転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

リンクヴレインズで謎の生き物を保護した遊嗣…その猫は彼にどんな影響を与えるのか…与えないのか?


それでは、最新話をどうぞ!


妖艶なる情報屋〜情報を賭けて〜

「えっ…!?()()()()()!?」

 

《ああ…こいつ、()()()()()()()()()()()()()()()()?不霊夢も知らないよな?》

 

《うむ、水のイグニスが好きそうな見た目だが…心当たりはないな》

 

《予想が外れたか…キミは何者なんだい?()()…》

 

《…ふぉう》

 

『風のワールド』が閉じてから数日、CafeNagiのハッキングルーム…そこでロマンと遊嗣は頭を抱えていた…。

 

先日、遊嗣達がリンクヴレインズで保護した謎の電脳生物…黒毛赤目の黒いフォウくん──通称『クロ』についてAiや不霊夢の話を聞きに来た遊嗣だったが…Ai達はクロについて何も知らず、サイバース世界の電脳生物でもないらしいのだ…。

 

 

「彩姉のおかげでせっかく元気になったのになぁ…」

 

《…ふぉう》

 

「あっ…引っ込んじゃった…」

 

「気難しい性格らしいね…地元の野良猫を思い出すよ」

アヤカの治療によって元気を取り戻したクロ…しかし、その性格は気難しいらしく、遊嗣に撫でられる事を嫌ってデュエルディスクの中に引っ込んでしまう…その様子を見た尊は地元の野良猫達を思い出していた…。

 

 

 

「まぁ、正体不明の黒猫の事は一先ず置いといて…遊作、本当なのか?ボーマンがお前と同じ記憶を持ってたって…」

 

「ああ、あのデュエル中にボーマンが話した事はオレの過去の事だ…細部は違った…いや、捻じ曲げられたモノだったが…」

 

「お前の過去を知ってるって…いったいどうやって…」

 

「なんらかの方法でオレの過去を調べたらしいな…」

 

「しかも、かなり深くね…」

 

《そうだぜ!親友のオレが騙されかけたんだから…!相当厄介な相手だぜ…》

 

「僕がビットブートと戦ってる時にそんな事になってたなんて…大変だったね、遊作君…」

 

「いや…リボルバー…了見と遊海さんが、オレが自分を信じる事を後押ししてくれた…だから、問題ない」

 

「そっか…」

「風のワールド」での決戦について意見を交わす遊作達…なんらかの手段で幼少期の遊作の記憶を刷り込まれたらしいボーマン、そして…おそらく存在するであろう『黒幕』…その不気味さは遊作達に影を落としていた…。

 

 

 

「いずれにしても、『風のワールド』に続くゲートは消滅した…今は再びゲートが現れるのを待つしかないな…」

 

「……すまない、草薙さん…遊嗣……結局、何の手がかりも得られなかった…」

 

「それは仕方ないさ…お前達が無事に戻ってこられた、それだけで安心したよ」

 

「そうだよ…僕達は無事で、ボーマン達には少しでもダメージを与えられた…そう思おうよ!倒すべき相手はハッキリしてるんだから…!」

 

「草薙さん…遊嗣…そうだな…」

風のワールドへのゲートは閉じられ、ボーマン達は取り逃がした…しかし、遊作達は無事で倒すべき相手はハッキリした…その小さな一歩は確実に遊海達の救出に繋がっている…遊嗣達はそう信じて遊作を励ました…。

 

 

 

「これからも、お前達には頑張ってもらわないとな…アレを見てくれ」

 

「ん…ログインルームが…増えてる?」

 

「ああ、スペースの関係で1つしか増やせなかったが…ひとまずは尊用のログインルームを作ったんだ」

そんな時、草薙がハッキングルームの奥を示す…そこには赤と紫色の扉の小部屋…増設されたハッキングルームが完成していた…!

