転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ハノイの三騎士を撃破し、一応の平和を取り戻したように見えたデンシティ…しかし、破滅の種は芽吹きの時を迎える…。


それでは、最新話をどうぞ!


鳴動する電脳世界〜終焉のカウントダウン〜

「───?」

 

「………?」 

 

『───………』

 

 

夢を見ている、記憶に残る…何処かの夢を……

 

 

『────………?』

 

「──!」

 

「──!……?」

 

「「……」」

 

 

 

父さんや母さん、そして凌牙兄と璃緒姉が誰かと話してる…?

 

 

 

『───………!』

 

「「「「!?」」」」

 

「?」

 

母さんの腕に抱かれた幼い()…無邪気に笑うその顔を見ながら、みんなが驚いた顔をしてる…何を驚いてるんだろう?

 

 

 

《………?》

 

《───………》

 

「…………」

 

『………?……?』

 

 

 

 

「──なんだ、そんな事の為に俺達を呼び出したのか?まったく……気にしないさ、どんな事があっても遊嗣は俺達の大切な…本当に大切な宝物なんだから……な〜?」

 

 

 

 

 

父さんの穏やかな…優しい声だけが耳に残っていた…。

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

《フォーウ……フォウ〜!!》

 

「ぶぎゅっ!?……うう……今日は、胸元ダイブ、かぁ……」

 

《フォウ!》

 

《おはよう、遊嗣……大丈夫?》

 

「残りライフ、ゼロ…ガクッ」

 

《……フォウ、もう少しお手柔らかにね?》

 

《フォウ?》

無防備に眠っていた遊嗣はフォウによる胸元へのジャンピングダイブによって叩き起こされた…。

 

 

 

 

「おはようございます遊嗣さん!ロマンさん!」

 

「おはようマシュ!」

 

《おはよう!ふふっ…すっかり普段通りだね》

 

「はい!」

 

それは普段通りの朝の一コマ…リンクヴレインズでのプレイメーカーとハノイの騎士・ファウストとの激戦から数日…マシュも無事に退院し、学校に復帰…デンシティは日常を取り戻していた。

 

 

 

「あっ…遊作君!おはよう!」

 

「白波か…おはよう、マシュも大丈夫そうだな」

 

「はい!遅れた分の勉強を取り戻す為に…いつもの5割増で頑張ります!」

 

「あはは…無理はしないようにね?」

そして、少し変わった事といえば…遊嗣と遊作の距離が縮まった事だろう。

 

プレイメーカーの正体…そして、遊作の戦う理由を知った遊嗣、彼はその正体を誰かに話す事はなく…普段通りに接するように心掛けていた…。

 

 

 

「そういえば…聞きましたか?リンクヴレインズに現れていたハノイの騎士のほとんどがSOLテクノロジーのAIデュエリスト部隊に撃退されたみたいです!」

 

「そうらしいね!プレイメーカーやブルーエンジェル、Go鬼塚…みんながハノイの騎士の幹部を倒してくれたから、ハノイの騎士達は怖がって統制が取れなくなったんだよ」

 

「そうだな…これ以上、事件が起きないといいが…」

少しずつ取り戻されていく日常…その日々が続く事を願いながら、遊作は青空を見上げる…。

 

 

 

 

この平穏が()()()()()()()なのだと感じながら…。

 

 

 

 

トクン

 

 

 

 

 

side遊作

 

 

 

「いつもありがとうな!またよろしく!」

 

『申し訳ないですが…来るのは今日が最後です』

 

「えっ、そうなの?引越しするのかい?」

 

『ええ、()()()()()()()()

 

「そうか〜…中央広場でも店を出してるから!良かったら来てくれよ〜!」

 

高校の授業が珍しく午前で終わったこの日、CafeNagiは『スターダストロード』の見える海浜公園で営業していた…接客をする草薙の様子を見ながら、遊作は難しい表情でパソコンとにらめっこをしていた…。

 

 

「どうだ?遊作、リンクヴレインズの様子は?」

 

「ああ…残っていたハノイの騎士達もリンクヴレインズから排除されたみたいだ、アナザーの被害を受けた一般人も回復してる」

 

「ふぅ…リンクヴレインズにも平和が戻った、って所か」

 

《いいや…()()()()()()()って事もあるぜ?まだリーダーが姿を見せてないしよ》

 

