転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
久々の大スランプ…ようやく書き上げる事ができました…物語は少ししか進んでませんが…。
ついにリボルバーとの決戦に挑む遊作…これが復讐の第一歩となる。
「えっ、えっ!?リンクヴレインズが…!?」
「ハノイの騎士の攻撃!?」
部活中、姿を見せたブルーエンジェルとプレイメーカーが対峙する様子を見ていた遊嗣達三人組…その中で突然、リンクヴレインズの中継カメラが全てダウン…彼らは思わぬ事態に困惑していた。
「あっ…SNSでリンクヴレインズに居た人のコメントが……赤い光に包まれて強制ログアウトさせられてしまったみたいです!」
「強制ログアウト?そんな事、運営のSOLテクノロジーしかできないんじゃねえか…?」
「リンクヴレインズで何が起きてるんだろう…?」
《(マスター…どうやら、物語が大きく動き始めたみたいだよ…)》
映らなくなったリンクヴレインズの様子に困惑する遊嗣達…そんな中、ロマンは物語が動き出す気配を感じ取っていた…。
………
【プレイメーカー…これまでずいぶんと我々の邪魔をしてくれたな…!】
「リボルバー…!」
SOLテクノロジーの緊急カメラ以外、全ての映像が途切れたリンクヴレインズ…そこを吹き抜けるデータストームの流れの上で遊作とリボルバーは対峙していた…!
「オレは、ハノイの騎士と戦う事だけを求めてきた……このデュエルに勝った時!お前達の正体を全て暴いてやる!!」
【フン…お前が何処の誰であろうと私の知った事ではない、我々を憎む者は世界中にごまんといる…お前とて、その1人に過ぎん】
ハノイの騎士のリーダーであるリボルバーに強い敵意を向ける遊作…だが、リボルバーは揺らがない…全ては大義を果たす為に…。
【プレイメーカー、我々の目的はただ1つ…お前の持つ
「イグニス…?」
《フン…!》
【なんだ?そいつの
遊作に対して目的を明かすリボルバー…「イグニス」、その言葉に遊作は覚えが無かった。
《オレの事なんてどうでもいい!プレイメーカー様が勝ったら…オレはお前のプログラムを喰ってやるからな!!そしてオレの体のデータも返してもらう!!》
【よかろう…だが、私が勝てばお前を引き渡してもらう!いいな?プレイメーカー!勝者は全てを手にし、敗者は全てを失う…それが勝負の常だ!】
「いいだろう…!受けて立つ!!」
そしてリボルバーに体のデータを奪われてしまったAiも体を取り戻す為に覚悟を決める…その時、Aiはリボルバーから感じる
《お前、サポートAIは連れてないのか?》
【フン…私はAIなど信用しない、そもそも…ネット世界など全てが
《うわっ…!?なんだよコイツ、ハッカーの癖にネット批判の文明回帰論者かよ…!?》
【世界を破滅に導く元凶こそイグニス…!プレイメーカー、それに手を貸す貴様も同罪だ!】
今まで出会ったリンクヴレインズのデュエリストとは違い、デュエルサポート用のAIを使わないというリボルバー…彼がネット世界やイグニス、AIに向ける
【語り合うのはここまでだ…さぁ、我々の戦いに相応しい舞台を作ろうか!!】
仮面の奥に隠した表情を歪ませるリボルバー…それと同時にリンクヴレインズにプログラムが走り、地面から灼熱のマグマが噴き出した…!
【さぁ、行こうか…地獄のデュエルの始まりだ!!】
「っ…行くぞ!!」
《風を掴め!プレイメーカー!!》
【「スピード・デュエル!!」】
地獄の様相となったリンクヴレインズ…そこで復讐者とテロリストが激突した…!
