊海はこう思っていた。

 

 

「(凌牙や、フォウに感謝しないと……もし、スタンダード次元で混乱状態だった俺が翠の状態を聞いていたら───俺は全てを放り投げてエクシーズ次元に直行してた………例え、どんな犠牲を払っても………こんなに可愛いなんて聞いてない……)」

それは凌牙とフォウの英断への感謝だった…遊海が何よりも翠の事を大事にしている事が分かっていた凌牙達は、遊海が「英雄」として動けるように、あえて翠の状態を黙っていたのだ。

 

 

「翠……ああ、もう……なんで、お前だけそんなに小さくなったんだよぉ…?……大変だったろう…?」

 

「あぅぅ…大変なんて言葉で言えないです…!力の制御ができなくて、デュエルもできなくて…体が小さいから、すぐに眠くなっちゃうし…みんなが戦ってるのに、回復しかできなくて…!!」

 

「そうか…そういう事かぁ…」

そしてエクシーズ次元に来てからの謎が解決する、ハートランドに刻まれた謎の破壊痕…それは力の制御できなくなっていた事に気付いていなかった翠が超威力で撃ってしまったモノだったのだ。

 

 

 

「もう…大丈夫だ………今度こそ、お前を1人にはしない…!!」

 

「うわぁぁん!!遊海さんが無事でよかったああああ!!」

2人で抱き合いながら号泣する遊海と翠……そこにいたのは『英雄』ではない。

 

妻との再会を喜ぶ、1人の男の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったな、遊海先生…翠さんと再会できて……」

 

「えっ、あの……どういう事…?」

離れた所から2人の再会を見守っていた十代がぽつりと呟く…遊矢達はまだ状況が分からないでいた。

 

 

「遊海先生が抱き合ってる女の子……あの人は白波翠さん………遊海先生の()()()さ」

 

「「「「「はあっ!?」」」」」

十代の思わぬ言葉にスタンダード組の驚きが重なる…明らかに年齢が違い過ぎると…。

 

 

「凌牙から聞いたけど、遊海先生がスタンダード次元に流れ着いた時、小学生くらいの姿になってたんだろ?……それがオレ達にも起きたのさ」

 

『知っている者で言えば……凌牙や流星の実年齢は20歳だ』

 

「えっ…ええっ!!?なんでそんな事に!?」

 

「それが分かったら、オレ達も苦労しないんだよな…」

十代とカイトの思わぬカミングアウトに驚く遊矢達…そこへ…。

 

 

「柚子!遊矢!」

 

「あっ…!セレナ!素良!無事だったんだな!合流できてよかった!!」

 

《フォウ!》

「月光舞猫姫」と「月光舞豹姫」に抱えられたセレナと素良、フォウが合流する…目立つのを承知で遊海を追いかけてきたのだ。

 

 

キィン─!

 

『今度こそ遊園地に────なっ…!?()…!?』

 

『────そうか、お前がこの次元の()()か………どうやら、危惧していた事は大丈夫だったようだな』

 

《周囲の次元数値安定…問題なしでアリマス……懐かしい姿でアリマスねぇ…》

そして数回の転移の末にエクシーズ次元のカイトが合流、そして大人の姿のカイトに遭遇していた。

 

 

 

 

「おい!急げ!遊馬!璃緒!!」

 

「はぁ、はぁ…!待ってよ!」

 

「ああ、もう!アストラル!お前のせいだからな!?お前がいきなり『遊海のナンバーズの気配を感じた!』なんていうから!!」

 

(面目ない…つい、気持ちが昂ぶってしまった…!)

そして騒がしく騒ぎながら四人の人影がやってくる…それはユベルから連絡を受けた遊馬とアストラル(霊体化)、そして凌牙と璃緒だった。

 

 

 

 

「あっ…カイト!!」

 

『遊馬…ふっ、ずいぶんと小さいな?』

 

「だああっ!チビって言うなぁ!って…それより遊海は!?」

 

『あそこだ………ようやく、2つ目の目標達成だな』

 

「ああ…!遊海………って、ボロボロじゃねぇか─!?」

カイトと半年振りに再会し喜ぶ遊馬…だが、翠に抱きしめられた遊海の姿を見て叫び声を上げる…

 

 

 

「「父さん!!」」

 

「ぐすっ…凌牙君…璃緒ちゃん…!遊海さん、帰って来た……帰ってきてくれたよ…!!」

そしてボロボロの遊海を見た凌牙と璃緒が抱き合う2人に駆け寄る……翠もようやく落ち着きを取り戻し、これで家族全員が揃ったのだが…。

 

 

 

 

 

 

「────待って母さん…!お父さん()()()()()!!」

 

「「えっ?」」

遊海に駆け寄った璃緒が異変に気付く…翠と抱き合っていた遊海はぐったりして………身体からは()()()()()が漏れ出していた。

 

 

 

 

忘れてはならないが、遊海や翠の不死性は基本的には『闇のゲームに負けない限りは命を落とさない』という特典である。

 

遊海は今までに様々な闇のゲーム、闇のデュエルを経験してきたが…なんだかんだで生き残ってきた……しかし、今回はタイミングが悪かった。  

 

 

闇のゲーム+怒り心頭状態の翠+精霊の力暴走+『愛』

 

 

 

遊海の不死性を貫通する要因が全て揃っていたのだ。

 

 

 

 

 

「あー……この感じ、ちょっとヤバそう…?」

 

《うん、早く治療しないと…不味いね》

 

 

 

 

 

   「「「  ● ● ● ● ● ●  」」」

 

 

 

 

 

「遊海さんしっかりしてぇぇぇ───!!!?」

 

 

 

 

 

 




※このあと滅茶苦茶回復魔法使いまくった。
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