 

 

「えっ…!?ボクの!?いや、ボクよりも遊嗣に使ってもらう方が…!」

 

「尊君、僕は大丈夫だから気にしないで!Aiと不霊夢…イグニスを持ってるきみ達が力を発揮できた方がきっと良いよ!ボクは、そこまでデュエルが強い訳じゃないし…」

 

《遊嗣、謙遜しすぎるのはきみの悪い癖だよ?ビットブートを後攻1キルできてるんだから…》

 

「「「マジか…!?」」」

「リンクヴレインズの英雄」の1人である遊嗣を差し置いてログインルームを貰った事に驚く尊を遊嗣が説得する……なお、あまりに謙遜しすぎてロマンに突っ込まれ、遊作達は顔を見合わせて驚いている…。

 

 

 

「いや、遊作君や不霊夢からリンクマジックの事は聞いてたから…それに合わせたデッキを使って、噛み合っただけさ」

 

「ん…?合わせたデッキって…遊嗣のデッキは伝説のレッドアイズデッキじゃ…」

 

《おっと!尊や不霊夢は知らなかったな!遊嗣は状況や相手に合わせてデッキを変えて戦う、めっちゃ器用なデュエリストなんだ!》

 

「あはは…どちらかというと()()()()なんだ…自分の『魂のカード』を見つける為に、色々なデッキに手を出して……僕も『デコード・トーカー』とか『転生炎獣ヒート・ライオ』みたいな()()()()()()()()()()に出会いたいよ…」

 

「自分を象徴するカード、か…早く見つかるといいね」

遊嗣の思わぬ苦労を聞いた尊は遊嗣の抱く歯痒さに気付き、穏やかに声をかけた…。

 

 

 

 

 

 

 

「プレイメーカーが…奪われた意識データを追っている?」

 

『そうらしいわ…ボーマンという大男、アイツがプレイメーカーに近い人間の意識データを奪った…そこまでしか分からなかったわ』

 

「でも、ゲートを目指したという事は…その意識データとイグニスには関係があるのかもしれません」

 

「そうか…」

同じ頃、デンシティのとある公園…そこではゴーストガールとブルーガール…もとい、別所エマと葵が晃へと「風のワールド」で起きた一部始終を報告していた…。

 

 

『いずれにしても…SOLの上層部…いや、クイーンはプレイメーカーに対する追撃を緩めないだろう…イグニスを手に入れ、SOLテクノロジーの勢いを取り戻す為に…』

 

『ずいぶんと心配してるのね?彼には大きな借りがある…でも、今は新たなゲートが開いて…プレイメーカーが姿を見せるのを待つしかないわ』

プレイメーカーに救われた事のあるエマと晃は彼の身を案じる…SOLテクノロジーは強力な賞金稼ぎを秘密裏に雇ってまで、イグニスやプレイメーカーの身柄を押さえようとしているのだ…。

 

 

「そうだな…一度、プレイメーカーと直接会う事ができればいいのだが…」

 

『デンシティ中を探し回って?雲を掴むような話よ?』

 

「ああ…デュエルに長けていて、ハッカーとして一流の腕を持ち…ハノイについても詳しい人物…心当たりはないか?」

 

「まったくないわね…」

プレイメーカーと接触する事を望む晃…しかし、それは大都市であるデンシティではまさに『雲を掴む』ような話であった。

 

「(……白波君…)」

ただ、その時…葵は1人の同級生の事を思い出していた…。

 

 

 

 

Side葵

 

 

「あっ…おはよう!財前さん!」

 

「っ…?お、おはよう…貴方は…?」

 

「ボクはこの前転校してきた穂村尊って言うんだ!よろしくね!」

 

「そうですか…」

 

翌朝、高校に登校した葵は見慣れない青年に絡まれていた…なお、その近くには同じデュエル部に所属する藤木遊作の姿もある。

 

この二人がプレイメーカーとソウルバーナーだと知るのは…まだまだ先の未来である。

 

 

 

「あっ…財前さん、おはようございます!」

 

「おはよう!」

 

「おはよう白波君、マシュさん(最近、白波君の顔色が悪い気がする…体調が悪いのかしら…?)」

そして、続いて出会ったのはデュエル部の仲間である遊嗣とマシュ…そして、葵は遊嗣の異変に気がつき始めていた…。

 

「(彼なら、もしかして…)」

 

 

 

 

 

『えっ…!?貴女、Yu-Zの正体を知ってるの!?』

 

「ええ…彼は、私の同級生なの…」

放課後、葵はエマと合流…プレイメーカーに繋がる手がかり──Yu-Zについて話していた…。

 

