転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

平和を取り戻したように見えた舞網市…しかし、それは仮初めの平和……とり残された者達を救う為、遊矢の試練が始まろうとしていた…。


それでは、最新話をどうぞ!


再演〜試練の始まり〜

『はい!これで手続きは完了です!頑張ってね、榊遊矢君!』

 

「はい!ありがとうございます!ヘヘっ…」

LDSからジュニアユース選手権の案内状を受け取った遊矢は受付で手続きを済ませていた。

…なお、綺麗な受付嬢の微笑みに照れていたりする。

 

 

「遊矢!お前の所にも案内状が来たか!」

 

「権現坂!お前も?」

 

「ああ、光栄な事だ!」

そんな時、受付に新たな人影が現れる…それは遊矢の親友である権現坂だった。

 

「おやおや?お二人さんお揃いで!」

 

「「沢渡!」」

そしてもう一人──それはLDSに所属する沢渡だった、彼のもとにも案内状が届いたらしい。

 

 

「お前にも案内状が?」

 

「それは当然だろう?LDSでも優秀な成績を修め、父親は次期舞網市長と期待されている!選ばれた男「「赤馬零児!?」」っおい!?名乗りの邪魔──赤馬零児!?」

ナルシズム全開の名乗りを上げる沢渡…だが、その口上は思わぬ人物──レオコーポレーション社長、赤馬零児の登場で中断される事になった。

 

 

『揃ったようだな…元気そうで何よりだ、急な招集に応じてもらい感謝する』

全員の様子を見た零児は眼鏡を押し上げる。

 

『さて、今回のジュニアユース選手権だが…()()()キミ達でデュエルを行なってもらう…()()()()()()()()()()()()()だ!』

 

「「「バトルロイヤル!?」」」

零児の思わぬ言葉に遊矢達の声が重なった…。

 

 

 

…………

 

 

 

【皆様!大変お待たせいたしました!ただいまよりジュニアユース選手権を開催いたします──!!】

 

「「「うおお─!!」」」

 

「遊矢兄ちゃん頑張って─!!」

 

「遊矢!柚子の為に熱血だ─!」

同日、午後…LDSのセンターコートに司会のニコ・スマイリーの実況が響き渡る。

急な開催といってもそこはアクションデュエルの聖地・舞網市…センターコートにはたくさんの観客達が集まり、開始の時を今か今かと待っていた。

なお、観客席には遊勝塾のメンバー達を始め、志島北斗・光津真澄・刀道刃のLDS3人組や方中ミエル、茂古田未知夫や大漁旗、聖目や梁山泊塾生など…たくさんのデュエリスト達の姿があった。

 

 

【それでは!出場する4人の選手の紹介を…4人?少なくないか?合ってる?OK…それでは紹介しましょう!!】

ジュニアユース選手権の出場者が少ない事に驚くニコ…しかし、彼もプロ…情報を確認し遊矢・権現坂・沢渡が彼の紹介と共に入場する!

 

 

【そして最後!4人目は──えっ?シークレット?始まってから!?ああ、もう!試合時間が押してしまう!各々方!舞網市内にレッツゴー!!アクションフィールド『ワンダー・カルテット』発動!!】

あまりにもイレギュラーが続く事に戸惑いながら、ニコがアクションフィールドの発動を宣言…舞網市中心部が火山・氷山・古代遺跡・ジャングルからなる4つのエリアに覆われていく!

 

 

トクン

 

 

「っ──この風景、何処かで見たような…?」

 

「奇遇だな…俺もだ…」

火山エリアへと変わった風景を見た遊矢、そして権現坂は既視感を覚える。

 

 

「それよりよ!戦うのは4()()って話だったけど…その『4人目』は何処にいるんだ?」

 

「そういえば…」

そんな時、沢渡が姿が見えない4人目のデュエリストの存在を指摘する…その時。

 

 

「拙者はここでござる!風魔月影、ここに推参!」

 

「月影…!」

遊矢達より一段高い場所に人影が現れる、それは青い覆面で口元を隠した忍者デュエリスト、月影だった。

 

 

 

「おっ…!?これで役者が揃った訳だ!このデュエル、楽勝で優勝はもらったぜ!!」

 

「遊矢、この男権現坂…容赦はせぬぞ!心してかかってこい!」

 

「権現坂…ああ、望む所さ!最高のエンタメデュエルを見せてやる!」

役者が揃い、闘志を高める3人…そして、ニコが高らかに口上を上げる!

 

 

 

 

【戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!これぞ、デュエルの最強進化系!アクショ〜ン…デュエル!!】

 

「「「「デュエル!!」」」」

懐かしき口上と共に、アクションデュエルが始まった!

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢対沢渡対権現坂対月影

 

 

 

 

ついに始まった『再演』のバトルロイヤル、遊矢はマスコットである『EMディスカバー・ヒッポ』を喚び出して沢渡の『魔界劇団』の攻撃をアクションマジックで防ぎ、さらに権現坂のエース『超重武者ビックベン-K』の攻撃を『カバーカーニバル』でしのぎ…と盛り上がるデュエルを見せる、その時…今まで沈黙していた男が声を上げる…!

