転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

420 / 540
こんにちは!S,Kです!

ついにARC-Vの物語も最終局面…遊矢は、仲間達は…遊海と翠を助け出す事ができるのか…!


これが本年最後の投稿となります、読者の皆様もよいお年をお迎えください!


戦いの果て─英雄を救うのは…─

「…すごいね…この状況は…」

 

「フン…本当に()()()めいてきたな」

LDS・センターコート…遊矢とジャックの超次元ライディングデュエルや、零児との世紀のアクションデュエルに沸いたその場所はそれが嘘のように静かになっていた。

 

…否、()()ではない…時刻は深夜、本来ならば疲れた人々が1日の疲れを癒やす時間だが…この場には数多の決闘者達が集まっていた。

 

 

 

 

「遊海…!必ず、助けるからな…!」

 

「俺達には、彼に返しきれない恩がある…!」

 

まずは次元戦争を乗り越えたランサーズの仲間達、遊矢・柚子・権現坂・沢渡・黒咲・月影・デニス・素良・零児・零羅

 

 

《フォウ、フォーウ!》

 

「フォウ…お前が無事で良かった…!父さん達の居場所を教えてくれてありがとな…!」

 

(飛行船のエネルギー充填は済んでいる、いつでも出発できるぞ)

 

「しかしこりゃ…何を始めるつもりなんだぁ?いや、白波の奴を助ける為ってのは分かるけどよ…」

 

遊海を救出するべくARC次元に乗り込んだ救出隊、チームZEXALの遊馬・アストラル・凌牙・カイト・オービタル7・小鳥・璃緒・ドルベ・真月・アリト・ギラグ・ミザエル・流星・海亜・十代・フォウ、そしてラプラスとブルーノ

 

 

「遊海、翠…もう少しだけ待ってろよ…!」

 

「私にもできる事があるのなら…絶対に力になる!」

 

「まったく…本当にあの2人は世話焼かせだねぇ…」

 

スタンダード次元ヘ転生した『DM』のレジェンド達、遊戯・海馬・城之内・本田・杏子・舞・モクバ・沙良

 

 

「すごいドン!遊海先生の仲間が勢揃いザウルス!」

 

「しかーし、私達全員の力が必要とーは?何をするノーネ…?」

 

「遊海先生…翠さん…」

 

融合次元ヘ転生した『GX』のレジェンド達、翔・亮・万丈目・剣山・明日香・エド・哲夫・クロノス

 

 

「……おい、私まで次元を越える必要はあったのか?」

 

「ええ、貴方の力も必要らしいの…だから慌てて5D's全員で貴方の事を探したのよ?ディヴァイン」

 

「…本当に遊戯や城之内の奴までいるのかよ…俺、場違いじゃねぇか?」

 

「そんな事ないよ!牛尾のおっちゃんもオレ達の仲間だもん!」

 

「ふむ…次元と次元を繋ぐ次元回廊…次元を繋いだライディングコース…リアルソリッドビジョン…この仕組みを応用すれば…」

 

「父さん…今は考えこまないでくれ…」

 

シンクロ次元ヘ転生、ないしその記憶を受け継いだ『5D's』のレジェンド達、遊星・ジャック・クロウ・アキ・龍亞・龍可・牛尾・不動博士・イェーガー・ディヴァイン

 

 

「すごい人数だな、これだけのデュエリストを集めて…デュエル大会でも開くのか?」

 

「流石にそれはないんじゃないかしら…?」

そして、目を覚ました少女達…セレナ・瑠璃・リン…総勢56名、このARC次元の戦いに関わった主要な仲間達が集められていた…!

 

 

 

 

 

「ラプラス、キミの言う通りに各次元の協力者達に声をかけたが…これが白波遊海を救う手助けになるのか?」

 

「『全能の力』によって閉じられた世界…それを無理矢理こじ開けるなら、途方もないエネルギーが必要になるだろう」

 

『ああ…遊海の奴を救うには、文字通り全員の力…いや、()()が必要になる……()()()

 

「「らしい?」」

集められた決闘者達を前に零児と零王親子がラプラスへと問いかける…だが、当のラプラス本人も確信が無い様子を見せていた。

なお、近くには遊勝や日美香の姿もあり、その腕の中ではレイが静かに眠っている…。

 

 

 

『ゆ…武藤遊戯、前に出てきてくれ』

 

「うん……こうして会うのは初めてだね、ラプラス…普通に下の名前で呼んでくれて良いんだよ?」

 

『……お前は()()()じゃない…顔は同じでも……その優しさは…オレに向けられるべきモノじゃない』

 

「そっか…わかった」

集まった決闘者達を前に、遊戯を呼び出すラプラス…その態度は少し冷たく、堅い…遊戯にはその理由が分かったが…一部の決闘者達は小さな疑問を抱いた…。

 

 

『話が逸れたな……()()()()だ』

 

「っ…!?それは!!」

 

「なんだとっ!?」

 

「それは…?」

話を戻したラプラスはコートのポケットからあるモノを取り出す、それを見た遊戯や海馬は驚き、遊矢は首を傾げている、

 

 

ラプラスが取り出したモノ…それはウジャト眼が刻まれた()()()()()()──千年パズルだったのだ。

 

 

「どうしてそれを!?この次元には存在しないはずなのに!?」

 

『言っただろ?預かり物だって……()()()()、だそうだ…意味は分かるだろ?』

 

「───分かった、ありがとうラプラス」

ラプラスの言葉の意味を理解した遊戯は千年パズルを受け取り、ネックレス代わりの鎖を使って首から下げる…それは懐かしい重みだった。

 

 

「───力を貸して、()()1()()()()…ううん、アテム!」

 

 

キィン─

 

 

「な、なんだ!?」

 

「眩しっ!?」

 

「こ、これーは…!?」

 

「遊戯さん!?」

 

「一体なにが…!?」

遊戯が優しく千年パズルに触れた瞬間、夜闇が真昼に変わるほどの光が放たれる…その光に事情を知らない者達は戸惑い、事情を知る者達も失われた()()の再演を前に目を見開く。

 

 

 

そして──『王』は遥かなる時を超え、再び現世へと降り立つ

 

 

 

【───よく集まってくれた、誇り高き決闘者(デュエリスト)達…お前達を集めたのは──()()だ】

 

「「「っ!?」」」

 

