転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

今回は久しぶりに『彼ら』が登場…そのデュエルは遊嗣に何を伝えるのか…。


それでは、最新話をどうぞ!


久しぶりの再会〜初めての──〜

「みなさん元気そうで良かったですね!」

 

「うん、リンクヴレインズも再開の目処が立ったみたいだし…デュエル部の完全復活までもう少しだね!」

夏休み中のデュエル部の活動日が終わり、遊嗣とマシュは帰路についていた…リンクヴレインズの閉鎖から活動を自粛していたデュエル部だが、『9月の第1日曜日にリンクヴレインズが復活する』という情報を財前葵が知らせた事で、少しずつ活動を再開していたのだ…。

 

 

「リンクヴレインズの復活…楽しみですけど…少し怖いですね…」

 

「うーん…まぁ、SOLテクノロジーもセキュリティ面は強化するだろうし…ハノイの騎士みたいなハッカーが現れなければ大丈夫だよ…たぶん」

そんな中、遊嗣とマシュは少し不安そうな表情を見せる…。

 

リンクヴレインズの存亡──否、電脳世界全ての存亡を懸けた『ハノイの塔事件』…表向きには「リンクヴレインズの破壊を狙った事件」とだけ報道されていたが…ロマンを通じてその真相を知る遊嗣達は少し複雑な思いを抱いていた…。

 

 

《そこまで心配しなくても大丈夫だよ、2人とも!SOLテクノロジーの運営にKC…海馬コーポレーションも介入するらしいから!》

 

「あっ…そうなんだ!」

 

「海馬コーポレーション…!世界一の大企業がサポートしてくれるなら、大丈夫そうですね!」

しかし、それも僅かな事…SOLテクノロジー社の失態を知った海馬コーポレーションがSOLテクノロジー社の株式を買い上げ、実質の()()()になる事を()()()()()ロマンの言葉で2人は胸を撫で下ろした。

 

 

 

「まぁ、一般人の僕達にはそこまで関係もないかな……それより、マシュは夏休みの宿題の進み具合はどう?」

 

「8割くらいは終わったんですけど…古文の問題集と…ハイク?を作るというのが…」

 

「ああ…マシュには少し難しいかも…?僕も英語の問題集が……ウチで勉強会でもする?」

 

「はい!よろしくお願いします」

 

《ふふっ…青春だねぇ》

遊嗣とマシュが()()()()を結んでいた事を聞いていたロマンは嬉しそうに呟いた…。

 

 

 

 

 

「ただいまー……って、あれ?誰か来てる?」

 

「あっ、本当ですね」

マシュと帰宅した遊嗣は玄関先に見慣れない靴が揃えられているのを見つける…それは凌牙や璃緒の靴とは違うモノだった…。

 

 

 

………

 

 

 

『こっちの復興はほぼ終わったよ…洗脳チップを埋め込まれたデュエリスト達もLEOとKCの協力態勢で無事に回復中…後はメンタルケア…そこはデュエルアカデミアの天上院さんや十六夜さんの力も借りなきゃだけど…』

 

「あんまり酷い状態の患者がいるなら…俺が行って記憶操作とかヌメロン──」

 

 

「ただいまー!って…えっ、()()さんと()()()さん!?」

 

『あら…!?もしかして遊嗣くん!?わぁ〜!大きくなっちゃって!!久しぶりね〜!!』

 

『おおっ…!大きくなったなぁ…!10年振りくらいかな?』

 

話し声のしていたリビングの扉を開ける遊嗣…そこにいたのはソファに腰掛ける遊海と翠…その向かいに座っていたのは白い髪に青いジャケットを着た、左目に傷跡のある青年と赤みがかった長い髪を持つ、紺色のワンピースを着た女性……榊遊希とその()、ミエルだった。

 

2人は偶然、遊海達…新生ランサーズが解決した『G・O・D事件』の事後報告の為にDM世界を訪れていたのだ。

 

 

「おう、お帰り遊嗣!マシュちゃんも一緒か?」

 

「あ、うん!夏休みの課題の勉強会をしようと思って…」

 

「お、お邪魔してます遊海さん!翠さん!」

 

「あら!マシュちゃんいらっしゃい!」

 

『ん…!?遊海、正体を明かしてるの?』

 

「ああ、ちょっとこっちの事件に巻き込まれて…成り行きでな」

そして遊嗣の後ろからマシュがひょっこりと顔を出す…その様子から遊希は遊海が一般人であるマシュに正体を明かしている事に気付くが、遊海は穏やかに笑っていた。

 

