転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!少し間が空いてしまいました…。

今回は『白波家』が大集合…さてさてどうなる事やら…。

それでは、最新話をどうぞ!


家族団欒〜彼の見た夢〜

「マシュ!お疲れ様、無事に着いた?」

 

『はい!久しぶりにお家でのんびりしています!』

 

穏やかに日々は過ぎていき、世間は夏休みの時期となる…それは遊嗣とマシュも同じだった。

遊嗣と画面越しに通話するマシュ…そんな彼女は父・ランスローと共に実家のあるイギリスへと帰省していた…夏休みの2週間ほどを故郷で過ごすらしい。

 

 

「しばらく会えないのは寂しいけど…いつでも連絡してね」

 

『はい!時差があるので…気をつけながら連絡しますね!』

日本とイギリスの時差は約8時間、日本の朝はイギリスでの深夜の時間帯である…それでも、マシュは嬉しそうに遊嗣と話していた。

 

 

『マシュ〜?こんな夜遅くに誰と電話してるのー?あら、もしかして…ボーイフレンド?』

 

『お、お母さん!勝手に部屋に入って来ないで…!』

 

「わっ、わっ…!おはよ、こ、こんばんはございます!!?」

そんな時…マシュの背後の扉が開き、まさに『モナ・リザ』を思い起こさせるブラウンの髪色の女性が顔を見せる…マシュの母親と初めて顔を合わせた遊嗣は思わず取り乱してしまった。

 

 

『──ふふっ…日本人らしい、優しそうな男の子じゃないの…娘の事をお願いね?お父さんにはまだナイショにしておくから!』

 

「は、はい!ありがとうございます!よろしくお願いします!!」

 

『もう…お母さーん…///』

イタズラっ子のように笑いながら遊嗣に娘の事を頼むマシュの母…そんな彼女の言葉に遊嗣は顔を真っ赤にしながら応え、マシュも赤面していたのだった…。

 

 

 

『遊嗣さん、今日はどんな予定なんですか?』

 

「今日はね〜…久しぶりに凌牙兄と璃緒姉達がウチにくる日なんだ!久しぶりの家族団欒って感じ!」

 

『わぁ…!それは楽しそうですね!』

母を部屋から追い出したマシュは遊嗣に今日の予定を訊ねる…そして思わぬ集まりに目を輝かせていた。

 

 

「まぁ、ちょっとだけ()()な事もあるんだけど…楽しんでくるよ」

 

『?…はい!私も明日から友達と会いに行ったり、家族旅行に行ったり…楽しんできます!おやすみなさい、遊嗣さん!』

 

「うん、体に気をつけてね!」

そして、2人は名残惜しそうに通話を終えたのだった…。

 

 

 

…………

 

 

 

「まだかな〜?まだかな〜♪」

 

「翠…まだ約束の2時間も前だって…」

 

《フォウ〜!(ボクも楽しみ〜!)》

 

「母さん!トイレ掃除と玄関掃除終わったよー!」

 

「は〜い!ありがとうユウ君!」

朝の白波家は穏やかな、しかしウキウキとした雰囲気だった…翠は昼食の用意をしながら鼻歌を歌い、遊海は少し呆れた様子でそんな彼女を見守っている。

そして遊嗣も掃除などの手伝いをしながら、久しぶりに会う兄妹達の事を待っていた…。

 

 

〜〜〜〜

 

 

ピンポーン!

 

 

「お父さーん!お母さーん!ただいま〜!」

 

「おっ…!帰ってきたか!」

しばらくして…白波家のインターホンが来客を知らせる、それは璃緒()が帰ってきた知らせだった。

 

 

 

 

 

「「若じいちゃーん!!」」

 

「おおっ!()()()()()!元気だったか〜?」

玄関を開けた遊海の足元に小さな2つの影が飛び込んでくる…それは璃緒似の青い髪の少女と黒髪に青いメッシュの入った少年──遊海の()にあたる璃緒の子供達、双子の()()亜遊美と鋼太だった。

 

 

「お帰り、璃緒姉!」

 

「ただいま遊嗣!元気にしてた?」

 

「うん!()()兄ちゃんは?」

 

「仕事をしてる頃かしら…夕方には合流する予定よ」

そして続いて顔を見せたのは神代家の母のような、たおやかな女性へと成長した璃緒──恋仲であった武田鉄男と結ばれた武田璃緒だった。

そんな彼女を遊海と遊嗣は温かく迎える…この日、鉄男にSOLテクノロジー関連の仕事が入ったのをきっかけに集まろうという事になったのだ。

 

 

 

