転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
なんであんなに忙しくなったんだろう…今までの人生で一番忙しい2月だったかもしれない…(汗)
マシュと再会し、穏やかな日々を過ごす遊嗣…だが、そんな日常にも少しずつ影が迫っていた…。
それでは、最新話をどうぞ!
『お呼びですか、リボルバー様』
【ああ、よく来た】
何処かにある電脳空間…ハッカー集団『ハノイの騎士』のアジト、そこにはハノイの騎士のリーダーであるリボルバー、そして呼び出されたハノイの騎士の構成員の姿があった。
【お前に任務を与える…
『こいつらは…?』
リボルバーが手元に画像データを投影する、そこにはハノイの騎士の技術で拡大・鮮明化された桃色の髪の少女と金髪の青年の姿が映し出されていた…。
【先日のイグニス捕獲作戦の際に奴らは我らの同志を妨害し、警察に売り渡した…その報復を行う】
『了解しました…すぐに見つけ出します』
リボルバーの指示を受けたハノイの騎士は2人の画像データを受け取り、リンクヴレインズへと向かった…。
『リボルバー様、よろしかったのですか?彼に「鋼の騎士」と遭遇する可能性を伝えなくて…』
【問題ない、彼は我らの
構成員が去った後、リボルバーの背後に現れたスペクターが彼に疑問を投げかけるが…リボルバーはそっけなく答える。
【それに…鋼の騎士の情報が無くとも──彼には少し興味がある】
そしてリボルバーは画像に写る金髪の青年を見つめた…。
「ユウくん、何か学校で良い事あった?」
「もぐもぐ…なんでそんな事聞くの?」
「ユウくんが学校に行くのが楽しそうに見えたから!新しい友達でもできたのかなーって!」
「……母さんって、エスパー?」
「ふふっ…そうかも?」
とある日の白波家の朝の食卓、普段通りに朝食を食べる遊嗣に翠が問いかける…翠は母親としての勘で遊嗣の変化に気付いていた。
《あれ?遊嗣、まだ
「彼女……えっ!?恋人!?」
「げほっ!げほっ!…ち、違うって!なんでいきなりそうなるのさ!?」
ロマンの言葉を早とちりした翠の思わぬ言葉に思わず咳き込む遊嗣…彼は呼吸を整えながら翠に学校での変化を伝える…。
「実はさ、うちのクラスに転校生の女の子が来たんだけど…その子がこの前、リンクヴレインズで助けた女の子だったんだ」
「へぇ〜…!そんな事があるのね!その子もユウ君の事に気付いたの?」
「うん、お互いに生身と似たようなアバターだったからさ!イギリスから来たらしいんだけど、いろんなデュエリストの事を知ってる優しい子なんだ!」
「……一目惚れ、しちゃった?」
「だから…なんでそうなるのさ!?」
《遊嗣〜顔が真っ赤だよ〜》
《フォウフォウ〜(特別意訳:遊嗣はあんまりそういう経験ないもんね〜)》
「も、もう!マシュとはそんなんじゃないって!!」
翠に転校生の少女、マシュの事を話す遊嗣…その姿を見た翠は遊嗣の事をからかい…それを聞いた遊嗣の顔は林檎のように真っ赤になった…。
「ご、ごちそうさまでした!学校いってきまーす!!」
「あっ、ユウ君!……ちょっとからかいすぎたかなぁ?…でも、母親としてはちょっと複雑な気分……」
《ふふっ…遊嗣も大きくなったね、翠》
《もう少し見守ってあげた方がいいかも?》
「そうねぇ…遊嗣もそんなお年頃かぁ……」
照れ隠しに朝ご飯を詰め込んだ遊嗣はドタバタと学校に向かう、そんな彼の背中を見送りながら…精霊達と一緒に翠は微笑んだ…。
「まったく…母さんもデリカシーがないんだから…」
《ははは…翠は母親として遊嗣の事が心配なんだよ》
「それは分かってるけどさぁ…」
逃げるように家から飛び出した遊嗣はブツブツと文句を言いながら学校に向かっていた…そんな彼を優しくロマンは宥めている。
「あっ…遊嗣さん!おはようございます!」
「ん…?ああ、マシュ!おはよう!」
《おはようマシュ、今日も元気そうだね》
「ロマンさんもおはようございます!挨拶は大事だと本にも書いてあったので!」
《うんうん、いい心掛けだ》
そんな時、遊嗣の背中から声を掛ける人物がいた…それは噂の彼女であるマシュ…彼女は元気に遊嗣とロマンに声をかけた。
