転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

戦いを乗り越え先…そこで遊矢達はついにプロフェッサーと対峙する、その先に待つ結末は…!

それでは、最新話をどうぞ!


嘆きの魔王─共闘─

「っ…襲撃が…止まった…?」

 

『気をつけろ…罠がある可能性もある…!』

 

アカデミア生の襲撃を切り抜けながらプロフェッサーのもとを目指していたランサーズ本隊…だが、とあるフロアに差し掛かった所でアカデミア生の姿が消え、静寂が支配していた…。

 

 

「正面の扉が、プロフェッサーのいる王座の間だよ…!」

 

『各自、警戒を怠るな…突入する!!』

 

「わかった!」

デニスが目的地が近い事を伝える、その言葉を聞いた零児は警戒しながら王座の間へと飛び込んだ…!

 

 

 

 

 

 

 

【───来たか、零児、遊勝…そしてランサーズ、そして…来てしまったか、榊遊矢…!】

 

『赤馬零王…』

王座の間へと踏み入るランサーズ達…そこで待ち受けていたのは玉座に座った紫色のコートを纏い、スキンヘッドの頭に機械装置を着けた壮年の男───アカデミアの総帥、赤馬零王だった。

 

 

「あの人が、赤馬零王…!」

 

「兄様、あの人が…()()()()()、なの…?」

 

『下がっていろ、零羅…奴は私の父だが…今は()だ』

 

【……レイラ…?】

初めて見た零王の姿に警戒を強めるランサーズ、その中で零羅は義父である零王の事を気にしていたが…零王は零羅の事を知らない為、困惑した表情を見せている。

 

 

「零児、遊矢、ランサーズのみんな……少しだけ、私に彼と話す時間をくれ……私は、彼の真意を知りたい…!」

 

「父さん…」

 

『…構いません、遊勝さん』

そして、遊勝がランサーズ達の前に出る…親友として、零王の気持ちを知る為に…。

 

 

 

 

「零王、キミほどの天才が…何故、こんな()()()事を始めた?」

 

【愚かな事?】

 

「『理想郷』を創るという美名のもとに4つの次元を侵略しようなど…愚か以外のなんだと言うんだ…!キミは『無』から『有』を生み出せるほどの()()()…この世界でリアルソリッドビジョンを生み出したのはキミの功績だ!」

デュエルディスクを展開した遊勝は小鳥型のモンスター『EMインコーラス』を喚び出し、可愛らしく唄わせる…。

 

 

「リアルソリッドビジョンがなければ…アクションデュエルは生まれず、私のエンタメデュエルをも生まれる事はなかった…あの町工場での出会いが私の運命を変えた…キミはまさにリアルソリッドビジョンの創造主であり、エンタメデュエリスト・榊遊勝の生みの親だ!私はキミとの出会いを今でも感謝している!」

零王との出会いに感謝を伝える遊勝…彼は零王の事を『親友』だと信じていた…。

 

 

【遊勝…私は()()などではない、リアルソリッドビジョンも…既に存在した技術を再現しただけだ】

 

「既に存在した、か…やはり()()()()()()───話してくれ、零王…こことは違う『世界』で何があった…!きみは何を経験した!」

 

【───そうか、白波遊海に聞かされたか…『()()()()()』の事を】

 

「1つの世界?なんだいそれ…?」

遊勝の言葉を聞いた零王は静かに首を振る…自分は『天才』ではないのだと。

 

遊勝はその反応から遊矢達の話が真実だと確信し、遊勝に語りかける…だが、デニス達数人は事情が分からない様子だった。

 

 

『他の者達にも情報を共有しよう…我が父、赤馬零王は…白波遊海と同じ「世界」の出身だ』

 

「遊海と同じ世界!?」

 

「フン…どおりで遊海を集中的に排除しようとする訳だ…元々の強さを知っているのだからな」

零児の言葉に沢渡が驚き、ジャックはシンクロ次元における遊海への執拗な攻撃の理由を理解した。

 

 

 

【そうだ…!不思議に思った事はなかったか?4つに分かれた次元がデュエルの召喚法で分かれている事を…()()()()()()「1つの世界」には全ての召喚法が存在した…!それだけではない!デュエルモンスターズの基礎たる「ソリッド・ビジョン」システム!不動博士が完成させた永久機関「モーメント」!拡張現実空間でのデュエルを可能とする『ARビジョン』!今の4つの次元よりも進んだ科学力を持った世界が存在した…!!】

零王は拳を握り締めながら『1つの世界』の事を語り始める…。

 

 

【1つの世界は平和な世界だった…デュエルモンスターズは最大の娯楽であり、人々を楽しませる希望だった…そして科学者であった私は人々を楽しませるデュエリスト達に応えたいとソリッドビジョンをさらに発展させ、モンスターの生命力をもっと生き生きと表現できる投影技術──質量を持つソリッドビジョン…『リアルソリッドビジョン』を開発した…!だが、私は気付いていなかった…自分がパンドラの箱を開けようとしていた事に…!】

 

『………』

懐かしき世界について語る零王…その様子を零児は静かに見つめている…。

 

 

【そして私の開発したリアルソリッドビジョンは新たな時代におけるデュエリストの()()──『決闘王』を決める為の大規模大会、ワールド・チャンピオン・シップスで使われる事になった…そこに()がいたのだ…!あの男が!!】

 

「あの男…?」

 

 

()()()()…だよね」

 

 

「っ…遊矢!」

 

【貴様…榊遊矢…!なぜ、お前がその名を知っている!?】

零王があるデュエリストの存在を話そうとした時、遊矢が前に歩み出る…零王が語ろうとしたデュエリストの名前を口にしながら…。

 

 

 

「オレと柚子、零児と零羅、黒咲…この場にはいないけどセレナも…遊海に全部聞かされたよ……この世界の『創世記』を…」

 

【っ…余計な事を…!白波遊海!お前は悲劇を繰り返そうというのか…!!】

 

「おい遊矢!創世記ってどういう事だよ?まーたオレを除け者にしたのか?!」

 

「ごめん沢渡、話すタイミングがなくてさ…」

 

「さぁ、聞かせてもらおうではないか、赤馬零王…貴様が愚かな侵攻を選んだ理由──その原点を…!」

遊海が()()である遊矢達に真実を話していた事に驚く零王…その様子を見た沢渡が除け者にされていた事を知って遊矢へと詰め寄る。

 

