転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

正史とは違い、己の努力で自らを鍛え上げた鬼塚…彼は自分の誇りを取り戻す為に因縁の相手へとデュエルを挑む…!

それでは、最新話をどうぞ!


ただ、お前に勝つ為に

「えっ…!?アースがGO鬼塚に襲われた!?なんで!?」

 

《うん…ほら、世間的にプレイメーカーは神出鬼没の存在だろう…?鬼塚君は中々遊作君と遭遇できない事に痺れを切らして…イグニスを囮に彼と戦う事を思いついたらしいんだ…》

 

「タイミングが悪すぎる…」

 

「すぅ…すぅ…」

10日間も眠っていた遊嗣にロマンが最初に語ったのはアースと鬼塚の激突について…それを聞いた遊嗣は最悪のニアミスに頭を抱える…。

 

 

「でも、鬼塚さんはアースを傷付けるつもりは無さそうな感じだけど…?」

 

《うん…僕はその場にはいなかったから、詳細は分からないんだけど…不測の事態……イレギュラーがあったらしいんだ…》

そして、ロマンは続きを語る…鬼塚と遊作の誇りを懸けた決闘の顛末を…。

 

 

 

 

 

Side遊作

 

 

 

「遊作…もうそろそろ、GO鬼塚に指定された時間だが…」

 

「ああ、オレは逃げも隠れもしない…鬼塚にどんな思惑があろうと、あいつを倒してアースを取り戻すだけだ」

アースと鬼塚の激闘から一夜が明け…時刻はまもなく鬼塚に指定された正午になろうとしていた…。

 

 

「遊作…少しだけど、ボクはGO鬼塚の気持ちが分かる気がする…話してもいいかな?」

 

「尊…ああ、聞かせてくれ」

そんな中、一度は鬼塚と矛を交えた尊が鬼塚の心境を予想する…。

 

 

「たぶん、GO鬼塚は悔しかったんだと思う…リンクヴレインズのカリスマとして、一番上にいたはずの自分がプレイメーカーに負けて…リボルバーにも倒されて、ドン底まで落ちきって……だから、あの人は自分の()()を取り戻す為に遊作と戦いたい……そんな風に思ってるんじゃないかな…?」

 

《あー…確かに、ハノイの騎士との戦いの後…鬼塚の人気ランキング下がったもんな……そこまで引き摺るのかよ…》

 

「鬼塚は悪い奴じゃない…オレやハノイとの戦いであいつの抱えてしまった()()()を晴らす事ができれば…鬼塚もオレ達に協力してくれるはずだ」

自分なりに鬼塚の抱える思いを予想する尊…そして、遊作もまた鬼塚の事を信じていた…戦い方は変わってしまったとしても──ハノイの塔事件で彼が見せた、正々堂々と誇り高く闘う姿が本当の「GO鬼塚」の姿なのだと信じて…。

 

 

「とにかく、全ては鬼塚からアースを助け出した後だ…遊作、頼むぞ…!」

 

「ああ…行ってくる…!!」

そして、遊作と尊はリンクヴレインズへと飛び込んだ…。

 

 

 

………

 

 

 

『待っていたぞ…プレイメーカー…!!』

 

「GO鬼塚…!」

 

《うわ…!?昨日は覆面で分からなかったけど、ガリガリじゃんか!?》

 

《よほど、自分を追い詰めたらしいな…!》

新生リンクヴレインズの市街地から少し離れた浮島エリア…そこで鬼塚は遊作達を待ち受けていた。

その顔に覆面は無く…痩せた体で遊作を睨む瞳だけがギラギラと輝いている…そして、そのデュエルディスクからはアースが姿を見せていた…。

 

 

 

《アース!待ってろ!すぐに助けてやるからな!?》

 

《うむ…》

 

「(アースの様子…何かがおかしい…?まるで、この前のデュエルのように…オレ達を()()()()()としている…?)」

そして、遊作はアースの異変に気付く…人質にされているにしては──アースはあまりにも()()()()()()()からだ。

 

 

 

『プレイメーカー…もう俺達の間に御託は要らねぇ……俺は、お前に勝つ!!勝って未来へと進む!!』

 

「デュエルだ!GO鬼塚!決着をつけるぞ!!」

荒ぶる闘士と静かなる戦士…2人の好敵手がスピードデュエルで激突する!!

