転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

電脳ウイルスに感染し、眠り続けるマシュ…その元凶たるハノイの騎士に対し、遊嗣はその胸に昏い炎を宿す…。

しかし、戦っているのは彼だけではない…青き天使の抱く想いが、希望を導く…!

それでは、最新話をどうぞ!


ウイルスレディ〜その怒りは誰の為に〜

《………遊嗣、だいじょう……ううん、授業は出れそうかい?》

 

「…うん、マシュの為にも…ちゃんと授業を受けて、ノートを取らないと…」

 

ハノイの騎士との激戦の翌日、遊嗣は重い足取りで高校に向かっていた…その様子を見たロマンは遊嗣に優しく問いかけるが、彼は力なく笑うだけだった…。

 

 

《……今日はデュエル部でミーティングをするって連絡が来てるよ、忘れないようにね》

 

「…ありがとう、ロマン」

 

 

 

…………

 

 

『では…デュエル部のミーティングを始めるよ』

放課後、デュエル部の部室に部員達が集められていた…そしてそこには2人、姿がない人物がいる…1人はバイトがある遊作、もう1人は未だに眠り続けているマシュ…それ以外の全員が集まっていた。

 

 

「部長!ハノイの奴ら…やりたい放題にやりやがってよぉ!!このまま好き放題にさせていいのかよ!!リンクヴレインズが大変な今こそ、俺達デュエル部が立ち上がる時じゃないんですか!!」

ミーティング開始早々、島が声を荒らげる…彼は見ていたのだ、リンクヴレインズでハノイの騎士達が乱暴狼藉を働く姿を…自分の好きなリンクヴレインズが荒らされていく光景を…。

それを見た彼は…何かしらの行動ができないかと考えていたのだ。

 

 

 

『僕達が立ち上がる…リンクヴレインズに行って、ハノイの騎士とデュエルすると言うのかい?』

 

「っ…お、俺は行きますよ!!あいつらの好き勝手にさせたくな──」

 

『ダメだ、そんな危険な事はさせられない…そんな事をして、キミや部員達がマシュさんのようにアナザーにされてしまったら、悔やんでも悔やみきれない…!』

 

「部長…」

島の言葉に部長の細田は強い口調で反論する…それは、部員達の安全を願う彼の本心だった…。

 

 

「島君、中途半端な覚悟でハノイの騎士と戦っちゃダメだよ、彼らの大半は()()…それでも、すごい人数が集まってる…1人を倒したら2人、2人を倒したら4人…ネズミ算的に相手が増えていくから…」

 

「白波…」

 

『……白波君?あなたのその言い方…ハノイの騎士と()()()の?』

 

「「「『っ!?』」」」

そして部長の意見を支持するように遊嗣が声を上げる、その意見を聞いた財前葵は遊嗣がハノイの騎士と交戦した事に気付いた。

 

 

「……うん、僕は昨日ハノイの騎士とデュエルした……アナザーになってしまったマシュを助ける手がかりを掴む為に……結局、20人近いハノイの騎士達と戦ったけど…手がかりも、除去プログラムも手に入らなかったけどね…」

 

『にじゅっ…!?よく無事だったね…!?』

 

「マシュのお父さんと一緒に戦ったので…お互いの隙を補い合いながら…」

遊嗣の戦歴を聞いた部長は思わず驚愕する…しかし、遊嗣の表情は暗かった…。

 

 

『白波君、あなた…どうしてマシュさんの為に戦えたの?まだ知り合って数週間しか経ってないはず…それなのに…』

 

「……出会ってからの時間が短いなんて関係ないよ…僕はマシュを助けたいと思って…マシュやみんなの()()を取り戻したかった…それだけだよ」

 

『そう…白波君、あなたは優しくて…自分の実力をしっかり見極める事ができているのね』

疲弊した…しかし、しっかりとした覚悟を決めた表情で遊嗣は戦う理由を語る…その表情は、葵にとっても眩しく思うほどだった…。

 

 

『コホン…白波君、キミがマシュさんと仲が良い事は知っているけど…あまり無茶な事はしないように………とりあえず、我がデュエル部はアナザー問題が解決するまで、部活動を休止とします…いいね?島君、キミも気をつけるように』

 

「……はい…」

そして部長の決定を以てデュエル部の休部が決定、流石の島も遊嗣の体験談を聞いて静かに引き下がったが…直後にリンクヴレインズにプレイメーカーが現れた事を知って興味はそちらに移っていた。

 

 

 

Side???