そんな中、ジャックが零王に話を続けるように促す…その言い分を聞く為に…。

  

 

 

 

【ズァーク…その男は目立たないデュエリストだった…だが、世界大会の前に実力を伸ばし、融合・シンクロ・エクシーズ・アドバンス…4つの召喚法を操りながら勝ち続けた…『カードの精霊の声』が聞こえる…そう言った彼はモンスターと心を通じ合わせたかのように、フィールドを走り、跳び…観客を熱狂させた…!だが、ある試合で事故が起きた…想定の出力よりも強く投影されたリアルソリッドビジョンによって対戦相手が重傷を負った…!その時、観客達は批判する者…そして、その派手なデュエルを喜ぶ者とに分かれた…そして、ズァークは変わっていった…!】

対戦相手の負傷…それによってズァークの運命は歪んでいく…。

 

 

【ズァークのデュエルは今まで以上に派手に、荒々しくなっていった…そして不動博士の曾孫の不動流星や神代凌牙…当時の強豪デュエリストを下しながら、決勝戦へと勝ち上がった…!】

 

「っ…凌牙を…!?」

 

「………」

 

「凌牙は本気を出してなかっただけよ」

知る名前が出てきた事で驚く権現坂やランサーズ…その中で翠達は静かに状況を見守っている…。

 

 

 

【そして決勝戦…それは激しいデュエルとなった…!次々と飛び出すドラゴン達…それに対峙したのは若手デュエリストのホープ、デュエルチャンピオンの称号を手にしていた九十九遊馬が操る希望の戦士達…!激しいデュエルの末にズァークは九十九遊馬に倒された…そして、世界の崩壊は始まってしまった…!他ならぬ私達の手によって…!】

 

「…デュエルで負けたズァークに、ゴミを投げた奴がいた…」

 

【そうだ…!人々の悪意…それがズァークを『悪魔』として目覚めさせた…!人々の欲望に応え、激しいデュエルを続けていた奴の精神は限界を迎えていたのだ…!そして奴は己のエースであった融合・シンクロ・エクシーズ・アドバンス…それぞれを象徴するドラゴン達と1つとなり──その身を『覇王龍ズァーク』へと変えたのだ…!】

 

「っ…モンスターと1つに…!?そんな事があり得るのか…!?」

 

【それがあり得てしまったのだよ、デニス……私の作り上げたリアルソリッドビジョンはカードに宿るモンスター──カードに宿る『精霊』の感情をも形にしてしまった……その怒りが我々へと牙を剥いたのだ…!】

ズァークが悪魔と化してしまった経緯を語る零王…彼は天才過ぎた…その飽くなき研究心が悪魔を誕生させてしまったのだ。

 

 

 

【……私は『悪魔が生まれた日』に立ち会った…その身に宿した怒りと闘争本能で暴れ回るズァーク…だが、人々は指を咥えて見ているだけではなかった……私は見たのだ…赤い背中を…人々を守る為に戦う、白波遊海の率いるデュエリスト達の背中を…!】

 

「……遊海は世界を守る為にズァークに戦いを挑んだ…でも、その戦いは終わらなかった…」

 

【そうだ…!ズァークを鎮圧する為に集まったデュエリスト達…その戦いは長引き、街1つが更地に変わっていった……それを見た私は()()を取らねばならないと思った…!】

 

『責任だと?』

 

【そうだ…!悪魔を生み出してしまった責任を取る…その為に私はズァークへ対抗する為のカードの作成に取り掛かった、人々のドス黒い悪意によって誕生してしまったズァーク…それに対抗できるのは──生命に溢れた『大自然』の力…それしかないと思った…!私は世界を回り、様々なデータを集めた…遥かな宇宙から潮の満ち引きを左右する『月』の力、何度踏み倒され、燃やされても芽吹く『植物』の力、時に荒々しく全てを吹き飛ばし、時に優しく我々を包む『風』の力…そして、長い冬を乗り越え耐え忍び、春には躍動する『動物』の力…そこには浅ましい執着や欲望もない…何千何万年も繰り返されてきた大自然の営み…その強靭な力をカードに込める事ができれば、悪意の化身であるズァークなど軽々と凌駕できる…私はそう考えた…!そして私は、ついに4枚のカードを作り上げた…!だが…!】

 

 

 

 

Side零王

 

 

 

『できた…!できたぞ!ズァークに対抗する為のカードが!!』

赤馬零王は苦心を重ねながら…ついにズァークへの対抗策となるカード…大自然の化身『エン』シリーズのカードを完成させた…!

 

 

『デュエリスト達の戦いは今も続いている…早くこのカードを届け、ズァークを倒さなければ!!』

カードを手に戦いの場へと向かおうとする零王…その時──

 

 

「私にやらせて、父様!!」

 

『っ!!レイ!何をするんだ!!』

零王の手からカードを奪う人影…それは世界における零王の娘であり、プロデュエリスト、赤馬レイだった…彼女は父からカードを奪って戦いの場へと向かってしまったのだ…!

 

 

『待て!待つんだ!レイ!』

 

「来ないで父様!父様の技術は…きっと戦いが終わった後の世界に…未来に必要よ!」

 

『何を言ってるんだ!未来に必要なのは、お前達…()()の力だ!私は、お前達が安心して暮らせるように…ズァークを倒さなければならないんだ!』

 

「違うのよ…!ズァークを生み出してしまったのは私達、デュエリストなの…!だから、私がズァークを倒さなきゃならない!それに…父様を危険な目に遭わせたくない!!」

 

『レイ!!』

必死にレイを追いかける零王…自分が生み出してしまった『悪魔』を倒す為に必死な父、そしてデュエリストのせいで『悪魔』が生まれてしまったという考えを持っていた娘…2人の想いはすれ違ってしまったのだ。

 

 

………

 

 

『っ…デュエリスト達がいない…!?ズァークにやられてしまったのか…!?』

そして…レイの妨害をくぐり抜け、街を覆っていたスフィアフィールドをなんとか突破して戦場へと踏み入った零王…だが、戦場にデュエリスト達の姿はなかった…。

 

 

【■■■■■──!!】

 

『っ…!?』

その時、戦場に咆哮が響く…それは紛れもなく『覇王龍』の咆哮だった…。

 

 

 

そして、周囲に花が咲き乱れる

 

 

太陽が沈んだにも関わらず、鳥達が飛び回る

 

 

穏やかな…しかし強い風が吹き荒れる

 

 

夜空に輝く月から雫が落ちる…。

 

 

 

『レイ!お前は…やめろ!やめるんだ!!』

1人でズァークと対峙するレイ、彼女は4枚のカードから溢れる大自然の力をその身に取り込もうとしていたのだ…!

