転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
ついに次元戦争とダークネスの野望を解決した遊海達…残るは哀しき「悪魔」への対処のみ…。
最後の戦いを前に、決闘者達は覚悟を決める…。
【アカデミアに所属する全生徒・職員に通達する!現時刻を以て『アーク・エリア・プロジェクト』『リバイバル・ゼロ』の作戦行動を停止する、デュエルをしている者はデュエルを中断せよ!繰り返す、各自…戦闘を停止せよ!───】
「おお…!やったノーネ!セニョール遊海とセニョール十代達がプロフェッサーを改心させてくれたノーネ!ブラボー!!」
融合次元全域に赤馬零王による停戦宣言が響き渡る…それは融合次元の暗黒時代が終わった事を意味していた…。
《スキャン開始…マスター・白波遊海の回復率70%、精神汚染等の兆候なし、『CiNo.1000』による魂の消耗30%……時間経過で回復可能……よかった…》
「ありがとう、彩華…心配かけたな…」
《フォウ!フォーウ!!(本当だよ!大丈夫だとは思ってたけどさ!!)》
「フォウ…本当にゴメン…」
アカデミア・王座の間、娘を救う為に狂気に堕ちた赤馬零王を制圧・改心させ、『ARC-V』の物語が始まる元凶となった虚無の邪神・ダークネスを打倒した遊海と伝説の決闘者、そしてランサーズ達。
ダークネスの不意打ちによって遊海が一時重傷を負ったものの、ドン・サウザンドによる回復と翠の治療によって戦える状態まで回復していた。
そして、ダークネスによる呪縛と狂気から開放された赤馬零王は次元統合装置『アークファイブ』を停止させ、アカデミア…融合次元全体へと『アーク・エリア・プロジェクト』『リバイバル・ゼロ』の作戦停止・戦闘停止を宣言したのだった…。
…………
「ユート…?ううん、似てるけど…違う…?」
「ユート、彼女が瑠璃なんだな?」
《ああ、間違いない…!瑠璃!無事でよかった…!!》
「ゆ、ユート!?えっ、体が透けて…!?」
《話せば…少し長くなる…》
ユートに良く似た顔の遊矢に困惑する瑠璃、そこに霊体状態のユートが姿を見せた事で瑠璃はさらに混乱していた…。
「遊海!!貴様、その身に混沌の神を宿しているとはいったいどういう事だ…!!」
『シンクロ次元で感じた違和感は気の所為じゃなかったって事だな…!!おい!出てこいドン千!ミドリの受けた仕打ちの分殴らせろ!!』
「………遊戯、克也…助けて(泣)」
「あはは…素直に説明して、謝るしかないね…」
「流石の遊海も海馬の前では形無しだな…」
【(ネームレスがバリアンに堕ちたのは我のせいではないのだが?)】
『(ベクターと一緒にエメルを手駒にしたりとか偽ナンバーズ製造機に利用したりしただろうが)』
一方、遊海はドン・サウザンドをその身に宿していた事がバレた事で海馬とラプラスに詰め寄られている…その圧に遊海は思わず遊戯達に助けを求めたが、2人は苦笑いするしかなかった。
「翠さん、セレナは…」
「うん、大丈夫!蟲は消えてるし、ラプラスが応急処置をしてくれたから…もう少しで目を覚ますはずよ」
「よかった…ドクトルに洗脳されてしまったと聞いた時はどうなるかと…」
《フォウ!フォウ、キューウ…(セレナも大変だったけど、遊海も危なかったんだ!あんなに苦しんでる遊海を見たのは初めてだよ…)》
「フォウくん…遊海さんも大変だった…って言いたいのね?──分かってる、目の前で子供が傷つけられていたら…遊海さんは迷わずに助けようとするもの……私もドクトルにマインドクラッシュ叩き込んでこようかしら…!!」
《フォウ!?(翠!?ちょっとオーバーキル過ぎるよ!?)》
意識を失っているセレナを治療する翠と付き添うカイザー亮…フォウの言葉をフィーリングで理解した翠は凄まじいオーラを纏っていた。
《カイト様、報告でアリマス!次元飛行船の計器によると4つの次元の数値が安定し始めているでアリマス!》
「なに…?───そうか、4つの次元を強引に1つにしようとしていた『アークファイブ』が停止した事で不自然な力が掛かっていた4つの次元のバランスが元に戻ったのか…!」
そんな時、次元飛行船に待機していたオービタル7が通信を開き、カイトへとARC次元の変化を伝え、その報告を聞いたカイトは仮説を立てる。
本来のARC-V世界は「1つの世界」が4つの次元に分割されたという『不自然』な状態になっていた…しかし、遊海達のいる『ARC次元』は違う。
ARC次元は「1つの世界」であるDM世界の一部が基盤となり、ズァークの持つ膨大なエネルギーとレイの使った『エン』シリーズの宿した膨大な『大自然』のエネルギー、アストラルが使った全能たる『ヌメロン・コード』の力、そして遊海が次元分裂を防ぐ為に使った『NEXUS』の力が互いに干渉し合った事で『4つの次元を内包する世界』として成立した『新世界』だった。
だが、「1つの世界」が分裂してしまったと考えた赤馬零王が『アークファイブ』による次元統合を目指した事で逆に不自然な形となり、次元が不安定な状態になっていたのだ。
「カイト、それなら…!」
「ああ、これでARC次元が崩壊する可能性は低くなった…そして、その影響でオレ達の世界が連鎖崩壊する可能性も低くなったと見ていいだろう」
「よ、よかった〜!!」
カイトによる分析を聞いた遊馬が安堵の声を漏らす。
そもそも…遊馬達がARC次元に突入したのは『ヌメロン・コード』の干渉を受ける事ができず、行方不明になっていた遊海の救出、そしてARC次元の崩壊によるDM世界への影響を止めるというのが大きな目的だったからだ。
「だが、
ブルル…ギュイーン!!