《フォーウ!!(璃緒〜!)》

 

「フォウ君!相変わらずモコモコ〜!久しぶりね〜!」

 

「遊嗣兄ちゃん!ゲームやろ!ゲーム!」

 

「レースゲーム持ってきたんだ!」

 

「よーし!今回は負けないぞ〜!」

 

「ふふふ…みんな〜!まずはお昼ごはん食べてからね〜!」

 

「「「は〜い!!」」」

 

 

………

 

 

「いけいけ〜!!」

 

「なんの!緑甲羅で…!」

 

「えーい!」

 

「わぁ〜!?赤甲羅はやめて〜!?」

 

 

「ふふっ、遊嗣は相変わらず優しいんだから…」

お昼ごはんを食べた遊嗣達子供チームはレースゲームに熱中している。

 

そんな様子を遊海や璃緒達大人チームは微笑ましく見守っていた…。

 

 

 

「というより父さん、体は大丈夫…?またすっごい無理したんでしょ?()()の時にデンシティの空が割れてたのって父さんの仕業よね?」

 

「ははは…噂が広がるのは早いなぁ…ああ、まぁ…3日間昏睡してたくらいかな…?」

 

「3日間って……ダメね、私も感覚が麻痺してるわ…」

 

「もう、大変だったんだから…!凌牙君に支えられて帰ってきたらすぐに倒れちゃって…マシュちゃんもビックリしてたんですよ?」

 

「……ご迷惑おかけしました…」

 

「あはは…父さんって本当に変わらないんだから…」

子供達に聞こえない声量で先日の事件の事を聞く璃緒…2つの事件で遊海に蓄積していたダメージは思いのほか深く、回復に数日掛かっていた。

なお、そんな様子を翠に詰られた遊海は小さくなっている…。

 

 

 

「それに遊嗣も…!電脳世界、リンクヴレインズの事とは言っても…あんなにボロボロになって…!」

 

《実を言うと……遊嗣やハノイの塔に取り込まれてしまった人々も命の危機だったのです…ハノイの塔が完成・起爆していたら、取り込まれていた人々の意識を含めたネットワーク上のデータは全て消滅…それだけではなく、人間界全体のネットワーク・電子機器全てが破壊される所だったのです》

 

「なにそれ…!?初耳なんだけど!?」

 

「まぁ、カイトや瀬人には事情を伝えてて…この街を中心に10キロ範囲でスフィアフィールドを張ってもらって、被害を最小限に抑えるつもりだったんだけどな…遊嗣が自分から事件に首を突っ込むのは予想外だった…」

 

「だから、空が割れる勢いで帰ってきたのね…凌牙も呆れるはずだわ…本当に父さんは子煩悩なんだから」

 

「ははっ…俺には一番の褒め言葉だよ」

そして、世間には知られていない「ハノイの塔事件」の真相を知らされて驚愕し、遊海が全速力で帰ってきた意味を理解した璃緒は溜め息混じりで遊海の優しさ…もとい、()()()さに呆れるのだった。

 

 

 

「やったー!いちばーん!」

 

「たぁ〜!また負けた〜!やっぱりレースゲームはちょっと苦手かなぁ…」

 

「遊嗣兄ちゃん弱〜い!」

 

「むむむ…」

そんな中、遊嗣は甥っ子達とのゲームに負けてしまい、若干落ち込んでいた…遊嗣はデュエル以外のゲームだと対戦系ゲームは少し苦手なのだ。

 

 

《遊嗣、あまり落ち込まない方が良いよ?誰にでも得意と苦手はあるんだから…》

 

「ロマン…うん、そうだね」

 

「わっ…!兄ちゃんのデュエルディスクからなんか出てきた!」

 

「せーれーさん?」

 

《おっと、2人とも初めまして!ボクは遊嗣のサポートAIのロマンって言うんだ、よろしくね!》

 

「「すごーい!!」」

落ち込む遊嗣を励ますロマン…その姿を見た亜遊美と鋼太は目を輝かせる。

 

 

 

「あのAI…父さんが遊嗣にあげたの?」

 

「ああ、今回の事件には『イグニス』っていう特殊なAIが関わっててな…彼らとコンタクトを取りやすいように、ロスト事件の現場から回収したデータを基にして彩華と一緒に作ったんだ…本当はアイツと一緒にプレイメーカー達と関わる予定だったんだが…」

 

()()()で事件が起きちゃったから、遊嗣に託したと……ねぇ、それって完全に遊嗣が()()()みたいになってない??朝のヒーロー特撮の流れそのままよ?」

 