 

 

 

【貴様…貴様!許さんぞ…!よくも一つになった我らを──!!】

そして、ズァークの断末魔が響く…その体に大自然の力を取り込んだレイはその力を開放、ズァークを元のドラゴン達へと分離させる…だが、それと共に世界は引き裂かれてしまった…!

 

 

 

 

Side out

 

 

 

【気付いた時、私は見知らぬ街にいた…そこは今でいう舞網市……そこでは開発されたばかりのソリッドビジョンが使われたスタンダードなデュエルが行われていた……その時点で記憶を失っていた私は、何かに導かれるようにリアルソリッドビジョンの開発を始めた……私の脳に染み付いていた技術者としての知識に導かれて…そして、私はキミと出会ったのだ、遊勝】

 

「…そうか、それがきみの原点か…零王」

 

「これが4つの次元が創世された真実…だが…何か()()()()ぞ……?」

『世界』で発生した「悪魔が生まれた日」、そして世界分裂による4つの次元創世の事実を語る零王…遊勝は零王の悲劇に俯く…だが、そんな中…レジスタンスのカイトは小さな違和感を覚えていた。

 

 

 

【記憶を失っていた私がこの事を知っているのは…()()()()()()()()からだ…舞網で過ごす中で積み重なった小さな違和感、それを解明しようとした結果、私は『1つの世界』の記憶を思い出した……そして、私はある想いに取りつかれた…!私がこうして生きているのなら、あの場にいたレイも4つの次元の何処かで生きているのではないかと…!】

 

『そうだ…!ある時から()()()()や母さんも顧みずに研究に没頭するようになった…!そして、母さんは変わってしまった…!!僕は母さんを悲しませるアンタが許せなくて、アンタが何をしているのか確かめて、懲らしめるつもりだった…!!』

 

「零児…」

1つの「世界」の記憶を取り戻した事で娘、レイを探す事に囚われた零王…その姿を見た零児は感情を露わにする。

その姿はLDSの社長としてではなく、ランサーズのリーダーとしての顔でもない…父への怒りを露わにする『息子』としての…彼の本心だった。

 

 

【そうだったな…そして、お前はこの融合次元のアカデミアへとやって来た…】

 

『ああ、そして知ったんだ…!アンタがアカデミアを拠点にした次元侵略を企んでいる事を!』

 

【違う…次元侵略ではない…!私がアカデミアを拠点に置いたのは、レイの痕跡を見つけたからだ…!!】

 

「セレナの事か…!」

 

【そうだ…くまなく次元を巡り、レイの痕跡を探し続けた私は彼女に出会った…幼い頃のレイに瓜二つの、そして()()()()()()を着けた彼女を…!】

娘の痕跡を追い求めた零王…彼はついに、その痕跡を融合次元で見つけた…世界分裂の影響で4つに分かたれたレイの『欠片』たる彼女を…!

 

 

『しかし、セレナはレイとしての記憶を持っていなかった…だから、アンタはこう思ったんだろう?「他の次元にもレイの面影を持つ少女達がいるはず、彼女達を集めなければならない」と…!』

 

【その通りだ…!私の望みは、分かたれてしまったレイの欠片達を1つに結びつけ、レイを復活させる事…!アークエリアプロジェクトはその為の手段に過ぎない!!】

これまでの零王の言葉からその考えを先読みする零児、そして零王はその目的を明かす…!

 

 

【アカデミアで鍛え上げたデュエリスト達を各次元に派遣し、人々をカード化して集める事で散らばった生命エネルギーを再び凝結させ、4つに絶たれた次元を1()()()()()()()()!それによってレイを取り戻す…!その為に、私はこの装置を創り上げた!!】

 

ゴゴン…!

 

「っ…!?なんだ!?」

 

「壁が開いていく…!」

零王の言葉と共に玉座の背後の壁が開き、緑色の光を放つ巨大な塔のような装置が現れる…!

 

 

 

【これは、私が世界再生の為に開発した装置…!あの中には()5()()()()『アークファイブ』が生まれつつある!】

 

「「「『第5の次元!?』」」」

零王の予想外の言葉…科学力における新たな次元の創造という言葉にランサーズ達は驚きを露わにする!

 

 

【生命エネルギーが必要量に達した時、アークファイブは起動する…!そして4つの次元は()()()()()()()な分割された状態を解消して、本来の姿を取り戻す!その世界にレイの欠片達を取り込む事で、レイは蘇る!!これが新たな世界の始まり!即ち──『リバイバル・ゼロ』なのだ!!

 

「っ…!」

 

「柚子、下がってろ…!」

その瞳に狂気を宿した零王はレイを復活させ、分割された世界を1つにする計画──『リバイバル・ゼロ』について明かす。

その異様な迫力に柚子は顔を青褪めさせ…遊矢や権現坂が彼女を守るように零王を睨みつける!

 

 

 

 

「フン…()()()()()()()()()()、という奴だな赤馬零王…自らの娘の為に世界を引っ掻き回すとは、呆れてものも言えん」

 

【なに…!?】

 

「ジャック!?」

赤馬零王の壮大な計画を前にジャックがため息を吐く……赤馬零王の愚かさに呆れていたのだ。

 

 

「俺は知っているぞ…かつて、自分の想い人を救う為に世界1つを敵に回し、悪を為した『英雄』を……その経験を踏まえて言おう、()()()()()()()()()──ただし、()()を除けばな」

 

【レイは、レイは死んでなどいない!姿形は違っても、この世界に生きている!!】

 

「現実を見るがいい!赤馬零王!柊柚子も、リンも、黒咲瑠璃も、セレナも!()()()()()()()()!!それぞれの次元でそれぞれの家族や友を得て、平和に暮らしていた()()だ!例え、貴様の娘の欠片を宿していたとしても!貴様の()()()ではないだろう!!愚か者!!」

 

【っつ!?】

ジャックは零王に正論を叩きつける。

ズァークの分断と共に分かたれ、それぞれに転生したレイの欠片たる少女達…彼女達は確かにレイの一部ではあるのだろう…だが、彼女達にも自意識があり…家族との暮らしがあった。

 

それを無視した赤馬零王の計画は『暴走』以外の何者でもない…!

