転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
融合次元へと辿り着き、最初の障害であるユーリを乗り越えた遊海達…彼らはついにあの人物と出会う…。
それでは、最新話をどうぞ!
「遊勝先生!」
『明日香君!それに万丈目君達も…!無事で良かった…アカデミアの襲撃を受けたと聞いて心配していたんだ…!』
融合次元の郊外、某所……反アカデミア組織、デュエルスクール『遊勝塾』の拠点…廃教会、そこでは1人の男性が椅子に腰掛けて学生達の帰りを待っていた。
赤い派手なスーツを纏い、ゴーグル付きのシルクハットを被り、杖を持ち顎髭を生やした男…その男こそ、遊勝塾のリーダー…スタンダード次元における元アクションデュエルチャンピオン──榊遊勝その人だった。
「はい…!アカデミアのプロフェッサー直属のデュエリスト、ユーリの襲撃を受けました…でも、思わぬ援軍のおかげで大きな被害はありませんでした!」
『援軍…?アカデミア内にいるという「仲間」が動き出したのかい?』
明日香の報告に問い返す遊勝…現状、遊勝塾はほぼ孤立無援…その状態で援軍は望めなかったからだ。
「いいえ…!さらに頼りになる人達なんです…入って!」
「───お久しぶりです、遊勝さん」
『キミは…赤馬零児…!?次元を越えてきたのか!?』
明日香に促されて教会へと足を踏み入れたのは、長いマフラーと赤眼鏡が特徴的な青年──赤馬零児だった。
「貴方が行方知れずとなって3年…まさか、融合次元に来ているとは思わなかった……私もようやく、アカデミアと戦う覚悟と準備をする事ができた……紹介しましょう、アカデミアと戦う為に集いし『槍』──ランサーズのデュエリスト達を!」
零児の号令と共に新たな人影が現れる、それはランサーズの主要メンバー…月影、零羅、沢渡、黒咲、セレナ、素良…さらに、権現坂、柚子……そして遊矢だった…!
「っ…父さん!!」
「おじさん!!」
「遊勝殿!!」
『───遊矢…!それに柚子、権現坂君!お前達も次元を越えてきたのか!!』
そして…遊矢が遊勝に抱きつく……離れ離れになった家族、その3年振りの再会だった…。
「父さん…!なんで、なんでいきなりいなくなるんだよ…!!オレ達がどれだけ心配したと思ってるんだよ!?なんで、何も言わないで…!!」
『……すまなかった……知っているとは思うが、私はアカデミアのプロフェッサー…赤馬零王とは旧知の仲だ……私ならば、矛を交える事なく、馬鹿な事を止めさせられる…そう思っていたんだが……アクシデントが重なってな…』
3年振りの再会に涙を流す遊矢…その頭を優しく撫でながら遊勝は申し訳なさそうな表情を見せる。
3年前、零児から対アカデミア部隊の司令官を依頼された遊勝だったが…旧知の仲の零王ならば自分1人で止められると開発途中の転移装置を強引に使用…結果としてエクシーズ次元に辿り着いてしまった。
そして戻る術がないまま…エクシーズ次元で二年間を過ごした所で「次元戦争」が勃発…総司令官だったエドを倒したものの、エドの次元転移装置の暴発で融合次元に飛ばされてしまい、現在に至る…。
『遊矢…柚子、権現坂君も元気そうで良かった……母さんは元気か…?遊希は?また、体を壊していないか…?』
「っ…母さんも修造さんも元気だよ……だけど、さ……」
『…遊希に、何かあったのか!?』
遊矢に家族の近況を訊ねる遊勝…だが、遊矢達は表情を曇らせる…。
「───はじめまして、榊遊勝さん」
《フォウ》
『キミは…?』
その時、新たな人物が現れる…それは赤いジャケットに赤い帽子を被り、肩に白猫を乗せた青年…そして紫髪の女性だった。
『いや…そのペンデュラムは…!?遊希、遊希なんだな…!?いや、でも…雰囲気が違う…それに、体の傷が…!?』
「俺の名は…白波遊海、貴方の
「私は…遊海さんの妻の白波翠です!」