光の中から厳かな声がスタジアムへと響く…それは遊戯の声色に似た異なる声…そして、光が収まった先に彼は立っていた。

 

そこにいたのは誰よりも優しい柔和な青年ではない、着崩した童実野高校の制服を肩から羽織り、鋭い目で集まった決闘者達を見据える…事情を知らない者達は本能で理解した。

 

 

彼は──『王』であると。

 

 

「…武藤、遊戯…?いや、明らかに雰囲気が違う…!?貴様…いや、貴方は…何者だ!!」

張り詰めた空気の中で零児が震える声で遊戯へと問いかける…ズァークのような『悪』の存在である事を警戒したのだ。

 

 

『心配するな、赤馬零児…彼は悪人ではない──彼は古代エジプトから失われた偉大なる「名もなき(ファラオ)」にして、『決闘王』の称号を最初に得た決闘者…その名はアテム、武藤遊戯の相棒にして白波遊海の一番の親友だ』

 

「『決闘王』武藤遊戯に宿りし、名もなきファラオ…!?本物!?」

 

「マジッスか!?」

 

「まさか…伝説中の伝説の決闘者と出会う事になるとは…!?」

 

「フン…貴様なら来ると思っていたぞ、アテム」

 

「アテム!冥界から来てくれたの!?」

ラプラスの言葉を聞いた決闘者達は驚愕する…特に幼い頃から遊戯の伝説を知るGX組や記憶を通してその存在を知るシグナー組は驚きが大きい。

 

なお、彼と長い時間を過ごしたDM組は冥界から彼が来てくれた事にびっくりしていた。

 

 

 

【オレはそんな大層な存在ではないさ…お前達と同じ、友を救いたいと願う1人の決闘者だ……オレが現世に居られる時間はそう長くない、要件を…遊海を救う為の方法について話そう】

驚いた決闘者達の姿に苦笑しながら語るアテム…そして彼は掛け替えのない友人を救う為の方法を伝える。

 

 

【遊海と翠は今、この世界…ARC次元の中心空間に閉じ込められている…そしてその空間は『ヌメロン・コード』の力によって覆われ、並の手段では干渉する事はできない…だが、お前達…特に遊海と共に過ごした()()()()()を持つ者達には、それを破る手段がある】

 

「ボク達に、そんな力があるッス…?」

 

「精霊の力か…?ここにいる決闘者のほとんどは持っているはずだ」

 

『いや、違う…物理的な力では、あの壁は突破できない……数時間、あの壁を殴り続けたオレが断言する』

 

「ラプラス…そんな事してたからボロボロになってたんだね…」

遊海と共に過ごした記憶を持つ決闘者達に事態を解決する手段がある事を伝えるアテム…だが、彼らにはその力に心当たりが無かった…。

 

 

「──アテム!もしかして、()()か!?」

 

「えっ、城之内さん!?」

その時、何かに気付いた城之内が胸に手を当てる…そして、その手の中に暖かな光が生まれる…その正体は──

 

 

「それは…俺達をこの世界に導いた『絆の欠片』か!!」

 

「絆の欠片?」

その光を見た海馬が光の正体を口にする…事情を知らない他の決闘者達は首を傾げている…。

 

 

 

【城之内君、その通りだ…お前達の中でこの次元の『創世記』を聞いた者はいるか?】

 

「私や遊矢は遊海本人から聞かせてもらった…『世界』においてズァークを足止めすべく白波遊海が戦ったが、虚無の邪神による干渉によって失敗…その後に我が父・零王とレイが大自然の力を宿した『エン』シリーズというカードによってズァークの討伐を図ったが…ズァークの力と『エン』シリーズの力が衝突して世界が分裂しかけ…それを防ごうとした白波遊海の力とズァークを隔離していた『ヌメロン・コード』の力の4つが干渉しあい、召喚法の名を冠した4つの次元を内包したARC次元が誕生した…そう聞いている」

アテムの問いかけに零児が答える…世界を守るべく命を賭けた英雄の奮闘を…。

 

 

【その通りだ…そして次元分裂を防ごうとした時、遊海は繋いだ『絆』の象徴たる力、NEXUSと言う姿になっていた…ズァークとのデュエルで見た者が多いだろう…遊海は自分自身を『楔』として、引き裂かれる世界を繋ぎ留めようとした……しかし、繋ぎ留め続ける事はできず、NEXUSは砕け…遊海は記憶を失ってこの世界に流れ着いた……そして砕けたNEXUSの欠片には遊海の『繋げる』という強い意思が宿り…現世と冥界の()()を超え、遊海と『絆』を結んだ仲間達のもとへと繋がった…】

 

「それで冥界…あの世でこの欠片を掴んだ俺や遊戯は遊海を助ける為に、この世界に転生して来たのさ!」

 

「それでは…俺達が融合次元へ生まれ、記憶を取り戻したのは…遊海先生との『絆』が結ばれていたから…」

 

【ああ、自覚があるにしろ無いにしろ…記憶を持つ者にはその『絆の欠片』が宿っているだろう】

ARC-Vの物語におけるイレギュラー『絆の欠片』について説明するアテム…その言葉を聞いた亮は自分が転生した原因を聞いて納得した…。

 

 

 

 

(繋がる…絆…現世と冥界……っ!アテム王、私の推測が正しければ──「絆の欠片」はまだ()()()()()()()()()()()()()()()?NEXUSはランクアップした遊海の『魂』の姿…つまり、「絆の欠片」は遊海の魂の一部とも言えるはずだ)

 

【その通りだ、アストラル…今もなお遊海とオレ達は()()()()()()

アテムはアストラルの推測に頷く…それと共に城之内が手にしていた『絆の欠片』から細い光が伸びていき…近くの次元回廊の奥へと消えていった…。

 

 

「あ…繋がってるなら、オレ達と遊海の絆が途切れてないなら!壁には()がある!」

 

【そうだ…だが、あくまでも繋がっている()()…それだけでは『ヌメロン・コード』の守りを突破する事はできない】

 

「なら…()()()()いい!一本一本は細い繋がりでも…糸を編んで縄にすれば、強くなる!オレ達の絆を束ねて、遊海さんを助けるんだ!」

アテムの言葉から遊馬と遊星が答えを導き出す…絆の力を束ね、『壁』を乗り越える…この場に集いし決闘者達はそれを何度も成し遂げてきたのだから…!

