転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

アカデミアへの反撃を準備する遊海達…しかし、もう1人の主人公の表情は何やら暗く…?


それでは、最新話をどうぞ!


英雄の力〜重なる面影〜

「あっ…凌牙!」

 

「ん…遊矢か」

夕暮れのハートランド、とある理由で避難民キャンプを彷徨っていた遊矢は顔見知り──凌牙の姿を見つけて声を掛けた。

 

 

「流星と父さんからシンクロ次元での活躍は聞いたぜ?シンクロ次元のキングを倒して、シンクロ次元の悪い慣習をぶち壊したんだろ?頑張ったじゃねえか」

 

「あ、いや…シンクロ次元を変えたのは遊海とジャック…シグナー達だよ、オレは……オレのデュエルでの『言葉』を見つけただけだから…」

シンクロ次元での出来事を聞いたらしい凌牙に褒められる遊矢…その言葉に遊矢は謙遜して応える。

シンクロ次元を変える為のお膳立てをした遊海とシグナー達…その活躍があったからこそ、自分のするべき事が分かったのだと…。

 

 

「そうか…それで、どうしたんだ?明日の打ち合わせはもう終わっただろ?」

 

「あ……遊海と話がしたいんだけど、何処にいるか知らないか?」

 

「父さんと?」

そして遊矢は本題を切り出す…遊矢は遊海の姿を探していたのだ。

 

「父さんなら…遊園地の端にあるスタジアムだな、トレーニングしてるはずだぜ?」

 

「トレーニング?」

凌牙の言葉に遊矢は首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「頼むぜ、ネオス!!」

 

《ハアッ!!》

  

「モードクリフォートα!鉄拳聖裁!!」

 

 

ドガン!!

 

 

スフィアフィールドに覆われたスタジアムに重い打撃音が響く…スタジアムの中心、そこでは赤いマントがはためく鋼の鎧を纏った遊海が数人の決闘者に囲まれていた…!

 

 

 

「ぐぐぐ…だあっ!!」

 

《拳の威力は落ちていないな!遊海!》

 

「ありがと…よ!!」

空中で白きHERO…『E・HEROネオス』と拳を衝突させた遊海はそのままネオスを押し飛ばす!

 

 

《ラス・オブ・ネオス!!》

 

「ぜえい!!」

地面に着地したネオスは即座に遊海へと肉薄、渾身の手刀を叩き付けるが…腕をクロスした遊海のガードに防がれる!

 

「エア・ブラスター!!」

 

《ヌウゥゥッ!!?》

ガードを解いた遊海は凄まじい拳圧で空気を殴りつけ、強力な()()()でネオスをスタジアムの壁まで吹き飛ばす!

 

 

「次!!」

 

「はい…!お願い!『エルシャドール・ミドラーシュ』!!」

 

《全力で行くよ〜!風王鉄槌!!》

 

「モード岩窟王!!がああっ……!?」

遊海の指示と共に放たれるのは緑髪の影人形──ウィンダが放った暴風の鉄槌、風速にすれば50mを超えるであろう風の衝撃を重量級の岩の鎧で受け止める…!

 

 

「っ───!!モード、聖刻!反射の陣!!」

 

《えっ…きゃ〜!?》

暴風に耐えた遊海はウジャト眼を刻んだ鎧へと換装、展開した魔法陣で暴風をウィンダへと跳ね返し、吹き飛ばした!

 

 

39

 

 

「いくぜ!『希望皇ホープ』!遊海にホープ剣スラッシュ!!」

 

《ホープ!!》

 

 

 

 

「『決闘の守護者』!!!」

そして二振りの剣を構えて遊海へと突撃する希望の戦士──その一撃を魂の大剣で受け止める!

 

 

《オオオッ……!!》

 

「ぐ、ぐぐ、ぐ……!だあっ!!」

数十秒の鍔迫り合いの末、遊海は希望の剣を受け流し、ホープの体勢を崩す!

 

勝利へ導く決着の剣(デュエル・カリバー)!!」

 

「ホープ!ムーン・バリアだ!!」

 

《ハッ!!》

体勢を崩したホープに放たれる光の奔流…だが、無敵の盾がその攻撃を防ぎきる!!

