転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

自分の息子への説明を終えた遊海…しかし、彼にはまだ話さなくてはならない人物がいた…。

それでは、最新話をどうぞ!


とある休日〜もう1つの真実〜

「父さんおはよう!」

 

「おう、おはよう遊嗣!よく寝れたか?」

 

「うん!」

 

《フォウフォウ!(ボクが耳をかじるまでぐっすり寝てたよ!)》

 

「フォウ…もう少し優しく起こしてあげような?」

遊嗣とマシュへの「説明会」の翌朝…休日の白波家のリビングで遊嗣と遊海が朝の挨拶を交わす…天候は雲一つない晴天、絶好のお出かけ日和である。

 

 

 

「マシュちゃんとは何時に待ち合わせたんだ?」

 

「10時に中央広場!」

 

「そうか、何の映画を見るかは聞かないけど…しっかり楽しんでくるんだぞ?せっかくのデートなんだから、マシュちゃんをがっかりさせるなよ?」

 

「だ、だから!マシュとはまだそんな関係じゃないって!?まだ友達!友達だから!!からかうのもいい加減にしてよ!?」

 

「はっはっは!そうは言っても楽しみなんだろ?素直じゃないな!」

遊海が遊嗣達へと渡した映画館の優待券…それがきっかけとなって2人はデートをする事になっていた。

なお、遊嗣は遊海のからかいに赤面している。

 

 

《ユウジもそんなお年頃になりましたか……ふふっ、リオが初デートを前にソワソワしていたのを思い出しますね〜》

 

《はっはっ…マシュと言ったか、不思議と遊嗣と似合っている気がするのぉ》

 

「もう…!フレアとメガロックじいちゃんまで…!」

 

《諦めなよ遊嗣、マシュといつも一緒にいるのは事実なんだから…》

 

《ロマンまで〜…》

甘酸っぱい青春を過ごす遊嗣、そんな彼の事フレアや日光浴をしていたメガロックも微笑ましく見守っている…そして遊嗣は精一杯反抗するが、彼らの事を一番近くで見守っていたロマンにも呆れられている…。

 

 

 

「あっ、そうだ遊嗣…今日1日ロマンは預かるからな?少しアップデートとか調整しとくから」

 

「えっ…それじゃ、本当にマシュと二人っきりじゃんか!?」

 

《ふふっ、人の()()()()()を邪魔する人は馬に蹴られる、なんて言うからね!》

 

「ロマン!!」

 

《おっと!退散退散!!》

 

「はいは〜い!朝ごはんできましたよ〜!デートの前にしっかり腹ごしらえしないとね〜!」

 

「母さ〜ん…」

白波家の朝はドタバタと…しかし、穏やかに過ぎていった…。

 

 

 

…………

 

 

 

「いってきまーす!」

 

「おう!気をつけてな〜!」

 

「マシュちゃんによろしくね〜!」

 

《フォ〜ウ!》

家族に見送られ、遊嗣はマシュとの待ち合わせ場所に向かう為に家を出ていった…。

 

 

 

 

 

《マスター…》

 

「うん、よく遊嗣を守ってくれた…ありがとう、ロマン」

 

《本当にです…ふふっ、私も製作者……いいえ、()()として誇らしいです!》

 

《…()()、母様…はい!》

リビングで遊海とアヤカは優しくロマンを労っていた…ロマンも遊嗣に見せるしっかり者の表情とは別の───()()()()()表情だった。

 

 

()()()の事件には()()()遊嗣は巻き込ませない…()との縁はできてしまったけど、これから起きる戦いに遊嗣を巻き込むわけにはいかないからな…」

 

《マスター…》

そして、遊海はこの先に待ち受ける事件の記憶を呼び起こす…人間の愚かさが引き起こしたAI──イグニスと人間の争いを…その事件に遊嗣を巻き込まない為に…。

 

 

「それはそれとして……()()()に会いにいかないとな…ロマン、付き合ってくれるか?」

 

《もちろんです、父様》

そして、ロマンを伴った遊海はとある場所へと向かった…。

 

 

 

 

 

 

「はーい毎度ありー!」

 

『草薙さん、機嫌がいいな?』

 

「ああ!ようやっと()()()が降りたからな!弟の…仁の為にもバンバン稼がなきゃな!」

デンシティの海浜公園…デートスポットになっているその場所は休日という事もあって普段よりも人気があった。

 