 

 

 

「各々方!思い出されよ!かつて我々が戦ったあの大会──()()()()()()()()()()()の事を!!」

 

 

「舞網、チャンピオン、シップ───あっ…!?」

 

「思い出した!すっごい痺れるデュエル大会!!」

 

「そうよ!ミッチーが出てた!なんで忘れてたの!?」

 

「──そうだ!柚子も出ていたぞ!」

デュエルフィールドに響く月影の声…それを聞いた遊矢や観客達の脳裏に()()()()()()()、それによって無意識に忘れられていた舞網チャンピオンシップの事が少しずつ思い出されていく…。

 

 

「そうだ…このフィールド……たしか、月影が紫雲院素良とデュエルしてて…?」

 

「いや、それは日影…拙者の兄者でござる…そして、それだけではないはず」

 

「そうだ!オレは1回戦で負けたけど、赤馬零児直々に認められて敗者復活で…融合次元、アカデミアのオベリスクフォースに追いかけられて───()()()()()…?誰に…?」

 

「そうだ…!バトルロイヤルの最中に柚子が行方不明になって…!」

月影の言葉と共に、遊矢達は舞網チャンピオンシップ…そしてオベリスクフォースを迎撃したバトルロイヤルの出来事を思い出していく…。

 

 

『その調子だ、月影…手加減は無用──デュエルを続けろ!』

 

「御意!」

インカムから響く零児の指示に従い、月影はデュエルを続ける…全ては『目的』を果たす為に────

 

 

 

 

 

Side零児

 

 

「兄様…」

 

「…零児さん、本当に()()()()でいいの?」

レオコーポレーション・司令室…そこに心配そうな日美香、そして()()の言葉が響く…その目線の先には───

 

 

「こんな事でこの子の───()()の笑顔を取り戻せると、本当に思ってるの…?」

日美香が見つめる先…そこには社長秘書である中島が支えるベビーカーに乗った赤毛の()()──物憂げな表情の赤馬レイの姿があった。

 

 

『ええ…彼女の笑顔を取り戻せるのは榊遊矢()()…ですが、その為には……』

 

「遊矢は…()()()()を乗り越える必要がある」

 

『遊勝さん…』

レイの笑顔を取り戻す為にバトルロイヤルを再演する零児…そこへ遊矢の父、遊勝が姿を現した…。

 

 

「取り急ぎ、各次元を見て来たが……()の姿は無かった…手掛かりもない、エクシーズ次元以外にいる彼の仲間達も心配していたよ…」

 

『そうですか…なら、遊矢に頑張ってもらう他ない…柚子や、セレナを救う為に…』

遊勝からの報告に零児は視線を落とし…そして、再びモニターへと目を向ける──月影によって追い詰められる遊矢の姿を…。

 

 

 

Side out

 

 

 

 

「っ─!!アクションマジック『奇跡』!これで『カバートークン』はバトルで破壊されず、受けるダメージも半分になる!!」

月影の『忍者』デッキによる猛攻を受けた遊矢の残りライフは2200…それを削りきる『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』の攻撃をアクションマジックで避けたように見えた遊矢…だが、そこで予想外の乱入が起きる…!

 

 

「おもしれーじゃねぇか!オレも混ぜやがれ!罠カード『魔界即興劇─インブロ』を発動!相手が戦闘ダメージを受ける時!オレの『魔界劇団─カーテン・ライザー』の攻撃力を加える!」

 

「うえっ!?」

なんと沢渡が月影に加勢…遊矢を潰しに掛かったのだ。

 

 

ちょっと待ったぁっ!!自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、守備表示のモンスターが戦闘ダメージを受ける時!手札の『超重武者オタス-K』の効果発動!このカードを墓地に送り、その守備モンスターの守備力に『ビックベン-K』の守備力を加える!!さらに、沢渡の『魔界即興劇─インブロ』によって追加ダメージだ!!」

 

「ぬうっ!?」

だが、それを見過ごせないのが男権現坂…彼が遊矢に加勢し、月影に大ダメージを与えた!

 

 

 

「サンキュー!権現坂…助かったよ!」

 

「勘違いするな!別に助けた訳ではない…()()()()()()()()()!」

 

「わかったよ…なら、まずは──「この2人からだ!!」」

遊矢と雌雄を決する事を望む権現坂…その願いを叶える為、バトルロイヤルは沢渡・月影対遊矢・権現坂へと発展していく…!

