転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

襲い来るハノイの騎士を退けた遊嗣…しかし、ハノイの騎士は目的を果たす為、その毒牙を伸ばしていた…。

それでは、最新話をどうぞ!


遊作とアイドルとニアミス〜ハノイの毒牙〜

「ん〜…やっぱり無理だ!あり得ない!想像できない!」

 

「どうしたんだ?草薙さん」

閉店後のキッチンカー「cafe Nagi」…そのハッキングルームに店主でありハッカーの草薙の悩んだような声が響く、その様子を見た遊作は何事かと問いかけた。

 

 

「これを見ろ、彼女は財前葵…16歳の女の子で、カリスマデュエリスト『ブルーエンジェル』の正体だ」

 

「彼女がブルーエンジェルか…」

草薙が一枚の画像データを遊作に見せる、そこには茶色がかった髪色の少女が写っていた。

 

 

「彼女はSOLテクノロジー社のセキュリティ部長、財前晃の義妹なんだが……何か気付かないか?」

 

「……何か………この制服は…!?」

 

「気付くの遅いな!?…ああ、財前葵はお前と同じデンシティハイスクールの生徒だったんだよ」

 

《へぇ〜!灯台もと暗し、って奴だな?》

草薙に促されて葵の写真を観察する遊作は既視感のある制服に気付く、彼女は遊作の同級生だったのだ。

なお、しれっとAiも遊作達の会話に混じっていたりする。

 

 

「そこで、だ…遊作が彼女と顔見知りになれば義兄の財前晃からお前の失われた記憶や、俺の弟の情報が得られると考えたんだが……やっぱりありえない!」

 

《どうしてだ?》

 

「……どうしてって、遊作だぞ?遊作が女の子と話してる場面を想像できるか?()()()()()だろ?」

 

《……確かに!想像しろって事自体が無茶な話だな!》

 

「(ムスッ)」

財前葵と顔見知りになる作戦…その一番の難題は遊作のコミュ力にあった。

基本的に人との関わりを避け、言葉数も少ない遊作…そんな彼が女子と話している姿は草薙もAiも想像できなかったのだ。

なお、そんな2人の様子を見た遊作は心なしか不服そうな顔をしている…。

 

 

 

 

「遊作、すまないがこの作戦はボツだ!流石に、無茶にも程が───」

 

()()()

 

「《へっ…?》」

笑いを堪えていた草薙とAiだったが…遊作の思わぬ言葉に目が点になった。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

《…ありえたなお前……こういうのに興味あったのか?》

 

「ない、だが…情報を得る為には仕方ない」

翌日、放課後…校舎の出入り口近くに腰掛けた遊作はAiによる画像認証を使って財前葵を捜索していた…なお、予想外の事にAiも引き気味である。

 

《にしても…ガッコって所はアレだな、同じ格好の奴らがうじゃうじゃしてて…誰が誰だか…》

 

「さっさと探せ、服装じゃなくて顔に対象を絞れ」

 

《ヘイヘイ…AI使いが荒い事で……》

遊作に急かされながらAiは周囲を確認していく、数十…数百人の生徒達を確認していく事数分…ついに…。

 

 

《ビンゴ!見っけ!》

 

「よし、後を追うぞ」

Aiが足早に移動する財前葵の姿を発見…遊作は静かに彼女を追いかけた…。

 

 

 

 

《パーツを総合すると…人間の感覚で美人の部類か?》

 

「黙って様子を見てろ…話かけるタイミングを探れ」

追いかける事しばらく…葵は校舎の別棟へと足を踏み入れる、静かにそれを追っていた遊作だが…彼女は教室の1つへと入っていった…。

 

 

「この部屋は…『DUEL CLUB』……デュエル部?」

遊作は彼女の入っていった部屋を確認する、その部屋はデンシティハイスクール・デュエル部の部室だった。

 

 

 

「あれっ?…藤木君?」

 

「あっ、本当だ!お〜い!藤木〜!」

 

「ん…?!」

その時、廊下の奥から彼の名を呼ぶ声が響く…そこにいたのは…島某、そして同じクラスの白波、そして転校生のマシュだった…。

 

 

 

 

「お前…誰だっけ?」

 

「んなっ!?いい加減名前ぐらい覚えてくれよ!?島だよ!島直樹!!まったく、顔覚えるの苦手なのか?というか、お前もデュエル部に入部しに来たのか?デュエルディスクまでつけっぱで…」

 

「オレが、デュエル部に…?(そうか、ここは部室…!これみよがしにいたら…)」

島とお決まりのやり取りをした後に遊作はミスに気付く、デュエルディスクをつけた状態でデュエル部の部室の前にいれば…入部希望と勘違いされても仕方ない状況だったのだ。

 

 

「奇遇だね藤木君!…あっ、僕は白波遊嗣!転校生のマシュさんがデュエルが強くなりたいっていうから、一緒に見学に来たんだ!」

 