『つ、妻!?遊希はまだ16歳の……いや、キミの纏うオーラは………次元戦争のように、私の理解が及ばない事があったようだね』
遊海が首に掛けた『赤のペンデュラム』によってその正体に気付く遊勝…さらに、
「榊遊希は彼、白波遊海が記憶を失った姿…彼はスタンダード、エクシーズ、シンクロ、融合…4つの次元の外、完全なる『別世界』から訪れた『英雄』だった…彼を助ける為にその『別世界』から奥方を含めた14人のデュエリストが貴方と入れ違いにエクシーズ次元に漂着…アカデミアと戦う『勇士』として知られていたはずです」
『別世界の英雄…それに勇士、アカデミアから逃げてきた学生達から聞いていたよ…エクシーズ次元には白き「希望の戦士」を操る少年や、赤い槍を操る「黒き槍術士」を従えたレジスタンスがいると』
零児の簡潔な説明で遊勝は状況を理解する…学生達から聞いていたレジスタンスの勇士達、そのまとめ役が遊海なのだと。
「スタンダード次元出発当初は10人だったランサーズも…シンクロ次元と同盟を結び、エクシーズ次元をアカデミアの手から解き放ち、総勢35…いや、36名のデュエリスト集団になった……これから、アカデミア本島へ突入するつもりです」
『エクシーズ次元を…!!そうか…流石はキミの作った組織だな、零児……ならば、私もようやく動く事が出来そうだ……私も、アカデミアに同行する…!ぐっ……』
「父さん!?足が…!」
零児の言葉を聞いて座っていた椅子から立ち上がる遊勝…だが、すぐに膝をついてしまった……右足を負傷していたのだ…。
「っ…大丈夫だ…エクシーズ次元でエド・フェニックスというデュエリストと戦った時に、足を痛めてしまってな……スタンダードに帰れても、アクションデュエリストは引退だな…」
「父さん…」
自嘲気味に笑う遊勝を心配する遊矢…そんな時だった。
「榊遊勝…貴方には、アカデミアに向かう前にやってもらわなくてならない事がある」
「えっ…遊海さん?」
遊矢に助けられて立ち上がる遊勝…その前に遊海が立ち塞がる、その様子に柚子が思わず問いかける。
「俺とデュエルしろ」
「「「っつ!?!?」」」
遊海が言葉を発した瞬間、遊矢や零児達は冷や水を浴びたような感覚に襲われる…。
その正体は遊海の
『(な、なんだ、この殺気は…!?これは、本当に人間が出せるものなのか!?)』
「や、やばいッス!なんでか分からないけど…遊海先生がガチギレしてるッス!?」
「あんな状態の先生を見たのは…ミスターTが変身した偽ダーツの時以来だぞ…!?」
初めて叩き付けられた殺気に冷や汗を流す遊勝…その近くで翔や万丈目達も戦慄している…!
「ゆ、遊海!?なんでいきなりデュエルなんて…!」
『……いいだろう、求められたら応えるのがエンターテイナーの本分!アクションデュエルはできないが…応じさせてもらう!』
取り乱している遊矢を手で制した遊勝は杖を傍らに置き、デュエルディスクを展開する!
「いくぞ、榊遊勝…デュエルだ!」
エンタメデュエルの創始者と英雄が衝突する!
『「デュエル!!」』
遊海LP4000
遊勝LP4000
「俺のターン!ドロー!」
「『聖騎士アルトリウス』を召喚!」
鎧を着た茶髪の青年騎士が現れる! ATK1800
「さらに!自分の場に光属性の通常モンスターが存在する事で手札の『聖騎士ガウェイン』は守備表示で特殊召喚できる!」
屈強なる太陽の騎士が現れる! DEF500
「俺はレベル4の『アルトリウス』と『ガウェイン』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
2体の聖騎士が銀河へと飛び込み、大爆発を起こす!
∞
「現れろ!『No.∞』!俺が歩みし戦いのロード…今こそ未来を切り拓け!!『
「えっ…!?ちょっ、遊海さん!?」
大爆発と共に遊海のナンバーズ、初代デュエルディスクを模した魂の大剣が地面に突き刺さる…だが、その召喚に翠は顔色を変える…!
