転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

紆余曲折を経てプレイメーカー陣営の仲間が増えていく中、孤高なるバウンティハンターは我が道を往く…その先に破滅が待っていようとも…。

それでは、最新話をどうぞ!


孤高の狼の生き様〜光速のデュエリスト〜

「こ、これはいったい…!?何のつもりです!カイバーマン!!」

 

『何のつもり?それはオレの台詞だ、クイーン…多少()()()を利用するだけなら見て見ぬ振りをしてやろうと思ったが…気が変わった!』

GO鬼塚とプレイメーカーのデュエルから数日…SOLテクノロジー社は騒然としていた…突如としてカイバーマン率いる海馬コーポレーションの社員達がSOLテクノロジーに押し入ったのだ…!

 

 

 

『SOLテクノロジー社の筆頭株主「キング」たる海馬コーポレーション社長の名代としてクイーン、貴様を職務停止並びに出勤停止処分とする!期限はイグニスに関する問題が解決するまでの()()()だ!』

 

「なっ…!?そんな事が罷り通るとでも!?」

 

『証拠は既に上がっている…「イグニスへの不干渉」という契約を破って秘密裏に「賞金稼ぎ」を雇い、イグニスと関係するプレイメーカー・Yu-Z、並びにブルーエンジェルを襲撃させた事!さらに…なんだこの人道に反する実験の数々は…!!貴様らは「ロスト事件」の教訓を忘れたか!!』

 

「っ─!?」

カイバーマン…デュエルロイド瀬人が空中に無数の証拠画像を提示する、そこにはクイーンが「賞金稼ぎ」ブラッドシェパードと接触する様子や…極秘裏に開発を進めていた「AIインプラントチップ」の違法実験の証拠…SOLテクノロジーの「闇」がこれでもかとばかりに並んでいた…。

 

 

 

『貴様には追って沙汰を下す…お前達、クイーンを丁重に自宅まで送り届けろ』

 

「っ…私は…私はSOLテクノロジーの利益の為に!!」

 

黙れ!!会社の利益の為ならば、何をしても良いなどと言う考えは大間違いだ!!貴様には人の上に立つ資格などない!恥を知るがいい!!』

 

「っ───………」

クイーンは徹頭徹尾、SOLの利益の為にイグニスを狙い…後ろ暗いインプラントチップの作成にも手を出した…しかし、それは瀬人の…「海馬瀬人」の逆鱗に触れ…その一喝にクイーンは崩れ落ち、KCの社員によって連れ出されていった…。

 

 

「カイバーマン…」

 

「財前か…貴様からの情報提供によってクイーンが暴走する前に止める事ができた、感謝する」

 

「私は…イグニスの()()を知りたい、その為に貴方の力を利用させてもらっただけです」

 

『フッ…それで構わん』

そして、晃が瀬人のもとを訪れる…彼は真実を知る為に瀬人を利用したのだ。

 

 

『して…ブラッドシェパードはどうなった?』

 

「……彼はSOLから去りました…どうやら、クイーンは『イグニスの抹殺』という名目で彼を雇ったようですが…実態はイグニスのデータを解析する事でさらに高性能な、新たなイグニスを作るという計画だったようです」

 

そして…クイーンが雇ったブラッドシェパードは既にSOLから離れていた…彼はSOL…クイーンの目的に疑念を抱いてSOLのメインコンピューターをハッキング、クイーンの本当の目的である「新イグニス作成計画」を知った事でSOLと袂を分かったのだった…。

 

 

『フン、女狐め……ブラッドシェパードはなんと言っていた?』

 

「何も…ただ、彼はAIを強く憎んでいる男です…おそらくは…」

 

『独自にイグニスを狙うか…フン、脅しは掛けたが…効くような男ではないか…光と風、奴らに少しでも痛手を与えられればいいがな』

晃からブラッドシェパードの手に入れたデータを受け取る瀬人…そして、彼の演算と経験は…既にブラッドシェパードの末路を予見していた…。

 

 

 

『それよりも、だ…財前、お前にリンクヴレインズのセキュリティ強化と並行して用意して貰いたいモノがある』

 

「──はっ…?」

 

 

 

Side???

