転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

鬼塚とアースが斃れ、ライトニングへの怒りが増していく遊作達…そして、残されたアクアは…。


それでは、最新話をどうぞ!


賞金稼ぎの思い〜すれ違う兄妹〜

「っ…遊作君が、謎の影に襲われて…アースと鬼塚さんが…!?」

 

《ああ……アースは謎の影…おそらくはライトニングの差し向けた刺客に致命傷を受けて連れ去られ…鬼塚は…強力な電脳ウィルスを仕込まれて、昏睡状態だ…》

 

「そんな…!!」

ロマンから語られた遊作と鬼塚の激闘…そして、その激闘に水を差した『影』と鬼塚とアースの最期を聞いた遊嗣はシーツを握り締める…。

紆余曲折を経て遊作と和解する事ができた鬼塚…そして、共に戦うと言ってくれたアース…その終わりはあまりにも呆気なく、悲惨なものだった…。

 

 

 

《……謎の影…その正体は分からない…ステルスか、認識妨害か…草薙さんの映像にも揺らめく人型、としか映ってないし…Ai達も一瞬の事で解析どころの話じゃなかったらしい……でも、恐ろしい()である、というのは確かだよ》

 

「っ…新しい敵……僕が、その場にいられれば…!!」

 

《遊嗣…》

新たな恐ろしい「敵」について知らされた遊嗣は拳を握り締める。

ロマンの感知・探査能力はトップクラス…その場にいれば、「影」の襲撃にいち早く気付く事ができたかもしれない…鬼塚とアースを救う事ができたかもしれない…そう考えた遊嗣は倒れてしまった自分を責めていた…。

 

 

 

 

「うーん…ゆうじ、さん…?」

 

「あっ……おはよう、マシュ…起こしちゃってごめん、よく眠れた?」

 

「──はい…えへへっ…」

 

「ん?どうしたの?」

そんな時、居眠りをしていたマシュが目を覚ました…そんな彼女は寝起きのふにゃりとした顔で遊嗣に笑いかける。

 

 

「遊嗣さんが目を覚ましてくれて嬉しいんです…夢じゃなくて、よかったぁ…」

 

「────マシュ…ありがとう…」

 

「えへへ…」

 

《(まったく、この2人は…本当に仲良しなんだから……マシュがいなければ遊嗣は───)》

眠り続けていた遊嗣が目を覚ました事に嬉しそうな笑顔を見せるマシュ…遊嗣はそんな彼女の頭を優しく撫でる。

彼女の笑顔は遊嗣の中に揺らめく()を静かに小さくしたのだった…。

 

 

………

 

 

「もうすっかり暗くなっちゃった…気を付けて帰ってね?」

 

「遊嗣さん…はい!また明日!」

 

「うん!」

DenCityに夜の帷が落ち始める頃、マシュは遊嗣の病室を後にする…その笑顔は今までで一番の明るい笑顔だった。

 

 

 

 

「──遊嗣、目を覚ましてくれて良かった」

 

「あっ…遊作君!?」

 

《オレもいるぜ〜!》

 

《ボクが呼んだんだ、みんなも遊嗣の事を心配していたからね》

そして、それと入れ違いに病室にやって来たのは…ロマンから連絡を受けた遊作とAiのコンビだった…Aiはいつも通りの明るい声で…遊作はほっとした表情で遊嗣の目覚めを喜んだ…。

 

 

 

「体の調子はどうだ?」

 

「うん、大丈夫…ただ、10日も寝てたから…体力が戻るまで少しリハビリが必要だろうって」

 

《それはそうだよ…人間は1週間安静にしていると筋肉が20%も痩せてしまうというデータもある、万全の状態に戻るには少し時間が掛かるだろうね…》

遊嗣に調子を訊ねる遊作…10日間の昏睡は遊嗣に少なくない影響を残していた…。

 

 

《人間のカラダって不便だなぁ…オレなんか、5年間目玉1つでもなんとかなったのに…》

 

《Ai、人間とボク達はカラダの構造が違うから比べたらダメだと思うよ?》

 

《そりゃそうだけどさ》

 

「僕の事よりも、今はライトニング達の事だよ…!鬼塚さんとアースの事はロマンから聞いた……アクアが僕達の味方になってくれた事も……」

 