デュエルダイジェスト 遊作対リボルバー
未知の実力を持つリボルバー…彼を前に、遊作は1つだけ確信している事があった。
それは──『今までのハノイの騎士とは段違いの強さを持っている』だろうという確信
リンクモンスター以外への抑止力となる『クラッキング・ドラゴン』を他のハノイの騎士へと渡す…つまり、リボルバーはそれ以上の強さのカードを持っている可能性が高いからだ…。
そして、その予想は間違ってはいなかった…先攻を取ったリボルバーは永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』で喚び出したトークン2体をリリースして『クラッキング・ドラゴン』を召喚…さらに、『ドラゴノイドジェネレーター』の効果で遊作の場にもトークンを喚び出す事で『クラッキングドラゴン』の効果によって先制ダメージを与えた。
立ち塞がるかつての強敵…しかし、遊作は怯まない。
遊作はリボルバーに渡されたトークンを絡めてサイバースデッキの真価を発揮…エースである『デコード・トーカー』とサイバース族モンスターを強化できる『コンデンサー・デスストーカー』のコンボによって最小限のダメージで『クラッキング・ドラゴン』を突破…リボルバーに大ダメージを与える事に成功した…。
【
しかし、リボルバーは動じていない…遊作も自身が持つネットワークの気配を感じ取る力『リンクセンス』によってリボルバーの言葉がハッタリではないと感じ取る。
そして、リボルバーは思わぬ一手を打つ…!
【聞こえるぞ…ネットワークに潜む、未知なる力の鼓動が…!私に捕らえられるのを待っている!
《なっ…!?》
データストームを操る力を持つリボルバーがデータストームを発生させる…その強さは今までのような竜巻ではなく、津波のような勢いで押し寄せる!!
【プレイメーカー…お前だけではないのだよ…!このスキルを使えるのは!!】
《まさか…
この時点でリボルバーの残りライフは900、その数値は…とある
【スキル発動!!自分のライフが1000以下の時、データストームからリンクモンスター1体をランダムにエクストラデッキに加える!】
大津波を乗りこなすリボルバーは水…データの壁に腕を突き刺す!
【我が手に宿れ…新たな息吹!ストームアクセス!!】
データストームの膨大なエネルギーがリボルバーの腕に収束…新たなカードを創り出した!!
【フッ…良き力だ…!】
《馬鹿な…!?そのスキルはオレ独自のプログラムだぞ!?》
【貴様…AIの癖に自惚れ過ぎだ!さぁ、新たなる力よ…大いに我が勝利への糧となれ!!】
自身のオリジナルスキルである『ストームアクセス』を発動されて取り乱すAi…その姿を見て呆れながら、リボルバーは新たな力を解き放つ…!
【現れろ!リンク4!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!!】
「っう…!?現れただけで、なんてモンスターだ…!!」
リンクヴレインズに熱風が吹き荒び、遊作や少し離れた場所からデュエルを見守っていたゴーストガールの肌を焼き焦がす…それがリボルバーが手にした新たな力──赤き装甲を纏う、単眼の機械竜…トポロジック・ボマー・ドラゴンの力だった…!
《アイツ…!サイバース狩りをしてるのに、自分もサイバースを使うのか!》
【毒を以て毒を制す…それもまた一興…】
《悪趣味な奴!!》
サイバースを敵視するリボルバーがサイバース族モンスターを使う事に対して皮肉を言うAi…だが、「毒を以て毒を制す」…その考えでリボルバーはサイバースを使っているのだ…。
「しかし、攻撃力はまだ『デコード・トーカー』が上回っている!」
【甘いぞ、プレイメーカー!私は永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』の効果発動!『ドラゴノイドトークン』を特殊召喚!そして『トポロジック・ボマー・ドラゴン』の効果!自身のリンク先にモンスターが特殊召喚された時、お互いのメインモンスターゾーンのモンスター全てを破壊する!フルオーバーラップ!!】
「なにっ!?」
攻撃力3000の『トポロジックボマードラゴン』の攻撃力を自身の効果で僅かに上回っていた『デコード・トーカー』…しかし、『トポロジックボマードラゴン』が発動した効果によってフィールドが焼け野原と化し、攻撃力を下げられてしまう…!