「あー…否定できないのがなんとも…まぁ、俺と翠の子供だからなぁ…ある意味では運命に愛されてる、って事さ」

 

「───もう…遊嗣にはなるべく、危ない目には遭ってほしくないのに…」

ロマンと戯れる子供達を見守りながら、璃緒にロマンの事を伝える遊海…その様子を見ながら璃緒は少しだけ不安そうな表情を見せた…。

 

 

「ろまんも一緒にレースゲームやろうよ!」

 

「んー?ロマン、できそう?」

 

《うん!ボクの体はリアルソリッドビジョンで実体化してるからね…やってみるよ!》

 

「よーし!今度はおれがいちばんだ!」

 

「負けないもんねー!」

そして、僅かな時間で子供達と打ち解けたロマンはゲームに挑もうとする…そんな時だった。

 

 

 

『おう、楽しそうに遊んでるな』

 

「あっ!凌牙兄!おかえり!」

 

「「凌牙おじちゃーん!」」

 

『……まだ「兄ちゃん」って呼んでくれねぇかなぁ…』

リビングにやって来たのは白波家の長男──凌牙だった、その姿を見た遊嗣や璃緒の子供達は嬉しそうに彼に駆け寄る。

なお、正しい呼び方とはいえ「おじちゃん」と呼ばれる事に凌牙は落ち込んでいた…。

 

 

「おかえり凌牙、少し遅かったな?」 

 

『ただいま父さん…ちょっとコッチに来る時にデュエル暴走族がいたからぶっ飛ばしてきた』

 

「まったく…そんな所まで父さんを真似しなくてもいいのに…」

 

「ふふっ、本当に親子ね!」

遊海の問い掛けに柔らかく答える凌牙…その雰囲気は璃緒と翠が呆れるほど遊海にそっくりだった。

 

 

「凌牙おじちゃんもレースやるー?」

 

『ああ、ちょっとやる事をやったらな…遊嗣、デュエルディスクを着けて庭に出ろ』

 

「えっ…?」

姪っ子の亜遊美の頭を優しく撫でながら…凌牙は静かに遊嗣を睨んだ…。

 

 

 

…………

 

 

 

 

「凌牙兄…」

 

『準備はできたか?』

白波家の庭…そこで遊嗣と凌牙は向かいあっていた…。

 

 

『この前の事件の時のデュエル、改めて見たぞ……何をあんなテロリストに負けてんだ?…俺はそんな軟な鍛え方をした覚えはないぞ!』

 

「っ…!」

そして、凌牙から放たれるのは兄として…そして『決闘王』の名を背負う者としての覇気と怒気…その強さに遊嗣は鳥肌が立つ…。

 

 

『お前には「最強になんてこだわらなくてもいい」とは言ってきた…でもな、自分の事と自分の大切なモノは守れるぐらい強くなれって言ったよな?』

 

「うっ…申し開きもございません…」

それは遊嗣が昔から遊海や凌牙に言われ続けていた『約束』…今回、遊嗣はハノイの構成員に対しては安定して勝利し、自分の事や自分の守りたいモノを守る事ができた…しかし、ハノイの騎士の幹部・スペクターとの決戦で遊嗣は敗北…それによって彼は翠やマシュに大きな心配を掛けていた…。

 

 

『つー訳で…久しぶりの特訓だ…!少しは強くなったみたいだが、その鼻っ柱を叩き折る!』

 

「嫌な予感的中だぁ…折れるほどの鼻もないんだけど…」

 

《遊嗣、凌牙は狙った獲物を逃さないプレイスタイルから『シャーク』と呼ばれていたらしい…気を付けるんだよ》

 

「……もう身に染みるほど分かってるよぉ…(涙)」

 

《あらら…(汗)》

そして、凌牙は荒々しい闘気を纏いながらデュエルディスクを構える…遊嗣の感じていた()()の正体は凌牙による特訓の事だったのだ。

 

 

「デュエルだー!」

 

「遊嗣兄ちゃん頑張れ〜!」

 

「もう…凌牙ー!手加減しなさいよ〜!」

そして、兄弟2人の特訓デュエルを前に無邪気に歓声を上げる姪っ子姉弟達…そんな様子を見ながら璃緒は呆れている…。

 

 

「さてさて、遊嗣は凌牙に勝てるかな…?」

 

「ふふっ…遊嗣も強くなったから…分からないですねぇ」

そんな様子を遊海と翠は穏やかにコーヒーを飲みながら見守っていた。

 

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

遊嗣LP4000

凌牙LP4000

 

・マスターデュエル

・プロト・マスタールール

 

 

 

「ぼ、僕のターン!!」

「フィールド魔法『星遺物に差す影』を発動!そしてモンスターを裏守備でセット!さらに『星遺物に差す影』の効果発動!手札の『クローラー・スパイン』を裏守備表示で特殊召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

遊嗣LP4000

伏せモンスター 伏せモンスター(スパイン) 差す影 伏せ1 手札1

 

 

『消極的…いや、父さんと同じでデッキでスタイルを変えてるのか…いくぞ!』

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『速攻魔法発動!「サイクロン」!フィールド魔法「星遺物に差す影」を破壊!』

 

「くっ…!」

吹き荒れる突風がフィールド魔法を破壊する!