「…あ、あの…遊嗣さん、お願いがあるんですが…」
「ん?どうしたの?」
そしてマシュは少し恥ずかしそうに遊嗣に声を掛ける…どうやら、頼み事があるらしい。
「放課後、付き合って欲しいんです…!」
「つ、付き合う?何処に?」
「その……リンクヴレインズに!」
───────
「ただいま〜…あれ、母さん?」
時間は流れて放課後、授業を終えた遊嗣は足早に帰宅する…しかし、普段なら出迎えてくれる母の返答がなかった…。
「母さ〜ん!出かけてるの〜?」
「───?───!」
《どうやら、電話をしてるみたいだね》
「珍しい…凌兄からかな?」
翠が遊嗣の帰宅にも気付かない様子で電話をしているらしい事に気付くロマン…そんな彼の言葉を聞きながら遊嗣がリビングに行くと…。
「もう…!なるべく早く帰ってきてくださいね…こっちも少し騒がしくなってきてて…」
『帰りたいのは山々なんだけどなぁ…ネオ・アカデミアの奴ら……ロジェの奴が面倒な事を……キングス・ギャンビットの上位互換な事やらかしやがって…何処であんな技術を…』
「っ──
「『っ!?』」
遊嗣の目に入って来たのはダイニングテーブルでテレビ電話をする翠の姿、その相手は一ヶ月前から出張中の父、白波遊海だった。
疲れ切った様子で話していた遊海と翠は突然の遊嗣の声にびっくりして飛び上がってしまった…。
「ゆ、ユウ君おかえりなさい!?ごめんね!お父さんとの電話に夢中になっちゃって!」
『遊嗣…!久しぶりだな!なかなか帰れなくてごめんなぁ…制服姿、似合ってるじゃないか!』
「もう…!久しぶりにも程があるよ!!なんで電話もなかなか繋がらないのさ!」
『すまんすまん…ちょっと面倒な職場でなぁ』
久しぶりの父の姿を見てモニターに駆け寄る遊嗣…そんな彼の姿を見た画面の向こうの遊海はバツが悪そうに頭を掻いていた…。
『遊嗣、ロマンとは仲良くやれてるか?』
「あっ…うん!ロマンのおかげで助けられてる!」
《大丈夫だよマスター、遊嗣とは上手くやれてるから》
『2人とも…そうか、ならよかった!』
遊嗣とロマンの相性を気に掛ける遊海…だが、遊嗣本人とデュエルディスクから顔を出したロマンの様子を見て安堵したらしい。
『そういえば…お母さんから聞いたぞ?気になる子ができたんだって?』
「っつつ!?!?ちょっと母さん!?」
「えへへ?」
「えへへじゃないよ!?まったくもうー!!」
そして翠経由で知った
画面越しではあるが…久しぶりの家族団欒がそこにはあった…。
「父さん、いつになったら帰って来れるの?」
『うーん…もうしばらくは掛かりそうだなぁ…お前の夏休み前には戻りたいんだが……』
遊嗣の問いかけに遊海は顔を曇らせる…どうやら、ずいぶん難しい仕事に取り組んでいるらしい…。
『……遊嗣、危ない事には首を突っ込むんじゃないぞ?お前は自分と母さん…お前が守りたいモノを守るだけでいい………何かあったらすぐに連絡……は厳しいな…すぐにその場を離れるんだ』
「大丈夫だよ、父さん…僕が慎重な性格なのは知ってるでしょ?上手くやるよ!」
『……そうか……強くなったな、遊嗣』
翠から事情を聞いたのか、息子の身を案じる遊海…そんな父に笑いかける遊嗣…その様子を見た遊海は穏やかに笑っていた…。
『遊海!電話中にすまない!』
『っ…
「あっ…うん!頑張って!父さん!」
「遊海さん…頑張って!」
『──ああ、お前達の応援を受ければ──俺は元気100倍さ!』
そんな時、画面の向こうで赤いマフラーをした眼鏡の青年が遊海に声を掛ける、その言葉を聞いた遊海は家族に別れを告げて通話を終えた。
…その声援を力に変えて、世界の平和を脅かす『悪』に立ち向かう為に…。
「…まったく…父さんは本当に働き過ぎなんだよ……そのうち過労で倒れちゃうんじゃないの?」
「あはは…そうかもね!本当に、お父さんは頑張り屋さんだから…」
忙しい様子の遊海を見た遊嗣は少し呆れたように翠に問いかける…その言葉を聞いた翠は苦笑いしていたのだった…。
「そういえば…ユウ君、ずいぶん早く帰ってきたけど…どうしたの?」
「あっ…やばい!リンクヴレインズでマシュと会う約束してたんだ!ちょっと行ってきまーす!!」