 

 

「マシュ、紹介するよ…榊遊希さんと奥さんのミエルさん!マイアミでプロデュエリストをしてる、父さんの昔からの知り合いなんだ」

 

「そうなんですか…!マシュ・キリエライトと言います!遊嗣さんの…同級生です!」

 

『そうなのねー……うん?年頃の男の子がお家に女の子を誘うって、もしかしてー?』

 

「「いや!まだ友達ですから!!///」」

 

「「『『(もう付き合ってるよね?)』』」」

 

《フォウ!!(見事なまでにバレバレだ!?)》

 

《(公然の秘密、という感じですね)》

遊希達にマシュの事を紹介する遊嗣…しかし、元々恋愛の機微に敏いミエルは一目で遊嗣とマシュの()()に気付く…なお、遊嗣とマシュは赤面しながら必死に隠そうとしたが……大人達にはバレバレなのであった。

 

 

 

『遊海から聞いたよ…ごめんね、僕達の抱えた事件のせいで厄介な事件に巻き込まれたそうじゃないか…けど、コッチの事件も遊海がいなければどうなっていたか…』

 

「遊希さん…そういえば、父さんが解決しに行った事件ってどんな事件だったんですか?ニュースでそんな大事件は『ハノイの塔事件』以外やってませんでしたけど…?」

 

『あーそれはね……簡単に言うと、昔の事件で遊海が倒した悪者が「呪いのカード」に目を付けられてね…そいつが無関係な人達を洗脳して僕達の街に攻めて来たんだよ』

 

『その悪者を見つけて倒すのを遊海さんに手伝ってもらったの!もう、本当に大変だったんだから…ね?ダーリン!』

 

『うんうん…そしたら遊海が悪者を倒した後に慌てて飛び出して行ったからびっくりしてたんだよ…そのあとに遊嗣君も大変な事件に巻き込まれてたって聞いて驚いたんだ』

 

「……そんなだから、あの後に寝込んでたんだ…」

 

「ははは…まぁ、そういう事!いや〜『英雄』は大変って事さ!」

そして…遊希達から遊海が巻き込まれていた()()について聞いた遊嗣…その活躍を聞いた事で父が寝込む事になった理由に納得したのだった…。

 

 

 

「────そうだ!遊希、遊嗣に()()()()()()を体験させてやってくれないか?」

 

『えっ…?良いの?予定ではまだ──』

 

「ああ、遊嗣は最近、落ち込むようなデュエルばっかりしてるから…お前の()()()()()()()()で気分転換をしてやって欲しいんだ」

 

「あのデュエル…?」

そんな時、少し考え込んだ遊海が遊希へと何かを提案する…それを聞いた遊希は少し驚いた表情をしていた。

 

 

 

 

 

『えーっと…ダメージレベルを最低まで下げて…足場を──』

 

《防音・認識阻害結界…展開します!》

 

「何が始まるんですか…?」

 

『ふふーん!ダーリンの()()()()()()()()よ!』

 

「エンタメ…?」

庭に出てきた遊海達…そこで遊希はデュエルディスクの設定を調整、さらに彩華が白波家の周囲に結界を展開していく…。

 

 

 

『よし、OK!アクションフィールド「クロス・オーバー」発動!!』

 

【フィールド魔法『クロス・オーバー』!!】

 

「わ、わぁ…!?周りの景色が…!!」

 

「これは…リアルソリッドビジョン!?」

遊希のデュエルディスクからリアルソリッドビジョンで構築されたフィールドゾーンが飛び出す、それと同時に周囲の景色が塗り替わっていき…庭にいくつものアクションゲームに出てくるような足場が現れる!

 

 

 

『おっと…そうだった…!僕のデュエルディスクは特別でね、屋外でもリアルソリッドビジョンを投影できるんだ』

 

「その通り!そして…遊希はプロデュエリストだが、()()のプロデュエリストじゃない…アクションデュエル、というデュエル形式を得意にしてるんだ…まだ、世界的には流行ってないけどな?」

 

「アクション、デュエル??」

 

「聞いた事があります!『覇王龍の乱』の前後に考案されたデュエル方式で…リアルソリッドビジョンを利用してモンスターと共にフィールドを駆け回る、アスレチックのようなデュエルが考えられていたそうです!」

 

「アスレチックのデュエル…!面白そう!!」

遊海とマシュの説明を聞いた遊嗣は目を輝かせる…デュエル中に動き回る、それはリンクヴレインズでの『スピードデュエル』にも通じる戦い方だったからだ…。

 

 

『まぁ、習うより慣れろ…デュエルの中で楽しんでくれたら嬉しいな!ミエル!()()よろしく!』

 

『はいな!』

 

「口上?」

ミエルに優しく声を掛ける遊希…遊嗣にとって初体験のデュエルが始まる!!