 

 

『いくぞ!俺は手札から「浮上するビッグ・ジョーズ」を特殊召喚!このモンスターは自分が魔法カードを発動したターンに特殊召喚できる!』

巨大な口を持つ鮫が浮上する! ATK1800

 

 

『さらに「浮上するビッグ・ジョーズ」の効果発動!1ターンに1度、このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時!デッキから魚族の「シャーク」モンスター1体を手札に加える!俺は「カッター・シャーク」を手札に加え、召喚!』

深海に潜むヒレにカッターを持つ鮫が現れる! ATK1600

 

『俺はレベル4の「浮上するビッグジョーズ」を選択して「カッターシャーク」の効果発動!選択したモンスターとはカード名の違う、同じレベルの魚族モンスターをデッキから守備表示で特殊召喚できる!俺は「アーマード・シャーク」を特殊召喚!』

赤い鎧を纏う鮫が現れる! DEF2000

 

 

『そして!「浮上するビッグジョーズ」は水属性モンスターのエクシーズ召喚に使用する時、レベル3か5として扱う事ができる!俺はレベル3扱いの「浮上するビッグジョーズ」と「アーマードシャーク」でオーバーレイ!!』

2体の鮫が光の銀河へと飛び込む!

 

ビッグジョーズ ☆4→3

 

 

『2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!現れろ、ランク3!「エクシーズ・アーマー・トルピード」!!』

光の銀河が爆発…そして光の中から『潜行母艦エアロ・シャーク』をモチーフとしたヒロイックな戦士が現れる! ATK2500

 

 

「っ…いきなりかぁ…」

 

『まだまだいくぞ!「トルピード」の効果発動!ORUを2つ使い、1ドロー!そして俺は「トルピード」1体を素材にオーバーレイネットワークを再構築…ランクアップ・エクシーズチェンジ!!』

戦士が銀河へと飛び込み、新たな姿へと生まれ変わる!

 

 

『現れろ!ランク5!「エクシーズ・アーマー・フォートレス」!!』

光の爆発と共に『シャーク・フォートレス』をモチーフとした迷彩装甲の戦士が現れる! ATK2500

 

 

『「エクシーズアーマー・フォートレス」は自分のランク3・4のエクシーズモンスターに重ねる事でエクシーズ召喚できる…そして効果発動!ORUを全て使い、その数だけデッキから「アーマード・エクシーズ」カードを手札に加える!俺は「フル・アーマード・エクシーズ」を手札に加える!さらに!俺は魔法カード「アーマード・エクシーズ」を発動!!このカードは自分の墓地のエクシーズモンスター1体を装備魔法カードとして自分フィールドのモンスターに装備する!俺は「エクシーズアーマー・トルピード」を「エクシーズアーマー・フォートレス」に装備!!それにより装備モンスターの属性と攻撃力は「トルピード」と同じになる!』

迷彩柄の戦士の両腕にオレンジ色の鮫型ミサイルが取り付けられる!

 

フォートレス ATK2500→2500

 

 

『さらに!装備カードとなった「トルピード」は装備モンスターに2つの効果を付与する…1つは装備モンスターがバトルする時、相手のカード効果の発動と相手の表側表示のモンスターの効果をダメージステップ終了時まで封じる効果、2つ目は装備されたモンスターがエクシーズモンスターの時、相手の効果の対象にならない効果だ!!』

 

「っ…!!その瞬間、永続罠発動!『星遺物の傀儡』!その効果でセットされていた『クローラー・グリア』を表側守備表示に変更!!」

遊嗣のフィールドに単眼を輝かせるアブラムシのような機怪蟲が現れる! DEF1500

 

 

「『グリア』のリバース効果発動!手札の『クローラー・レセプター』を裏守備で特殊召喚!!」

 

『なるほど、母さんのデッキに似たリバースモンスターのデッキか…まぁ、やる事は変わらねぇ!バトルだ!「フォートレス」でセットモンスターを攻撃!』

迷彩柄の戦士がロケット砲を放ち、遊嗣のセットモンスターを爆殺する!