「改めてこんにちは!マシュ・キリエライトです!えっと…藤木さん?」

 

「……藤木遊作だ……別にオレは入部し──」

 

『誰だい?廊下で騒いでいるのは?……ああ、島君か?ずいぶん騒がしいけど、何事かな?』

 

「わっ、部長!?」

廊下で自己紹介をしていた遊作達…その時、部室の扉が開いて七三分けに角眼鏡というガリ勉スタイルの青年──デュエル部部長の細田が顔を出した…。

 

 

「部長!入部希望者3()()を連れて来ました!」

 

『おお!本当かい?入部希望者は大歓迎だ!さぁ入って!』

 

「「お邪魔します!」」

 

「あ、いやオレは──《はい!ありがとうございます!》お前っ!?」

 

《フン!こき使ってくれた仕返しさ!》

うっかり入部希望者にカウントされてしまった遊作は慌てて取り消そうとしたが…なんと、Aiが合成音声で遊作の声を模倣…成り行きで遊作は部室に引き込まれてしまった…。

 

 

 

 

「1年の白波遊嗣です!」

 

「マシュ・キリエライトです!」

 

「…藤木遊作です」

 

『うんうん、それじゃ部員達を紹介するよ!僕は三年の細田、あとは……』

部員達の前で自己紹介をする遊作達…他の部員達は赤髪の背の低い少年や大柄な細目の青年、茶髪の軽そうな少年…そして財前葵という少人数の部活だった。

 

無理もない話だが…プロデュエリストを目指したり、デュエルが本当に好きな者はデュエルアカデミアへと入学する…それ以外の学生にとってのデュエル部は娯楽…嗜むレベルでデュエルが好きな人々が集まる部活なのだ。

 

 

 

「キミ達、新型のデュエルディスクを見てみるかい?」

 

「あっ、島君と同じ奴!っていうか…デュエル部の皆さんも新型ディスクなんですね?」

 

『ああ、財前君のお兄さんがSOLテクノロジーの重役でね!彼女がデュエル部に入ると知って優先的に回してくれたんだ…本当にありがとうね』

 

『いえ…兄は少し過保護なので…』

遊作達に新型ディスクを見せる部員達…やはり、SOLテクノロジーの影響はずいぶん大きいらしい。

 

 

「ところで…白波のデュエルディスクって普通のじゃないよな?カスタマイズ品か?」

 

「ん?ああ、凌にい…兄さんの知り合いにすごい科学者の人がいて…カード収納式とリンクヴレインズのデータデッキ対応、ソリッドビジョン・ARビジョン・リアルソリッドビジョンにも対応して…スマホ機能もある万能タイプなんです!」

 

「「『へぇ〜…!』」」

 

「すげーカスタマイズだな…!」

 

「(その上、自由度の高いAIがいます…とは、言えないよね…)」

島の問いかけに遊嗣が自分のデュエルディスクを見せる。

 

……実は、遊嗣のデュエルディスクはKCと天城カイトに加え、ARC次元の技術が詰め込まれたワンオフ品…彼が本当の価値を知るのはもうしばらく先の事になるだろう…。

 

 

 

 

Side???

 

 

《よっ!新人!元気にやってるか?》

 

《こんにちは》

 

《そうそう、挨拶は大事だぞ?》

 

《おっしゃる意味がわかりません、意味不明です》

 

《なんだよ〜愛想のない奴だな~?》

部員達が自己紹介やデュエルディスク談義に花を咲かせる中、遊作のデュエルディスクから顔(?)を出したAiは葵のデュエルディスクのAIに話しかける…だが、彼ほど自由度のない新型AIはそこまで語彙を持っていない。

 

 

《よし…じゃあ…おっす!元気か?》

 

《……はじめまして!キミこそ元気かい?》

 

《おおっ!?マトモな反応が返ってきた!流石ワンオフ品だな!》

Aiは続いて()()()()()()()()()()()に話しかける…そして思わぬほど明瞭な反応が返ってきて少し驚いている。

 

 

《オレはAiって呼ばれるんだ!よろしくな?》

 

《…ボクはロマンと呼ばれているよ、良い名前だろう?》

 

「ん?」

 

《あ、やべっ!?》

遊嗣のデュエルディスクに搭載されたAIと雑談するAi…だが、物音に気付いた葵に目を向けられた事で慌てて引っ込んだ…!

