転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

少しずつ迫る新たな戦いの始まり…遊海は最善を目指す為、最後の布石を打つ…。

それでは、最新話をどうぞ!


3章 イグニス動乱〜新たなる脅威〜
プロローグ─英雄の油断─


「『デュエル!!』」

 

??? LP4000

??? LP4000

 

 

 

…………………

 

 

 

 

「ほう…1ターン目からずいぶんと並べたな?()()()()

 

『我が社の命運が懸かっているのです、手を抜く事などできませんわ…()()()()()()

 

SOLテクノロジー社のデュエルスペース…そこでは2人のデュエリストが対峙していた。

1人はSOLテクノロジー社の現最高幹部、特徴的な緑と青色の髪の妙齢の女性・クイーン

 

そして、もう1人…それは「青眼の白龍」を模した仮面で素顔を隠し、シルバーのコートを翻した男…海馬コーポレーションからSOLテクノロジー社に対する全権限を任せられたデュエルヒーロー、カイバーマンだった。

 

 

 

クイーン LP4000

魅惑の女王Lv.7 魅惑の女王Lv.7 魅惑の女王Lv.5 魅惑の女王Lv.3  魅惑の宮殿 魅惑の舞  手札0

 

カイバーマン LP4000 手札5

 

 

 

『現れなさい!力を導くサーキット!召喚条件は魔法使い族モンスター3体!私は「魅惑の女王(アリュール・クイーン)Lv.7」「Lv.5」「Lv.3」をリンクマーカーにセット!リンク召喚!!現れなさい!Link-3!「黄金の魅惑の女王(ゴールデン・アリュール・クイーン)」!!』

3体の「魅惑の女王」の力が束ねられ…黄金のドレスを纏う女王が現れる! ATK2500→3000 ←↓→

 

 

『フィールド魔法「魅惑の宮殿(アリュール・パレス)」の効果によって「魅惑の女王」モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする!さらに「黄金の魅惑の女王」の効果!このモンスターの攻撃力はリンク先の「魅惑の女王」の攻撃力分アップする!私のフィールドには攻撃力2000となった2体目の「魅惑の女王Lv.7」がいる…よって攻撃力は5000となるわ!!』

 

「ほう…」

 

黄金の魅惑の女王 ATK3000→5000

 

 

『さらに!フィールド魔法である「魅惑の宮殿」が存在する限り、「魅惑の女王」が攻撃・効果の対象となった時!そのターンには戦闘・効果では破壊されなくなり、相手フィールドのモンスター1体を破壊できる!』

 

「フン…そして、永続魔法『魅惑の舞(アリュール・ダンス)』の効果によって俺は攻撃力が最も高い『黄金の魅惑の女王』へと攻撃を強制される、という事か…悪くないコンボだ」

 

『私はこれでターンエンド!』

 

クイーンLP4000

黄金の魅惑の女王 魅惑の女王Lv.7 魅惑の宮殿 魅惑の舞

手札1

 

 

 

「だが、俺を舐め過ぎだぞ?…()からの頼みだ、()()()()()()()!」

 

 

 

「オレのターン!ドロー!!」

「オレは魔法カード『マジックカード「クロス・ソウル」』を発動!その効果により、オレはアドバンス召喚を行う!そして…その際、相手フィールドのモンスターをリリースする事ができる!オレはクイーンのフィールドの『黄金の魅惑の女王』と『魅惑の女王Lv.7』をリリース!!」

 

『な、なんですって!?』

2体の女王が光の粒子となって消え去る!

 

 

「現れるがいい…伝説の決闘者の魂!『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』!!」

そして…咆哮を轟かせながら、伝説の白き龍が光臨する! ATK3000

 

 

『ば、馬鹿な!?ブルーアイズ、ですって!?まさか…都市伝説の「カイバーマンは海馬瀬人の記憶をコピーしたアンドロイドだった」というのは事実だというの!?』

 

「ふはははは!!何を今更…そんなモノは既に公然の秘密というモノよ!()()を名乗るにしては胆力が足りていないぞ、クイーン!!」

伝説のドラゴンを前に取り乱すクイーン…その醜態をカイバーマン…否、デュエルロイド瀬人は笑い飛ばす!