 

「名前は伏せさせてもらうけど…Yu-Zは優しい人なの、デリカシーのない島君…ブレイブマックスを諌めたり、転校生の子のサポートをしたり…そんな彼がプレイメーカーに協力しているのには理由があると思う…でも……」

 

『晃から聞いてるわ…彼の父親──それはリンクヴレインズの影のヒーロー、ハノイの騎士・スペクターを一蹴した実力者…鋼の騎士…ちょっと危ないかもね…』

Yu-Z……白波遊嗣の人となりをエマに語る葵…そしてエマはその父親の情報を晃から聞き出していた。

 

 

『でも、変ね…?あれだけドンパチやってリンクヴレインズを騒がしているのに…鋼の騎士が姿を見せないなんて…まぁ、彼は気まぐれなヒーローみたいだけど…』

 

「そういえば…」

 

『まぁ、話を聞く限り…ブレイブマックスから辿るよりは可能性が高いかもね…ちょっと調べてみましょう』

 

「あの…あまり手荒な事はしないであげて…最近、少し顔色が悪いみたいなの…」

 

『わかったわ、情報提供ありがとう……もしかして、惚れてるの?』

 

「違いますから!!!」

 

『ごめんごめん!冗談よ!』

そんなこんなで…エマはYu-Zについて探りを入れてみる事にした…。

 

 

 

 

『と言っても…彼もプレイメーカーと行動を共にしてるなら、そうそう姿は見せないわよね…』

所変わってリンクヴレインズのビルの上…エマはたくさんの人々が行き交うリンクヴレインズを見つめていた…。

 

 

『彼女も引け目があるからYu-Zの本名は教えてくれなかったし…連絡した晃も「彼には慎重に接してくれ」なんて言うし……本当に兄妹揃って優しいんだから…あーあ!ふらっと姿を見せてくれないかしらね〜…』

プレイメーカー本人を探すよりは難易度が低いとはいえ、人ひとりを探し出すのは至難の技…そんな時だった。

 

 

『───あ、あら?彼って…!ふふっ…日頃の行いが良いのかしら!』

 

 

 

 

 

《…Yu-Z、単独行動は控えた方が良いと思うよ?》

 

「わかってる…でも、目立たない僕なら街の中も調べられるから…!」

同じ頃、遊嗣はロマンと共にリンクヴレインズにやってきていた…ハッカーではない自分が遊作達の役に立ち、遊海を救う為には()で稼ぐしかないと考えたのだ…。

 

 

《でも、ウィンディは慎重な性格に見えた…流石に街中にゲートが開く事はないと思うよ?もし、他のイグニスが街中に潜んでいたとしても…ボク達に見つけられるような隠れ方はしないと思うな》

 

「うっ………でも、じっとしてられないんだ…父さんは、今も苦しんでるかもしれない…だから…!」

 

《Yu-Z…》

ロマンの言葉に遊嗣は表情を曇らせる、奪われてしまった遊海の意識データを取り戻す手がかりを掴む…それは素人には()()()()()()()()だと自覚していたからだ。

しかし、それでも…遊嗣はじっとしていられなかった…。

 

 

「ロマン、サーチお願い…クロの時みたいに変わった事があったら教えて」

 

《うん…探査範囲を最大に……あっ、やばい!先に気付かれた!ちょっと引っ込むよ!?》

 

「えっ?ロマン!?」

遊嗣の頼みでリンクヴレインズを探査するロマン…その時、自分達に近付く人影に気付き、慌ててデュエルディスクに引っ込んだ!

 

 

 

『こんにちは!Yu-Z君、少しお姉さんとお話しない?』

 

「ゴーストガール…!」

そして、現れたのは…「風のワールド」で出会った「電脳トレジャーハンター」ゴーストガールだった…!