 

 

 

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』

 

 

『モンスターと共に地を駆け、宙を舞い!』

 

 

『『フィールド内を駆け巡る!!』』

 

 

『見よ!これぞデュエルの最強進化系!!アクショーン!!』

 

 

「『デュエル!!』」

遊嗣とミエル、2人の息の合った口上と共に無数のカードが花吹雪のように散らばり、舞台の開演を告げた!

 

 

 

 

 

遊嗣LP4000

遊希LP4000

 

 

アクションデュエル フィールド魔法『クロス・オーバー』発動中

・アクションカードは手札に1枚しか加えられない。

 

 

変則ルール発動中

 

遊嗣側

・プロト・マスタールール発動中

EXモンスターゾーンを一枠使用可能

 

遊希側

・マスター・ルール発動中

EXモンスターゾーン使用不可

■■■■■■ゾーン使用可能

■■■■■■召喚時の召喚条件緩和

 

 

 

 

 

 

「カードが散らばった…?なんだか分からないけど、僕のターン!」

「僕は『伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)』を召喚!!」

赤黒い宝石のような巨大な卵が現れる! ATK0

 

「『伝説の黒石』の効果発動!このモンスターをリリースする事で、デッキからレベル7以下『レッドアイズ』モンスターを特殊召喚できる!現れろ!『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)』!!」

黒い卵に罅が入り、炎が噴き上がる…その中から伝説に謳われし『可能性の竜』が現れる! ATK2400

 

 

『「真紅眼の黒竜」…!そうか…克也が聞いたら喜ぶかな?』

 

「さらに僕は装備魔法『闇竜族の爪』をレッドアイズに装備!これによって攻撃力は600アップし、効果では破壊されなくなる!」

レッドアイズの爪が鋭い装甲に覆われる!

 

レッドアイズ ATK2400→3000

 

「僕はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊嗣LP4000

真紅眼の黒竜(闇竜族の爪) 伏せ2 手札1 

 

 

 

「レッドアイズデッキ…!今の遊嗣さんの切り札デッキです!」

 

『そうなのね!でも、ダーリンも強いわよ〜!頑張ってダーリ〜ン!!』

 

『ああ…()みたいにはいかないけど、遊勝塾仕込みのエンタメデュエル…いくよ!』

切り札を解放した遊嗣に声援を送るマシュ…それに負けじとミエルも声援を送る! 

 

 

 

『僕のターン!ドロー!』

『フィールド魔法「EMドラマチック・シアター」を発動!』

遊希の最初の一手はフィールド魔法の発動…それによって周囲がサーカスのような景色に塗り替わる!

 

『そして「EMフレンドンキー」を召喚!』

腰に☆の描かれた箱を提げた灰色のロバが現れる! ATK1600

 

『「フレンドンキー」の効果発動!自身が召喚に成功した時、手札・墓地からレベル4以下の「EM」を特殊召喚できる!僕は手札から「EMユニ」を特殊召喚!』

フレンドンキーの☆箱から額に短い角を持つ金髪の少女が現れる! DEF1500

 

 

「すごい…!マジックショーみたいです!!」

 

『そうでしょ!ダーリン達のエンタメデュエルはデュエルを1つのショーに見立てて進んでいくの!観客も相手も、自分もデュエルを楽しむ!それがダーリンのデュエルなの〜!』

遊希の華やかな演出に目を輝かせるマシュにミエルがエンタメデュエルについて解説する…『人を幸せにするデュエル』…それが遊勝塾の誇るエンタメデュエルの真髄である。

 

『そして「ユニ」の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時!手札のレベル4以下の「EM」を特殊召喚できる!来てくれ!「EMウィップ・バイパー」!』

シルクハットを被った紫色のコブラが現れる! ATK1700

 

 

「一気に3体のモンスターを…!」

 