 

 

「『マジックカード「クロス・ソウル」』が墓地に送られた時、相手はこのカードの効果を発動できるが…貴様の手札は0枚、故に効果が不発となる…そして…このカードの効果でアドバンス召喚したモンスターはこのターンのリリースが封じられる──しかし、これは関係ない!魔法カード『融合』!!俺はフィールドの『青眼の白龍』と手札の2体の『青眼の白龍』を融合!!現れるがいい!『青眼の究極竜』(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)!!」

3体の白龍が融合…そして『強靭・無敵・最強』たる3つの首を持つ究極のドラゴンが現れる! ATK4500

 

 

『あ、ああ…!?』

 

「バトルだ!愚かなる女王(クイーン)に身の程を知らしめよ!『青眼の究極竜』でダイレクトアタック!!アルティメット・バァァァストォォッ!!」

 

『きゃああああ!!?』

それは万物を吹き飛ばす破壊の奔流…クイーンは呆気なく吹き飛ばされた…。

 

 

クイーン LP0

 

カイバーマン WIN!

 

 

 

 

 

「では…()()の通り、SOLテクノロジー社にはこちらの出す全ての条件を飲んで貰うぞ」

 

『くうっ…!』

デュエルフィールドにへたり込むクイーンへと瀬人が冷たい目を向ける…『SOLテクノロジー社が海馬コーポレーションの子会社になるにあたり、デュエルの勝者が有利な条件を提示できる』という約束の下でクイーンと瀬人はデュエルを行なっていたのだ。

 

 

「フッ…そう不安な目をするな、貴様のクビを飛ばす…などという非情な条件は出さぬ……無論、他のSOLテクノロジー社の社員もだ…この会社はDEN Cityの重要なネットインフラ…下手な事はせん、ひとまずは3つだけだ」

不安そうな表情のクイーンへと静かに声をかけた瀬人は条件を提示する。

 

 

「1つ、再開予定のリンクヴレインズ…そこにおけるマスターデュエルのルールである『リンクヴレインズ・エキスパート・ルール』を改正、現実世界で9月から公式ルールとなる『新マスター・ルール』を新ルールとして適用する事…なお、正式解放されるスピードデュエルにおける『スピードデュエル・ルール』は据え置きとする」

1つはリンクヴレインズのルール調整…それは電脳世界で動く事になる遊海へのアシストになる。

 

 

「2つ、再開予定のリンクヴレインズにおいて…アカウント名『Playmaker』への()()()()を取り下げる事…そして3つ、SOLテクノロジー社は──電脳生命体『イグニス』への干渉・捕獲を禁ずる、そして接触があった場合は直ちに海馬コーポレーションへと報告する事とする」

 

『なっ…!?そんな無茶が通るとでも!?』

 

「敗者は勝者に従う…そう取り決めたはずだな、クイーン」

 

『くっ…!?』

そして、続く条件を聞いたクイーンは顔色を変える…それはイグニスへの干渉を禁ずるというSOLテクノロジーにとって受け入れられない条件だったからだ。

 

 

『しかし!イグニスはそもそもSOLテクノロジー社が開発したAI!それを取り戻そうとして何が悪いのです!!』

 

「詭弁を…お前達はあくまでも出資者、開発者は逮捕された鴻上聖博士だろう?…そして、その博士は非人道的…さらに言えば犯罪を犯しながらイグニスを作り上げたと調べはついている!貴様らは犯罪者の()()()()で利益を得ようというのか?恥を知るがいい!!」

 

『ひっ…!!』

瀬人によって正論を叩きつけられたクイーンは身を竦ませる。

 

 

「雲隠れしているというイグニスやサイバース世界などというモノを探す暇があるのなら、自社の技術力を上げる事を考えるがいい!愚か者!!」

 

『っ…承知、しましたわ…』

瀬人の言葉を聞いたクイーンはガックリと項垂れながら条件を承諾した…。

 

 

「話は以上だ…細かい条件は追って知らせる、さらばだ」

そして瀬人はシルバーのコートを翻して去っていった…。

 

 

 

 

 

『それでも、イグニスが…データマテリアルがなければ…!』

しかし…クイーンの瞳には野心の炎がチラついていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「釘は刺しておいたぞ遊海、だが…」

 

「ああ、まぁ…確実に()()はしてくるだろうな…賞金稼ぎを雇うとか…まぁ、それは俺の方でなんとかするよ…ありがとう瀬人」

 

「それよりも、お前の方の()()は大丈夫なのか?」

 

