転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ついに起動してしまった『ハノイの塔』…現実世界を巻き込む異常事態を解決する為、勇者達が立ち上がる…!


それでは、最新話をどうぞ!


電脳破壊爆弾『ハノイの塔』〜集いし勇者達〜

「今日はCafeNagiさん、広場に来てないんですね?」

 

「うん、今日は海浜公園の方で店を出してるんだってさ…遊作君が言ってた」

 

「そうなんですか、ちょっと残念…」

昼下がりの中央広場、ベンチで遊嗣とマシュはのんびりと時間を過ごしていた…。

CafeNagiは営業していない為、近くの販売機で飲み物を買い、何をするでもなくおしゃべりしていたのだ。

 

 

「リンクヴレインズも平和そうだし、しばらく振りにログインしてみようかな…」

 

「そうですね、他の人達も戻ってきていますし…」

広場のモニターにはリンクヴレインズでデュエルを楽しむ人々の姿が写し出されている…先日までの荒れた日々が嘘のような穏やかな時間…しかし、それは唐突に終わりを迎える…。

 

 

ドクン!!

 

 

《っ…!!遊嗣、ちょっとヤバいかも!!》

 

「えっ?」

その時、大人しくしていたロマンが声を上げる…そして───

 

 

「「「うわああ!?」」」

 

「「っ!?」」

広場のモニター周辺から悲鳴が上がる…そこには突然の大爆発に襲われたリンクヴレインズの様子…そして、大地から飛び出した巨大な塔の姿が映し出されていた…。

 

 

「なんですか、あれ…!?」

 

「リンクヴレインズが…!!」

 

《ハノイの騎士の攻撃だよ…!どうやら、最後の手段に出たらしい…!》

あまりの光景に言葉を失う遊嗣とマシュ…そして、ロマンはそれがハノイの騎士の攻撃であると確信していた…。

 

 

「っ…見てください…建物や、道路が…」

 

「アバターも…赤い粒子になって消えていく…!?」

そして、事態は進む…データで構成されたリンクヴレインズの建物や道路…さらにはデュエリスト達のアバターすらも赤い粒子となって消滅していく…それはまさに()()()()()()のような光景だった…。

 

 

「っ…ロマン、()()()()()くれる!?」

 

《了解…ちょっと待ってて…!》

そして、異常事態を前に遊嗣はロマンを送り出す…今の状況について一番情報を持つだろう人物のもとへ…。

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

《おいおい…!このままじゃ、リンクヴレインズが壊れちまうぜ!?》

 

「ああ…!これがリボルバーの言っていた()()()だっていうのか…!」

ゴーストガールから情報を託され、命からがらリンクヴレインズから脱出した遊作…彼らはハッキングルームで託された情報の解析を行っていた…。

 

 

《よっと…お邪魔するよAi君、遊作君》

 

《わっ、ロマンじゃねぇか!?お前、単独行動できたのか!?》

 

《うん、僕は特別製だからね!》

その時、モニターの1つにロマンの姿が映し出される…遊嗣に頼まれて彼らに情報を聞きにきたのだ。 

 

 

「ちょっと待ってろ…!もう少しで解析が…終わった!これが、ゴーストガールから託されたデータの詳細だ…ロマン、お前にもコピーを渡す…意見を聞かせてくれ」

 

《いいよ…っ、このプログラムは…!》

 

「リボルバーはあの塔をハノイの塔、と呼んでいた」

 

「ハノイの塔…あのパズルゲームの事か…?」

そして…ようやくデータの解析が終わる、そこにはゴーストガールが手にした「ハノイの塔」なるプログラムの全貌が記されていた…。

 

 

《ハノイの塔、昔の数学者が作り出したパズルゲーム…それにはその数学者が冗談で作ったこんなストーリーがあるはずだよ》

そしてロマンはゲーム「ハノイの塔」のストーリーを語る。

 

 

曰く、ガンジス川のほとりに世界の中心を示す巨大な寺院が存在する。

 