 

 

「他にも言いたい事はあるが…この場ではこれ以上は語るまい…お前に譲るぞ、赤馬零児」

 

『感謝するジャック・アトラス…赤馬零王、私はアンタを許さない…自分の欲望の為に世界の平穏を乱し、そこに生きる人々の思いを無視して次元を統合しようとする…それは『悪』以外の何者でもない!!』

零王の計画に否定の言葉を叩きつけるジャック…その言葉と共に零児も父の蛮行を非難する…。

 

 

 

【零児…!お前は白波遊海から()()を聞いたのだろう?ならば、知っているはずだ!「1つの世界」を滅ぼした元凶たる悪魔『覇王龍ズァーク』…!お前の姉、レイの自己犠牲によって倒された奴もまた()()()()()!お前の隣に立つ()()()やアカデミアの戦士ユーリとして!それを知ってなおも私の敵となると言うのか!!】

 

「遊矢が、ズァークの欠片…!?お前、知ってたのかよ!?」

 

「うん、昨日の夜…遊海から全部聞いてる…オレやユーリ、ユーゴ…そして…」

 

《オレが『悪魔のデュエリスト』の欠片だと言う事はな…》

 

「うおあっ!?……ユート!?ユーレイ!?」

遊矢がズァークの欠片である事を明かす零王…その言葉を聞いた沢渡は遊矢に問いかける、当然遊矢はその事を理解していた…そして霊体の状態で現れたユートに沢渡はびっくりしている。

 

 

 

「赤馬零王…確かに、オレ達は悪魔の欠片なのかもしれない…でも、オレはデュエルで笑顔を届ける為に…お前と戦う!」

 

《その装置にハートランドの人々が囚われているなら…必ず救い出す!!》

 

【貴様ら…!】

赤馬零王を倒す為に遊矢とユートの心が重なる…自分勝手な目的の為にエクシーズ次元を侵略し、悲劇を起こし続けた彼を諌める為に…!

 

 

『その通りだ…榊遊矢は榊遊勝の教えを受け継ぐエンタメデュエリスト!彼は数々の戦いを乗り越え、人々を笑顔にしてきた!その思いはエクシーズ次元に侵攻したアカデミア軍の心をも動かした…彼なくして4つの次元の平和はない!!赤馬零王!僕は…私はランサーズを率いる者として、私の信念を貫く!!』

 

「零児…!」

 

【ぐ、ぬ…!!】

そして零児はランサーズのリーダーとして、遊矢と並び立つ…世界の平和を乱す零王を倒す為に!

 

 

【愚かな…!その信念が再び世界を破滅に向かわせる事になぜ気づかん!!】

 

『世界は滅びない!滅ぼさせない!私達、デュエリストがいる限り!!』

 

【ならば、もう話し合いの余地はない…世界を1つに戻す為、レイを蘇らせる為…この手で榊遊矢を葬り去る!邪魔はさせんぞ…零児!】

話し合いは決裂した…ここからは、決闘で語り合うのみ…零王、零児、遊矢がデュエルディスクを展開する!

 

 

『榊遊矢…我が父を止める為、力を貸してくれ!』

 

「ああ…いこう!零児!」

 

[アクションフィールド『クロス・オーバー』アクティブ!!]

アクションフィールドが発動…周囲の景色が移り変わる!

 

「遊矢…!負けないで!」

 

「ここが分水嶺だ!気合いを入れろ!」

 

「遊矢…零王を止めてやってくれ…!」

 

「柚子…権現坂…父さん…!ああ!!」

仲間達の声援を受け、対アカデミアにおける最終決戦が始まる!

 

 

 

 

「『【デュエル!!】』」

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢&零児対零王

 

 

 

 

世界の命運を賭けたデュエル、先攻を取ったのは遊矢…彼はあらゆる状況に対応できるように、魔法・罠カードへの対抗手段を持つ『星読みの魔術師』『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティングし、エースである『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を喚び出す。

 

続く零児は得意とする展開力によってペンデュラム召喚を絡めて『DDD烈火王テムジン』『DDD疾風王アレクサンダー』『DDD怒涛王シーザー』…融合・シンクロ・エクシーズの三王を召喚、さらに永続魔法『独占封印の契約書』によって零王の融合・シンクロ・エクシーズ召喚を封印した…融合次元にいた零王ならば、融合で攻めてくると想定していたからだ。

 

しかし、零王は生粋のデュエリストではないが()()の頭脳を持つ…その力が遊矢達へと牙を剥く…!

 

 

 

【私は手札のスケール1『精霊炉(スピリット・リアクター)』2体でペンデュラムスケールをセッティング!!】

 

「『なんだと!?』」

零王が選んだ手段…それはまさかの『ペンデュラム召喚』──デニスが持ち帰ったペンデュラムカードやオベリスクフォースのデュエルデータを解析する事で零王はペンデュラムカードを創り出していたのだ…!

 

 

「だけど、ペンデュラムスケール1同士ではペンデュラム召喚はできない!」

 

【フッ…!私はレフトペンデュラムスケールの『精霊炉』のペンデュラム効果発動!自身のペンデュラムスケールを相手のペンデュラムカードと同じにする!私が選択するのはスケール8の『時読みの魔術師』!これによりレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!!】

 

「そんな…!まさか!!」

 

【天地に宿りし精霊よ!罪に穢れし我が手を清め、世界再生の礎となれ!ペンデュラム召喚!!現れろ!『精霊機巧軍(スピリット・テック・フォース)ペンデュラム・ガバナー』!『精霊結晶(スピリット・クリスタル)─サラマンダー・コア』!!】

零王の叫びと共に時空の扉が開き、天使のような石像と燃え盛る炎の炉が現れる…これが零王のランサーズ対策──ランサーズの得手を逆手に取る戦術だった…!

 

 

 

【覚悟はいいな…!私は『ペンデュラムガバナー』の効果発動!フィールドの『精霊結晶』モンスターをリリースする事でその効果を2回発動できる!私は『サラマンダー・コア』をリリースし、その効果を発動!フィールドのモンスター1体を破壊し、そのプレイヤーに800ダメージを与える!まずは忌まわしき悪魔の下僕、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』だ!】

 

「ぐううっ!?」

 

「遊矢!」

炎の力を取り込んだペンデュラムガバナーがオッドアイズを粉砕する!

