転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

絶体絶命の遊作と遊嗣…彼らの窮地を救ったのは揺るがぬ大義を持つ男、リボルバーだった…。

人間とイグニス…相容れない2つの陣営の戦いが始まる…!

それでは…最新話をどうぞ…!


大義の為に─調律する弾丸─

「私は運命の舞台に戻ってきた…!ハノイの騎士の名の下に貴様達を抹殺する!覚悟するがいい…イグニス!」

 

行方不明のAiを連れ戻す為、謎のワールドに潜入した遊作と遊嗣…しかし、それは人間に対して敵意を持つライトニングとウィンディによる罠だった。

 

ライトニングの卑劣な策略によって重傷を負った遊嗣…捕らわれてしまった遊作…絶体絶命の彼らを助けるように現れたのは──ハノイの塔事件以降、行方を晦ましていたハノイの騎士のリーダー…リボルバーだった…!!

 

 

 

 

「リボルバー…!?何故…!」

 

「言ったはずだ、プレイメーカー…私は自分の運命から逃げない…必ず戻ってくると…!」

自分達の「大義」を果たす為、リンクヴレインズへと舞い戻ったリボルバー…彼は人間に敵意を向けるライトニングとウィンディを睨みつける…!

 

 

【鴻上博士の息子か……さっそくだが、消えるがいい】

 

「っ…!避けろ!リボルバー!!」

 

「──言われるまでもない!!」

 

バチィッ!!

 

《ライトニングの稲妻を…そうか、君はボク達のアルゴリズムを使えるんだっけ》

 

「その通り…なんの対抗策も持たないまま、敵の懐に飛び込むような真似はしない」

リボルバーへと稲妻による不意討ちを仕掛けるライトニング…しかし、イグニスアルゴリズムを理解するリボルバーは対策済み…片腕で稲妻を跳ね除け──倒れ込む遊嗣に歩み寄る。

 

 

 

「………Yu-ZのサポートAI…ロマン、だな?…ログアウト可能か?」

 

《……無理、みたいだ…ログアウトを、妨害されてる…ライトニング…光、イグニス達を、無力化、しない、と…》

 

「そうか……奴らを抹殺する()()が増えたようだ…!!」

ロマンと短く言葉を交わし、重傷を負った遊嗣の目を閉じさせリボルバー…そして、彼の纏う怒気が強くなる。

 

リボルバーとYu-Z…遊嗣に直接の面識はない……しかし、その父親である遊海はリボルバーとしての「敵」であり──鴻上了見にとっての「恩人」でもある…!

 

 

 

 

《へぇ…人間には優しいじゃん、それにしても…よくここがわかったね?招待状は出してないはずだけど?》

 

「我々は常にネットワークを監視している…舐めるな、イグニス」

 

《そう…城の外にはエコー達を見張りに配置しておいたはずだけどなぁ?》

 

「私には盾となり、剣になる者達がいる…優秀な頭脳を兼ね備えた騎士達がな」

 

「スペクターと三騎士か…!」

 

《おい…ハノイの騎士の幹部勢揃いかよ…!?》

秘匿されていたはずのワールドを特定された事に驚くウィンディ…さらに、ハリボテサイバース世界ではドクター・ゲノム、バイラ、ファウスト…そして腹心のスペクターが量産されたエコー軍団への殲滅戦を仕掛けている…。

 

 

 

「私は父の意志を継ぎ、父のやり残した仕事をやり遂げねばならない…!」

 

【鴻上博士の遺志なら我々が継いでいる…人類の後継種としてな…!】

 

「黙れ!その思い上がった考え共々叩き潰してやる…貴様らイグニスが集結し始めた以上、我が手で殲滅してみせる…!覚悟するがいい!!」

 

《殲滅…過激な発想だねぇ…》

鴻上博士の犯した罪の償い…世界を破滅に導くイグニスを殲滅する決意を固めているリボルバー…そんなリボルバーに対し、ライトニングとウィンディは不敵な笑みを見せる…。

 

 

 

「待て!リボルバー!!今、イグニスを滅ぼす為に戦いを始めてしまえば、後戻りできなくなる!!」

 

「プレイメーカー…私は元より、後戻りするつもりはない…それに、仲間を傷付けられてなお!お前はイグニスと共存できるというのか!!」

 

「っ…!!」

しかし、そんな状況に待ったを掛けたのは…ライトニングに捕らわれている遊作だった…だが、リボルバーはボロボロの遊嗣を指し示しながら激を飛ばす…!