 

 

 

【しかし、問題もある…単純な縄では束ねても『壁』を突破する事はできない…絆を束ね、壁を貫く()…それを用意できれば…遊海達を助ける事ができるはずだ】

 

「刃…そんなのどうすれば…」

 

「『絆の欠片』は強いエネルギーの塊…だが、実体はない…何かを()として、その力を安定させる事ができれば…」

 

《そんなの()()()()()でもない限り不可能だね…例えるなら…遊海の「No.∞」とか、それこそ千年アイテムみたいなね》

『壁』を突破する為の「刃」…実体のない力を宿し、力に変えるモノ…ユベルの言う通り、特殊な力を宿すモノでなければ不可能だろう…。

 

 

「っ…父さん…父さんなら、どうする…!白波遊海なら、破れない壁をどう破る…!?考えろ…考えろ…!!」

 

「凌牙…」

遊海達を救う為の最後の難問に頭を悩ませる凌牙…その拳からは血が流れ…璃緒は心配そうに寄り添う…。

 

 

 

()()()()()()──っ!!…そうか…賭けてみる事はできるか…』

 

「ラプラス、何かアイデアがあるのかい?」

その時、凌牙の姿を見ていたラプラスが何かを閃く…!

 

 

 

『流星、お前のDホイールはあるか!』

 

「えっ、あ…遊馬の飛行船にあります!」

 

『アストラル、取り出してくれるか?』

 

(了解した…だが、何をするつもりだ?)

何かを思い付いたラプラスは流星のDホイールをスタジアムへと運び込む…。

 

 

 

『遊海から聞いた覚えがある…あいつが流星と初めてライディングデュエルをした時、お前が()()の幻影を見たと……そのDホイールは遊星のDホイールを受け継いだモノだと…ならば…!』

ラプラスは流星のDホイールのエンジン部…モーメントへと手をかざす…!

 

 

『我が真名、ラプラス=シーカー……いいや、()()()()()()()の名の下に告げる!我が力の欠片…未来へと託した希望よ…!我が魂に応えよ!!』

 

キィン─!

 

ラプラスがかざす手に力を込める…それに呼応するように、モーメントから光が溢れ出した…!

 

 

「えっ…ラプラスが、ユウミ…?遊海と、同じ名前…?」

 

「どういう事なの…?」

 

「…聞いたままの通りだ、遊矢…ラプラスの本当の名前はシラナミユウミ…遥かな未来の果てで…道を踏み外してしまった遊海さんの()()()の姿…それが、彼の正体なんだ」

 

「っ…もしもの、遊海…」

 

『遊星、榊遊矢、オレの事なんてどうでもいい…選択を間違えたオレの「物語」は既に()()()()()───だけどさ、お前達と絆を結んだ『白波遊海』の「物語」はこれからも続いていくんだ…あいつが歩み続ける()()()()()()()()は…』

ラプラスの真名を聞いて戸惑う遊矢と柚子…そんな彼らに遊星がその正体を告げる。

 

そして、思わぬ真実に戸惑う遊矢達を前にラプラスが自分の来歴を気にしないようにと声をかける…遊矢達が共に歩むのは自分ではない白波遊海なのだからと…。

 

しかし、そう言ったラプラスの横顔に…穏やかな遊海の面影が重なった事に遊矢達は気付いていた…。

 

 

キィン─!

 

 

『───()()()()からずいぶん永い時が過ぎたが……よく残っていてくれた──()()()

 

「これ…遊海の奴と同じ…」

モーメントから溢れ出た光がラプラスの手の中で形になっていく…そして、光の中から現れたのはウジャト眼の刻まれた金色の卵型の神器、転生者である遊海に与えられた『千年玉』と呼ばれる千年アイテムだった。

 

 

『アテム、これを鋳溶かし…核にすれば、「絆の欠片」を束ねる()になるか?』

 

【ああ、充分に器になり得るだろう…だが、いいのか?遊海(ユウミ)

 

『元々、自分から手放した力だ…これであいつらを助けられるなら、安いもんさ』

アテムによるお墨付きを聞いたラプラスは千年玉を空中へと放り投げる!

 

 

【さぁ!これで準備はできた!『絆の欠片』を持つ者達は自分と遊海を繋ぐイメージを…そして、遊馬や凌牙のような遊海と共に『今』を生きる者達は遊海や翠との『絆』を思い、()()!それが…遊海達を救う為の力になる!!】

 

「「「わかった!」」」

アテムの言葉を聞いた決闘者達はそれぞれに祈る…ある者は手を組み、ある者は胸に手を当て…手を繋ぎ…遊海達を救う為に…。

 

 

 

 

 

《遊海、僕達はずっときみ達に守られてきた…だから、今度は僕達の番だ!》

 

「お願い…帰ってきて…遊海!翠ちゃん!」

 

「オレ達の絆は絶対に断ち切れねぇ!」

 

「届いてくれ…!」

 

「遊海、翠…アタシがどれだけ心配したと思ってるんだい…!さっさと帰るんだよ…アンタ達の世界に!」

 

「遊海、さっさと帰ってこい!」

 

「翠さん…!」

 

「っ〜!!!」

 

 

「遊海先生…!一緒に帰って、デュエルしようぜ!」

 

「遊海先生も翠さんも…私達をずっと導いて、守ってくれた…!」

 

「次元戦争でも、先生達が先陣を切ってくれたから戦えたッス…!」

 

「大いなる力には、大いなる責任が伴う…ずっと重い責任を背負ってきた貴方達を助けたい…!」

 

「うう〜!恐竜さんの絆パワー!遊海先生に届いてくれザウルス〜!」

 

「先生…翠さん…!ボクの思いも届いて欲しいんだな…!」

 

「っ…頼む…!先生…!」

 

「転生しても…ボクの受けた恩は返しきれない…!遊海先生…!」

 

「セニョール遊海…!セニョーラ翠…!貴方達には幸せになる義務があるノーネ!」

 

 

「貴方と遊矢の力があったから、シティは新たな未来へと進む事ができた…!今こそ、オレ達の力を1つに…!!」

 

「遊海、貴方がいなければ…俺は燃え尽きたままだった…!」

 

「アンタ達はいつも無理してばっかりだったよな…!こんな時だからこそ…助けさせてくれ…!!」

 

「お願い…!私達の祈りを届けて…!」

 