 

 

「くっ…『クローラー・スパイン』が…!」

 

《『エクシーズアーマー・フォートレス』に装備された『トルピード』の効果で効果は不発だ…!》

 

『まだだ!「カッターシャーク」で「クローラー・グリア」を攻撃!』

 

「くっ…!」

さらに鋭利なヒレを持つ鮫がアブラムシを切り裂き、破壊する!

 

 

『俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!』

 

凌牙LP4000

フォートレス(トルピード) カッターシャーク 伏せ2 手札3

 

 

 

「うう…流石、凌牙兄…強い…!」

 

《すごいね…まったく隙がないし、余力を残してる…下手をしたらワンキルされてたんじゃないかな…?》

 

『ハッ…1ターンで終わらせたら()()の意味がないだろ?さぁ、掛かってこい遊嗣!!』

僅か1ターンで半壊してしまった遊嗣のフィールド…その様子を見据えながら、凌牙は遊嗣に発破をかける…!

 

 

 

 

「僕のターン、ドロー!!」

「このカードなら…!僕は『クローラー・レセプター』を反転召喚!!」

6枚の翅を持つ機怪蟲が現れる! ATK900

 

「『レセプター』のリバース効果発動!デッキから『クローラー・ソゥマ』を手札に加える…さらに!その効果にチェーンして手札の『星遺物─星鎧』の効果発動!自分のモンスターが反転召喚に成功した時、手札からこのモンスターを特殊召喚できる!って、うわわっ!?デカすぎ!?」

地響きを響かせながら…遊嗣の背後に巨大な鎧の破片が現れる! ATK2500 

 

 

『おい、自分が呼び出すモンスターの大きさぐらい把握しておけ!リアルソリッドビジョンなら家が潰れてるぞ!!』

 

「このモンスター召喚するの初めてなんだよぉ!!『星鎧』の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時!デッキから『星遺物』カード…『星遺物を継ぐもの』を手札に加える!さらに、表側表示の『星鎧』を裏守備にする事で、手札の『クローラー・ソゥマ』は特殊召喚できる!」

青き単眼を持つ、人型の機怪蟲が現れる! ATK2000

 

星鎧 ATK2500→DEF2500(裏)

 

「『ソゥマ』の効果発動!自身のレベルを2つ、または4つ下げて、その数値と同じになるように手札・デッキ・墓地から『クローラー』モンスターを裏側、または表側守備表示で特殊召喚できる!僕は『ソゥマ』のレベルを4つ下げて、デッキの『クローラー・ランヴィエ』表側守備表示で、そして『クローラー・アクソン』を裏側守備表示で特殊召喚!!」

フィールドに2体の機怪蟲が現れる! DEF900 DEF???

 

ソゥマ ☆6→2

 

 

「さらに永続罠『星遺物の傀儡』の効果発動!『クローラー・アクソン』を表側守備表示に変更し、リバース効果発動!1ターンに1度、相手の魔法・罠カード1枚を破壊できる!装備魔法の『エクシーズアーマー・トルピード』を破壊!!」

 

『はっ、やるじゃねぇか!』

放たれた光が迷彩柄の戦士の武装を撃ち抜く!

 

アクソン DEF1800

 

 

『そして、レベル2のモンスターが4体…エクシーズ、いや…!』

 

「現れろ!希望を繋ぐサーキット!」

突き上げられた遊嗣の右腕から光が放たれ、空中に魔法陣が浮かび上がる!

 

「召喚条件は『クローラー』モンスター2体!僕は『レセプター』と『アクソン』でリンクマーカーをセッティング!サーキット・コンバイン!現れろ!Link-2!『エクスクローラー・クオリアーク』!!」

無数の触手を持ち、巨大な単眼を赤く輝かせる巨大な奇怪蟲が現れる! ATK2000↙↘

 

「まだだ!再び開け!希望を繋ぐサーキット!召喚条件は昆虫族モンスター2体!僕は『ソゥマ』と『ランヴィエ』をリンクマーカーにセッティング!サーキット・コンバイン!現れろ!Link-2!『エクスクローラー・ニューロゴス』!」

細長い体と巨大な手を思わせる触手を持つ機怪蟲が現れる! ATK1900←→

 

「さらに!魔法カード『星遺物を継ぐもの』を発動!墓地の『ソゥマ』を『ニューロゴス』のリンク先に特殊召喚!」

再び人型の機怪蟲が現れる! DEF2500

 

 

「『クオリアーク』は自分フィールドの『クローラー』モンスターの数だけ効果を得る!僕のフィールドの『クローラー』は3体、よって2体以上の効果でフィールドの『クローラー』の攻守は300アップ!」

クオリアークからエネルギーを供給された機怪蟲が活性化する!