 

 

【2回目の効果発動!零児の『烈火王テムジン』を破壊!これによって『独占封印の契約書』で封じられた融合召喚が可能になる!】

 

『ぐっ…!!』

さらに、テムジンが破壊され零児がダメージを受ける!

 

 

【早くもお前が敷いた鉄壁の布陣に綻びができたな?零児】

 

『くっ…しかし、私には「アレクサンダー」と「シーザー」が残っている!お前の思い通りにはならない!』

 

【その言葉をそっくり返そう…お前の思い通りにはならんのだよ…!『ペンデュラムガバナー』は私がセッティングしたペンデュラムスケール内…つまりレベル2から7のモンスターの攻撃を封じ、さらに!自身はペンデュラムモンスター以外のモンスターに攻撃されない!】

 

「なっ…!?」

 

「つまりオレ達は、レベル8以上のペンデュラムモンスターで攻撃しなきゃ『ペンデュラムガバナー』を倒せないって事か…!?」

それは零王による実質的な『特殊召喚メタ』…遊矢達は大幅にプレイングを制限されてしまったのだ…!

 

 

 

 

 

 

《これはえげつないねぇ…無策に十代が突っ込んだら勝ち目は薄い…やりようはあるけどね……翠、榊遊矢達は勝てるのかい?》

 

「勝てるには勝てるはずよ…でも…」

零王のプレイングを見たユベルが翠へと話しかける…その問いを聞いた翠は歯切れ悪く頷く…。

 

 

「……十代君、いつでも動けるようにしておいて」

 

「分かってる……ちょっと、()()()()もするしな」

 

「(囚われているはずの瑠璃とリンがこの場にいないって事は、凌牙君と遊星君の作戦は成功したはず…遊矢君の心には多少の()()がある……でも、彼の中のズァークがどう動くか…!)」

状況を確かめながら翠は思考する…本来の物語に比べれば、状況は()()…覇王の目覚めを促した『パラサイト・フュージョナー』は遊矢に寄生せず、柚子シリーズは全員ランサーズが取り返した…残るは次元統合装置を止めるだけ、なのだが…。

 

 

「(場合によっては、遊海さんが来るまで私が遊矢君を押さえないと…)────っ…!?」

 

「母さん?どうしたの…?」

 

「っ…大丈夫、ちょっと…(いま、遊海さんの苦しむ声が、聞こえた、ような…!?大丈夫ですよね…?遊海さん…!?)」

あらゆる状況を想定する翠…その時、不意に嫌な感覚が翠に襲いかかった…。

 

 

 

 

【零児、今ならばまだ間に合うぞ…!私の下で分裂した世界の再生に力を尽くすと誓うならば、お前をアカデミアへと迎えよう】

 

『くどいぞ、赤馬零王!私は自分の信念は曲げない…私は榊遊矢と共にお前を倒す!』

 

「零児…(ドクン)っぐ…!?」

 

『っ…遊矢…?』

肉親である故の情けなのか…零王は零児へと投降を促す…その時、遊矢に強い動悸が襲い掛かった…!

 

 

ぐ、う…!!分裂、させたのは、誰だ…!

 

「っ…ダメ!遊矢!!」

 

「遊矢…!まさか、この状態が…!」

 

()は、応えただけだ…!お前達の、もっと激しく…!もっと強くという、欲望にっ…ぐうっ…!?」

遊矢の瞳が紅く輝き、遊矢らしくないドスの効いた声が喉から漏れる…それは…遊矢の内に眠る『悪魔』の意思…!

 

 

 

【貴様…ズァーク…!榊遊矢の中に宿る悪魔め…!!】

 

「っ…おい!赤馬零王!お前、()()()()()()()()()()()()のが分からないのか!!」

 

【なに…?】

遊矢の声色からズァーク復活の予兆を感じ、憎悪を露わにする零王…彼に向けて十代が叫ぶ…!

 

 

「ズァークはオレ達デュエリストや観客達の欲望や悪意がキッカケで生まれちまった『怪物』だ…!それに悪意をぶつけたら、余計に()()()()()()だけだってのが分からないのかよ!!」

 

【っ…】

十代は分かっていた…ズァークとは、人間達の欲望や悪意はよって生まれてしまった『復讐者(アベンジャー)』…封印されている今でこそ、遊矢達の精神の奥底に封じられてはいるが…遊矢達の抱いた負の感情や向けられた悪意を力に変え、力を増しているのだと…!

 

 

【だとしても関係ない…!私はズァークを倒し、レイを蘇らせるのだ!!】

 

「だから、それは()()()()って奴だろ…!!」

 

《無駄だよ、十代…いつかの…コブラの時みたいに、奴は目的を達成したいと思うあまりに()()になってる…頭を冷やしてやんないと止まらないパターンだよ……まったく、子の心は親知らずって奴だね》

レイを取り戻す事以外に盲目的になっている零王…その暴走を止める手段は……。

 

 

『榊遊矢…我を失うな、きみは()()()()()()…白波遊海も、遊勝さんもきみを信じている…!』

 

「零児…!(胸の奥から、溢れ出ようとしている…!これが、ズァーク…!でも、まだ…!耐えられる…!)」

 

《オレ達は、ズァークを押さえながら、勝つんだ…!!》

胸の奥から溢れ出す『闇』を自覚する遊矢とユート…だが、零児や遊勝、遊海の言葉を思い出しながら、必死に闇を抑え込む…!

 

 

 

「オレの、ターン!ペンデュラム召喚!蘇れ!『オッドアイズペンデュラムドラゴン』!そして、手札から現れろ…!『EMユーゴーレム』!」

遊矢は必死に悪意を抑え込みながらデュエルを続ける…! 

 

 

「『EMユーゴーレム』はペンデュラム召喚に成功したターン、自身と融合素材となるモンスターを墓地に送り、融合召喚を行える…!オレは、『オッドアイズ』と『ユーゴーレム』を融合!!二色の眼の竜よ…!土より生まれし巨人となりて、新たな種族と生まれ変わらん!融合召喚!『EMガトリングール』!!」

二色の眼とU字型の手足を持つゴーレムが融合、ガトリング銃を構える小鬼を喚び出す。

だが、そのモンスターは『EM』らしくない闇に包まれている…!

 

「ぐ、う…!『ガトリングール』が融合召喚に成功した時、フィールドのカード1枚につき200ダメージを、与える…!フィールドのカードは、12枚…!2400の、ダメージだ!!」

 

【がああっ!?】

 

『っ…!(なんと殺意の高い効果だ…!遊矢の中のズァークの凶暴性が、彼のデュエルに影響を与えているのか…!?)』

ガトリングールのガトリングが火を吹き、零王を撃ち抜く…その効果から零児は遊矢へのズァークの影響を感じ取る…!