「まだだ…!この効果を忘れているぞ!破壊された『コンデンサー・デスストーカー』の効果発動!破壊された事でお互いに800ダメージを受ける!!」
【ぐっ…忘れてなどいないさ…!私のライフはまだ100も残っている…これだけあれば、お前を仕留めるには十分だ!】
しかし、遊作もただではやられない…モンスター効果によってリボルバーのライフを残り100まで削る事に成功する。
…だが、リボルバーにはまだ攻撃が残っている…!
【いけ!『トポロジックボマードラゴン』で『デコード・トーカー』を攻撃!終極のマリシャス・コード!!】
「ぐああっ…!!」
《だけど、まだライフは残ってるぜ…!》
【このカードの恐ろしさはここからだ!】
真紅の息吹によって吹き飛ばされる遊作…その残りライフは300…しかし、リボルバーはさらなる効果を発動する!
【『トポロジックボマードラゴン』の効果発動!このモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!これで終わりだ、プレイメーカー!!エイミング・ブラスト!!】
それは敵を殲滅する破滅の咆哮…だが、遊作は諦めてはいない!
「カウンター罠発動!『リンク・リスタート』!!自分が効果ダメージを受ける時、その効果の発動を無効にする!さらに、このカードを除外する事で墓地のリンクモンスター1体を特殊召喚する!復活せよ!『デコード・トーカー』!!」
【ほう…!追撃を避け、自分の場を持ち直すとは…なかなかしぶといな】
それは起死回生のカウンター罠、遊作はその効果でダメージを回避し、モンスターを残す事に成功した!
【私はこれでターンエンド…そしてお前は永続魔法『ドラゴノイドジェネレーター』の効果で『ドラゴノイドトークン』1体を特殊召喚しなければならない】
《やばいな…!どうにか、凌ぎはしたが…このターンでなんとかしなきゃ、確実に仕留められちまうぞ!》
「わかってる」
《ここは…奥の手を使うしかないな…!オレ達が奴に勝つには、たった1つの方法しかない…!》
「──ストームアクセスか」
《その通りだ!》
追い詰められた遊作とAi…彼らは奥の手──ストームアクセスの使用を決断する…!
《しかも、奴のモンスターより強力なモンスターを引き当てなきゃならない…もっとデカいデータストームが必要だ…!》
「それが起きるように
《いいや、AIは祈ったりしない!やるのは、勝つ為の計算だけだ!》
勝利を掴む為、Aiは秘められた力を解き放つ!
《サイバース、データマテリアル開放─!!》
吹き荒れるデータストームの嵐…それはリボルバーが起こした以上の荒波となってリンクヴレインズに流れ込む!
【フッ…!やはり、使ったか!待っていたぞ、この時を!これでこのスピードデュエルの目的は
しかし、その様子を見たリボルバーは仮面の下で笑みを見せる…その時───
キン──
【父さん…準備ができたようですね…!】
半壊したリンクヴレインズの空で
《いけ!プレイメーカー!!お前の勇気が新たな力を生む!》
「いくぞ…!スキル発動!!」
《キタキタ─!巨大データストーム!!間違いなくいやがるぞ、とんでもない力を宿したモンスターが!!》
リボルバーの異変に気付かぬ遊作とAiは巨大データストームの中に腕を突き刺す!
《今だ!風を掴め!プレイメーカー!!》
「うおおっ!!ストームアクセス!!」
気合一閃…遊作はデータストームの中から新たなる力を引き抜く…!
【フッ…流石だ、と言っておこう…しかし、残念だが──今、そのカードをお前に使わせる訳にはいかない!罠カード「リモート・リボーン」を発動!!】
《なっ…!?このタイミングで罠カードだと!?》
逆転の一手となるリンクモンスターを喚び出そうとする遊作…しかし、それを遮るようにリボルバーは罠カードを発動する!
【「リモートリボーン」は自分のリンクモンスターのリンク先にお前の墓地のモンスター1体を特殊召喚する!現れるがいい!「コンデンサー・デスストーカー」!】
「っ…!?馬鹿な!そんな事をすれば──!?」
【ふっ…!分かっているとも!この瞬間!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』の効果発動!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、お互いのメインモンスターゾーンのカード全てを破壊する!!フルオーバーラップ!!】
「っ…!!」
単眼のドラゴンから放たれた電撃が再びフィールドを焼き尽くす…そして──
【そして「コンデンサーデスストーカー」の効果が発動!自身が破壊される時、お互いに800ダメージを受ける!!っ─!!】
「ぐっ!?うわああ─!?」
それは遊作のモンスターのもう1つの効果…その爆発の勢いで2人のライフは共に0となり、スピードデュエルは引き分けに終わった…!
