転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

数多の試練を乗り越えた遊矢はついに、最後の戦いへと挑む…遊矢はレイに笑顔を取り戻す事ができるのか…。


ペンデュラムの軌跡〜異次元の王〜

「ん…うう…?あれ、オレは…?」

 

眠っていたらしい遊矢はふと意識を取り戻した…寝惚けた目で辺りを見回すとそこは見覚えがない…否、LDSのセンターコートにある選手控室らしいと気がついた。

 

 

 

「ふぅ…まったく、いきなり倒れるからびっくりしたぜ?…まぁ、あれだけ()()して疲れてたんなら仕方ねぇ…よく頑張ったな、遊矢」

 

「凌牙…?」

そして、遊矢は自分の周りに人が集まっている事に気付く…最初に目にしたのは肩の力が抜けた様子の凌牙、そして…。

 

 

 

 

「遊矢!よかった…良かった〜!!」

 

「──()()!!」

ソファに寝かされていたらしい遊矢の背後から聞こえる懐かしい/聞きたかった()()の声…そこにいたのは、昏睡状態だったはずの柊柚子その人だった…!

 

 

「柚子!大丈夫なのか!?痛い所とかないか!?」

 

「ぷっ…あははは!もう、遊矢!さっきと()()()を聞いてどうするのよ?」

 

「えっ…??」

一番に柚子の体調を心配する遊矢…その言葉を聞いた柚子は思わず噴き出し、呆れたように笑っている。

 

 

 

「ああ…これはアレだね、寝ぼけて記憶が飛んじゃってるみたいだ」

 

「あれだけ激しいデュエル4連戦はやべぇって…遊海先生でもぶっ倒れるぜ?」

 

「ああ、あそこまでのデュエルは中々ないだろう…ジャックにも後で注意しないとな…」

 

「ヘヘっ…遊矢!()()()()()()()()()()()()()、すっげぇデュエルだったな!!今度、オレともやろうぜ!!」

 

「あっ…みんな…?」

そして、遊矢へと声を掛けたのは遊戯、十代、遊星そして遊馬だった…一様に表情は明るく、遊矢を褒めていり。

 

 

「ふふっ、遊矢?自分が()()()()()()()のか覚えてないの?」

 

「──あっ…そうだ…オレ、零児とプロテストのデュエルを……」

優しく笑う柚子の様子に遊矢はだんだんと冷静さを取り戻す…そして、思い出したのは──赤馬零児との世紀のアクションデュエルの事だった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

『用意はいいな、遊矢!アクションフィールドは試験官を兼ねる私が選ばせてもらう!』

 

「もちろん!」

夜の帳が落ち始めたペンデュラム次元に赤馬零児の声が響く、彼に課せられた試練を乗り越えた遊矢はユースクラスへと昇格、その直後に零児を試験官としたプロテスト…アクションデュエルをする事になった。

 

…全ては未だに笑顔を見せないレイと、眠り続ける柚子達を救う為に…。

 

 

 

『では…アクションフィールド「エンタメ・コロッセオ」発動!!』

 

「このアクションフィールドは…!」

零児の宣言と共に投影機が起動、センターコートの景色を塗り替えていく…そのフィールドは遊矢が初めて零児と対峙した『アスレチック・サーカス』の進化版とも言える巨大なサーカスの舞台となった!

 

 

 

「(零児と初めてデュエルした時…あの時はまだ、ペンデュラム召喚はオレと遊希兄だけのモノだと思ってた…何故、オレ達だけが使えるようになったのか…その意味も考えずに…)」

アクションフィールドに立った遊矢はこの数週間の出来事を思い返す。

 

ペンデュラム召喚の覚醒、舞網チャンピオンシップ、次元戦争、フレンドシップカップ、アカデミアとの戦い…そして、ズァークとの決着…数多の出会いと別れを経て、遊矢はこの場所へと戻って来たのだ…。

 

 

「(だけど、今のオレは知っている…ペンデュラムが生まれた意味も…何故、オレが最初にペンデュラム召喚を使えたのかも…)」

遊矢はペンデュラムの首飾りを握り締める…悲劇の果てに悪魔となり、勝ち続ける為にペンデュラム召喚を生み出したズァークの事を思いながら…。

 

 

 

『プロとは、全てにおいて完璧な者の事を指す…きみがそれに値すると私が認めぬ限り、合格はさせん…レイを…柊柚子達を救う為に、私を超えてゆけ!榊遊矢!!』

零児は遊矢へとプロテストの厳しさを伝える…それは彼への激励であり、諌言…最後のアクションデュエルの幕が上がる!