 

 

 

 

 

 

「っ…そうだ…!オレは柚子を助けて、アカデミアの次元戦争を止める為にシンクロ次元に行って……牢屋に捕まって…?()()に、助けられて…ジャックとライディングデュエルして──」

デュエルが進んでいく中、遊矢の脳裏にはだんだんと記憶が蘇っていく。

 

次元防衛隊『ランサーズ』…差別の世界『シンクロ次元』…『セキュリティ』『収容所』『ライディングデュエル』『フレンドシップカップ』……様々な記憶が過ぎていく中、その記憶の中に思い出せない『誰か』の影があった。

 

 

 

 

「──『エクシーズ次元』…『半分になった「スマイル・ワールド」』……『エド・フェニックス』っ……『炎の不死鳥』…」

沢渡の猛攻をしのぐ遊矢の記憶はついに悲劇の世界『エクシーズ次元』へ……そして──

 

 

 

「───『融合次元』…『赤馬零王』……『魔人オーケストラ』…!?」

遊矢の記憶はついに狂気の世界『融合次元』に到達する…。

 

 

 

 

「あ、ああ…!?ゆ、遊矢!!!」

 

「よ、洋子さん!?」

その時、観客席で遊矢達のデュエルを見ていた洋子が顔色を青褪めさせる…気付いてしまったのだ、()()()()()()()()()の事を…!

 

 

 

「遊矢!!お兄ちゃんが…()()がいない!!!」

 

「─────あっ…」

洋子の悲鳴が遊矢に届く、その声は一気に遊矢の忘れていた記憶を()()させた…。

 

 

 

 

 

 

『えっと……はじめまして…?遊希です…よろしくね、遊矢』

 

 

 

『はぁ…はぁ…ううっ……いた、い…!』

 

「遊希兄…頑張って…!」

 

 

 

『遊矢…大丈夫…!遊勝さんは、きっと帰ってくる…!!』

 

 

 

『こら!遊矢を虐めるな─!』

 

 

「遊希、兄…」

 

それは、掛け替えのない…もう一人の家族の姿……記憶を失い、傷だらけで…それでも、父がいなくなった悲しみを必死にカバーしてくれた『兄』の姿…そして───

 

 

  

 

 

 

「すまない、少し出遅れた」

 

 

 

「かけがえのない、大切な人を失ったお前には酷な言葉かもしれない……でも、そんな姿を柚子ちゃんに見せられるのか?」

 

 

 

「遊矢、心配するな…この力はお前達を助ける為に使う力だ……俺は世界を救う決闘者だからな!」

 

 

 

「おう、遊矢!ジャックとの決勝戦、なかなか良いデュエルだった…お前が貫くべき『自分のデュエル』を見つけられたみたいだな?最後のペンデュラム召喚からのコンボはすごかったな!」

 

「わぶっ…頭を撫でるのは止めてよ!子供じゃないんだから…」

 

 

 

「遊矢、俺にお前の兄…()()()の面影を重ねるのは仕方がない事だ………でも、俺は()()()()…お前との『思い出』を知らない別人だ……そこだけは間違えたら駄目だ、遊希の為にもな…」

 

 

 

 「───遊海!!!!」

 

そして、その『兄』の本当の姿……その圧倒的な力で次元戦争を戦うランサーズを導いた『英雄』───白波遊海の事を遊矢達はようやく思い出したのだ…!

 

 

 

 

 

 

Side零児

 

 

 

『ようやく、思い出したか…』

モニターで事態を見守っていた零児は遊矢達が記憶を取り戻した様子を見ながら呟く…。

 

 

『白波遊海は全能の力「ヌメロン・ピース」を使い、世界の書き換えを行おうとした……ズァークとして遊矢と統合されてしまったユート・ユーゴ・ユーリ…そして肉体を失った我が姉、レイを救う為に……だが、彼の書き換えは()()()に終わった…遊矢達は分離されず、肉体を取り戻したレイは何故か()()となり……()()を失った……その影響か、柊柚子とセレナ…そしておそらく瑠璃とリンも()()状態にある…』

 

強い精神力を持っていたからか、スタンダード次元組では遊勝と同じく『記憶』を保っていた零児…彼が気付いた時、そこには狼狽する父、零王とその腕の中にいる赤子となったレイの姿があった。

 

事態の解決を図るべく融合次元へと先行した零王曰く、遊海によって元の体に戻れる可能性を示されたレイは…どことなく()()()()()()をしていたという…。

 

 

そこから父である零王が予想したのは…レイが抱いていた『罪悪感』についてだった。

 

 

レイの独断専行とダークネスによる干渉によって発生した『世界分裂未遂』と『ARC次元創世』……彼女は世界を引っ掻き回してしまった事で罪悪感を抱き、心を閉ざし、笑顔を失った…それが分身である柚子やセレナ達に影響を与えているのではないか、と…。

 

 

「ここからが、本当の試練だぞ…遊矢…!」

遊勝は厳しい目でモニターの中の遊矢を睨んだ…。

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

「う、あ…遊希兄…遊海……」

 

「い、いかん…!このままでは…!?」

溢れ出す記憶の奔流に動揺する遊矢…その姿を見た権現坂は遊矢よりも先に()()()()()を思い出してしまった…!

 

「このデュエル、このターンで終わらせる!!」

壊れてしまいそうな遊矢の心を守る為、権現坂は男気を見せる!