 

 

 

 

 

 

 

《(………ん?普通に会話が成り立ったぞ?ずいぶん高度なアルゴリズムだな…)》

 

《(びっくりした〜!あちらから話しかけられるとは思ってなかった…気づかれたかな…?)》

 

お互いにニアミスするAI達なのだった。

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

『カード収納式デュエルディスク…貴方のデュエルディスク、プレイメーカーと同じなのね?』

 

「……ああ」

 

「そうなんだよ!コイツ、プレイメーカーの真似してるのか旧型使ってるんだ!…というか、なんでプレイメーカーは時代遅れな旧型使ってるんだろうな〜?新型手に入らないのかぁ?」

 

「……きっと、デッキに愛着があるんじゃないかな?紙のカードにはカードの精霊が宿る事もあるし、きっと…プレイメーカーはカードを大切にしてるんだよ」

 

「カードの精霊〜?白波、お前もオカルト信じてるのかよ〜?」

 

「オカルトでもないよ?現に『覇王龍の乱』は精霊達の怒りが噴き出した事件って説もあるし…僕は精霊は()()って信じてるよ」

 

「遊嗣さん…」

遊作のデュエルディスクが旧型…プレイメーカーが使うモノと同型である事に気付く葵…そこから島の旧型貶しが始まったが、遊嗣が静かにそれを宥める、大事そうに自身のデュエルディスクを撫でながら…。

 

 

 

『白波君はロマンチストなのね…藤木君、良かったらデッキも見せてくれないかしら?』

 

「えっ…」

 

『財前さん!?流石にそれは失礼だよ!デッキはデュエリストの魂なんだから…』

 

「いや、いいよ…見なよ」

 

『……ありがとう』

葵の無茶なお願いを聞いた部長が流石に彼女を窘める…だが、遊作は事もなげにデッキを手渡した。

 

 

『これ!?……ありがとう』

 

「ちょっと拝見!…ぷっ…ははは!なんだよこのデッキ!?小学生みたいなお粗末──「島君…!人のデッキを貶すのはマナー違反だよ!」白波っ?!」

 

「白波…お前…」

遊作のデッキを受け取った葵は数瞬困惑した後、遊作にデッキを返そうとする…だが、そのデッキを横から掠めた島はデッキを見て笑い声を上げた…遊作のデッキが小学生の使うような統一性のないデッキだったからだ…。

 

しかし、それを聞いた遊嗣が思わず島の手首を掴んで声を荒らげた…それは、普段の穏やかな彼からは想像できないほどの剣幕だった…。

 

 

 

「デュエリストにとって、デッキは『魂』そのもの…!自分の好きなカードを集めて戦う、それがデュエルモンスターズなんだ…!デュエルモンスターズには、不要なカードも…笑われるようなカードもない!1枚1枚がチグハグでも、力を合わせれば思わぬ力を発揮する事だってある!そんなデッキを笑うような人は…デュエリストの風上にも置けないよ…!!」

 

「ひえっ…!?」

 

『…白波君、今回はキミの意見が正しい…でも、少し興奮し過ぎだよ?落ち着きなさい』

 

「っ…あ…ご、ごめん島君!!つい熱くなっちゃって…」

 

「あ、や…白波って、意外と熱いタイプだったんだな…!?俺こそごめん、流石に言い過ぎた…」

静かに…しかし強い剣幕で島を注意する遊嗣、その圧力に気圧されながらも部長が2人を宥める。

そして冷静さを取り戻した島と遊嗣はお互いに頭を下げた…。

 

 

「…藤木も悪かったな…デッキ返すよ」

 

「いいや、デッキを組むのが少し苦手でな…次はもう少しマシなデッキを組むよ」

 

「藤木君、デッキ構築の時は相談乗るからね!」

 

「…ああ、ありがとう白波」

そして、島は遊作に謝罪しながらデッキを手渡す…が、遊作自身はそこまで傷ついてはいなかった。

 

 

 

…………

 

 

 

『では…改めて、ミーティングを始めようか!今日はデュエルのルールのおさらいから!今、世界には大まかに3種類の基本ルールが存在していて、先日から新たなデュエルルールであるスピードデュエルが──』

 

 

《おい、お粗末ちゃん!()()()()()()を用意しておいて良かったな?》

 

「…黙ってろ」

そして、部長によるデュエルモンスターズのルールに関する講義が始まる中、遊作はAiを窘める…遊作は直前までプレイメーカーとしての『サイバース』デッキを入れっぱなしだったのだ…。

 

《それからよ…あの白波って奴と仲良くした方がいいかもな?案外、気が合うと思うぜ?》

 

「………」

Aiの言葉を聞いた遊作は真剣に部長の講義を聞いている遊嗣に目を向ける…彼の抱くデュエルへのまっすぐな想いを眩しく思いながら…。

 

 

 

 

 

 

Side遊嗣

 

 

 

「マシュ、どうだった?デュエル部の体験入部!」

 

「はい!部員の皆さんも優しい方ばかりで…本格的に入部してみようと思います!」

 

「そっか…!なら、僕も入るよ!マシュを誘ったのは僕だしね!」

時間は流れて夕暮れ時、デュエル部への体験入部を終えた遊嗣とマシュはのんびりと通学路を歩いていた…デュエル部の掴みは良かったらしく、マシュも遊嗣もデュエル部への入部を決めたらしい。