 

 

 

「おい、電脳ウイルスの除去プログラムを渡せ」

 

【そんなモノ…俺達には渡されていない…!!】

 

《本当か〜?》

リンクヴレインズのとある場所、遊作は撃破したハノイの騎士に対して尋問を行なっていた…事態を好転させるはずのプログラム『電脳ウイルス・アナザーの除去プログラム』を手に入れる為に…。

 

 

《じゃあ誰が持ってるんだ?言わないと喰っちゃうぞ〜!》

 

【ヒッ!?】

除去プログラムを持たないというハノイに対して捕食形態のAiが脅しをかける…だが…。

 

ドクン

 

【ひっ…!?ぐわああああ!?】

 

《あ、消えちった》

 

「……口封じされたか」

 

《えげつね〜…》

どうやらハノイの監視がついていたらしく、モブハノイは崩れるように消えていった…。

 

 

 

『プレイメーカー!』

 

「Go鬼塚か」

口封じされたハノイの騎士が消えた直後、遊作と共闘関係を結んだGo鬼塚がやって来る…彼は持ち前のタフネスと変装技術でハノイを引き付けて撃破し続けていた。

 

 

『…ブルーエンジェルを見たか?』

 

「いいや…」

 

『っ…どうやら、俺達2人だけか…』

 

《う〜ん…ありゃ、戻ってこない感じじゃないか?》

先日、リンクヴレインズの危機を前に顔を合わせた三人の決闘者…しかし、ブルーエンジェルはその直後に何も言わずにリンクヴレインズを離れてしまっていた…。

 

 

「ブルーエンジェルがハノイと戦おうと、そうでなくとも…状況は変わらないだろう」

 

《そのココロは?》

 

「1つ、このまま奴らと戦っていてもキリがない…2つ、電脳ウイルスは()()()()されていて、自力では除去プログラムを作れない…3つ、ならば…そのウイルスを作り出した奴を見つけだすしか打開策はない…」

 

『元を絶たないと…永遠とこの状況は続いちまうって事か…』

遊作は簡潔に状況を整理する。

 

 

まずは『ハノイの騎士』の戦力について…遊作達が全貌を知る手段はないが、その勢力は千人を越えている…それを数人で倒すのは無理がある。

 

次に『電脳ウイルス』について、遊作はブルーエンジェル用の…鬼塚はマコト用の『除去プログラム』を手に入れたが…電脳ウイルスは更新・改良が続けられているらしく、Aiの能力があっても『特効薬』となるプログラムは作れていない。

 

つまり、電脳ウイルスの開発者を見つけ出す事が事態を解決する、一番の近道となるのだ…。

 

 

 

『くっそ~…こんな時に()()()()が戻って来てくれればなぁ…』

 

「都市伝説のヒーローか…だが、無いものねだりをしても仕方ないだろう……そっちは何かあったか?」

 

『除去プログラムの手がかりはないんだが、ちょっと気になる話を聞いたぜ?』

 

「気になる話?」

ハノイの騎士への対抗手段の少なさを嘆く鬼塚…そんな彼だったが、何やら手に入れた情報があるらしい。

 

 

『この前、俺がドクターゲノムとデュエルしてる時…()()()のデュエリストがハノイの奴らを蹴散らしてたらしいんだ…そいつは遠目に見ただけだから、状況は分からないらしいが…紫色の髪の軍服?を着た男と…金髪でスーツを着た男だったらしい…誰かは知らねぇが、ガッツのある奴らもいるんだな』

 

「そうなのか…」

 

 

 

《なぁ、プレイメーカー…さっきの二人組の話ってよぉ……》

 

「おそらく、マシュの父のランスローと……白波遊嗣、だろうな」

Go鬼塚と分かれた遊作とAiは彼の手に入れた話について話していた…。

 

 

《ちょっと調べてみたけど…あのランスローっておっさん、中々強い奴みたいだぜ?声をかけてみたらどうだ?娘を救う為なら、きっと手を貸してくれるんじゃ…》

 

「いや…やめておこう、これはオレの戦いだ…それに、彼もマシュを放ってはおけないはずだ」

 

《ん〜…なら、白波は?アイツがそんなに強いとは知らなかったけど…》

 

「白波はもっとダメだ」

 

《その訳は?》

 

「彼は…彼には、光の差す道を歩んでいて欲しい…そう思ってしまうんだ」

 

《ふ〜ん…珍しく優しい事言うじゃん》

 

「黙れ、手がかりを探すぞ」

 

《へ〜い…あ〜あ、オレにももう少し優しくしてくれないかナー》

Aiの提案を却下した遊作はハノイの手がかりを得るべく、リンクヴレインズからログアウトした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま……あれ…?フォウ…?」

最近の日課となってしまったマシュのお見舞いを終え、遊嗣は自宅へと帰ってきた…しかし、小さな異変に気づく…いつも出迎えてくれるはずのフォウの姿がなかったのだ。

 

 

「どうしたんだろ……誰か来てる?」

その時、遊嗣はもう1つの異変に気づく…玄関に見慣れぬスニーカーが揃えて置いてあったのだ。

 

 

 

《フォーウ…フォウ〜ン……》

 

『ははっ…まったく、お前は変わらずにモフモフだな〜』

 

「あっ…凌牙兄!」

 