曰く、そこには青銅製の板の上に立てられた太さは蜂の体ほど、高さ50cmほどのダイヤモンド製の柱が3本存在する。

その柱の左端には天地創造の際、神が作ったとされる64枚の純金製の円盤が下から大きい順に置かれている。

 

曰く、その板全てが僧侶達によって左端から右端に移された時……世界は()()するという…。

 

 

 

《…まぁ、64枚の板が全て移動しきるには約5800億年の時間が掛かる、という計算があるらしいけど…それだけ経ったら人類は滅びてるよ、地球ごとね》

 

「まぁ、その通りだな…そして、リボルバーはそれを元にしたゲームを始めた…!」

 

「円盤の代わりがあのリング……そして、あの塔は地下の消去システムから伸びていて…さらに、上部はリンクヴレインズのネットワークに接続してる……コアは…中心部の光ってる場所か…」

 

《ん…?つまり、消去システムとリンクヴレインズが直結してる、って事だよな?そんな事をしてどうするんだ?》

 

《Ai…キミもAIなら、この見取り図だけで気付いて欲しいなぁ…本来なら、消去施設に送られたデータは無色のデータになって再びリンクヴレインズに戻される、でも…》

 

「このコアはリンクヴレインズに現れてからずっと、消去施設に向かうはずのデータやリンクヴレインズそのもののデータを吸い込み、蓄積し続けている」

 

《うえっ!?それってすごい量のデータじゃねぇか!?》

 

「そう…しかも、その凄まじい量のデータを吸い込むスピードが()()()()()んだ…!」

 

《ありえないだろそれ!?》

リンクヴレインズのデータを吸収・蓄積し続けている「ハノイの塔」…そのデータが蓄積され続けた先に起こる事、それは…

 

 

「塔の形状からして…完成するリングは6段、1時間毎に1つずつ完成していく…」

 

「それが完成した時、何が起きる?」

 

「コアに収束した高密度のデータが開放され、リンクヴレインズを吹き飛ばしながら外のネットワークに放出される」

 

《えーと、そうなると…?》

 

《高密度のデータはネットワークやネットワークに繋がった電子機器に凄まじい負荷を掛ける、そうなれば…ネットワークや機器に存在するデータやプログラムが()()()()()()…!》

 

「ああ…発電所や病院、交通機関…あらゆるデータが消え、世界中がパニックになる…人類が築き上げた『文明』というモノが崩壊し…人間の生活はコンピューターが無かった時代に戻る事になる…!」

それはネットワーク世界を破滅させる爆弾…その影響は様々な事を電子機器に頼る現代において計り知れないものとなる…!!

 

 

 

《そんなに深刻に考える事か?情報を流して、ネットワークから機械とかを遮断すれば…》

 

「それはどうだろうな?リボルバーの目的はイグニス、お前を消し去る事…奴がそんな甘い作戦を立てるとは思えない」

 

《うっ…!?……ですよね〜…》

ネットワークから機器を遮断する事で対象できると言うAi…しかし、事態はそれだけにとどまらない…。

 

 

《世界には「EMP兵器」…電磁波爆弾、というモノがある、本来のそれは人体には影響が出ない高高度で核兵器を炸裂させ、発せられる電磁波で電子機器を破壊する、というモノなんだけど…この「ハノイの塔」にはそれと似たような事を起こす機能があるみたいだ…そうなれば…》

 

「そうなれば、Aiやロマン…お前達も消える事になるだろうな」

 

《ううっ…!?》

 

「Aiを消す為にここまでの事をするなんて、馬鹿げてる…!リボルバーはいったい何を考えてるんだ…!?」

世界全てを巻き込み、Aiを消し去ろうとするリボルバー…その馬鹿げた()()の真意は草薙達には分からず、ただ頭を悩ませるだけだった…。

 

 

《うん、状況は分かった…ひとまず遊嗣に伝えてくるよ》

 