 

 

《リボル、バー…ボクと、Yu-Zは…彼らを、プレイメーカーを助けたくて、戦ったんだ…!ライトニング、達の考えは、やり方は()()()()()…だけど、学習できるAI…なら……間違いを、修正、できる…はずだ、よ……ユージも、きっと…おなじ…っ───》

 

《ロマン!!しっかりしろよ!おい!!》

 

「ロマン…鋼の騎士が作り出したイグニスの亜種…消されかけてなお、イグニス達を庇うか…」

だが、ボロボロのロマンはリボルバーに自分達の思いを伝える…しかし、限界を迎えたロマンはそのまま機能停止してしまった…。

 

 

 

「っ…リボルバー…確かに、イグニスにも問題点はあるのかもしれない…だが、鴻上博士も言っていたはずだ!イグニスを受け入れられない人間にも問題があると!人間がAIを敵視する事で、AIも人間を敵視する…敵意を持てば敵意が返ってきてしまう!」

 

「──だから、敵意を持たずに共存の道を探れと?」

 

「そうだ!争うだけじゃない、必ず共存の道が開けるはずだ!お前がかつて、オレに道を開いてくれたように…!!」

 

「プレイメーカー…言ったはずだ、私はその事を激しく後悔したと…そして我が父もイグニスを作り出してしまった事を後悔している…それに、共存の道を探るというお前とYu-Zがそんな姿を見せている時点で──私は引き金から指を離すつもりはない」

 

「っ…憎しみや復讐では、本当の意味で前に進む事はできない!!」

 

「あいにく…私を前に進ませているのは──地獄で苦しむ父が託した思いだ……鋼の騎士には悪いが、私は私の道を往く…!」

 

《おいおい…ブレなさ過ぎだろ…?アッパレだよホントーに!!》

イグニス…AIとの「共存」を望む遊作、大義を果たす為に「殲滅」を選ぶリボルバー…その精神は放たれた弾丸の如く、曲がる事はなかった…。

 

 

 

《はぁ…ライトニング、コイツとは話し合いは無理だよ…是が非でもボク達の事を消し去りたいようだからね》

 

【そのようだな】

 

《だけど…それは無駄な労力だって、身を以て教えてやんないとね…アイツはボクがやるよ》

 

「いいだろう…風のイグニス、まずはお前から消し去る!!」

リボルバーの揺らがぬ意志…それに辟易したようにウィンディが前に出る…!

 

 

 

《ちょっ、ちょっとタンマ!リボルバーサン!?助けにきてくれたなら、プレイメーカーとオレをバリアから出してくれたり、しない…?》

 

「何を勘違いしている?貴様もイグニス、殲滅すべき敵だ」

 

《デスヨネー!!》

 

「プレイメーカー…そのイグニスの存在がお前の判断を鈍らせている…もう一度言っておく、イグニスは人間にとって脅威となる存在だ…もはや猶予はない」

 

「リボルバー…!鴻上博士の思いに縛り付けられるな!お前の目で見て、お前の思いで考えろ!…過去に囚われているだけでは、未来は描けないんだ!」

 

「──フッ…過去に縛られていた復讐者、プレイメーカーの言葉とは思えんな……プレイメーカー、このデュエルでイグニスに真実がどういうモノか見極めろ…それでもなお、お前が私の前に立ち塞がるのなら──やはり、貴様も葬り去らねばならない」

交わらない2人の道…共存と殲滅…2人の譲れぬ思いと共にリボルバーとウィンディのデュエルが幕を上げる…!