遊作LP0
リボルバーLP0
Duel Draw…
《ぐっ…!引き分けで逃げるつもりか!》
【いいや、そうではない…お前達のやる事など、全てお見通しという事だ!】
「っ…これは…!」
スピードデュエルは引き分けに終わったが事態は動き続ける、リボルバーの逃亡を危惧するAiだが…リボルバーの狙いは違う。
そして、遊作が異変を察知する…スピードデュエルの為に乗っていたデータストームの流れが急に速くなり始め──さらに、巨大なデータストームの竜巻が発生したのだ…!!
【ふっ…お前達の力を利用させてもらった】
「全て計算の内という事か…!」
【そういう事だ、スピードデュエルでは私とお前の戦いには
「っ…うわああ…!?」
Aiの力を利用する事で発生させた巨大データストーム…それはリボルバーによって勢力を強め…遊作とAi、リボルバーをその中心へと飲み込んだ…。
『っ…ゴーストガール!どうなったんだ!?』
『2人がデータストームの竜巻に飲み込まれたわ!!追え、なんて言わないでよ!嵐が厚くて何も見えないわ…!!』
『葵…!!』
晃がデュエルを見守っていたゴーストガールに通信を飛ばす…しかし、彼女の力では嵐の中に消えた2人を追う事はできなかった…。
「ぐっ…!ここが、データストームの中心…思ったよりも静かな場所だな…!」
データストームに流される事しばらく…遊作は嵐の中から投げ出される。
そこはデータストームの竜巻の中心…「目」と呼ばれる空間だった、竜巻の中心であるのが嘘のように風が凪いだ穏やかな世界…無数の浮島が存在するその世界で遊作はある者を見つけた…!
「リボルバー…!ここが奴のフィールドか…!!」
【来たな、プレイメーカー…ここがお前との新たな戦いの舞台だ】
浮島の1つ…そこでリボルバーは遊作の事を待ち受けていた、その姿を見つけた遊作は彼の前に降り立つ…。
【プレイメーカー!お前との決着は「マスターデュエル」でつける!リンクモンスター…そしてリンクマーカーの力はこのルールでこそ真価を発揮する!これで、私もお前も持てる力を余す事なく発揮できる!】
「いいだろう…!ここで、お前とのケリをつける!」
遊作とリボルバー…その決着はこの世界におけるデュエルの基本形──マスターデュエルに委ねられた。
火花を散らす2人の決闘者…その時──
キィン─
【…ありがとうございます、父さん】
《なんだ?あのカード…?》
「マスターデュエルの為のデッキ補強か…!」
遊作達の頭上に浮かんでいた1枚のカードがリボルバーのデッキに加わる…遊作達にはその正体は分からないが、その1枚はこのデュエルの命運を左右する事になる…。
【では、いくぞ…!!】
【「デュエル!!」】
復讐者とテロリスト…2人の決戦の幕が上がった!