 

 

 

『ふふっ、そんなに警戒しないで?今日はプレイメーカーやソウルバーナーは一緒じゃないの?』

 

「今日は僕だけです…ゴーストガールは散歩、って訳じゃないですよね?」

 

『ええ、丁度貴方の事を探してたの!私の依頼主…財前晃がプレイメーカーとリアルで接触したい、って言い出してね?プレイメーカーに繋がる人間を探してたのよ』

 

「SOLテクノロジーの部長さんが…?(遊作君の話からすると、財前部長は信頼できる人らしい…でも、遊作君も尊君もSOLの事は敬遠してるもんな…)」

単刀直入に用件を伝えるゴーストガール…それを聞いた遊嗣は遊海と話していた青髪の青年の事を思い出していた…。

 

 

「プレイメーカーは…リアルで顔を合わせて会う事は絶対にないと思います、自分や仲間をSOLやボーマン…『敵』から守る為に」

 

『まぁ、そうよね…でも、私達もイグニスに繋がる情報が欲しいの……意味は分かるわね?』

 

「……僕がデュエルで勝ったら、ここは手を引いてください」

遊作達を守る為、遊嗣はデュエルディスクを構える…!

 

 

『ふふっ…物分かりが良くて助かるわ!私が勝ったら、プレイメーカーに口を利いてね?』

 

「……えっ?そんな事で良いんですか…?」

 

『ええ、晃から貴方には丁重に接してくれとお願いされてるから!』

 

《(あー…確実にマスターに気を使ってるね、財前部長…)》

ゴーストガールのあまりに()()お願いに肩の力が抜けてしまう遊嗣…リンクヴレインズの一角で2人の戦いが始まった。

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

 

ゴーストガール LP4000

Yu-Z LP4000

 

 

・マスターデュエル

マスタールール(新)適用

メインモンスターゾーンに融合・S・Xモンスター召喚可能

 

 

 

 

『私のターン!』

『「オルターガイスト・シルキタス」を召喚!』

「シルクを着た幽霊」の名を持つ鳥人が現れる! ATK800

 

『そして、私はカードを2枚伏せてターンエンド!』

 

ゴーストガール LP4000

シルキタス 伏せ2 手札2

 

 

 

『(「シルキタス」は自分以外の『オルターガイスト』カード1枚と相手フィールドのカード1枚を手札に戻す効果がある…そして、この効果は相手ターンでも発動できる、彼が扱うのは伝説の「真紅眼」デッキ…お手並み拝見といこうかしら…!)』

晃や鋼の騎士の手前、エマは本気ではなかった…しかし、彼女もYu-Zに興味があったのだ。

 

プレイメーカーのような『ハッカー』でもなく、ブルーエンジェルやGO鬼塚のようなリンクヴレインズの『カリスマ』でもない…突然現れた()()()である彼が──何故、危険な世界で戦っているのかと…。

 

 

 

「僕のターン!ドロー!!」

「よし…!僕は手札のカード5枚をセット!」

 

『なっ…!?「真紅眼」じゃない…!?』

 

「そして僕は『カードカー・D』を召喚!」

カードのように薄い、青い車が現れる! ATK800

 

 

「『カードカー・D』の効果発動!このモンスターが召喚に成功したメインフェイズ1にこのモンスターをリリースする事でカードを2枚ドロー!ターンエンド!」

薄い車が消え去り、遊嗣に新たな手札を導いた!

 

Yu-Z LP4000

伏せ5 手札0→2

 

 

 

『(手札を全て伏せて、モンスターゾーンはガラ空き…何を狙ってるの?『聖なるバリア─ミラー・フォース』みたいなのは怖いけど、ちょっと動いてみましょうか)』

 

 

 

『私のターン!ドロー!』

『私は罠カード「オルターガイスト・カモフラージュ」を発動!このカードを「シルキタス」に装備!装備モンスターは攻撃対象にならなくなるけど、それは本命ではないわ!さらに手札の「オルターガイスト・マルチフェイカー」の効果発動!罠カードを発動した事で自身を特殊召喚!』

下半身が蜘蛛のようになった幽霊が現れる! ATK1200

 

 

『「マルチフェイカー」の効果発動!自身が特殊召喚に成功した時、デッキから「オルターガイスト」モンスター1体を守備表示で特殊召喚できる!私はデッキから「オルターガイスト・マリオネッター」を特殊召喚!』

下半身が花のようになった幽霊が現れる! DEF1700

 

 

「モンスターが3体…!」

 