そんな場所で営業しているCafeNagiも中々の客入りで忙しい状況だったが、店長である草薙翔一の表情は明るかった…。

 

 

 

「ハノイの騎士も壊滅して、憎っくき鴻上博士も警察に逮捕された…そしてロスト事件が終わったって伝えたら仁が笑ってくれたんだ…!この10年、病室の角で何かに怯え続けていたあいつが…!こんなに嬉しい事はないよ!」

 

『ああ…ようやく、オレ達の復讐は終わったんだ…』

デンシティを震撼させたハノイの騎士による大規模サイバーテロ『ハノイの塔事件』…それは復讐心を乗り越えた遊作、そしてAiの活躍によって解決した…その知らせがロスト事件以来、心を閉ざし続けていた翔一の弟・仁に変化をもたらしたのだ…。

 

 

「今はまだ無理かもしれないけど…きっと仁が退院できる日も近い!よーし、兄さん頑張るからな〜!」

 

『ああ、オレもできる限り手伝うよ』

弟の為に張り切る翔一…彼の思いを知る遊作も柔らかい表情でその様子を見守っていた…。

 

 

 

 

「注文いいかな?」

 

「はい!いらっしゃ──いいっ!?」

 

『っ…貴方は…!!』

そんな時、CafeNagiに訪問者が現れる…その顔を見た遊作と翔一は思わず言葉を失った、何故なら──

 

 

『鋼の騎士……いや、白波…遊海、さん…!』

 

「そう固くならないでいいさ…元気そうで良かったよ遊作君」

 

《ボクもいるよ〜》

遊作と翔一にとっての恩人──白波遊海がロマンを伴って姿を見せたのだから…。

 

 

 

 

 

「悪いな、わざわざ店を閉めてもらって…」

 

「いや、貴方が来てくれたんなら閉めもしますって?!こ、コーヒー飲みますか?」

 

「ああ、砂糖1本とコーヒーフレッシュ2つで頼む」

 

『………』

早めの昼休憩として閉店したCafeNagi…そのハッキングルーム、そこに通された遊海は静かに遊作達と向かいあっていた…なお、遊作は緊張しているのか無言である。

 

 

『遊海、さん……その……すみません、でした…遊嗣を、貴方の息子を、危険な事件に巻き込んでしまって…』

 

「ん…謝らなくてもいいさ、全部ロマンから聞いてる…きみは遊嗣に来ないように警告してくれたけど、ウチの息子が自分から首を突っ込んだってな…家ではずっと『誰かを守れる男になれ』って言い聞かせてたからなぁ…1人で戦おうとするきみを放っておけなかったんだよ」

開口一番、遊作は遊海へと頭を下げる…しかし、遊海はそれを笑って流した…。

 

 

「しかし…まさか、遊作や弟の恩人が…伝説のデュエリストの世を忍ぶ仮の姿だったとは…というより、あなたってもう百ウン十歳ですよね…?まさかのアンドロイドだったとか?」

 

「ははっ…アンドロイドの知り合いもいるけど、俺は正真正銘の生身の人間さ!千年アイテムのおかげで夫婦共々若作りしてるだけだよ……それから、無理して敬語を使わなくてもいいぞ?」

 

「あはは…すんません…」

 

『千年アイテムの力…都市伝説は本当だったのか…』

「鋼の騎士」である遊海の正体…そして、その肉体の若さに驚いている遊作と翔一…そんな彼らに遊海は優しく笑いかけた…。

 

 

 

『それで…今日はどうしてCafeNagiに?何か用事があって来たんですよね?』

 

「ああ……ロスト事件の真相…あの日、伝えられなかった最後の()()について話に来たんだ」

 

「『っ!?』」

遊作の問いかけに遊海は静かに答える…その思わぬ言葉に遊作と翔一は思わず息を呑んだ。

 

 

「ロスト事件の真相…!?あの事件は終わったはず…!」

 

「ああ、大丈夫…もう()()()()()…でも、あの場所でも言っただろ?キミ達には真実を知る権利がある…そして、あの場に彼らを助けに行った者として…もう1人……いや、1()()の黒幕について話しておきたい」

 

『もう1体の、黒幕…!?』

ロスト事件の真相を語るという遊海は一度、そこで言葉を区切る…。

 

 

 

 

「10年前、連続で発生した6件の児童誘拐事件…俺は秘密裏にその調査をおこなっていた…でも、主犯である鴻上博士の隠蔽が上手だったのか…俺達は手掛かりを掴めないでいた…そんな時、1つの転機が起きた」