 

 

 

 

 

「『スピード・デュエル!!』」

 

 

デュエルダイジェスト プレイメーカー対GO鬼塚

 

 

 

リンクヴレインズで始まった鬼塚と遊作の信念と誇りを懸けたスピード・デュエル…先攻を取った鬼塚はアース戦と同じく、モンスターを伏せてターンを終える。

 

 

対する遊作は攻撃力2000を越えるモンスター達…「リンクスレイヤー」「ストーム・サイファー」「ブート・スタッガード」の3体を喚び出し、鬼塚へと攻撃を仕掛ける。

 

だが、鬼塚は動じない…攻撃された『ダイナレスラー・バーリオニクス』に対して手札の『ダイナレスラー・マーシャルアンガ』の効果を発動する事で戦闘破壊を回避、バトルフェイズそのものを終了させ、最初のピンチを脱する。

 

 

そして…鬼塚は思わぬモンスターを喚び出した…!

 

 

『現れろ…勝利へのサーキット!召喚条件はサイバース族のモンスター2体!!』

 

「「サイバース族指定のモンスターだと!?」」

魔法カード「狂進化」の効果によって遊作のモンスターを利用し、自分の場にサイバース族のモンスターを揃えた鬼塚…彼が喚び出すのは───

 

 

『現れろ!Link-2!「Gゴーレム・クリスタルハート」!!』

 

「なっ…!?」

 

《なにぃぃ!?アースのカード──!?!?》

鬼塚が喚び出したのは()()()()水晶のハート…アースの『魂のカード』だった…その姿を見た遊作とAiは言葉を失う…。

 

 

《お、鬼塚テメェ!!アースのカードをぶん取りやがったのか!?》

 

《違うぞ、Ai…『クリスタルハート』は()()()()()鬼塚に預けたのだ》

 

《はぁ!?何を言ってんだよアース!?》

 

「アースが、自分の意思で『クリスタルハート』を…!?」

鬼塚がアースのカードを使った事で激昂するAi…しかし、人質であるはずのアースの思わぬ言葉に思わず呆けてしまう…。

 

 

《プレイメーカー…鬼塚は私と同じ()()()()()だ、自分のやり方が間違っていると理解していても、お前との決着の為にその身を削って力を磨いてきた……私はそんな彼を見極めたいと思う》

 

《なぁぁ!?お前な!?勝手に鬼塚とタッグ組んでんじゃねぇよ〜!?》

 

《すまない、私は不器用なんでな…》

 

《なんでも不器用で済むと思うな──!?》

 

「(アースは鬼塚に心を許している…つまり、鬼塚は()()()()()()()…!ならば、オレも全力で応えるだけだ!)」

アースの言葉に怒りを通り越して呆れてしまうAi…そして、遊作は鬼塚の心根が変わっていないと確信する。

 

 

《鬼塚、私はAiのようにキミにアドバイスを送りはしない…私の()()…使い熟してみせろ》

 

『おうよ…!存分に借りさせてもらうぜ─!!』

それは不器用なアースなりの鬼塚への激励…それを聞いた鬼塚は獰猛に──しかし、楽しそうに笑っていた…!

 

 

 

デュエルは続く…鬼塚はリンク素材として墓地に送られたリンクモンスター『ダイナレスラー・テラ・パルクリオ』の効果によって墓地のダイナレスラーを蘇生…さらに、『ワールド・ダイナ・レスリング』と『クリスタルハート』の効果を絡め…Link-3のエース『ダイナレスラー・キング・Tレッスル』を喚び出す…!

 

 

『いくぞ…!「クリスタルハート」の効果によって「キングTレッスル」の攻撃力は600アップ!さらに「ダイナレスラー・バーリオニクス」を通常召喚!その効果で「キングTレッスル」に効果を付与する…バトルだ!「キングTレッスル」で「ストームサイファー」を攻撃!フィールド魔法「ワールドダイナレスリング」の効果を受けた「キングTレッスル」の攻撃力は3800だ!!』

 

「くっ…!!」

そして、鬼塚の攻撃が炸裂…遊作のライフが一気に削られる!

