転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

今回は不器用な「彼」が登場…不器用な男は真実を見定める事ができるのか…。 

それでは、最新話をどうぞ!


地のイグニス〜不器用で固いヤツ〜

『はっ…?地のイグニスが?ネット掲示板を介して??プレイメーカーに会いたいとコンタクトしてきた???…冗談だろ?』

 

《いや…地のイグニスはそういう奴なんだよ……あいつも無事だったんだな、うん》

とある日のCafeNagi・ハッキングルームで遊作やAiの言葉を聞いた草薙は困惑していた…その理由はAiの仲間、地のイグニスからと思われる存在からのコンタクト手段を聞いたからだった。

 

前日の夜、Aiはとあるネット掲示板でいわゆる『荒らし』に近いような自演コメントを連投していた…そんな時、ハンドルネーム『地のイグニスさん』から「プレイメーカーと会いたい」…というメッセージが書き込まれたのだ…。

 

なお、遊嗣は尊を連れて遊海の見舞いに向かってしまったので不在である。

 

 

 

『さ、流石にイタズラじゃないのか…?』

 

「いや…イグニスの存在は極一部の人間しか知らない…一概にはイタズラとは言い切れない」

 

《地のイグニスはオレ達の中で一番()()()()な奴なんだよ…もしかしたら何か伝えたい事があるのかもしれないぜ?例えば──ボーマンに関する事とかな》

 

「Ai、コンタクトは取れるか?」

 

《任せなさーい!》

あまりにも直球すぎるコンタクトの取り方に半信半疑の草薙…だが、「イグニス」という単語を使った事から遊作はイタズラとは決め付けず、Aiに連絡を取るように指示を出した。

 

 

『コレ…なんて書いたんだ?』

 

《ただの文字化けに見えるだろ?イグニスアルゴリズムで『居場所は何処だ?』って聞いたんだ!これを読めるのはイグニスだけさ》

地のイグニスに対して居場所を尋ねる文章を書き込んだAi…そして、待つことしばらく──

 

 

『あっ…食い付いた!』

 

《な?オレの言う通りだろ?》

Aiのコメントに『地のイグニスさん』から同じく文字化けの文章…イグニスアルゴリズムの暗号が返ってきた…!

 

 

「なんて書いてあるんだ?」

 

《えーっと…座標だ!リンクヴレインズの座標を知らせてきた!》

 

「そこに来い、という事か」

 

『だが、まだ本物のイグニスかは分からないぞ?ウィンディのゲートを模倣したブラッドシェパードの事もある、罠かもしれない』

 

《草薙ってば…ホントに疑り深いんだから〜…》

 

「今はリスクを冒しても情報が欲しい…草薙さんの弟や遊海さんの意識データを取り戻す為に…!」

 

『遊作…』

暗号によって待ち合わせの座標を伝えてきた地のイグニス…草薙はブラッドシェパードの件から罠である事を疑ったが、遊作はリスク覚悟で指定の場所に向かう事にした…。

 

 

 

…………

 

 

 

《地のイグニスが指定したのはこの辺りだぜ、気をつけろよ》

 

「ああ…!」

リンクヴレインズにログインした遊作は地のイグニスが指定した座標へと辿り着き、周囲を警戒する…ブラッドシェパードがこの場所を嗅ぎ付ける可能性もあるからだ…。

 

 

「……Ai、イグニスは全部で6体だったな?お前と不霊夢、ウィンディ…他の3体はどんな奴なんだ?」

 

《あっ、そう言えば話した事なかったっけ…う〜ん…そうだなぁ…》

地のイグニスからの接触を待つ間、遊作はAiに残る3体のイグニスの人となりを尋ねる…。

 

 

《まずは『光のイグニス』、冷静沈着でオレ達のリーダー的存在だ!けど、アタマが良すぎてオレ何かにゃさっぱり何を考えてるのか分からないヤツだけどな》

 

《お次はサブリーダーの『水のイグニス』、紅一点の女性型で嘘と真実を見分ける能力を持ってる!だから、サイバース世界には裏切りも陰謀もなかった…真面目で優しいヤツでさ、ロマンとは気が合うかもな!あと、自分で言うのもなんだけど…水のイグニスには超頼られまくっててさ〜!ありゃ、間違いなくオレに気があったと思うんだよ!》

 

「………そうか」

 

《えっ、それだけ??》

 

《クリクリンク〜…(超特別意訳:Aiのアニキ…水のイグニスの姉御に地面にめり込まされてましたよね…アレ、完全に嫌われてるんじゃ…)》

 