 

 

 

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』

 

 

「モンスターと共に地を蹴り!宙を舞い!」

 

 

「『フィールド内を駆け巡る!!』」

 

 

『「見よ!これぞデュエルの最強進化系!」』

 

 

『「アクション──デュエル!!」』

 

 

 

それはこの世界の決闘を象徴する口上…決闘の殿堂にて、エンタメの申し子と異次元の王の決闘が始まった!

 

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢対零児

 

 

 

遊矢と零児、2人のデュエルはまさに『最初からクライマックス』の勢いで進んでいく。

 

 

遊矢はペンデュラム召喚による大量・高速展開を生かし、僅か1ターンで『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』…四天の龍達を並び立たせる。

 

だが、零児も負けてはいない…持ち前の天運と計算されたプレイング、そしてペンデュラム召喚によってエースモンスターである3体の『DDD死偉王ヘル・アーマゲドン』を展開…高い攻撃力を持つ王達によってドラゴン達を攻めたてる。

 

しかし、遊矢は持ち前の運動能力…そして、文字通り遊矢と共に地を駆け、宙を舞う四天の龍との連携によってアクションカードを次々と獲得、ダメージを最小限に抑え、『ヘルアーマゲドン』1体を返り討ちにする事に成功した…!

 

 

「(ああ…この気持ち、何処かで───そうか、これは…()()()()()()()()())」

そして、最初の試練を乗り越えた遊矢はふと懐かしい気持ちになる、その感覚の正体…それは遊矢の中に残されたズァークの記憶だった。

 

ズァークはプロデュエリストとして、観客や対戦相手…全ての人々を笑顔にする為にデュエルをしていた…しかし、ズァークの持つデュエリストとしてのカリスマ性が暴走…人々は彼のデュエルに派手さや過激さを求めるようになり、それに応え続けたズァークは…その果てに『悪魔』と化してしまった…だが…。

 

 

「オレが…ズァークが本当にやりたかった事は、世界を破壊する事なんかじゃない…!観客も、対戦相手も…モンスター達も…!みんなが楽しめる、笑顔になれるデュエルをしたかったんだ…!!」

それは遊矢の魂から溢れ出た()()…零れ落ちる涙と共に、遊矢はズァークが本当にやりたかった事を理解したのだ…。

 

 

 

『ならば、それを実践してみせろ遊矢!お前のデュエルで…()()()()()()()()()()!』

 

「零児…」

遊矢の魂の言葉を聞いた零児は力強く言い放つ!

 

 

『だが、そう簡単にできると思うな…!いくぞ!!』

しかし、零児は一筋縄の相手ではない…遊矢も数多の戦いを乗り越えて成長してきたが、零児もまた成長しているからだ…

そして、零児は新たな切り札を解き放つ。

 

 

それは紫色の竜と融合せし王『DDD超死偉王パープリッシュ・ヘル・アーマゲドン』

 

さらに白き腕を持つシンクロの王『DDD超死偉王ホワイテスト・ヘル・アーマゲドン』

 

そして鋭い爪と異形の姿を持つエクシーズの王『DDD超死偉王ダークネス・ヘル・アーマゲドン』

遊矢を迎え撃つのは進化した3体の『死偉王』…零児が鉄壁と称する布陣だった。

 

強力な効果を持つ3体の王の効果によって『ダークリベリオン』『クリアウイング』『スターヴヴェノム』を破壊された上で『オッドアイズ』をも破壊され大ダメージを受けてしまう遊矢…だが、彼も負けてはいない…何故ならば───

 

 

 

「──もう一度、力を貸してくれ!ユーリ!ユーゴ!ユート!」

 

《当然さ、ボク達の力はもうキミのモノだしね》

 

《オレ達は元々1人だかんな!》

 

《思いっきりやれ、遊矢!お前が楽しめば…みんなも楽しんでくれるはずだ!》

 

「そうだな!レイに笑ってもらう為には…まず、オレが笑わないと!みんなの思いは…オレが繋いでみせる!!」

今の遊矢は1人ではない、彼の内にいる三人の魂…そして、四天の龍達が共にある。

 

そして遊矢は新たな力を解き放つ!

