転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
「よろしくお願いします!」
『お前…僕の十代に勝ったら承知しないよ…!!』
今…俺の前にはGXの主人公、遊城 十代(ショタ)がいる…どうしてこうなった!?
~数日前~
「マスクドデュエリスト…ですか…?」
「そうだ!貴様にその役をやってもらう!」
今、俺はKC社の社長室で海馬さんと話をしている、そしていきなりマスクドデュエリストをやってほしいと言われたところだ…
「なんで急にそんな…」
「実は海馬ランドで小学生限定のデュエルモンスターズのイベントを開くのだが…そこの司会兼デュエル指導をするデュエリストが怪我をしてしまってな…」
「それで俺に代役をやってほしいと…。」
「そういう事だ!今、この町でこの仕事を任せられるのはお前だけだ!」
「遊戯や城之内さんは?あの二人なら顔出しでもそういうのできるんじゃないですか?」
「アイツらは有名になりすぎた、文字どおりアイツらが司会などやろうものなら海馬ランドの運営に支障が出る可能性がある!だからこそ顔のわからない『マスクマン』として子供達にデュエルを見せてほしいのだ!」
…なるほどね、まぁ俺も子供は好きだし…別にいいか!
「わかりました!その話を受けましょう!」
「流石だ遊海、では日曜に海馬ランドに来い!台本はこちらで用意する!」
というわけで海馬ランドで俺はマスクマンとして子供達にデュエルを教えていたのだが…
「それじゃあ最後にマスクマンと参加している子の代表とのエキシビションデュエルを行います!」
女性のアナウンサーさんがエキシビションデュエルの相手を指命する、すると
「やった!ボクだ!」
『よかったね十代!』
「うん!」
現れたのは遊城 十代(9才)だった、マジ…?
後ろにユベルが見えるんですけど!?
「よろしくお願いします!」
『お前…僕の十代に勝ったら承知しないよ…!!』
「さぁ!楽しいデュエルにしよう!」
…やるしかないか…
「「デュエル!」」
十代LP 4000
遊海LP 4000
・テーブルデュエル
「ボクのターン!ドロー!」
「手札から『融合』を発動!手札の『黒き森のウィッチ』と『クリッター』を融合して『クリッチー』を召喚!」
ATK 2100
「(なるほど…小さい頃から【融合】デッキを使ってたのか…)」
「そして『クリッター』の効果でデッキから『ユベル』を手札に加えます!カードを二枚伏せてターンエンド!」
『よくやった十代!僕はいつでも行けるよ!』
「うん!ありがとうユベル!」
十代 LP 4000
クリッチー 伏せ2 手札1
「おっと十代君!いきなり融合召喚を成功しました!
さぁマスクマンはどうするのか!!」
アナウンサーさんが実況をしている、どうするかな…。
海馬さんからは『子供にも手加減しなくていい!バトルシティ準優勝の力を見せろ!』とは言われてるけど…。
「俺のターン!ドロー!」
「手札から『聖刻龍ードラゴンゲイブ』を召喚!」
ATK 1800
「リバースカード発動!『落とし穴』!『ドラゴンゲイブ』を破壊!」
「むっ!?ならば手札から魔法カード『竜の霊廟』を発動!デッキから通常モンスターの『龍王の聖刻印』と『エレキテルドラゴン』を墓地に送る!」
「おっとモンスターを破壊されたマスクマン!魔法カードで挽回できるのか!?」
「手札から魔法カード『銀龍の号咆』を発動!墓地の『エレキテルドラゴン』を特殊召喚!」
ATK 2500
「攻撃力2500!?」
「マスクマン!魔法カードのコンボで上級モンスターを召喚しました!」
「バトル!『エレキテル』で『クリッチー』を攻撃!」
「ああ…やられちゃった…」
『お前…よくも十代を…!』
十代 LP 4000→3600
「マスクマン!十代君の融合モンスターを倒しました!見事な切り返しです!」
「(ユベルがめちゃくちゃ怒ってる!?元祖ヤンデレ怖い!?)」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!さぁ!君のターンだ!」
遊海LP 4000
エレキテル 伏せ1 手札2
「ボクのターン!ドロー!」
「手札から『強欲な壷』を発動!カードを二枚ドロー!」
「そして手札から『融合回収』を発動!墓地の『融合』と『黒き森のウィッチ』を手札に戻します!」
「そして伏せカード『ハンマーシュート』を発動!『エレキテル』を破壊します!」
「おっと!?」
「十代君スゴい!マスクマンの強力なモンスターを倒しました!」
「そして手札から『オシロ・ヒーロー』を召喚!」
ATK 1250
「バトル!『オシロ・ヒーロー』でダイレクトアタック!」
「やるな!十代君!」
遊海LP 4000→2750
「ターンエンドです!」
十代LP 3600
オシロ 手札3
「俺のターン!ドロー!」
「手札から『聖刻龍ートフェニドラゴン』を特殊召喚!このカードは相手のフィールドにモンスターがいる時、特殊召喚できる!」
ATK 2100
「マスクマン!手札から上級モンスターを召喚しました!」
『(主殿…彼は!)』
「(トフェニ…知らない振りをしてくれ!)」
『(御意…!)』
「バトル!『トフェニ』で『オシロヒーロー』を攻撃!」
「またやられちゃった…」
『キサマ…!!』
十代LP 3600→2750
「ターンエンド!」
遊海LP 2750
トフェニ 伏せ1 手札2
「ボクのターン!ドロー!」
「モンスターとカードを伏せてターンエンド!」
十代 LP 2750
伏せモンスター 伏せ1 手札1
「おっと十代君!カードを伏せただけでターンエンドだ…さぁどうなるのか!」
「俺のターン!ドロー!」
「手札から『聖刻龍ーアセトドラゴン』を妥協召喚!