《マシュからアバターのカスタマイズを手伝って欲しいって頼まれたんだ》
「そうなの…気をつけてねー………はっ!?女の子の買い物に付き合うって…!?」
《フォウ、フォーウ…(特別意訳:翠、ちょっと落ち着こうか…)》
用事を思い出した遊嗣とロマンは慌てて自室に飛び込む…そして翠は遊嗣とマシュの実質の
………
「マシュ!ごめん、待たせたかな?」
「いいえ!私も来たばっかりです!無理なお願いを聞いてくれてありがとうございます!……遊嗣さん…じゃなかった、Yu-Zさん以外に頼れる人がいなくて…」
「大丈夫だよ、しっかり案内するから!」
リンクヴレインズ内の繁華街エリア…遊嗣とマシュはそこで待ち合わせをしていた。
先日の事件でハノイの騎士の恐ろしさを知った遊嗣とマシュ…それを期にアバターの見た目を変えるアクセサリーを見繕う為にリンクヴレインズにやって来たのだ…。
なお、今のマシュは現実世界と同じ顔に初期装備のワンピースを着ている。
無料アクセサリーでもそれなりに見た目は変えられるが…リンクヴレインズ内のオフィシャルショップやサークルショップ等を利用する事でさらに見た目を変えたり、アカウントのセキュリティを上げる事ができるのだ。
「とりあえず、リンクヴレインズの公式ショップに行ってセキュリティアプリとアバター用の服とかアクセサリーを見てみよう!…まぁ、ハッカーのハノイの騎士にどれぐらい効果があるかは分からないけど…」
「はい!それでも、何もしないよりかは安心できますから!」
そうして2人はオフィシャルショップへと向かって行った…。
………
「Yu-Zさん、付き合ってくれてありがとうございます!」
「うん!僕もセキュリティアプリのアップデートができたし…マシュの新しい服も似合ってるよ!」
「は、はい…!ありがとうございます!」
《(……遊嗣って、無自覚な人たらしなのかな…?マシュとこんなにも早く打ち解けるなんて…翠が見たら騒いでそうだなぁ…)》
買い物をする事しばらく…セキュリティアプリのアップデートや買い物を終えた遊嗣達は夕暮れのリンクヴレインズを歩いていた…そして、マシュの服装は初期装備のワンピースから大きく変わっていた。
細い黒縁の眼鏡に黒いワイシャツと赤いネクタイ、その上からゆったりとした白と灰色のジャージを羽織り、足元は茶色のスカートと黒のタイツに厚底のブーツ…傍から見ると理系の研究者にも見える姿となった…。
なお、遊嗣の服装はまだ初期装備のスーツのままだった…ピンと来る服装に出会えなかったのだ。
「それにしても…本当にリンクヴレインズって広いですね…!日本の都市部を模したエリアにアメリカのラスベガスに似たエリア、ヨーロッパの街並みのエリア…他にもたくさんのエリアが広がって…ここがVR空間だって事を忘れてしまいそうです!」
「そうだね…リンクヴレインズを作る時にソリッドビジョンシステムやARビジョン最大手のKCとか、ハートランドシティの天才科学者、天城カイト博士なんかも協力したって聞いたよ」
「すごい…!だから、こんなにも精巧に世界が再現されているんですね…私、この街に来る事ができてよかったです!」
「うん!でも、本当にもったいないよね…リンクヴレインズにログインできるのがこの街に住んでる人だけって…早く世界の人達とデュエルしてみたいなぁ…」
リンクヴレインズの街並みを歩きながら遊嗣とマシュは雑談を続ける、現実世界と見紛うほどの世界が広がるリンクヴレインズ…その世界にアクセスできるのは現状、デンシティの住人かデンシティに通勤通学する人に限られていた…。
「そろそろ時間も時間だし、ログアウトしようか!明日も学校だし…買い忘れとかはない?」
「はい!今日はありがとうございました!また明日!」
時刻は間もなく夕食時、時間を確認した遊嗣達はリンクヴレインズから離れようとする…その時だった。
『見つけたぞ、リボルバー様の言っていたハノイの騎士の邪魔をする愚か者共め…』
「あっ…!!」
「っつ!?ハノイの騎士!!」
遊嗣達の目の前に突如として人影が現れる、それはリボルバーから遊嗣達の粛清を命じられたハノイの騎士だった…!