 

 

 

『残ったイグニスは…俺が失ったこの手で葬り去る…!』

一方その頃…SOLと袂を分かったブラッドシェパードは夕暮れのリンクヴレインズにいた…彼は依頼を遂行する「賞金稼ぎ」としてではなく──道順健碁としての強い意思でイグニスを葬る決意を固めていた。

全ては自分と母親の運命を狂わせたAIに復讐する為に…。

 

 

『───ハノイの騎士か』

 

「父親を失い、心に大きな穴が開いたようだな…ブラッドシェパード」

 

『貴様…俺の正体を知っているのか?』

 

「ハノイの騎士に…私に知らぬ事などない」

その時、ブラッドシェパードの背後に人影が現れる…それはとある目的の為にブラッドシェパードに会いに来た…ハノイの騎士、リボルバーだった。

 

 

 

「お前の目的も理解している…自分達を捨てた父親に対する憎しみ、母親を不測のAI事故で傷付けられた事によるやり場のない怒り…それをAIに向けたのだろう?そして…その()()()は父親が死んだ事で消えるものでもあるまい、行き場を失った復讐心は出口を求めてさらに強まるはずだ」

 

『知ったような事を言うな…!!母をあんな姿にしたAIは、決して許さない!!』

 

「そうだ…私が求めているのは、その()()()だ…()()()()()こそ、我がハノイが求めるモノだ」

 

『なに…?』

ブラッドシェパード…道順健碁の行動指針を分析するリボルバー…自身の内面を言い当てられたブラッドシェパードは怒りを露わにするが、リボルバーはその怒りを目当てに彼に接触したのだ。

 

 

「ブラッドシェパード…我々には時間が残されていない」

 

『何の話だ…?』

 

「イグニスの一部が人類に宣戦布告した…今こそ、奴らを殲滅する時だ」

 

『なっ…宣戦布告だと!?』

リボルバーの言葉に流石のブラッドシェパードも取り乱す…晃は彼の()()を避ける為、一部の情報を隠していたのだ。

 

 

「ブラッドシェパード、我らハノイの騎士とお前の目的は一致していると思わないか?」

 

『……お前達、ハノイの騎士と手を組め…と言うのか?』

 

「そうだ」

AIを憎むブラッドシェパードをハノイの騎士へと勧誘するリボルバー…だが…。

 

 

『フン…!この俺が貴様らのような得体の知れない連中に、尻尾を振ってノコノコついて行くと思うのか?』

 

「フッ…()()()のプライドを捨てきれない、という訳か…ならば、力で従わせるしかないな」

 

『ほう、大した自信だな…!しかし俺は…カウント3つでお前を消す事もできる!!1つ…2つ!!』

 

「ぬるいな、その程度か?」

 

『なっ…!?』

リボルバーに対して右手の銃口を向けるブラッドシェパード…だが、リボルバーは目にも止まらない速度でブラッドシェパードの背後に回り込む……ブラッドシェパードの実力は高い…しかし、それ以上にリボルバーは電脳世界を熟知していた…。

 

 

「お前は目的の為なら手段を選ばない…デュエルAIに嘘を言わせて敵を欺く事や相手のトラウマを戦略に組み込もむなどの搦手も厭わない…だからこそ、私はお前を選んだ」

 

『……面白い、ハノイの騎士の実力…試してみたくなった…!』

強い復讐心を持ち、搦手を厭わず目的の為には手段を選ばないブラッドシェパードを高く評価するリボルバー…そんな彼はブラッドシェパードを勧誘すべく、マスターデュエルを仕掛ける。

 

 

しかし、そのデュエルは僅か3ターンで決着する事になる。

 

 

 

 

 

1ターン目、先攻を取ったリボルバーはカードを1枚伏せるだけでターンを終える。

 

2ターン目、ブラッドシェパードは「ドローン」デッキを展開…「バトルドローン・ジェネラル」をリンク召喚して必殺コンボでリボルバーのライフを大きく削るが、リボルバーが喚び出した「チェックサム・ドラゴン」によって攻撃を耐えられる。