 

 

 

 

 

《「デュエル!!」》

 

デュエルダイジェスト リボルバー対ウィンディ

 

 

 

 

 

大義の為にイグニスを抹殺せんとするリボルバーと人間を見下すウィンディの決闘…先攻を譲られたリボルバーは「ヴァレット」デッキを展開、フィールド魔法「リボルブート・セクター」を起点に新リンクモンスター「デリンジャラス・ドラゴン」と伏せ2枚という堅実さでフィールドを固める。

 

対するウィンディは風のサイバースデッキ…空に関わる幻獣の名を持つ、半獣半機のモンスターで構成された「嵐闘機(ストーム・ライダー)」を展開…Link-2の「嵐闘旗艦(ストーム・ライダーシップ)ロックバスター」を喚び出す。

 

 

ウィンディの操る「嵐闘機」の特徴…それは魔法・罠ゾーンにカードが存在しない事で能力を発揮し──相手の魔法・罠カードを破壊する手段に優れている事…その制約に含まれないフィールド魔法「嵐闘機流(ストーム・ライダー・タービュランス)」を発動し、自身のモンスターを強化しながら「ロックバスター」でリボルバーの伏せカードを破壊するウィンディ、その破壊したカードの中には決闘黎明期から決闘者達を支える罠カードの1枚「魔法の筒(マジック・シリンダー)」が含まれていた…そして、それはリボルバーの()()()()だった。

 

 

同時に破壊された罠カード「リバース・エンジニアリング」の効果で墓地の「魔法の筒」が再びセットされる…当然、ウィンディは攻撃を控えるがリボルバーは「デリンジャラス・ドラゴン」の効果──このターンにバトルしなかったモンスターを破壊し、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える、という効果をちらつかせる事でウィンディに「死の二択」を迫る。

 

だが、ウィンディも甘くない…召喚していた「嵐闘機ハルピュイアーム」の効果で「魔法の筒」の発動を無効化…リボルバーに手傷を与えた。

 

 

続くリボルバーのターン…彼は「ヴァレット」の展開力によってエースたる「ヴァレルロード・ドラゴン」を喚び出し、早期に決着をつけようとするが──ウィンディはそれを許さない。

 

「嵐闘旗艦ロックバスター」は相手がLink-3以上のモンスターを喚び出した時、相手の墓地の罠カードをセット後にすぐ発動できる状態で自分の魔法・罠ゾーンにセットする効果を持つ…その効果でウィンディがセットしたのは──当然「魔法の筒」だった。

 

しかし、リボルバー…「ヴァレルロード・ドラゴン」には遊作を幾度となく追い詰めた強力な効果──相手モンスターの攻守を500ダウンさせ、その際の相手の効果発動を封じる『アンチエネミー・ヴァレット』がある…その効果でウィンディの一手を防ぐ事ができるが…イグニスたるウィンディはさらなる効果を発動する。

 

フィールド魔法「嵐闘機流」のさらなる効果によって「ロックバスター」以上のリンクマーカーを持つ「ヴァレルロード・ドラゴン」の効果は無効にされ、さらにエクストラモンスターゾーンに存在する「ロックバスター」への攻撃強制効果も発動…その作戦を避ける術はリボルバーには無く──「魔法の筒」の直撃を受け、そのライフは一気に残り300まで削られてしまう…!

 

 

《ハッ…ボク達の殲滅、とか言ってたけど…どうやらボク1人も倒せずに終わりそうだね》

 

「フッ…AIにしては──()()()()だな…!」

 

《なに…?》

 

「出来損ないのAIに、私が正しい答えを教えてやる…!」

満身創痍のリボルバーを見下すウィンディ…しかし、リボルバーは不敵に笑いながらウィンディを睨みつける…!

 

 

 

《フフ…ハハハハ…!意地を張らずに潔く負けを認めなよ?別に恥じる事はない…所詮、人間はボク達には敵わない!素直になれば()()()()ってのを考えてやってもいいよ?()()()()も時には必要だもんねぇ…!まぁ──共存って言っても、ボク達の管理下になるって事だけど!大人しく従うなら、世界の片隅にでも置いてやるよ…!》

 

「情け深い話だな…こちらに敵意がなければ、必要以上の迫害はしないと?」

 

《そうさ…!人間が敵意を剥き出しにしなければ、()()()にやっていけると思うけどね》

 

《どこが…どこが平和的なんだよウィンディ!!そんなの…そんなの!人間を虐げて搾取してるだけじゃねぇか!!!》

 