「(っ…やっぱり、ハッカーのハノイの騎士から逃げるのは難しかったか…!)マ…
「っつ!?は、はい!!」
ハノイの騎士を前にした遊嗣は咄嗟にマシュに呼びかけログアウトを促す…だが…。
『逃さんぞ!』
「っ…デュエルアンカー…!?」
「Yu-Zさん!?」
遊嗣の腕に赤い光の縄…現実世界のアウトローやデュエルチェイサーズなどの特殊警察官の扱う拘束具が巻き付く!
《っ…Yu-Z、相手は本気らしい…このデッキを使うんだ!》
「ありがとうロマン…!」
事態を察知したロマンが遊嗣に新たなデッキを開放する!
『さぁ、デュエルだ!ハノイの騎士の恐ろしさを思い知るがいい!!』
「負ける訳にはいかない!デュエルだ!ハノイの騎士!!」
「っ…Yu-Zさん!気を付けて!!」
夕暮れのリンクヴレインズで遊嗣とハノイの騎士が衝突する!
「『デュエル!!』」
ハノイの騎士LP4000
遊嗣LP4000
『私の先攻!相手フィールドにモンスターが存在しない時、手札の「ハックワーム」は特殊召喚できる!』
身体に緑色の光が走る機械の芋虫が現れる! ATK400
『さらに2体目の「ハックワーム」を特殊召喚!』
「っ…また、『クラッキング・ドラゴン』を呼ぶつもりか…!?」
2体目の芋虫が現れ、遊嗣は先日のデュエルを思い出す…! ATK400
『そして2体の『ハックワーム』をリリース!現れろ!貪欲なる捕食生命体!『グリード・クエーサー』!!」
2体のワームが消え去り、腹部に巨大な口を持つ異形のエイリアンが現れる! ATK?→2100
『「グリード・クエーサー」の攻守の数値は自身のレベル✕300の数値となる!私はカードを2枚伏せ、ターンエンド!』
ハノイの騎士LP4000
グリードクエーサー 伏せ2 手札1
『(ククク…「グリードクエーサー」は戦闘破壊した相手のレベルを吸収し、自身のレベルと攻撃力を上げる事ができる…!さらに伏せカードは「収縮」と「万能地雷グレイモヤ」…)完璧な布陣だ!』
完璧な布陣を整えて遊嗣を迎え撃つハノイの騎士…一方、遊嗣達は…。
《Yu-Z、このデッキは少し特殊な動きをするデッキだ…でも大丈夫、あの程度の相手なら簡単に倒せるはずだよ》
「ありがとうロマン、やってみる…!」
ハノイの騎士に気付かれないように小さな声で声援を送るロマン、その応援を受けた遊嗣はハノイの騎士に立ち向かう…!
「僕のターン!ドロー!」
「こういう感じか…!僕はモンスターを裏守備表示でセット!さらにフィールド魔法『星遺物に差す影』を発動!」
フィールド魔法が発動し、周囲が薄暗くなっていく…。
「『差す影』の効果発動!1ターンに1度、手札のレベル2以下の昆虫族モンスターを裏守備表示で特殊召喚できる!手札から『クローラー・アクソン』をセット!カードを1枚セットして、ターンエンド!」
『……なんだと?』
遊嗣LP4000
伏せモンスター 伏せモンスター(アクソン) 差す影 伏せ1 手札2
『どうやらずいぶんと手札が悪いらしいな?それともただの臆病者か……どちらにしても、叩き潰してやる!』
カードを伏せてばかりの遊嗣のプレイングを挑発と受け取ったのか…ハノイの騎士は遊嗣に攻勢を仕掛ける!