さらに「バトルドローン・ウォラント」と魔法カード「ブリッツ・ドローン」による効果ダメージで勝負を決めようとしたが…リボルバーの伏せカード『王宮の勅命』で魔法カードの効果が無効化される。

 

そしてそのカードはライトニング一味の操る、規格外の魔法カード…リンクマジック「裁きの矢」への対抗手段の1つでもあった。

 

 

3ターン目…リボルバーはブラッドシェパードの妨害をものともせずに『ヴァレルロード・S・ドラゴン』をシンクロ召喚…その強力な効果と「DMZドラゴン」による2回攻撃付与によってブラッドシェパードを下したのだった…。

 

 

 

 

 

『ぐっ…これが、ハノイの力か…!』

 

「反逆したイグニス達の力は強力だ…今のお前では、奴らの使うリンクマジックに対抗するのは難しい…このデュエルを教訓にするのだな」

 

『っ…貴様のアドバイスなど、必要ない!この()()はいずれ…』

 

「貸し借りは嫌いな男だと聞いていたが?」

 

『………お前はそれだけ()()な相手だったという事だ…!』

リボルバーの圧倒的な実力を前に膝をつくブラッドシェパード…リボルバーの目的、それはハッカーとして高い実力を持つブラッドシェパードを仲間に引き入れる事。

そして、次善の策として…高い実力を持つが故にライトニング陣営に狙われる事を危惧して『裁きの矢』への対処法を伝える事…ブラッドシェパードもようやくその意図を理解したのだ。

 

 

『この借りはいずれ返す…!』

 

「──荒野を彷徨う、孤高の狼…ブラッドシェパード…その荒ぶる魂、我が期待に違わぬな…」

捨てゼリフを残してリンクヴレインズから去るブラッドシェパード…その生き様にリボルバーは感心していた…。

 

 

 

…………

 

 

 

『……父さん…』

翌日、ブラッドシェパード……道順健碁は彼岸花の花束を手に、デンシティのとある墓地を訪れていた……そこには去年亡くなった父親の墓があったのだ。

 

 

『…父さん、幼い俺と母さんを捨てたアンタの事を恨まない日はなかった…だが───』

健碁は父親の墓に花束を供える…彼岸花の花言葉は「悲しい思い出」…そして「独立」…。

 

ブラッドシェパードは薄々理解していた…次の()()が自分の運命を変えるモノになるだろうと……その前に父親とケジメをつけに来たのだ。

 

 

「──兄さん…?」

 

『……エマか』

その時、墓地にもう1人の来訪者が現れる…それはコスモスの花束を手にしたゴーストガール…別所エマだった。

健碁はマフラーやサングラスで顔を隠した不審者スタイルだったが…エマはひと目でその正体に気付いていた…。

 

 

「ここへ来てくれるなんて…父さんを許してくれたのね…」

 

『……お前は誤解している…俺はここにアイツと決別しに来ただけだ』

 

「……そう…」

墓参りにやって来た健碁を見たエマは嬉しそうに笑うが…健碁はぶっきらぼうに応える…その姿にエマは悲しげに表情を沈ませる…。

 

 

「……兄さん、今…リンクヴレインズで大変な事が起ころうとしているの…!」

 

『イグニスの反乱か』

 

「知ってたの…!なら、話は早いわ…お願い、私達に協力してほしいの…!私達5人…8人でも光のイグニス達の居場所を見つけられないの…だから…!」

 

そして、エマは健碁へと光のイグニス捜索の協力を求める…。

プレイメーカー・ソウルバーナー・ブルーメイデン・ゴーストガール…そして草薙と3体のイグニス…それだけのメンバーで捜索してもリンクヴレインズはあまりに広く、全域を探す為の協力者が必要だったのだ。

 

 

『俺は一匹狼のバウンティハンターだ…誰とも手を組む気はない……それに、俺には新たに()()()()()ができた』

 

「やるべき事…?」

 

『──エマ、お前こそ今度の一件から手を引け…今度の相手は危険すぎる』

 

「っ…待って!兄さん!……兄さん……」

しかし、健碁はその要請を断り…エマに背中を向けて立ち去る。

 