《おい、ロマン!お前…怖くないのか?あと何時間かしたら、オレ達は消えちまうかもしれないんだぞ!?》

状況を知らせる為に遊嗣のもとへ戻ろうとするロマンにAiが声をかける…。

 

 

《怖くない、と言ったら嘘になるけど…()()ボクの最優先事項は遊嗣を守る事、ボクが消えてしまったとしても…遊嗣が無事なら、ボクはそれでいいのさ》

 

《お前…本当に()()()とは違うAIなんだな…》

 

「……ロマン、遊嗣に伝えてくれ…『絶対にリンクヴレインズに来るな』と…アレに巻き込まれれば、電脳ウイルスによる昏睡どころじゃない…()()()()()と」

 

《遊作君…わかった、遊嗣に伝えるよ…じゃあね》

ロマンと自分の在り方の違いを知って驚くAi…そして遊作からの伝言を託されたAiは遊嗣のもとへ戻って行った…。

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

《遊嗣、ただいま!ユ…ん"んっ…プレイメーカーから情報を仕入れてきたよ!》

 

「おかえりロマン…彼はなんて…?」

 

「えっ…遊嗣さん!?プレイメーカーと知り合いになったんですか!?」

 

「うん、この前のメッセージ…あれで彼と友達になったんだ、ロマンのおかげでね?」

 

《あはは…驚かせてごめんね、マシュ…》

遊嗣のデュエルディスクに戻ったロマン…彼らのいる場所は広場から遊嗣の自室へと変わっていた…どうやら、広場が騒がしくなった事で場所を移したらしい。

そして…マシュは遊嗣とプレイメーカーが友人になった事を聞き、びっくりしている…。

 

 

 

《さて…今、リンクヴレインズで何が起きているかと言うと……》

そして、ロマンは遊嗣達にリンクヴレインズで起きている異常事態について伝える。

 

 

あの塔がハノイの騎士の最終作戦『ハノイの塔』と呼ばれるプログラムである事。

 

その塔はリンクヴレインズのデータを吸い上げ・蓄積する事で『データの爆弾』になりつつある事。

 

その爆弾が爆発する事でネットワーク世界や電子機器が完全に破壊され…現代文明そのものが破壊されてしまうという事……それをできる限り専門用語を省き、わかりやすく遊嗣達に伝えた…。

 

 

 

 

「っ…待ってください!!その爆弾が爆発したら、消えてしまったアバターのみなさんは…!?」

 

《彼らのアバターや精神もデータとしてハノイの塔に吸収されているからね……爆発、なんて事になったら……無事では済まないだろう》

 

「それだけじゃないよ…!ロマンも()()()()()って事じゃないか!!」

 

《遊嗣…そんなに大きな声を出さないで…ボクは大丈夫、きみが無事なら…ボクはそれでいい》

 

「ロマン…!!」

そして…真実を伝えられたマシュと遊嗣は取り乱す…爆弾が炸裂した時の被害の大きさ…そして、ロマン自身が消滅する可能性を知ってしまったのだから…。

 

 

 

「……ロマン、ハノイの塔を止める方法は、あるんだよね…?」

 

《……取り込まれてしまったデータの破損を最小限に抑えるなら…方法は2つ、1つはハノイの塔中心部、核だけを正確に撃ち抜いて破壊する事…もう1つはハノイの騎士のリーダー、リボルバーを倒して…ハノイの塔そのものを停止・崩壊させる…それぐらいかな》

 

「…そっか……ロマン、()()()()()()()()?」

 

「遊嗣さん!?ハノイの騎士と…そのリーダーと戦うつもりなんですか!?」

 

《遊嗣…》

そして、遊嗣はロマンに事態の解決方法を尋ねる…その答えを聞いた遊嗣はその瞳に()()を宿していた…!