『私のターン!ドロー!』
『良いカードだ!魔法カード「シールドクラッシュ」を発動!その効果で相手フィールドの守備表示モンスター1体を破壊する!お前が2枚目に伏せたモンスターを破壊だ!』
「っ…なら!永続罠『星遺物の傀儡』を発動!このカードは1ターンに1度、自分フィールドの裏守備モンスター1体を表側攻撃表示か、表側守備表示に変更する!裏守備の『クローラー・アクソン』を表側守備表示に変更!!」
『はっ…どちらにしても守備表示なら「シールドクラッシュ」で破壊だぁ!』
ハノイの騎士の発動した魔法カードに対して遊嗣は二足歩行の機怪蟲をリバースさせるが…防御を撃ち抜く光線に粉砕されてしまう…。 DEF1800→2100
「この瞬間、相手の効果によってフィールドを離れた『クローラー・アクソン』の効果発動!表側表示のこのモンスターがフィールドを離れた時、デッキから同名モンスター以外の『クローラー』モンスター2体を裏守備表示で特殊召喚する!僕は『クローラー・グリア』と『クローラー・ソゥマ』をセット!」
『破壊したのに増えやがった…!?』
破壊されたアクソンの破片が新たな機怪蟲の呼び水となり、新たなモンスターがセットされる…!
『な、なら!バトルだ!「グリード・クエーサー」でお前が最初に伏せたモンスターを攻撃!喰らい尽くせ!プレデター・バイト!!』
遊嗣の思わぬ反撃に怯んだハノイの騎士が攻撃を仕掛ける…だが、単眼に赤い光を灯した刃のような脚を持つ機怪蟲がエイリアンの牙を受け止めた!
クローラー・スパイン DEF2100→2400
『なにっ!?』
「セットされていたのは『クローラー・スパイン』!!『星遺物に差す影』の効果を受けたこのモンスターの守備力はお前のモンスターの攻撃力より高くなる!弾き返せ!」
『っう!?おのれ…!』
機怪蟲がエイリアンを弾き飛ばす!
ハノイの騎士LP4000→3700
「さらに!『スパイン』のリバース効果発動!相手モンスター1体を破壊する!『グリードクエーサー』を破壊!」
『なんだと!?』
さらに、エイリアンに肉薄した機怪蟲がその体を細切れに斬り裂いた!
『くそっ…!私はこれでターンエンドだ!』
ハノイの騎士LP3700 伏せ2 手札0
「すごい…!相手に倒されても即座に新たなモンスターが現れ…相手の攻撃によって効果が発動する…これが『クローラー』の戦い方…!」
『っ…だが、守ってばかりでは私には勝てないぞ…!すぐに逆転してやる…!!』
「ハノイの騎士…これ以上、お前達の好きにはさせない!!」
見事にハノイの騎士に対抗する遊嗣のプレイングに引き込まれるマシュ…その声を聞きながら、遊嗣が攻勢に出る!
「僕のターン!ドロー!」
「僕は『クローラー・グリア』を反転召喚!」
遊嗣の場に翅を持つアブラムシのような機怪蟲が現れる! ATK500→800
「『グリア』のリバース効果発動!墓地の『アクソン』を裏守備表示で特殊召喚!さらに永続罠『星遺物の傀儡』の効果発動!裏守備表示の『アクソン』の表示形式を表側攻撃表示に変更!!」
二足歩行の機怪蟲が現れる! ATK500→800
「そして『アクソン』のリバース効果発動!相手の魔法・罠カード1枚を破壊できる!左側のカードを破壊!」
『くそっ、「収縮」が…!』
アクソンの単眼から飛び出した光線が伏せカードを焼き尽くした!
『だが、お前のモンスターの攻撃力は低い…!まだ立て直せる!!』
「まだだ!現れろ!希望を繋ぐサーキット!!」
そして遊嗣はその手に宿した光を解き放ち、空中に魔法陣が刻まれる!
「召喚条件は『クローラー』モンスター2体!!僕は『スパイン』と『アクソン』でリンクマーカーをセッティング!リンク召喚!来い!LINK-2!『エクスクローラー・クオリアーク』!!」
魔法陣の中から赤い単眼を輝かせる、大型の機怪蟲が現れる! ATK2000→2300↙↘
『攻撃力2300…!(だが、伏せカードは『万能地雷グレイモヤ』…!まだ耐えられる!)』
「さらに僕は『クローラー・ソゥマ』を反転召喚!」
青い単眼を持つ、人型に近い機怪蟲が現れる! ATK2000→2300
「『ソゥマ』の効果発動!自身のレベルを2つ下げて、そのレベルと同じ『クローラー』を手札・デッキ・墓地から特殊召喚できる!僕は墓地の『スパイン』を特殊召喚!」
刃のような脚を持つ機怪蟲が復活する! ATK500→800
ソゥマ☆6→4
「そして『クオリアーク』は自分の場の『クローラー』の数によって効果を得る!フィールドの『クローラー』は4体、それによって2体以上の効果!僕のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は300アップ!さらに4体以上の効果によってバトルフェイズの間、相手の効果の発動を封じる!」
『なんだと!?』
クオリアークからエネルギーの供給を受けた機怪蟲達が活性化する!