 

 

「『超重武者カク-5』の効果を発動!自分のライフを1000払う事で相手モンスター1体の攻撃力や1000ダウンさせる!俺が選ぶなは沢渡の『魔界劇団─ビッグスター』!!」

 

「なんだと!?」

超重武者の効果を開放した権現坂…その効果で体に重圧がのしかかる!

 

 

「まだまだぁ!もう一度『カク-5』の効果発動!そして3度目だぁぁ!!

 

「な、なにそれ〜!?」

残りライフを1000まで削った権現坂の男気によってビッグスターは攻撃力600まで弱体化する!

 

 

「征くぞ!『超重武者ビックベン-K』は守備表示で攻撃できる!『ビッグスター』を攻撃─!!」

 

「う、うわあああっ!?」

権現坂の不動の一撃が沢渡のライフを削りきる!

 

沢渡LP0

 

 

 

「さらに『ビックベン-K』に装備された『超重武者装留ダブル・ホーン』の効果発動!自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない時、装備モンスターは2回攻撃できる!月影の『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』を攻撃!!」

 

「くうっ!?」

さらに、連続攻撃が月影のエースを粉砕…そして…!

 

 

「『超重武者カク-5』の効果発動!自分のモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、ペンデュラムゾーンの『超重輝将ヒス-E』と『超重武者サン-5』を破壊する事でそのモンスターはもう一度攻撃できる!『ビックベン-K』でダイレクトアタック!!」

 

「っ…これにて、御役御免…!!」

魂の一撃が月影のライフを削りきる…だが、月影は零児からの指令を完遂した…!

 

 

月影LP0

 

 

 

 

 

 

「………そうだ、オレは────」

 

 

 

 

【我こそはズァーク!今此処に復活せり!!】

 

 

 

「受け取れ!ズァーク!!」

 

 

「これが…僕達、決闘者の光の力!」

 

 

「お前の闇を打ち払い!」

 

 

「絆を繋ぎ!」

 

 

「お前を救う希望の光だ!!」

 

 

 

【おのれ…おのれ!!伝説のデュエリスト共…白波遊海ィィ!!!】

 

 

 

 

「オレは──ズァーク…」

そして、遊矢に最後の記憶が蘇る…それは自分の『大元』たる存在──『悪魔の決闘者』ズァークとしての記憶…そして、伝説の決闘者達との激戦の記憶だった…。

 

 

 

 

 

「ザーク…?」

 

「ズァーク……ズァーク…!?」

 

「思い出した…!!空に映ったデュエル!!」

 

「い、いやああああ!?」

そして、遊矢の呟きが聞こえた観客席から驚愕の声や悲鳴が上がる…彼らも思い出したのだ、不気味な色の空に映ったズァークと5人の決闘者達の戦いを…。

 

 

 

 

「そうだ…オレは、ズァークの一部だった…でも、遊海や遊馬…遊星…十代さん…遊戯さんがズァークを倒して、オレを…」

 

 

 

「逃さないぞ、ズァーク…!悪い事をしたら、ごめんなさい…だろ…!!これ以上、お前の好きには、させない…!!」

 

 

【もう少しはやく……あなたに、あいたかったなぁ…──】

 

 

「おやすみ、ズァーク……お前が巡る輪廻の先で、俺は待ってる」

 

そして、遊矢は思い出した…激しい決闘の末に『覇王龍ズァーク』は人々の希望の力を得た『ゴッドアイズ・ファントム・ドラゴン』によって倒され、悪意に翻弄され続けたズァークの魂は遊海によって救われた。

 

 

 

だが───

 

 

 

《大規模な時空震を確認!先程の『覇王龍ズァーク』と『ゴッドアイズ・ファントム・ドラゴン』の戦闘の余波と思われます!!》

 

 

 

「ランサーズ!お前達は各次元出身者ごとに固まっていてくれ!念の為に各次元に送り返す!」

 

 

 

「大丈夫…!遊海が送ってくれるんだ、必ず帰れるよ…!」

 

 

 

「ああ、もう……肝心な、時に………すまん、遊矢……」

 

「ゆ、遊海─!!」

 

 

 

 

「そ、そうだ…!?遊海は、柚子…なんで!?」

様々な要因が重なり、時空震が発生…遊海は手にした『全能の力』を開放したが…その体は限界を超えてしまっていた。

 

そして…全ての記憶を取り戻した遊矢は取り乱した…何故、柚子は眠り続けているのか…そして…『最善』を掴み取ったはずの遊海はどうなったのかと…。

 

 

 

『白波遊海は…行方不明だ』

 

「っ…零児!!」

その時、デュエルフィールドとスタジアムにソリッドビジョンによる画面が投影される…そこにはランサーズのリーダーたる零児の姿があった。

 

 

 

「遊海が行方不明って…なんで…!?」

 

『おそらく、「全能の力」による書き換えは不完全に終わった…遊矢、きみから他の三人が…ユートやユーゴ、ユーリが分離していないのがその証拠……何らかのトラブルが発生したようだ』