《リンクリボー!?なんだかすっごく呆れた目でオレを見てない!?気のせい!?》

光と水のイグニスについて話すAi…なお、Aiはサボり癖があった事から水のイグニスから制裁を受ける事もあったのだが…それを知るのはリンクリボーだけだった。

 

 

「あとは『炎のイグニス』の不霊夢、『風のイグニス』であるウィンディ…」

 

《コホン、そんでもって…最後に地のイグニスだ!アイツは…言葉が少ないヤツでさ〜…クソ真面目で…正直者で──……そうそう!こんな風にゴツくてオレンジ色で───って!?地のイグニスじゃん!!元気にしてたかオイ!!》

 

「おっ……お前が地のイグニスか…!」

 

《そうそう!こいつこいつ〜!》

 

《…………》

地のイグニスについて話していたAiだったが、彼に対しては話す事が少ないのか内容があやふやになる…そこで無意識に彼に似たデータに手を伸ばしたら…それは地のイグニス()()だった…あまりにもヌルっと現れた地のイグニスに思わず遊作も目を丸くしている。

 

 

地のイグニスはAiやウィンディよりも頭2つほど大きく、ガタイの良いオレンジ色の体で青い目をしている…見るからに『真面目』そうな人物だった。

 

 

 

《……こっちだ、ついてこい》

 

《あっ…おーい!もう少し再会を祝おうぜ〜!?》

 

「いくぞ」

遊作とAiを一瞥した地のイグニスはゲートを開き、その中に消えていく…あまりにも無愛想な態度にAiは呆れていたが、遊作はそれを無視してゲートを潜った…。

 

 

 

 

《おーい!待てよ()()()!》

 

《アース?私の事か?》

 

《ああ!今、オレが名付けてやったぜ!オレ達の本名は人間には発音できないからな…ちなみに、オレはAiって呼ばれてんだ!》

 

《Ai……まさか、AIだからアイ、という名前になったのか?》

 

《バカ!違うって…(震え声)》

 

《そうか…なるほど、合理的で良い名前だ》

 

《だろ?お前なら分かってくれると思ってた!》

遊作達が辿り着いたのはアースが作った一面の荒野が広がる『地のワールド』だった…そこでAiは地のイグニスに『アース』という呼び名を付けた。

なお、アースはAiの安直な名前に突っ込みを入れたが…良い名前だと小さく笑みを見せた。

 

 

 

「地のイグニス…アース、オレにいったいなんの用だ?」

 

《そうだそうだ…どうしてオレ達を呼び出したんだ?》

 

《────私とデュエルしろ、プレイメーカー》

 

「お前とデュエルだと…?」

 

《そうだ》

そして…アースに自分を呼び出した理由を問う遊作…アースが遊作を呼び出した理由…それは遊作とデュエルをする為だった…!

 

 

 

《お、おい!ちょっと待てって…!アースって名前が気に入らなかったか!?デュエルをするにしたって唐突すぎだって!》

 

《私は不器用なんでな》

 

《あーもう!本当に言葉足らずなんだからよぉ!?オレ達に分かるように説明しろって!》

 

《そうか、すまん…説明しよう》

 

《あら素直…説明ヨロシク!》

唐突なデュエルについて説明を求めるAi…その言葉を聞いたアースは不器用に説明し始めた。

 

 

《──『真実を見極める為』…人間の本当の姿をこの目で確かめる為に、私はプレイメーカーとデュエルをしたい》

 

《いや、だから…もっと詳しく!!》

 

《水のイグニスが……いや、彼女は人間達になんと呼ばれている?》

 

《水のイグニス?えーあー……水だから、ウォーター?まだ会えてねーんだよな…》

 

《そうか…ならば……()()()が良い、彼女に合う響きだ》

 

《あ、そうか…そうだな》

便宜的に水のイグニスを『アクア』と呼ぶ事に決めたアース…そして彼はサイバース世界が崩壊する前の彼女との会話を思い出す。

 

 

《アクアは私にこう訊ねた…「近いうちにサイバース世界は()()する」「人間とイグニス、どちらにつくのか?」「人間とAIの未来を、自分の目で真実を確かめてほしい」と》

 

「人間とAIの未来…」

 

《話を聞くほど分からなくなってくなぁ…そもそも、サイバース世界が分裂って…崩壊しちまったし…》

 

《そういう意味ではない、我らイグニスの事だ……Ai、何故お前は人間についた?何故、プレイメーカーと共にいる?》

 

《ん?そりゃ、プレイメーカー様と熱い友情で結ばれてるからよ!なっ?》

 

「……アース、こちらからもお前に聞きたい事がある」

 