「そうか……なら、あとはブラッドシェパードの事だな…アイツは自分の信念を懸けてライトニングに挑んだんだ、自分の全てを懸けて…」

 

《まぁ、その辺りの事はアクアとブルーメイデン達からの又聞きなんだけどな》

 

「ブルーメイデン…?」

そして、遊作とAiは鬼塚達の事件の後に起きた出来事について語った…。

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

『葵、こんな所に呼び出して…いったいどうしたんだ?』

 

「……お兄様、教えてください…イグニスとは、いったいなんなのですか…?」

 

『ん…?』

 

「同じ質問をエマさんにしたら…お兄様に聞いた方がいいと…」

鬼塚とプレイメーカーの激突…そして、謎の『影』によるアースの強奪から一夜が明けたデンシティ…その海浜公園で葵とエマ、そして晃は落ち合っていた…。

 

 

「教えてください、お兄様…!イグニスは生きているんですか…?彼らにも、命はあるんですか…!?」

 

『………GO鬼塚とプレイメーカーのデュエルの一部始終は私も見ていた…()()()()が何かにもよるが……彼らは()()を持っている、私達と同じように…誰かを想い、大切にする心…誰かに手を差し伸べる優しさも……消滅…()に対する恐怖も感じていただろう…』

 

「っ…!!!」

葵は正直な所、「イグニス」という存在を理解できていなかった…精々が「ロスト事件で生み出された特別なAI」という認識に過ぎなかった。

 

しかし、鬼塚とアース……謎の影に襲われたプレイメーカーを身を挺して庇ったアースの姿を見た彼女は…イグニスは単純なAIではないと…人間と同じような()を持つ「電脳生命体」である事にようやく気付いたのだ…。

 

 

「お兄様…SOLテクノロジーは、イグニスを捕まえてどうするつもり、なのですか…?」

 

『………おそらくは、イグニスを分解・解析し…自分達に従順な…データマテリアルを生み出す事に特化したAIを作ろうとしているのだろう…そしてクイーンは新たな事業──脳内に埋め込むAIインプラントチップの開発にも執心しているらしい』

 

「彼女なら…分解したイグニスをそのチップに埋め込む、なんて事をやらかしそうね、女の()だけど…ロスト事件なんて大事件に関わっていながらSOLテクノロジーは10年前と全然変わってないのね…」

 

イグニス案件はクイーンの管轄で情報はほとんど晃には下りてこない…だが、晃はクイーンの性格から…エマは情報屋としての直感でクイーンの為そうとしている事を予測していた…。

 

 

 

『今回の事態を見てクイーンはいたくご立腹だ…姿を見せない光と風のイグニス…そして、奪われてしまった地のイグニス…残るは水のイグニスだけだ…そして、水のイグニスは地のイグニスが鬼塚と戦った際に逃がされたらしい…』

 

「必ず、SOLテクノロジーよりも先に水のイグニスを保護してみせます…!」

 

『ああ……私も、近々()()つもりだ…2人とも、気を付けて調査を続けてくれ…!』

そして、葵達は敵のイグニスやSOLテクノロジーよりも早く水のイグニスを保護する為に動き始めた…。

 

 

 

 

 

 

《先ほど感じた胸騒ぎ…あれは…アース、貴方は無事なのですか…?》

リンクヴレインズ某所…秘匿された『地のワールド』…鬼塚の襲撃から逃がされたアクアはアースの世界に身を寄せていた…しかし、主であるアースは戻る事なく…奇妙な()()()が彼女の胸をざわめかせていた…。

 

 

《真っ黒な狂気…それに、胸が痛くなるほどの悲しさ……アース……ごめんなさい…私が曖昧な伝え方をしたせいで、貴方の判断を鈍らせてしまった…》

アクアは気付いていた…既にアースは亡き者にされてしまったのだろうと…自分を慕ってくれていた優しい男を想い、アクアは荒野に小さな芽を芽吹かせた…。

 

 

 

『見つけたぞ…水のイグニス!!』

 

《っ…!!》

アースの事を想い、胸を痛めるアクア…その時、地のワールドに闖入者が現れる…それは『賞金稼ぎ』ブラッドシェパードだった。

彼はアースの痕跡を辿り、地のワールドの座標を探し当てたのだ…!