「ああ…あとはイグニス達を保護すれば良いだけさ…彼らも人間に振り回された被害者だからな…」

 

「ふっ…相変わらず甘いな、お前は」

そして…英雄達は既にイグニス達を()()為の方法を用意していた…。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「ごめんね遊海さん、ユウ君…せっかくの休みの日なのに…」

 

「気にしないで母さん!僕は別に気にしてないし」

 

「楽しんできなよ!せっかくの()()()なんだから」

 

「2人とも…ありがとう〜!」

夏休みも終わり、月が変わった9月の第一日曜日…閉鎖されていた()()()()()()()()()()()()…遊海と遊嗣はおめかしをした翠を見送る為に玄関にいた。

この日、翠は杏子や舞達…ARC次元の女性決闘者メンバーから女子会に誘われていたのだ。

 

 

「夕方には帰って来るから、何かあったら連絡してね?」

 

「心配しなくても大丈夫さ…彩華、頼んだぞ?」

 

《はい!安全航行で送り届けます!》

 

「よろしくね彩華ちゃん!いってきまーす!」

 

「「いってらっしゃーい!」」

 

《フォウフォウ〜!(気をつけてね〜!)》

親子2人とフォウに見送られて翠はルンルンと出かけていった…。

 

 

 

「遊嗣、良かったのか?マシュちゃんとリンクヴレインズに行くんだろ?」

 

「うん、だけど昼間は用事があるらしくてさ、約束は夕方からなんだ!」

 

「そういう事か…なら、安心だな」

リビングでのんびりとした時間を過ごす遊海と遊嗣…特にヴレインズガチ勢という訳でもない遊嗣はマシュに合わせてログインしようと考えていたのだ。

 

 

「なら、今日のお昼ご飯はファミレスにしようか!なに頼んでもいいぞ?」

 

「やった!ありがとう父さん!」

 

《フォ〜ウ…(まったく、遊海は遊嗣に甘いんだから…お土産ヨロシク〜!)》

 

 

 

 

 

「(よし、上手く遊嗣を連れ出せた…これで事件に巻き込まないで済む…)」

遊嗣と一緒にDenCityの街中を歩いていた遊海は楽しそうな様子の息子の表情を見ながらほっとした様子を見せる…。

 

「(たしか、ボーマンダ?ボマーン?そいつが現れたのはリンクヴレインズの再開初日だった…連れ出しておけば遊嗣は巻き込まれないはず……まぁ、遊嗣が遊作の力になりたいと言い出したら…その時に考えよう)」

うろ覚えの『VRAINS』の物語の記憶…その中から2()()()()()()の記憶を思い返した遊海は遊嗣を巻き込まない為に連れ出したのだ。

 

 

 

「(しかし…ボーマン?の目的はなんなんだ?サイバース世界はAiが帰った時には破壊されてたらしいし…ハノイの騎士の新たな仲間なのか?いや、それなら草薙仁に手を出す理由は無いし…わからない事だらけで何から手を出したら良いのやら……とりあえず、SOLテクノロジーより早くイグニス達を保護して、ボーマンを倒して──)」

待ち受ける戦いを前に考えを巡らせる遊海…そんな時だった。

 

 

 

「───あれ?マシュ?」

 

「あっ…!遊嗣さん!」

 

『おや、久しぶりだね遊嗣君』

 

「ん…?マシュちゃんと…彼女のお父さんか?」

遊嗣が見知った顔を見つけて声をかける…それは私服のマシュと彼女の父・ランスローだった。

 

 

「父さん!マシュのお父さんでプロデュエリストのランスローさん!」

 

「こんにちはランスローさん、遊嗣の父の遊海と言います!息子がいつも娘さんにお世話になっているみたいで…」

 

『───いやいや!世話になっているのは娘の方ですよ…日本での不慣れな生活の中で遊嗣君には助けられてばかりです、ありがとうMr.白波』

丁寧な挨拶を交わす遊海とランスロー…その横では…

 

 

「マシュ、何処かにお出かけ?」

 

「はい!今日はお父さんとランチに行く約束だったんです!と言っても、近くのファミレスなんですけど…」

 

「そうなんだ!僕も珍しく父さんと2人でファミレスに行くところだったんだ!」

 

「そうなんですか!?」

 

《(この2人…本当に赤い糸で結ばれてない?)》

偶然にも同じ店へと向かっていた遊嗣とマシュ…そんな様子を見ながらデュエルディスクの中のロマンもびっくりしている。

 