 

『リボルバー…鴻上了見が送ったという手紙…』

 

「その通り、その手紙で俺はようやくきみ達が囚われていた施設を見つけ出し、乗り込む事ができた……そして、思わぬ()と再会した」

 

「敵…?確か、SOLテクノロジーの資料によると遊作や仁が囚われていた施設には鴻上博士はいなかった、別の場所で捕らえたと……」

 

『ああ、鴻上博士や他の研究員はいなかった……そこにいたのは───()()()()、と呼ばれる存在だ』

 

『「破滅の光…?」』

遊海の口から飛び出した言葉…それを聞いた2人は思わず問い返す…。

 

 

「破滅の光は…生物、というより『概念』とか…『集合意識』の具現化、とも言えるオカルトじみた存在だ…命を守り、育む宇宙の闇『優しき闇』…それと反する生命の存在を否定し、全てを白く染め上げて破滅させる意志…それが『破滅の光』という存在だ」

 

「そ、その破滅の光が…ロスト事件の原因って言いたいのか?」

 

「ああ…破滅の光は時折地球へと降りそそぎ、その光で人々を狂わし、取り憑き…人類…いいや、生命に溢れる地球そのものを滅ぼす為に暗躍し続けていた…ほら、歴史の本で見たりするだろう?『月の光に狂わされた』とか『凡人が独裁者になって戦争を起こした』とか……その大部分は破滅の光に取り憑かれた人間の仕業なんじゃないか、という話もあるんだ」

 

『鴻上博士も…その破滅の光に取り憑かれていた、という事ですか…!?』

 

「その通りだ…まぁ、鴻上博士も元々過激な思想の持ち主だったから…それがさらに悪化する要因になった…という事だな」

ロスト事件の真相…それは鴻上博士の身勝手な善意…そして、それをさらに暴走させた「破滅の光」が原因だったのだ。

 

 

「待ってくれ、破滅の光は人間に取り憑くんだよな?しかし、あなたが突入した施設には鴻上博士達はいなかった…なら、破滅の光は()()()()()()()()()んだ?」

 

『あっ……』

そこで翔一の言葉を聞いた遊作が目を見開く…人間に憑依して破滅を齎す破滅の光、それが憑依していたのは───

 

 

「──俺が突入した時、破滅の光に取り憑かれていたのは───草薙仁、キミの弟だ」

 

「な、なんだって!?!?」

 

『っつ…!!』

衝撃的な事実を告げる遊海…その時、遊作の閉ざされていた記憶の扉が少しだけ開いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

「う、うぅ…?」

沈んでいた意識が浮き上がっていく…脱水と極度の空腹や疲労で視界はぼやけている……しかし、幼い遊作は目の前でデュエルが行われている事に気付いた…。

 

 

 

 

【光…光…光!!白が全てを染め上げる!!生命など消え去るべきなのだ!!!】

 

「これ以上、お前の好きにはさせないぞ!破滅の光!!光と闇のバランスが崩れてお前が復活したのなら…その調和を取り戻すのは俺の役目だ!!」

かたや、異常な気配を纏い、子供の声と狂気的な低い声を響かせる紫色の髪の少年…かたや、自分達を救いに来てくれた銀色の背中……そして───

 

 

「消え去れ、絶望!」

 

「わあ…!」

英雄──遊海の咆哮と共に黄金の嵐が吹き荒れる…そして、遊作の視界は希望の光に塗り潰された…。

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

「───ロスト事件の前に()()()のバランスが崩れる事件があってな、その影響でかつての英雄が倒したはずの破滅の光が復活…それが鴻上博士から仁君に乗り移っていたんだ……でも、もう大丈夫!今度こそ、破滅の光は消滅させたし…ロスト事件も解決した事で仁君の容態も良くなっていくと思う…本当にすまなかった」

 

「仁がそんな目に遭っていたなんて…ああ、鴻上博士を一発殴っておくんだった!!」

遊作が過去の記憶を垣間見る間に話は進んでいた…遊海は救いきる事ができなかった仁の事を謝罪する為に彼らを訪ねてきたのだ…。

 

 

 

『……遊海さん……ありがとうございます、俺達をあの地獄から…破滅の光、という存在から救い出してくれて…』

 

「お礼を言われるような事じゃない…昔から言うだろう?『ヒーローは遅れてやってくる』…俺は、事件が起きてからじゃないと動けなかった…きみ達をもっと早く助けられなくて、すまなかった」