 

 

『この俺から逃げる事はできない…!観念するんだな!』

 

《っ…覚悟はしていました…私を捕らえたければどうぞ、ただし…私にデュエルで勝てれば、の話ですが…!》

 

『勘違いするなよ?俺はお前を捕らえにきたのではない…()()しにきたんだ!!』

右腕から光線を撃ち出しアクアの捕獲ではなく、()()を狙うブラッドシェパード…それは依頼主であるクイーンの意向に反する事だった…。

 

しかし、ブラッドシェパードは執拗にアクアを破壊しようとする。 

彼は晃から聞かされていたのだ…『イグニスが人間を支配しようとしている』と…それを聞かされたブラッドシェパードは…AI事故に巻き込まれた被害者である道順健碁は激怒した…その怒りを無関係のアクアへと向けているのだ…!

 

 

《くっ…!?》

 

『無駄だ…!イグニスのアルゴリズムを解析し、貴様は既にロックオンされている…!!これで終わりだ!!』

 

《っ…避けきれない!!》

 

必死に弾幕を掻い潜り、リンクヴレインズへと逃げ出したアクア…しかし、ブラッドシェパードは既に照準を定めていた…そして、致命の一撃がアクアへと迫り…───

 

 

ガキィィン!!

 

 

「こっちへ!早く!!」

 

《貴女は…!?》

 

「急いで!!」

激しい衝撃音と共に砲撃が弾かれる…砲撃をDボードで弾いたのはブルーガール…葵だった。

エマと彼女は独自にイグニスを探せるほどの技術はない…しかし、ブラッドシェパードの技術力を知るエマはアタリをつけてブラッドシェパードの動向を追うことでアクアを探し当てたのだ。

 

 

 

『邪魔をするな…!この俺からは逃げられん!』

 

「そうはさせないわ!」

 

『ゴーストガール…!そこを退け!』

 

「悪いけど、それはできないわ…ブルーガールは私の優秀なパートナーだもの…!少しゲームに付き合ってもらうわ!!」

 

『なっ…!!』

葵ごとアクアを狙うブラッドシェパード…しかし、彼の前にゴーストガール…エマが立ち塞がる…そして、その隙を突いたエマは特別なプログラムを展開…ブラッドシェパードを無数の扉のある、西洋の塔を思わせる広い空間に閉じ込めた…!

 

 

[イグニスをロストしました、この空間内では感知できません]

 

『ゴーストガール…!ふざけた真似を─!!』

そして、閉じ込められたブラッドシェパードは怒りの叫びを響かせ、虱潰しに扉を壊し始めた…!

 

 

 

…………

 

 

 

「驚かせてごめんなさい、私達はあなたの味方よ…!あなたを守る為に来たの…だから、安心して…!」

 

《───貴女に助けられたのは、これで()()()ですね》

 

「えっ…?」

一時的な安全地帯…倉庫を模した部屋でアクアへと話かける葵…だが、アクアが口にしたのは思いもよらぬ言葉だった。

 

 

 

「あら…?ブルーガール、水のイグニスと知り合いだったの?」

 

《私には嘘と真実を見分けるチカラがあります…今の貴女は虚構の姿…真実の貴女は──葵》

 

「えっ…!?確かに、私は葵だけど…あなたに会うのはこれが初めてよ…?」

ブルーガール…葵に助けられたというアクア…しかし、葵と彼女はこれが初対面だった…そして、アクアはその真意を語る。

 

 

《一度目に助けられたのは10年前のこと…そして、正確には助けられたのは私ではなく…美優という女の子なのです》

 

「美優ちゃん…!?なんで、あなたが彼女の事を?」

それは葵とアクアを繋ぐ、数奇な縁の話だった。

 

 

両親を事故で失い、町から町へと移り住んでいた財前兄妹…そんな生活のせいで友人がいなかった葵と友達になったのが、とある町で出会った美優だった。

お互いに友人の少なかった葵と美優はすぐに意気投合…掛け替えのない親友同士になったのだが…その関係は長くは続かなかった。

 

ある日、美優が母親の大切な指輪を持ち出して葵と遊んでいた時、その指輪を失くしてしまった…それを見た葵は彼女の失敗の責任を全て背負い、彼女を庇ったのだ。

 

そして、その事件の後に葵達は町から離れる事になってしまい…ついぞ再会する事はなかった…のだが…。

 

 

《彼女はあの日、貴女に助けられた事をずっと覚えていました…必ず、もう一度会って…貴女に謝るんだって…》

 

「ち、ちょっと待って!?なんで、イグニスのあなたがそんな事を───待って、まさか…!?」

 

《…はい…美優はロスト事件の被害者の1人…そして、私は彼女から生み出されたイグニスなのです》

 

「美優ちゃんが、ロスト事件の被害者…!?」

それは思いもよらない真実…葵の親友だった美優はロスト事件に巻き込まれていたのだ…!