 

 

「そこだ!ネクロス・トリシューラ!絶対零度!!」

 

《ガッ!?》

 

「ホープ!?」

攻撃を防いだ僅かな『隙』…遊海はそこへ氷龍の力を解き放ち、ホープを氷の棺へと閉じ込めた!!

 

 

69

 

 

(来い!『No.69紋章神コート・オブ・アームズ』!!)

そして巨大な角を持つ異形の悪魔が出現…赤黒いエネルギーが集中する!

 

「モード太陽神……燃え上がれ…!太陽神の神炎!!」

黄金の鎧…太陽神の力を纏った遊海の両腕に太陽のエネルギーが集中していく!

 

 

 

(放て!ゴッド・レイジ!!)

 

「ゴッド・ブレイズ!!」

 

 

ドオオン!!

 

 

 

神の怒りと太陽神の炎が衝突…スタジアムは爆煙に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ………ありがとう翠、十代、遊馬、アストラル……だいぶ勘を取り戻せた…!」

 

「お疲れ様です遊海さん!」

 

「精霊と生身で戦えるって……やっぱり、遊海はすごいよな!」

 

(遊馬、我々もゼアルになれば戦えると思うぞ?)

 

「ゼアルなら…生身の先生よりは強いんじゃねぇか?」

スタジアムの地面に大の字に寝転がりながら遊海は特訓に付き合ってくれた翠達に感謝を伝えていた。

万が一に備えて精霊アーマーによるリアルファイトの特訓をしていたのである。

 

 

 

《フォウ!フォーウ!(遊海!お疲れ様!すごかった!)》

 

「ははっ、ありがとな…これで俺は万全状態だ…!待ってろよ、アカデミア…そして───」

 

「おーい!父さーん!」

 

「ん?凌牙と──遊矢か……アストラル」

 

(ああ、一度姿を隠しておこう)

翠達と合流し、肉体的にも精神的にも万全の状態を取り戻せた遊海、そこへ遊矢を連れた凌牙がやってくる…その姿を見た遊海はアストラルに姿を隠すように促した。

 

 

 

「どうした?わざわざ遊矢まで連れて…」

 

「ああ、遊矢が父さんと話がしたいらしくてさ」

 

「わかった…遊馬、十代、付き合ってくれてありがとな!夕食まで休んでてくれ」

 

「おう!それじゃ…小鳥の手伝いでもしてくっかな!」

 

「オレは…念の為に防壁周りを見回ってくるぜ!また後で!」

 

「だから休めって…」

凌牙から用件を聞いた遊海は遊馬達に解散を伝え、その場を仕切った…。

 

 

………

 

 

 

「ふぃ〜…それで、俺に何を相談したいんだ?」

翠や凌牙も席を外し、2人きりとなった遊海と遊矢…そして遊矢は悩みを口にする…。

 

 

「……エクシーズ次元に来てすぐ、アカデミアのデュエリストと戦ったんだ…」

 

「カイトと十代から報告は受けてる、銀髪のデュエリスト…アカデミアのエクシーズ次元侵攻の総司令官、エド・フェニックスと戦ったらしいな?」

 

「うん、その時は名前も知らなかったんだけど……なんだか、父さんを目の敵にしてたんだ……オレを父さんを誘き出すエサにするって……父さんがそんな恨みを買うような事をするとは思えなくてさ…」

謎のアカデミアのデュエリスト──エドとのデュエルを思い出し、表情を沈ませる遊矢…自分の尊敬する父が誰かを傷付けた……遊矢はその事が信じられずにいたのだ。

 

 

「……これは俺が予想した話になるが…構わないか?」

 

「あ…うん」

少しの間考え込んだ遊海は「予想」と前置きした上で語り始める…。

 

 

 

「おそらく、榊遊勝はアカデミアが侵攻して来た時にアカデミアへと立ち向かったはずだ、混乱するハートランド…その中で遊勝はエドと戦った……スタンダード次元でもトップレベルだった彼はおそらく、エドをエンタメデュエルで追い詰めた……そして、エドにエクシーズ次元への侵攻を止めるように諭したんだろう…『デュエルは人々を笑顔にする為のものだ』と」