 

 

「……僕はヒーローにはなれない…それでも、僕は…みんなを危険に曝すハノイの騎士を……僕から()()()()()()とするあいつらを許せない!!」

 

《……ダメだよ、遊嗣…今回ばっかりは許可できない、プレイメーカーからも伝言を預かってる…『絶対にリンクヴレインズに来るな』『命に関わる事になる』って…》

 

「でも…プレイメーカーは()()つもりなんだよね?彼にとって、ハノイの騎士は倒さなきゃならない宿()()なんだから…!友達がそんな覚悟を決めてるのに、僕はじっとなんかしてられない!」

 

《……遊嗣、きみは…》

遊嗣の戦う理由、それは「自分の守りたいものを守る為」……ロマンや遊作、掛け替えのない友人の力になる為…遊嗣はリンクヴレインズに向かう事を決意していた…。

 

 

 

──ロマン、もしも…遊嗣が危険に巻き込まれたなら、助けてやってくれ、そして…もしも、遊嗣が自分から…誰かの為に戦う、と覚悟を決めたのなら……──

 

 

 

《……まったく…本当にしょうがないね、遊嗣……今、リンクヴレインズに入ってしまったらログアウトができなくなるかもしれない、後戻りも…逃げる事もできなくなる…それでも、行くんだね?》

 

「……行く、少しでも彼の力になれるなら…!」

そして、遊嗣の覚悟の強さを知ったロマンは遊海から言われていた言葉を思い出す…遊嗣が覚悟を持って進むのなら、その手助けをして欲しいのだと…。

 

 

「遊嗣さん…行っちゃダメですよ…!!さっきのニュースでも言ってたじゃないですか!SOLテクノロジー社もリンクヴレインズの制御ができていないって…遊嗣さんが優しい人なのは分かってます!けど…!!」

 

「……マシュ、大丈夫!僕は1人じゃない…プレイメーカーと協力して、ハノイの塔を止めて…必ず帰ってくる!絶対に!」

 

「遊嗣さん…」

自ら危険の場所に飛び込もうとする遊嗣を止めようとするマシュ…しかし、そんな彼女に遊嗣は笑顔で告げる…必ず帰る、その約束と共に…。

 

 

 

 

『うわああ!?』

 

「「っ!?」」

その時、リンクヴレインズの様子を映していたモニターから情けない男の悲鳴が響く。

モニターには先ほどまで定点カメラによる「ハノイの塔」の姿しか映されていなかったのだが…どうやら、リンクヴレインズに残っていた記者が誰かがデュエルしているのを見つけたらしい…。

 

 

「あれは…たしか、SOLテクノロジーのセキュリティ部長…?」

 

「相手は……っ…!?」

 

「マシュ…!?どうしたの!?」

映像に映っていたのはSOLテクノロジーのセキュリティ部長の北村…そして、ハノイの騎士であろう白いスーツを着た銀髪の青年…その姿を見たマシュの顔色が青褪める…。

 

 

「あ、()()()です…私に、アナザーのウイルスを感染させたの…!!」

 

「なんだって!?」

マシュの思わぬ言葉に遊嗣は目を見開く…マシュは思い出したのだ、自分が昏睡状態に陥った原因を…!

 

 

「あいつが、マシュを…!!」

遊嗣は拳を握り締めながら、銀髪の青年──ハノイの騎士、スペクターを睨みつけた…。

 

 

 

 

Side???

 

 

 

【はぁ…リンクヴレインズの乗っ取り…どうりで簡単な訳です、あなたのように()()な男が管理していたんですから…感謝しますよ、北村さん?】

 

『うぐ…』

ハノイの塔によって混乱するリンクヴレインズの某所…デュエルに敗北し、無様に地面に倒れ込む北村にハノイの騎士の幹部…リボルバーの補佐を務めるスペクターが呆れた様子で話しかけていた。 

 

 

 

まず…何故、北村がリンクヴレインズにいるのか…それは元凶であるハノイの騎士を自分の手で撃退しにきた…という殊勝な理由ではない。

 

 