 

 

「アクア…美優ちゃんは、何処にいるの…!?」

 

《…彼女は今、光のイグニスの電脳ウイルスに侵されて…深い眠りに落ちています…》

 

「そんな…!!」

親友である美優の行方を訊ねる葵…しかし、その答えは非情なモノだった…。

 

アースに逃がされた後、アクアは不霊夢と同じようにオリジナルである美優へとコンタクトを取ろうとした…しかし、ライトニングに先手を打たれてしまっていたのだ。

 

 

 

《私は彼女の電脳ウイルスを除去しようとしました…しかし、光のイグニスの力は強大で私1人ではどうにもなりませんでした…ですが、その時…彼女の記憶の断片が私に流れ込んできたのです…そして、私は知りました…彼女にとって忘れられない、大切な記憶を…》

 

「まさか、アクアとブルーガールにそんな繋がりがあったなんてね…こうなったら、私がすべき事は1つかな…!」

パートナー同士の()()によって葵と美優の友情を知ったというアクア…その話を聞いたエマは決意を固めて立ち上がる…2人の少女の約束を守る為に…!

 

 

 

…………

 

 

 

『ええい…!奴らめ、何処に隠れた…!!』

 

「ふふっ…探しモノは見つかったかしら?」

 

『貴様…!この俺の邪魔をするなと…何度言わせるつもりだ!!』

虱潰しに扉を吹き飛ばし、アクアを探すブラッドシェパード…彼の前にエマが姿を見せる…!

 

 

『ゴーストガール…何故、イグニスの味方をする!!』

 

「そうねぇ…あえて言うなら、()()()()ってところかしら?自分でもらしくないって分かってはいるけど…まっ、そんな時もあるわよ!」

 

『……本気か?』

 

「私はいつだって本気だけど?」

ブラッドシェパードの問いかけに明るく答えるエマ…合理的な彼女らしくない答えにブラッドシェパードも一瞬戸惑うが、エマの覚悟を見て殺気を解き放つ…!

 

 

『ならば、容赦はしない…!P()K()()()()()で勝負だ!』

 

「PKデュエル…プレイヤー・キル…アカウントを賭けた勝負って事ね?」

 

『そうだ…敗者はアカウントを削除し、以後リンクヴレインズにアクセスする権限を失う…貴様にその度胸はあるか!!』

 

「面白いじゃない…PKデュエル、受けて立つわ──()()()!」

 

『っ…!!?』

互いのアカウント、そしてリンクヴレインズへのアクセス権を賭けたPKデュエルを提案するブラッドシェパード…エマはその勝負に乗りながら、ブラッドシェパードに爆弾発言を伝える…そして2人のスピードデュエルが始まった…!

 

 

 

 

 

『「スピード・デュエル!!」』

 

 

デュエルダイジェスト ゴーストガール対ブラッドシェパード

 

 

 

アクアを守る為に始まったゴーストガールとブラッドシェパードのスピードデュエル…それを前にエマはブラッドシェパード…道順健碁の関係を明かす。

 

 

別所エマと道順健碁…2人は腹違いの兄妹だった。

 

 

ブラッドシェパードは先にゴーストガールが自分の妹である事に気付いていた…一方のエマは財前晃と三人で組んだ仕事の際にブラッドシェパードに危険から庇われた事から彼の身元を洗い出したのだ。

そして…ブラッドシェパードは自分と母親を捨てた父に対して憎しみを抱いていた…。

 

 

しかし、そんな私情は関係ないとばかりにブラッドシェパードはデュエルを進める。

 