 

クオリアーク ATK2000→2300

 

ソゥマ DEF2500→2800→3100

 

ニューロゴス ATK1900→2100

 

「そして、『ニューロゴス』のリンク先のモンスターの攻守は300アップし、バトルでは破壊されない!さらに、『クローラー』のリンクモンスターが相手の効果または戦闘で破壊された時、自分の墓地の『クローラー』2体を裏守備で特殊召喚できる!!……僕はこれでターンエンド!」

 

遊嗣LP4000

クオリアーク ニューロゴス ソゥマ 星鎧(裏) 傀儡 手札0

 

 

 

『なるほどな、破壊すれば増えるモンスターを使って俺の攻撃を耐え抜いて…逆転を狙うつもりか』

 

「うん…!『クローラー』は展開力と防御力は一番高いから…!」

一目で遊嗣の狙いを見抜く凌牙…そんな兄の様子を見て遊嗣気を引き締めるが…

 

 

『たくっ…触手持ちのモンスターでやられたら増えるって…何処ぞの()()()()()を思い出しちまう…!遊嗣、慎重なのはお前の良い部分だが──プロの世界じゃ、足を引っ張る事もある!!』

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「『ランタン・シャーク』を召喚!」

全身から光を放つ鮫が現れる! ATK1500

 

「そして!『カッターシャーク』と『ランタンシャーク』はエクシーズ召喚に使用する時、レベルを3または5として扱える!俺はレベル5扱いの『ランタンシャーク』と『カッターシャーク』でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

 

73

 

 

『現れろ!「No.73」!!カオスに落ちた聖なる滴よ!その力を示し、混沌を浄化せよ!「激瀧神アビス・スプラッシュ」!!』

 

光の爆発の中から装甲に包まれた宝玉が現れ、変形…巨大な鉾を持つ海神が現れる!! ATK2400

 

 

「な、な…ナンバーズ!?!」

 

「ちょっ…!?馬鹿凌牙!!遊嗣相手に何をムキになってるのよ─!?」

 

「わー!大きい〜!!」

 

「カッコいいー!!!」

遊嗣の前に姿を現した伝説のカード…その威圧に遊嗣はたじろぎ、璃緒は青褪める…なお、甥っ子達は堂々たる海神を見て歓声を上げている…。

 

 

「(マシュから聞いた事がある…!ハートランドで起きた『ナンバーズ』関連の事件…その解決に奔走したのは少年時代の九十九遊馬さんや天城カイト博士…それに凌牙兄だったって…!)」

 

『いくぞ!「アビス・スプラッシュ」の効果発動!ORUを1つ使い!このターンのバトルフェイズの終わりまで、自身の攻撃力を2倍にする!そして俺はその効果を2回使う!!よって攻撃力は──』

 

「攻撃力、9600…」

マシュから聞いた兄達の武勇伝を思い出す遊嗣…そして、海神の三叉槍に神威が集中する!

 

アビススプラッシュ ATK2400→4800→9600

 

 

『バトルだ!「アビススプラッシュ」で「エクスクローラー・クオリアーク」を攻撃!ファイナル・フォール!!』

 

「う、うわあああああ!?!?」

放たれるのは神威の雷撃…その一撃はあっけなく機怪蟲を消し炭へと変え、遊嗣を吹き飛ばした…。

 

 

 

遊嗣LP0

 

凌牙WIN!

 

 

 

 

 

《ゆ、遊嗣?大丈夫かい…?》

 

「きゅ〜……(⁠@⁠_⁠@⁠)」

呆気なく決着した兄弟のデュエル…あまりの威力に遊嗣は目を回してしまっている…。

 

 

『遊嗣、確かにお前ぐらい慎重なら相手の罠や動きに気付いてすぐに対応できる…だけどな、対処できないような()()()な相手と戦う時だってある…そんな時には一歩踏み出す大胆さだって必要なんだぜ?』

 

「凌牙兄…」

目を回した遊嗣の近くにしゃがみ込んだ凌牙は遊嗣の()()を指摘する。

 

 

『負けるってのは恥ずかしい事じゃねえ…遊馬だって、最初は連戦連敗だった…けどな、そんな状態からアイツは「決闘王」になるまで成長したんだ……お前にだってそれぐらいのポテンシャルはある…だから、頑張れよ?遊嗣』

 