『お楽しみはここから!今回の主役の登場だよ!このモンスターは自分の「EM」モンスター1体をリリースする事で特殊召喚できる!「ユニ」をリリースして現れろ!揺れ動く幻惑の魔術師!レベル7!「EMスライハンド・マジシャン」!』

ユニが自分の体を暗幕で隠す…そして、入れ替わるように下半身が宝石のペンデュラムのようになった奇術師が現れる! ATK2500

 

 

「いきなり攻撃力2500…!(流れが止まらない…この人、たぶん…()()()()()()()()()()()!!)」

 

『さぁ、いくよ!「スライハンドマジシャン」の効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で相手の場の表側表示のカード1枚を破壊できる!僕は手札の「EMコン」を墓地に送って装備魔法「闇竜族の爪」を破壊!』

 

「くっ…!」

奇術師の水晶玉から放たれた光がレッドアイズの爪を砕く!

 

 

『さらに「ウィップ・バイパー」の効果!1ターンに1度、お互いのメインフェイズにモンスター1体の攻撃力と守備力を入れ替える!混乱する毒!』

 

「レッドアイズ!?」

さらに、コブラが毒が吹き掛ける事でレッドアイズが弱体化する!

 

真紅眼の黒竜 ATK2000↔DEF2400

 

 

『そしてフィールド魔法「EMドラマチックシアター」の効果!僕のフィールドの「EM」達の攻撃力は自分フィールドのモンスターの種族1つにつき200アップする!今の僕のフィールドには魔法使い族・獣族・爬虫類族の3種類!よって、600アップだ!』

 

スライハンドマジシャン ATK2500→3100

 

ウィップバイパー ATK1700→2300

 

フレンドンキー ATK1600→2200

 

 

 

『さぁ、バトルといこうか!「スライハンドマジシャン」で「真紅眼の黒竜」を攻撃!!クリスタル・ジャグリング!』

 

「ここだ!罠カード発動!『聖なるバリア─ミラーフォース』!相手の攻撃表示のモンスターを全て破壊する!!」

 

『おっと─!?』

圧倒的に不利な状況を前に遊嗣はリボルバー戦での猛威が記憶に新しい『ミラーフォース』を発動…フィールドが閃光に包まれる!

 

 

「よし!!」

 

『ははっ…それはどうかな?』

 

「えっ…!?」

 

ドドン!!

 

《グアァアン!?!》

 

「なっ…!?レッドアイズ!!?ぐううっ!?」

遊希のモンスターを一掃し、頷く遊嗣…しかし、その次の瞬間…死角から飛び出してきた無数の水晶玉によってレッドアイズが吹き飛ばされてしまう!

 

スライハンドマジシャン ATK3100→2700

 

遊嗣LP4000→3300

 

 

 

「えっ…!?あれ!?『スライハンドマジシャン』は『ミラーフォース』で破壊されたはずなのに!?」

 

『ははっ、ちょっとした()()()()()()()さ!どうだい?脱出マジックみたいでしょ?』

 

「(何が起きた…!?)『フレンドンキー』と『ウィップバイパー』は破壊されてる…!効果破壊耐性?いや、『スライハンドマジシャン』はそんな効果は持ってない…!!」

遊希の横に並び立つ無傷の奇術師…その姿にマシュは驚き、遊嗣は効果確認をしながら必死に答えを考える…。

 

 

《遊嗣、今のは───》

 

「ロマン!()()()()はまだだ!…遊嗣!このデュエルは()()()()()()()()()()()…既に()()()は出してあるぞ!」

 

「父さん…!」

そんな中、ロマンが答えを伝えようとするが、遊海に制止される…そんな遊海はワクワクとした様子で笑っている…。

 

 

『あらら…やっぱり遊海は厳しいなぁ…僕はこれでターンエンド!』

 

遊希 LP4000

スライハンドマジシャン ドラマチックシアター 手札0

 

 

 

「通常のデュエルじゃない…何か特殊なルールがある……とにかく、動くしかない!」

遊海の意味深な言葉を思い返しながら、遊嗣はデッキトップに手をかける!