「ジャック!遊海!無事か!?凄まじい闇の力を感じたが…!?」
「遅いぞ遊星!プロフェッサーの制圧と黒幕のダークネス退治は終わったぞ!」
「「ダークネス!?」」
ARC次元に残る懸念を伝えようとするカイト…その時、赤いDホイールに乗った2人──リンの救出を任されていた遊星とエドがランサーズと合流、ジャックから思わぬ「黒幕」の存在を伝えられて驚いている。
「遊星!リンの救出はどうなった?」
「ああ、オレ達よりも先にユーゴが到着していてな…遊海さんの渡したカードでリンから飛び出してきた『パラサイト・フュージョナー』は駆除したんだが…」
「正気に戻ったリンがユーゴに見事なアッパーを決めたせいでノックアウトされてね…その介抱をしていたから遅くなってしまったんだ」
「なんだそりゃ」
クロウの問いかけに自分達の状況を伝える遊星とエド、不憫な目に遭っていたユーゴの事を知ったクロウは呆れていた…。
ギュイーン!!
『ここかぁ!!リンを攫いやがったプロフェッサーって奴がいるのはぁ!!!』
「ちょっとユーゴ!落ち着いて!!私は大丈夫だから!!」
「っ…ユーゴ!!」
さらに、少し遅れて白いDホイールに乗った2人──ユーゴとリンが王座の間に乗り込む、幼馴染みを攫った赤馬零王へと御礼参りに来たのだ…!
『ま、まずい!この状況は──』
「すまんユーゴ!メダリオン・フィールド!!」
キィン!!
『んがっ…!?んだこれ!?』
「ユーゴ!?」
ズァークの欠片のうち3人が1か所に集まった事で顔色を変える零王…だが、すぐさま遊海が紋章の力による結界を発動…ユーゴを結界に閉じ込め、ズァークの欠片同士の干渉を遮断した…。
「う、ううん…?ここは…?」
「目が覚めたか、セレナ…安心しろ、次元戦争は解決した」
「カイザー亮…そうか…」
そして、その騒ぎで眠っていたセレナも意識を取り戻したのだった。
──────────────────────────
『───オレとニヤケ野郎、それに遊矢とエクシーズ次元のユートがザーク?ズァーク?とか言うデュエリストのカケラ?』
「それで、私達が…」
「アカデミアのプロフェッサー、赤馬零王の娘の欠片…?」
「ああ、これがキミ達4人…いや、8人に隠されていた真実だ」
荒ぶっていたユーゴをなんとか落ち着かせた遊海はユーゴとリン・瑠璃へと遊矢達と同じ説明──別世界のデュエリストであったズァークとレイの欠片である事を伝える。
最初は半信半疑だった彼らだったが…遊海による丁寧な説明、零児や零王の補足・謝罪によっておおまかに事情を理解する事ができた…。
『いやー…確かにスタンダードでユートとデュエルした時とかに体が熱くなる、というか…ぼんやりする事があったけどよ…それがオレらの中にいるザーク?のせいだったなんてなぁ……なぁ?そのズァークとか言う奴をオレの中から追い出すみたいな事できないのか?』
「それができたら苦労はしないな…キミ達は榊遊矢やユーゴという『個人』であり、ズァークという存在の『欠片』でもある…今の状態のきみ達からズァーク『だけ』を分離・封印するのは無理だ……俺の力でもな」
ユーゴの疑問に遊海が答える、遊矢達はズァークと『別人』であり『同一人物』…切り離そうとしても、現状では切り離す事ができないのだ…。
「遊海…オレ達はどうすればいいんだ?全員が別々の次元にいればズァークが復活する事はないって思うんだけど…」
「それは俺も考えた…でも、
「あっ…」
4人が別々になればいいと言う遊矢の提案に遊海は首を振る…ズァークは凄まじい成長力を持つ…その力はランダムとはいえ『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』単体での次元転移を可能とする事からも明らか……油断した瞬間に他のドラゴン達が次元転移能力を獲得する可能性も0ではないのだ。
「それに遊矢…そしてユート、お前達は既に統合してしまってる……遅かれ早かれ…ズァークの意思はお前達を乗っ取り、統合を目指してしまうかもしれない」