 

 

「そして、ペンデュラムモンスターを素材に融合召喚された『ガトリングール』は、さらなる効果を得る…!相手モンスター1体を、破壊し…その攻撃力分のダメージを、与える…!俺は『ペンデュラムガバナー』を、破壊する!!」

 

【お前の、思い通りになどさせるか…!ライトペンデュラムスケールの『精霊炉』のペンデュラム効果発動!フィールドに炎・水・地・風属性いずれかの属性のモンスターが存在する時、自分フィールドのモンスターは1ターンに1度だけ、戦闘・効果では破壊されない!!】

 

『っ…私のモンスターを利用されたか…!』

ガトリングールの銃弾の雨がペンデュラム・ガバナーの前に展開されたバリアに阻まれる…零児のフィールドに風属性の『アレクサンダー』と水属性の『シーザー』が存在した事で、効果が起動したのだ…!

 

 

「ぐ、う…オレは、カードを1枚伏せてターン、エンドだ…!」

 

【っ…ズァークの覚醒は間近か…!レイの欠片達が揃わない今、『アークファイブ』を起動しても…!】

脂汗をかきながらターンを終える遊矢…その不安定な状況を見た零王は焦りを露わにする。

この時点で次元統合装置『アークファイブ』は()()()()()()()、零王の最大の目的であるレイの欠片たる少女達は全員、ランサーズに保護されていたからだ…。

 

 

 

『赤馬零王…!お前にズァークを「悪魔」呼ばわりする資格はない!己の欲望の為にエクシーズ次元の人々をカードに封じ、あまつさえ新次元を創造するエネルギーにしようなど言語道断!お前のやっている事の方が…まさに()()()()()だ!!』

 

【零児…!!】

 

『次元統合など、絶対にさせない…4つの次元の平和は、我々が守る!!』

自分の欲望の為に外道へと堕ちた父を止める為、零児は立ち向かう…!

 

 

 

 

『現れろ!「DDD死偉王ヘル・アーマゲドン」!!』

ペンデュラムモンスター以外での攻撃を封じられた零児…それを突破する為、彼はエースモンスターである『ヘル・アーマゲドン』をアドバンス召喚で喚び出す!

 

 

「上手いぞ零児…!これで『独占封印の契約書』の効果は破棄されたが…闇属性の『ヘルアーマゲドン』と『ガトリングール』しか存在しなくなった事で『精霊炉』の効果を潜り抜けて『ペンデュラムガバナー』を撃破できる!」

遊勝が零児の狙いを察する…これで零王へと攻撃が届く…!

 

 

【だが、攻撃力2800の『ペンデュラムガバナー』が攻撃力3000の『ヘルアーマゲドン』に破壊された所でダメージは僅か200だ…!】

 

『それはどうかな…!「怒涛王シーザー」が墓地に送られた事で私はデッキから「契約書」カードを手札に加えられる……そして!私は永続魔法「戦神の不正契約書」を発動!!1ターンに1度、バトルフェイズ終了時まで自分の「DD」モンスターの攻撃力を1000アップさせ、相手モンスターの攻撃力は1000ダウンする!これでダメージは2200──お前のライフを削りきれる!!』

新たな契約書が零王を追い詰める…!

 

 

 

「っ…流石、だな…零児…!」

 

『待っていろ、遊矢…!私がこのデュエルを終わらせる!!バトルだ!「ヘルアーマゲドン」で「ペンデュラムガバナー」を攻撃!!』

脂汗をかく遊矢を心配しながら…零児は攻撃を仕掛ける!

 

 

【見事…だが、甘いぞ零児!!罠カード『ディススイング・フュージョン』を発動!相手のペンデュラムモンスターが攻撃してきた時、その攻撃を無効にしてコントロールを得る!さらに、コントロールを得たモンスターは効果では破壊されない!】

 

『なにっ…!?』

 

「ペンデュラムモンスターへのメタカード…!!守りは盤石だったか…!」

零王の罠カードによってヘルアーマゲドンのコントロールが奪われる…!

 

 

『ペンデュラムモンスターへの対策もしていたか…!』

 

【まだだ…!『ディススイング・フュージョン』のさらなる効果!相手モンスターのコントロールを奪ったターンに融合素材を1体減らして融合召喚を行なう!私は『ペンデュラムガバナー』1体で融合!!精霊宿りし機械の兵隊達よ!いま新たな力を得て、精強なる大軍として舞い戻れ!融合召喚!!集結せよ!レベル12!『大精霊機巧軍(マスター・スピリット・テック・フォース)─ペンデュラム・ルーラー』!!】

 

「攻撃力3500…!」

さらに零王は掟破りの融合を行ない──最上級のペンデュラム融合モンスターを喚び出す!

 

 

【フフ…ハハハ…!変わらないな、零児…!昔からお前は()()()()だった…!常に正しく、真っ直ぐで自分の信じた道を突き進む……()()()()()()()()()!私がペンデュラム効果によって破壊を防げばその条件を崩しにかかり、『ペンデュラムガバナー』へレベルとモンスターの制限をかければ、それを上回るモンスターで勝てると考える!()()()()()()()()()()()()!お前の選ぶ手は全て()()()()に過ぎん…目の前の現象にばかり気を取られているようでは、デュエリストととしても経営者としても…お前はまだ二流だ!!】

 

『っ───』

零王の指摘に零児は強い衝撃を受ける。

……勘違いしてはならないが、零王は決して妻の日美香や零児を愛していない訳ではない……それ以上に娘であるレイと「1つの世界」への愛が強いのである。

 

 

 

【さぁ…!これで次のターン、榊遊矢の『ガトリングール』を破壊し…お前を始末してやろう…!】

 

「そうは、いかない…!永続罠『二重大盾(ツイン・ビッグ・シールド)』を発動…!その効果で『ガトリングール』を2回まで、戦闘・効果による破壊から守る…!」

 

【悪あがきを…!貴様がシンクロ次元と融合次元の欠片を取り込む前に、必ず始末する!!】

朦朧とする意識の中で防御策を発動する遊矢…それを見た零王は忌々しげな表情を見せる…!