 

「───うん…想像できる気がする……父さんだったら、絶対にそう言う…!」

遊海の語る『遊勝の物語』…それを聞いた遊矢の脳裏にはその光景が浮かんでいた…。

 

 

「でも…エドはその考えを認められなかった、素良やセレナの事を思い出せば分かると思うが…アカデミアは子ども達に『洗脳』に近い教育をしていた、エドの心は揺れたはずだ……アカデミアの『理想』と榊遊勝の『言葉』…どちらが正しいのか?───おそらく、その決着がつく前に遊勝は姿を消してしまった…横槍があったのか、何かの巻き添えになったのか…それは分からないけどな」

 

「……それで、エドは…アカデミアの『理想』が正しいと父さんに認めさせる為に、探してた…?」

 

「あくまでも想像だけどな?」

想像した遊勝とエドの因縁を伝えた遊海…その考えは真に迫っていた…。

 

 

「……オレ、初めてだったんだ……あんなに憎まれてデュエルするの……」

 

「遊矢…」

遊矢は今までのデュエルを思い返す……デュエルスタイルの対立で衝突してしまった勝鬨を始めとした『梁山泊塾』とのデュエル、シンクロ次元の収容所で『笑顔』を忘れ、デュエルの楽しさを否定した『秋雨』の長次郎とのデュエル…今までにも負の感情を向けられたデュエルは幾度もあったが、エドほど強い感情を向けられた事はなかったのだ。

 

 

 

「遊希兄、さっき言ってたよね……『デュエルはワクワクするもの』だ…『正しいデュエル』は世界を平和にして…みんなを笑顔にできるものだって………オレのデュエルで、エドを…アカデミアを説得できるのかな…?」

 

「…残念だが、それに関しては……俺には遊矢を納得させる答えは出せないな」

 

「えっ…?」

エドとの因縁を聞いて思い悩む遊矢…だが、遊海の思わぬ言葉に思わず問い返す。

 

 

 

「そもそも…俺と遊矢じゃデュエルスタイルが違う、遊矢は榊遊勝仕込みのエンタメデュエル……デュエルで笑顔を作る、という戦い方だ……だが、俺は……上手く言えないが…デュエルは楽しむもの、戦う事で相手と通じ合うものだと思ってる……でも、通じ合えない『敵』と戦う事もある」

 

「通じ合えない『敵』?」

 

「例えば…世界を滅ぼそうとした悪党とか、洗脳されて自分の意思がない奴、怒りと復讐に呑まれた者……そして、譲れない『覚悟』を抱いて向かってくる決闘者とか……俺はそういう奴とのデュエルは手を抜かず、叩き潰す事にしてる」

 

「────遊海って、何者なの?」

 

「ふっ…世界を何回か救って、人々を守ってきた……なーんて言ったら、信じるか?」

 

「え〜っと……」

そもそものデュエルスタイルの違いから、遊矢を納得させる答えを出せない事を伝える遊海…その例えを聞いた遊矢は困ったように笑っている…。

 

 

「要するに……時と場合によるって事だ、お前のデュエルがエドの心を動かせる…かもしれない、動かせないかもしれない……そんな時、俺達ができるのは…諦めずに最善の可能性を目指す……それだけなんじゃないか?」

 

「諦めず、最善を目指す……なんだか、分かる気がする…」

遊海なりの「答え」は遊矢の胸にストンと落ちるモノがあった、シンクロ次元におけるジャックとの決勝戦…遊矢はそこで追い詰められたが、最善を目指して足掻いた結果…自分の「言葉」であるペンデュラム召喚の重要さに気付き、勝利を掴む事ができたのだ。

 

 

「ふっ…少しでも参考になったなら良かった……そろそろ夕食かな、みんなの所に行こうか」

 

「あっ…待って遊海!」

 

「ん、どうした?」

沈み始めた夕陽を見た遊海が立ち上がる…だが、その背中を見た遊矢は声を掛けた。

 

 

 

「オレと…デュエルしてくれないか?明日の予行練習も兼ねて…!」

 

「────いいだろう、なら……場所を変えようか、あまり目立つとアカデミアを刺激するからな」

 

「場所を変えるって…?」

明日の作戦に備えて遊海へとデュエルを挑む遊矢…その提案を受けた遊海はしゃがみ込み、地面へと手を当てる。

 

 

 

我が闘いの舞台は此処にあらず…我が力を振るうは怒りにあらず、我が力は未来を導く為に使うモノ…その前には何者の力も必要なし…!展開せよ、我が覚悟!『尋常なる決闘の地(コロセウム・デュエル・フィールド)』!!