 

『遊海さん…』

過去の記憶を思い出し、遊海の勇姿を思い出した遊作は改めて遊海へと感謝を伝える…しかし、負い目があるのは遊海も同じだった。

 

 

 

 

 

「…そういえば、1つ気になってたんだが…ロスト事件でAiを含めた6体のイグニスが生み出された、とリボルバーから聞いたが……ロマンはどういう存在なんだ?」

 

『そういえば…』

 

《ん?》

そんな時、暗くなった雰囲気を変える為に翔一が遊海のデュエルディスクから顔を覗かせるロマンへと目を向ける…Ai、つまりイグニスに似た姿を持つ彼について聞く為に…。

 

 

「ああ…イグニスはロスト事件で攫われた6人の子供達の性格やなんかをデュエルを通じてAIに学習させる事で生み出された……あの時、遊作君達を救う為に施設に突入した俺はその設計図の一部を見つけてね…それを参考に()()()()()()()()()を学習させて生まれたAI、それがロマンさ」

 

『つまり、ロマンは…!』

 

「二代目決闘王の、分身…!?」

 

《いやいや!あくまでも性格なんかの構成要素だけだよ、ただボクがAi達…オリジナルのイグニスとは違うのは『人類の後継』としてではなくて…『人類に寄り添い、支える』事を基本指令として書き込まれてるんだ…そうですよね?マスター》

 

「その通り…いずれ、イグニス達が目の前に現れた時…彼らと人間を繋ぐ架け橋になってほしい…そういう思いでロマンを作ったんだ……ああ、この事は遊嗣にはナイショで頼む!『父さん、気持ち悪い!』なんて言われた日には俺は……」

 

《遊嗣はそんな事言わないと思うけどねぇ…》

 

『「あはは…」』

遊作達にロマンを生み出した目的を伝える遊海…そして、その人間くさい──子煩悩な様子に遊作達は苦笑していた…。

 

 

 

 

 

「とりあえず、これでロスト事件の話は終わりだ……あとは、きみの事についてだな…遊作君」

 

『オレの?』

ロスト事件の真相を語り終えた遊海は静かに遊作へと目を向ける…。

 

 

「遊嗣から少しだけ聞いたよ、きみはロスト事件の後遺症で記憶を失くしてしまったと…リボルバーとの対決の後、何か変化はあったかな?」

 

『……いいえ、ロスト事件の前の記憶はまだ戻っていません…自分では区切りがついた、とは思っているんですが…』

 

「そうか…」

 

「遊作…」

ロスト事件…極限環境で半年もの間、望まぬデュエルを強いられた遊作…その()()は事件以前の遊作の名前や家族との思い出…その全てを奪い去っていた…。

 

 

「遊作君、もしも俺が…記憶を失う前のきみの『情報』を持っている、としたら……きみはどうする?」

 

『えっ…!?』

 

「っ…!馬鹿な!遊作達、6人の被害者達の個人情報は国家レベルの保護プログラムで守られている…!あのSOLテクノロジーのメインコンピューターにも無い情報をどうして!?」

遊海の思わぬ言葉…それに遊作は言葉を失い、ハッカーとして情報を得られなかった翔一も取り乱す…。

 

 

「俺もツテはたくさんあってね…その中で運良く、きみの情報を知る事ができたんだ…知りたいか?」

 

『教えてくれ…!オレの事を…!!』

そして、遊作は失った記憶の手掛かりを求めた…。

 

 

 

「まずは…遊作君、きみの()()()()()だが……きみは()()()()だ、きみの名前は偽名でも仮名でもない…その名前はきみの()()だ」

 

『っ…!そうだった、のか…!』

1つ目の情報、それは遊作の本名について…その名前は国家プログラムによって与えられた名前ではなく、彼自身の本名だった。

 

 

「本名がある…なら、遊作の()()は?遊作は事件以降児童養護施設に預けられていた…なんで、親は遊作を引き取らなかった?」

 

『っ…』

 

「遊作君の両親は()()()()()、そして…きみを施設に預けたのは…()()()()()()()()だ」

 

『オレを、守る為…!?』

そして、2つ目の情報…それは養護施設で育った彼の()()について、そして…施設で育てられた理由だった。

 

 

「ロスト事件の後、本当の孤児だったスペクター…ダイキ君以外の子供達は親元に返された、()()()()()()()()()…しかし、遊作君…きみは…ご両親を()()してしまったんだ」