 

 

 

 

「二色の眼の竜よ!」

 

《毒持つ竜と一つになりて!》

 

「覇道を導く力となれ!」

 

「《融合召喚!!》」

 

「慈愛の玉眼輝けし竜!!『覇王紫龍オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン』!!」

新たな力、それは四天の龍同士の融合…その先鋒として禍々しさが浄化されし慈愛のドラゴンが現れる!

 

 

「『オッドアイズヴェノムドラゴン』の効果発動!エンドフェイズまで自分の攻撃力を相手フィールドのモンスターの攻撃力の合計分アップする!!」

そして覇王紫龍は自身の効果によってその背に大輪の花を咲かせ、異次元の王へと挑む…!

 

 

 

「バトルだ!『オッドアイズヴェノムドラゴン』で『ホワイテストヘルアーマゲドン』を攻撃!!」

 

『力だけで超えられると思うな!!「ホワイテストヘルアーマゲドン」がバトルする時、バトルする相手モンスターの攻撃力は元々の数値になる!』

 

「アクションカード!っ!?(『ワンダー・チャンス』!?このカードじゃ…!!)」

しかし、零児は甘くない…遊矢はアクションカードによるリカバリーを狙うが失敗…慈愛のドラゴンは貫かれてしまう…!

 

 

《まだだよ、遊矢》

 

《行け!遊矢!オレが付いてる!!》

 

「ああ!フィールドの速攻魔法『オッドアイズ・フュージョン・ゲート』の効果発動!このカードで融合召喚したモンスターが破壊された時、デッキから速攻魔法『オッドアイズ・シンクロ・ゲート』を手札に加える!!」

だが、遊矢は挫けない…新たな風がフィールドに吹き荒れる!

 

 

 

「二色の眼の竜よ!」

 

《光輝く翼を得て!》

 

「覇道の頂きへ舞い上がれ!」

 

「《シンクロ召喚!!》」

 

「烈波の慧眼輝けし竜!『覇王白龍オッドアイズ・ウイング・ドラゴン』!!」

それは輝く翼を得たオッドアイズの新たな姿…慧眼を持つドラゴンが飛翔する!

 

 

「『オッドアイズウイングドラゴン』の効果発動!相手フィールドのモンスター全てを破壊し、その中の1体の攻撃力を自身に加える!」

 

『無駄だ!私の場に「ダークネスヘルアーマゲドン」が存在する限り、私のペンデュラムモンスターは効果では破壊されない!!』

零児のモンスターの一掃を狙う遊矢…だが、破壊耐性によって効果は不発に終わってしまう…!

 

 

「なら…バトルだ!『オッドアイズウイングドラゴン』で『ダークネスヘルアーマゲドン』を攻撃!!」

 

『攻撃力の低いモンスターで…?返り討ちにしろ!』

しかし、遊矢は怯まずに特攻を仕掛ける…粉砕される覇王白龍…だが、そのバトンは次のモンスターを導く!

 

 

《頼んだぜ、ユート!》

 

《ああ、任せておけ!》

 

「行こう、ユート!速攻魔法『オッドアイズ・シンクロ・ゲート』の効果発動!このカードの効果でシンクロ召喚したモンスターが破壊された時、デッキから速攻魔法『オッドアイズ・エクシーズ・ゲート』を手札に加える!!」

ユーゴからユートへと託されるバトン…その覚悟は怒りの力を呼び覚ます!