このモンスターは攻撃力を1000にする事で生け贄なしで召喚できる!」
ATK 1000
「そして『アセトドラゴン』を除外して、このモンスターを特殊召喚!来い『レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン』!」
ATK 2800
「攻撃力…2800!?」
「…なあ、あんなカード赤帽子編に入ってなかったよな…?」
「しかもあのデッキの使い方…もしかして…!」
会場がザワツキ始める…
「勘のいい子供達はわかっちゃったかな?それでは『マスクマン』に正体を明かしてもらいましょう…お願いします!」
「(マジか…このタイミングで!?、しょうがない!)」
俺は被っていたマスクを外し、すぐに赤帽子を被る
「ねぇ…あの帽子…もしかして!?」
「マスクマンの正体はバトルシティ準優勝者の白波 遊海さんでした~!」
「「「スゲェ~!本物だ!?」」」
「ボク…伝説のデュエリストと戦ってたんだ!!」
「さぁ続けるぞ…十代君!」
「はい!」
「『レッドアイズ』の効果を発動!手札・墓地からドラゴン族モンスターを特殊召喚できる!手札から『聖刻龍ーウシルドラゴン』を特殊召喚!」
ATK 2600
「スゲェ…攻撃力2000越えが3体…!」
「バトル!『トフェニ』で伏せモンスターを攻撃!」
「破壊されたのは『黒き森のウィッチ』!デッキから『ルイーズ』を手札に加えます!」
「そして『レッドアイズ』でダイレクトアタック!」
「トラップカード『ヒーロー見参!』を発動!来て!ボクのフェイバリットカード!『ユベル』!!」
『僕の出番だね!さぁこんなやつ返り討ちだ!』
ATK 0
「おっと十代君?攻撃力0のモンスターを攻撃表示で召喚したぞ~?」
「あいつ何がしたいんだ?」
「せめて守備表示で出さないと…」
『あいつら十代をバカにして…!』
「バトル!『レッドアイズ』で『ユベル』を攻撃!」
「『ユベル』の効果を発動!戦闘で破壊されず、このカードが攻撃された時相手の攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「リバース罠『抹殺の聖刻印』!『トフェニ』を生け贄にして『ユベル』をゲームから除外する!」
「そんな!?」
『十代!』
十代LP 2750→0
遊海 WIN!
「デュエル終了~!勝者は白波さんで~す!!」
「十代君、君も強かったよ!またいつか戦おう!」
「うん…!」
「でもあれが他のカードならまだ粘れたよな~」
「あれがミラーフォースなら…」
『キサマ…よくも十代に恥をかかせたな!!…喰らえ!』
「ユベル!ダメ!!」
ユベルから魔力弾が遊海に放たれる…!
「ゴッ…くっ…!
それじゃあみんな!またどこかで会おうね!じゃあ!」
遊海は痛みを噛み殺し…舞台を去る…
『アイツ…効いてないのか…?』
「十代君…カードを…君の精霊を大切にするんだよ…!
」
「えっ!?」
「フハハハハ!今のデュエルはどうだったかな?ちびっこ諸君!」
「海馬さんだ!」
「本物だ!」
「今、エキシビションデュエルに参加した者には海馬コーポレーションのカードイラストコンテストの採用権が与えられる!さぁ好きなだけイラストを書くがいい!」
「スゲェ!」
「いいな~!」
「さぁお前達も最強の決闘者を目指して頑張るがいい!フハハハハ!!」
「遊海!見事なデュエルだったぞ!しかしあのこどもに手こずり過ぎだ!」
イベントを終えた海馬が遊海の控え室を訪れ、イスに座った遊海に話しかける。
「……」
遊海は海馬の言葉に反応せず下を向いている。
「おい…どうした?」
海馬が遊海の肩に触れると
「ゴボッ」バタン
「遊海!?どうした!磯野!!救急車だ!」
「ハイ!!」
ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
…意識が覚醒する…白い天井…息苦しい呼吸…機械音…
病院か…?
「俺…は…」
「遊海さん…!よかった!」
俺の横には翠がいた…頭がボーッとする…
「翠…何が…あった…?」
「遊海さん…一週間ずっと意識が戻らなかったんですよ…!何やってるんですか!!」
翠が泣きながら訴えてくる
「遊城…十代…」
「えっ?」
「彼と…ユベルに会った…」
「それじゃあ…ユベルのせいで…!」
「ああ、ユベルの攻撃で内臓が全て壊された…なんとかステージは…やりきったけど…部屋に行った後は覚えてない…」
攻撃力0であの力ってなんなんだよ…。
「遊海さん…不死とはいえ無茶はしないでくださいよ~!」
「ごめんな…翠…」
まさかあんなところで十代と出会うとは…、彼とユベルはどうなるんだろうか…?
そして後日、海馬社長に聞くとユベルは既に宇宙に打ち上げられてしまったらしい…破滅の光待った無しである。