 

 

「でも…意外でした…遊嗣さんもあんな顔をするんですね?」

 

「あっ……ごめんね、怖がらせて…僕の兄さんがそういう事に厳しい人でさ…20歳年上で、プロデュエリストなんだ」

 

「あっ…!そうなんですか!?」

遊嗣の思わぬ告白にマシュが驚く…デュエルモンスターズ隆盛のこの世界でプロデュエリストの家族というのはそれだけで憧れの対象になるのだ。

 

 

「その兄さんがさ…ずっと口を酸っぱくして言ってたんだ…『絶対に他人のデッキを馬鹿にするな』『デュエルはデュエリスト同士の思いのぶつけ合いだ、それだけは忘れるな』って…」

 

「わぁ…!素敵なお兄さんですね!でも、プロデュエリストで白波さんって人は……」

 

「ああ、普段はリングネームで戦ってるから…義理の兄だからそんなに顔も似てないし」

 

「そうなんですか…(遊嗣さんの家も複雑なんですね…)」

大切な家族から教えられた約束を口にする遊嗣…その姿を見ながらマシュは微笑んでいたが、少し複雑そうな遊嗣の家族関係に考え込んでいた…。

 

 

 

『ハァイ!みんな〜!私が来たよ〜!!』

 

 

「あっ…ブルーエンジェル!」

 

「本当だ…またアポ無しデュエルするのかな?」

そして2人がデンシティのメイン広場に差し掛かった時、明るい声が響く…そこにはDボードを乗りこなすリンクヴレインズのアイドル、ブルーエンジェルの姿があった…!

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

『ハーイ!私が来たよ〜!そこの貴方も!そこのキミも注目──!』

 

「いきなりだな…」

同・デンシティのメイン広場、キッチンカー・cafe Nagiを訪れていた遊作はブルーエンジェルの声にモニターに目を向ける…。

 

 

『私、ブルーエンジェルはプレイメーカーとデュエルして…必ず勝つ事をここに宣言しまーす!!』

 

「──なんだと?」

それはブルーエンジェルからプレイメーカーに向けた挑戦状であり、勝利宣言だった。

ブルーエンジェル…財前葵がプレイメーカーとのデュエルを望む理由はただ1つ、プレイメーカーに勝利する事で兄である財前晃に()()()()()()…ただそれだけである。

 

 

『出てこーい!プレイメーカー!カモーン!!見てるのは分かってるのよ?私の挑戦を受けてもらうわ!!』

 

「……あの姉ちゃん、何を熱くなってんだ??」

だが、そんな思いを知らない草薙は彼女の焦りに気付く…葵は明らかに()()()していた…。

 

 

《………遊作、相手してやったら?》

 

断る!

一方、デュエル部での彼女の様子とのギャップに少し引きながら、Aiが遊作に声を掛けたが…遊作はすっぱりとその言葉を切り捨てた。

 

 

「1つ、オレが財前葵に近づいたのは失われた記憶の手掛かりを得る為!2つ、オレが戦うのはハノイの騎士だけだ!3つ、彼女はハノイじゃない!……よって、オレに彼女とデュエルする理由はない」

 

《でもよ〜?あんなに頑張って呼んでるのにでていかなかったら…腰抜けって笑われちまうぜ?》

 

「言いたい奴には言わせておけ…」

遊作は口癖である3つの言葉で彼女と戦わない理由を説明する…この日、プレイメーカーが姿を現す事はなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ご機嫌よう、リンクヴレインズのアイドル…ブルーエンジェル…!】

そしてこの日、天使にハノイの毒牙が喰い込んだ。

 

 

 

 

 

 

「ただいま〜」

 

「ユウ君おかえりなさい!デュエル部の見学はどうだった?」

 

「うん!良さそうな部活だったから、マシュと一緒に入る事にした!だから…時々帰りが遅くなると思う」

 

「ふふっ、わかったわ!(遊嗣も嬉しそう…マシュちゃんとも上手くいってるみたいね♪)」

マシュと別れて帰宅した遊嗣…彼からデュエル部入部の報告を聞いた翠は嬉しそうに微笑んでいた…。 

 

 

 

『さぁ!本日のプロリーグの注目デュエルは〜!決闘王、()()()()選手対イギリスリーグからの刺客、湖の騎士ことランスロー選手の一戦!強力なランスロー選手のデッキに怯む事なく、凌牙選手が王者の風格を見せつけました!前決闘王、九十九遊馬選手の好敵手として──』

 

 

「あっ…!凌兄だ!やっぱりかっこいいなぁ…」

 

「ふふふ〜…私は生中継で見ちゃったもんね〜!」

 

「ああ!?母さんずる〜い!!」

 

「専業主婦の特権よ〜!」

 