 

 

 

「二色の眼の竜よ!」

 

《その黒き逆鱗を震わせ!》

 

「歯向かう敵を殲滅せよ!!」

 

「《エクシーズ召喚!!》」

 

「怒りの眼輝けし竜!『覇王黒龍オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』!!」

それは遊矢とユートが目覚めさせし逆鱗の竜…融合・シンクロ・エクシーズ…繋がった思いの力が零児へと迫る!

 

 

「『オッドアイズ・エクシーズ・ゲート』の効果!このカードと墓地の『フュージョンゲート』と『シンクロゲート』を除外し、効果発動!バトルフェイズの間、『オッドアイズリベリオンドラゴン』の攻撃力を1000アップさせ、2回の攻撃が可能になる!さらに、アクションマジック『ワンダー・チャンス』を発動!さらに攻撃回数を1回増やす!!バトルだ!オレは『オッドアイズリベリオンドラゴン』で『パープリッシュ』『ホワイテスト』『ダークネス』の3体を攻撃!革命のイカズチ!ライトニング・ストライク!!」

紫電を纏った逆鱗の竜が翼を展開…紫電のレーザーとなって零児へと襲いかかる!!

 

 

『──残念だったな、「パープリッシュヘルアーマゲドン」が存在する限り、私のペンデュラムモンスターはバトルでも破壊されないのだ』

 

「っ…流石…!抜け目がないな…!」

爆煙が晴れていく…その先では大ダメージを受けたものの、健在の3体の王の姿があった…!

 

 

「オレは…カードを1枚伏せ、ターンエンドだ…!」

カードを伏せ、ターンを終える遊矢…だが、『覇王黒龍』1体で零児の猛攻を防ぐ事はできない…!

 

 

 

『私のターン!「パープリッシュヘルアーマゲドン」の効果発動!「覇王黒龍」を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!』

 

「その瞬間!罠カード発動!『コールド・パフォーマンス』!自分のペンデュラムモンスターが破壊された時!このターンの間、自分が受ける戦闘・効果ダメージは0にし、破壊されたペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンに置く!!」

 

『ふむ…やるな、遊矢』

絶体絶命の遊矢は伏せカードによって窮地を脱する…遊矢の不利は変わらない…だが、遊矢は笑っていた!

 

 

 

「ここからが本番!デュエリストはどんなピンチでも、ライフがあれば戦える…オレの最後のエンタメを見せてやる!」

 

『ならば、見せてもらおうか!キミのエンタメを!!』

デッキトップに手をかける遊矢…その1枚が運命を変える!

 

 

 

「オレのターン、ドロー!オレは『オッドアイズリベリオンドラゴン』のペンデュラム効果発動!デッキからペンデュラムモンスターをペンデュラムスケールにセッティングする!オレが選ぶのは──スケール12の『EM五虹の魔術師』!」

黒龍の導きによって瞳に宇宙を宿す白衣の魔術師がペンデュラムスケールに浮かび上がる!

 

 

「これでレベル5から11のモンスターが同時に召喚可能!!揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!!エクストラデッキから蘇れ!『オッドアイズヴェノムドラゴン』!『オッドアイズウイングドラゴン』!『EMオッドアイズ・プリースト』!『EMイグニッション・イーグル』!」

揺れ動く光の軌跡が4体のモンスターをフィールドに呼び戻す!

 

 

『ならば「ホワイテストヘルアーマゲドン」の効果発動!相手に自分フィールドのペンデュラムモンスター1体を選ばせ、そのモンスター以外の効果を無効にする!』

 

「オレが選ぶのは『オッドアイズ・プリースト』!そして効果発動!このカードをリリースして、墓地の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を特殊召喚!!」

再びモンスター効果を封じられる遊矢…しかし、エースが彼の場に舞い戻る!

 

『だが、きみがモンスターを特殊召喚する度に「ホワイテスト」の効果対象は()()()()される!さぁ、誰を選ぶ!』

 

「オレは『イグニッション・イーグル』を選ぶ!そして…『五虹の魔術師』のペンデュラム効果発動─!!」

再び発動するモンスター効果封じ…しかし、遊矢はそれを意に介さずアクションカードを獲得…そして、逆転を賭けた効果を発動する!