あろう事か…北村はハノイの騎士に取り入る為、リボルバーに接触を図ったのだ。

 

 

今回の事件でハノイの騎士にリンクヴレインズを乗っ取られ、SOLテクノロジー社での立身出世が絶望的となった北村…それに気付いた彼はハノイの騎士の目的が「リンクヴレインズの支配」にあると勘違いし、取り入る事で生き延びようとしたのだ。

 

しかし…知っての通り、リボルバーの目的はリンクヴレインズの支配という俗物的な目的ではない…軽く彼をあしらったリボルバーはその対処を腹心であるスペクターに任せて去っていった。

 

そして、スペクターは「入団試験」の名目で北村にデュエルをさせ…現在に至る。

 

 

【しかし…あなたは醜い、リボルバー様を利用しようとするとは…見ているだけでヘドが出ます…!】

 

『は、はは…!いや〜!スペクターさん…いや、スペクター()!貴方達がどれほど有能なのか身を以て教えていただきました!お、お願いです!私をハノイの騎士に入れてください…!末席で構いませんので…!!』

味方を裏切り、リボルバーを利用しようとした北村に対して暴言を吐くスペクター…そんな様子を受け入れながら、北村はもみ手をしながらハノイの騎士に入る事を懇願する…。

 

 

【いいでしょう…()()()()()、ハノイに入れてあげましょう…】

 

『ほ、本当ですか!?』

 

【ええ…お望み通り、()()()としてね…!】

 

『ひっ!?や、やめて!?助けて!?ぎゃあああ──!?』

しかし、当然ながらスペクターが北村を認めるはずもなく……赤いノイズに覆われた愚か者はハノイの塔に取り込まれて消滅した…。

 

 

【まったく…最後までゲスな男でしたね……さて…!!】

 

「「ヒィッ!?」」

北村の消滅を嫌そうに見届けたスペクターはある方向に目を向ける、そこには北村が消滅する様子の一部始終を撮影していたリンクヴレインズに残る最後のマスコミ…否、ジャーナリストであるカエルとハトの2人が隠れていた…。

 

 

【警告です…今、リンクヴレインズに入れば…彼と同じ目に遭います、それでも構わない…という方は、どうぞ()()()()…!】

 

「「ひいっ!?サイナラ〜!!?」」

それはカメラの向こう…現実世界にいる者への警告であり、敵対する者達への()()…その映像を収めたカエルとハトは慌てて逃げ出した…。

 

 

 

そして…その声明は彼らの闘志に火をつける。

 

 

 

 

熱き闘志を燃やす拳闘士はリンクヴレインズを守るヒーローとして。

 

 

白き翼を背負う青き天使は不安を抱く誰かの為に。

 

 

 

光の道を歩んできた少年は自分の守りたいものを守る為に。

 

 

 

そして───

 

 

 

「ハノイの好きにはさせない…!あのコアを止める!」

 

「っ…行くのか、遊作…!データマテリアルも吸われて、リンクヴレインズではDボードも使えないぞ…!?」

 

「それでも、行くしかない」

 

《リボルバーと決着をつけるのか?》

 

「ああ…!奴も、それを望んでいる!」

 

真実を求める復讐者は…ハノイとの因縁を断ち切り、未来へと進む為に…その言葉を口にする!

 

 

 

   「「「「into the VRAINS!!」」」」

 

 

 

4人の勇者達は自分達の目的を果たす為…リンクヴレインズへと飛び込んだ!