デュエルダイジェスト 遊作対リボルバー
2人のデュエルは堅実に、静かに進んでいく。
先攻を取ったリボルバーはドラゴン族の攻撃力・守備力をアップし、リンクモンスターによる攻撃を強制するフィールド魔法『
対する遊作はリボルバーによるロック戦術による妨害の隙間を縫うようにサイバースデッキを回し、リンク召喚した『エンコード・トーカー』によって『ツイントライアングルドラゴン』の戦闘破壊を狙うが…『
だが、遊作もただでは終わらない…戦闘ダメージを受けた時に特殊召喚でき、その数値分の攻撃力をアップするモンスター『インタラプト・レジスタンス』と元々の攻撃力と違うサイバース族モンスターが存在する時に2枚ドローできる魔法カード『サイバース・キャッシュ』によってアドバンテージを稼ぎ、盤面を整える。
返しのリボルバーのターン、リボルバーは新たなリンクモンスター『スリーバーストショットドラゴン』をリンク召喚、遊作のモンスターを破壊し、次のターンのリンク召喚妨害を狙うが…遊作は『エンコード・トーカー』と『インタラプト・レジスタンス』の二段構えの効果でモンスターを死守し、次のターンへと繫ぐ…そして…。
「現われろ!『デコード・トーカー』!!」
盤面を支配する『弾帯城壁龍』を破壊する為に遊作はエースである『デコード・トーカー』を喚び出す…だが、それは───
【私は…この瞬間を待っていた!!フィールド魔法『天火の牢獄』!効果発動!!】
「っ…!?」
リボルバーの計算通りの…否、リボルバーに誘導された一手…フィールドを覆っていた牢獄が光を纏う…!
【フィールド上に2体のサイバース族リンクモンスターが存在する時!このカードはさらなる効果を発動する!お互いの手札・フィールド・墓地のサイバース族モンスターは攻撃宣言を封じられ、攻撃・効果の対象にならず、効果も無効化される!これでサイバースは
「っ…!!サイバース族へのメタカードか!!」
フィールド魔法『天火の牢獄』…その真価はサイバース族に対するメタカード…その力に捕らわれた『デコードトーカー』と『エンコードトーカー』の体にノイズが走る…さらに──
《ぷ、プレイ、メーカー…!意識、が…おれのいしき…だめ、暗く、なって…》
「Aiっ!?」
『天火の牢獄』はAiに対しても効果を発揮…デュエルディスクに映るAiの目にもノイズが混じり……
【消え去るがいい…サイバース!!】
《ァ…───》
「Ai…!!」
デュエルディスクの液晶が黒く染まる…そしてAiの意識は暗闇へと墜ちていった…。
「サイバース封じ…お前が『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を使わなかった理由か…!」
【その通り…イグニスなどに頼るからこうなるのだ】
「イグニス…イグニスとは、何なんだ…?」
【ふっ…そうか、お前はイグニスについて何も知らないのだったな…良いだろう、お前が負ける前に教えてやる】
沈黙してしまったAiから視線を外した遊作はリボルバーを睨む…サイバース族と『イグニス』なる存在に強い敵意を抱く彼を…。
そして…その疑問にリボルバーは静かに答え始めた。
【イグニスはただのAIではない、遥か以前から科学者達はネットワークの中で『生命』を作り出そうという試みを続けてきた…だが、作り出されたモノは所詮ただのプログラムに過ぎなかった…『生命』と呼ぶには
「決定的なモノ…何の事だ?」
【
リボルバーが語ったのはある科学者の功績…プログラムに『生命』を吹き込んだという偉業についてだった…!
【ある神話において…とある神は禁じられた天界の灯火を人間に分け与え、それによって人間は飛躍的な進化を遂げたと言う…その神話になぞらえ、彼は新たな生命を『
「意思…!?そんな馬鹿な…!プログラムが意思を持つなんてありえない!!」
【ふっ…まぁ、想像通りの反応だよ…当然だろうな、だが!お前が信じようと信じまいと…それはどうでもいい事だ】
リボルバーから語られた『イグニス』の正体の一端…しかし、それはネットワークに精通する遊作だからこそ、信じる事ができないモノだった。
【イグニスはサイバースを生み出し、ネットワーク世界の支配を進めている…我々はなんとしてでもイグニスを──そしてサイバースを抹殺する!さぁ…!そろそろトドメのデュエルを再開しようか!プレイメーカー!!】
「くっ…!」
リボルバーは話を切り上げ、遊作を葬る為のデュエルを再開する…!
【閉ざされし世界を貫く我が新風!リンク召喚!現れろ!LINK-4!『ヴァレルロード・ドラゴン』!!】
そして、リボルバーはついにエースモンスター…巨大な弾倉を持つ、赤きドラゴン…ヴァレルロード・ドラゴンを喚び出す…!