 

 

『そして!「狂進化」の対象となっていた「ストームサイファー」が破壊された時!墓地のこのカードを除外して1ドロー!これで、俺はターンエンドだ!』

 

 

 

《おいおい…こんなのアリかよ…》

 

「仕方がない…どちらにしても、オレ達のやる事は変わらない…いくぞ!」

 

アースと鬼塚の思わぬタッグに呆れるAi…しかし、遊作は意に介さず自分のデュエルを続ける。

 

 

続く遊作のターン、サイバースデッキの展開力で『リンクリボー』と『セキュリティ・ドラゴン』を喚び出し、「キングTレッスル」のバウンスを狙う遊作…しかし、鬼塚は「バーリオニクス」の効果で「キングTレッスル」に『自身のリンクマーカー以下のリンクモンスターの効果対象にならない』効果を付与していた事でバウンスを回避する。

 

「キングTレッスル」に効果を通せるのはLink-4以上のモンスターのみ…それを聞いた遊作は鉄壁の守護竜たる『ファイアウォール・ドラゴン』を喚び出す事で再びのバウンスを狙うが…鬼塚はそれを想定していた。

鬼塚は罠カード『ダイナディシード』を発動、「キングTレッスル」以上のリンクマーカーを持つモンスターが効果を発動した事で遊作のフィールドの効果を全て無効化、さらに「キングTレッスル」の効果によって攻撃対象の強制か、攻撃をしない事での効果破壊の二択を迫られ…「ファイアウォールドラゴン」は破壊されてしまう。

 

 

『プレイメーカー…このターンで決着だ!!』

 

 

続く鬼塚のターン、彼は永続罠『ダイナドメイン』を発動…その効果で『キングTレッスル』を手札…エクストラデッキに戻す事でこのターン、鬼塚のモンスターは遊作のフィールドのモンスター効果を受けなくなる…さらに、『クリスタルハート』の蘇生効果でリンク素材を確保した鬼塚は再び『キングTレッスル』をリンク召喚…「クリスタルハート」と「ワールドダイナレスリング」の効果によってその攻撃力は4400まで上昇する。

 

対する遊作のフィールドには効果を無効にされた『リンクリボー』のみ…万事休すかと思われたが…遊作は墓地の『クロスデバッガー』の効果を発動、『リンクリボー』の攻撃力に墓地の『ファイアウォールドラゴン』の攻撃力を加えた上で戦闘破壊耐性を付与する事でダメージは受けたものの、残りライフ1()0()0()0()で鬼塚の攻撃を受けきった…!

 

 

 

『残りライフ1000…前の俺なら、慌てただろうが…今の俺には堪えねぇ…!お前のスキルはなんとしてでも封じてやる!』

 

「どんな状況であろうと…オレは最後まで諦めない、ライフがある限り…デュエリストは戦う事ができる!!」

残りライフ1000…それは遊作のスキル【ネオストーム・アクセス】の発動条件を満たしている…だが、鬼塚にはスキル発動を無効化し、2枚ドローする【アンチスキル】がある…しかし、絶体絶命の状況の中でも、遊作の瞳は揺らがない!

 

 

 

「オレのターン!ドロー!!っ…いくぞ、Ai!!」

 

《プレイメーカー!?まさか、やるのか!?鬼塚には【アンチスキル】があるんだぞ!?ヤケクソか!?》

 

「鬼塚が自分の本能で自分を鍛え上げたように……オレも自分の本能に賭ける!!」

 

《本能ですか!?というか本当かよ!?……え~い!こうなりゃやるしかねぇ─!!》

遊作のターン…ドローしたカードはそれ1枚では逆転の一手にはなりえない──故に、遊作はスキルを発動する!