 

その背中は…戦場に向かう兵士のような覚悟を感じさせた…。

 

 

 

 

 

『イグニスの奴らめ…必ず追い詰める!!』

戦う覚悟を決めたブラッドシェパードはリンクヴレインズに飛び込む…そして、強力なスキャンプログラムによってリンクヴレインズを虱潰しに探し始める…当然、その動きは()も知る所となり…。

 

 

【動き始めたか、ブラッドシェパード…ならば…相手をしてやる】

 

 

………

 

 

『っ…なんだ?この反応は…?』

リンクヴレインズへとローラー作戦を仕掛けるブラッドシェパード…その時、彼のレーダーが異常な反応を検知する…!

 

 

 

【我を過ぎれば憂いの煌めきあり……我を過ぎれば苦しみの輝きあり……我を過ぎれば滅亡の光あり───汝、ここに入る者…一切の希望を捨てよ…】

 

『向こうから戦いを挑んできたか…いいだろう…!!』

その時、リンクヴレインズにダンテの『神曲』を思わせる詩を詠む声と共に、黄色の光を放つゲートが現れる…それはイグニスからの挑発…それに乗ったブラッドシェパードはゲートへと飛び込んだ…!

 

 

 

 

『──お前は何者だ?イグニス』

 

【ブラッドシェパード、君は絶望の果てに何を見るのか……ようこそ、我が宮殿へ…私は光のイグニス、ライトニングだ】

 

『貴様が人間に宣戦布告したというイグニスか…!』

 

【そうだ】

ゲートを潜った先…そこに広がっていたのはきらびやかな宮殿…リンクヴレインズにおける光のイグニス・ライトニングの拠点だった…そこでブラッドシェパードは倒すべき仇敵、そして助け出すべき、ライトニングの傀儡にされてしまった少年、草薙仁と対峙する…!

 

 

 

『愚か者め…我々より不完全な存在であるAIに人間が支配される事はない!』

 

【そうかな?私は人間の方がはるかに不完全だと思っているが?()()()()()…それ故に個の存続から脱却できぬ思考傾向…人間こそが()()()()()()種だ】

 

『黙れ!!AIごときが人間に説教するな!!』

 

【フッ…君もまた人間至上主義だったな…ならば、何を言っても無駄か…だが、これだけは覚えておくといい…自分より優れた存在を認めようとしない「人間至上主義」こそが諸悪の根源なのだと】

出会って早々に舌戦を繰り広げるライトニングとブラッドシェパード…しかし、ライトニングは余裕の態度を崩さない…。

 

 

『御託はもうたくさんだ…!デュエルだ、光のイグニス!!』

 

【当然だ…だが、私とのデュエルは君の全てを賭けてもらう事になる】

 

『全て、だと?』

 

【そうだ…わかりやすく言えば()()を賭ける、という事だ…負けた者は全てのデータを奪われる、この少年のように意識データもだ】

 

『俺が勝てば?』

 

【無論、私の処遇は君の自由だ】

それは全てのデータ…そして生死を賭けた()()()()()…命のやり取りを前に、狼は獰猛に笑う…!

 

 

 

『フン…その言葉、忘れるなよ…いいだろう!俺はバウンティハンター!負ければ全てを失う世界で生きてきた!!』

 

【素晴らしい…!実に感動的な答えだ!】

賞金稼ぎとして…そして、AIへの復讐者として…ブラッドシェパードは全てを懸けたデュエルを挑む…!!

 

 

 

【『デュエル!!!』】

 

 

デュエルダイジェスト ブラッドシェパード対ライトニング

 

 

 

 

「あれは…!ブラッドシェパード!?」

 

《プレイメーカー!あそこにいるのって…!》

 

「ライトニングと…草薙さんの弟…!!」

ブラッドシェパードとライトニングが激突する直前、ライトニングの宮殿に新たな人影が現れる…それは異常な反応を調査しにきた遊作達4人だった…そして睨み合うブラッドシェパードとライトニング達に驚き、近くに着地する…!