《…遊海の言葉にも一利ある…先程のデュエルでオレ達がズァークの意思に抗えたのは
「……たしかに…さっきのデュエルは、オレのデュエルじゃ……」
「遊矢…」
仮に…遊矢達が1人も統合していなければ、遊矢達に強固な封印を施す事でズァークの動きを阻害できたかもしれない…だが、遊矢とユートが統合してしまった事でズァークの意思は強まりつつある…主導権が奪われてしまうのも時間の問題だろう…。
「……そういえば…遊海さん、ちょっと不思議に思った事があるんですけど…」
「ん…どうした?柚子ちゃん」
「遊矢達は集まるとズァークの意思が共鳴して、大変な事になるけど…
「……確かに、私達4人が揃っていても…何も起きないな?」
「今までの話を聞いてると…私達の大元のレイって人が何か反応してもおかしくないよね…?」
柚子の素朴な疑問にセレナと瑠璃が反応する、この場にはレイの欠片である4人の少女達が揃っているのだが…遊矢達の反応のような特異な事は起きていないからだ。
「これは俺の仮説になるが……きみ達4人は赤馬レイであって
「力の、化身?」
遊海の言葉に柚子達は首を傾げる…。
「零王、お前がレイの復活を考えたのは…娘を取り戻すだけじゃない、
『……ああ、レイがズァークと対峙し、分裂させた時…その要因となった「対ズァーク」用のカード…「エン・ムーン」「エン・バース」「エン・ウィンズ」「エン・フラワーズ」は彼女達が身に着けているブレスレットへと変化した、ズァークの復活を危惧した私はあのカードを取り戻す必要があった…』
「対ズァーク用のカード…」
正気に戻った零王が冷静にもう1つの目的を語る。
次元分裂の際に失われてしまった対ズァーク用のカード、それはブレスレットに変化して柚子達が所持している…そして、ブレスレットと彼女達の顔は零王がレイの生存を確信する一因になっていた…。
「おそらく、柚子ちゃん達4人にはレイの『魂』は宿っていない…彼女達に宿ったのはレイの『願い』と『力』…『ズァークを復活させない』、『ズァークを止めたい』…そんな所かな……その願いが世界創世の時に反映され、遊矢達と出会うように柚子達が彼らの近くに生まれた…ズァークを分離させたカードが変わったブレスレットと一緒に………俺の繋いだ『絆』によって遊戯や海馬社長、ディヴァインや亮、明日香や万丈目…俺と『絆』を結んだみんなが、この次元に転生したみたいにな」
『───そうか、この世界にいた海馬瀬人や、丸藤亮はただのそっくりな人物かと思っていたが…貴方の力が、この世界に反映されていたという事か…』
「ああ、世界や時代を超えて…俺達の絆は繋がっていたんだ」
柚子達の存在に関する仮説を語る遊海…そして、零王はこの世界に『1つの世界』の偉人達が存在する理由を知り、納得した…。
「……話を戻そう、4人の少女にはレイの『魂』は宿っていない……ならば、その『魂』は何処かに存在するはずだ」
『レイの魂が…いったい、何処に…!?』
「
「っ…零羅!?」
柚子達には宿っていないレイの魂の行方を考える遊海と零王、その時、零羅が遊海達の前に歩み出る…その瞳に強い光を宿して…。
「さっきから、語りかけてくるんだ…!『ズァークを復活させてはダメ』『世界が滅びてしまう』って…!」
「っ…以前の私なら、否定していただろうが…おそらく、レイの『魂』が零羅に宿っている…!零羅は他人の心を読む能力に長けている…それがレイを引き寄せたのか…!」
零羅の言葉を聞いた零児が声を上げる…他人の心を読み、その存在になりきる能力を持つ零羅は肉体を失っているレイの『器』として最適なのだと…。
「──零羅、レイは何処にいる?」
「僕の後ろに…」
「分かった…レイ、俺の声が届いているなら…俺の手を取れ」
「遊海…何を…?」
「俺にもレイの姿は
レイの存在を聞いた遊海は零羅の後ろに手を差し出す、そして──
キィン─!