《ムシサレチッタ…Aiちゃん悲C…》

人間とAI…その未来を見極める為に遊作とのデュエルを望むアース…そんな彼に遊作も問いかける…。

 

 

「オレ達はボーマンという男を探している、そいつはオレの知り合いの弟と…大切な恩人の意識データを奪っていった」

 

《ヤツはサイバース世界の崩壊にも関係があるらしいんだ!なんか知らないか?》

 

《………その件の情報を知りたければ、私とデュエルしろ》

 

《あーもう!そう言うと思った!!本当に面倒くさいヤツだよなお前は!》

 

《私は不器用なんでな…》

 

「わかった、デュエルを受けよう」

おそらくは『人間』という存在について知りたい…という考えを持つアース…遊作は彼の不器用な思いに答えるべくデュエルディスクを構える。

 

 

《けど…アースよぉ、お前どうやってデュエルするんだ?》

 

《むっ…少し待て……はぁ!》

 

「これは…!アース、お前のパートナーは───」

しかし、その前に…パートナーがいない事でデュエルはできないとアースに突っ込むAi…だが、アースは近場にあった枯れ木のデータを加工、人型の人形を作り出す事で対処する。

そして、その姿を見た遊作は直感した…アースのオリジナル、それはハノイの騎士・スペクターなのだろうと…。

 

 

 

《待たせたな…デュエルだ》

 

「──ああ、勝負だ!」

そして…荒野のデュエルフィールドでイグニスが人間を知る為のデュエルが始まった…!

 

 

 

 

 

 

「《デュエル!!》」

 

 

デュエルダイジェスト プレイメーカー対アース

 

 

 

 

《Ai、人間はサイバース世界を攻撃した…この世界において高度な文明を築けるのは人間と我々イグニスだけだ…そして、()()()()()()()()()()()()()()…となれば、サイバース世界を破壊したのは人間と考えるのが合理的な答えだ》

 

《だから、それはボーマンって奴が──アリ?そういえばボーマンって…()()なんだ?》

 

《Ai、このデュエルで…何故、お前が人間側についているのか…その理由を見極めさせてもらう》

自分のターンを前に真意を語るアース…サイバース世界を破壊した犯人の可能性がある人間に味方するAiを見極める、その為に彼はデュエルを挑んだのだ。

 

 

「Ai、あいつの本来のパートナーは…おそらく、スペクターだ」

 

《スペクター!?ああ…そりゃ人間嫌いになっても仕方ないヤツじゃん…》

 

「アイツはどんなデュエルをする?データはあるだろう?」

 

《あー…ゴメン、覚えてねー…アイツ地味だし、絡みも少なかったからよ〜…》

アースの態度を見た遊作はAiにアースのオリジナルがスペクターである事を伝え、彼のプレイスタイルに関するデータを尋ねるが…Aiは頭を捻る…Aiにとってアースは絡みの少ない存在だったからだ。

 

しかし、Aiはすぐにアースの戦い方を思い出す事になる…。

 

 

アースが扱うのは地属性のサイバースデッキ『Gゴーレム』…後攻を取ったアースはいきなりLink-3のエースモンスター『Gゴーレム・インヴァリット・ドルメン』を喚び出し、貫通効果を持つ攻撃を仕掛ける…その攻撃の衝撃でようやくAiはアースのデュエルデータを思い出す…。

 

 

《ヤッベ…アースはデュエルがメチャ強いんだった…!》

 

「はぁ…」

Aiの遅すぎる助言にため息を吐きながら、遊作はアースに応える為のデュエルを進める。

 

 

続く自分のターン、遊作は新たなリンクモンスター『ゾンビプロセイバー』を喚び出す…このモンスターはリンク先の相手モンスターが破壊された時、そのモンスターを自分フィールドに喚び出す効果を持つ…しかし、その攻撃力は1600…攻撃力2800の『インヴァリット・ドルメン』には敵わない…ならばどうするか──

 

遊作は罠カード『リンク・ラッシュ』を発動、『インヴァリット・ドルメン』を効果破壊する事で『ゾンビプロセイバー』の効果を発動しようとする。

 

だが、アースも甘くはない…『インヴァリット・ドルメン』はフィールドから離れた時、フィールド上のカード効果を無効にする効果を持っていた事でコントロール奪取を回避する。

 

 

 

そしてアースのターン…彼は魔法カード『重力均衡(グラヴィティ・バランス)』を発動して墓地の『Gゴーレム・ロックハンマー』2体を蘇生…新たなリンクモンスターを喚び出す!