「うぅ〜!!帰ってきて!遊海─!翠─!」

 

「お願い…!」

 

「……遊海、お前に救われた者として…友として…!お前を助けさせてくれ…!」

 

「本当によぉ…!なんでお前といると面倒事にばっかり巻き込まれるんだろうな!あの時みたいに帰って来い!!」

 

「前世での事も含めて、私は貴方の貢献に報いる事ができていません…!しかし、祈る事が貴方を救う事になるのなら…いくらでも祈りましょう!!」

 

「遊海さん…貴方は私達の息子をずっと守り、導いてくれた…!だから、今度は私達に貴方を助けさせてくれ…!」

 

 

「遊海…!本当は、オレが一番頑張らなきゃならなかったのに…無理させてごめん…!戻って来てくれ…!」

 

「翠さん…!また、お料理を教えて欲しいんです…!だから…帰って来て…!」

 

「父さん…母さん…!必ず助ける!だから、待っててくれ!!」

 

「お父さん…母さん…!絶対に迎えに行く…助けてみせる!!」

      

「あの時、オレが戦場にいれば運命は変わったかもしれない…白波さん、貴方を助けられなければ…オレが来た意味がない!!」

 

《貴方のおかげでオイラはオボミさんに出会えたでアリマス…!カイト様やハルト様、フェイカー様も家族の絆を取り戻せたでアリマス!その御恩は、まだ返せていないでアリマス─!!》

 

「遊海…貴方は敵であった我らを受け入れ、守ってくれた…その恩を返すのは今だ…!」

 

「…遊海、アンタを助けてぇんだ…!アンタを死なせた事の償いをさせてくれ…!」

 

「うおお!!熱血の絆の力!届きやがれ─!!」

 

「アンタにはポン太共々世話になってんだ…!神様仏様…ドン・サウザンドでもいいから…!遊海を助けてくれ…!」

 

「私は神に祈った事はない…しかし、お前の為にならいくらでも祈ろう!」

 

「遊海さん…!翠さん…!おじいちゃんもおばあちゃんも、夏菜も…みんな、2人が帰ってくるのを待ってます!!」

 

「遊海さん…アタシは、アンタを救う為にじいちゃんに『魂』を預けられてきたんだ…!だから、絶対に助ける!!」

 

「遊海…翠さん…!アーククレイドルでアポリアもパラドックスも…Z-ONEもキミ達を心配してる…キミ達の未来はここからなんだ!!」

 

『(────早く帰るぞ、馬鹿夫婦…これ以上、エメルや大切な子供達を心配させんじゃねぇ…!)』

 

《フォウ…!(ボクのなけなしの魔力…ここで使い切ってもいい…!ボクは…きみ達とずっと一緒にいたい!みんなで家に帰りたいんだ!!)》

 

 

「兄さんから聞いたんです…貴方が、私達を助ける為の力をくれたって…お礼を言わせて欲しいんです!!」

 

「…遊海、お前はアカデミアの戦士だった私を色眼鏡で見ず、仲間として接してくれた…攫われた私を助けてくれた…!だから…だから…!!」

 

「貴方がいたから、ユーゴは私を助けられたって言ってました…!私の祈りが、少しでも力になるのなら…!」

 

 

「白波遊海…翠…私とレイは余計な事をして、貴方達を苦しませてしまった…!貴方達の力があったから、レイを取り戻す事ができたんだ…!その貴方達が苦しんでいるなら…私は…!!」

 

「遊海…貴方の魂の籠められた拳…あれがなかったら、私は遊矢や遊希の苦しみを知らないままだったかもしれない…!そして、息子を救ってくれた貴方を…私は助けたい!!」

 

 

「遊海さん…あなたがいたから、兄様と母様と零王父様は仲直りできた…レイも助けてくれた…」

 

「貴方の力なくして、次元戦争やズァークとの決戦を乗り越える事はできなかった…!私は改めて、貴方に礼を言いたいんだ…!」

 

「…遊海と過ごした時間は短かったけど…あなたは本当に世界を救う英雄だった…!英雄が帰ってきて、初めてハッピーエンドなんだ…だから…!」

 

「遊海、ボクと貴方の接点はほとんどないけど…祈らせてくれ…!貴方が帰って来てくれないと…遊矢は本当の意味で笑顔になれないんだ…!」

 

「拙者も貴殿との関わりは薄かった…だが、貴殿こそ世界を救った英雄…!どうか、戻って来てくれ…!」

 

「…お前がいたから、俺は自分を見失わずに瑠璃を助け出す事ができた…!新たな友を得た…!届いてくれ…!」

 

「オレはさ、アンタに守られてばっかりでほとんどいいトコなしだった…だからさ、祈らせてくれ…!」

 

「…遊海…貴方がいたから、遊矢や柚子を救う事ができた…取り残された貴方を助けたい…!!」

 

「遊海さん…!シンクロ次元で私を迎えに来てくれて、遊矢と再会させてくれてありがとう…!」

 

「遊海…アンタがいなかったら…オレ達だけじゃ、次元戦争を止める事も、ズァークを救う事もできなかった…!なのに、遊海ばっかり辛い目に遭わせて…!オレは、アンタを笑顔にしたい!笑顔で会いたいんだ──!!」

 

それぞれの思いを抱いて祈る決闘者達…その体は虹色の光を纏い、祈りの力が空中に浮かぶ千年玉へと集中していく…。

 

 

 

 

【……感じるか?遊海、翠…お前達を思う仲間や家族の想いを…お前達が守り、導いてきた希望の光……それが、お前達を導く光になる】

 

 

キィン─!!