《フォウ、フォ〜ウ…(特別意訳:翠、大人げないって…)》

そんな時テレビのニュースがプロリーグのデュエルダイジェストを放送する、そこには…遊馬から決闘王の座を受け継いで活躍する凌牙の姿があった。

その様子を見た遊嗣は目を輝かせ…生中継でデュエルを見ていた翠は得意気に笑っている。

 

なお、前決闘王であった遊馬が決闘王の座を降りた理由は──『冒険にいく時間が欲しい!』という理由だったりする。

 

それを目の前で聞いた凌牙やアストラル、カイトが(遊海も)頭を抱えたのは言うまでもない。

 

 

 

 

「プロデュエリストは無理かもしれないけど…凌兄みたいなデュエリストになりたいな〜」

 

《遊嗣なら…きっとなれるよ!ボクが保証する!》

 

「ははっ…ありがとう、ロマン!」

決闘者として最前線で戦い続ける凌牙に憧れる遊嗣…そんな姿を見たロマンは優しく笑っていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《あ〜あ〜…こりゃ予想以上だな…》

 

「何がだ?」

 

《お前…めっちゃネットで叩かれまくってるぜ?》

翌朝、学校に向かう遊作にAiが呆れた様子で話しかける、Aiは昨日のブルーエンジェルの宣戦布告にプレイメーカーが現れなかった事についてネットで調べていたのだが──

 

『プレイメーカーはチキン野郎だ!』『挑戦を受けないのが残念』『ブルーエンジェルカワヨス』『クリボー大明神』『スルーは可哀想』『誰だ今の!?』『プレイメーカー絶許』

 

などなど…ブルーエンジェルの挑戦を受けなかった事への誹謗中傷に溢れていた…。

 

 

「わざわざ読み上げるな…」

 

《あらら?実は気にしてる?傷付いちゃってる〜??》

 

「黙れ、あいつが来た」

ネットのスレッドを読み上げながら遊作をからかうAi…そんな時、葵が学校に向かう遊作へと話しかけてきた…。

 

 

『藤木、遊作君だったわね…おはよう』

 

「あ、ああ…おはよう、どうしたんだ?」

 

『ちょっと貴方に聞きたい事があって…歩きながら話しましょう』

遊作に用があるらしい葵は彼と共に歩き出した…。

 

 

《よっ!新人!元気でやってるか?》

 

《なによ!馴れ馴れしく話しかけないで!》

 

《ん〜…!?(なんだ?何か変…この()()…まさか…!)》

一方、Aiは葵のデュエルディスクのAIに話しかけたのだが…そのデュエルディスクから異変を感じ取っていた…。

 

 

 

 

『ねぇ、どうしてデュエル部に入ろうと思ったの?…デュエルが好きだから、ってありきたりな理由じゃないでしょ?』

 

「……まぁ、()()()()だな…デュエルは好きでも嫌いでもない」

 

「…そう、意外ね」

葵にデュエル部に入った理由を問われた遊作は正直に答える、彼はデュエル部に入るつもりはなかった…葵に近づく為に入らざるを得なかったのだ。

 

 

「そういえば……昨日、部長が言っていたあんたの兄さんの話なん『っ…やっぱり、あなたもなのね』えっ…」

そして、話の流れで彼女の兄である財前晃について探ろうとする遊作…だが、葵はその話題に過剰に反応した。

 

『新型ディスクが優先的にもらえないか、とか…リンクヴレインズの情報を教えてくれないか、とか…私に近づく人間はそんな人ばっかり…!でも、諦めて…私は兄さんに信用されてないの…!』

 

「あっ、おい…」

遊作の思いを勘違いした葵は足早に遊作から離れていった…。

 

 

 

 

 

《なぁ、遊作ちょっといいか?》

 

「黙れ、お前と話す気分じゃない」

 

《ちょっと待てって!大事な話だ!》

 

「っ…声がデカいぞ!」

その時、Aiが遊作に話しかける…遊作はいつもの雑談かと無視しようしたが…Aiの剣幕にデュエルディスクに顔を近づける…。

 

 

《……ハノイの騎士が現れた!》

 

「なんだって…!?」

それは…遊作達の仇敵の出現を知らせるモノだった…!