 

 

 

「僕のターン!ドロー!!」

「これに賭ける!魔法カード『レッドアイズ・インサイト』を発動!デッキから『|真紅眼の亜黒竜《レッドアイズ・オルタナティブ・ブラックドラゴン》』を墓地に送る事で、デッキから魔法カード『真紅眼融合(レッドアイズ・フュージョン)』を手札に加え、発動!その効果で僕はデッキの2体目の『真紅眼の黒竜』と『デーモンの召喚』を墓地に送り、融合!現れろ!『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!!」

融合の渦から大いなる悪魔の力を宿す、炎を纏うドラゴンが現れる! ATK3200

 

 

『おっと…!これは不味いかな!?』

 

「バトルだ!『悪魔竜ブラック・デーモンズ』で『スライハンドマジシャン』を攻撃!さらに、効果発動!このモンスターが攻撃する時、相手は魔法・罠・モンスター効果を発動できない!」

 

『っ…!いい攻撃だ!』

悪魔の炎が奇術師を焼き尽くす!

 

遊希LP4000→3500

 

 

「さらに『悪魔竜ブラック・デーモンズ』の効果発動!自身がバトルしたバトルフェイズ終了時、墓地の『レッドアイズ』モンスターをデッキに戻す事でその攻撃力分のダメージを与える!僕は墓地の『真紅眼の黒竜』をデッキに戻し、遊希さんに2400ダメージだ!!」

 

『流石にそれは受けたくないよね!はあっ!!』

 

「っ!?すごい!一気に足場を駆け上がって!?」

凄まじい炎を集中させる悪魔竜…その姿を見た遊希はアクションフィールドの足場をパルクールじみた動きで駆け上がり、足場にあった『A』と書かれたカードを拾い取る!

 

 

()()()()()()()()()「加速」!自分が受ける効果ダメージを0にする!』

 

「なっ…!?拾ったカードを!?」

そして遊希は拾ったアクションカードによって悪魔竜の火球を寸前で回避する!

 

 

「今のは…!?」

 

『今のがアクションデュエルの醍醐味「アクションカード」!アクションデュエル中にフィールドにばら撒かれたリアルソリッドビジョンで実体化した『アクションカード』を拾う事で任意のタイミングで発動できるんだ!さっきはアクションマジック「ミラー・バリア」を発動する事で「スライハンドマジシャン」を効果破壊から守った…というのが種明かしさ』

 

「アクションデュエル専用のお助けカード…!ライディングデュエルの『スピードスペル』みたいな感じか…いや、それよりも汎用性が高い…!」

マジックじみたプレイングの種明かしをされる遊嗣…アクションカードはアクションデュエルの明暗を左右する大事な要素なのだ。

 

 

『さぁ、どうする?』

 

「僕は…これでターンエンド!」

 

遊嗣LP3300

悪魔竜 伏せ1 手札1

 

 

 

「アクションデュエルに、アクションカード…!こんなデュエルがあったなんて…知りませんでした!」

 

『仕方ないわよ、コッチじゃまだメジャーじゃない…というより実験段階だし!そのうちにコッチでも流行りだすんじゃないかしら!』

初めてのデュエルスタイルに驚くマシュにミエルが補足する…こちらの世界でもリアルソリッドビジョンでのデュエルは行われているが…「アクションデュエル」としてはまだ展開されていないのだ。

 

 

《遊嗣、アクションデュエルは何が起きるか分からない…ボク達もアクションカードで対抗するんだ!》

 

「分かった!」

 

『さぁ、本番はこれからだ!』

 

 

 

『僕のターン!ドロー!』

『「EMハンサムライガー」を召喚!』

赤い鎧を纏う獣人戦士が現れる! ATK1800→2000

 

 

『バトルだ!「ハンサムライガー」で「悪魔竜ブラックデーモンズドラゴン」を攻撃!』

 

「攻撃力の低いモンスターで…?いや、アクションカード!?」

 

『御名答!アクションマジック「バイアタック」!「ハンサムライガー」の攻撃力をバトルフェイズの間だけ2倍にする!』

現れた火の輪をくぐり抜けたハンサムライガーの攻撃力が倍化する!

 

ハンサムライガーATK2000→4000

 

 

「させない…!これだ!!」

それを見た遊嗣も咄嗟に近くのアクションカードに手を伸ばす!

 

 

「アクションマジック『カースド・クリスタル』!自分は…600ダメージ?……えっ、ハズレカード!?アバババ!?」

 

「遊嗣さーん!?」

しかし、手にしたのはハズレカード…遊嗣は思わぬダメージを受けてしまう…。

 

遊嗣LP3300→2700

 

 

『いけ!「ハンサムライガー」!!』

 

「しまっ…!?ぐううっ…!!」

ハンサムライガーが悪魔竜を両断する!