対するエマも「オルターガイスト」デッキを展開…リンクモンスターである「オルターガイスト・ヘクスティア」と新たな力であるシンクロモンスター「オルターガイスト・ドラグヴィリオン」を召喚する。

凄まじい展開力の「オルターガイスト」…しかし、ブラッドシェパードも黙って見ているだけではない…遊作を苦しめた罠カード「キャプチャー・ドローン」を発動する事で妨害を狙うが、エマは「ヘクスティア」の効果で「ドラグヴィリオン」をリリースする事でその効果を回避した上で自己蘇生効果を発動…2体のモンスターの攻撃で一気に勝負を決めに掛かる。

 

だが、ブラッドシェパードは甘くない…手札から『ドローン・アステロイド』の効果を発動、攻撃を無効にした上でトークンを召喚して次のターンへと繋ぐ。

 

返しのターン、ブラッドシェパードはエースモンスターである「バトルドローン・ジェネラル」を喚び出し…得意とする「ドローン」射出コンボによるダメージを狙うが…エマは手札から「オルターガイスト・クンティエリ」の効果を発動、ダイレクトアタックを無効にし、「ジェネラル」の効果を無効化する事でダメージを回避しようとしたが…ブラッドシェパードはそれを読んでいた。

 

ブラッドシェパードは速攻魔法「ドローン・フォース・チューン」を発動…新たな力である「コマンドドローン・タブルスナイパー」を喚び出す。

 

そして「ジェネラル」で攻撃を仕掛けるブラッドシェパードに対してエマは『ドラグヴィリオン』の効果で攻撃を無効化するが…それをトリガーとして「タブルスナイパー」にカウンターが乗る…それを見たブラッドシェパードはスキル【ドローン・クラフト・フォース】を発動、「ドラグヴィリオン」を弱体化させ「タブルスナイパー」で攻撃するが…エマは「オルターガイスト・クンティエリ」の効果で攻撃を無効にする…しかし、その時点でブラッドシェパードは勝利は決定的となってしまう。

 

カウンターが2つ乗った事で「ダブルスナイパー」の効果が解放…「ジェネラル」の効果を無効化する効果を無効化した上で1000ダメージを与える。

さらに、自身の効果で2回攻撃を可能とし、与えるダメージを半分にしてダイレクトアタックを仕掛ける…エマにはそれを防ぐ術は既に無く…ダイレクトアタックでダメージを受けた事で「ジェネラル」の効果が起動…僅か3ターンで彼女は撃墜されてしまった…。

 

 

「(負けた…!あの子達を、守れなかった…それに…ゴーストガールは、今日でお終いね…)」

そしてエマは涙を溢しながら、地面に叩きつけられた…。

 

 

ゴーストガール LP0

 

ブラッドシェパード WIN!

 

 

 

 

『………』

 

「いいわよ…約束通り、私のアカウントを消去して…でも、最後にこれだけは聞いてほしいの」

 

『……なんだ?』

デュエルが決着し、エマにデータを破壊する銃口を突きつけるブラッドシェパード…そんな彼にエマは彼に伝えなければならない()()を伝える…。

 

 

「………父は去年、病気で亡くなったわ…」

 

『……()()()()()、それがどうした』

 

「父は、亡くなる直前まで…ずっと兄さんの事を気にしていたの…!『健碁が困っていたら、助けを必要としていたら必ず助けてくれ』って…!」

 

『───────』

それは既に亡くなった父親の最期の願い…新たな家庭を築きながらも、エマの…健碁の父親はずっと彼の事を気に掛けていたのだ…。

 

 

「言いたい事はそれだけよ!!さぁ、煮るなり焼くなり好きにして…!」

 

『……フン…』

 

「あっ…ちょっと…!?兄さん…?」

覚悟を決めて座り込むエマ…しかし、そんなエマの…()の姿を見たブラッドシェパードは…彼女のアカウントを消去する事なく、その場から立ち去った…困惑するエマを残して…。

 

 

 

「お〜い!ゴーストガール!!大丈夫か〜!?」

 

「ソウルバーナー…プレイメーカー…」

ブラッドシェパードが去り、隔離エリアが解除される中…その場に遊作と尊が駆けつける…草薙がブラッドシェパードに追われるアクアと彼女達に気付き、慌てて駆けつけたのだ。

 

 

「ブラッドシェパードは?」

 