【フィールド魔法『天火の牢獄』によってお前のサイバース族モンスターは消えた…よって、攻撃は全てダイレクトアタックとなる!!喰らうがいい!天雷のヴァレル・カノン!!】
「ぐううっ…!!うわああ!!」
身を守る手段を持たない遊作に攻撃が直撃する、遊作の残りライフは…僅か600…!
「っ…あ…」
【フン…ライフが尽きる前に勝負がついてしまいそうだな…】
攻撃力3000によるダイレクトアタック、それは遊作の精神に重いダメージを与えていた…本来ならば、VR世界であるリンクヴレインズのダメージが現実の肉体に反映される事はない。
…しかし、リボルバーの手によるプログラムか…それともデータストームの中という極限状態による影響か…遊作はダメージによって起き上がる事ができないでいた…。
──3つ、3つの事を考えるんだ──
──生きる為に3つの事──
──帰る為の3つの事──
──敵を倒す3つの事──
──考える事で…きみはまだ生きられる…!──
「───そう、だ…
その時、追い詰められた遊作は
「1つ…オレは、あの時の記憶を、取り戻す…」
「2つ…そしてオレは、あの時の真相を突き止め…!自分の人生の時間を、全て繋げる…!」
「3つ…!オレは、あの時の
【ほう…まだ、お前の闘志を消すには至らなかったか…】
自分が戦う3つの理由を思い出した遊作は…力を振り絞って立ち上がる!
「(このターンでなんとかしなければ、オレは確実にやられる…!だが、どうすれば…!?)」
しかし、遊作の劣勢は変わらない…頼りにするサイバース族のモンスター達も、軽口を言うAiもいない…しかし、それでも──
ドクン
「っ……これは…オレのデッキに眠る、サイバースの鼓動…!お前はまだ消えていなかったのか…!まだ、サイバースの灯は消えていない!!」
希望の光は遊作のデッキに残されていた!
「Ai!お前はまだそこにいるな!だったら…オレに力を貸せ!!」
「いくぞリボルバー!これが…サイバースの新たな可能性だ!現われろ!LINK-4!『ファイアウォール・ドラゴン』!!」
【っ…!そのモンスターは…!!先ほどのデータストームから手に入れたカードか!!?】
それはスピードデュエルにおける『ストームアクセス』によって引き抜かれた遊作の新たな力…電脳世界の『鉄壁』の名を冠する青きドラゴンが咆哮する!
【っ…!『天火の牢獄』は封じていた2体のサイバース族モンスターがフィールドを離れた時、破壊される…!】
《……ん?あれ?ここは…?》
「Ai…フッ、これでお前はまた人質生活だな?」
《あれ〜?オレ、寝てたのか?》
「ああ、ぐっすりとな」
そして、遊作の足掻きが事態を好転させる…自身のデメリット効果によって『天火の牢獄』が自壊、Aiが意識を取り戻したのだ。
《プレイメーカー様?まさか負けてないよな?》
「当然だ…だが、オレのライフは風前の灯火だがな」
《ちょっと〜!?ライフ600って大ピンチじゃん!?》
「………お前、もう一度寝てていいぞ?」
意識を取り戻したAiだったが…追い詰められた状況を確認してプレイメーカーをなじる…その様子を見た遊作は思わず嫌味を口にするが……その口角は少しだけ上がっていた。
そして調子を取り戻した遊作はファイアウォールドラゴンで弾帯城壁龍を撃破する事でリボルバーのロック戦術を突破する…だが、リボルバーも甘くはない。
ヴァレットデッキの真価…それは下級ヴァレットモンスターを弾丸としてリンクモンスターの効果の
しかし、遊作は罠カード『サイバネット・リフレッシュ』の効果で『ファイアウォールドラゴン』を破壊、そして蘇生する事で難を逃れる…。
さらに、罠カード『リコーデッド・アライブ』を発動…発動していたフィールド魔法『サイバネット・ユニバース』の効果でエクストラデッキに戻っていた『エンコード・トーカー』を特殊召喚する事で盤面を整える。
そして…そこからは激しい効果の応酬となる、『ファイアウォールドラゴン』が自身の効果で『ヴァレルロード』のバウンスを狙うが、効果耐性によって弾かれる。
そして代わりにバウンスされた『アネスヴァレットドラゴン』の効果で破壊効果が発動するが、墓地の『サイバネットリフレッシュ』によってそれを回避する…。
そして…デュエルはついに決着を迎える…!