 

遊嗣LP2700→1900

 

『僕はこれでターンエンド!』

遊希LP3500

ハンサムライガー ドラマチックシアター 手札0

 

 

 

「ふぅ…ふぅ…!まさか、デュエルでこんなに走り回るなんて…!」

 

『まだまだこんなモノじゃないよ?アクションデュエルはモンスターと「地を駆け」「宙を舞う」…デュエリストにモンスター、そしてお客さん…全ての人々を沸かせ、楽しませるものなんだ!』

 

「人々を沸かせる…楽しむデュエル…!」

汗を流しながら呼吸を整える遊嗣、そんな彼に遊希がアクションデュエルの真髄を伝える…その言葉に遊嗣は目を輝かせる…!

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「状況は僕の不利…でも、()()()()()()()()()()()デュエルなら…逆転もできるはず!魔法カード『紅玉の宝札』発動!手札のレベル7の『真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレア・ドラゴン)』を墓地に送り、2枚ドロー!!これなら…!さらに僕はデッキからレベル7の『真紅き魂(レッドアイズ・ソウル)』を墓地に送る!」

起死回生のドロー…それは逆転の一手を引き寄せる!

 

「僕は儀式魔法『レッドアイズ・トランスマイグレーション』を発動!このカードは手札・フィールドからレベルの合計が8以上になるようにモンスターを墓地に送るか、墓地の『レッドアイズ』モンスターを除外する事で儀式召喚を行う!!僕は墓地のレベル7の『真紅眼の黒竜』と同じくレベル7の『真紅き魂』を除外して…儀式召喚!現れろ!『ロード・オブ・ザ・レッド』!!」

 

『おぉっ!?』

遊嗣の逆転の一手、それは儀式魔法…カードから飛び出した灼熱の炎がフィールドを覆い尽くし…その炎が晴れた時、フィールドには黒き竜の鎧を纏った遊嗣が立っていた! ATK2400

 

 

 

「わ、わぁ…!!!遊嗣さんカッコいいです─!!」

 

「───えっ!?!!父さん!?こんな感じになるの!?知らなかったんだけど!?」

 

「───ふっ─ははははは!カッコいいじゃないか遊嗣!アクションデュエルに対する()()()()()()()!中々の機転だ!」

 

『身に纏うタイプのモンスター…遊海と遊嗣は()()だね!本当にそっくりだよ!』

…が、しかし…予想だにしない状況に遊嗣はあたふたと取り乱す…そんな遊嗣のカッコいい姿を見たマシュは興奮し、遊海も楽しげに笑っている。

 

 

「ほら遊嗣!恥ずかしがってないでデュエルに集中!」

 

「母さぁん……ああ、もうヤケクソだぁ!!僕自身で『ハンサムライガー』を攻撃!とりゃああ!!」

 

《絶妙に腰が入ってないなぁ…》

顔を真っ赤にしながら…遊嗣がハンサムライガーへと殴りかかる!

 

 

『そう簡単にはいかないよ!アクションマジック「回避」!その攻撃を無効にする!』

 

「今だ!『ロード・オブ・ザ・レッド』の効果発動!!1ターンに1度、自分か相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時!フィールド上のモンスター1体を破壊できる!せりゃあ!!」

 

『なんだって!?』

アクションマジックによって空振る遊嗣の拳…しかし、その勢いのままに遊嗣は体を半回転させ…黒竜の尾がハンサムライガーを吹っ飛ばした!

 

 

『くっ…やるね!』

 

「まだだ!アクションマジック『ワンダー・チャンス』!その効果で『ロード・オブ・ザ・レッド』はもう一度攻撃できる!さらに、『ロード・オブ・ザ・レッド』のもう1つの効果!1ターンに1度、自分または相手が魔法・罠・モンスター効果を発動した時!フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する!うおおおっ!!」

 

『なにっ!?』

黒竜の鎧から噴き出した炎がフィールド魔法を燃やし尽くす!

 

「遊希さんにダイレクトアタック!チェスト──!!」

 

『っ…くうううっ!!?』

そして燃え盛る炎を纏った拳が遊希に迫るが…遊希は腕を交差させ、デュエルディスクを()に攻撃を受け止め、地面に轍を作る!