 

 

「ブラッドシェパード!何故、あなたがここに…!?どういう状況なの…!?」

 

『ゴーストガール…お前達に用はない!手を出すな…!これは俺の決闘だ…!!』

 

《こっちだってお前に用があったわけじゃないやい!》

 

「なんでブラッドシェパードとライトニングがデュエルを…!」

ブラッドシェパードに状況を訊ねるエマ…しかし、ブラッドシェパードはライトニングを睨むだけ…予想外の状況にAiや尊も困惑する…。

 

 

【私が彼を招待したのだ…もちろん、君達も招待するつもりだった…()()としてな】

 

《ライトニング…!なんでお前がブラッドシェパードを招待するんだよ!》

 

【フッ…この戦い、我々の戦力は私にウインディ、ボーマン…そして()()が1体…だが、我々を滅ぼしたいと思う者は多い…数的優位は君達にある】

 

《うっ…まぁ、そうだけど…!》

ブラッドシェパードを招き、デュエルを始めた説明を始めるライトニング…彼らの実質戦力は4()()…対する遊作達はサポートする草薙やハノイの騎士達を含めれば10人を超える…ライトニングはその数的優位を縮める為にブラッドシェパードを狙ったのだ。

 

 

【その人数に加え、ブラッドシェパードや他の人間まで君達と手を組まれたら厄介だ…故に、私は本格的な戦いを前に()()()()は刈っておく事にした…】

 

『余計、だと…!!』

 

【そうだ…既にYu-ZとGO鬼塚は始末した…その次に弱い君を始末する為に招待したのだよ、ブラッドシェパード】

 

『───光のイグニス…!貴様は確実に仕留める!!』

それはライトニングの実質的な()()()()…それを聞いたブラッドシェパードは激昂…ライトニングへと殺意を向けた…!

 

 

 

先攻を選んだブラッドシェパードは「ドローン」デッキを展開…エースモンスターたる『バトルドローン・ジェネラル』をリンク召喚し、効果の弾となる『バトルドローン・ウォラント』を蘇生してターンを終える。

 

 

対するライトニングは光のサイバースデッキ…遊嗣を打ち倒した「天装騎兵(アルマートス・レギオー)」デッキを展開…フィールド魔法「天装の闘技場(アルマートス・コロッセオ)」で周囲を古代ローマ風のコロッセオの景色へと塗り替え、凄まじいプレイングを発揮…瞬く間にLink-1の『天装騎兵デクリオン』2体とLink-2の『天装騎兵ケントゥリオン』を喚び出し、キーカードにして()()()を発動する…!

 

 

【そして私はリンクマジック『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』を発動!このカードはリンクモンスターのリンク先となる魔法・罠ゾーンにのみ発動でき、このカードのリンク先のモンスターが戦闘を行なう場合、その攻撃力はダメージステップ時にのみ2倍となる……ただし、このカードがフィールドを離れた場合、リンク先のモンスターは全て破壊される】

 

『(あれが、リボルバーの言っていたリンクマジックか…!!)』

ライトニングの発動した『裁きの矢』を警戒するブラッドシェパード…さらに、ライトニングは2体目の『天装騎兵ケントゥリオン』を喚び出し、ブラッドシェパードに攻撃を仕掛ける。

 

『裁きの矢』の効果を受けた『ケントゥリオン』の攻撃力は3400…ブラッドシェパードのモンスターは敵わず、大ダメージを受けてしまう場面…だが…!

 

 

『貴様の攻撃など見切っている!永続罠発動!「スナッチ・ドローン」!!このカードは相手の魔法・罠ゾーンのカード1枚のカード効果を無効にし、破壊できる!俺が選ぶのは「裁きの矢」だ!』

 

【なにっ…!?】

瞬間、『裁きの矢』が業火に包まれる…ブラッドシェパードは『裁きの矢』のデメリット効果を利用し、ライトニングのモンスターの全滅を狙っていたのだ…!