『ん…おう、久しぶりだな遊嗣、母さんなら買い物だ』

恐る恐るリビングに入る遊嗣、そこにいたのは…学生時代と変わらない紺色のスーツを着こなした青髪の目付きの鋭い青年──遊嗣の兄にして、現八代目『決闘王』──神代凌牙だった。

…なお、フォウは凌牙の膝の上でモフられ…溶けた餅のようになっている…。

 

 

「凌牙兄…どうして?『決闘王』として全国行脚してるんじゃ…」

 

『ランスローから連絡を貰ったんだよ…「娘のせいで遊嗣君に心労をかけてしまった、一度会いに行って欲しい」ってな』

 

「ランスローさん…僕の事なんていいのに……」

決闘王として多忙な日々を送る凌牙…だが、ランスローからの連絡を聞いて一部の予定をキャンセル…久しぶりにデンシティに立ち寄ったのだ。

 

 

『ほら、座れ』

 

「うん…」

凌牙は自身の隣のソファをポンと叩き…遊嗣はそれに従った…。

 

 

 

『……母さんから事情は聞いた、仲良くしてた奴が……ランスローの娘がアナザーの被害に遭ったんだってな?』

 

「うん、ハノイの騎士が作った電脳ウイルス…そのせいで、マシュは昏睡状態なんだ…」

 

『……昏睡か……俺の時と似てるな』

 

「えっ…?」

遊嗣から今までに何があったのかを確認する凌牙…その様子を見た彼は…自分達の過去を話す事にした…。

 

 

 

『俺がお前よりちょっと若くて、父さん達もハートランドに住んでた頃…璃緒がトラブルに巻き込まれて1年近く昏睡状態だった事があるんだ』

 

「璃緒姉が!?えっ、そんなの初めて聞いたよ!?」

 

『そりゃ、話してないからな』

 

《フォーウ…》

それは…凌牙にとって、そして遊海達にとっても忘れられない『つらい思い出』…凌牙はそれを静かに遊嗣に語り聞かせる。

 

それは過去にあった『ナンバーズ争奪戦』の一幕──

 

 

とある「悪」に目を付けられてしまった璃緒が眠り続けていた時期があった事。

 

凌牙はそのせいで大会で不正行為をしてしまい、それを追求され…やさぐれてしまった時期があった事。

 

その犯人を突き止め、()()のデュエルに手を染めてしまった事を…。

 

 

その中には遊嗣が知る人物の名前があるが…それは敢えて濁し、遊馬やカイトなど…最小限の人物の名前だけで留めていた。

 

 

 

『………遊嗣、お前は今、ハノイの騎士を…マシュを傷付けた奴をどうしたい?』

 

「……わからない…ぶん殴りたい…?…違う…マシュを…眠り続けてるみんなを返せ……許せない…?」

 

『……そうか……遊嗣、お前のその()()は正しい思いだ』

遊嗣からハノイの騎士への思いを聞き出した凌牙は頷き、優しく頭を撫でる…。

 

 

『ハノイの騎士にどんな目的があろうと…どんな正義があろうと、奴らのやってる事は絶対に許せない事だ…でもな、それに報復…()()しようとしたら…それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()……それはなんとなく分かるだろ?』

 

「うん…」

 

『俺も…璃緒を傷付けた奴らが許せなくて…父さんが止めるのも聞かないで怒りをぶつけ続けた……そのせいで、父さんに()()()させちまったりもした…だから…遊嗣、お前は復讐なんて考えるな……その代わり、もしも犯人に会う事があったら()()()()…それで落とし前をつけさせろ』

 

『凌牙兄…』

凌牙の言葉を聞いた遊嗣は兄の意図を理解した。

凌牙は遊嗣が道を踏み外し、()()()になってしまう事を危惧していたのだ。

 

 

「大丈夫だよ、凌牙兄…僕は復讐なんてしない、僕はマシュを…みんなをハノイの騎士から助ける為に戦う…!それが、僕の戦う理由だから…!」

 

『フッ…そうか…それでこそ、父さんの息子だ…でも、無理はするなよ?』

 

「うん!」

凌牙の言葉を聞いた遊嗣の瞳に光が戻る…誰かを罰する為ではなく、誰かを救う為に戦う…遊嗣はその原点を思い出す事ができた

…。

 

 

 

「ただいま〜!あっ、ユウ君おかえりなさい!今日は凌牙君がいるから張り切っちゃうわよ〜!!」

 

「おかえり母さん!」

 

『母さんおかえ………豆腐……………麻婆豆腐は…やめて、くれよ……?』

 

《キュッ…フォーウ…(特別意訳:良い話だったのにナー…)》

 

そして、翠が買い物から帰宅するが…買い物袋から見えた豆腐を見た凌牙は顔を引き攣らせていた…。

 

 

 

…………

 

 

 

「すぅ…すぅ…」

 

「ごめんね凌牙君…忙しいのに…」

 