「っ…この光は…!」
虚空で光が弾ける…そして、穏やかな黄色の光が人型を形作る。
それは柚子達よりも背が高く、長いツインテールを持つ少女…赤馬レイ……その
《お父様…》
『レイ…!?レイ!!』
父の名を呼ぶレイ…その声を聞いた零王は思わずレイを抱きしめようとするが…その腕は彼女の体をすり抜けてしまった…。
(遊海、彼女の存在はひどく不安定だ…99枚のナンバーズを失っていた時の私よりも、長年アストラル世界の牢獄に囚われていた時のラプラスよりも…)
「…どおりで俺達も気付けないはずだ…存在の全てを柚子達に割いて、ズァークの復活を阻止しようとしていたから…彼女は現世への干渉手段を失っていたんだ」
辛うじて姿を現したレイ、彼女の存在力はとても弱くなっていた…この場に分け身である少女達が揃い、自分の意思を感じ取れる零羅がいた事でようやく存在を保てている…そんな状態だった。
「あれが、レイっ──貴様、小娘ッ!!」
『うおっ!?いきなりどうしたユーヤ!?』
「っ…遊矢!?」
《スフィアフィールド多重展開!!》
その時、レイの実体化がキッカケとなったのか遊矢の中のズァークが活性化…アヤカがすぐさま遊矢を隔離する…!
《ズァークを復活させてはダメ…!今度こそ、世界が滅ぼされてしまう…!》
「レイ…キミは1人で頑張り過ぎだ……キミが動こうと思う前に、俺達はズァークを止める為の算段を立てていたんだ…危うく、キミのせいで被害が大きくなる所だったんだぞ?」
《えっ…》
荒ぶる遊矢の姿を見たレイがズァークの危険性を訴える…だが、遊海は1人で無茶をしたレイを優しく諌めた…この事態の元凶はダークネスだったが…ズァークと同じく、彼女も「原因」の1つだからだ。
「キミが知っているかは分からないから、簡単に説明するが…俺達はズァークを別の次元に隔離して対処を続ける予定だった…そこでとある邪神の邪魔が入って、囮だった俺が動けなくなってしまった…そこにキミと零王がやってきた………ギリギリで隔離が済んでいなければ、本当に俺達の世界が分裂してしまう所だったんだ」
《そんな…》
「キミと零王が世界を救おうと頑張ったのは分かる…でも、せめて所属していた海馬コーポレーションや他の人に相談して欲しかったな…」
《───ごめんなさい…》
遊海に静かに謝るレイ…彼女が世界を救おうと先走った結果、ARC次元は誕生してしまったのだ。
「やっぱり、キミは柚子達の
《……わかりました…お願いします、赤帽子の決闘王さん…》
『レイ…』
レイを安心させるように声を掛ける遊海…その言葉を聞いたレイは静かに姿を消した…。
…………
「それで…遊海、これからどうするつもりだ?」
「──
「「「『『「「なんだって!?」」』』」」」
レイが消えた所で零児が遊海にこれからの対処を訊ねる…だが、その答えにランサーズ達と一部のレジェンド達が驚愕する…!
「お、おいおい!?遊海!アンタ達はズァークの復活を阻止する為に来たんじゃないのか!?」
「俺達の本来の目的はズァークの復活阻止じゃない…
「それに、ズァークの問題を解決しなければ…オレ達は
「帰れないって…どういう事ですか?」
遊海の言葉に驚く沢渡…今までの話の流れからズァークを復活させない為に動いていると思われた遊海達…だが、その事情をカイトが説明する。
「ARC次元の外周には他の次元からの干渉を阻むようにズァークの力の余波による時空の乱れ…『時空嵐』が発生している、この嵐を止めなければ、オレ達は元の世界に帰れないんだ」
『ああ、オレとブルーノは裏技で突っ切って来たが…あの嵐は三幻神の力でも突破できない厚さと強さだ、時空を乱してるズァークをどうにかしなきゃな』
4体の精霊と融合した事で凄まじい力を得たズァーク…その存在によって発生した『時空嵐』はズァークを倒し、無力化しなければ治まる事はない…カイトとラプラスはそう結論していた。
「ズァークを復活させ、打倒…そのタイミングで鎮静化したズァークの魂と遊矢達の魂を切り離す…それが、考えうる限りで
「勝算は、あるのか?」
「───
「っ…貴方1人でズァークに挑むというのか!?世界を滅ぼしかけたデュエリストに!!」
「それが、俺の
そして、零児は遊海のさらなる言葉に絶句する…遊海は悪魔の決闘者に単身で挑もうと考えていたのだ…!