 

 

《現れろ!Link-2!「Gゴーレム・クリスタル・ハート」!》

 

「っ…これは──?」

アースの胸元から飛び出すように現れたのは…大きなハート型の水晶…それはゴツい見た目の『Gゴーレム』にはそぐわない美しいモンスター…そのモンスターの出現と共に荒地となっていた地のワールドは小川が流れ、草や花の咲く()()()()へと変わっていく…。

 

 

《あのモンスター……思い出した!アレ、アクアのモンスターだ!けど、なんでアースがアクアのモンスターを持ってんだ?》

 

「アクア…水のイグニスの…?」

その時、Aiがある事に気付く…アースが喚び出したのはアクアのカードだというのだ。

 

 

《さて…人間とAIの未来、見極めさせてもらおう…!》

 

アースが「人間とAIの未来を見極める」事にこだわる理由…それはサイバース世界が襲撃が起きる少し前に遡る…。

 

ある日、アースはアクアに呼び出され『サイバース世界の分裂が近い』という言葉を告げられる…その上でアースは人間とイグニス、どちらに味方をするのか?と尋ねられたのだ…。

しかし、アースはその場で答えを出す事はできず…アクアは『クリスタル・ハート』というデータをアースに託し、『真実を見極める』ように伝えたのだ…。

 

 

 

 

そしてアースは『クリスタルハート』と共に本格的に動き出す…『クリスタルハート』単体は攻撃力0…しかし、その本領は効果にある。

アースは『クリスタルハート』の効果で『インヴァリット・ドルメン』を蘇生…さらに『クリスタルハート』にGカウンターを乗せる事で攻撃力を600アップさせ、遊作に攻撃を仕掛ける事で堅実にライフを削っていく。

 

対する遊作は『サイバネット・フュージョン』を発動…切り札たる『サイバース・クロック・ドラゴン』を融合召喚、攻撃力0の『クリスタルハート』を攻撃する事での決着を狙うが…アースは甘くない。

 

『インヴァリットドルメン』は攻撃対象を自身に集中させる効果を持つ…その効果でアースは戦闘ダメージを受けるが…『クリスタルハート』を守り、『サイバースクロックドラゴン』の効果を無効にした…!

 

 

 

《今の…アースのモンスターが『クリスタルハート』を守った…?──そっか…!そういう事か!アースの奴、アクアに()()()だったから…アクアのデータで作った『クリスタルハート』を守ろうとして…》

 

「アースがそこまで人間に近い感情を理解するAIなら…相当手強い相手になる…!」

アースの『クリスタルハート』…アクアにむける慕情を思い出したAi…それを聞いた遊作はアースは『強敵』である事を悟った…!

 

 

続くアースのターン…アースは再び『インヴァリットドルメン』を蘇生、さらに『クリスタルハート』にカウンターが乗る事で攻撃力は4000まで上昇…その攻撃で遊作の残りライフは100まで追い詰められてしまう…さらに、『クリスタルハート』にカウンターが2つ乗った事で『インヴァリットドルメン』は2回目の攻撃を仕掛けるが……遊作は速攻魔法『スプール・コード』を発動、攻撃を無効にし、トークン3体を喚び出す事で次のターンへと繋げる…!

 

 

 

 

《プレイメーカー、どうしてお前はAiと共にいるのだ?どう見てもAiはお前の足を引っ張っているようにしか見えないが…?》

 

《ぅおいっ!?せっかく距離が縮まったと思ったのにディスるんじゃねー!!オレとプレイメーカーが一緒にいるのは──唯一無二の相棒だからに決まってるだろ?》

 

「……コイツを相棒と思った事はない」

 

《あら…まだダメっすか…ショボーン》

追い詰められたプレイメーカーにAiと行動を共にする理由を問うアース…アースはAiが計算高いイグニスだと知っている…故に、Aiは一方的に遊作を利用しているのだろう、と考えていたからだ。

しかし、そんな遊作が口にした言葉は…アースの予想外のモノだった。

 

 

 

「オレがコイツといる理由は3つある…1つ、オレもコイツもやるべき事がある!2つ、その為に見つけ出さねばならぬ共通の『敵』がいる!そして3つ…だから、オレ達は()()()()()()()()()()()!それを()()と呼ぶのなら───」

 

 

──手を伸ばせ!プレイメーカー!!──

 

 

「好きに呼べばいい!!」

 

《プレイメーカー…!もう!素直じゃないんだから!コノコノ〜!》

 

《そうか…》

 

3つの言葉でAiと共にいる理由を伝える遊作…必要だから一緒に行動する───それを人は「相棒」と呼ぶのだ…。

 

 

 