 

 

 

 

………

 

 

 

「リンクヴレインズ…」

 

《あ〜あ…見事に廃墟になってるな…》

リボルバーと戦う為にリンクヴレインズへと飛び込んだ遊作…彼が目にしたのはハノイの塔の影響で破壊され、廃墟と化したリンクヴレインズの街並みだった…。

 

 

 

「プレイメーカー!」

 

「Go鬼塚…」

 

《おい、あれは…》

 

「あなた達も来たのねプレイメーカー、Go鬼塚…」

 

「ブルーエンジェルまで…何故、お前達が…」

その時、とある十字路で遊作はいるはずのない人物達…Go鬼塚、そしてブルーエンジェルと再会する…2人はそれぞれに強い覚悟を決めていた…。

 

 

「まったく、それは俺のセリフだ…特にブルーエンジェル!お前のこれまでの戦いは自分の為だって言ってたろ?」

 

「これまでの戦いで気付いたの…人に期待されて戦う人は、人の為に戦っているのと同じだって…だから、これからのブルーエンジェルはみんなの為に戦うの…!」

 

「そうかよ…それは俺も同じだ!俺はリンクヴレインズのヒーローだからな…ここを守るのが、俺の使命だ!!」

この事件に不安を抱く誰かの為に戦うブルーエンジェル…カリスマデュエリスト、リンクヴレインズのヒーローとして戦うGo鬼塚…お互いに気合いは充分だった。

 

 

《今日も張り切ってるな〜Go鬼塚…》

 

「お前が特殊なAI、イグニスか…」

 

《失礼な!オレ様にはAiっていう立派な名前があるんだっての!》

 

「お、おう…そりゃ悪かった…」

そんな闘志を燃やす鬼塚とAiは初めて顔を合わせたのだが…Aiの自分の名前に対する愛着が強すぎて、鬼塚は引き気味になっている。

 

 

 

「プレイメーカー、あなたはどうして此処に?」

 

「理由は3つある…1つ、この現象を起こしている塔…『ハノイの塔』を止める為…2つ、あの塔の情報を託してくれたゴーストガールを救出する為…そして3つ、オレはこの企てを実行している奴と決着をつけなければならない」

 

「っ…ゴーストガールに何かあったの!?」

 

「……ああ、彼女はハノイの騎士のリーダー、リボルバーに倒されてしまった…その後、データとなってハノイの塔のコアに吸収されてしまったんだ…」

 

「そんな…!!」

そして…プレイメーカーが現れた理由を訊ねるブルーエンジェル…だが、その中でゴーストガールが倒され、ハノイの塔に取り込まれてしまった事を知り、口元を押さえている…。

 

 

 

「プレイメーカー!やっぱり、リンクヴレインズに来てたんだね…」

 

「っ!?Yu-Z…!?リンクヴレインズに来るなと伝えただろう!」

 

《あらら…そんな気はしてたけどさぁ…》

その時、遊作達の背後からイレギュラー…4人目のデュエリストが現れる、それは黒スーツを着た金髪碧眼の少年…Yu-Zだった。

彼がリンクヴレインズに入ってきた事に流石の遊作も顔色を変えて驚いている。

 

 

「金髪に黒スーツ…お前、アナザー騒ぎの時にハノイの騎士を倒してたデュエリストか?」

 

「っ…!そのデュエルディスク…!?(白波君、なの!?どうしてリンクヴレインズに!?)」

Yu-Zとは初対面の鬼塚はアナザー事件の時の噂を思い出し、ブルーエンジェル…葵は特徴的なデュエルディスクを見てその正体が同級生の白波遊嗣である事に気付き、目を丸くして驚いている…。

 

 

「はじめまして!Go鬼塚さん、ブルーエンジェルさん…僕はYu-Zと言います…僕は、僕の守りたいものを守る為に…そして、プレイメーカーの力になる為に戦いにきました!どうか、一緒に戦わせてください!!」

 

「Yu-Z、お前…」

2人に対して自分の戦う理由を明かす遊嗣…その覚悟は3人の勇者達にも負けていなかった…。

 

 

「ほう…!ガッツがあるじゃねぇか!だが、ここはもう戦場の中だ…自分の事は自分で守れよ!」

 

「ハノイの騎士の戦力がどれくらいかは分からないけど…人手があるに越した事はないわ……Yu-Z、力を貸してちょうだい」

 

「っ…はい!!」

 