 

「な、なんだ─!?」

遊海を中心として渦巻くエネルギーの奔流…そして遊海と遊矢の姿は世界から消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここは……『未来都市ハートランド』…?』

 

──いや、違う…だが、オレの知っているハートランドでもない…!──

遊矢が気付いた時、周囲は見知らぬ場所……正確には自分が知るハートランドやアクションフィールド『未来都市ハートランド』に似ているが、違う街へと変わっていた…突然の事に遊矢と共にいるユートも驚いている…。

 

 

「ここは…まぁ、特殊なアクションフィールドと思ってくれればいい…ああ、アクションカードは無いから『クロス・オーバー』は自分で発動してくれ」

 

『遊海…!』

 

──なんという闘気…これが凌牙の父親か…!!──

遊矢と向かい合うように立っていた遊海が抑えていた闘志を開放…遊矢の体に重圧がのしかかる!

 

 

『っ…いくぞ、遊海!!アクションフィールド「クロス・オーバー」発動!!』

 

「かかってこい!榊遊矢!!」

虹色のエネルギーがフィールドを包み込む…そして遊海と遊矢、2人の初デュエルが始まった!

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

遊海LP4000

遊矢LP4000

 

 

アクションフィールド『クロス・オーバー』発動中

 

アクションカードは手札に1枚のみ確保可能

 

 

 

 

 

「先攻は俺か…俺のターン!」

「俺は魔法カード『召喚士のスキル』発動!デッキからレベル5以上の通常モンスター『クリフォート・アセンブラ』を手札に加える…そして!手札からスケール1の『アセンブラ』とスケール9の『クリフォート・ツール』をセッティング!」

 

『「クリフォート」…!オベリスクフォースを蹴散らした時の…!』

遊海の背後に紫色の核石を持つモノリスと黄色の核石を持つ機械の姿が浮かび上がる!

 

 

PENDULUM!!

 

 

『これで俺はレベル2から8の「クリフォート」モンスターを同時に召喚可能!揺れろ!希望のペンデュラム!我が魂に宿る大いなる力よ…いまこそ、その力を開放せよ!ペンデュラム召喚!!手札からレベル6「クリフォート・ゲノ厶」!レベル7「クリフォート・ディスク」!』

遊海の頭上で赤のペンデュラムが軌跡を刻む…そしてオレンジ色の核石を持つ捻れた機械と青色の核石を持つ光を反射する機械が現れる! 

 

ゲノムATK2400→1800 ☆6→4

 

ディスクATK2800→1800 ☆7→4

 

 

「特殊召喚された『クリフォート』モンスターはレベル4、攻撃力は1800になる…そして『ツール』のペンデュラム効果発動!800ライフを払い…デッキから『クリフォート』カード、『クリフォート・シェル』を手札に加える!」

 

遊海LP4000→3200

 

「そして『ゲノム』と『ディスク』をリリース!『クリフォート・シェル』をアドバンス召喚!」

2体の機械がリリースされ、黒色の核石を持つ巻貝型の機械が現れる! ATK2800

 

 

「先攻は攻撃できない、カードを1枚伏せターンエンド…そしてこの瞬間、『アセンブラ』のペンデュラム効果発動!このターンにアドバンス召喚の為にリリースした『クリフォート』モンスター1枚につき1枚ドローできる!2ドロー!」

 

遊海LP4000

シェル (Pアセンブラ ツール)伏せ1 手札0→2

 

 

 

 

『っ…!いきなり攻撃力2800、それに手札まで…!』

 

「さぁ…ジャックを乗り越えたデュエルを見せてみろ、遊矢!」

万全の態勢を整える遊海…冷や汗を流しながら、遊矢は立ち向かう!