 

 

『っ…!?フィールドのモンスターの攻撃力が、()()0()に!?』

虹色の魔力を解き放つ五虹の魔術師…その魔力はお互いのモンスターの攻撃力を奪ってしまった!

 

 

 

「『五虹の魔術師』のペンデュラム効果…それは魔法・罠カードゾーンにセットされたカードが4()()()()の時、自分フィールドのモンスターの攻撃力は0となり…バトルも行えず、フィールドのモンスター効果も使えなくなる!しかし、5()()セットした瞬間、その制限は無くなり!フィールドのモンスターの攻撃力は元々の攻撃力の2倍になる!そして…オレは今手に入れたアクションカードをセット!この瞬間、『五虹の魔術師』の効果でエンドフェイズになる!そして…ドローフェイズ以外でカードを手札に加えたプレイヤーは、そのカードをセットできる!」

 

『なるほど…5枚のカードを先に伏せたプレイヤーが勝利への権利を得る、という事か…』

 

「そゆこと!」

零児はすぐに『五虹の魔術師』の効果を理解する…本来のスタンディングデュエルならば、カードを5枚セットするというのは中々に時間が掛かってしまう。

 

だが、これはアクションデュエル…フィールドには()()()()()()()()()が無数に散らばっている!

 

 

 

『よかろう…受けて立とう!!』

 

「そうこなくっちゃ!但し、ドローには注意してくれよ?ドローしたらカードはセットできな───」

 

『私のターン!「五虹の魔術師」の効果でドローフェイズをスキップ!』

 

「──正解!!いくぞ〜!!」

それはドローを封じたアクションカード獲得レース…2人のデュエリストはアクションフィールドを駆け巡る。

 

時にトランポリンで飛び跳ね、時に人間大砲で宙を飛び、時に回し車に足元を取られ…モンスター達と共にフィールドを駆け回る……それはまさに、息もつかせぬ『アクションデュエル』の真骨頂!

 

普段は大きく動かない零児もモンスターと共に地を駆け、宙を舞い…遊矢のペースへと引き込まれていく…!

 

 

 

 

「すっげぇ…!これが、本当のアクションデュエル…!超楽しそうじゃん!!オレもホープとやってみてぇ!!」

 

(我々の世界とは違う進化を遂げたデュエルの形…興味深い)

 

「そんな難しく考えなくていいんだよ!こういうのは…頑張れ!遊矢─!!」

 

《まったく…いつまでたってもきみは童心を忘れないねぇ…》

客席でデュエルを観戦していた遊馬と十代が目を輝かせる…本来の「世界」においてはアクションデュエルは邪道と言われるかもしれない、それでも…この世界におけるアクションデュエルは輝いていた!

 

 

 

 

そして────

 

 

 

「オレのターン!!」

 

『させん─!』

お互いにカードを4枚伏せ、リーチがかかる遊矢と零児…王手を指したのは──遊矢だった!

 

 

「よし…!これで、このターン『五虹の魔術師』の効果ではカードを伏せられない!そして、オレのモンスターの攻撃力は2倍になる!バトルだ!『オッドアイズペンデュラムドラゴン』で『ホワイテストヘルアーマゲドン』を攻撃!!」

虹の加護を受けて遊矢のモンスター達の攻撃力が強化され、零児へと最後の一撃を放つ…だが…!

 

『そうはさせん!手札の「DD魔導賢者アルベルト」の効果発動!相手モンスターが攻撃してきた時、このカードを墓地に送る事で…手札の魔法カードをセットできる!これで条件は同じだ!!』

土壇場で零児もカードをセット、遊矢の一撃を迎え撃つ!