『ふふっ、驚くのはこれからよ?現れなさい!未知なる異世界に繋がるサーキット!召喚条件は「オルターガイスト」モンスター2体!私はフィールドの「マルチフェイカー」、そして手札の「オルターガイスト・プークエリ」をリンクマーカーにセット!「プークエリ」はフィールドの「オルターガイスト」モンスターがリンク素材にする時、手札のこのモンスターもリンク素材にできる!』

 

「手札からリンク素材を!?」

 

『リンク召喚!現れて!Link-2「オルターガイスト・ヘクスティア」!!』

ギリシャ神話の『竈の神』の名前を持つ炎の幽霊が現れる! ATK1500 ↓→

 

 

『「ヘクスティア」の効果発動!このカードの攻撃力はリンク先の「オルターガイスト・マリオネッター」の元々の攻撃力分アップする!』

 

ヘクスティアATK 1500→3100

 

 

『バトルよ!「ヘクスティア」でYu-Z君にダイレクトアタック!』

 

「その瞬間!速攻魔法『アーティファクト・ムーブメント』を発動!このカードはフィールドの魔法・罠カード1枚を破壊できます!僕は自分の伏せカード1枚を破壊!」

 

『(自分の伏せカードを破壊?何かを狙ってるわね…!)悪いけど通さないわ!「ヘクスティア」の効果発動!相手が魔法・罠カードを発動した時、リンク先の「マリオネッター」をリリースする事でその発動を無効にし、破壊するわ!』

遊嗣の発動した速攻魔法が炎に焼き尽くされる!

 

ヘクスティア ATK3100→1500

 

「っ…『アーティファクト・ムーブメント』の2つ目の効果!このカードが相手によって破壊された時!相手は次のターンのバトルフェイズをスキップする!」

 

『バトルフェイズのスキップ?面白い効果ね…でも、このターンのバトルは止められない!「ヘクスティア」でダイレクトアタック!』

 

「その瞬間!手札の『アーティファクト─ヴァジュラ』の効果発動!!このモンスターを特殊召喚!」

フィールドに稲妻が落ち、青いエネルギーの迸る金剛杵が現れる! DEF1900

 

 

『守備力1900…攻撃が通らない…!』

 

「まだだ!『ヴァジュラ』の効果発動!このモンスターが相手ターンに特殊召喚に成功した時、自分の魔法・罠カードゾーンのカードを全て破壊する!」

 

『自分のカードを!?』

金剛杵から稲妻が走り、遊嗣の伏せカードが全て破壊される!

 

 

「いきます!!相手ターンに破壊された『アーティファクト─モラルタ』『アーティファクト─デスサイズ』『アーティファクト─アキレウス』『アーティファクト─カドケウス』の効果発動!相手ターンに破壊された自身を特殊召喚!!」

 

「なっ…!?魔法カード扱いでセットできるモンスターカード!?」

そして、その稲妻の衝撃によって封印されし杖や短剣、大鎌や盾──無数の武具達が起動していく!

 

カドケウス DEF2400

 

アキレウス DEF2200

 

デスサイズ ATK2200

 

モラルタ ATK2100

 

 

『モンスター4体の連続召喚…!?』

 

「ここから!『モラルタ』の効果発動!相手フィールドの表側表示のカード1枚を破壊できる!『オルターガイスト・カモフラージュ』を破壊!」

モラルタのコアから青い人型が現れ、ゴーストガールの罠カードを両断する!

 

「続けて『デスサイズ』の効果!このターン、相手のEXデッキからのモンスターの特殊召喚を封印する!さらに『アキレウス』の効果!このターン、自身の『アーティファクト』モンスターは攻撃対象にされない!最後に『カドケウス』の効果!このモンスターがフィールドに存在する時、相手ターンに召喚された『アーティファクト』モンスター1体につき1枚ドローできる!」

 

『すごい…1枚を起点にここまで効果を発動するなんて…!?』

アーティファクトの誇る連続効果が盤面を整えていく…!