「リボルバーか…逃げたんじゃないか?」

 

「いや、リボルバーは逃げるような奴じゃない…あいつが現れないのには何か()()()な理由があるはずだ」

 

「理由ねぇ…」

リンクヴレインズの様子を探る遊作…彼のモニターには平和にリンクヴレインズを楽しむ人々や配備されたAI部隊の姿が映し出されている。

 

しかし、遊作には懸念している事があった…それは自身とのデュエルを最後に姿を見せていないリボルバーについてだった。

 

 

この数週間、リンクヴレインズを騒がせたアナザー事件…だが、その騒動の中でリボルバーは一度も姿を見せていなかった…。

 

 

トクン 

 

 

「《っ…!?》」

 

「ん…?どうした?2人揃って…」

 

《遊作…今の、感じたか?》

 

「ああ…何だ?今の奇妙な感じ…?」

その時、遊作とAiは揃って()()を感じ取る…それはまるで何かが()()するような嫌な感覚だった…。

 

 

「草薙さん…リンクヴレインズを調べよう、徹底的に…!!」

それは遊作の持つ第六感、リンクセンスが感じ取った虫の知らせ…嫌な予感を感じた遊作はリンクヴレインズへと飛び込んだ。

 

 

 

 

《な、なぁ…プレイメーカー様…!なんだか、不気味な風が吹いてないか?今日は帰ろうぜ…?》

 

「その原因を調べに来たんだ」

 

《今日は止めようぜ〜!?》

データストームに乗ってリンクヴレインズを見回る遊作…そんな中、Aiは言い表せない不気味な不快感を感じていた…。

 

 

ドクン

 

 

「っ…こっちか…!」

 

《わぁ!?》

その時…再び遊作は強烈な違和感を感じ取る、その感覚を頼りに遊作は方向転換し、嫌な予感を感じた方向へ突き進む…!

 

 

《おい!今のは強烈だったぞ…!?》

 

「ああ…!やはり、リンクヴレインズで何かが起きようとしている…!」

 

キィン─

 

「ん…なんだ、アレは…?」

 

《ホタルって奴か?》

 

「追うぞ!」

リンクヴレインズに異変が起きている事を確信する遊作…その時、彼らの近くを無数の光の粒子……ホタルのように輝くプログラムが通り過ぎる…遊作は咄嗟にそのプログラムを追いかけた…。

 

 

 

《止まったな…?あんな所で一休みか?》

 

「何かあるのかもしれない、調べるぞ」

謎のホタルを追いかける事しばらく…遊作達は路地裏のマンホールの上に集まったプログラムを発見する、そしてその原因を調べようと手を伸ばし───

 

 

『ちょっと!その子たちに手を出さないでよ?私の大切な相棒なんだから』

 

 

《なんだよ、またお前かよ…》

 

『もう…ずいぶんなご挨拶ね?』

 

「ゴーストガールか」

その時、ホタルのプログラムをリンクヴレインズに放った張本人、電脳トレジャーハンターであるゴーストガールが姿を見せた…SOLテクノロジー社の異変を感じ取った財前晃から依頼を受けてリンクヴレインズを調査していたのだ。

 

 

「何故、お前がここに?」

 

『タレコミがあったのよ、リンクヴレインズで面白い事が起こってるって…プレイメーカーがいるって事は、まんざら嘘でもなかったみたい』

 

《ところで、あのホタルみたいなプログラムはなんだ?》

 

『お宝への水先案内人、ってところね!プログラムの変化や怪しいブツを見つけて教えてくれるのよ』

 

《うわ〜…お前らしい、ズルイプログラムだな》

 

『そんな事言わないでよ、頼もしい相棒なんだから』

ホタル型プログラムを手の中で弄びながら遊作達の質問に答えるゴーストガール…その姿を見た遊作は厳しい表情で彼女に忠告を送る。

 

 

「ゴーストガール、ここから先にはおそらく()()が待っている…ログアウトするのが身のためだ」

 

『そんな事言って…お宝を横取りするつもりでしょう〜?昔から危険が大きい程得られる獲物も大きいって言うからね!それじゃ、お先〜!』

 

「あ、おい!」

しかし、遊作の忠告もどこ吹く風…数々の死線を潜ってきたゴーストガールは怯む事なく、ホタル達が集まっていたマンホールへと飛び込んでしまった…。

 