『何言ってんだよ母さん…俺にとってはコッチの方が優先さ』

夕食を終え…久しぶりに穏やかな表情で居眠りする遊嗣、そんな彼に毛布を掛けながら…親子は穏やかな時間を過ごしていた…。

 

 

 

『母さん…父さんは?まだARC次元から帰ってないのか?』

 

「うん…神出鬼没な攻撃を仕掛けてくるネオ・アカデミアへの対処と…なんとか保護できた洗脳されたデュエリストの治療に苦労してるらしいの…精霊の力とか、リアルソリッドビジョンじゃなくて、物理的な洗脳みたいだから…それに、ネオ・アカデミアの本拠地のある場所が見つからないらしくて…」

 

『……遊馬とカイトに声掛けた方がいいか?』

 

「うーん…本拠地さえ見つけられれば、遊矢君達と一緒に乗り込んで解決できる…って言ってたわ……人手が必要になったら、必ず連絡をくれると思う」

 

『そっか、まったく…実の息子が困ってるんだから、早く帰ってきてくれよ…』

 

「本当にね…でも、遊海さんは…あの次元の事を放っておく事はできないから…」

 

『仕方ないよな…それが『英雄』白波遊海、だもんな…』

 

《フォウ》

カーテンの隙間から覗く満月を見ながら…2人は遥かな場所で戦い続けている遊海の事を想った…。

 

 

 

『(遊嗣、お前は絶対に復讐なんかするなよ?……その時は…そんな事になったら、お前は…)』

 

「ん……」

そして凌牙は…無防備に眠る遊嗣の頭を優しく撫でた…。

 

 

 

………

 

 

 

「……もう一度、リンクヴレインズに行ってみるかな…」

 

『白波君、止めておいた方がいい…昨夜のニュースを見ただろう?』

翌日の夕方、マシュの病室…凌牙は再びプロリーグの試合に向かい、学校の授業を終えた遊嗣はマシュの見舞いに訪れていた。

 

そんな中、世間を賑わせて…否、()()させていたのはSOLテクノロジー社のやらかしについてだった…。

 

 

リンクヴレインズでのハノイの騎士による蛮行を止める事ができなかったSOLテクノロジー…そんな中、財前晃の後任としてセキュリティ部長となった北村はハノイの騎士を一掃する為に1000体規模の『AIデュエリスト部隊』を作成…ハノイの騎士との決戦へと挑んだ。

 

 

結果…SOLテクノロジーのAIデュエリスト部隊は()()した。

 

 

AIデュエリストはプレイメーカーやブルーエンジェルを追い詰めた実力の高さからハノイの騎士全構成員の4()0()%()を撃破した…しかし、そこへハノイの騎士の上級幹部らしき()()()のデュエリストが乱入…瞬く間にAIデュエリスト部隊は全滅させられてしまったのだ。

 

その結果は受けてネット上でSOLテクノロジーは大炎上の最中にあった…。

 

 

 

「(どうしたら、マシュやアナザーになったみんなを助けられるんだろう…僕には鬼塚さんのようなタフネスも、ブルーエンジェルのような強さも、プレイメーカーみたいなハッキング技術もない…僕にできる事なんて──)」

眠り姫のように眠り続けるマシュを見ながら…遊嗣は自分にできる事を探して自問自答を繰り返す…そんな時だった。

 

 

『速報をお伝えします!!ただいま、リンクヴレインズで復活したブルーエンジェルとハノイの騎士、その幹部らしきデュエリストのスピードデュエルが始まった模様です!!』

 

「『っ!!』」

病室のモニターから流れるニュース速報…それはアナザー事件の転換点となる戦いを知らせていた…!!

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

「あれ〜?山本先輩、何処に行っちゃったんだ〜?」

 

「おーい!鳩ー!今日は終わりだ!引き上げるぞ─!」

 

「えー!?いま来たばっかりじゃないですか!?」

 

「上からの命令だとさ!若者が危険を承知で突っ込んでくるから…報道を自粛しろ、とさ…」

 

「そんなの言いがかりじゃないっすか─!」

 

リンクヴレインズのとあるビル、二人組のマスコミでお馴染みのカエルと鳩は溜息を吐いていた。

ハノイの騎士によって制圧されつつあるリンクヴレインズ…その現状を知らせる為にジャーナリストとして活動を続けていた2人だが、ついにテレビ局上層部からストップが掛かるほどにリンクヴレインズは混迷を極めていた…そんな時──

 

 

 

【あなた達…報道の人間ね?】

 

「「ギャー!?出た─!?」」

彼らの前に思わぬ人物が現れる…それはSOLテクノロジーのAIデュエリスト部隊を殲滅した、ハノイの騎士の上級幹部の1人…「バイラ」と呼ばれる女性だった。

目の前にハノイの騎士が現れた事でカエルと鳩は抱き合って怯えている…。

 

 