 

 

『これで「裁きの矢」の効果によって貴様のモンスターは全滅だ!』

 

【なかなかやるな…だが、そういうわけにはいかない…「デクリオン」の効果発動!自分フィールドの『天装騎兵』が効果で破壊される場合、このカードを墓地へ送り、破壊を無効にする】

しかし、ライトニングもそれは想定内…身代わり効果によって2体の『ケントゥリオン』は破壊を免れ、ブラッドシェパードは『バトルドローン・ウォラント』を破壊されてダメージを受ける…しかし、その闘志は鋭さを増していく…!

 

『光のイグニス…次は貴様が一切の望みを捨てる番だ…!』

 

 

ブラッドシェパードのターン…彼は「ドローン」デッキの本領を発揮…「ジェネラル」によるダイレクトアタック付与効果とダイレクトアタックに成功したモンスターをリリースし、その攻撃力分のダメージを与える戦法でライトニングのライフを一気に1200まで削り、ダメ押しの「ジェネラル」による攻撃を仕掛けるが…ライトニングは『ケントゥリオン』の効果で攻撃を無効化する。

 

ライトニングの残りライフは僅か…しかし、ブラッドシェパードは油断する事なく永続魔法「ドローン・ユニティ」を発動…ライトニングのプレイングを注視する…。

 

 

続くターン、ライトニングは永続魔法「天装法典(アルマートス・レークス)」の効果で墓地の『裁きの矢』をデッキに回収…さらに、エースたるLink-3「天装騎兵レガトゥス・レギニオス」を喚び出すと攻撃力の劣る「ケントゥリオン」で「ジェネラル」へと攻撃を仕掛ける。

 

しかし、「ジェネラル」は永続魔法「ドローン・ユニティ」の効果によって戦闘時にフィールドに存在する「バトルドローン・ウォラント」の攻撃力を自身に加える事ができ、ダメージを与えるには攻撃力3600以上が必要となるが……ライトニングは喚び出していた「天装騎兵シーカ」によって「ケントゥリオン」にバトルする相手を効果破壊する効果を付与する事で「ジェネラル」を撃破…続く「レガトゥス・レギニオス」で「ウォラント」を破壊し、ブラッドシェパードのライフを2300まで削る…!

 

一気に形勢を逆転されたブラッドシェパード…しかし、彼は諦めてはいない…。

 

 

「ドローン・リサイクラー」や「ドローン・キャリアー」と言った補給・蘇生系効果を持つモンスターでエースたる「ジェネラル」を蘇生…さらにシンクロモンスターたる「コマンドローン・ダブルスナイパー」を喚び出し、「ジェネラル」によるダイレクトアタック効果付与で勝負を決めようとするが…ライトニングは「天装法典」によってダイレクトアタックを無効化する。

 

だが、ブラッドシェパードは怯まない…「ダブルスナイパー」であえてダイレクトアタックを仕掛ける事で自身にカウンターを乗せ、ライトニングの「天装騎兵スクトゥム」によって攻撃対象に設定された『ケントゥリオン』へと攻撃を仕掛ける…当然、ライトニングはその攻撃を無効にしようとするが「ダブルスナイパー」の効果によって『ケントゥリオン』の効果を無効にされ…破壊は『スクトゥム』の効果で回避したが、1000ダメージを受けた上で「ジェネラル」の攻撃で「ケントゥリオン」を破壊され…その残りライフは僅か200となる。

 

 

そして、ブラッドシェパードはダメ押しの一手を打つ。

 

 

『我が部隊最強ソルジャー…そして最強指揮官よ…!今、1つとなりて難攻不落の要塞を築け!!融合召喚!!「フォートレス・ドローン・ビーハイブ」!!』

 

ブラッドシェパードは魔法カード「ドローン・フォース・フュージョン」によって切り札たる空中母艦を融合召喚する。

「ビーハイブ」は「ドローン・フォース・フュージョン」の効果で効果破壊されず、シンクロ素材となったモンスターのレベル分だけ乗るドローン・カウンターを消費する事で最大5体の「ドローン・トークン」を特殊召喚でき、フィールドの「ドローン」モンスター1体につき攻撃力は1000アップ。

 

さらに永続魔法「ドローン・ユニティ」によって攻撃力0のトークン達も攻撃力5000になる…それはまさに鉄壁の要塞を思わせる布陣だった。

 

 