 

《って事で……リンクヴレインズの調査はアイツに任せてさ、オレ達は帰ろうぜ?》

 

「オレ達とゴーストガールでは目的が違う……追いかけるぞ」

 

《デスヨネ〜…》

そしてリンクヴレインズの異変の原因を突き止めるべく、遊作もマンホールへと飛び込んだ…。

 

 

 

「まさか…リンクヴレインズに()()()があるとはな…」

 

『不要データの通り道よ、そしてこの流れの先に…』

 

《不要データを処理する下水処理場…データ処理施設があるんだ》

 

『あら、よく知ってるわね?』

 

《そりゃ、何年も電脳世界を逃げ回ってたら詳しくもなるさ》

飛び込んだ先は下水道を模した不要データの通り道だった…遊作とゴーストガールは慎重に流れを追って進んでいく…。

 

 

 

《ん…分かれ道か…どっちに進めばいいんだ?》

 

『(ホタルちゃん達は右を示してる…申し訳ないけど、出し抜かせてもらうわ)』

そして流れが2つに分かれた場所に辿り着いた遊作達…そしてゴーストガールはホタルが右側の分岐に多い事をこっそり確認していた。

 

 

 

『こうなったら二手に分かれるしかないわね?どうする?』

 

《こうなりゃ…ゲームで決めるしかないな!》

 

『ふふっ…グッドアイデア!流石はプレイメーカーのAIちゃん!』

 

《褒めてくれるのは嬉しいけどさ、オレにはAiってれっきとした名前があるんだぜ?》

 

『へぇ…可愛らしい名前ね?まさか…AIだからアイって名前じゃないわよね?』

 

《そ、そんな訳ないじゃん!?》

 

『あら、図星?』

 

「………」

それぞれが進む方向を決める為にゲームをする事を提案するAi…そのアイデアを採用したゴーストガールがAiの名前について触れるが…命名の理由を悟られたAiは少しだけ取り乱す…。

 

なお、遊作はやれやれと呆れた様子だった。

 

 

 

『じゃあ、こんなゲームはどうかしら?』

そしてゴーストガールが提案したのは彼女のデッキからより「素敵なカード」が引いた方が勝ちというゲーム…その結果は───

 

 

《今宵の右手はドローに飢えている…カードが欲しいとオレに囁く…!この乾き、この思い…この欲望にデッキよ応えろ!いま必殺の…デスティニードロー!!》

長い口上と共にゴーストガールのデッキからカードを選び取るAi、彼が引いたのは────

 

 

 

《……あい〜…なんだこりゃ…》

 

『あらあら…「偽物のわな」…全然素敵じゃないカードね!これなら私が引くまでもないわ…』

Aiが引いたのは「スカ」と書かれた罠カード『偽物のわな』…明らかなハズレカードにAiはガックリと項垂れ、ゴーストガールも苦笑している。

 

 

『それじゃ、私は右の道に行くから…あなた達は左の道をお願い!』

 

《ヘイヘイ…》

そして、落ち込むAiを尻目にゴーストガールは右の道へと進んでいった…。

 

 

 

 

《うう…オレがあんなカードを引き当てちまうとは…》

 

「いや、あのデッキはスカばっかりだったんだろう…典型的なイカサマだな」

 

《なにっ!?ああ、またやられた!これで3回目だぁ!!》

そして、遊作はゴーストガールがイカサマをしていた事を見抜いていた…それを知ったAiは悔しそうに地団駄を踏んでいる…。

 

 

「危険な目に遭う可能性はそう大差ないだろう、オレ達の目的は異常の原因を突き止める事だ…とにかく進むぞ」

 

《ヘ〜イ…》

まんまとゴーストガールに出し抜かれてしまった遊作達だったが…リンクヴレインズの異常の原因を突き止める為に進み始めた…。

 

 

 

 

 

《……なぁ、プレイメーカー…オレさ、すごい()()()()がするんだけど…》

 

「奇遇だな…オレもだ…!」

流れに沿って進む事しばらく…遊作とAiは同時に()()()()を感じる、それは先ほどまでの不気味な脈動ではなく…肉食獣に睨まれたような鋭い殺気だった…!