 

遊嗣 手札2→5

 

 

『(ここで『シルキタス』の効果を発動しても焼け石に水ね…)私はこれでターンエンドよ!』

 

ゴーストガール LP4000

ヘクスティア シルキタス 伏せ1 手札1

 

 

 

「僕のターン!ドロー!!」

「僕はレベル5の『ヴァジュラ』と『アキレウス』の2体でオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!現れろ!ランク5!『アーティファクト─デュランダル』!!」

電脳世界に現れた宇宙がビッグバンを起こす…その光の中から赤と青のエネルギーを宿す大剣が現れる! ATK2400

 

 

『エクシーズ召喚…!』

 

「僕はカードを1枚伏せて…バトル!『デュランダル』で『ヘクスティア』を攻撃!」

 

『流石にこの攻撃を全部受けたら不味いわね…!罠カード発動!「オルターガイスト・マテリアリゼーション」!その効果で墓地の「オルターガイスト・マルチフェイカー」を特殊召喚──』

 

 

「そこだ!『デュランダル』の効果発動!1ターンに1度、ORUを1つ使い!相手がフィールド上で発動したモンスター効果、または通常魔法・罠カードの効果を『相手フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する』効果に書き換える!」

 

『なっ…!?』

デュランダルのコアが高速回転し、強烈な波動を放つ…その波動はゴーストガールの罠カードの効果を書き換え、遊嗣の伏せカードが吹き飛ばされる!

 

 

「そして、相手によって破壊された罠カード『アーティファクトの神智』の効果発動!相手フィールドのカード1枚を破壊する!『シルキタス』を破壊!」

さらに暴走したエネルギーがシルキタスを破壊する!

 

 

「バトル続行!『デュランダル』で『ヘクスティア』を攻撃!さらに手札から『オネスト』の効果発動!自分の光属性モンスターが相手モンスターとバトルする時、手札のこのカードを墓地に送る事で『デュランダル』の攻撃力はこのターンの終わりまで、バトルする相手モンスターの攻撃力分アップする!」

 

『攻撃力3900…!?でも、まだよ!墓地の「オルターガイスト・カモフラージュ」の効果発動!自分フィールドの「オルターガイスト」モンスターが戦闘・効果で破壊される時!墓地のこのカードを除外する事で破壊を無効にする!くうううっ…!!』

誠実なる天使の加護を受けた大剣が炎の幽霊を両断する!

 

 

デュランダル ATK2400→3900

 

ゴーストガール LP4000→1600

 

 

「『デスサイズ』で『ヘクスティア』を攻撃!」

 

『くうっ!?』

死神の大鎌が幽霊を切り裂く!

 

 

ゴーストガール LP1600→900

 

 

「『モラルタ』で……終わりです」

 

『あらあら…完敗ね…』

青い人型がゴーストガールに短剣を突き付け…デュエルは決着した!

 

 

ゴーストガール LP0

 

Yu-Z WIN!

 

 

 

 

 

『すごいわねYu-Z君…誰がなんと言おうと、貴方も間違いなく「リンクヴレインズの英雄」よ…びっくりしちゃった…!』

 

「あはは…肝心な時には勝てなかったんですけどね…」

デュエルが終わり、エマは遊嗣を称賛する…そんな彼女の言葉に遊嗣は頭を掻きながら照れていた…。

 

 

『(プレイメーカーが計算された勝利…ソウルバーナーが奇跡を引き寄せる勝利…そして、彼は()()()()勝利…今まで出会ったデュエリストの中で…彼ほど()()に愛されたデュエリストは見た事がないわ…)』

そして、彼女は遊嗣のデュエルをそう分析する…まるでデュエルの神様に愛されるが如く、遊嗣は勝利に必要なカードを引き当て、そのカードを使い熟す…そんなデュエルをエマは見た事がなかった。

 

 

 

『OK…約束は約束ね、今回は引いてあげる…でも、1つだけ聞かせて欲しいの』

 

「なんですか?」

デュエル前の約束通り、遊嗣から手を引くエマ…彼女は1つだけ彼に問いかける。

 

 

『貴方は「ハノイの塔」事件まで…いえ、ブレイブ・マックスがハノイの騎士に襲われた事件までは完全に一般人だった…それなのに、どうしてプレイメーカーと()()()()()で戦っているの?』

 

「………プレイメーカーと、同じです…ボーマンの仲間が、僕の()()()()()の意識データを奪っていったんです…僕の目の前で…!!」

 

『っ…!?貴方、それって…!!?』

エマの質問に遊嗣は正直に答える…それを聞いた彼女の中で全ての謎が1つに繋がった…!