 

 

 

「スキル発動!!【ネオストーム・アクセス】!!」

 

『させねぇ!!デュエル中に1度、相手のスキルを無効にする!!スキル発動!【アンチスキル】!!ぶっ飛べ─!!』

Aiの呼び寄せたデータストームに手を突き刺す遊作…しかし、そそのデータストームは鬼塚渾身の正拳突きによって掻き消されてしまった…!

 

 

『しゃあっ!!そして、俺はカードを2枚ドローできる!!次のターンで決着だ、プレイメーカー!!』

 

「いいや──オレはこの瞬間を待っていた!罠カード『ドロー・ディスチャージ』を発動!!」

 

『なにっ…!?』

不発に終わった【ネオストーム・アクセス】…しかし、それは遊作のブラフだった!

 

 

「相手がドローフェイズ以外でカードをドローし、その中にモンスターカードが存在する時!その攻撃力の合計分のダメージを相手に与え、ドローしたカードは全て除外される!」

 

『【アンチスキル】を狙った、カウンターだと!?』

チラリと自分の手札を確認する鬼塚…彼がドローしたのは攻撃力1800の『カポエラプトル』と攻撃力2600の『パンクラトプス』──攻撃力の合計は4400、鬼塚のライフを削りきるに足るダメージとなる…!

 

 

《ここまでか?鬼塚》

 

『いいや…勝つのは、俺だ!!罠カード発動!「ダイナセンス」!!自分フィールドに「ダイナレスラー」リンクモンスターが存在し、相手が罠カードを発動した時!その効果の発動を無効にし、除外!!さらに!自分フィールドのモンスター1体につき300ダメージを与える!俺のフィールドにいるのは「クリスタルハート」「キングTレッスル」「バーリオニクス」の3体!合計900ダメージだ─!!』

 

《げげっ!?》

 

「くっ…!?」

それは鬼塚の渾身の一手…遊作のライフは残り100まで削られてしまう…!

 

 

『お前なら、【アンチスキル】に何らかの対策をしてくると思っていた…!これで、俺の勝ちだ!!』

 

《くそっ…万事休すかよ…!!》

遊作のカウンターを封じ、勝ち誇る鬼塚…流石のAiも敗北を覚悟する…その時だった。

 

 

《────いや、彼らの命運は…まだ尽きてはいないようだ…!》

 

『なにっ?』

何かを感じたアースが声を上げる…全ての策を潰された遊作達──しかし、彼らの本能が()()を呼び寄せる!!

 

 

ゴウッ!!

 

 

「風…?データストーム!?何故だ?【ネオストーム・アクセス】は無効にされたはず…」

 

《──あ…ああ─!?忘れてた─!?》

突如としてリンクヴレインズに風が吹き荒れる…突然の事態に遊作も困惑する中、Aiが声を上げる!

 

 

《いいぞプレイメーカー!お前の()()が本当に奇跡を呼び寄せたんだ!!まだ、終わっちゃいない…奇跡の嵐が吹き荒れるぜ─!!》

Aiの歓声と共に凄まじい規模のデータストームの竜巻が荒れ狂う!!

 

 

《【ネオストーム・アクセス】には()()1()()の効果を設定してたんだ…!ライフが100以下で、新たなカードをスキルによってエクストラデッキに加えていない時、データストームからランダムにサイバース族モンスターをエクストラデッキに加え!さらに1枚ドローできる!!》

 

『ば、馬鹿な!?』

 

《Ai、お前の事だ…()()()()でスキルに効果を加えたのを忘れていたな…?》

 

「まったく──本当にお前らしいアシストだ─!!」

それは【ネオストーム・アクセス】をプログラミングしたAi本人すらも忘れていた、掟破りの()()()()……Aiらしい()()()の行動を笑った遊作はデータストームに飛び込んだ!!

 

 

 

《風を掴め!プレイメーカー!!》

 

「おおおっ!【ネオストーム・アクセス】!!」

それはまさに『死中に活あり』…荒れ狂う嵐の中から、遊作は新たな希望を掴み取る!!

 

 

 

「いくぞ!!オレはレベル4の『ファイアウォール・ガーディアン』と『グイード・スィーパー』の2体でオーバーレイ!!」

 

『エクシーズ召喚だと!?』

遊作の手にした新たな力…それはエクシーズ──電脳空間に現れた巨大な『X』の文字が遥かなる銀河への扉を開く!!