 

 

《■■■■──!!》

 

 

《うわ出たァァァ!?》

 

「っ…なんだこいつは!?」

その時、静かに流れていた不要データの水面が激しく爆発…その中から異形の「何か」が現れる。

 

それは全身がノイズに塗れた、鋭い爪や太い尾を持つ怪物…何かの拍子にリンクヴレインズの廃棄データから生まれたバグ・モンスターとも言える怪物だった…!

 

 

 

《■■■■■──!!!》

 

「っ!?はっ!」

 

《に、逃げろプレイメーカー!!》

怪物は丸太のような腕を振り回し遊作に襲い掛かる…しかし、遊作は素早い身のこなしで攻撃を回避、反転して怪物から逃げ出した…!

 

 

《だからヤバイって言ったのに〜!!》

 

「黙れ…!今は逃げるしかない!」

 

《プレイメーカー様!リボルバーとかハノイの騎士みたいにデュエル外でモンスターを喚び出せたりしない!?過去のデュエリストはそういう事できる奴がいたってデータがあったけど!!?》

 

「無茶を言うな!そんなのはオレの専門外だ!」

 

《■■■■■!!!》

恐ろしい咆哮を上げながら遊作達を追う怪物…しかし、遊作達は怪物に対抗できる手段を持っていなかった。

相手がAIやそれに近い理性を持つ存在なら、話し合いやデュエルで切り抜ける事ができただろう…だが、目の前に存在するのは理性なき怪物…その怪物に対抗できる武装など遊作は持ち合わせていなかった…。

 

 

《■■■■──!!!》

 

ズドン!!

 

《おいおい…!?衝撃が強くなってるぞ!?》

 

「(おかしい…電脳世界にバグは付きものだが、これほどのバグがSOLテクノロジーに感知されないはずがない…!何かが起きようとしているのか…!?)」

剛腕の一撃が地面を抉り、揺るがす…その様子を見て遊作は考えを巡らせる。

電脳世界には多かれ少なかれバグはつきもの…しかし、それは被害が大きくなる前に修正される…しかし、目の前のモンスターは一向に修正される気配はない…それ事態がリンクヴレインズの異変を示していた…。

 

 

 

 

「しまった、行き止まりか…!!」

 

《ええっ!?どうすんの!?》

 

《■■■■……!!》

怪物から逃げ続ける事数分…遊作達は行き止まりへと追い詰められてしまう…!

 

 

《■■■■!!》

 

「っ─!!」

 

《くそっ…!こうなりゃ一か八かデータストームで吹き飛ばすしかねぇ!!データマテリアル、かいほ──》

唸り声を上げながら遊作に襲いかかるモンスター…Aiが起死回生の一手を放とうとした、その時───

 

 

キィン!ドオォォン!!

 

 

《────!?!?!!》

 

 

《な、なんだ…?いきなり消し飛んじまった…!?》

 

「今の光は…?」

それは一瞬の出来事だった…通路の壁から飛び出してきた眩い閃光と凄まじいエネルギー、それが一瞬でバグの怪物を消し飛ばしてしまったのだ…。

 

 

《助かったのはいいけど、何が起きたんだ…!?》

 

「今の光は、今までの異変とは違う…」

 

《ああ…絶対ヤバい奴だぜ、今のは…》

乱れた呼吸を整えながら怪物を吹き飛ばした光の跡…崩落しかけた通路を見つめる遊作、そしてその傷跡は人1人が通れる隙間があった。

 

 

「……いくぞ…!」

 

《やっぱりね〜!?》

そして遊作はその穴へと飛び込む…そこは別の通路に繋がっていた…。

 

 

《おい、この方向…ゴーストガールが進んだ方向だぜ…?》

 

「ああ……っ…?なんだ、あれは…?」

新たな通路を進む遊作…その視線の先にはデータ処理施設に繋がるだろう出口が見えていたのだが…異変に気付く、通路の先が障壁によって塞がれていたのだ。

 

 

「この先に何が……っ!?ゴーストガール!!」

 

《リボルバーもいるぞ…!?さっきのは2人のデュエルの余波だったんだ!!》

蜂の巣状の障壁から様子を窺う遊作…そこにあったのは禍々しい光を放つ、巨大な赤黒い球体…そして、スピードデュエルでリボルバーに追い詰められてしまっているゴーストガールの姿があった…。

 

 

 

 

Side???