 

 

 

 

…………

 

 

 

「おい、この座標で合ってるのか?」

 

《ああ、座標はここで間違いない…いや、合ってるよ》

授業を抜け出した遊作はデュエル部の部室からリンクヴレインズにログイン、Aiの示したハノイの騎士の出現位置に急行した…しかし、そこにいたのは────

 

 

 

『やっと覚悟を決めたのね?』

 

「…ブルーエンジェル?」

見慣れたハノイの騎士のアバターではなく、青髪のツインテールに背中から白い天使の羽をアクセサリーにした少女…カリスマデュエリスト・ブルーエンジェルその人だった…。

 

 

「覚悟…なんの話だ?」

 

『とぼけないで、貴方が私を呼び出したんでしょ?「今なら相手になってやる」ってメールを送ってまで…!』

 

「オレはそんなメール……っ、Ai!お前の仕業か!?」

 

《イエス!》

ブルーエンジェルの言葉を聞いて困惑する遊作…実はAiが勝手にメッセージを送って彼女を呼び出していたのだ。

 

 

「お前…オレを騙したのか?オレはハノイの騎士が出たと言うから来たんだ」

 

《何言ってんだ、騙してなんかないさ……ハノイの騎士は目の前にいるぜ》

 

「なにっ…!?」

 

《ブルーエンジェル、財前葵のデッキからハノイの()()がした…すぐに言おうとしたけど聞いてくれないからさぁ…》

Aiの行動の真意を問う遊作、その答えは…ブルーエンジェルの異変だった…!

 

 

「だが、何故彼女がハノイの騎士に…!?」

 

《さぁな…案外、お前を釣る為のエサに使われたのかもな?》

 

「エサだと…!」

 

《あのお姉ちゃんの背後には()()()()()()()がいるかもしれない…どうする?プレイメーカー…ハノイの騎士は全員倒すんだろ?》

 

「……彼女の真意は分からないが、ハノイのプログラムは危険だ…!ブルーエンジェルと戦って真偽を探る!」

 

《そうこなくっちゃ!》

ハノイの騎士の力を得ているブルーエンジェル…彼女を止める為、遊作はDボードでデータストームに乗り込んだ!

 

 

 

『さぁ、いくわよ!!』

 

 

「『スピード・デュエル!!』」

 

 

 

 

 

デュエルダイジェスト プレイメーカー対ブルーエンジェル

 

 

 

 

ブルーエンジェルが操るのは天使族の女性モンスターで構成された『トリックスター』デッキ…そのデッキの特色はモンスター効果や魔法・罠カードを絡めた効果ダメージ『バーン』に特化したデッキである事。

 

元来、この世界においてはバーンデッキ・バーン戦術は嫌われ、卑怯と思われる傾向にあった…しかし、彼女はその逆境を跳ね返し…バーンデッキの新たな戦い方を切り開いてきたのだ。

 

その戦い方はまさに『蝶のように舞い、蜂のように刺す』を体現するスタイル…バーン効果を持つ『トリックスター』モンスターとそのダメージを強化するフィールド魔法『トリックスター・ライトステージ』を使い、相手を追い詰めていく…それは遊作をして『効率的な攻め方』と言わしめる…。

 

 

しかし、遊作も負けてはいない…サイバースデッキが得意とする連続リンク召喚によってエースモンスター『デコード・トーカー』を喚び出してブルーエンジェルのエースモンスター『トリックスター・ホーリーエンジェル』へと攻撃を仕掛ける。

 

だが、相手もまたカリスマデュエリスト…エースモンスターを守る為に罠カード『トリックスター・リンカーネーション』と『トリックスター・マンジュシカ』のコンボを発動、遊作の手札を入れ替えさせた上で『マンジュシカ』と『ライトステージ』の効果でダメージを与え…さらに『ホーリーエンジェル』の攻撃力を強化する。

遊作は速攻魔法『セキュリティ・ブロック』の効果によってダメージと戦闘破壊を逃れようとしたが…ブルーエンジェルの罠カード『トリックスター・スキャッター』によって『デコードトーカー』は破壊され、遊作も少なくないダメージを受けてしまった…。

 

 

 

「Ai、気付いているか?…ハノイの匂いが強くなってきた…!」

 

《ああ…ちょっとヤバそうだ…!》

そして遊作とAiは強くなっていくハノイの匂いを感じ取っていた…!

 

 

 

 

『私のターン!ドロー!っう…!?』

 

ドクン…

 

「っ…!今のカードか!!」

その時、遊作はブルーエンジェルがドローしたカードから嫌な気配を感じ取り、彼女自身も異変を感じる…そのカードがハノイの騎士が彼女のデッキに紛れ込ませたカードだったのだ。

 

 

『なに?今の感じ…?まぁ、いっか!貴方の場には攻撃力2200の「サルベージェント・ドライバー」がいて「ホーリーエンジェル」では攻撃できないけど…やりようはあるわ!墓地の「トリックスター・リンカーネーション」を除外して効果発動!墓地の「トリックスター・リリーベル」を特殊召喚!このモンスターは相手にダイレクトアタックできる!プレイメーカーにダイレクトアタック!さらに「トリックスター・ライトステージ」の効果で200ダメージよ!』

 

「ぐううっ!?(攻撃の威力が強くっ!?)」

 

《プレイメーカー!!》

違和感を振り払ったブルーエンジェルが遊作に攻撃を仕掛ける…そして、ハノイの力によって威力を増した一撃が遊作をDボードから投げ出した!