クオリアークATK2300→2600
ソゥマATK2300→2600
スパインATK800→1100
グリアATK800→1100
「バトルだ!『ソゥマ』と『クオリアーク』でハノイの騎士にダイレクトアタック!!」
『ぐはああああ!?』
クオリアークの熱線とソゥマの一閃がハノイの騎士を直撃、ハノイの騎士を撃退した!
ハノイの騎士LP3700→1100→0
遊嗣WIN!
ピコン!
《遊嗣!ナイスデュエル!デュエルアンカーを通じて奴のIPアドレスは確保した!》
「ありがとうロマン…!ハノイの騎士!僕は、リンクヴレインズの平和を乱すお前達を許さない!」
『くっ、くっそぉ!!』
遊嗣によって倒されたハノイの騎士は慌ててログアウトして逃走した…。
「遊嗣さん!大丈夫ですか!?」
「うん!相手が手練れじゃなくてよかったよ…でも、また
「えっ…?しっくり?……収まりが悪い、という意味ですか?」
「うん…」
デュエルが終わり、マシュが遊嗣に駆け寄る、遊嗣は大きなダメージを受ける事はなかったが…遊嗣はうんざりした表情で右手を見ていた…。
「実はさ…僕、自分の
「フェイバリットカードがない…珍しいですね…」
《Yu-Zの父上…マスターもそれを気にしていてね、Yu-Zが自分の一枚を見つけられるように…折を見て色々なデッキを渡しているんだ》
「そうだったんですか…」
それは遊嗣の抱え続ける悩み…「魂のカード」に出会えない──それはデュエリストにとって、一番辛い悩みだった…。
「まぁ、僕の悩みはいいや!とりあえずログアウトしよう!他のハノイの騎士とか野次馬が集まってくる前に!」
「はい!」
右手を払った遊嗣はマシュと共にリンクヴレインズからログアウトした。
【………正体は掴めなかったか…だが、その顔は覚えたぞ…Yu-Z】
近くの屋根の上から一部始終を見ていた赤髪のバイザーの男に気付かないまま…。
────────────────────────
「ふはぁ…疲れた〜…まさか、ハノイの騎士と遭遇するなんて…」
(お疲れ様、遊嗣…念の為に痕跡は消したけど……これからも用心した方がいいね、少なくともマスターが戻るまでは…)
「そうだね…」
無事にリンクヴレインズからログアウトした遊嗣はベッドから起き上がる…その顔には疲れの色が見えた…。
《フォウ、フォーウ!》
「あっ、フォウ!待っててくれたの?ありがとな〜モフモフ〜…」
《フォウ〜♪》
そんな遊嗣にフォウが優しく擦り寄る…遊嗣はそんなフォウを抱き上げ、優しくその毛並みを堪能する…。
ピロン♪
「ん?誰からだろ?」
そんな時、デュエルディスクのメッセージアプリが着信を知らせる…それはマシュからのメッセージだった。
『今日は買い物に付き合っていただきありがとうございます!また、ハノイの騎士とのデュエルを任せてしまってごめんなさい…私も自分のデュエリストとしての実力が低い事を痛感しています』
「マシュ…気にする事ないのに……でも、マシュも自衛できた方が良いよな…そうだ!」
『今日の事はあまり気にしないでいいよ、マシュが無事で良かった!それで提案なんだけど…ハイスクールにデュエル部っていう部活があるんだけど、一緒に見学に行ってみない?』
「送信っと」
遊嗣はマシュのメッセージを読み、ちょっとした提案を書いたメッセージを送る…そして───
ピロン♪
『デュエル部があるんですね!私も興味があります!案内、よろしくお願いします!』
「『了解!また明日!』送信……そういえば、マシュってどんなデッキを使うんだろう?」
「遊嗣〜!ご飯できたよ〜!」
「は〜い!フォウ、ご飯だって!行こう!」
《フォウ!》
マシュへの返信を終えた遊嗣に翠が声をかける、それを聞いた遊嗣はフォウと共にダイニングへと向かう…その胸にぽかぽかとした暖かさを感じながら…。