【プレイメーカーの居場所は知ってる?】

 

「「知らない知らない知らないです─!!」」

 

【あら…?いつも彼に付き纏ってるのは知っているわ…知っているなら、早く言ったほうが身のためよ…?】

 

「ひぃぃ!?本当に知らないんですってばぁぁ…!!」

 

「せ、先輩…ボク達、スクープをモノにする前に一巻の終わりなんでしょうか─!?」

イグニスを持つプレイメーカーの行方を探すバイラはその手に電脳ウイルスらしいプログラムを持ちながらカエルと鳩に詰め寄る…プレイメーカーとの遭遇率の高い2人を襲う悲劇…その時だった。

 

 

『ちょっと待った─!!』

 

 

「「ぶ、ブルーエンジェル!!」」

リンクヴレインズに少女の声が響く…そして、マスコミの2人を守るように現れたのは…カリスマデュエリスト・ブルーエンジェルだった。

 

 

 

【あら…ブルーエンジェル、貴女はリンクヴレインズにはもう来ないと思っていたわ】

 

『悪いけど…今の私、超機嫌が悪くて…誰でも良いからぶっ飛ばしたい気分なの…!運が悪かったと思って諦めて』

ブルーエンジェルの姿を見ても余裕そうなバイラ、それと反対にブルーエンジェル──財前葵は虫の居所が悪かった。

 

 

財前葵…彼女がカリスマデュエリスト・ブルーエンジェルとして活動していた理由…それは仕事に打ち込むあまりに自分を顧みなくなった(ように見えていた)兄・財前晃に頑張っている自分を認めてもらいたい…それが一番の理由だった。

 

しかし、それは葵の勘違いだった…晃は葵を守る為に必死に働いていただけ……2人の思いはすれ違ってしまっていた…。

 

そんな中で起きたのがハノイの騎士による自身への『電脳ウイルス』事件…その出来事を期に葵は兄の真意を知る事ができた…そして、彼女は戦う理由を失ってしまった。

 

その中で発生した今回の「アナザー事件」…同じくカリスマデュエリストのGo鬼塚やプレイメーカーの活躍を見ながら、彼女はモヤモヤとした思いを抱え続けていた…そんな時、彼女はかつてニアミスした電脳トレジャーハンター・ゴーストガール…別所エマに呼び出され、こう諭されたのだ。

 

 

「自分の行動に責任を取れないなら、ブルーエンジェルを辞めた方がいい…そうすれば誰も振り回されなくて済む」と…。

 

 

ハノイの侵攻を受けてカリスマデュエリストの力を求めるデンシティの人々と原因が分からないモヤモヤとした自分の気持ち…その2つの問題によってストレスが溜まった彼女はブルーエンジェルとしてリンクヴレインズに降り立ったのだ。

 

 

そして彼女は──元凶たるハノイの騎士と対峙する。

 

 

 

 

【まったく…電脳ウイルスの恐ろしさは貴女が一番よく知っているはずなのに、また感染しに来るなんて…】

 

『っ…なんで私が負ける前提になってるのよ!!それに、あの事件の事は私が一番忘れたい事なの…思い出させないでくれる!?』

 

【じゃあ、教えてあげるわ…貴女は電脳ウイルスの被験者()()()、あなたから得たデータを元にしてアナザーの電脳ウイルスは完成したのよ?】

 

『まるでアンタが()()()()()()()()ような言い方ね……そうなの?』

 

【YES…と、言ったら?】

 

『───()()()()!!誰でもいいって言ったのは訂正するわ…私はアンタをぶっ飛ばす!!あの時の借りを何倍にもして返してやるわ!!』

目の前のハノイの騎士、バイラが電脳ウイルスの制作者と知ったブルーエンジェルは怒りを爆発させ…宣戦布告を叩き付ける!

 

 

【わかったわ…私も自分がした事の()()は取りましょう…!】

 

『その言葉…大キライなんだよね!!』

 

「こ、これは特ダネの予感…!鳩!上からの命令なんて関係ねぇ!2人を追うぞ─!」

 

「先輩!その言葉を待ってたッス─!!」

Dボードに乗ってリンクヴレインズの空へ飛び出す2人のデュエリスト…それを見ていた鳩とカエルは慌ててその背中を追い掛けた!

 

 

 

【それじゃ、アイドルに相応しい戦いのステージを用意してあげるわ…データゲイル、発動!!】

 

キィン!!

 

『っ─!?』

そしてバイラはデータゲイルを発動、強いデータストームが吹き荒れる…そして2人のデュエリストは激突する!