 

 

 

「万物を蹴散らす力の壁よ!今、竜の牙となりて降臨せよ!!エクシーズ召喚!!現れよ、ランク4!『ファイアウォール・X(エクシード)・ドラゴン』!!」

ビッグバンと共に生まれるのは新たな力…重なる星の力を宿すドラゴンが咆哮する!!

 

 

「『ファイアウォールXドラゴン』の効果発動!ORUを全て使い、墓地のLink-4のサイバース族モンスター『ファイアウォールドラゴン』を自身とリンク状態になるように特殊召喚する!そして、自身の攻撃力を自身とリンク状態のモンスターのリンクマーカー1つにつき500アップする!『Xドラゴン』とリンクしているのはLink-2の『クロック・リザード』とLink-4の『ファイアウォールドラゴン』!よって攻撃力は3000アップした5500となる!!」

モンスター同士を繋ぐ『リンク』の力と絆を重ねる『エクシーズ』の力が遊作の道を開く!

 

 

「さらに『ファイアウォールドラゴン』の効果発動!「キングTレッスル」をエクストラデッキに戻してもらう!エマージェンシー・エスケープ!!」

 

『ちぃっ…!まだだ!!永続罠「ダイナドメイン」の効果で「バーリオニクス」をリリースする事で自分フィールドのモンスターは相手フィールドのモンスター効果を受けなくなる!!』

 

「ならば、墓地の『グイード・スィーパー』の効果発動!墓地のこのカードとフィールドの『クロック・リザード』を除外する事でフィールドのカード1枚を破壊する!『ダイナドメイン』の効果を受けない『ワールドダイナレスリング』を破壊!!これで、オレは2体のモンスターで攻撃できる!!」

 

『くっ…!?』

凄まじい効果の応酬…だが、鬼塚のフィールドには攻撃力4400の『キングTレッスル』が残っている…!

 

 

『今の「ファイアウォールXドラゴン」の攻撃力は4500…2体のドラゴンの攻撃が通れば、俺のライフは尽きる…だが!「キングTレッスル」の効果発動!相手の攻撃するモンスターの順番を指定できる!俺が選ぶのは「ファイアウォールドラゴン」!これで、お前のライフが先に──』

 

「バトルだ!『ファイアウォールドラゴン』で『キングTレッスル』を攻撃!!」

 

『なっ…!?』

 

《プレイメーカー!?自滅するつもりか!?》

 

「いいや…!既に勝利へのサーキットは繋がっている!!墓地の『ファイアウォール・ガーディアン』の効果発動!このカードを除外する事で『ファイアウォールドラゴン』の攻撃を無効にする!さらに相手モンスターはこのターン、自分以外のカード効果を受けず!攻撃力は0になる!!」

 

『なっ…攻撃力ゼロだと!?』

それは信念と本能が導いた勝利へのサーキット…鬼塚の心の闇を祓うラストアタック!

 

 

 

「思い出してくれ…GO鬼塚!本当のお前を…子供達の歓声に応える、誇り高いデュエリストの心を!!『ファイアウォール・X・ドラゴン』で『キングTレッスル』を攻撃!!ライジング・クリプト・リミット!!」

 

『っ…プレイメーカー…お前──』

 

その背に青き光の翼を広げた青きドラゴンが飛翔する…その眩き閃光と遊作の言葉は──鬼塚の心の闇を払い、デュエルに決着をつけた…。

 

 

 

 

GO鬼塚 LP0

 

プレイメーカー WIN!