 

 

「まだだ!『イグニッションイーグル』の効果発動!ペンデュラムゾーンの『オッドアイズリベリオンドラゴン』を特殊召喚し、自分をペンデュラムゾーンにセットする!そして、特殊召喚したモンスターの攻撃力分、『オッドアイズペンデュラムドラゴン』の攻撃力をアップする!!」

 

『無駄だ…!「ホワイテストヘルアーマゲドン」の効果発動!相手が選んだペンデュラムモンスター1体以外の効果を無効にする!』

 

「オレは『オッドアイズペンデュラムドラゴン』を選ぶ!!」

 

『しかし、忘れた訳ではあるまい!「パープリッシュヘルアーマゲドン」の効果発動!1ターンに1度、相手モンスターの攻撃力を元々の数値に戻す!これで終わりだ!!自滅するがいい──!!』

激しい効果の応酬の末、零児の戦術が遊矢を上回る…だが、遊矢は()()()()()

 

 

 

「レディース&ジェントルマン!!さぁ、皆様お立ち会い!!」

 

 

『なにっ…!?まだ手があると言うのか…!?』

スタジアムに響く遊矢の明るい口上…これが、遊矢の最後のエンタメ劇場の始まりだった!

 

 

 

「皆様!私の相棒、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』はこれから仲間の声援を受けて、強くなっていきます!それがペンデュラムの()()()──光のアークなのです!!」

 

『光のアーク…!』

手元に虹色の光を灯しながら、遊矢は繋がる光の力を開放する!

 

 

「『イグニッションイーグル』のペンデュラム効果発動!このカードと『五虹の魔術師』を除外する事で、お互いの伏せカードを全て破壊します!それによって『五虹の魔術師』の効果が適用されなくなり、フィールドのモンスターの攻撃力が元に戻りますが…お楽しみはここから!今、フィールドから墓地に送られた伏せカード1枚につき1体!私のデッキから『EM』達を華やかに夜空へと打ち上げます!!」

ペンデュラムゾーンから消えたイグニッションイーグルが文字通りの点火装置となる!

 

「さぁ、皆様ご一緒に!!3!

 

「「「2!」」」

 

「『『1!!』』」

 

「イグニッション─!!」

観客達のカウントダウンと共に花火が打ち上がる…それは色とりどりの『EM』モンスターの顔となって、夜空を染め上げ…光のアークを空へと描き出した!

 

 

 

「さぁ、いよいよフィナーレです!発動された『イグニッションイーグル』の効果で『オッドアイズペンデュラムドラゴン』の攻撃力は私のフィールド上のペンデュラムモンスター1体につき500…つまり、2000アップします!さぁ…やろう!オッドアイズ!!」

 

《グギャアアン!!》

遊矢は相棒たるオッドアイズの背中に飛び乗り、最後の攻撃を叫ぶ!!

 

 

 

「いっけぇ!螺旋のストライク・バースト!!」

 

『──「パープリッシュヘルアーマゲドン」の効果で、私のモンスターは破壊されないが…』

 

「ダメージは受ける!それも、『オッドアイズペンデュラムドラゴン』の効果で2倍の!リアクション・フォース!!」

それは希望の一撃、螺旋の炎が零児を飲み込んでいく…その中で零児は穏やかに笑っていた…。

 

 

 

零児LP0

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃは…あはは…!きゃはは!!」

 

 

 

 

「あっ…」

デュエルが決着し、静まり返るスタジアムに楽しげな赤ちゃんの()()()が響く……遊矢はデュエルでレイを笑顔にする事ができたのだ!

 

 

 

『──Winner!榊遊矢!!プロテスト合格だ!!』

 

 

「「「うおおお!!」」」

起き上がった零児が勝者を告げる、それは遊矢がプロデュエリストになった証…勝者を讃える大歓声が全ての次元に響き渡る!!

   

 

 

 

「融合次元の万丈目だ!セレナが目を覚ましたぞ!!」

 

「シンクロ次元の牛尾だ!リンの嬢ちゃんが起きたぜ!」

 

「エクシーズ次元の黒咲だ…瑠璃が、瑠璃が目を覚ました!!」

 

「あっ…やった…!オレ、やったんだ!!」

そして続くように通信が届く…各次元で眠り続けていた少女達が目を覚ましたと連絡が入ったのだ…!