 

 

 

『出口…消去施設ね……何これ?』

プレイメーカーと別れ水路を進んでいたゴーストガールは不要データの終着点、データ消去施設に辿り着く…しかし、すぐに違和感に気付く…入口が簡易的な防壁で封鎖されていたのだ。

 

『変ね…この場所にはこんなプログラムは無いはず…ヨイショ!』

不自然な防壁に対して彼女はトレジャーハンターの七つ道具であるナイフ型ハッキングプログラムを使って防壁を取り払い、消去施設へと足を踏み入れた…。

 

 

『ここがリンクヴレインズのデータ消去施設の中枢…何あれ…?!明らかに普通のプログラムじゃないわ…!!』

消去施設の中枢に踏み込んだゴーストガール、彼女が目にしたモノ…それは施設の中心部に浮かぶ、赤い触手のようなモノに覆われた巨大な赤黒い球体だった。

 

その球体の周囲には凄まじい風が吹き荒れ……否、流れ込む膨大な廃棄データを吸い込み…少しずつ巨大化しているようだった…!

 

 

『っ…みんな!データを集めて頂戴!!』

異様なプログラムを見たゴーストガールはホタル達に集合をかけ、そのプログラムを調べさせる…! 

 

 

『この異常なエネルギー数値は…!?消去装置に凄まじいエネルギーが収束して…!いったい、何の為に───っ!?』

ホタル型プログラムによって異様なプログラムを調べるゴーストガール…その時、鋭い殺気に気付いた彼女は咄嗟にアンカーロープで足場から飛び退いた!

 

 

【ゴーストガール、まさかこんな所で会うとはな…】

 

『リボルバー…!』

そして、暗い通路の奥から現れた人物…それはハノイの騎士のリーダー、リボルバーだった…彼は潜伏を続け、このプログラムを育てていたのだ…!

 

 

 

【また、何か嗅ぎ回っているのか?】

 

『あ、アハハ…道に迷っちゃって…!これで失礼シマース!!』

 

【逃がすか】

ゴーストガールを鋭く睨むリボルバー…彼女は咄嗟にやり過ごそうとしたが、退路を障壁に阻まれてしまう…。

 

 

【此処を見られた以上、このまま帰す訳にはいかない】

 

『でしょうね…!!ヤッ!!』

 

【無駄だと言っている】

ゴーストガールは別の出口からの脱出を狙うが、リボルバーは全ての出口に障壁を下ろし、ゴーストガールの退路を断つ…!

 

 

 

【そんなに此処から出たいか?】

 

『貴方と付き合ったら酷い目に遭いそうだからね…!』

 

【ならば取引といこう…私のデッキ調整に付き合ってもらう、そして…貴様が勝てば大人しく開放しよう…どうかな?】

 

『悪くない条件だけど、遠慮させてもらうわ!!(ログアウトで脱出!最終手段よ!!)』

 

【残念だが、この場所ではログアウトは封じられている…さぁ、スピードデュエルの覚悟はできたか…?】

 

『っ…!!やるしか、ないようね…!(この情報を絶対に、持ち帰ってみせる…!)』

 

退路を完全に絶たれてしまったゴーストガールは覚悟を決める…そして、リンクヴレインズを揺るがしかねない情報を持ち帰る為…リボルバーへと立ち向かう!!

 

 

 

 

【『スピード・デュエル!!』】

 

 

 

デュエルダイジェスト ゴーストガール対リボルバー

 

 

 

脱出を賭けて始まったゴーストガールとリボルバーのスピードデュエル…先攻を取り、『オルターガイスト』が得意とする布陣を整えるゴーストガールに対し、リボルバーはプレイメーカーとスピードデュエルで戦った時と同じく「ドラゴン族」デッキを使用…僅か1ターンでエースモンスター『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を喚び出してしまう…。

 

 

『(リンク4のモンスターをこうも軽々と召喚するなんて…!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』は戦闘ダメージに加えて、破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを与える効果…そして、メインモンスターゾーンを全滅させる効果も持ってる…あのモンスターを押さえないと、勝てない…!なんとしてでも、封じてみせる…!)』

前回のプレイメーカーとのデュエルによって『トポロジック・ボマー・ドラゴン』の恐ろしさを知っているゴーストガール…しかし、一度見た相手の戦力分析は彼女の得意とするところ…彼女には起死回生の一手があった。

 

 