 

 

アテムの言葉と共に『絆の器』となった千年玉に変化が起きる。

 

虹色の光に包まれた千年玉の形がゆっくりと解けていく…手のひら大だった大きさは元々の数倍以上に大きくなり、解けた光が編み込まれていくように鋭い何かの形へと形成されていく───

 

 

 

【──完成だ、これが…境界を破る為の刃…】

 

『刃…というか………()だな……そうか、この世界では()()()()()が世界を救う為に戦った…だからこの形になった訳だ』

 

「というか…()()()()()()!?あんなの普通の人間じゃ使えないって!?」

変化した「絆の器」…その姿は虹色の光を纏う、巨大な白い塔のような馬上槍(ランス)だった…穂先は金色に輝き、柄から護拳にかけては編み込まれたような白い鋼が輝いている。

 

問題はその()()さ…それは明らかに人間の力では使えない、モンスターサイズの槍だったのだ…その大きさに遊矢は思わず突っ込んでしまう。

 

 

キィン──

 

 

《ほうほう…!遊海君が帰ってくるのにやけに時間がかかると思って覗いてみれば…中々面白い事になっているね!まさか、新たな宝具の誕生に立ち会う事になるとは!》

 

(マーリン、また来たのか…いや、遊海のファンを公言する貴方なら当然か…)

スタジアムの一角に花吹雪が舞い上がり、白いローブを纏う魔術師…マーリンが現れる、遊海達の帰還が遅れている事が気になって様子を見に来たのだ。

 

 

《やぁ、アストラル!決闘者の諸君もご機嫌よう!さっきぶりのマーリンお兄さんさ!と、挨拶はそこそこに…僭越ながら、その槍に名前を付けさせてもらおうか!》

決闘者達の頭上で輝く白い槍を見たマーリンは穏やかに語り始める。

 

 

《キミ達の頭上に輝く白き槍…それは生と死の境界すらも貫く『絆』の結晶、遊海君の持つ『魂の大剣』に倣って…この名を捧げよう──『最果てにて輝く軌跡の槍』…アーク・ロンゴミニアド、と!》

 

 

キィン─!

 

マーリンによる命名を受けた白き槍が優しい光に包まれ、収縮…1枚のカードとなって、遊海の息子である凌牙の手の中に収まった…。

 

 

 

 

「これが、父さん達を助ける為の力…!」

 

【そうだ、あとはその槍を「壁」へと突き立てれば…お前達はARC次元の中心世界に入れるはずだ───そろそろ()()か…】

凌牙へと遊海を救う力を託したアテムは静かに千年パズルへと触れる、そして一瞬の閃光と共にその姿は遊戯と分離した…。

 

 

「…アテム、ありがとう」

 

【良いんだ……オレはもう、冥界に戻らなくてはならない……せっかく手に入れた2度目の人生だ、みんなで楽しく過ごすといい…また会おうぜ──相棒】

 

「──うん!またお土産話をいっぱい持っていくよ…もう1人の僕!」

遊戯と短い別れの言葉を交わしたアテムは千年パズルのウジャトの眼を手で覆う…そして、千年パズルは光の粒子となって消え去り…光の軌跡を残し、アテムは境界の先へと戻って行った…。

 

 

 

 

『アテム、ありがとな───お前達!これで、遊海達を救い出す準備は整った!オレ達はこのまま、ARC次元の中心部へと向かい…遊海と翠を救出する!』

アテムに小さく感謝したラプラスが声を張り上げる!

 

 

『しかし、中心部は未知の世界…何が起きるか分からない!故に、向かうメンバーを指定させてもらう!「人間界」から来たチームZEXALは全員、それから…武藤遊戯・城之内克也・海馬瀬人、そして──』

 

「っ…ラプラス!オレも、遊海を助けに行かせてくれ!!」

 

「遊矢…!」

未知の世界に乗り込む事から向かうメンバーを指名していくラプラス…その様子を見た遊矢が声を上げた…!

 

 

「遊海が戻って来なかったのは、オレの…ズァークのせいなんだ!だから、責任を…遊海を助けるメンバーに入れて欲しいんだ!」

 

()()()、遊矢…お前には立ち会う義務がある…残りのメンバーは榊遊矢!柊柚子!赤馬零児!以上、オレを含めた22名で遊海と翠の救出に向かう!アストラル、頼むぞ!』

 

(了解した!用意ができた者からフラッシュ・トランサーで飛行船に乗り込んでくれ!)

 

「「「了解!」」」

 

「待っててくれ、遊海!必ず助ける、」

そして…準備を整えた決闘者達は次元回廊を通り、ARC次元の中心部へと向かった…。

 

 

 

………

 

 

 

 

『っ…』

 

(ラプラス、大丈夫か?)

 

『……大、丈夫……少し、力を使い過ぎたみたいだ……まったく、馬鹿遊海が……もう少しで、中心空間なのに…!』

次元回廊を進む次元飛行船…そんな時、気を張り続けていたラプラスが膝をつく…力を使い過ぎた事で限界を迎えてしまったのだ…。

 

 

『くそ…肝心な時に、やくにたた、ないのは、オレも…おなじ、か──』

 

「あっ…ラプラス!?」

 

「大丈夫、気を失っただけだよ……お疲れ様、ラプラス…大丈夫、きみの思いは…みんなも分かっているから…」

肉体的にも、精神的にも限界だったラプラスは気を失ってしまう…慌てて遊馬が駆け寄るが…彼の体を受け止めたブルーノの腕の中でラプラスは眠りに落ちた…。

 

 

 

 

 

 

「あれが、この世界の中心部…!」

 

《計器による解析完了…あの空間を覆っているのは『ヌメロン・コード』の力を含んだ、強力な『スフィア・フィールド』でアリマス!》

 

(それは…並大抵の手段では突破できないはずだ…!)

そして、次元飛行船はついにARC次元の中心部に到達した…そこに広がっていたのは…巨大なスフィア・フィールドに覆われた、隔離された空間だった…。

 

 

 

「どうする、凌牙」

 

「決まってんだろ…あの中から、父さんと母さんを助け出す!力を貸してくれ、遊馬!アストラル!カイト!」

 

「よしきた!!行くぜ、アストラル!」

 

(ああ!あのスフィアフィールドを破るには、強力な力が必要だ!)

 

「いくぞ!」

 

《フォウ!!》

強力なスフィアフィールドを前に三勇士達は頷き合い、甲板へと飛び出した!

 

 

 

 

いくぜ、アストラル!オレと!

 

私で!

 

オーバーレイ!!

   

甲板から飛び出した遊馬とアストラルはその身を光に変え、異次元空間を旋回する!

 

 

絆は進化する!より強く!より固く!!

 

絆結ばれし時!力と心が1つとなり、光の奇跡と伝説が生まれる!!

 

アルティメット・エクシーズ・チェンジ!ZEXAL!!

 

遊馬とアストラル、固い絆で繋がった2人の魂が重なり合い…「奇跡の勇者」ZEXALⅢが現れる!