 

 

 

「遊矢!」

 

「あっ…」

そして、それは…()()も目を覚ました事を意味していた。

 

 

「ゆず…柚子!!」

 

「遊矢…ありがとう…!!」

遊矢の耳に届いた声、それは目を覚ました柊柚子の声…2人はスタジアムの真ん中で再会の抱擁を交わす…。

 

 

「柚子…!大丈夫か?痛い所とかないか…!?」

 

「うん!大丈夫…!!レイが()()()くれたの…私達の為に遊矢が頑張ってくれたって…!心配させて、ごめんね…!」

 

「いいんだ…!柚子が無事に目を覚ましてくれてよかった…!!」

お互いに泣き笑いの笑顔で語り合う遊矢と柚子…観客達はその再会を静かに祝福した…。

 

 

 

………

 

 

 

「あう…きゃはは!」

 

「レイ…笑ってくれたけど、赤ちゃんのままなのか…」

 

『ああ…こればかりは…私達にはどうする事もできないな…』

再会した2人が落ち着いた頃、ランサーズを始めとした仲間達はスタジアムの中心へと集まっていた…その中には笑顔を取り戻したレイの姿もあったのだが…彼女は未だに赤ん坊のままだった。

 

 

「遊海さん…何処にいるのか分からないんだよね…?」

 

「ああ…ラプラスさんがしらべて……くれ……あ、れ…?目のまえが、くらく…なって…」

 

「遊矢?遊矢!?」

 

『っ…!凌牙!治療を───』

 

「遊矢!しっかりするのだ!!」

 

 

そして、柚子達を助ける事が出来た事で気が抜けたのか…遊矢は気を失ってしまったのだった…。

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

「……思い出した…でも、どうすればいいんだ…?どうしたら、遊海を助けられるんだ…!」

 

「遊矢…」

零児との激戦の顛末を思い出した遊矢は頭を抱える…遊矢達が失ったモノのほとんどは取り戻す事ができた…だが、最善へと導いてくれた英雄を助ける方法は未だに分からないままだったのだ…。

 

 

 

 

『すまん、待たせた、な…』

 

「ラプラっ…!?大丈夫か!?誰かに襲われたのか!?」

 

『違うよ、遊星…まったく…遊海の奴、引きこもりやがって…少しは助ける身になれっての…』

その時…控室の扉が開き、ボロボロの人影──調査に向かっていたラプラスが現れ、床にへたり込む…あまりに消耗した様子に遊星が慌てている。

 

 

「ラプラス!すぐにカオスを!」

 

『大丈夫だ、遊馬…それより、()()()を集めてくれ…遊海の馬鹿、助けに行くぞ…』

 

「っ…!遊海を助ける方法が分かったのか!?」

消耗したラプラスを回復させようとする遊馬…だが、ラプラスはそれより先に遊海を助ける方法が見つかった事を告げた…。

 

 

 

『あいつらを助けるには…()()の力が必要だ…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【……む……眠っていたか…】

遊海の精神世界の最奥、玉座で眠っていたドン・サウザンドが目を覚ます…眠りを必要としないドン・サウザンドだが…いつの間にか意識を失っていたのだ。

 

 

【……フン、外の状況は分からぬが……言ったであろう、遊海…()()()()()()()()()と……聞こえていないだろうがな】

気怠げに石造りの教会を見回すドン・サウザンド、その目に留まったのは…満身創痍で完全に意識を失った遊海とユウスケの姿だった。

 

 

【無理もあるまい、いくら痛みやダメージへの耐性があろうとも…人間が神の領域に踏み込めば、それなりの代償はあるだろう………むっ…?これは…()()()()()()()()…?】

呆れた様子で遊海達の消耗の原因を語ったドン・サウザンドだったが、思わぬ事に気付いた…自身を遊海に縛り付けていた封印が解けていたのだ…!

 

 

【……『ヌメロン・ピース』の権能が遊海の中にいた我の願いを拾ったのか?……まぁ、原因はどうでもよい……神の力を手にした、不死身の()()…そして、範囲は限られるとはいえ…この世界を自由に書き換える『ヌメロン・ピース』…興味がない、とは言ったが……この2つを手にすれば、この世界で我の敵はいなくなる…ZEXALにも遅れは取らんだろう…】

封印が解けた理由を考察したドン・サウザンドは玉座から立ち上がる…そして、無防備に眠る遊海へと手を伸ばし────

 

 

 

 

 

【──ありがたく思え、白波遊海】

 

『決闘の観測者』のVRAINS編を…

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