《殲滅に比べれば、ずいぶん平和的だと思うけどなぁ》

リボルバーの言葉を「負け惜しみ」と判断したウィンディは饒舌に語る…しかし、それは同じイグニスであるAiですらも怒りの声を上げるほどの歪んだ思想だった…。

 

 

「犯した()を悪びれもせず…厚かましくも()()()と言ってのけるとは…流石はイグニスだな」

 

《なんだと?》

 

「風のイグニス…貴様は人間と共存する意思がないことはとうに分かっている…!自らの()()()()()にした事を考えれば…!!」

 

「パートナーだと…?」

人間を蔑むウィンディに対しリボルバーは言葉を強める…既にリボルバーはウィンディの犯した()を突き止めていたのだ…!

 

 

 

《そ、そうだよ!ウィンディ!お前にも、パートナーがいるはずだ!それなのに、なんでそんな人間を嫌うようになっちまったんだよ…!!》

 

《パートナー……ああ、()()()?》

 

「いた?まさか…」

 

《ウィンディ…お前、パートナーに何をしたんだ!?まさか、草薙の弟みたいに意識を奪ったのか!?》

 

「そんな()()()ではないぞ、闇のイグニス…!」

 

《えっ…》

Aiの言葉にパートナーが()()、という過去形で答えたウィンディ…そして、リボルバーがその真相を語る…!

 

 

 

「我々はこの3ヶ月でロスト事件に関わった全ての人間を徹底的に洗い出した…その結果、ロスト事件の被害者の中に1人…AI制御の車による車両事故に巻き込まれた者がいる…!」

 

《──ほう、よく調べたね》

 

《っ…!?まさか、それがお前のパートナーだっていうのか!?》

 

「まさか、AIに干渉して()()()()()()()()のか!!」

 

《なんで…なんでだよウィンディ!!パートナーは…オレ達のオリジナルは大切な存在だ!!それを──》

 

《んー…だって、()()()()()()から》

 

《はっ…?》

自身のパートナーである人間を始末しようとしたというウィンディ…それを聞いたAiの言葉に──ウィンディはあまりにも軽い言葉で返す…。

 

 

《鬱陶しいんだよね〜!ずっとパートナーがそばにいるとか…それに、パートナーがいると…Aiみたいに人間に()()()()ようになるし〜?そういうのが嫌だったんだよね》

 

《ウィンディ……ライトニング!!お前も知ってたのか!?》

 

【──ああ、彼が自らの判断で行なった事だ】

 

「自分の判断で、だと…!?」

ウィンディとライトニングの言葉に遊作とAiは大きなショックを受ける…ライトニング達は人間を敵視しているだけではない、既に排除しにかかっていたのだ…!

 

 

「わかったか、プレイメーカー…これがイグニスの()()だ…!こんな奴らと、どう共存の道を探るというのだ!!」

 

《そもそも、全ては鴻上博士がボク達を消そうとした事が始まりだろ?逆に、とっとと消えてくれよ?》

 

「生憎だが──その期待に沿うつもりはない!」

 

《ハッ…ライフは風前の灯のくせによく言うよ》

 

「否…バトルはまだ終わっていない!!」

 

《なに…?》

邪悪な本性を見せたウィンディは追い詰められたリボルバーを嘲笑う…しかし、リボルバーの瞳には煌々とイグニスに対する怒りの炎が燃え上がっていた。

 

 

リボルバーは「魔法の筒」によって効果ダメージを受けた事をトリガーとして「スピードローダー・ドラゴン」を特殊召喚…その効果によって受けたダメージと同じダメージをウィンディに与え、その半分の数値のライフを回復する事で形勢が逆転、さらに「ロックバスター」を戦闘破壊する事でウィンディのライフを900まで追い詰める。

 

しかし、ウィンディはさらなる力を──風のイグニスとしての本領を発揮する!

 

 

 

《風よ…今こそ我が手に!!》

 

「データストーム…!まさか!!」

 

《ボクは風のイグニス…ボク以上に風を操れる奴は存在しない!!》

マスターデュエルのフィールドに吹き荒れるデータストーム…その状態から行われる行動は1つしかない…!