 

 

 

 

【『スピード・デュエル!!』】

 

 

デュエルダイジェスト ブルーエンジェル対バイラ

 

 

 

 

ついに始まったブルーエンジェルと電脳ウイルスの元凶、ハノイの騎士・バイラとのスピードデュエル…先攻を取ったブルーエンジェルは「トリックスター」デッキの鉄板コンボ…フィールド魔法『トリックスター・ライトステージ』とリンクモンスター『トリックスター・ホーリー・エンジェル』のコンボによって先制ダメージを与えていく。

 

そして…ブルーエンジェルは自分が抱いていたモヤモヤとした気持ちの正体に気がついた。

 

 

その正体は──怒り

 

 

ハノイの騎士の策略で電脳ウイルスに感染して昏睡状態に陥ったブルーエンジェル…だが、何も見えず、身動きもとれない暗闇の中で───彼女は()()()()()()()()…体は眠っていても、意識を失う事は許されなかった。

 

その恐ろしい「闇」の中で彼女は助けを求め続けた…押し寄せてくる悲しみと恐怖、絶望から逃れる為に…そして、アナザーの被害を受けた人々は今、彼女と同じ苦しみの中にいる。

 

その孤独と苦しみを知る者として…彼女はハノイの騎士へと怒りを持って立ち向かっていた…。

 

 

 

対するハノイの騎士・バイラが操るのはミイラをモデルとした「ダークマミー」モンスターに加え、海馬瀬人も愛用していた『ウイルス』系の魔法・罠カードをメインとした『ウイルス』デッキだった。

 

そしてブルーエンジェルはカリスマデュエリストである故に、自身のデッキを研究されてしまうという弱点があった…バイラはまずダメージの基点である『ライトステージ』を「ダークマミー・ゾンテ」によって破壊、さらに罠カードを伏せたターンに発動可能にする永続魔法『王家の神殿』を発動…さらにウイルスカードである罠カード『─C(カレント)─ハックウイルス』を発動…その効果によってブルーエンジェルは3ターンの間、守備力2000以下のモンスターの効果を無効にされ、攻撃力も0にされる…という状況に追い込まれてしまう。

 

さらにバイラはリンクモンスター『ダークマミー・サージカルクーパー』を喚び出して「ホーリーエンジェル」へと攻撃を仕掛けるが…ブルーエンジェルは罠カード『トリックスター・ペレニアル』によって戦闘破壊を回避する…。

 

 

 

返しのブルーエンジェルのターン、ウイルスカードによって身動きを封じられた彼女は裏守備表示でモンスターをセットする事で勝機を見出そうとするが…『サージカルクーパー』の相手のリンクモンスターのリンク先のモンスターを破壊する効果によって妨害されてしまう。

 

 

続くバイラのターン、彼女は罠カードをドローした事で『サージカルクーパー』のさらなる効果を発動し、ブルーエンジェルに500ダメージを与える…さらにスキル『フォビドゥン・サージカル・オペレーション』を発動、その効果で墓地の『ダークマミー・ゾンテ』2体を除外する事で『ダークマミー・シリンジ』2体をデッキから特殊召喚…その効果でリンクモンスターへの罠カード耐性を与え、『サージカルクーパー』自身も効果によって攻撃力を3000までアップさせる…。

 

さらにバイラは新たなウイルスカード…罠カード『─R(ルート)─ハックウイルス』を発動、その効果でリンクモンスターの効果を無効にし、攻撃力も0にする…そして仕掛けられる攻撃に対してブルーエンジェルは『トリックスター・ペレニアル』の第二効果で再び戦闘破壊を防ぐが、残りライフは僅か100になるまで追い詰められてしまう…。

 

 

だが…彼女には最後の()()が残されていた。

 

 

『(手札のこのカードを墓地に送れれば…私のスキル、『トリックスター・フロード』を発動すれば勝機が見える…でも、1枚でも罠カードを引かれたら…)』

 

ブルーエンジェルのスキル『トリックスター・フロード』…その効果は手札の「トリックスター」モンスターを墓地に送る事で相手の手札が3枚になるようにドローさせる、というもの…本来ならば「トリックスター・マンジュシカ」などのバーン効果を後押しする効果である。

 

しかし、バイラの「サージカルクーパー」には罠カードをドローした時、相手に500ダメージを与える効果がある…この一手は一か八かの賭けになる…!

 

 

【もう諦めなさい…何をしても手遅れよ?】

 

『私は…絶対に諦めない!!スキル「トリックスター・フロード」を発動!相手ターンに手札の「トリックスター・マンジュシカ」を墓地に送り、相手の手札が3枚になるようにドローさせ、このターンの終わりに墓地の「トリックスター」1体につき1枚、相手の手札を除外する!!』

 

【ふふっ…自滅するつもり?1枚でも私が罠カードを引けば…私の勝ちなのに──!】

 

バイラはデッキに手を掛ける……そして、勝利の女神は────

 

 

 

魔法カード「疫病ウイルス ブラックダスト」

 

モンスターカード「ジャイアントウイルス」

 

魔法カード「ウイルスメール」

 

 

 

【───罠カードは、()()()…】

 

『よし!!墓地に送られた「トリックスター・マンドレイク」を守備表示で特殊召喚!!』

ブルーエンジェルへと微笑んだ!