 

遊希LP3500→1100

 

『うおおっ…ビリビリきたぁ…!!』

 

「痛たた…手首が……僕はこれでターンエンド!」

慣れない殴り方に手首を振りながら遊嗣はターンを終えた…。

 

遊嗣LP1900

ロード・オブ・ザ・レッド 伏せ1 手札0

 

 

 

 

「すごい…!遊希さんと遊嗣さん…2人がお互いに力を引き出しあって…!」

 

『そうそう!これがアクションデュエル…そしてエンタメデュエルの醍醐味なんだから!どう?()()に惚れ直しちゃうでしょう?』 

 

「はい!!────あっ…///」

 

「青春だな〜」

 

「青春ですね〜」

 

《フォウフォウ〜(青春だよね〜)》

ぶつかりあう2人のアクションデュエル…そんな中、遊嗣の活躍に油断したマシュはミエルの誘導に見事に引っかかり、赤面する…そんな様子を遊海達は微笑ましく見守っているのであった…。

 

 

 

『見事に逆転されちゃったな…でも、デュエルは最後まで何が起きるか分からない!ライフがある限り、デュエリストは戦える!いくよ、遊嗣!』

 

「はい!!」

遊嗣の思わぬ強さに喜びながら…遊希はデッキトップに手をかける!

 

 

『僕のターン!ドロー!』

『きた!魔法カード「死者蘇生」発動!蘇れ!「スライハンド・マジシャン」!!』

遊希の場に奇術師が復活する! ATK2500

 

 

「このタイミングで『死者蘇生』を…!なんてドロー運だ…!」

 

『さぁ、いくよ!僕はアクションマジック「奇跡」を墓地に送って「スライハンドマジシャン」の効果発動!「ロード・オブ・ザ・レッド」を破壊!』

 

「させない!アクションマジック『ミラー・バリア』!その破壊を無効にする!そして『ロード・オブ・ザ・レッド』の効果発動!『スライハンド・マジシャン』を破壊!」

 

『なんの!!アクションマジック「アンコール」!僕の墓地のアクションマジック「ミラー・バリア」の効果を発動!破壊は無効だ!』

それは凄まじいアクションカードの応酬…地を蹴り、宙を舞い…2人のデュエリストは最善を尽くす!

 

 

 

『バトルだ!「スライハンドマジシャン」で「ロード・オブ・ザ・レッド」を攻撃!』

 

「まだだ!アクションマジック『パワー・クリスタル』!『ロード・オブ・ザ・レッド』の攻撃力を800アップ!」

 

『そこだ!アクションマジック「ハイダイブ」!「スライハンドマジシャン」の攻撃力は1000アップする!必殺・ペンデュラム落とし!!』

 

「なっ…!?うわあああ!?」

遊希の攻撃を受け止めようと拳を振るう遊嗣…しかし、その腕は奇術師の足元に現れたトランポリンによって空振り、カウンターのライダーキックで遊嗣は鎧を砕かれながらふっ飛ばされた!

 

ロード・オブ・ザ・レッド ATK2400→3000

 

スライハンドマジシャン ATK2500→3500

 

遊嗣LP1900→1400

 

 

『僕はこれでターンエンド!』

 

遊希LP1100

スライハンドマジシャン 手札0

 

 

 

「イタタタ…!押し負けた…!」

 

『惜しかったね、遊嗣!さぁ…きみのターンだ!』

 

「(状況はほぼ互角…でも、これで対抗できる手段がなければ…僕の負けだ…!)」

体に付いた砂埃を払いながら立ち上がる遊嗣…次のドローに全てが懸かっている…!

 

 

「っ…遊嗣さん…負けないで!頑張って遊嗣さん─!!」

 

「マシュ…──うん、これが…僕のラストターンだ!!」

その時、マシュの声援が遊嗣の背中を押す…その応援は遊嗣の胸に光を灯す!

 

 

 

「僕のターン──ドロー!!」

 

──一歩踏み出す大胆さだって必要なんだぜ?──

 

『凌牙兄…やってみる!!僕は魔法カード「死者蘇生」を発動!蘇れ!「真紅眼の黒竜」!!』

凌牙の教えを思い出した遊嗣のフィールドに再び黒き竜が現れる! ATK2400

 

 

『「死者蘇生」でレッドアイズを…?墓地の「悪魔竜ブラック・デーモンズ」や「ロード・オブ・ザ・レッド」を蘇生すれば『スライハンド・マジシャン』に勝てるのに…?』

 

「さらに僕は永続罠『真紅眼の鎧旋(リターン・オブ・レッドアイズ)』を発動!このカードは自分フィールドに『レッドアイズ』モンスターが存在する時、墓地から通常モンスターを特殊召喚できる!僕は墓地で通常モンスターとして扱うデュアルモンスター『真紅眼の黒炎竜』を特殊召喚!!」