「帰っちゃったわ…私なんか、プレイヤー・キルするまでもないって感じかしら…」

 

「(ブラッドシェパードがゴーストガールを…アクアを見逃した…?あいつは目的の為には手段を選ばない…そんな奴が彼女を見逃したのは…何故だ…?)」

彼女達を追っていたブラッドシェパードの行方を尋ねる遊作…しかし、エマから見逃された事を聞き…彼らしくない行動に疑問を抱いていた…。

 

 

《アクアは無事か!?あいつも追われてたろ!?》

 

「アクアも私もここにいるわ!」

 

「ブルーガール…」

 

《あっ…!アクア!》

 

《久しぶりね闇のイグニス、炎のイグニス》

そして、エマに匿われていたブルーガール…そして、彼女のデュエルディスクに宿ったアクアが姿を見せる…彼女の姿を見たAiは嬉しそうに声を上げる…。

 

葵は親友である美優を助ける為、アクアのパートナーになったのだ。

 

 

《あっ、そうだ!オレはこっちではAiって呼ばれてんだ!》

 

《私は不霊夢…不屈のたま──》

 

《長い説明はあとあと!アクア、どうしてブルーガールのディスクに?》

 

「アクアのオリジナル…ロスト事件に巻き込まれた女の子は、私の親友なの…!その彼女が光のイグニス…ライトニングのせいで苦しんでる…私とアクアは美優ちゃんを助ける為にアクアと一緒に戦う…!その為に、私も()()()()()()わ!!」

遊作達にアクアと美優の為に戦う覚悟を伝える葵…その姿が光に包まれながら変わっていく。

 

青いセミショートの髪はウェーブのかかった水色のセミロングの髪型に…服装は動きやすさ重視から戦う為の衣装へと変わっていく…!

 

 

「これが私の戦闘モード…!ブルーメイデンよ!」

 

「ブルーメイデン…すっごく似合ってる!」

アバターを新たな装いへと変えたブルーガール…ブルーメイデン、今までの姿に比べて凛々しさの増したアバターに尊は興奮気味に声を上げた…!

 

 

 

《あっ…そうだ、アクア…これを受け取ってくれよ……アースの形見だ…》

 

《アース…やはり、彼は…》

 

《うむ…彼は不器用な者としてGO鬼塚にシンパシーを感じたらしい…プレイメーカーとの戦いは熱いデュエルだけで終わったのだが……ライトニングのけしかけてきた正体不明の刺客に襲われたプレイメーカーを庇って…》

 

《私も、感じていました…アースの悲しみと、彼を襲う狂気を……アース…ごめんなさい…》

 

「アクア…」

そして、Aiは悲しそうにアースの形見…「Gゴーレム・クリスタルハート」をアクアに手渡す…そして、不霊夢が彼の最期を伝える…。

 

 

《アースは自分のデュエルにおいて、「クリスタルハート」を守り続けた…キミがそれを持っていてくれれば、アースも報われるだろう》

 

《……感じます…アース…貴方は、人間と寄り添う道を選んだのですね…貴方の分まで、私達も戦います…貴方の答えを無駄にしない為に…!》

そして、アクアは「クリスタルハート」に宿る温かな想いを…アースの答えをしっかりと受け取ったのだった…。

 

 

 

「また一緒に戦う時が来たわね、プレイメーカー…GO鬼塚とYu-Zはいないけど…2人の…ううん、アースの分も…私達が力になるわ!」

 

「ああ…!」

 

「これで役者は揃った…という感じね…!」

遊作とAi、尊と不霊夢、葵とアクア…そしてゴーストガール…人間とイグニスの新たな未来を願う新時代の勇者達がここに集結する…!

 

 

「敵は光のイグニス・ライトニング…!草薙さんの弟と、恩人を救い出す為に…!」

 

「美優ちゃんを助ける為に!」

 

《そして、サイバース世界を再建する為に…!》

 

「俺達は戦うんだ!!」

自分達の戦う理由を確認した遊作達は手を重ねる…最後の戦いの始まりはすぐそこまで迫っていた…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………今まで考えてもなかったが……SOLテクノロジーはイグニスを手に入れて、どうするつもりだ…?』

 

そして、ブラッドシェパードにもまた…自身の誇りを懸けた戦いが迫っていた…。

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