『見た事のないエクシーズモンスターだ…キミはエクシーズ次元の出身だったのかい?』
「俺は…この世界の人間じゃない、遥か遠い場所から来たんだ…だが、今は関係ない…!『決闘の守護者』がエクシーズ召喚に成功した時、カードを1枚ドローできる…さらに、装備魔法『聖剣アロンダイト』を『決闘の守護者』に装備し、ターンエンド!」
見た事のないエクシーズモンスターの存在から遊海の出自を訊ねる遊勝…だが、遊海を言葉数少なくターンを終えた…。
遊海LP4000
決闘の守護者(聖剣アロンダイト) 手札3
「ゆ、遊海さん…!?なんで遊勝さんに対してナンバーズを!?」
「翠…今は、何も言わないでくれ……
「えっ…?」
今までにない様子の遊海に翠は心配そうに声を掛ける…だが、遊海の表情は緩まず、遊勝を睨みつけている。
『おお怖い…!しかし、デュエルはみんなを笑顔にする為のモノ!キミが何に
遊海の殺気…怒りに戸惑っていた遊勝だったが、プロのエンターテイナーとして遊海に向かい合う!
『私のターン!ドロー!』
『自分の場にモンスターが存在せず、相手の場にモンスターが存在する時!手札の「EMレビュー・ダンサー」は特殊召喚できる!』
靭やかな鞭を持つ踊り子が現れる! ATK800
『そして「レビューダンサー」は「EM」をアドバンス召喚する時、2体分のリリースにできる!私は「レビューダンサー」をリリース…「EMスカイ・マジシャン」をアドバンス召喚!!』
そして…榊遊勝のエース、白い翼のようなマントを持つ天空の奇術士が現れる! ATK2500
「スカイマジシャン…!父さんも全力だ!」
遊矢は久しぶりに見た憧れのモンスターの姿に目を輝かせている…。
『そして…私は永続魔法「魔術師の右手」を発動!このカードは自分の場に魔法使い族モンスターが存在する時、相手の魔法カードの発動を無効にし、破壊できる…さらに!永続魔法が発動した事で「スカイマジシャン」の攻撃力は300アップする!』
スカイマジシャンが魔力によって強化される!
スカイマジシャンATK2500→2800
『さぁ…バトルだ!「スカイマジシャン」で「決闘の守護者」を攻撃!』
「『決闘の守護者』の効果発動!このモンスターがバトルする時!ORUを1つ使い、バトルする相手モンスターの攻撃力または守備力、どちらか高い数値分、自身の攻撃力をアップし、貫通効果を得る!ウィッシュ・トゥ・パワー!!」
『なにっ…!』
魂の大剣に光が集中する!
決闘の守護者 ATK2500→4800
「薙ぎ払え!
『くううっ…!?』
「父さん!?」
拡散するように…手加減して振るわれた光の斬撃が天空の奇術師を両断する!
遊勝LP4000→1500
『相手ターンに効果が発動するタイプだったか…私はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!』
遊勝LP1500
魔術師の右手 伏せ1 手札2
『いや、驚いた…!遊希のプレイングスタイルとはまったく違うね!一手でここまで追い詰められるとは…』
「俺とあいつは
遊海の強さに驚く遊勝…だが、遊海はそれを意に介さず…さらに闘志を高める!
「俺のターン!ドロー!!」
「装備魔法『聖剣アロンダイト』の効果発動!1ターン1度、『決闘の守護者』の攻撃力を500下げ、相手のセットカード1枚を破壊する!模倣・不毀なる湖光!」
『「ミラクル・シルクハット」が…』
アロンダイトの力を宿した魂の大剣が遊勝の伏せカードを両断する!
決闘の守護者ATK2500→2000
「そして俺は魔法カード『RUM-ネクサス・フォース』を発動!自分フィールドのエクシーズモンスターをランクアップし、カオス化させる!俺は『決闘の守護者』1体でオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!」
遊海は魂の大剣を銀河へと投擲…光の爆発がフィールドを包み込む!
∞
「顕現せよ!『CNo.∞』!彼の踏みしめた戦いの路よ!その怒りを我が拳に宿せ…!ランク5!『
無数の光が右手に集中…白銀に輝く決闘盤を模した手甲となって遊海に装備される! ATK2800
「ランクアップマジックに、カオスナンバーズまで…!?遊海は何を考えて…!?」
勇士達と共に戦った事で「RUM」とナンバーズについて知る黒咲が冷や汗を流す…!
「バトルだ…!『輝』で榊遊勝にダイレクトアタック!シャイニング…バスタァァァッー!!」
『なっ──がっはあああああ!?!』
「と…父さぁぁぁん!?!」
白銀の手甲に大地を砕くエネルギーが集中…遊海はあろうことかその拳を遊勝に直接叩き付け、殴り飛ばした…!!
遊勝LP0
遊海WIN!
ドゴン!!