 

 

『さぁ…クライマックスはここからよ!!』

 

 

 

 

 

『現れて!LINK-4!「トリックスター・ベラマドンナ」!!』

 

【くっ…とっておきのリンク4のモンスターって訳ね…!!】

 

『切り札は最後の最後に使うものよ!』

ブルーエンジェルは新たな切り札…トリックスターの歌姫を喚び出す!

 

 

『リンク素材となった「マンドレイク」の効果発動!相手リンクモンスターのリンク先のモンスターを破壊するわ!この効果は墓地で発動するからウイルスカードの効果は受けない!「ダークマミー・シリンジ」を破壊!さらに、リンク先のモンスターがいなくなった事で「サージカルクーパー」の攻撃力は下がり、貴女は自分の「─R─ハックウイルス」の効果を受けて、攻撃力が0になる!』

 

【っ…でも、あなたの『ベラマドンナ』の攻撃力も0に──】

 

『無駄よ!「ベラマドンナ」はリンク先にモンスターが存在しない時、自身以外が発動した効果を受けない!!』

 

【なん、ですって──!?】

それはまさに独唱の歌姫の晴れ舞台…その効果はウイルスの影響を跳ね除ける!

 

 

『「ベラマドンナ」の効果発動!1ターンに1度、リンク先にモンスターが存在しない時!墓地の「トリックスター」モンスター1種類につき200ダメージ…つまり、1200ダメージを与える!!』

 

【ぐっ…!?まさか、こんな事が…!?】

アイドル達の繋いだ希望の光がバイラのライフを大きく削る!

 

 

【(彼女が最後まで諦めなかったから…最後まで、希望を捨てなかったから…決して諦めない思いが…()()を起こした…)これが…信じる力、なのね──】

 

『バトルよ!「ベラマドンナ」で「サージカルクーパー」を攻撃!シャイニング・エスポワール!!』

それは光輝く希望の一撃、諦めないブルーエンジェルの強い心が悪しきウイルスを滅し…そして、絶望に沈んでいた1人の女性の心を光で照らし出した…。

 

 

バイラ LP0

 

ブルーエンジェル WIN!

 

 

 

 

 

【ブルーエンジェル、完全復活ね】

 

『……それは違うわ…結局、私は貴女に勝って復讐を遂げただけ……自分の為に戦っただけよ…だから、ブルーエンジェルは今日限り』

デュエルが終わり、ブルーエンジェルとバイラは静かに向かい合う…電脳ウイルスの元凶を倒したブルーエンジェルも…そして、負けたはずのバイラも…毒気が抜けた、穏やかな表情をしていた…。

 

 

【……ブルーエンジェル、空を見て?】

 

『えっ……あ…?光が…』

今日で引退すると告げるブルーエンジェル…その姿を見たバイラは空を見上げるように促す…そしてその空からは──静かに輝く光の粒子が降りそそいでいた…。

 

 

『これ、まさか…アナザーの()()()()()()()?』

 

【そうよ…これでみんな目覚めるわ】

降りそそぐ光の正体…それはバイラの持っていたアナザーウイルスの除去プログラム『ディアンケト・プログラム』だった。

降りそそぐ光に触れたアナザー状態だったアバター達は次々と意識を取り戻していく…。

 

 

『どうして…?』

 

【貴女が…私の心を変えたのよ?貴女は自分の為のつもりでも、それが周りが変える事もある…人の期待を背負って戦える人は()()()()()()()()()()()()()()なの】

 

『みんなの為に…』

それはバイラからブルーエンジェルへの優しいアドバイス、自分の為だけに戦うのは決して悪い事ではない…その戦う姿が人々の気持ちを動かし、世界を変える事もあるのだと…。

 

 

 

【(私にもあったはずなのに…怖いもの知らずに突っ走って、より良い世界や未来を作る為に研究に没頭していたあの頃が…いつから、変わっちゃったんだろう───)】

そしてバイラはリンクヴレインズから姿を消した…無辜の人々を傷付けてしまった事を後悔しながら…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ら、ランスローさん…これって…!」

 

『この光…まさか…!!』

病室から食い入るようにデュエルの行方を見ていた遊嗣とランスローが顔を見合わせる…画面の中ではアナザー被害に遭った人々が次々と目を覚ます様子が映し出されていた…。

 

 

 

「ん……う……ここは…?」

 

『あ…ああ…!?マシュ…マシュ!!』

 

「…おとうさん…?ゆうじ、さん…?」

 

「マシュ!よかった…よかったぁぁ…!!」

そして…病室にか細い声が…ずっと眠り続けていた()()の声が響く、除去プログラムによってマシュを冒していた電脳ウイルスが消え去り、彼女は意識を取り戻したのだ…!