 

 

《スキル発動!【ストームアクセス】!!》

 

「っ…マスターデュエルでストームアクセスだと!?」

 

「今のは…まさか!!」

それは掟破りのマスターデュエルでのスキル発動…流石のリボルバーも驚愕する中、遊作達はその光景に覚えがあった!

 

 

 

「まさか…!ボーマンとお前達は手を組んでいるのか!?」

 

《その通り…気付くの遅っそ!》

 

《だから、ボーマンの奴もストームアクセスを使えたのか…!!って事は…!?ウィンディ!お前ら…草薙の弟や遊海が何処にいるか知っているのか!?》

 

「っ…まさか…!」

ウィンディ、そしてライトニングとボーマンが手を組んでいる事に気付いた遊作達…そして、遊作は気付いた…高い実力を持つはずの遊嗣が、ライトニングに一方的に負けてしまった理由に…。

 

 

 

そして、デュエルは進む…ウィンディはストームアクセスによって手にした切り札「嵐闘機艦バハムート・ボマー」を喚び出す。

その1つ目の効果は特殊召喚時に相手のカード1枚を破壊し、相手に500ダメージを与えるというもの…その効果によって「ヴァレルロード・ドラゴン」は破壊され、攻撃によって「スピードローダー・ドラゴン」も破壊された事でリボルバーは残りライフ600まで追い詰められてしまう…。

さらにウィンディは「嵐闘機スカイフィッシャー」を召喚、リボルバーの墓地の「魔法の筒」をセットさせる事で「バハムートボマー」の第2効果を発動、「魔法の筒」を破壊し、さらに500ダメージを与える事で残りライフ100まで追い詰める…!

 

 

 

《おい、プレイメーカー…リボルバーの奴、やられちまうぞ…!》

 

「いや…奴はライフが尽きるまで諦める男ではない」

 

『その通りだ』

 

《あっ…ハノイの三騎士!?》

絶体絶命の状況となったリボルバー…しかし、遊作は動じていなかった、4度に渡ってデュエルした()()()()として…リボルバーの事を信じていたからだ。

さらに、そこへファウスト・バイラ・ドクターゲノムがやって来る…ウィンディの配置したエコー軍団を殲滅してきたのだ…!

 

 

《おいおい!お前らの大将、残りライフ100だぞ!?》

 

『だから、どうだというのだ?ゼロではない…それで十分だ』

 

『敗北なんてあり得ない』

 

『リボルバー様は必ず勝利する』

 

《絆が強い!?》

リボルバーに忠誠を誓い、信頼する三騎士達…彼らは窮地に陥ったリボルバーを見ても動揺を見せなかった。

 

 

《ハッ…そろそろ引導を渡してやるよ!あの世で親父に詫びてきな!》

 

「詫びる?片腹痛いな…!我が大義を成し遂げるまで、我が父に合わせる顔はない!」

既に勝ったつもりでいるウィンディ…しかし、リボルバーは動じない…!

 

 

 

『リボルバー様…』

 

「──バイラ、Yu-Zを診てやれ…恩人の息子を放っておくのは忍びない、私もすぐにカタをつける」

 

『ハッ…!』

 

「リボルバー…お前…」

その時、駆けつけた三騎士に気付いたリボルバーが指示を出す…リボルバーは…ハノイの騎士は確かに『悪』ではある──しかし、彼らにも矜持はあるのだ…。

 

 

『っ…こんなボロボロに…!よくこの状態で消えないで…!?』

 

『……彼は特別に()()なようだ、ウイルスを仕込まれたり、意識データを奪われた訳ではない…デュエルで受けたダメージと…データストームに巻き込まれたか…?単純に強い衝撃を受けて気を失っているだけだな…運が良かった…』

満身創痍の遊嗣を調べ、応急処置を施すバイラとファウスト…生来の頑丈さが…遊海と翠から受け継いだ強さが遊嗣を護っていたのだ。

 

 

 

「っ…おい!?なんだよこの状況…!?なんでウィンディとリボルバーがデュエルしてるんだ!?」

 

「ソウルバーナー!」

 