 

 

 

「いくぜ、現れろ!『F No.0』!」

 

00

 

「天馬!今こそ解き放たれ、縦横無尽に未来へ駆ける!!これがオレの天地開闢!オレの未来!!『未来皇ホープ』!!」」

そして現れるのは「F(フューチャー) No.0」…遊馬自身のナンバーズである未来皇が現れる!

 

 

(遊馬!私達の絆の力を合わせるぞ!!)

 

「ああ!オレは『未来皇ホープ』1体でオーバーレイネットワークを再構築!ユナイト・エクシーズ・チェンジ!!」

さらに未来皇は再び銀河へと飛び込み、光のビッグバンが次元を照らす!

 

 

「現れろ!『F No.0』!!」

 

 

00

 

 

「解き放たれし天馬と希望の記憶が合わさりし時、解き放たれるのは新たな天地開闢!希望の未来!!かっとビングだ!オレ!!『未来龍皇ホープ』!!」

希望の光が降りそそぐ中、新たな希望が降臨する…それは遊馬とアストラルの結束の証、ナンバーズの頂点たる龍の力を宿す未来の皇『未来龍皇ホープ』!

 

 

「カイト!!」

 

「いくぞ!現れろ!銀河究極竜!『No.62』!!

 

 

62

 

宇宙に彷徨う光と闇…その狭間に眠りし哀しきドラゴン達よ!その力を集わせ、真実の扉を開け!『銀河眼の光子竜皇』!!

カイトが投擲した青き聖剣が次元を切り裂き、光のドラゴンを呼び覚ます!

 

 

 

「凌牙!」

 

「父さん…母さん!今、助けに行く!!目覚めろ!オーバー・ハンドレット・ナンバーズ!!」

 

 

          107

             106

         105

             104

         103

             102

           101          

 

凌牙がその身に宿すカオスを開放…その背後に7体のカオス・オーバー・ハンドレット・ナンバーズ…「CNo.101S・H・Dark Knight」「CNo.102神葬零嬢ラグナ・インフィニティ」「CNo.103光堕天使ノーブル・デーモン」「CNo.104仮面魔踏師アンブラル」「CNo.105BK-彗星のカエストス」「CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンドレット」「 CNo.107超銀河眼の時空龍」が並び立つ!

 

 

「そして!オレは7体のカオス・オーバー・ハンドレット・ナンバーズでオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

そして、7体のカオスナンバーズは光となり…凌牙の絆の象徴を呼び覚ます!

 

 

混沌の具現たる軍神よ!切なる願いを我が元へ…集え!七皇の絆!『CX─冀望皇バリアン』!!

混沌の光の爆発の中から凌牙の切り札…赤き鎧を纏いし冀望の軍神が降臨する!

 

 

 

(シャーク!みんなの『絆』を束ねるんだ!)

 

「ああ!!装備魔法『最果てにて輝く軌跡の槍(アーク・ロンゴミニアド)』を『冀望皇バリアン』に装備!!」

赤き軍神の手に輝く白き槍が握られる!

 

 

「遊馬!アストラル!カイト!頼む!!」

 

「おう!いっけぇ!『未来龍皇ホープ』!!」

 

「「ランドチャリオッツ・ストライク!!」」

そして、冀望皇と未来龍皇が共に白き槍を掴み…渾身の力で投げ放つ!!

 

「スフィア・フィールドを貫け!エタニティ・フォトン・ストリーム!!」

さらに希望の竜皇の青き息吹が投げ放たれた槍を加速させる!

 

 

「「「「「いけ──!!!」」」」」

凌牙達3人の全力が込められた白き槍は…虹色の光を放ちながらスフィアフィールドへと激突する!!

 

 

「っ…これでも、ダメなのか!?」

 

「そんな…!!」

 

スフィアフィールドと白き槍が衝突…激しい火花が散り、スフィアフィールドに罅が入る……だが、槍はそれ以上進まず…少しずつ勢いが弱まっていく…!

 

 

 

「まだだ!!ホープ剣ドラグーンスラッシュ─!!」

 

「ランドチャリオッツ・スラッシュ!!」

 

「エタニティ・フォトン・ストリィィム!!」

しかし…遊馬達も諦めない、それぞれのモンスター達の攻撃をスフィアフィールドへとぶつける…それでもスフィアフィールドは砕けない…!!

 

 

 

「父さん…!みんな、父さんや母さんを助ける為に力を貸してくれたんだ…!!だから…だから!!」

 

「シャーク…!」

凌牙の必死の思いも虚しく、白き槍の放つ光が弱まっていく…。

 

 

 

 

「まだだ!諦めてたまるか!!」

 

「っ…遊矢!?」

その時、攻撃の余波によって大きく揺れる飛行船の甲板に遊矢が飛び出し、声を上げる!

 

 

「オレは遊海に守られて、助けられてばっかりだった!そのお礼も言えてないのに…こんな所で止まってなんかいられないんだ!!」

 

「その通りだよ、遊矢君…!僕達は、こんな所で止まってなんかいられない!!」

 

「破れないなら…破れるまで威力を上げればいい!!」

 

「全能の力なんかで…オレ達の絆を阻めると思うな!!」

 

「遊海先生!アンタがどんなピンチでも諦めなかったように…オレ達も絶対に諦めない!!」

 

「みんな…!」

そして甲板に出てきたのは遊矢だけではない…遊戯、海馬、城之内…そして十代…仲間達は力を振り絞る!

 

 

「『ブラック・マジシャン』!黒・魔・導!(ブラック・マジック)!」

 

「『真青眼の究極竜』!ハイパー・アルティメット・バースト!!」

 

「『真紅眼の黒竜』!黒炎弾(ダーク・メガフレア)!!」

 

「来い!『ゴッド・ネオス』!レジェンダリー・ストライク!!」

最強の魔導師・究極竜の息吹・黒き炎の息吹、そして絆と友情の光弾がスフィアフィールドに突き刺さる!

 

 

「『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!その二色の眼で…壁を打ち破れ!!螺旋のストライク・バースト!!」

そして…甲板に現れたオッドアイズから放たれた赤と黒の螺旋の炎がスフィアフィールドと拮抗する白き槍の石突に直撃する!!

 

 

キィン─!

 

 

「っ…この光は!?」

 

「アーク・ロンゴミニアドが…!」

そして白き槍に変化が起きる…白き槍の纏う光が強まっていき、虹色の光が螺旋状に渦巻く槍に変わったのだ…!