《プレイメーカー、ここまで来ちまったらしょうがねぇ…Yu−Zだって覚悟はできてる、あいつの思いを汲んでやれよ…ロマンもついてるしな》

 

「……仕方ない、か…」

遊嗣の覚悟を聞いた鬼塚とブルーエンジェルはYu−Zの決意を聞いて頷く、遊作だけは遊嗣を巻き込んでしまう事に険しい表情をしていたが…Aiの言葉とタイムリミットを考え、遊嗣の参戦を認めるしかなかった。

 

 

 

「プレイメーカー、お前…情報を託されたって言ったな?どんな内容なんだ?」

 

「ああ…リボルバーはハノイの塔を使い、恐ろしい計画を実行しようとしている…!奴の目的はリンクヴレインズだけじゃない、全てのネットワークを滅ぼす事だ…!!」

 

「なんですって…!?」

 

「全てのネットワークを滅ぼす!?そんなの無理だろ!?」

鬼塚達にハノイの騎士、リボルバーの目的を伝える遊作…その内容を聞いた2人はあまりにも不可能と思われる目的に驚愕する…。

 

 

「いや、ハノイの塔はリンクヴレインズのデータを吸収して

高密度の『データ爆弾』として完成しつつある…そのデータを一気に開放し、全てのネットワークの情報を削除しようとしているんだ…!」

 

「そんな事になったら…ゴーストガールや吸い込まれてしまった人々の意識も消滅してしまうわ…!?」

 

「そうだ…だから、あれが発動する前に阻止しなければならない!」

 

《オレ様も消えたくないしな!》

ハノイの塔は仮想世界だけの問題ではない…現実世界の人命が懸かった緊急事態なのだ。

 

 

 

「阻止する方法は?」

 

「ハノイの騎士のリーダー、リボルバーを倒すしかない」

 

《タイムリミットは…約6時間、あの塔に6つの円盤が完成したらアウトだ…!》

 

「「「6時間…!」」」

 

「リボルバーはハノイの塔で待ち受けているはずだ…オレは、奴と決着をつける…ログアウトするなら、今のうちだ」

 

「へっ…!そこまで聞いて尻尾を巻いて帰れるか!それに…子供達の為に未来や希望を守るのは、俺の義務だ!」

 

「私も同じよ…それに、ゴーストガールを助けないと!」

 

「うん…もしかしたら、SOLの部長を倒した奴以外にも伏兵がいるかもしれない…きみを1人で行かせる訳にはいかないよ!」

 

「……勝手にしろ」

 

《まったく…素直じゃないなー、プレイメーカー様》

ハノイの塔を止める方法を伝える遊作…それを聞いた遊嗣達は彼方にそびえるハノイの塔を睨む…!

 

 

 

「この4人の誰かが…必ず、リボルバーを倒すのよ!」

 

「おう!」

 

「うん!」

 

「ただし…気を付けろ、ゴーストガールがリボルバーは恐ろしいカードを持っている、と言っていた…!」

 

「わかったわ…!生きていたら、また会いましょう…!」

 

「健闘を祈る!」

 

《じゃあな!気をつけろよ!!》

それぞれの無事を祈り、ブルーエンジェルと鬼塚は別々のルートでハノイの塔へと走りだした…。

 

 

 

「……Yu-Z、無理はするな…危ないと感じたら、すぐに逃げるんだ」

 

「ははっ…プレイメーカー、きみも僕の父さんと同じ事を言うんだね!……大丈夫、今回はしっかり()()()デッキを持ってきてるから!きみがリボルバーと決着をつける為の道は…切り開いてみせる!行こう!」

 

「ああ…!待っていろ、リボルバー!!」

 

《ハノイの塔の影響で建物や地形が脆くなっている所があるから注意するんだよ!》

 

《わお!?サーチ能力すごいんだなお前!?》

そして遊嗣と遊作も走り出す…ハノイの塔を止め、囚われた人々を救う為に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《(念の為に()()は用意した…上手くいくと良いんだけど…!)》

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