動揺する遊矢に零児は冷静に事実を伝える。

 

 

「それじゃ…柚子が目覚めないのも…!?」

 

「それは…()()が原因だろう」

 

「零羅…と、赤ん坊…誰だ…?」

柚子が目覚めない原因を訊ねる遊矢…それに答えるように画面の中に零羅と日美香、そして…彼女の腕に抱かれた赤子が姿を見せた…。

 

 

『母の腕の中にいる赤子…彼女は我が姉、レイ…「全能の力」によって肉体を取り戻したが、赤子の姿となってしまった…そして、彼女は()()()()のだ』

 

「レイが赤ん坊に…!?でも、笑わないって…」

 

「僕がいくらあやしても笑ってくれないんだ…ずっと、悲しそうな顔してて…」

 

『おそらく、世界分裂の原因の1つとなってしまったレイの抱いた「罪悪感」が分身である柊柚子やセレナ達に影響を及ぼしている…と推測される』

赤子とは泣いて笑って自分の想いを周りに伝える、その赤子が笑わないのは明らかな『異常』…そして、零児は話を続ける。

 

 

『今回、舞網チャンピオンシップの再現を試みたのには理由がある…1つは記憶を失ったきみ達の記憶を呼び戻す事、そしてもう1つは…榊遊矢、きみの()()()()()()()()でレイの笑顔を取り戻させ…柚子達を救う為だ』

 

「───そうか、レイが罪悪感で心を閉ざして…そのせいで柚子達が眠り続けているなら…レイが笑えれば、自分を許せれば…柚子達も目を覚ますかもしれない…!」

 

『その通りだ』

舞網チャンピオンシップ再演の意図を語る零児…それは遊矢の持つ『笑顔を生む力』──エンタメデュエルによってレイに笑顔を取り戻す為だったのだ。

 

 

 

「だが、それは簡単な事ではないぞ…遊矢」

 

「父さん!?」

そして、零児の言葉を引き継ぐ形で遊勝が現れる。

 

 

「白波遊海はデュエルの力で世界を救った…しかし、彼の力を頼れない今、レイと柚子達を救うのは()()()()()だ…!その為にジュニアユース選手権を勝ち上がれ!それができなければプロにもなれず、柚子やレイを救う事もできない!そして…お前を信じた遊海の思いを()()()事になる!!」

 

「っ…!」

遊勝は『父』としてではなく…エンタメデュエルの『師匠』として、遊矢に厳しい言葉をかける。

 

 

「遊矢、レイを救う…いや、彼女が自分自身を()()()ようになる為の答えは…既に()()()()()()()!デュエルの中で…それを見つけてみせろ!」

 

「答えは、オレの中に…!?」

そして遊勝は遊矢へとヒントを送る…遊矢が柚子達を救う為のヒントを…。

 

 

 

「答えはオレの中にあるって…どうすればいいんだよ…!?」

零児からの通信が切れる…そんな中、遊矢は頭を抱えていた…エンタメデュエルでレイに笑顔を取り戻させ、柚子達を救う為の()()に心当たりがなかったからだ…。

 

 

 

「何をグズグズしてるんだい遊矢!!そんな暇があったら…さっさと私との約束を果たしにいきなさい!!」

 

「か、母さん!?」

そんな時、デュエルフィールドにいる遊矢へと激が飛ぶ…それはニコからマイクを取り上げた洋子の声だった。

 

 

「アンタ、言ったよね?『オレは必ずデュエルでみんなを笑顔にして、争いを止めて、柚子を連れて帰るんだ』って…!アンタはまだ約束を果たしてない!笑顔を失った赤ん坊に、柚子ちゃんは眠ったまま!アンタはそれでいいのかい!!」

 

「っ…母さんは、黙っててよ…!これは、オレがやらなきゃならない…オレの問題なんだ!!」

洋子の激に遊矢は拳を握り締め、デュエルディスクを構える…全てを救う為の答えを探しながら…。

 

 

「オレのターン…っ…!『ディスカバーヒッポ』と『オッドアイズ』を守備表示に変更…カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

しかし、心が揺らいでいるからか…デッキは遊矢に応えない…そして───

 

 

「遊矢…お前がグズグズ悩んでいるなら…!この男権現坂が、柚子もレイも助けてみせるわ!!」

悩む遊矢へと発破をかける為、不動の男が()()()()

 

 

 

 

「俺はレベル8の『ビックベン-K』とレベル2の『カク-5』にレベル2の『超重武者コブ-C』をチューニング!!不動の鬼神よ!覚悟の拳を握り締め!今、鉄の鬼となって戰場を駆け巡れ!!シンクロ召喚!いざ出陣!!レベル12!『超重蒸鬼テツドウ-O』!!」

それは権現坂の新たな力…レベル12、守備力4800を誇る最上級シンクロモンスター…鬼の顔を持つ巨大な機関車が現れる!