遊作はデスティニードローによって永続魔法『バトル・バッファ』を引き当てる、その効果は自分の相互リンクしているモンスターの数まで相手モンスターの効果を封じる効果…そして、サイバース族モンスターがバトルしたあとにこのカードにカウンターを乗せ、その数1つにつきサイバース族モンスターの攻撃力を700アップする効果…そこにリンク先のモンスターに破壊耐性を与え、攻撃力を強化する『エンコードトーカー』の効果を絡める事で『ファイアウォールドラゴン』の攻撃力を6500、『エンコードトーカー』の攻撃力を3300まで上げる事に成功する…だが、リボルバーも黙ってはいない。
『ヴァレルロード』の撃破を狙う『エンコードトーカー』を自身の持つ相手モンスターの攻撃力を500下げる効果によって返り討ちにするが…遊作は止まらない、『リコーデッド・アライブ』の第2効果によって第1効果によって除外されていた『デコードトーカー』を蘇生…自身の効果と『バトルバッファ』による強化で再び攻撃を仕掛けるが…罠カード『ヴァレル・リフリジェレーション』によってリンクモンスターから効果を受けた扱いになった『マグナヴァレットドラゴン』によって破壊されてしまう…!
【フン…今度こそ、決着はついたなプレイメーカー!お前の場には攻撃を終えた「ファイアウォールドラゴン」のみ!そして、手札は0…次の私のターンで決着だ!!】
「いいや…オレは負けない!オレには負けられない3つの理由がある…!」
絶体絶命の窮地を前に…遊作はリボルバーに自分の戦う理由を突きつける…!
「1つ!オレはお前達を破滅させ、
「2つ!そしてオレは失った時間を取り戻す!」
「3つ!オレは…オレを助けてくれた
【───10年前、
「そうだ…!オレはその復讐の使者だ!!」
「3つの言葉」そして「10年前の事件」…それを聞いたリボルバーは動揺する…プレイメーカー…遊作の正体に気がついたのだ…!
【っ…真実も何も知らず!SOLテクノロジーに手を貸すのか!プレイメーカー!!】
「オレがすべき事はただ1つ!お前達を叩き潰し、全てを知る事だ!!」
明らかに取り乱すリボルバー…彼に向けて復讐者は最後の効果を発動する!
「墓地の『パラレルポート・アーマー』の効果発動!このカードと墓地のリンクモンスター2体を除外する事で自分のリンクモンスターは2回攻撃できる!!」
【馬鹿な!攻撃が復活するだと!?】
《いっけぇ!プレイメーカー!!》
「喰らえ!リボルバー!!『ファイアウォールドラゴン』の攻撃!テンペストアタック──!!」
【ぐっ…!?ぐおおおっ!?】
それは復讐の一撃…青き体を赤く燃やしたドラゴンの一撃が大義の弾倉を燃やし尽くし…リボルバーへのワンショットキルを決めた!!
リボルバーLP0
遊作WIN!
【ぐうっ…!】
「約束どおり…!お前の持つ情報を貰うぞ!リボルバー!!」
《任せろ!オレが喰ってやる─!》
【ぐっ!?】
浮島の1つに叩きつけられたリボルバーに捕食形態となったAiが肉薄…右腕を食い千切る!
《全部だ!お前の情報を───》
ドガン!!
《ぎゃっ!?》
「っ!外部からの干渉か!!」
リボルバーの全身を食らおうとするAi…だが、リボルバーを守るように落雷が直撃する!
《コンチクショー!逃げるつもりか!!》
【約束は守る…!除去プログラムを受け取るがいい…!】
「っ…」
協力者によってログアウトしていくリボルバー…だが、彼は約束通り、ウイルス除去用のプログラムを遊作に投げ渡す!