 

 

 

 

【ペンデュラム召喚!エクストラデッキから『精霊結晶─サラマンダー・コア』!そして手札から『精霊結晶─シルフィード・コア』!】

零王のターン…ペンデュラム召喚によって零王は燃え盛る炎の結晶と風の力を宿す結晶を喚び出す…!

 

 

【そして私は『サラマンダーコア』の効果で自身を手札に戻す…『精霊結晶』の効果は手札からペンデュラム召喚した時のみ発動できる…だが、勝ち筋は私にある!『ペンデュラムルーラー』の効果発動!『シルフィードコア』をリリースする事でその効果を2回発動できる!そして『シルフィードコア』は相手の魔法・罠カード1枚を破壊する事で800ダメージを与える!さらに!『ペンデュラムルーラー』自身の効果によって効果ダメージは2倍になる!!榊遊矢の『二重大盾』を破壊!1600のダメージ!!】

 

「ぐっ─!!」

破壊の光が遊矢の盾を破壊し、ダメージを与える!

 

 

【続いて『戦神との不正契約書』を破壊し!零児に1600ダメージ!!】

 

『くっ…!!』

続けた零児もカードが破壊され、ダメージを受ける…!

 

 

【バトルだ!『ペンデュラムルーラー』で『ガトリングール』を攻撃!!】

 

「ぐうっ…!!」

破壊光線がグールを撃ち抜き、破壊する…!

 

 

【これでお前を守るモノはない…!『ヘルアーマゲドン』で榊遊矢にダイレクトアタック!!零児よ…!お前のモンスターに悪魔の欠片を倒す栄誉を与えてやる─!!】

 

『っ─!遊矢!!』

 

「う、あああっ─!!!」

紫色の破壊光線が放たれる刹那…遊矢はローラースケートでフィールドへと飛び出す!

 

 

「アクションマジック…『回避』!その攻撃は、無効だ!!」

 

【っ…このタイミングでアクションカードを!!】

『クロスオーバー』の足場に飛び乗った遊矢はアクションカードによって難を逃れる…!

 

 

 

「ぐううっ…オレは、負けられない…!デュエルで笑顔を、届ける為に…!!──元の()を取り戻す、為に……ぐああっ…!!」

 

「遊矢…!!負けないで…!!」

 

『遊矢…!きみも、必死に抗っているのだな…!溢れ出そうとするズァークの意思に…!』

自意識とズァークの意思に揺れる遊矢…その姿を見た零児は遊矢が必死に戦っている事を確信する…。

 

 

『遊矢!諦めるな!きみは私と共に零王の野望を砕くんだ…!きみを悪魔になどさせない…必ず救い出す!だから、()()()()!!』

 

「零児…!うう、おおお!!」

 

《オレ達は…負けない!!》

必死に遊矢へと激励の言葉を送る零児…その言葉で遊矢とユートは自分を奮い立たせる…!

 

 

【無駄だ…!私の『ペンデュラムルーラー』と息子の『ヘルアーマゲドン』を前に、お前に抗う手段はない!】

 

「オレは、負けない!!」

勝利を確信する零王…その力に抗う為、遊矢は力を振り絞る!

 

 

 

 

「ペンデュラム、召喚!!エクストラデッキから『オッドアイズペンデュラムドラゴン』!『ユーゴーレム』!そして手札から『EMナイトメアナイト』!!」

遊矢はペンデュラム召喚によってモンスターを揃える、そして…!

 

「オレはレベル4の『ユーゴーレム』と『ナイトメアナイト』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!!いま、降臨せよ!!ランク4!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!」

ユートのエース、反逆の牙が現れる!

 

 

「う、おおおっ!!オレは魔法カード『幻影騎士団憑依(ファントムナイツ・ポゼッション)』を発動!!エクシーズモンスターの『ダークリベリオン』に、『オッドアイズ』のレベルを与える!!」

 

【エクシーズモンスターにレベルを与えるだと!?】

 

「っ…!遊矢は『オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』を出すつもりか…!?」

 

「でも、あのモンスターはレベル7以下のモンスターを破壊する事で真価を発揮するモンスター…いま喚び出しても…!?」

エクシーズモンスターにレベルを与える…その様子を見た権現坂やデニスは反旗の竜の召喚を予想する…だが、遊矢はその予想を上回る!

 

 

「俺はレベル7の『オッドアイズ』と『ダークリベリオン』でオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!」

二色の眼の竜と反逆の牙が銀河へと飛び込む!!

 

 

二色の眼の竜よ…!深き闇より蘇り、怒りの炎で地上の全てを焼き払え!!出でよ!ランク7!災いを呼ぶ烈火の竜!『覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン』!!

 

【覇王烈竜、だと!?】

フィールドに紅蓮の炎が渦巻く…その中から炎が噴き出す翼を持つ赫きドラゴンが現れる…そのドラゴンこそ、怒りの化身──『覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン』!!

 

 

「ぐ、うっ…!『覇王烈竜』の、効果発動!!ORUを全てつかい、フィールドの魔法・罠カードの効果全てを無効にし、自身以外の全てのカードを破壊する!!」

 

【なにっ…!?だが、『ディススイングフュージョン』の効果で『ヘルアーマゲドン』は破壊されず、『ペンデュラムルーラー』は効果では破壊されないっ、うおおっ!?】

 

『ぐっ…!凄まじい力だ…!!』

フィールドに紅蓮の炎が吹き荒れ、フィールド全てを燃やし尽くす…!

 

 

「さらに、『覇王烈竜』の攻撃力はこの効果で破壊したカード1枚につき、200アップする…!バトルだ!『覇王烈竜』で『ヘルアーマゲドン』を攻撃!憤激のデストラクション・バースト!!」

烈火の炎が零王に奪われたヘルアーマゲドンを滅殺する…だが…!

 

『っ!?ぐああっ!?』

 

「兄様!!」

 

「な、に…!?零児…!?」

 

【残念だったな…!『ディススイングフュージョン』でコントロールを奪ったモンスターが受ける戦闘ダメージは、元々の持ち主が受ける!】

突如として零児に襲い掛かるダメージ…それは零王のカード効果によるダメージだった…!

 

 

「だが、次はない!!『覇王烈竜』はバトルフェイズ中に2回攻撃できる!俺は『ペンデュラムルーラー』を攻撃!!憤激のデストラクション・バースト!!」

 

【ぐおあああ!!】

だが、2撃目は零王に直撃…大ダメージを与える!!