 

 

(そうか…!『ヌメロン・ピース』の使用権はARC次元を生み出した遊海とズァークにある…つまり、ズァークの力を受け継ぐ遊矢も()()()()()()()()!)

 

「それって─!?」

そして、アストラルが遊矢の隠された力に気付く…ズァークの力を受け継ぐ遊矢は、この次元において遊海と同じく「全能の力」を使う権利を持っていたのだ…!

 

 

「いっけぇぇ──!!」

遊矢の魂の咆哮が響く…そして──

 

 

バキ…バキ…バキーン!!

 

槍の穂先がスフィアフィールドを貫通…スフィアフィールドに風穴を開けた…!

 

 

「や、やった!!スフィアフィールドを破った!!」

 

「っ…まだだ!少しずつ()()されている!!早く通り抜けなければ、やり直しだ!!」

スフィアフィールドを貫けた事で歓声を上げる遊馬…だが、カイトが声を上げる…ようやく開いた風穴が少しずつ塞がり始めていたのだ…!

 

「璃緒!いくぞ!掴まれ!」

 

「うん!!」

 

「『砦を守る翼竜』を召喚!」

 

「頼むぜ!レッドアイズ!!」

 

「榊遊矢!いくぞ!飛行船では間に合わん!!」

 

「う、うん!!」

モンスターの力を借りてスフィアフィールドに飛び込んでいく遊馬や遊戯達…その様子を見た海馬が遊矢へと声をかける!

 

 

「遊矢!」

 

「我々も急ぐぞ!」

 

「柚子、零児…ああ!『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』!頼む!!」

 

「『DDD超死偉王ホワイテスト・ヘル・アーマゲドン』!!」

 

《フォーウ!!(ボクも乗せてー!!)》

 

「わっ!?フォウくん!?」

そして遊矢は柚子やフォウと共にクリアウイングに乗り、零児も自分のモンスターを喚び出してスフィアフィールド内部へと飛び込んだ…!

 

 

 

「遊馬、凌牙、遊矢、遊戯さん…先生達の事、頼んだぜ…!」

 

そして、スフィアフィールドの穴が完全に塞がる…あえて飛行船に残った十代は仲間達に全てを託した…。

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

「ここが、オレ達の世界の中心…」

 

「…きれい…」

 

(アストラル世界に似た環境だな…キミ達にとっては聖域や神域、と言った方が伝わりやすいか…)

スフィアフィールドを抜けて中心空間へと降り立つ遊矢達…彼らが見たのは、一言では言い表せないような神秘的な世界だった。

 

 

空は夜空のように暗く…星が瞬いているが、昼間のように明るく…空中には優しい光を放つ水晶が浮かんでいる。

 

周りには古代の神殿を思わせる石の柱が立ち並び、色とりどりの花が咲き誇り…心が穏やかになるような空気が流れていた…。

 

 

 

「シャーク、この場所…」

 

「ああ、何処となく似てるな…あの時の場所に…」

そして、遊馬と凌牙はその場所に似た場所に覚えがあった…バリアン世界とアストラル世界、そして人間界を守る為に遊馬と凌牙(ナッシュ)が自分の信じる「信念」をぶつけ合った場所…その場所に似ていたのだ。

 

 

《フォウ、フォーウ!!(みんな!こっちだよ!!)》

 

(フォウが道案内してくれるらしい、行こう!)

 

「ああ!行こうぜ遊矢!」

 

「うん!」

フォウが遊馬達を導くように声を上げる…遊矢達はその後ろ姿を追いかけた…。

 

 

 

キィン…

 

 

 

「あ…!あれ!!」

 

「間違いない…『ヌメロン・ピース』だ!」

フォウに導かれて穏やかな世界を進み続けた遊矢達は広場のような場所に辿り着く、そして空を見ていた柚子が空中に浮かぶ赤と青の光に気付いて声を上げた…そこにあったのは、紛れもなく全能の欠片『ヌメロン・ピース』だった…。

 

 

 

《凌牙…遊馬…遊戯さん…!来てくれたのですね…》

 

《よ、よかった…!私達じゃスフィア・フィールドを抜けられなくて…!》

 

「あっ…彩華!ウィンダ!」

 

「っ…父さん!母さん!!」

 

そして、凌牙達が到着した事に気がついた者達が声を上げる…それは人間体のアヤカと霊獣モードのウィンダだった。

そして座り込んだ、ボロボロの彼女達の膝の上には介抱される遊海と翠の姿があった。

 

その姿を見た凌牙達は急いで彼らへと駆け寄った…。

 

 

 

 

「母さん!しっかりして!母さん!!」

 

「っ…うう…璃緒、ちゃん…?」

 

「ああ…!よかった…よかったぁぁ…!!」

気を失った翠を揺さぶる璃緒、その声を聞いた翠は目を開き…璃緒は泣きながら翠へと抱きついた…。

 

 

「心配かけて、ごめんね…疲れて…動けなくなっちゃった…」

 

「もう…!お父さんも母さんも無理し過ぎなのよ!回復魔法で治すから大人しくしてて!!」

 

「あはは…怒られちゃった…」

 

《フォーウ…(そりゃ、璃緒も怒るよ…)》

璃緒は疲労困憊の翠へと治療を施す…頼れるようになった娘の姿を見た翠は穏やかに笑っていた…。

 

 

 

 

「遊海!しっかりして!助けに来たんだ!」

 

「父さん!起きてくれ…!父さん!!」

 

「───りょうが…?ゆうぎ…?……ああ、そうか…おれ、また()()()()()、のか…」

 

「「遊海!!」」

そして…遊戯と凌牙の呼びかけによって意識を失っていた遊海は目を覚ます…だが、その声は弱々しかった…。

 

 

「……ああ、もう……さいごは、ハッピーエンドに…したかった…のになぁ……ゴフッ…」

 

「っ…!!父さん!!」

満身創痍の遊海は血を吐きながら弱音を漏らす…その様子を見た凌牙は慌てて回復を試みる…!

 

 

「凌牙!こういう時は回復魔法よりも回復薬を飲ませた方が早く効くんだ!遊海!これ飲め!!」

 

「あっ…かつ、や…ありがとう…」

そして、城之内は取り出した()()()()を遊海へと飲ませる…だが……

 

 

 

「……ああ、楽になっ───ぶくぶく…」

 

「っ!?父さん─!?」

 

「えっ、あれ!?なんで!?」

 

「なっ…凡骨!貴様、遊海に何を飲ませた─!!」

薬を飲み干した遊海は口から泡を吹いて白目を向いてしまう…その様子を見た海馬は城之内へと詰め寄る!