しかし、その盤石の布陣は──僅か一手で崩壊する。

 

 

ライトニングのターン、彼が引き当てたのは『裁きの矢』…それを発動したライトニングだが、ブラッドシェパードの「スナッチ・ドローン」によりその効果は無効化され、さらに『キャプチャー・ドローン』によって「レガトゥス・レギニオス」の動きを封じる。

しかし、ライトニングは動じない…彼は『天装騎兵マジカ・アルグム』を喚び出し、効果を発動…自身とリンク状態にある『レガトゥス・レギニオス』に効果破壊耐性を付与した上で自ら『裁きの矢』を墓地に送り、相手フィールドのカードを全て破壊する。

 

それによってブラッドシェパードのフィールドは効果破壊されなかった、攻撃力0の「ビーハイブ」を残して焼け野原と化した…!

 

 

【バトルだ…!『レガトゥス・レギニオス』で『ビーハイブ』を攻撃!】

 

『っ…!!ぐあああっ!!』

 

「ブラッドシェパード!!」

 

大剣が巨大要塞を両断…孤高なる狼は討ち取られてしまった…。

 

 

 

 

ブラッドシェパード LP0

 

ライトニング WIN…

 

 

 

 

『くっ…ぁ…』

 

「ブラッドシェパード!!しっかりして!!」

致命の一撃を受け、崩れ落ちるブラッドシェパード…彼を支えたのは思わず飛び出したゴーストガールだった…。

 

 

『……すまない…エマ……お前の力には、なれなかったな…』

 

「えっ…!?」

 

『妹を守る、のは…()()()()だ…』

 

「だから…だから1人でライトニングに!?」

それはブラッドシェパードの…健碁の()としての不器用な優しさだった。

危険な戦いに臨もうとする妹を守る為に、健碁は兄として…妹の()を倒そうとしたのだ。

 

 

『すまない…エマ────』

 

「兄さん!!!」

 

《えっ…兄さんって…!?》

そして、誇り高き狼…ブラッドシェパードは無数のポリゴンとなって消えていく…兄の消滅にエマは悲痛な叫びを上げた…。

 

 

 

「………ブラッドシェパードのデュエルに落ち度はなかった…そのデュエルを覆すとは…!光のイグニス…恐ろしい相手だ…!!」

そして、遊作達から離れた場所でデュエルを見守っていたリボルバーが苦々しげに表情を歪める…ブラッドシェパードは最善を尽くした……その上で、ライトニングには敵わなかったのだ…。

 

 

【さて、次は君達の番だ…楽しみに待っていてくれ】

 

《っ…待ちやがれ!ライトニング─!!》

そして、遊作達を一瞥したライトニングは草薙仁と共に姿を消したのだった…。

 

 

 

……………………

 

 

 

「っ………」

 

《遊嗣…》

アクア救出の顛末…そして、ブラッドシェパードの最期を聞かされた遊嗣は言葉を失う…1人、また1人とイグニスの被害が広がっていたのだ…。

 

 

「………ごめん、遊作君…みんなが必死に戦っている時に、僕は…!!」

 

「遊嗣…気にするな…とは言えないが…お前1人の責任じゃない」

 

《そうだぜ!一番悪いのはライトニングとウインディの奴だ…お前が落ち込む必要なんてねぇよ!》

 

《ありがとう、遊作君…Ai…》

憔悴する遊嗣を遊作とAiが必死にカバーする…遊作達も大変な思いをしていたが…()()()()()()()()という無力感が遊嗣を押し潰そうとしていた…。

 

 

 

《なぁ、遊作…()()()、遊嗣に伝えた方がいいんじゃないか…?》

 

《ん…?Ai、何か進展があったのかい?》

その時、Aiが申し訳なさそうに声を上げる…どうやら、ロマンも知らない情報を掴んだらしかった。

 

 

 

「………」

 

「遊作君、何があったの…?教えて…!」

 

「……ハノイの騎士、リボルバーから連絡が入った……明日、新生リンクヴレインズで俺達に話したい事があるらしい…」

 

「っ…!!!」

 

それは停滞した事態を動かす、起爆剤となる話し合いの誘いだった…。

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