その身に紅蓮の炎を纏うレッドアイズが現れる! ATK2400

 

 

「そして僕はレベル7の『真紅眼の黒竜』と『真紅眼の黒炎竜』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!現れろ!ランク7!『真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタル・ドラゴン)』!!」

銀河の爆発と共にフィールドを炎が支配する…そして鋼の身体を得た黒き竜が現れる! ATK2800

 

 

「遊嗣さん…すごい…!1回のデュエルの中で融合・儀式・エクシーズ…3つの召喚法を…!」

 

「バトルだ!『鋼炎竜』で『スライハンドマジシャン』を攻撃!!」

 

『そう簡単にはいかないよ!!アクションマジック「奇跡」!このバトルでは「スライハンドマジシャン」は破壊されず、僕が受けるバトルダメージは半分になる!』

 

「そこだ!『鋼炎竜』の効果発動!相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に500ダメージを与える!」

 

『なにっ!?ぐううっ!?』

「奇跡」によってダメージを軽減する遊希…しかし、その直後に放たれた火球がライフを削り取る!

 

遊希LP1100→700→200

 

 

『あ、危ない危ない…!ライフがギリギリだ…!(しまった…!墓地の『ユニ』と『コン』の効果が封じられた…!この局面を乗り切るには──)』

 

「今だ!アクションマジック『アンコール』!このカードは自分の墓地のアクションカードの効果を発動できる!僕が発動するのは──アクションマジック『ワンダー・チャンス』!!」

 

『し、しまった!!』

それは決着の一手…アクションカードで凌ぐにはライフが足りず、モンスターで耐えるには攻撃力が足りない──

 

 

 

『──ふぅ…お見事!!』

遊嗣の見事なプレイングを称えながら、遊希のライフは0となった…。

 

 

 

遊希LP0

 

遊嗣WIN!

 

 

 

 

 

「か…勝てた…!つ、疲れたぁ…!!」

 

『ああ、見事な勝利だったよ遊嗣!とっても楽しいアクションデュエルだった!』

 

「はい!僕もです!」

デュエルが決着し、へたり込む遊嗣…そんな彼に遊希が労いの言葉をかける…そんな2人はやりきった嬉しそうな笑顔で笑っていた。

 

 

 

「まさか遊希に勝つとはなぁ…俺が思ってた以上に遊嗣は成長したって事か…」

 

「そうですね!見応えのあるデュエルでした!」

 

《フォウ!フォーウ!(久しぶりのアクションデュエル楽しかった!)》

 

 

『ダーリン!大丈夫?…ちゃんと()()で戦えば良かったのに…』

 

『ううん、ちゃんと僕は本気で戦ったんだよ?今回は遊嗣の粘り勝ちさ!』

 

『もう…!相変わらずダーリンは謙虚なんだから…そんな所もだーい好き!』

 

『ははっ、ありがとうミエル…僕もそんなミエルが大好きだよ』

 

 

「遊嗣さん!すごい汗…!すぐにお水もらってきますね!」

 

「ありがとうマシュ…これ、勉強会どころじゃなくなっちゃったなぁ…」

 

《あはは…まぁ、仕方ないね!》

息子の成長を喜ぶ遊海夫妻…人目を憚らずに惚気る遊希夫妻…そして、激しいデュエルを乗り越えた遊嗣を労うマシュ…そんな彼らの楽しいやり取りが青空へと吸い込まれていった…。

 

 

 

 

 

「(しかしまぁ…我が息子ながら…本当にマシュちゃんと付き合い始めてたとは……()()に行った方がいいかな…?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ねぇ、ダーリン?大丈夫?()()()、拗ねてない?』

 

『うん、大丈夫…また今度のデュエルで活躍してもらうよ…なっ?()()()()()

 

《クルルルッ…》

夕暮れ時、白波家を後にした遊希達は帰路についていた…そして、そんな彼らの背後では赤と青の瞳が穏やかに揺らめいていた。

 

 

『さぁ、帰ろうか!海馬社長にも報告しないといけないからね』

 

『うん!早く帰りましょ!ダーリン!』

 

 

【【魔法カード『ディメンション・ムーバー・ネオ』発動!】】

 

 

キィン!

 

 

そして、彼らは一瞬の光と共に自分達の世界へと帰っていった…。

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