 

 

「まだ、だっ!はあっ!!」

 

《ふ、フゥ…!プレイメーカー危機一髪!!》

だが、遊作は怯まない…落ちる寸前にビルにしがみつき、さらにデュエルアンカーを飛ばす事でなんとかDボードの上へと飛び乗った!

 

 

『流石ね!「リリーベル」の効果発動!このカードが相手にダメージを与えた時、墓地の「トリックスター」を手札に加えられる!私はこれでターンエンドよ!』

 

 

「ハノイのカードを使わなかった…戦略か、それとも…デュエリストの無意識で危険を避けたのか…あのカードを使われる前に、デュエルを終わらせる!」

ハノイのカードを使わなかったブルーエンジェルを見ながら…プレイメーカーは勝利への方程式を賭けたカードをドローする…!

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

 

『この瞬間!「マンジュシカ」の効果発動!相手に200ダメージ!さらに「ライトステージ」の効果でさらに200よ!!』

 

《出た!またあのコンボだ!!》

 

「くっ…!」

再びバーンダメージが遊作のライフを削る、これで残りライフは800…だが、このピンチを覆す手段を彼は手にしている!

 

 

 

「いくぞ!ストームアクセスだ!!」

 

《待ってましたー!!》

遊作の呼びかけと共にデータストームが吹き荒れる…この逆境を覆す1枚はデータストームの中に眠っている!!

 

 

「うおおっ!!スキル!ストームアクセス!!」

データストームから新たな力を手にする遊作、その1枚は───

 

 

 

「現れろ!未来を導くサーキット!!召喚条件はサイバース族モンスター2体以上!!オレはリンク2の『リンク・バンパー』と『サルベージェント・ドライバー』をリンクマーカーにセッティング!サーキットコンバイン!!リンク召喚!現れろ!LINK-3!『エンコード・トーカー』!!」

それは遊作の手にした新たな力…重厚な鎧と盾を構える電脳戦士が現れる!

 

 

「バトルだ!オレは『ディフェクト・コンパイラー』で『リリーベル』を攻撃!!さらに速攻魔法『戦線撹乱』を発動!!」

 

『っ…この効果は…!?「リリーベル」を戦闘破壊、そして「マンジュシカ」の守備力分、「ホーリーエンジェル」の攻撃力を下げようって言うのね!?』

遊作の発動した速攻魔法の効果を確認したブルーエンジェルは相手の狙いに気付く。

 

『戦線撹乱』は相手のレベル4以下のモンスターを対象に効果を発動し、そのモンスターがフィールドを離れた時に撹乱カウンターを自分のモンスターに乗せる事ができる。

そしてカウンターを取り除く事で相手モンスター1体の攻撃力を相手の守備表示モンスター1体の守備力分ダウンさせるという効果だった…しかし、ここでブルーエンジェルもスキルを使う!

 

 

『スキル、トリック・スター・フロードを発動!相手ターンに「トリックスター」カードを墓地に送り、相手の手札が3枚になるようにドローさせる!これで「マンジュシカ」と「ライトステージ」の効果が発動!これで終わりよ!プレイメーカー!!』

スキルを絡めたコンボによって遊作のライフを削りきろうとするブルーエンジェル…だが…!

 

 

「それはどうかな…!『ディフェクト・コンパイラー』の効果発動!効果ダメージを無効にして、自身にディフェクトカウンターを置く!」

 

『ダメージが、ゼロ…!』

遊作はその一手を見切っていた…そして追い詰められたブルーエンジェルは……

 

 

 

『まだよ…!私にはこのカードが…!……っ?なに?このカード───?』

 

ドクン!!

 

「残ったのはハノイのカードか…」

 

《不味い予感…!!》

最後の手札に手を掛けるブルーエンジェル…そのカードに触れた瞬間、禍々しい波動が溢れ出した…!

 

 

「っ…ブルーエンジェル!!」

 

『うっ…あっ…!?私…わたし、は───【ハノイの騎士】…』

カードから溢れ出した波動にブルーエンジェルの自我が侵食されていく…そして、彼女は狂気に囚われる…!

 

 

『て、手札の「ダーク・エンジェル」を墓地に送り…効果発動───』

 

「やめろ!!」

 

ドクン!!バチバチバチィ!!

 

『きゃあああああ!?』

 

「ブルーエンジェル─!!」

ハノイのカード─「ダーク・エンジェル」…そのカードを使った瞬間、禍々しい黒雷がブルーエンジェルへと襲いかかった…!!

 

 

 

 

Side???