「凌牙兄…うん…!」

不器用に…しかし、優しく遊嗣を諭す凌牙…そんな兄の言葉に遊嗣は頷いた…。

 

 

 

「凌牙!!特訓って言ってもナンバーズを使う事はないでしょ!?何を考えてるの!?」

 

『げっ…だから、お前は過保護過ぎなんだって!俺は遊嗣の成長の為にだな…』

 

「遊嗣はまだ子供なのよ!?そこに『決闘王』の本気レベルをぶつけてどうしようって言うのよ!オタンコナス!パワハラコーチ!!」

 

『なんだと…!黙って聞いてれば…!!』

 

「ちょ、ちょっと!凌牙兄!?璃緒姉!?」

 

「わー!?ママが怒った〜!」

 

「あらあら…」

 

「あちゃー…結局こうなるのか…」

そんな時、絶対零度の怒気を纏った璃緒が遊嗣へと無茶なデュエルをした凌牙へと詰め寄る……遊嗣を厳しく育てる派の凌牙と優しく穏やかに過ごして欲しいと思う璃緒はいつも衝突してしまうのだ…。

 

なお、火花を散らす兄妹の姿を見た姪っ子達は翠達の近くに避難し、遊海は苦笑している。

 

 

 

丁度いい…200回目の喧嘩デュエルでもするか…!!

 

望む所よ!今度こそ凍らせてあげるわ!!

 

「わー!凌牙兄!璃緒姉!ストップ!ストップ!落ち着いて〜!?」

荒れ狂う海のような闘志と凍りつくような冷たい闘志が火花を散らす…その間に挟まれてしまった遊嗣は必死に2人を宥めていたが…兄姉の本気の闘志にたじたじになっていた…。

 

 

 

 

『まったく…相変わらず騒がしいな?兄妹の仲が良いのは結構だが…子供達の目も考えなきゃな?凌牙、璃緒』

 

『っ…アンタ…』

 

「あっ…ラプラスおじさん…?」

 

『おう、久しぶりだな遊嗣…元気にしてたか?』

そんな時、飄々とした声が凌牙と璃緒の兄妹喧嘩を中断させる…その声の主、それは白い髪に白いコートを纏い、サングラスで目元を隠した青年…屋根から飛び降りて来たラプラスだった。

 

 

 

「「ラプラスおじちゃ〜ん!」」

 

『おお、亜遊美ちゃんと鋼太君か…大きくなったなぁ…ほら、お土産のトリシューラプリンだ』

 

「わーい!ありがとう!」

 

「ラプラス、急にどうしたんだ?何かあったのか?」

 

『いや、遊馬からお前達家族が集まると聞いたから様子を見に来たのさ…可愛い()()()達の顔も見たかったからな〜?』

慣れた様子でラプラスに駆け寄ってくる姪っ子達…彼らに優しく土産を渡したラプラスは遊海の問い掛けに答える…。

 

 

『遊嗣、遊馬から聞いたぞ?中々大変なデュエルをしたらしいじゃないか?よく頑張ったな』

 

「う、うん…ありがとう…」

サングラスを掛けていても分かるほどの優しい声で遊嗣を労るラプラス…しかし、対する遊嗣の表情は固い。

 

何故かというと……

 

 

「(ラプラスおじさん…今、屋根から飛び降りてきたよね…?やっぱり、スパイとかマフィアなのかな…!?)」

 

『(あー…やっぱり、まだ警戒されてる…小さい頃は可愛く笑ってくれたんだがなぁ…仕方ないか)』

人間体に擬態しているラプラスは日本人に近い顔立ちをしている…しかし、そのコードネームじみた名前とサングラスを外さない事から遊嗣に『危ない仕事をしている人』と勘違いされ続けているのだ。

 

 

 

『そんな頑張った遊嗣に特別なお土産だ…ほら!』

 

「わぁ…綺麗…!」

そしてそんな遊嗣にラプラスは懐から取り出したお土産を手渡す…それは光の角度によって赤や青色に見える宝石で作られたネックレスだった…。

 

 

「これ、もしかしてアレキサンドライト…?こんなに大きいの、すっごく高いんじゃ…」

 

『そんな高いモンじゃない…ただ、お前があんまりトラブルに巻き込まれないように()()()()()を掛けたお守りさ』

 

「ちょっ…!?ラプラスちょっと来い!!」

 

『おっと!引っ張るなって!』

不思議な輝きを放つ石に目を輝かせる遊嗣…その時、何かに気付いた遊海は慌ててラプラスを遊嗣から引き離した。

 

 

 