 

 

 

 

『オレのターン、ドロー!』

『よし、これなら…!オレはスケール3の「EMラディッシュ・ホース」とスケール8の「EMオッドアイズ・ユニコーン」でペンデュラムスケールをセッティング!』

遊矢の背後にダイコンのウマと二色の眼を持つユニコーンが浮かび上がる!

 

 

PENDULUM!!

 

 

『これでオレはレベル4から7のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!手札からレベル4「EMアメンボート」!そして雄々しくも美しき二色の眼!レベル7!「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」!』

青のペンデュラムの軌跡が揺れ動き、シルクハットを被ったアメンボと遊矢のエースであるオッドアイズが現れる! ATK500 ATK2500

 

 

「この瞬間!永続罠『機殻の再星(リクリフォート)』を発動!特殊召喚されたレベル5以上のモンスターの効果は無効となる!」

 

『効果を無効に…でも、今回は大丈夫!「ラディッシュホース」のペンデュラム効果発動!「オッドアイズ」の攻撃力を500アップし、「アメンボート」の攻撃力を500ダウンさせる!』

 

オッドアイズATK2500→3000

 

アメンボートATK500→0

 

 

『バトルだ!「オッドアイズ」で「クリフォート・シェル」を攻撃!その瞬間、「オッドアイズ・ユニコーン」のペンデュラム効果発動!「オッドアイズ」モンスターが攻撃する時、そのモンスターの攻撃力をフィールドの「EM」モンスターの元々の攻撃力分アップする!「アメンボート」の攻撃力は500!受けてみろ!螺旋のストライク・バースト!!』

 

「おっと…!中々の一撃だ!」

威力を増した螺旋の炎が巻貝を消し飛ばす!

 

オッドアイズATK3000→3500

 

遊海LP3200→2500

 

 

『よし…!オレはカードを1枚伏せて、ターンエンド!』

 

遊矢LP4000

オッドアイズ アメンボート (Pラディッシュ ユニコーン) 伏せ1 手札1

 

 

 

「なかなかのコンボだ!俺が『オッドアイズ』の効果を無効にしてなかったらワンショットキルだったな!」

 

『ありがとう!()()()!あっ……』

 

「遊矢……」

見事なコンボを見せた遊矢を褒めた遊海、その言葉に嬉しそうに応えた遊矢だったが……思わず口から飛び出した名は────

 

 

「……ごめんな、遊矢……俺はお前の『兄』にはなれない、それでも……あいつの『願い』は、俺と共にある──いくぞ!!」

 

『っ…!』

一瞬、言葉を失ってしまう遊海…だが遊希から託された『想い』と共に力を振るう!

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「再び揺れろ!希望のペンデュラム!ペンデュラム召喚!エクストラデッキから『シェル』『ゲノム』『ディスク』!さらに、手札から『クリフォート・アーカイブ』!『クリフォート・アクセス』!」

 

『5体同時に…!』

再び赤のペンデュラムが揺れ動き、エクストラデッキに送られていた青・オレンジ・黒色の核石の機械に加え、緑色の核石の機械と赤色の核石の機械が現れる!

 

シェルATK2800→1800 ☆8→4

 

ゲノムATK2400→1800 ☆6→4

 

ディスクATK2800→1800 ☆7→4

 

アーカイブATK2400→1800 ☆6→4

 

アクセスATK2800→1800 ☆7→4

 

 

「俺は『ゲノム』『アーカイブ』『アクセス』をリリース!我が魂、我が相棒たる機殻の王よ…今こそ顕現せよ!!レベル10!『アポクリフォート・キラー』!!」

 

『で、でかい…!!』

3つの核石が異次元へと消え去り、遊海のエースたる虹色の核石が輝く巨大要塞が現れる! ATK3000

 

 

《マスター……》

 

「手加減はするさ…リリースされた『アーカイブ』の効果発動!相手モンスター1体を手札に戻す!『オッドアイズ』を手札に戻してもらう!」

 

『ペンデュラムモンスターは手札に戻しても、ペンデュラム召喚で戻ってくる!』 

 

「それはどうかな?」

 

『なにっ…あっ!?「オッドアイズ」のカードが!?』

緑色の核石の幻影が二色の眼のドラゴンを吹き飛ばす、そのカードは遊矢の手札に戻る前に次元の狭間に消えてしまった!