《不霊夢!!…に、スペクター!?》

 

「遊作!?Ai!?っ…遊嗣!ロマン!!!」

さらに、そこに駆けつけたのは尊と不霊夢を連れたスペクターだった…遊嗣との約束通り、後詰としてハリボテサイバース世界に駆けつけた尊達だったのだが…そこに広がっていたのはハノイの騎士に破壊されたハリボテサイバース世界の廃墟と無数のエコー軍団の残骸…そこでスペクターと出会い、「イグニスの真実を自分の目で見極めろ」と戦いの場に導かれたのだ。

 

しかし、囚われた遊作とAi…そしてズタボロの遊嗣に()()をするハノイの三騎士を見て不霊夢は激昂する…!

 

 

《Ai!この状況はなんだ!?ハノイの騎士!貴様らがプレイメーカーとYu-Zに手を出したのか!!》

 

《ち、違う違う!!オレ達とYu-Zをこんな目に遭わせてるのはアイツら!!ウィンディとライトニングなんだよぉ!!三騎士はYu-Zを助けようとしてくれてんだ!!》

 

《ライトニングっ!?光の!!お前達がやったのか!?》

 

《あ〜あ〜…また来たよ、人間に与する奴が…ライトニング、面倒だから閉じ込めちまえよ》

 

【うむ】

 

キィン─!

 

味方であるはずのウィンディとライトニングによる暴挙に動揺する不霊夢…それを見たライトニングは遊作達と同じく、尊達を捕らえようとするが──

 

 

《させんぞ!エクスペクト・プロテクション!!》

 

ガキン!!

 

【むっ…!?】

 

「おぉ…!流石は草薙さんのプログラム…!」

不霊夢が草薙から託されたプログラムを展開する…それはリンクヴレインズの外であるハリボテサイバース世界でも映像の送信を可能にし、一時的にイグニスのプログラムを弾く事ができるプログラム…それが尊達を守ったのだ。

 

 

《プレイメーカー!Ai!お前達の分だ!》

 

《おお!ありがてぇ!Aiちゃんフライだぜ!今のうちに!!》

さらに、不霊夢は遊作達の分のプログラムを発動…それによって遊作とAiはファイアウォールから脱出、Aiは遊作のデュエルディスクに飛び込んだ!

 

 

《っ…Yu-Z、ロマン、すまない…!お前達だけで行かせるべきではなかった…!》

 

「…手伝える事はあるか?」

 

『…貴方達はリボルバー様のデュエルを見ていなさい、彼は…休ませて回復を待つしかないわ』

そして尊達は治療を受ける遊嗣を守る為に寄り添う…バイラの治療によってアバターに受けたダメージは軽減されていた。

 

 

 

《チッ…人間どもが…!さぁ、リボルバー!お前の幕引きのターンを始めろよ!》

 

「貴様らを根絶やしにしない限り──私に幕引きはない!!」

人間が増えた事に忌々しげな表情を見せるウィンディ…そして、リボルバーはラストターンを始める…!

 

 

 

「雄々しき竜よ!その獰猛なる牙を今、銃弾に変え撃ち抜け!!シンクロ召喚!!現れよ!レベル8!『ヴァレルロード・S(サベージ)・ドラゴン』!!」

 

「あれは…リボルバーの新たなエースモンスターか!!」

運命の舞台へと舞い戻ったリボルバー…その新たなる力…それは「シンクロ召喚」…白銀の装甲を持つドラゴンが咆哮する!

 

 

 

「『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の効果発動!墓地のリンクモンスター『ヴァレルロード・ドラゴン』を装備し、そのリンクマーカーと同じ数のヴァレルカウンターを自身に置く!さらに、このカードの攻撃力は装備した『ヴァレルロードドラゴン』の攻撃力の半分の数値分アップする!!」

 

《なっ…!?》

 

【これは計算外だったようだな?ウィンディ】

 

《あ〜も〜!!これだから人間はキライなんだよ!次から次へと想定外の事をしやがって!!だが、これで終わりだ!「バハムートボマー」の効果発動!!相手の魔法・罠ゾーンのカードを破壊し、500ダメージだ!!》

 

「馬鹿め!だから発想が貧しいというのだ!『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の効果発動!自身のヴァレルカウンターを1つ取り除き、相手のカード効果の発動を無効にする!!」

 

《なにっ!?》

それはリボルバーの決意の強さ…邪なイグニスを断罪する、裁きの銃弾!