 

 

 

 

 

《見事なワンショット・キルだったな、GO鬼塚》

 

『ははっ……ふはははは!!あーあ…負けた負けた!!何やってんだろうな、俺……あんだけ自分を追い詰めて…それでもプレイメーカーに勝てないなんてよぉ…完敗だ完敗!!けど…なんだか、スッキリした気分だぜ…』

 

《そうか…敗北したとしても、気分の良い敗北というものもあるのだな》

Dボードから投げ出され、芝生エリアに墜落した鬼塚にアースが話しかける…GO鬼塚は憑き物が落ちたように明るく笑っていた…。

 

 

 

《お~い!アース!無事か〜!?》

 

《ああ、問題ない…お前達らしい、予想もつかない良いデュエルだった》

 

「GO鬼塚…」

 

『プレイメーカー…迷惑かけて悪かったな、ようやく吹っ切れたぜ…良いデュエルだった……だが、スキルの第二効果はズルくねぇか?』

 

「それを言ったらスキルを無効にするスキルの方がズルいだろう…Aiのドジがなければ、負けていたのはオレ達の方だった」

 

《ドジってなんだよ!忘れてただけだって!!》

そして、遊作とAiも鬼塚の近くに着地…お互いに健闘を称え合う…お互いの誇りと信念を懸けたデュエルが2人の心を溶かしたのだ。

 

 

 

『約束だ…行けよ、アース…お前にはやらなきゃならねぇ事があるんだろ?』

 

《ああ……プレイメーカー、水のイグニス…アクアから事情は聞いている…私はキミ達の味方となろう、彼女を酷い目に遭わせ、人間を滅ぼそうとする光のイグニスを許す事はできない》

 

《アース…!お前もこっちに付いてくれれば100人力だぜ!》

そして、鬼塚は約束通りにアースを解放…そしてアースもプレイメーカー陣営の味方になると宣言した…!

 

 

 

「鬼塚…お前にも、力を貸して欲しい…敵は光のイグニスと風のイグニス、そしてAIデュエリスト・ボーマン…奴らと戦う為に少しでも戦力が欲しい」

 

『プレイメーカー…だが、お前にはソウルバーナーの奴に炎のイグニスの不霊夢、アース……それにYu-Zだっているだろ?』

 

「………Yu-Zは……ライトニングに倒されてしまった…まだ、意識が戻っていない…」

 

『なっ…!?アイツが…!?』

そして、遊作は鬼塚に協力を打診する…遊作に負けてしまった事で少し自分の事を卑下する鬼塚だったが…同じく『リンクヴレインズの英雄』と呼ばれた遊嗣が倒された事を聞いて目を見開く…。

 

 

『アイツの強さは中々のモンのはずだ…それを倒すって事は相手は相当か…!分かった、力を貸すぜプレイメーカー…!迷惑を掛けちまった分、少しでも力になってやる!』

 

「GO鬼塚…ありがたい…!」

 

《おっしゃ!これで鬼に金棒だ!あとはアクアを見つけて、ブルーガールとゴーストガール…あとはハノイの騎士の奴ら…これだけの戦力があればライトニング達も敵じゃねぇ!!》

遊作とのデュエルによってカリスマデュエリストとしての気持ちを取り戻した鬼塚は遊作の呼び掛けに応じる、戦力が整った事に喜ぶAi……しかし、それは────

 

 

 

 

 

 

「プレイメーカー!GO鬼塚!後ろだ!!」

 

「『はっ?』」

 

【─────】

 

 

あまりにも大きな()だった。

 

 

 

 

《プレイメーカー!危ない!!》

 

『アースッ!?』

 

 

ザン!!

 

 

《ガッ…!?》

 

『あっ…!?』

 

《アースぅぅ!?》

 

「なっ…!?」

 

 

最初に異変に気づいたのは、少し遅れてやって来たソウルバーナーと途中から来たブルーガールだった。

 

穏やかに話し合う遊作と鬼塚の死角に揺らめく人型の()が現れる…しかし、遊作達は気付く事なく──離れた場所にいた彼らは声を上げるのが精一杯だった。

 

 

次に動いたのはアースだった。

 

ソウルバーナー達の声で謎の影に気づいた遊作達…その()は虚空から取り出した巨大な黒い刃の()で遊作の首を狙う…それを察知したアースは渾身の力で遊作を押し飛ばし──身代わりとなって体を袈裟斬りに両断されてしまった…!