それは『トポロジック・ボマー・ドラゴン』をバウンスする事。

 

 

ゴーストガールは『オルタガイスト・シルキタス』の効果で『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を手札へとバウンス…リンクモンスターであるドラゴンはエクストラデッキに戻され、リンク4という重さから実質的に再召喚を封じ、一気に攻勢に転じる。

 

切り札であるリンクモンスター『オルターガイスト・プライム・バンシー』と罠カード『オルターガイスト・マテリアリゼーション』によって蘇生された『オルターガイスト・キードゥルガー』、さらに『キードゥルガー』の効果でリボルバーの『ツイントライアングル・ドラゴン』のコントロールを奪い、一撃必殺を狙うゴーストガール…しかし…!

 

 

【貴様に見せてやろう…ハノイの崇高なる力を!罠カード発動──!!】

 

『そんなっ…!?』

残りライフ400まで追い詰められたリボルバーはある()()()()を発動…その効果でゴーストガールのモンスターは全滅してしまった…!

 

 

『(しまった…!()()()()()()…!私の攻撃でスキルの発動条件を満たす為に…!!)』

そしてゴーストガールは気付いた、リボルバーはあえて攻撃を受ける事でスキルの発動条件を満たしたのだと…!

 

 

しかし、ゴーストガールは諦めない…手にした情報を()()に伝える為に…!

 

 

【私のターン、ドロー!】

 

『罠カード発動!「オルターガイスト・プロトコル」!その効果で「オルターガイスト」カードの効果は無効にならない!(伏せカードにはモンスターを蘇生できる「オルターガイスト・マテリアリゼーション」と手札には攻撃を無効にできる「オルターガイスト・クンティエリ」がいる…これで、このターンは凌いでみせる…!)』

 

【──フン、残念だが…そのカードは発動させない…!手札からカウンター罠『レッド・リブート』を発動!このカードはライフを半分支払う事で、手札から発動できる!】

 

『手札からカウンター罠!?』

 

【相手の発動した罠カードの効果を無効にし、セットした状態に戻す!さらに、相手のデッキに罠カードが存在する場合、相手はそのカードを伏せる事もできるが…このターン、相手は罠カードは発動できないがな…!】

 

『っ…!』

必死にリボルバーの攻撃に耐えようとするゴーストガール…しかし、その希望は無情にも刈り取られる…!

 

 

【貴様、まさか自分が生き残れると思っているのか…?その先に待ち受けるのは()()()という運命だけだ…どう足掻こうとも、そこから逃れる事はできん!】

盤面やライフは有利な状況のゴーストガール…しかし、それを吹き飛ばす嵐が吹き荒れる…!

 

 

【聞こえるぞ…ネットワークに潜む、未知なる力の鼓動が…!私に捕らえられるのを待っている!!スキル発動!我が手に宿れ、新たな息吹!ストーム・アクセス!!】

それはリボルバーのスキル…電脳を吹き荒れる嵐が彼の手に集束する!

 

 

【現われろ…!LINK-3!『トポロジック・トゥリスバエナ』!!】

そして現れるのは新たな『トポロジック』リンクモンスター…緑の単眼を輝かせる黒き人型のドラゴンが咆哮する…!

 

 

【そして私は墓地の『デフラドラグーン』の効果発動!墓地の同名モンスター3体…『スニッフィング・ドラゴン』3体を除外する事で自身を特殊召喚!さらに、『トゥリスバエナ』の効果発動!リンク先にモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターと互いの魔法・罠カードゾーンのカード全てを除外し、除外された相手のカード1枚につき500ダメージを相手に与える!マイグレーション・フォース!!】

 

『っつ…!!』

電脳竜の一撃がゴーストガールのライフを大きく削り取る…!