 

 

 

「う、うわあああっ!?!」

 

「「「っ!?」」」

 

「うるさい!授業中ですよ!!」

 

「す、すいません…!?」

デンシティハイスクールの教室に島の悲鳴が響く…プレイメーカーとのデュエル中に突然悲鳴を上げたブルーエンジェルに驚いて声を上げてしまったのだ。

 

 

「島君、どうしたの?」

 

「し、白波…!ブルーエンジェルが…ブルーエンジェルがぁ…!!」

 

「また授業中にリンクヴレインズを見て───っ!これ、大丈夫なの…!?」

 

「わからねぇよぉ…!」

そして、たまたま隣の席に座っていた遊嗣が尋常ではない様子の島に声をかける…そして、画面の中のブルーエンジェルの様子に言葉を失った…。

 

 

《(ハノイの騎士が本格的に動き出したみたいだね…遊嗣やマシュに危険が及ばないといいけど…)》

 

 

 

Side OUT

 

 

 

『──「ダークエンジェル」の効果…!「リリーベル」をリリースする事で攻撃対象を別のモンスターに移し変える…!!さぁ「ホーリーエンジェル」に攻撃なさい!!さらにこの時、リリースしたモンスターの攻撃力分だけ「ホーリーエンジェル」の攻撃力はアップする!

 

「っ…!この瞬間!『戦線撹乱』の効果で撹乱カウンターを『エンコードトーカー』に乗せる!!」

明らかに正気を失ったブルーエンジェルがハノイの力を解き放つ…そこに明るく楽しげな彼女はいない、そこにいたのは──理性を失った狂戦士だった…!

 

 

ムダ…無駄無駄無駄ァ!!お前の負けだ!プレイメーカー!!

ドスの効いた声を響かせるブルーエンジェル…しかし、既に勝利の方程式は完成していた!

 

 

「『エンコードトーカー』の効果!このカードのリンク先のモンスターはバトルでは破壊されず、受けるダメージも0になる!さらに、このターン終了時まで『エンコードトーカー』の攻撃力は『ホーリーエンジェル』の攻撃力分アップする!!」

 

『なっ…!?』

それがエンコードトーカーの効果、相手の力をそのまま返す『護りの戦士』…だが…!

 

ドクン!!

 

『ぐっ…!?ぎゃああああ!!?

 

《っ…不味いぞ!これ以上暴走させたら精神ダメージでブルーエンジェル…財前葵は廃人になっちまう!!》

 

「っ…!なら、早くデュエルを終わらせる!!」

突如として悲鳴を上げ絶叫するブルーエンジェル…ハノイのカードによって凄まじい精神ダメージが彼女に襲いかかったのだ…!

 

無論、デュエルを見ていたSOLテクノロジー…財前晃はすぐに彼女をリンクヴレインズからログアウトさせようとした…だが、ハノイの騎士の妨害によってそれは叶わない…!

 

 

 

「ブルーエンジェル…!これで終わらせてやる!!『エンコードトーカー』で『ホーリーエンジェル』を攻撃!!ファイナル・エンコード!!」

『エンコードトーカー』自身による強化と『ディフェクト・コンパイラー』による強化、そして『戦線撹乱』による弱体…3つの効果による合せ技がホーリーエンジェルを斬り裂く…そして青き天使は舞い散る羽と涙と共にリンクヴレインズに散った…。

 

 

 

 

ブルーエンジェルLP0

 

プレイメーカーWIN!

 

 

 

 

 

「ブルーエンジェル!!」

デュエルは遊作の勝利に終わったが、彼の仕事は終わらない…遊作はDボードから投げ出されたブルーエンジェルを助け出し、人目のない森林エリアに彼女を寝かせる…。

 

 

《ハノイのプログラムはオレが喰う…!》

 

「っ…しっかりしろ!ブルーエンジェル!財前葵!!」

 

『────』

Aiが捕食形態となってブルーエンジェルを冒すハノイの騎士のプログラムを取り込む…しかし、彼女が目を覚ます事はなかった…。

 

 

「ダメか…!なら、現実世界に戻るぞ!」

意識を取り戻さない彼女の姿を見た遊作はリンクヴレインズからログアウト…現実世界の彼女のもとへと向かった…。

 

 

 

 

 

 

「1つ、今日、彼女は登校していた…!2つ、彼女はブルーエンジェルである事を隠している…3つ、授業中に現れたという事は…人目のつかない場所にいる…!!」

デュエル部の部室から飛び出した彼は校舎の中を探し回る…授業を抜け出したであろう葵は人目のつかない場所でリンクヴレインズにログインしたと考えて…。

 

 

 

「くそっ…ここでもないのか…!」

体育倉庫・無人の教室…様々な場所を探した遊作は屋上に飛び出す…だが、彼女の姿を見つける事はできないでいた…。

 

 

ブーッ……ブーッ……

 

 

「この音は…!っ…財前!!」

その時、スマホのバイブ音が微かに遊作に届く…彼女は屋上の片隅で涙を流しながら気を失っていた…。

 

 

「しっかりしろ!!っ…!!」

呼びかけに応えない葵…彼女を救う為に遊作は救急車を呼ぶしかなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…この事件が遊作を()()()()()に導く事を…この時の彼らは知らなかった…。

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