 

 

 

【まずは、一匹…】

 

《っ…(体の再生が、効かない…意識が、遠くなる…これが、()か………すまない……アクア)》

鎌に両断されたアースの意識が遠くなっていく。

イグニス達は常識外の存在…例え目玉一つでも残っていれば、自己修復ができる…しかし、アースは再生する事なく、粒子となって謎の影に取り込まれてしまった…!

 

 

《アース…アース!!》

 

「アースが、取り込まれた!?」

消滅してしまったアースを見て叫ぶAi…そして巨大な鎌を携えた影は遊作を視界に入れる…!

 

 

石化の魔眼(キュベレイ)

 

「なっ…!?(う、動けない…!?なんだ、何をされている─!?)」

 

《(や、やばいやばいやばい!?なんだよあのオンナは─!?)》

影から浮き出した目──紫色の長方形の瞳に睨まれた瞬間、遊作とAiはまるで()()したように動けなくなる…!

 

 

【命令…プレイメーカー…抹殺……イグニス…捕獲…】

 

「逃げろ!プレイメーカー!!!」

 

「(っ─!?ここまでか…!!!)」

遊作へとアースを葬った鎌を振りかぶる影…そして──

 

 

 

ザン!!

 

 

「っ…鬼塚!!?」

 

『やらせ、ねぇ…!プレイメーカーは、やらせねぇぞ…!!』

巨大な鎌の切っ先が遊作を庇った鬼塚の胸を切り裂く…だが、鬼塚は鍛え上げた肉体で影の攻撃を受け止めた…!!

 

 

『女か、モンスターか、AIかは知らねぇがよぉ…!!俺の()()()()()()を傷付けたヤツには、容赦はしねぇぇ──っ!!』

 

ギッ…!?

さらに鬼塚は鎌を振り抜いた影を無理矢理抱え込み、フロントスープレックスの要領で頭から地面へと叩き付けた!!

 

 

 

【ダメージ、確認…イグニス…確保を、優先…】

そして、予期せぬダメージを受けた影は…地面に溶けるように撤退した…。

 

 

 

 

『ざ、ざまぁ…みやが、れ……会心の、フィニッシュ、ホールド、だ…』

 

「お、鬼塚!しっかりしろ!!」

 

「鬼塚先輩!!」

会心の一撃を放った鬼塚…しかし、彼は大の字になって地面へと倒れ込む…その胸の傷跡は禍々しい赫色の光を放っていた…。

 

 

「鬼塚…何故、オレを…!」

 

『プレイメーカー…お前を、倒すのは…俺だ…今度は、カリスマデュエリストと、して……お前の()()()()と、して……その前に、お前に倒れられたら、困るん、だよ…』

 

「っ…Ai!不霊夢!鬼塚を助けられないのか!?」

 

《っ…なんだ、このプログラムは…!?対再生・回復特化の電脳ウィルス…!?これは我々の手に余る…!!》

 

《でも、解るぜ…このプログラムを作ったのはイグニス…!ライトニングのヤツだ!!間違いねぇ!!》

 

「ライトニング…!!」

遊作と再戦する為に彼を庇った鬼塚…しかし、その傷は深く…不霊夢やAiは『影』をけしかけたのがライトニングである事を見破るのが精一杯だった…。

 

 

 

『プレイ、メーカー……この、カードを……』

 

《これ…『クリスタルハート』…!アースの…》

 

『アースの、大切な奴に、渡して…やってくれ……アイツの、答えを……誇りを………すまねぇ…プレイメーカー……』

 

「鬼塚…!しっかりしろ!鬼塚!!鬼塚─!!!」

 

「そんな…!!」

そして、遊作とAiにアースの形見である『Gゴーレム・クリスタルハート』を託した鬼塚の身体から力が抜ける…。

誇り高きカリスマデュエリストは目覚めぬ眠りへと落とされ……遊作らしくない悲しみの叫びがリンクヴレインズに響いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ふむ…()()()は上々、と言ったところか……流石は英雄を殺した()()の再現体…柩の中で見ているといい、白波遊海……貴様の()()が愚かな人間共を滅ぼす光景を───と言っても、聞こえないか……ふふ、ははははは!!】

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