『がっ…!?』
「父さん!!」
「おじさん!!」
廃教会が揺れる、遊海による全力の拳を受けた遊勝はボールのように吹き飛び…廃教会の壁に叩きつけられ、クレーターを作った。
あまりの出来事にフリーズしていた遊矢と柚子は慌てて遊勝へと駆け寄る…。
「き…貴様…!何を考えているのだ遊海!!何故遊勝殿にこんな事を!!」
「やめなよ!権ちゃん!!遊海に敵うわけないって!?」
そして、権現坂が遊海へと掴みかかる…それはあまりにも無謀な事…素良が慌てて制止する…。
「遊海先生!いくらなんでもやり過ぎです!?遊勝先生は怪我人なんですよ!?」
「怪我人であろうがなかろうが関係ない……これは彼……榊遊勝のもう1人の
「「えっ…?」」
さらに、遊海の思わぬ暴力に声を上げる明日香…だが、その答えは予想外のものだった…。
『ぐっ…体が、バラバラになるかと、思った…』
「痛いか?榊遊勝」
「遊海…!!」
痛みに呻く遊勝に歩み寄る遊海…その冷たい眼差しに遊矢は思わず敵意を向ける…。
「だけどな、お前がいなくなって3年…遊矢達はそれ以上の痛みを…苦しみを味わってきたんだぞ…!!それが、お前に想像できるのか!!」
『っ…!?どういう、事だ…?』
「遊海…!?」
初めて感情を露わにする遊海…その怒りは、遊矢達を顧みなかった遊勝へと向けられていた…!
「お前がストロング石島とのデュエルに現れなかった事で、スタンダード…舞網でのアンタは勝負から逃げた「臆病者」の烙印を押された…!その誹謗中傷はアンタだけじゃない!遊矢や洋子さん!アンタのエンタメの教えを受けていた柊塾長の「遊勝塾」にも及んだ!知っているか?今の遊勝塾の塾生は遊矢や柚子ちゃんを含めて6人…5人しかいなくなったんだぞ!!」
『────遊矢、柚子…それは本当の事、なのか…?』
「………うん…」
「お父さん、いつも大変そうでした…事務の人を雇う事もできなくなって…遊希さんがずっとサポートしてて…」
『そんな…』
それは遊勝が知る事ができなかった事実…遊勝の行方不明によって、遊矢達は茨の道を歩んできたのだ…。
「一番大変だったのは遊矢だ…!それまで、チャンピオンの息子として扱われていたのが…『臆病者の息子』と言われるようになったんだぞ…!どれだけ嗤われ、嘲笑され…イジメられてきたのか…!アンタにその辛さが分かるのか!!そのイジメを遊希や洋子さん、柚子や権現坂君がどうやってフォローしたのか…!」
『零児…』
『別次元の存在は三年前の時点では極秘扱い……伝えてしまえば、人々がパニックに陥る可能性があった……故に、レオ・コーポレーションは貴方のフォローをする事ができなかった』
遊矢の経験した暗黒の3年間を聞いた遊勝は零児へと目を向けるが…零児は目を伏せる……舞網の平穏を守る為、零児はその選択をせざる得なかったのだ。
「遊海…それじゃあ、今のは…オレ達の為に…?」
「これは…遊希の最後の願いだ」
「遊希兄の…!?」
遊海の怒りの原因が自分達だったと知った遊矢が涙目で遊海に問いかける…そして遊海は「約束」について語った。
Side遊海
『白波遊海…もし…もしも、君がこの動画を見てくれたなら……僕の最後の頼みを聞いてほしい…』
「頼み…?」
時はスタンダード次元からシンクロ次元への出発前夜、遊海が遊希によって残されていたビデオメッセージを見ていた時まで遡る…。
動画の最後、遊希は遊海へと願いを託していたのだ。
『もしも、君が…これから先、遊勝さんに会う事があったら……思いっきり
《フォーウ!?(えっ?遊希!?本当に!?)》
「フォウ?そんなに驚く事なのか…いや、遊希の人となりからすれば…意外なんだろうな…」
暴力を嫌う遊希の思わぬ言葉に短い時間とはいえ、一緒に過ごしていたフォウは驚いている…。
『遊勝さんが…
「………ああ、分かったよ…遊希、もう1人の『英雄』……お前の願いは、俺が果たす」
それは遊希の最後の願い、行方を晦ましてしまった自分勝手な父への…せめてもの制裁だった…。
Side Out