「───遊海、きみなら絶対にそう言うと思ってた……でも、そんな事はさせないよ」
「遊戯…みんな…」
その時、状況を見守っていた遊戯が歩み出る…十代、遊星、遊馬・アストラル───歴代の『主人公』達と共に…。
「さっき、自分でレイにも言ってたよね?『1人で頑張り過ぎ』だって…それはきみも同じだよ?」
「ああ、あの時…オレか誰かが一緒に残っていれば、ダークネスの干渉は防げたかもしれない…今さらの事だけどさ…」
「『オレ達はいつも貴方に導かれ、助けられてばかりだった』」
「でもさ、今の遊海は1人じゃねぇ!遊海と肩を並べて戦ってきたオレ達がいる!!」
(もしかすれば…遊海1人の方が勝算はあるのかもしれない……だが、あえて言わせて欲しい…貴方が背負うモノ──世界を私達にも背負わせてくれ、遊海!!)
「遊戯…十代…遊星…遊馬、アストラル…」
それは遊海と共に戦い続けた仲間からの『願い』…世界の命運を
『……馬鹿な意地を張ってんじゃねぇぞ、遊海…お前は
「ラプラス…」
そしてラプラス──異なる道を歩んだ『シラナミユウミ』が遊海の背中を叩く…『正しい道』を歩んできた遊海を後押しするように…。
『お前の強さは「絆」の強さだ…1度くらい、その絆を頼れよ…
「ラプラスの言う通りですよ?遊海さん…あなたは1人じゃない…私がいて、凌牙くんに璃緒ちゃん、彩華がいて…フレアにメガロック、トフェニ、ウィンダにウェン、ラビエル達三幻魔に…《フォウ!!》それにフォウくん!そして…此処には私達と一緒に戦ってきたみんながいます!」
「翠…」
翠の言葉を聞いた遊海は周囲を見渡す…そこには
掛け替えのない大切な家族、実体化した精霊達、そして…長い時間を掛けて『絆』を結んだ仲間達……世界を守る為に共に戦い続けた戦友達が…。
「はぁ……───ちょっと、視界が狭くなってたかな……ごめん、みんな……力を貸してくれ…ズァークを止める為に…!」
「「「「おう!!」」」」
深く息を吐き、呼吸を整えた遊海が仲間達へと声を掛ける…その言葉に決闘者達は強く頷いた…!
「──遊矢、ユート、ユーゴ…あとは、お前達次第だ……お前達は自分の中の
「はぁ…はぁ…遊海…!」
そして遊海はスフィアフィールドと紋章結界に封じられた遊矢とユーゴに声を掛ける…遊矢達はなんとか正気を取り戻していた。
『ズァークだか、ザークだか知らねぇけどよ…オレの中に悪者がいるなら、さっさと倒してくれ!オレは
「あのねぇ…!?ユーゴ!あなたがズァークに取り込まれちゃうかもしれないのよ!?」
『
「ユーゴ…!」
ユーゴは結界の中で腕組みしながら覚悟を決めていた、リンはユーゴを心配していたが…自分の「夢」の障害を排除する為に、ユーゴは戦う決意をしたのだ。
《………オレも、闘う…!オレ達はズァークの意思に振り回されてきた…それを終わらせる事ができるなら、オレは抗ってみせる!!》
「ユート…!」
さらに、霊体化したユートが覚悟を決める…ズァークによって振り回されてきたユート…その戦いを終わらせる為に、抗う事を決めた…!
「遊矢…」
「………なぁ、遊海…1つだけ、約束してくれないか?」
「どうした?遊矢」
考え込むように目を閉じていた遊矢が覚悟を決め、遊海に話しかける。
「ズァークを、
「遊矢…お前って奴は……ああ、もちろんそのつもりだ」
「ありがとう、遊海……柚子、オレは負けない…ズァークに、抗ってみせる…!」
「うん…!負けたら、許さないからね!!」
ズァークにデュエルの楽しさを思い出させて欲しいという『願い』を託す遊矢…そして、柚子へと決意を伝えた…!
「私も、ユーリに何か言ったほうがいいのか?」
「………別にいいと思うな…きみ達は直接の繋がりがないからね…(汗)」
《フォーウ…(締まらないねぇ…)》
他三人の様子を見たセレナが遊海へと声を掛けるが…遊海は苦笑いするしかなかった。