 

 

「あれが権現坂の新モンスター…って、()()()()()!?」

 

「これが俺の覚悟!俺の本気の現れだ!!お前を倒して…俺はプロとなる!!」

権現坂の新たなモンスターに驚く沢渡…それは高いステータスを見たからではない──『不動のデュエル』を信条にしている権現坂がテツドウ-Oに飛び乗ったからだった…!

 

 

「いくぞ遊矢!!『テツドウ-O』は守備表示で攻撃できる!ダイレクトアタックだ─!!」

 

「って…走り出した─!?うおあああっ!?」

さらに、テツドウ-Oは権現坂を乗せたまま、光のレールを作り出しながら発進…動線にいた沢渡は慌てて逃げ出した!

 

 

「っ…アクションマジック『回避』!!」

 

「させぬわ!!どりゃああ!!」

 

「うわっ!?」

汽笛を響かせながら迫るテツドウ-Oに対して遊矢は『回避』を発動する…だが、それは見た権現坂は自身の履いていた鉄下駄を投擲…高所にあったアクションカードを()()()()()

 

「アクションマジック『ノーアクション』!これで『回避』は無効だ!」

 

「権現坂が、アクションカードを!?」

その姿を見た遊矢は思わず驚愕する…。

権現坂の信条である『不動のデュエル』は己のデッキを信じ、アクションカードや魔法・罠カードを使わないというデュエルスタイル…だが、権現坂は新たな境地へと踏み出したのだ…!

 

 

「っ…!罠カード発動!『EMシグナル』!!」

勢いを増すテツドウ-Oに崖っぷちに追い詰められた遊矢は一か八かの賭けに出る!

 

「『EMシグナル』の効果でオレは1枚ドローし、そのカードを墓地に送る!そのカードが『EM』モンスターなら、相手の攻撃を無効にする!!──ドロー!!」

それはまさに賭け…魔法でも罠でも…『EM』以外のモンスターを引いても、遊矢はデュエルに敗北してしまう…!

 

 

「──よし!オレが引いたのは『EMソード・フィッシュ』!攻撃は無効だ!」

そして、遊矢は賭けに勝つ…テツドウ-Oの前に鉄道信号が現れ、鬼面の汽車は停止する!

 

 

「ふ、ふぅ〜…危なかったぁ…」

 

「甘いぞ遊矢!『テツドウ-O』の効果発動!1ターンに1度、自分の墓地の魔法・罠カードを全て除外し、1枚につき200ダメージを与える!受けてみろ!遊矢!!」

 

「うわっ!?くうううっ!!」

だが、権現坂はタダでは止まらない…鬼面の口元から砲塔が飛び出し、遊矢へと火炎放射が直撃した!

 

 

 

 

「生ぬるいぞ遊矢!!この程度でプロを目指すとは、片腹痛いわ!」

 

「っ…なんだと!」

残りライフ700まで追い詰められた遊矢へと権現坂が激を飛ばす…!

 

 

「本気でプロを目指すのなら…親父さんのようなエンタメデュエリストになりたいのなら!今のお前にできる()()でかかってこい!!」

 

「っ…オレだって、全力でやってる!全力で考えてるんだ…!!どうしたらオレのエンタメでレイや柚子を助けられるのか…オレは、2人を助けたい!!誰に、なんと言われようと…そうでなきゃ、オレを助けてくれた遊海やみんなに顔向けできない!!」

 

「遊矢…」

権現坂との戦いの中、遊矢は必死に考えを巡らせていた…エンタメデュエルで赤ん坊のレイを笑わせる方法を…彼女の心を救う方法を…。

そして思い出すのは舞網を出発してからずっと自分を守り続けてくれた遊海の姿…遊矢が悪魔の欠片だと知っていながら、それでも自分を導いてくれた背中だった…。

 

 

 

「権現坂…オレはもっと強い自分になる!だから…勝負だ!!」

 

「そうこなくてはな…!ついて来い!遊矢!!」

 

「ああ!!」

汽笛を鳴らしながらテツドウ-Oが光の線路と共に動き出す…リアルソリッドビジョンで作られた線路に乗って遊矢はローラースケートで権現坂を追いかけた…!

 

 

 

 

「ペンデュラム召喚!エクストラデッキから蘇れ!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

デュエルの舞台は火山エリアから古代遺跡エリアへ…遊矢はオッドアイズを喚び出し、権現坂へと食らいつく1枚を発動する!

 

 

「そして永続魔法『ペンデュラム・イリュージョン』を発動!!バトルだ!『オッドアイズ』で『テツドウ-O』を攻撃!」

 

【遊矢選手が権現坂選手へと攻撃を仕掛ける!だが、『テツドウ-O』の守備力には敵わないぞ〜!?】

 

「この瞬間!『ペンデュラム・イリュージョン』の効果発動!ペンデュラムモンスターが相手モンスターとバトルする時、手札の魔法・罠カードを墓地に送る事でバトルの間、相手モンスターは破壊されず、攻撃力・守備力は半分になり、貫通ダメージを受ける!オレはアクションマジック『ダメージ・バニッシュ』を捨てて効果発動!!!いけ!螺旋のストライク・バースト!!さらに、『オッドアイズ』がレベル5以上のモンスターとバトルする時!与えるダメージは2倍になる!リアクション・フォース!!」

 

「ぬうう…!まだまだぁ!!」

テツドウ-Oが螺旋の炎に包まれる…だが、その動きは止まらない!