 

 

「なにって『ご隠居の猛毒薬』の緑の奴だよ!あれなら1200ライフ回復で一番効果があるだろ!?」

 

「───馬鹿者ぉぉ!!『ご隠居の猛毒薬』の回復効果は紫の薬だ───!!」

 

「………えっ、マジ?」

城之内は知らなかった…日本では「回復薬」と言えば緑色のイメージが定着しているが…このカードをデザインしたペガサスの母国・アメリカでは…()()()()のイメージで定着している事を…。

 

そして、彼は覚えていなかった…遊海の毒耐性は、デュエルモンスターズのカードを介した場合は普通に効いてしまう事を…。

 

 

 

「ぶくぶく…ガクッ」

          

「ちょっ、遊海─!?」

 

《ま、マスター!お気を確かに─!!》

 

「うわあああ!?遊海しっかりしろ─!!」

 

(遊馬!「No.49」だ─!)

 

「うおおっ!?かっとビングだぁぁ!!」

 

 

《フォウ…(…踏んだり蹴ったりにもほどがあるんじゃない…?)》

 

 

※この後、回復した翠を含む全員の処置で無事に蘇生しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………アテムが、苦笑いしてた……」

 

「遊海…本当にすまねぇ…いや、ごめんなさい…」

 

《本当です…!私が気付くのがもう少し遅かったら…!》

 

《フレア、落ち着いて…城之内さんも悪気があった訳では…》

 

《フォウ、フォウ…(友達のせいで死んじゃったら笑えないよ…というか、本当に危なかった…フレアが毒を焼いてくれてよかったよ…)》

遊海が生死を彷徨ってからしばらく…遊海はようやく回復し、城之内が土下座で全員に謝罪している…。

 

 

 

 「……というか…ここは何処だ…?俺、『ヌメロン・ピース』の書き換えの途中でぶっ倒れて…」

 

「やっぱりか…父さん、最初から何があったのか説明するぜ…零児、補足を頼む」

 

「ああ、承知した」

落ち着いた遊海は辺りを見回して見覚えのない景色に首を傾げる…その様子を見た凌牙は遊海と翠に事情を説明した…。

 

 

 

 

 

「……ああ……今回の俺は…みんなに助けられてばっかりだ……本当になさけない…」

 

「遊海!そんな事ないって!遊海が守り続けたみんなが…みんなと繋いだ『絆』の力が遊海を助けてくれたんだ!」

 

「その通りだ、遊海!これ以上落ち込んだ姿を見せるなら…我がブルーアイズで吹き飛ばすぞ!!」

 

「遊戯…海馬社長…」

凌牙から自分の引き起こしてしまった事態を聞いて項垂れる遊海…そんな彼は遊戯は優しく、海馬は力強く元気づける。

 

 

「それに遊矢、零児…そして柚子ちゃん…本当にすまなかった…!きみ達には大変な思いをさせちゃったな…」

 

「気にしないでよ遊海!そのおかげで零児とすんごいアクションデュエルができたんだ!」

 

「その通りだ…レイも無事に笑顔を取り戻した、貴方が気に病む必要はない」

 

「私は少し長く寝てただけなので!」  

 

「……ありがとう、みんな」

そして…今回の一番の被害者である遊矢達に頭を下げる遊海…だが、当の遊矢達は笑ってそれを許したのだった。

 

 

     

 

 

「さて…あとは『ヌメロン・ピース』を書き換えて、微調整をすれば…今回の事件は解決だな」

体に付いた埃を払いながら遊海が立ち上がる…ズァークを倒し、ARC次元を救った…遊海達がこの次元に留まる時間も長くないだろう…。

 

 

「でも、その前に……遊矢、お前に頼みがある」

 

「えっ?頼みって?」

 

「エンタメデュエリスト・榊遊矢…俺とデュエルだ」

 

「っ!!」

全ての解決を前に遊海は遊矢にデュエルを申し込む…!

 

 

 

「俺達は間もなくこの次元を離れる…その前に、俺を()()()()()()()…俺達がいなくても、自分達の世界は自分で守れるのだと…より良い世界を目指していけると!」

 

「遊海…!分かった!受けて立つ!」

遊海は静かに闘志を解き放つ…この次元における最高最善の決闘者を見定める為に…。

 

 

「まぁ、普通に戦ったら俺が有利だから…()()()を付けよう…遊矢、俺が使うデッキは()()()()()()()

 

「遊海のデッキを…!?」

決闘を前に遊海の思わぬ提案に遊矢は驚愕する…!

 

 

「そうだな…『アドバンス』『儀式』『融合』『シンクロ』『エクシーズ』…そして『ペンデュラム』…この中から、お前が戦いたいデッキの種類を選んでくれ…俺はその召喚法を主力としたデッキでお前と戦おう!」

 

「面白い事考えたね、遊海…!なら、オレは───」

 

 

遊矢と遊海…ARC次元における最後のデュエルが始まろうとしていた…!

 




最果てにて輝ける軌跡の槍(アーク・ロンゴミニアド)

見た目 穂先が金色に輝く、織り込まれたような模様が刻まれた、虹色に輝く白い馬上槍

ラプラスが流星号(元・遊星号)から回収した千年玉を核として、ARC次元に散らばった遊海の魂の欠片である『絆の欠片』と遊海達を想う仲間達の絆の力が形となって生まれた新たな『宝具』…命名は通りすがりのマーリン

常人には扱う事ができないほどの巨大さを誇る。

モデルはFateシリーズの「最果てにて輝ける槍」

装備魔法

自分フィールドのモンスターに装備できる。
①このカードを装備したモンスターの攻撃力は2000ポイントアップする。守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を上回っていれば、その数値分のダメージを相手に与える。

②1ターンに1度発動できる。相手ライフを半分にする。この効果は相手のLPの数値が自分のLPの数値を上回っている場合のみ発動できる。

遊矢が決めた遊海のデッキは?(1/3まで)

  • アドバンス
  • 儀式
  • 融合
  • シンクロ
  • エクシーズ
  • ペンデュラム
  • ???
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。