「(ラプラス!何を考えてる!?あの石ってアストライトとバリアライトを錬成した()()()()()()()じゃないか!?!)」

 

『(おっ、よく気付いたな!最近になってようやく成功してな…その石にオレとエメルが力を込めたお守りさ…万が一の時には、お守りが敵に対して飛び出して、相手を吹き飛ばす呪いも掛けてあるぞ☆)』

 

「ドアホ!!なんて危ないモンを遊嗣に渡してんだ─!!」

 

『あいてっ!?ド突く事はないだろ!?』

 

「殴りたくもなるわ!!この大馬鹿!!」

 

『馬鹿とはなんだ馬鹿とは!オレだって遊嗣の事を考えてだなぁ…!』

 

「ち、ちょっと…!父さん…ラプラスおじさん…!」

ラプラスが渡したお守りの正体に気付いた遊海は思わずラプラスを殴る…しかし、ラプラスも遊嗣の身を案じる気持ちは同じ…それ故に2人はヒートアップしていき…。

 

 

 

《いい加減にせんか!()()鹿()()()!!拳骨岩!》

 

 

ドッシーン!!

 

 

「『ぎゃん!??』」

 

 

「父さーん!?」

 

「もう…なんで2人とも顔を合わせる度に喧嘩になるのかしら…」

 

「わー…」

 

「亜遊美、鋼太…あっちに行ってような〜」

 

《フォウ…(ダメだこりゃ)》

お約束のようにメガロックの特大岩による拳骨に押し潰され、呆れられる遊海とラプラスがいるのであった。

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「お邪魔しまーす!お義父さん、お義母さんお久しぶり……お義父さん!?大丈夫ですか!!?」

 

「おぉ、鉄男君…大丈夫…ちょっと、喧嘩しただけだから…」

 

「あっ!鉄男兄さん!お疲れ様です!」

 

「「パパ〜!!」」

時刻は夕暮れ時…白波家に仕事の予定を終わらせた鉄男がやって来た…のだが、巨大たんこぶを遊嗣に冷やされている遊海の姿を見てびっくりしている…。

なお、鉄男は高校生の時に成長期が訪れ…姉である鉄子に似たダンディ系の青年へと変身していた。

 

 

「パパ!パパ!すごかったの!凌牙おじちゃんと遊嗣兄ちゃんがすごいデュエルしてね!凌牙おじちゃんがすっごく強かったの!」

 

「そしたらさ!ラプラスおじさんが来たんだけど、遊海じいちゃんと喧嘩しちゃってメガロックお爺ちゃんにドカーンって拳骨されたの!」

 

「あー…なるほど…(遊海さんとラプラスさんはそういう仲だって遊馬が言ってたなぁ)」

亜遊美と鋼太の話から何があったのかを悟った鉄男は苦笑いするしかなかったのであった…。

 

 

 

「鉄男君いらっしゃい!お仕事お疲れ様!もう少しで夕食できるからね〜!」

 

「あっ、お義母さんありがとうございます!」

 

「おかえりなさい鉄男君!」

 

「ただいま璃緒さん!遅くなってすみません」

 

「ううん、大丈夫!」

 

『まったく…コッチでいちゃつくのは止めてくれよ…』

 

「ははっ…凌牙、そういうお前はどうなんだ?いい感じの人は…」

 

「…聞かないでくれよ…」

 

《フォウフォウ(凌牙もモテると思うけどなぁ…)》

白波家の面々が集まって賑やかになるリビング…そんな中で家族はみんな楽しそうに笑っていた…。

 

 

 

「───フレア、ちょっと頭を突いてくれないか?」

 

《ん?こうですか?》コツッ!!

 

「あいたっ…ああ、ありがとう」

 

《……マスター、大丈夫ですよ…これは()ではありませんから…》

 

「ああ…ちょっと幸せすぎてな……まさか、こんなに穏やかで幸せな日常が…人生が送れるなんて思ってもなかったよ」

楽しそうに笑いあう家族の姿を眺めながら、遊海は穏やかに笑う…戦い続きだった人生の中で、一番幸せな光景を記憶に焼き付けながら…。

 

 

「若じいちゃん!ご飯だよ〜!」

 

「フレアもメガロックお爺ちゃんも一緒に食べよー!」

 

「ああ、今行くよ!」

 

《はっはっ…本当に祖父になったような気持ちだなぁ…いや、立場的には…ひい爺さんか?》

 

《ふふっ…細かい事は気にしないで、ご飯を食べましょう!》

 

《フォウ!(お腹ペコペコ〜!)》

 

 

この日、白波家では夜遅くまで楽しそうな笑い声が響いていたのだった。

 

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