 

 

「永続罠『機殻の再星』の効果だ、特殊召喚されたレベル5以上のモンスター効果はエンドフェイズまで無効になり──フィールドを離れた時、除外される…そしてリリースされた『ゲノム』の効果発動!フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する!遊矢の伏せカードを破壊!」

 

『「EMコール」まで!?』

オレンジ色の核石の幻影が遊矢の伏せカードを吹き飛ばす!

 

 

「そして『キラー』の効果起動!このカードがフィールド上に存在する限り、特殊召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする!機殻の重圧(クリフォート・グラヴィティ)!」

さらにキラーの展開した重力場が周囲を支配する!

 

アメンボートATK500→0

 

シェルATK1800→1300

 

ディスクATK1800→1300

 

 

『(まだだ…!「アメンボート」は相手の攻撃を無効に──)』

 

「『キラー』の2つ目の効果発動!1ターンに1度、相手は自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリースしなければならない!」

 

『そんな…!?』

遊矢の場のアメンボが粒子に変わって消え去ってしまう…!

 

 

「バトルだ!『シェル』と『ディスク』でダイレクトアタック!!」

 

『くっ…うわああっ!?』

必死にアクションカードに手を伸ばす遊矢だが…シェルの突進が遊矢を弾き飛ばし、さらにディスクの閃光に吹き飛ばされる!

 

 

遊矢LP4000→2700→1400

 

 

「『キラー』でダイレクトアタック!ネクサス・アーク・キャノン!」

 

《攻撃コード認証…主砲、発射!》

遊海の宣言と共に虹色の光の奔流が遊矢へと襲いかかる!

 

 

「っ…アクションマジック『回避』!その攻撃を無効にする!!」

ようやく手にしたアクションカードを発動する遊矢…だが──

 

 

バキッ

 

 

「えっ───?」

 

 

 

虹色の閃光は遊矢が頼りにする防御を貫通…虹色の閃光が遊矢を呑み込んだ…。

 

 

遊矢LP1400→0

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

 

『なん、で…?』

 

「『アポクリフォート・キラー』は自身のレベルより低いレベル・ランクのモンスターが発動した効果を受けず、魔法・罠カードの効果も受けない…『回避』じゃなくてダメージを0にするとか、バトルフェイズを終わらせるアクションカードなら…もう1ターンは凌げただろうな」

 

──遊矢が手も足も出ないとは…これが『英雄』か…!──

デュエルが決着し、アクションフィールドと『尋常なる決闘の地』が解除されて夕暮れのハートランドへと戻っていく、最後の攻撃を受けて倒れ込んでいた遊矢へとエースモンスターの効果を明かす遊海…その圧倒的な力にユートは驚愕していた。

 

 

 

 

 

「遊矢、俺にお前の兄…榊遊希の面影を重ねるのは仕方がない事だ………でも、俺は白波遊海…お前との『思い出』を知らない()()だ……そこだけは間違えたら駄目だ、遊希の為にもな……」

 

「遊海……」

倒れ込んだ遊矢の隣に座って語り掛ける遊海……彼は気付いていた、遊矢が未だに遊海に「榊遊希」の面影を重ねている事を……名前を呼ぶ時、遊希と間違えて呼ぶ時がある事を…。

 

 

「………今なら、誰も見てないぞ……俺は、お前の兄にはなれないが……胸を貸してやるぐらいはできる」

 

『遊海…ああ…うああああ……!!遊希兄…!!あああ──!!』

 

「……(この次元の遊矢は……本来の遊矢以上に悲しみを背負ってるな………どうしたものか……)」

遊海の穏やかな、優しい言葉に涙が溢れる遊矢…スタンダード次元の戦いから約2週間、「柚子を救出する」という目標やシンクロ次元の騒動、フレンドシップカップによる慌ただしさによって忘れる事ができていた悲しみが遊矢へと押し寄せる。

 

 

遊海は遊矢が落ち着くまで、その背中を優しく擦り続けた…。

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