 

「遊作が、自分で…!?」

 

「ああ……その当時の記録によると、救出直後のきみは記憶喪失に加えて極度の人間不信の状態だったらしい……そのせいできみは迎えにきてくれたご両親すらも拒絶して…その様子を見たご両親はきみの心がこれ以上壊れないように、距離を置く事にしたんだそうだ……もしかしたら、きみ自身は覚えていないかもしれないが…」

 

『───あっ───』

遊海によってもたらされた思わぬ過去…その言葉を聞いた遊作の脳裏に断片的な記憶が過る…。

 

 

 

 

自分を囲むたくさんの大人達

 

涙を流す、2人の男女

 

そして、伸ばされた大きな手を…泣き喚きながらはたき落とした自分の小さな手

 

その様子を見て泣き崩れた女性の姿を────

 

 

 

 

「遊作…!」

 

『遊海、さん…オレの…本当の、両親は…何処に…?』

 

「そこまではオレも調べきれてない…でも、案外近くにいたりするかもな?きみが忘れてしまったとしても───親子の絆は決して()()()()()()()…1人の父親として、俺が保証する」

 

『遊海さん…』

遊海の言葉によって記憶の断片を思い出した遊作…そんな彼に対して遊海は穏やかに声を掛ける…1人の父親としての確信を抱きながら…。

 

 

 

 

「さて、これ以上は営業妨害になっちゃうかな…草薙君、ホットドッグの注文頼んでいいかな?ちゃんとお金は払うよ」

 

「あ、ありがとうございます!何個にしますか?」

遊作達へと伝えるべき事を話した遊海は翔一へとホットドッグを注文する…これからの彼らを少しでも応援する為に…。

 

 

「うーん、じゃあ3こ……うん?()()も食べたい?みんなも?待て待てラビエル、お前達って食べれたっけ?挑戦したい?まったく……」

 

『遊海さん?誰と話して…?』

その時、遊海が虚空へと声を掛ける…まるで誰かと話しているように…。

 

「ああ、すまない!()()が多くてな!ノーマルのホットドッグを1()4()()頼むよ」

 

『「っつ!?」』

穏やかに注文を伝える遊海…その背後に遊作達は一瞬だけ半透明の()()()()()達の姿を垣間見た…。

 

 

『(あれが『精霊に愛された決闘王』…か…)』

 

 

 

………… 

 

 

 

「お待たせしました!ホットドッグ14個お待ちどう!」

 

「ああ、ありがとう!これからも贔屓にさせてもらうよ」

しばらく後、遊海は店の営業を再開した翔一からホットドッグを受け取り、遊作へと目を向ける。

 

 

「遊作君、これからも遊嗣と仲良くしてくれると嬉しいな…そして、困った事があったら遠慮なく頼ってくれ…必ず力になる」

 

『遊海さん…ありがとうございます』

 

「ははっ、いい顔だ…じゃあな〜」

 

《また来るね〜!》

そして、遊作達の力になる事を約束した遊海は手を振りながら帰っていった…。

 

 

 

 

 

「ふ、ふはぁ……人生って、本当に何が起きるか分からないな…!き、緊張が解けて、腰が抜けちまったよ…」

 

『白波遊海…彼は本当にすごい人だったな…』

遊海が帰った事で緊張が解けた草薙はへなへなと椅子に座り込む…その横で遊作も額の汗を拭っている。

 

 

 

「遊作、ちょっとトイレ行ってくる…店番頼むな〜」

 

『ああ』

そして、緊張でトイレに行く事も忘れていた草薙は遊作に店を任せて近くのトイレへと向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみませーん、ホットドッグと紅茶のセットをください」

 

『いらっしゃいませ、すぐに用意しますね』

 

 

「……店員さん若いわね〜!高校生?」

 

『はい…(このお客さん、たまに見る人だな…いつもホットドッグと紅茶を頼んで…)』

 

「ふふっ、私にも高校生になる息子がいるの…忙しくて、たまにしか会いに行けないんだけど……同じ世代の子が頑張ってると嬉しくなっちゃう!」

 

『そうなんですか……ホットドッグと紅茶、お待たせしました!……また来てください』

 

「うん、ありがとう!また来るわね〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……遊作、ごめんね……もう少しだけ、私達に勇気を出す為の時間を頂戴……必ず、迎えにいくからね…!」

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