 

 

「おとうさん…?お仕事…プロのしあいは…?」

 

『そんな事どうだっていいんだ…!マシュ…独りにしてすまない…すまなかった!!』

目覚めたばかりのぼんやりした頭で父であるランスローがいる事を不思議がるマシュ…そんな彼女をランスローは優しく、強く抱きしめた…。

 

 

「マシュ…よかった…よかったよぉぉ…!」

 

《よかったね、遊嗣…本当によかった…!》

そんな親子の様子を見ながら…遊嗣はポロポロと大粒の涙を溢していた…。

 

 

きゅるるる〜……

 

 

「………おなか…ペコペコです……私、なんで…?」

 

『ぐすっ…マシュ、今は難しい事は考えないでいい…すぐに食べる物を用意してもらうからな…』

 

「ハッ…とりあえずナースコール!?」  

 

「ナースコール…?えっ…病院?えっ…?ええっ?!」

 

『マシュ、落ち着いて聞いてくれ…お前は一週間近く眠っていたんだ…』

 

「いっしゅうかん…?───一週間!?」

マシュが目覚めた事で少しドタバタしながら…病院は明るい歓声に包まれていった…。

 

 

 

 

 

 

 

Side遊作

 

 

「彼女はログアウトしたらしいな…」

 

「よし、目を覚ましたらハノイの騎士について問い質そう…!」

 

《今のうちに手だけでも縛っておいたらどうだ?》

 

一方その頃、遊作と草薙、Aiはとある場所にいた…そこはハノイの騎士『バイラ』…本名『滝響子』の自宅マンションだった。

 

 

ブルーエンジェルとバイラのスピードデュエル開始前から、電脳ウイルス開発者の痕跡を探していた遊作達…そんな中、とある動画サイトに投稿されていたアナザー事件関連の映像の中にとある女性が映り込んでいたのを遊作が発見する。

その女性こそ、財前葵が電脳ウイルスへの感染で昏睡状態に陥った時の主治医の1人、滝響子だった。

 

アナザーの様子見をしている事を直感した遊作達はハッキングで勤務スケジュールと住所を把握…セキュリティを抜けて彼女の自宅に乗り込み、リンクヴレインズにログインしていた彼女を発見した、のだが…。

 

 

《おい?何をぼーっとしてるんだ?》

 

「……おかしい、リンクヴレインズから消えたのにログアウトしてこないぞ?」

 

《えっ…?どういう事だ?》

ブルーエンジェルに敗れ、アナザーウイルスの除去プログラムを開放し、リンクヴレインズから消えたバイラは目を覚まさない…その理由は──

 

 

 

「っ…遊作!」

 

「リボルバー…!!」

 

【───】

おそらく、バイラの視界を映したモニター…そこにハノイの騎士リーダー・リボルバーの姿が映り込む、そしてリボルバーはバイラに向けて手を伸ばし──そこで映像はプツリと途切れてしまった…。

 

 

 

「ハノイの奴らに、粛清されたのか…」

 

「それが分かっていて除去プログラムを……初めから覚悟の上か…」

 

《どゆこと?》

 

「自責の念、という奴さ」

 

《ジセキノネン…?》

 

「……お前は分からなくていい」

 

自分の命を懸け、ハノイの騎士の命令に背いてまでアナザーの患者達を救ったバイラ…彼女の抱いた思いはAiには理解できなかった。

 

そして…遊作達は匿名で彼女の為に救急車を要請し、その場から立ち去るしかなかった…。

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

『──続いてのニュースです、先日から発生していたリンクヴレインズの利用者が意識不明に陥る、通称「アナザー事件」ですが…その被害者の方々が昨夜、次々と意識を取り戻しました…今回の事件にはハッカー集団「ハノイの騎士」が関わっていると思われ──』

 

 

 

『………(お兄様、怒ってるかな…)』

アナザー事件の収束から一夜が明けた財前家、兄と共に朝食を食べている葵は少し気まずい思いをしていた…。

 

 

バイラを撃破し、アナザー事件を解決に向かわせた功労者であるブルーエンジェルこと葵…しかし、本当は兄である晃からリンクヴレインズへのログイン禁止を言い渡されていた…つまり、葵は兄との約束を破ってしまった事になる。

 

デュエル後に疲れから気絶するように眠ってしまった彼女は…兄がどんな反応をするかが気になっていたのだ…。

 

 

 

『あの、お兄様──』

 

「……()()()()()()()()の活躍で、アナザーの患者達が助かったそうだな…」

 

『(ビクッ‼)』

恐る恐る晃へと話しかける葵…そして、兄が口にしたのは───

 

 

()()()()()な、葵」

晃は優しい顔でブルーエンジェルを──葵の事を褒める言葉だった。

 

確かに、葵は約束を破ってリンクヴレインズへと向かい、デュエルをした…しかし、この一連の事件が彼女を大きく成長させた事に晃は気付いたのだ。

 

 

「───はい!」

そして葵は…嬉しそうに、ここしばらくで1番の笑顔を見せていた…。

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