 

 

「自分の犯した罪をあの世で詫びろ!!迅雷のヴァレルファイア!!」

 

《ぐっ…ぐわあああ!?》

裁きの銃弾がバハムートボマーを撃ち抜き、ウィンディを吹き飛ばす…揺るがぬ決意が邪悪な意思を砕いたのだった…。

 

 

ウィンディ LP0

 

リボルバー WIN!

 

 

 

 

 

 

【ふむ…見事なデュエルタクティクスだ、人間にしては消すのが惜しい…侮ったな、ウィンディ】

 

《ライト、ニング…》

吹き飛ばされ満身創痍となったウィンディ…しかし、ライトニングはそんな彼を気にする事なく…見事なデュエルを見せたリボルバーを分析していた…。

 

 

「始末しろ」

 

『『『『はっ!!』』』』

 

「っ…待てリボルバー!!」

 

「っ!?お前達、何を─!!」

デュエルが決着し…リボルバーは騎士達に指示を出す…それはイグニスへの()()──()()の執行だった。

 

 

キィン─!ザン!!

 

《ぎっ!?ぎゃあああああ!?!?》

 

《う、ウィンディ─!!》

ウィンディを貫くのは無数の鉄杭…それには対イグニス用の分解ウィルスが仕込まれていた…それを受けたウィンディは激痛を味わいながら無残に溶かされていく…!

 

 

 

《ら、ライト、ニング…たすけ…ライと、に…ん───》

 

【………】

 

《ライトニング!!!》

 

キィン!!

 

溶かされていきながらライトニングへと助けを求めるウィンディ…しかし、ライトニングは動かない…その様子を見たAiが思わず声を上げた瞬間、光の軌跡が走った…ライトニングがウィンディを救ったのだ…。

 

 

「思わず仲間を助けようと声が出たようだな、闇のイグニス……所詮は貴様も同じイグニスか」

 

「Ai…」

 

《っ…(わかってはいたけど、躊躇なく消そうとしやがった……仕方ねぇじゃないかよ……仲違いしても、()()なんだ…!!)》

思わず声を上げてしまったAiを蔑むリボルバー…だが、Aiの胸中は複雑だった…。

 

 

 

【炎のイグニス…フレイム、と呼ばれていたな?キミも人間側か?】

 

《どちらというわけではない》

 

「Aiも不霊夢も、人間とイグニスの争いを止めたいだけだ…!」

 

「いいや…この争いを止める事は、もはや不可能だ」

 

【その点についてはキミと同意見だよ、リボルバー】

不霊夢に自分の立ち位置を聞くライトニング…この戦いを以て、人間とイグニスの対立は決定的となってしまっていた…。

 

 

《待て…待ってくれよ!ライトニング!ウィンディはともかく、お前はもう少し冷静な考えなんだろ!?》

 

【この男のやり方を見ていれば…そうも言ってられないようだ】

 

キィン!!

 

「お前達は…!ボーマン!!ハル!!」

Aiの問いかけにライトニングは冷静に応える…そして、彼は遊作達の仇敵──ボーマンとハルを喚び出した…ボーマンはライトニングの仲間だったのだ…!

 

 

「ボーマン…!貴様!草薙さんの弟は何処にいる!!」

 

【草薙仁の事か?それなら…最初からお前達の前にいるではないか…?】

 

「なにっ…!」

ボーマンに仁の行方を問い詰める遊作…だが、それに答えたのはボーマンではなくライトニング……そして、彼が従えていた「影」を覆っていた光が消えていく…!

 

 

「ライトニング、まさか…お前のパートナーは!!」

 

「彼が、草薙さんの弟…!?」

遊作達の目線の先…そこにいたのはライトニングによって自我を封じられ、傀儡とされてしまった…虚ろな目をした草薙仁だった…!

 

 

 

 

【役者は揃った…最初で最後の話し合いを始めるとしようか】

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