 

 

「バトルが終了した事で『テツドウ-O』の守備力は元に戻る!」

 

「遊矢…真正面から攻撃してきたお前の決意、しかと受け取った!!ならば俺を…真正面から行く!!」

策を弄せず、真正面から権現坂と向き合う遊矢…その男気に権現坂も正面から応じる!

 

 

 

「バトルだ!『テツドウ-O』で『オッドアイズ』を攻撃!!」

 

「永続魔法『ペンデュラムイリュージョン』の効果発動!アクションマジック『フレイムガード』を墓地に送り、『テツドウ-O』の守備力を半分にする!」

 

『ぬううっ…!!?』

バック走行で遊矢に向けて火炎放射を放つテツドウ-O…だが、アクションカードを取った遊矢が螺旋の炎で迎え撃つ…! 

 

 

『やるではないか…だが、まだだ!「テツドウ-O」の効果発動!手札2枚を墓地に送る事で相手モンスター1体を破壊できる!俺は手札の「超重武者ビッグワラ-G」とアクションマジック「不撓不屈」を墓地に送り、「オッドアイズ」を破壊する!』

 

「うわっ!?」

しかし、権現坂もタダでは終わらない…テツドウ-Oの効果で遊矢をオッドアイズから叩き落とし──

 

「さらに墓地の『不撓不屈』を除外して200ダメージだ!!」

 

「ぐううっ!!」

テツドウ-Oの火炎が遊矢にダメージを与える。

この時点で遊矢のライフは500、権現坂のライフは600…遊矢の『ペンデュラムイリュージョン』が不発になるか…権現坂の『テツドウ-O』の効果が不発になるか…アクションカードに全てが懸かったサドンデスへと突入した…!

 

 

 

 

「アクションマジック『フレイム・チェーン』を捨てて『ペンデュラムイリュージョン』の効果発動!!『オッドアイズ』で『テツドウ-O』を攻撃!!」

 

「なんのぉぉぉ!!『テツドウ-O』で『オッドアイズ』を攻撃!!」

 

「アクションマジック『奇跡』を墓地に送って『ペンデュラムイリュージョン』の効果発動!!」

 

「ぐううっ!『テツドウ-O』の効果発動!『超重武者装留マカルガエシ』とアクションマジック『フレイムパワー』を捨てて『オッドアイズ』を破壊!そして200ダメージだ!!」

 

「っううう…!!!」

古代遺跡エリアからジャングルエリア、ジャングルから氷山エリアへ…2人は一進一退の攻防を繰り広げる。

 

遊矢は分かっていた…権現坂は自身の信条である『不動のデュエル』を捨てても、迷う自分を鼓舞してくれているのだと…2人の熱い決闘に観客達も引き込まれていく…そして…!

 

 

 

 

「バトルだ!『オッドアイズ』!『テツドウ-O』を攻撃!!」

 

「この1枚に賭ける!!うおお!!」

火山エリア…アクションカードを獲得したい遊矢と防ぎたい権現坂、2人が交錯する…その結果は──

 

 

「アクションマジック『フレイム・パワー』を捨てて『ペンデュラムイリュージョン』の効果発動──!!」

 

「く、くっそおおお!!!」

運命の女神は遊矢へと微笑んだ!

 

 

「『オッドアイズ』で『テツドウ-O』を攻げ…権現坂!?」

 

「最後も真正面から受け止める!!来い!遊矢─!!」

 

「おう!!いくぞ、権現坂!『オッドアイズ』の攻撃!螺旋のストライク・バースト!そしてダメージは2倍に!リアクション・フォース!!!」

 

「ぐっ…ぬあああああ!!!」

権現坂は真正面から螺旋の炎を受け止める…こうして再演のバトルロイヤルは遊矢へと軍配が挙がった…!

 

権現坂LP0

 

遊矢 WIN!

 

 

 

 

「権現坂!!」

 

「いつつ…これがお前のエンタメだと?ふざけるな!お前のエンタメはこの程度ではないはずだ!」

 

「権現坂…」

舞網市を覆っていたリアルソリッドビジョンが解除されていく、そして遊矢は倒れ込んでいた権現坂は遊矢へと喝を入れる…遊矢と胸元の青いペンデュラムのネックレスに拳を押し当てながら…。

 

「必ず、お前のエンタメでレイと柚子を救うのだ!分かったな!!」

 

「…ああ…!!」

それは権現坂との男の約束…彼からのエールだった…。

 

 

 

 

【ジュニアユース選手権決着!勝者は榊遊矢選手だ─!!】

 

「「「おおおっ─!!」」」

そしてスタジアムにニコの勝利宣言が響き渡る…会場は歓声と拍手に包まれる!