 

 

【バトルだ!『トゥリスバエナ』でゴーストガールにダイレクトアタック!消え去るがいい…終焉のバルネラブルコード!!】

 

『(──結局はリボルバーの手のひらの上で遊ばれていただけ……本当にデッキ調整の……)』

 

「《ゴーストガール!!》」

遊作とAiの悲鳴が重なる…リボルバーに弄ばれたゴーストガールは破壊の閃光に消し飛ばされた…。

 

 

 

ゴーストガール LP0

 

リボルバー WIN…

 

 

 

 

 

 

『ガッ…!?……あ、う…』

 

「ゴーストガール!しっかりしろ!!」

 

『プレイ、メーカー…?』

破壊光線に吹き飛ばされたゴーストガールは処理施設の壁に激突…遊作が様子を窺っていた足場へと叩き付けられた…。

 

 

『あはは…プロフェッショナルが、笑わせる…わね……見事に、やられちゃった…』

 

「しっかりしろ!今助けに…!!くっ…!?」

満身創痍のゴーストガールを助ける為に障壁を突破しようとする遊作…しかし、障壁はびくともしない…。

 

 

『プレイメーカー…これを、持っていって…すごい()()よ…今までで、最高の…』

 

「っ…」

そして…ゴーストガールは最後の力を振り絞り、一匹のホタルをプレイメーカーに託す…自分が手に入れた情報を無駄にしない為に…希望を繋げる為に…!

 

 

『必ず、そのデータだけは…ここから持ち出して…!あなたの言う通り、リンクヴレインズでは何かが起きようとしてる…』

 

「わかった…!!」

 

『あとは、お願い、ね…リボルバーに、気を付けて…あいつは、恐ろしいカードを───』

 

キィン…

 

「ゴーストガール!!」

 

《おい…!?今の消え方、ヤバい奴じゃねぇのか!?》

希望を託したゴーストガールのアバターが赤いノイズに覆われていく…そして、彼女は粒子となって巨大な赤黒い球体に吸い込まれてしまった…。

 

 

 

 

【遅かったではないか、プレイメーカー…】

 

「リボルバァァ…!!」

そして、ゴーストガールの消滅を見届けたリボルバーが遊作の前に姿を見せる…遊作は彼を睨みつけ、怒りを露わにする…!

 

 

「ゴーストガールに何をした!!」

 

【彼女には世界を救う為の()になってもらった…もはや、戻ってくる事はない】

 

「貴様…!!いったい、何を考えている!!」

 

【フッ…既に()()()()()は始動した…このゲームを止めたければ、私を倒しに来る事だなプレイメーカー…!】

 

「っ…待て!!!」

意味深な言葉を残し、リボルバーは転移する…そして、赤黒い球体を中心として施設が…否、リンクヴレインズそのものが鳴動する…!

 

 

 

《おい!プレイメーカー!落ち着け!データを持ち帰るって、ゴーストガールと約束しただろ!?》

 

「っ…!!」

 

《ああ、もう!強制ログアウト、実行!!》

取り乱し、冷静さを欠いた遊作…彼を救い、ゴーストガールとの約束を果たす為…Aiは強制ログアウトでリンクヴレインズから脱出した…。

 

 

 

 

 

 

そして、破滅の塔は顕現する…全てのネットワーク諸共、イグニスを滅ぼす為に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん…あれがハノイの塔、とやらか…話には聞いていたが…馬鹿げた事を考える、こんな事をする前に他にできる事があるだろう」

リンクヴレインズに聳え立つハノイの塔…その威容をモニター越しに確認しながら、伝説のデュエリストの精神を受け継ぎしデュエルロイドは溜息を吐く…。

 

 

「しかし…あれが炸裂すれば、()()()も危ういか……保険は用意しておくとしよう……カイト、事態は分かっているな?」

 

『ああ、遊海さんに指示された通り…既にスフィアフィールドの用意は完了している』

デュエルロイド…瀬人は開いていた通信画面に呼び掛ける、その声に応えたのは白衣を着た金髪の青年だった。

 

 

『デンシティから半径10kmを対ズァーク戦より強化し、電波や電磁パルスの遮断に特化したスフィアフィールドで隔離し、被害を最小限に抑える…念の為、遊馬とアストラルにもアストラル世界に向かってもらい、「ヌメロン・コード」の発動に備えてもらっている』

 

「そうか…まったく…お前が人間界にいれば、これほどの騒ぎにならずに済んだものを……さぁ、用意はできたぞ?若きデュエリスト達よ…お前達の試練、見事に乗り越えてみせるがいい」

 

それは誰も知らないセーフティ…歴代の英雄達に見守られながら、事態は進み始めた…。

 

 

 

 

「それはそれとして…SOLテクノロジー社は脆弱にも程がある!全てが解決したら、覚悟しておくがいい…あの狸共が!!」

そして、身勝手なSOLテクノロジー社の経営陣の末路は既に決まっていた。

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