 

 

『───ごめんね、辛い事を聞いて……大丈夫、少なくとも私やブルーガール、晃は貴方達の敵にならないようにするわ……でも、ブラッドシェパードという「賞金稼ぎ(バウンティハンター)」には気をつけて……彼は依頼を受ければどんな手段を使っても目的を果たそうとする男だから…話してくれて、ありがとう』

 

「いえ…取り乱してすいません……貴女からの伝言、プレイメーカーに伝えます…いいデュエルでした」

 

『そう…ありがとう……頑張って、Yu-Z君』

Yu-Zの背負う悲しみと()()を思わぬ形で知る事になったゴーストガールは…彼を労い、ログアウトしていった…。

 

 

 

《……遊嗣…》

 

「…ごめん、ロマン…つい余計な事を話しちゃった……」

 

《大丈夫、彼女は話の分かる人間だ……今は無理でも、彼女達と協力できる日が来る……ボクはそう思うよ》

 

「うん…」

ゴーストガールが去り、遊嗣はポロポロと涙を流す…今までにない()()()()の中にいる遊嗣をロマンは優しく労った…。

 

 

 

 

 

 

《遊嗣、今日は帰ろう…プレイメーカー達と一緒に動く方が確実だよ》

 

「うん、そうしよう」

落ち着きを取り戻した遊嗣にロマンはログアウトを提案する…その時だった。

 

 

『遊嗣!今、リンクヴレインズにいるな?』

 

「あっ…草薙さん?どうしたんですか?」

遊嗣の前に草薙の姿が投影される、LVSSを通じて連絡してきたのだ。

 

 

『リンクヴレインズの上層、開発中の浮島エリアにイグニスの作ったゲートが開いたんだ!遊作と尊もログインして向かってる、応援を頼めるか?』

 

「ゲートが…!!すぐに行きます!!」

それは閉じられたと思われたゲートが開いたという知らせ…それを聞いた遊嗣はその座標へとD・ボードを走らせた…。

 

 

 

 

 

Side遊作

 

 

 

《おお〜!あれだあれだ!》

 

《ウィンディめ…人気がないとはいえ、大胆な事を…》

遊作達はリンクヴレインズの上層…浮島のあるエリア、そこに開いたというゲートへと向かっていた…そして、ついにそのゲートが見える場所まで到達していた…。

 

 

「ん…?なんだか、この前のゲートと()()()()が違わないか?前のはもう少し緑っぽかったような…」

 

《でも、大きさはあれくらいだったぜ?》

 

《う〜む…?》

 

「いずれにせよ、行ってみるしかない」

浮島の影に作られた青いゲート…それを見た尊は小さな違和感を感じたが、遊作は罠で元々と先行していく…。

 

 

 

『ん…?これは、アルゴリズムのパターンが…!?しまった!!()だ!!!遊作!尊!!退避しろ!!』

 

「「えっ!?」」

その時、ゲートに近付いた事で詳細な分析ができるようになった草薙が悲鳴を上げる…それは()への入り口だったのだ!

 

 

パチンッ!!

 

 

キィン──ゴウッ!!

 

 

《今のっ…!?わああ!吸い込まれるぅぅ!?》

 

「なんだこれは──ブラッドシェパード!?」

それと同時に響くフィンガースナップの音…それと同時にゲートが凄まじい勢いで周囲を吸い込み始める、その瞬間…遊作はゲートの中に猟犬の姿を垣間見た…!

 

 

「不味い…!プレイメーカー!!」

 

「ソウルバーナー!?」

遊作を吸い込むべく吸い込みを強めるゲート…彼を庇うべく尊が飛び出したが──

 

 

「2人とも!危ない!!」

 

「「Yu-Z!?」」

尊が遊作を弾こうとした瞬間、2人の足下から飛び出した遊嗣が遊作と尊をそれぞれ左右に弾き飛ばす、そして──

 

 

 

「あっ…やばっ…!?わあああああ!??」

 

 

「「遊嗣ぃぃ──!!!!」」

 

二人の身代わりとなった遊嗣は…謎のゲートへと吸い込まれ、展開した大きな球体へと閉じ込められてしまった…。

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