『遊希…すまない……すまなかった…!!』
遊希の最後の願いを聞いた遊勝はその場で泣き崩れる…人を傷つける事を嫌い、傷付いた体で必死に家族の為に頑張っていた遊希…その遊希にそこまでの思いを抱かせてしまった自分の罪深さに気付いたのだ…。
「それに、アンタは前提からして
「遊海…」
あまり激情した所を見せない遊海…だが、久々に怒りを爆発させる。
遊海は許せなかったのだ、同じ
「1人で全てを変えられるなら、俺達は苦労しなかった…世界を救い、変えられるのは人々の
『……遊海、キミはいったい、何者なんだ…?』
遊海による渾身の説教…それを聞いた遊勝が遊海へと問いかける、見た目の年齢に合わない…そう思える程の経験をしているであろう遊海へと…。
「俺の名は白波遊海、百年を超える時を重ね…選ばれし決闘者達と共に世界を救ってきた『決闘王』だ」
遊勝の問いに遊海は改めて答える…その背に背負った称号と共に…。
「もう…遊海さん、やり過ぎですよ〜…」
「遊希の最後の願いだからな……手は抜けなかったんだ、心配させてごめん」
《フォーウ…(自分の親が殴られてる遊矢の気持ちも考えなよ…)》
「……それは失念してた……頭に血が昇ってたな…」
臨戦態勢を解いた遊海に翠とフォウが話しかける…遊希の事を考えるあまり、遊海は冷静さを欠いてしまっていた…。
「さて…積もる話もあるだろうが、話は移動しながらだ…アカデミアに状況を把握される前に…上陸作戦を仕掛ける!」
「ゆ、遊海ちょっと待って!父さんは今のデュエルで怪我し………あれ…?怪我してない!?」
「あ、あんな勢いで殴られたのに!?」
『ああ…不思議な事に、全身痛いんだが…怪我は、していないらしい…』
そしてアカデミアへの突入作戦に移ろうとする遊海、遊矢達は殴り飛ばされた遊勝を心配する……だが、遊勝は埃だらけだが…
「殴り飛ばす時、拳に回復の力を込めた…足の怪我や他の不調も全快しているはずだ……痛みはしばらく残るだろうけどな」
『足が…!いや、この程度の痛みは構わない……私には、あまりに軽すぎるくらいの戒めだよ』
「父さん…良かった…!」
遊海の言葉を聞いた遊勝は1人で立ち上がる…痛めていた足の痛みは気にならなくなっていた。
「もはや、なんでもアリか、あいつは…」
「フッ…これくらいで驚いてたらキリがないぞ?あの人が本気なら、アカデミアのある島ぐらい1人で沈めるからな?」
「マジか」
「マジッス」
相変わらずの規格外さを見せつける遊海に驚く沢渡…そんな彼に万丈目と翔が上がある事を伝える…。
「……もう遊海1人でいいんじゃないか…?」
「そんな事言わないで?貴女達の力も、きっと必要になるわ」
そして同じく遊海の規格外さに驚くセレナだったが…明日香が苦笑しながら応えたのだった。
「遊海先生、たぶん遊勝塾全員での移動は厳しいんだな…俺は仲間達の為に残るんだな」
「隼人…ありがとう、戦いはすぐに終わらせる…少しだけ待っててくれ」
「その分、オレ達が頑張るザウルス!」
「やってやるッス!」
遊勝塾のアカデミア生は数十人以上…全員の移動は厳しい為、隼人が残る事を進言…遊勝塾からは遊勝・明日香・翔・万丈目・剣山がアカデミアへと向かう事になった。
「よし、話は纏まったな…ランサーズは次元飛行船へ帰投、そのままアカデミアへと向かう!」
「「「おーっ!!」」」
リーダーである零児の言葉にランサーズ達が応える…その時だった。
《……マスター》
「ああ…どうやら、
「えっ…!」
アヤカが異変を知らせる…それと同時に遊海は廃教会の入口へと目を向けた!
『あらら…もう気付かれちゃった…って、当たり前か』
「『デニス!』」
入口に現れた人影に榊親子の声が重なる…それはシンクロ次元から姿を消してしまった元ランサーズであり、アカデミアのスパイ…デニス・マックフィールドだった…!
『ハロー♪遊矢、お久しぶりです遊勝センセ…柚子とセレナを渡してもらおうか…!』
「アカデミア…お前達には…もう、何も奪わせない!」