 

 

【ぐっ…だが、耐えたぞ…!次のターンになれば…!】

 

『まだ、だ…!俺は墓地の『ナイトメアナイト』の効果、発動!自身を除外し、このターンに戦闘ダメージを受けたプレイヤーに1000ダメージを、与える!!』

 

【なっ…!?】

 

「っ…!待て!遊矢!!そのカードを使ったら、零児のライフまで尽きちまうぞ!!」

覇王烈竜に闇の力が集中する…だが、その効果は零児にもダメージを与えてしまう…!

 

 

「止まって…止まって!遊矢!!」

 

ぐっうう…!!あああっ──!!()()()!零児─!!」

 

『っ!!』

それは怒りに抗う遊矢の叫び…その声を聞いた零児は咄嗟に飛び退く!

 

「ナイトメア・バースト!!」

 

【ぐっ…がああああ!?】

暗黒の破壊光線はまず零王の()()に着弾、零王を王座へと叩きつける、そして──

 

 

『アクションマジック「加速」!!効果ダメージを0にする!!』

アクションマジックを獲得した零児のスレスレを暗黒の破壊光線が通過…アカデミアの天井を貫いた…!

 

 

零王LP0

 

遊矢&零児 WIN!

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…!!」

 

『っ…遊矢!大丈夫か!!』

 

「大、丈夫……ごめん、危ない目に、遭わせて…!」

 

『いいや…!よく抗ってくれた…きみの声がなければ、私はアクションカードの存在を忘れていた…!』

 

デュエルが決着し、大量の汗を流しながら膝をつく遊矢に零児が駆け寄る…遊矢はギリギリで理性を保ち、勝利を掴む事ができたのだ…。

 

 

 

 

【ぐ、う…!私が、敗れる…とは…!!おのれ、ズァーク…!!】

 

「罠カード『衝撃の拘束剣』発動!!」

 

【なっ、そのカードは!!】

遊矢と零児に敗れた零王…その体を王座に縫い付けるようにリアルソリッドビジョンの光剣が服へと突き刺さる、そのカードを発動したのは遊勝だった。

 

 

「懐かしいだろう、零王…このカードはきみが作った『失敗作』のカード…デュエルシステムにバグを起こし、デュエルが終わっても消えないリアルソリッドビジョン……初めて使った時に何時間もきみに張り付けにされたのが懐かしいよ」

 

【遊勝…】

零王を拘束した遊勝は彼の前に座り込む…。

 

 

「零王…柚子達がきみの娘の欠片である事も、遊矢がズァークの欠片だと言うのも確かな事実だ…しかし、なんでそれを()()の私に話してくれなかった?なんで、1人で全てを抱え込んでしまったんだ?」

 

【それは…私の『罪』だからだ…!ズァークを生み出し、『1つの世界』を破滅させ、娘を失った私の…!私が、レイに報いるには、これしかなかったのだ…!!】

 

「……全て自分で抱え込んでしまうのは…きみの悪い癖だぞ?零王…きみは世界で一番の大天才だ…きみならば、もっと穏やかに、安全に目的を果たす手段も考えついたはずだ……私も精一杯の協力をしたのに…」

 

【遊勝……ああ…そんな未来があればよかったのにな…】

遊勝は零王の本心を見抜いていた、零王は「1つの世界」の生き残りとして、世界を滅ぼしてしまった者としての責任を果たそうとしていたのだ…彼を支える家族や、親友の事すらも忘れるほどに…。

 

 

「零王、人間は誰しも失敗から学ぶもの……一緒に考えよう、きみの娘を取り戻し、私の息子の中の悪魔を倒す方法を…」

 

【遊勝……すまなかった…!!】

零王は静かに涙を流す…掛け替えのない友人の言葉が、彼の心を溶かしたのだった。

 

 

「フン…頭は冷えたようだな、赤馬零王」

 

【シンクロ次元の、ジャック・アトラス…】

デュエルの前よりは冷静さを取り戻した零王にジャックが話しかける。

 

 

「貴様の言い分は聞かせて貰った…だが、お前は()()()()()()()()()()事がある」

 

【私の、間違い…?】

 

「話してやれ、翠…本来は遊海の役目だろうがな」

 

「ええ…初めまして、赤馬零王さん…私は白波翠、遊海さんの妻です」

 

【っ…!?白波遊海の妻…!?なぜ、お前がこの次元に存在している!?】

ジャックに促され、翠が零王に話しかける…自分と同じ「世界」の人間の登場に零王は驚いている…。

 

 

「零王さん…私達の世界は()()です、戦場だった街は数キロ範囲のクレーターになっちゃいましたけど……世界分裂が起きる寸前にズァークは世界から()()されていたんです…巻き込まれたのは貴方と娘さん、そして遊海さんだけなんです…」

 

【ズァークの隔離ができていた…!?それでは、戦場に誰もいなかったのは…!?】

 

「……ズァークを隔離して()()()で戦う為に、遊海さんが囮になっていたんです……おそらく、連戦の疲れで遊海さんが失神していた時に…貴方達が来てしまった……この次元は「1つの世界」が分かれた次元ではなくて、元々4()()()()()()()()()()新世界だったんです」

 

【そん、な…!私の、してきた事は、無駄だった、のか…】

翠にこの世界──ARC次元の真実を伝えられる零王…。

 

彼はそもそも、世界が滅びてしまったと勘違いしていたのだ。

 

「そうか、零王の話に違和感を感じていたのはそれか…彼はおそらく、自分と白波遊海以外に「1つの世界」の生き残りがいないと思っていた…だから、なおさらに追い詰められていたんだ…」

そして、カイトが零王に感じていた違和感の正体に気付いた…。

 

 

「零王さん、元の世界に戻れば…全てを()()()にできる方法があります…!だから、アカデミアの侵略作戦を止めてください…貴方の娘さんの為に…!」

 

【レイ…!私は、なんて愚かな事を…!!】

翠の言葉を聞いた零王は罪悪感に泣き崩れたのだった…。

 

 

 

 

 

『………これで、次元戦争は決着したな…』

 

 

()()()、まだだ…!この状況を作った()()がいる…!」

 

 

『っ…遊海…!』

 

「すまん、遅くなった……父親との決着はついた、らしいな…」

父親の暴走を止め、安心した様子を見せる零児…だが、そこへ遊海達、別働隊が合流した…!

 

 

 

『次元戦争は、まだ終わってない…!』

遊海が睨む先…そこにいたのは────

 

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