 

「それなら丁度良かった…いつも息子がお世話になってるお礼をさせてください!ご馳走しますよ!」

 

『!!それは……いえ、お言葉に甘えさせてもらいますMr.白波』

そんなこんなで期せずして遊海達は食事を共にする事になったのだった。

 

 

 

………

 

 

 

「父さん!ドリンクバーどうする?」

 

「ん…じゃあ野菜ジュースで頼む」

 

「お父さんは?」

 

『私は…コーヒーにしよう、ブラックで頼むよ』

 

「はい!いきましょう遊嗣さん!」

 

「うん!」

タブレットでの注文を終え、飲み物を取りに行く遊嗣とマシュ…その背中を見送った2人の父親が向かいあう…。

 

 

 

『───まさか、都市伝説の「赤帽子の決闘王」にお会いできる日が来るとは…私の運も捨てたモノではないな』

 

「おや…娘さんから聞いたのかな?」

 

『いいえ、実は…私の曾祖父が貴方と写真を取ってもらった事があったんですよ、チーズ転がし祭りの時に……』

 

「ああ…そういう事か、そりゃバレるはずだ」

ランスローは一目で遊海の正体に気がついていた…彼の先祖がかつて、イギリスのチーズ転がし祭りに参加した遊海と写真を撮っており、その姿を記憶に焼き付けていたのだ…。

 

 

 

『しかし、本当に幸運なのは娘の方か…()()()()()が自分の一番好きな伝説のデュエリストの息子とは…これ以上に幸せな事はないだろう』

 

「いやいや…幸せなのは遊嗣の方だよ、あんなに可愛い娘さんに惚れられて…俺は息子の背中を押してやりたいけど…貴方は?」

 

『私も同じです…ですが、一度は()()()させてもらおうと思っていますが…よろしいかな?』

 

「ああ、遠慮なく…きっと遊嗣はお眼鏡に適うと思うよ」

 

『ええ、結果は分かっていますが……父親としてはケジメをつけないと』

穏やかにお互いの子供達について話し合う2人の父親達……父親だからこそ分かる事もある…2人は共に嬉しそうに笑っていた。

 

 

「お父さんごめんなさい!ドリンクコーナーが混んでて…!」

 

「お待たせ〜!」

 

「ああ、ありがとう2人とも!ランスローさん、まだ気づかないフリで

 

『ええ、そうしましょう』

飲み物を手に席に戻ってくる2人を見ながら頷きあう父親達……その時だった。

 

 

ビシッ…!

 

 

「っ…父さん!!!後ろ!!」

 

「えっ、どうした遊──なっ!?」

 

【───!!】

それは突然の事だった…何かを見て叫び声を上げる遊嗣、その声で振り返った遊海が見たのは…タブレットから飛び出す()()()()()…そして──

 

 

ズブッ…!!

 

 

「ぐうっ!?」

 

「父さん!!」

 

「『白波さん!?』」

その腕は完全に虚を突かれた遊海の頭部に突き刺さり、貫通してしまった…!

 

 

「なん、だ…!この、う、で…離、せ…!!ぐううっ!?」

 

《ユウミ!!》

 

《主殿に何をする!!》

 

【───!?】

 

ガシャン!!

 

遊海の体を傷つける事なく貫通する光の腕…それを見たフレアとトフェニが実体化し、咄嗟に光の腕の根元であるタブレットを破壊する、しかし───

 

 

「っ……───」

 

 

「っ…父さん!…父さん!?父さん!!!」

 

『マシュ!アンビュランスに電話を!999!!』

 

《違うよマシュ!日本の救急車は119!!》

 

「あ、わ…!1、1、9…!」

光の腕が消えた事で脱力し、テーブルに突っ伏すように倒れ込む遊海…慌てて遊嗣が起こそうとするが…彼が意識を取り戻す事はなかった…。

 

 

 

《ユウミ!しっかりするのです!!っ…よりによって彩華のいない時に!!》

 

《主殿!!》

 

《遊海…!おのれぇぇっ!!》

 

「父さん…!!しっかりして!起きてよ!!父さん──!!!」

 

 

精霊達と遊嗣の叫びが慌ただしくなっていくファミレスの喧騒の中に消えていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




VRAINS編3章 イグニス動乱〜その名の運命〜

プロローグ─英雄の油断─
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