 

 

 

【これにより榊遊矢選手はジュニアユースクラスからユースクラスへと昇格『いや、まだ()()()()()()!』へっ??】

ニコが遊矢の昇格を祝おうとした時、それを遮る声が響く…それは零児の言葉だった!

 

 

「零児…!?」

 

『遊矢、この戦いはアカデミア軍の急襲によって中断された舞網チャンピオンシップの()()として行われた…あの時点で残っていたのは、私がランサーズとして認めたデュエリスト達…ユース昇格が認められるのは、その中の1人──ならば、きみには戦うべき相手がいるはずだ』

 

「倒すべき、相手…」

ヘリコプターで遊矢と権現坂の決着地点へと駆けつけた零児は遊矢へと戦うべき相手が残っている事を告げる…。

 

 

『ヘリコプターへ乗り込め、きみが戦うべき相手のいる場所へ案内する』

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

「これは…遊馬の飛行船で融合次元に行った時の!?」

 

『ああ、私達が通ったワームホール…次元回廊だ』

舞網市内・某所…建築現場で使われる仮設壁に覆われたそこには()()()()()()()があった…それは別世界から来た九十九遊馬達が使用した次元を繋ぐ通路…次元回廊と呼ばれるモノだった。

 

 

『おそらくは…白波遊海の『繋げる力』によって各次元が繋がったモノだ…遊勝氏に調べてもらった結果、エクシーズ次元・シンクロ次元・融合次元にもこの次元回廊のゲートが開き、各次元を繋いでいる…』

 

「あっ…」

零児の説明に遊矢は覚えがあった、朧げに記憶に残るズァークと遊海達のデュエル…その中で全ての次元の人々の祈りを受けた遊海は光り輝く姿へと変化していた…その力が次元を繋いだのだろうと…。

 

 

 

『きみにはこの次元回廊を通り、エクシーズ次元へと向かってもらう』

 

「エクシーズ…つまり、黒咲と戦う為に…だろ?ランサーズの仲間…舞網チャンピオンシップで残ったのは黒咲にデニス、セレナ…それに…凌牙と、遊海…」

 

『その通りだ…だが、きみが戦うのは()()()()黒咲とデニスだけでいい…セレナは融合次元で昏睡状態、凌牙は『世界』においてのプロデュエリストであり…ARC次元外に避難していて連絡が付かない、そして遊海は…完全に行方不明だからだ…』

 

「遊海…」

遊矢の推測に答えながら零児は戦う相手を指定する…しかし、遊海の名を呼んだ時、その表情は暗かった…。

 

 

 

「フン…そう暗い顔をするな、遊海は必ず生きている!」

 

「あっ…海馬社長、それに遊戯さん、城之内さん…」

次元を渡ろうとする遊矢の前に三人の男達が現れる…それは海馬・遊戯・城之内…遊海の親友である三人だった。

 

 

 

「先程のバトルロイヤルは…及第点だったな、榊遊矢…遊海と翠はおそらく、力を使い果たし、()()()で身動きが取れない状態にあるのだろう……そうでなければ、あのお節介焼きの遊海が姿を見せない理由はない」

海馬が今までの経験から遊海と翠の状況を予測する、融合次元やズァークとの戦いを前に遊海も翠も無茶を重ねていた…その影響が出たのだろうと…。

 

 

「もしも、奴を見つけたらすぐに連絡しろ、我らがすぐに駆け付ける」

 

「遊矢君、これはキミが乗り越えるべき()()だ…遊海もきっと、キミがこの戦いを乗り越えられると信じてるはずだよ」

 

「まぁ、リラックスして戦いに行けよ!別に世界の命運が懸かってる戦いじゃねぇ!お前の()()()()を助ける為の試練だからな!」

 

「じょ、城之内さん!?好きなって、オレと柚子はそそんなんじゃ!?!?」

 

「ありゃ、違ったか?」

 

「城之内君、空気読んでよ…」

 

「はぁ…これだから、お前は凡骨なのだ…」

 

「凡骨言うなっての!!」

遊矢へと遊海の捜索を頼む海馬、試練に挑む遊矢の背中を押す遊戯、冗談を言って遊矢の緊張をほぐす城之内…三人のエールを受けた遊矢は次元回廊へと向き直る。

 

 

『行ってこい、榊遊矢…ここから先は…きみの戦いだ!』

 

「ああ!!」

零児に背中を押された遊矢は次元回廊へと飛び込んだ!

 

 

 

 

「(デュエルの力でしかレイや柚子達を救えないのなら…誰であろうと勝ってみせる…!オレは誓ったんだ、エンタメの力で世界を…みんなを救うんだって、オレを…『榊遊矢』を貫くんだって…!待ってろよ…黒咲!!)」

次元回廊をローラースケートで進みながら、遊矢は自分の誓いを思い返す…遊矢の試練はここから始まった…!

 

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