【プレイメーカー!今日は私の風は吹かなかったようだ…だが、お前がそのAIを手にしている以上、これは始まりのデュエルに過ぎない!お前とは、いずれまた──!!】
《ああ…逃げちまった…もう少しだったのに》
「リボルバー…!」
粒子となって消えていくリボルバー…彼が去ったあとを遊作はしばらく睨んでいた…。
……………
『プレイメーカー!!プログラムは…』
「ああ、手に入れた…これで彼女は目を覚ますはずだ…」
そして遊作はゴーストガールと共に晃と合流する、そしてリボルバーから渡された除去プログラムをブルーエンジェルへと使い───
キィン!
『葵っ!?』
『無事にログアウトできたみたいね…行ってあげなさいよ
「わかった…ありがとう、プレイ────ありがとう」
ブルーエンジェルのアバターがリンクヴレインズから消える…それは、彼女が正しくログアウトできた証…晃は遊作に礼を伝えようとしたが、彼は既に去った後だった…。
「っ…はぁ…はぁ…」
「遊作!大丈夫か!?」
ログインルームから疲労困憊の遊作が倒れるように出てくる…その様子を見た草薙は慌ててその体を支える…。
「草薙さん…財前は…」
「ああ……無事みたいだな…感動の再会中さ」
遊作を椅子に座らせた草薙は病院のカメラにハッキングする…そこでは財前兄妹が涙の再会をしている所だった…。
「良かったな、遊作…遊作?」
《遊作なら寝ちまったぜ?だらしない奴!》
「ハハッ…ヒーローにも休息は必要さ」
そして…葵の無事を確認して気が緩んだのか…遊作は静かに意識を手放していた…。
《こいつがヒーローって柄かよ?ヒーローってのはオレみたいに知的で〜》
「ハイハイ…カッコつけてる所悪いが…お前の食べたプログラムを解析させてもらうぞ〜」
《え〜!?またオレの大事な所見ちゃうの〜?このエッチ〜!》
「はぁ…正直言えば必要ない作業なんだが…結局、お前が食べたプログラムは何だったんだ?」
《それは〜……解析しないとわかんない♡》
「よーし、とりあえずシャットダウンするぞー」
《ノリが悪いな〜!ぐう…》
草薙はAiと軽口を言いながら、彼の解析を進める…そしてAiは念願の肉体を取り戻した事が判明するのだが…遊作達の反応は思った以上に淡白な事を、この時のAiはまだ知らない…。
………
『油断したのか?お前らしくないな…それとも、動揺したのか?』
【父さん…】
それは何処かにある電脳空間…『ハノイの騎士』のアジト…右腕を失ったリボルバーに白衣を着た壮年の男…リボルバーの父が話しかける…。
【すみません、父さん…次は必ず…!】
『まぁいい、気にするな…今のデュエルで有意義なデータが取れた…だが、あのイグニスが手に入らないとなれば──最後の計画を進めなければならない…私はその準備に取り掛かる』
【分かりました…(10年前、3つ…プレイメーカー…お前は──)】
ハノイの騎士…最大にして最悪の作戦…その発動は間近まで迫っていた…。
「リンクヴレインズの復旧…少し時間が掛かるみたいですね…」
「うん…システムトラブルって事になってるけど…この街で何が起きようとしてるんだろう…?」
《(…この世界の…電脳世界の命運を分ける戦いが迫ってる…どうか、遊嗣達にその火の粉が降りかからないと良いんだけど……マスター…早くこちらに戻って欲しいなぁ…)》
黄昏時の通学路を歩く遊嗣とマシュ…ロマンは静かに2人の平穏を願った…。
Next Episode…?
リボルバーとの直接対決を制し、新たな手がかりを掴んだ遊作
彼は真実を知る為に戦い続ける…自分を「地獄」に送り込んだ者の正体を掴む為に…。
そして…ついに「光」と「影」は交錯し、全ての電脳を崩壊させる兵器が目覚める…!
転生して決闘の観測者になった話 第2章 近日執筆開始予定……
「誰だ、世界の平和を乱すのは……俺の家族を傷つけるのは!!」
「貴方、は…!」