返しのターン、遊作はサイバースデッキの本領から発揮…連続リンク召喚に加え、永続魔法「リンク・ドライブ」でアースにダメージを与える。

さらに『セキュリティ・ドラゴン』をリンク召喚し、『インヴァリット・ドルメン』のバウンスを狙うが…それは自身の効果に阻まれる…しかし、本当の狙いはバウンスではない…展開を続ける遊作は『クロック・リザード』の効果でEXデッキに戻された『サイバース・クロック・ドラゴン』を再び融合召喚…自身の効果で攻撃力6500までパワーアップさせる事での攻撃を狙うがアースの誇る鉄壁は甘くない。

 

アースは罠カード『重力激変(グラヴィティ・フラクチュエーション)』を発動、その効果で『インヴァリットドルメン』を破壊する事で『サイバースクロックドラゴン』の効果を無効にする…だが、無防備な『クリスタルハート』が残ってしまうが──さらなる罠カード『零重力(ラヴ・グラヴィティ)』を発動する事で『インヴァリットドルメン』を蘇生…アースは『クリスタルハート』を護る為に全力を尽くす。

 

 

しかし、アースがアクアに抱く一途な『愛』…それを見ていた遊作は既に勝利へのサーキットを描いていた。

 

 

遊作は除外された『クロック・リザード』の効果を発動…このターンに特殊召喚された相手モンスターの攻撃力を墓地のサイバース族1体につき400ダウンさせるその効果によって攻撃力4000を誇った『インヴァリットドルメン』の攻撃力を0まで下げる…そして、自分の意地で『クリスタルハート』を守り続けたアースには…次の攻撃は耐えられない…!

 

 

 

《───ここまで、読んでいたとは…!》

 

「バトルだ!『サイバースクロックドラゴン』で『インヴァリットドルメン』を攻撃!!パルス・プレッシャー!!」

 

《くっ…むおおおっ…!!?》

放たれた紫電の極光が土くれの巨人を粉砕し、アースを吹き飛ばす……しかし、大切な『心』は砕ける事なく──輝き続けていた…。

 

 

アース LP0

 

プレイメーカー WIN!

 

 

 

 

 

《くっ…私の負け、だな…》

 

《おう、オレ達の勝ちだ!だけど…最後までアクアを守り通した事は褒めてやるよ》

デュエルが決着し、荒野に戻った地のワールド…そこで座り込んだアースにAiが呆れたように声を掛ける…アースはデュエルにこそ負けたが、自分の固い意思を──アクアを護る、という意地を貫き通したのだ。

 

 

 

「アース、約束だ…お前がボーマンについて知っている事を話してくれ」

 

《うむ…ボーマン、という男についてだが──私は()()()()()()、その名も初めて聞いた》

 

《はあっ!?!?話が違うじゃん!?何か知ってんじゃないのかよ!?》

 

《私はボーマンについて()()()()()()という情報を教えた…それでいいだろう?》

 

《お前…ホント、そういう所だぞ!!何も知らないなら知らないって最初から言ってくれよ〜!骨折り損のくたびれデュエルじゃねーかー!!》

 

《イグニスに骨はないぞ?》

 

《ツッコむのはそこじゃねーだろー!?》

そして…ボーマンについて「何も知らない」という情報を伝えたアースに流石のAiも呆れ果てる…せっかくのイグニスとの出会いも空振りに終わってしまったのだ…。

 

 

 

《はぁ…まったく……そうだ、アース!これやるよ!ロマンから貰ったイチゴ大福の味覚データ!》

 

《味覚データ…?ロマンとは何者だ?》

ひとしきりアースに怒ったAiが思い出したようにあるデータをアースに渡す…それはロマンがAiに渡した甘味の味覚データだった。

 

 

《ロマンはな〜…オレ達のイトコみたいな感じの超優しいAIなんだよ!そいつがくれる甘いモノの味覚データが美味いのなんの……アクアの分も渡したから、先に会えたら渡してくれよ!》

 

《そうか…感謝する……今日はもう帰るといい、また会おう》

 

「アース、イグニスはSOLテクノロジーに狙われている…何かあればオレ達を頼ってくれ」

 

《……さらばだ、プレイメーカー》

簡潔にロマンについて伝えるAi…そして遊作はアースにSOLテクノロジーへの忠告を伝え…アースは静かに地のワールドへの扉を閉じた…。

 

 

 

 

 

 

《アクア…きみはどちらの側と一緒に歩もうとしているんだ?》

夕暮れの地のワールドでアースは未だに再会できずにいるアクアへと思いを馳せる……既に彼の「心」は決まっているのだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《……ウイルスプログラムの類いはないな……もぐっ……うむ…「心」が穏やかになる…ほっとする()だ……アクアも喜んでくれるだろうか…?》

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