転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
草薙との辛い戦いをなんとか乗り越えた遊作…そして、ライトニングの外道な行いに残されたデュエリスト達は怒りを燃やす…。
それでは、最新話をどうぞ!
《おい!?どうしたんだよプレイメーカー!?起きてくれよ!?》
『おい…これ…どういう事なんだよ…?これじゃまるで、プレイメーカーがデュエルに勝ったのに、負けたみたいじゃないか…!!』
ライトニングによって仕組まれた草薙との悲しいデュエルになんとか勝利した遊作…だが、あまりにも大きなストレスと精神ダメージを受けてしまった彼は昏倒…Aiが必死に呼び掛け続けるが、目を覚ます様子はなかった…。
『プレイメーカー…!お前はみんなの希望なんだ…!立て!立ってくれ…!!』
【そうだ…立て、プレイメーカー…人類の希望が情けないぞ?立って私と戦え】
《やれる訳ねぇだろ!?!テメェよくもそんな事を!!!》
【デュエルにキレイもキタナイもない…手段を選ばずに倒せる時に倒す……それが
倒れてしまった遊作を心配するカエル達…そして、ライトニングもまた遊作にデュエルを迫るが…彼は誰が見ても戦えるような状態ではない。
それは同じイグニスであるAiから見ても
【さぁ!起きろプレイメーカー!!起きて!私と戦え!!】
《やめろライトニング!!無茶苦茶な事言うな!誰がどう見たって…プレイメーカーが戦えるわけねぇだろ!?》
【なら…無理矢理にでも叩き起こすまでだ…!】
仁の体を操り、遊作を投げ飛ばすライトニング…それでも彼は目を覚ます事はなく…業を煮やしたライトニングはその手にエネルギーを溜める…!
【──そのくらいにしておくんだな、ライトニング】
【ボーマン…】
【我々はもうすぐ人間に取って代わる…その時、我々の戦いの象徴であるプレイメーカーを『正々堂々と倒した』という事が…我々が人間を統べる大きな
【───わかりました…】
その時、事態を静観していたボーマンが声を上げる…あまりにも卑怯・卑劣な行いをするライトニングに対して、流石の彼も思うところがあったのだ。
キィン──
【むっ…?データストームが流れ出した…?】
【何者かが外部から結界を破ったか…】
《あの結界を…?草薙はもういないのに、誰が…!》
さらに、結界で閉じられていたはずのミラー・リンクヴレインズに風が──データストームが吹き抜ける、外部から結界を破った者…それは───
Side???
『ご無事ですか?リボルバー様』
「ファウスト…ああ、よくやってくれた」
『ええ、プレイメーカーの協力者…彼の残したプログラムのおかげです』
花畑エリアに閉じ込められたリボルバーへと通信が届く…ハノイの三騎士が草薙の残したプログラムを完成させ、ミラーリンクヴレインズへのハッキングを成功させたのだ。
「早速だが、このプログラムを光のイグニスに転送してくれ」
『了解しました』
そしてリボルバーはライトニングに向けてとあるプログラム──メッセージを転送する、そして──
「もう1つ、頼みがある…草薙翔一の安全を確保しろ、デンシティ広場のホットドッグワゴンの中だ」
『承知しました…!』
そして、リボルバーはファウストに2つの仕事を頼み、赤黒い空を見上げる…!
「雌雄を決する時だ…光のイグニス…!!」
Side OUT
【行こう、ライトニング…他の4人……いや、
【わかりました…っ…!?これは、リボルバーからのメッセージ…!!奴め…!!!】
《…ひとまず、助かった…のか…?》
結界が破られ、リボルバーとソウルバーナーが自由になった事を察したボーマンは彼らの対処に向かう…そしてライトニングにはリボルバーからのメッセージが届き、苛ついた表情を見せたライトニングはプレイメーカーとAiを残し、リボルバーのいる場所へと向かっていった…!
「っ……ぐっ……ここは…?」
「あっ…遊嗣さん…遊嗣さん!!良かった…!!!」
「ま、しゅ…?──マシュ!!」
「ゆ、遊嗣さん!?」
同じ頃、瓦礫と化した市街地エリアで失神していた遊嗣が目を覚ます…全身の鈍い痛みに顔を顰めながら起き上がった彼が最初に見たのは安堵の表情を浮かべたマシュの姿…それを見た遊嗣は思わずマシュを抱き締める…。
「マシュ…!よかった…よかった…!!っ…痛いところはない!?ダメージは!?」
「あっ…私は大丈夫です…!遊嗣さんが使ってくれた治療プログラムのおかげで…この通りピンピンしてます!」
「よ…よかったぁ……」
《……コホン…2人とも、お互いに無事で嬉しいのは分かるけど…今はそれどころじゃないと思うなー……》
「「えっ…あ…!!///」」
マシュの無事を確かめ、ほっとした表情を見せる遊嗣…そんな時、バツが悪そうにロマンが声を掛け…2人はお互いに赤面しながら飛び退いてしまう。
「ご、ごめんロマン!状況は!?みんなは!?」
《……ブルーメイデンとアクアがボーマンに倒され………プレイメーカーが、草薙さんを倒した》
「────え?」
そして、ロマンによる簡潔な説明を聞いた遊嗣の表情は青褪め…思わず聞き返す。
《……ブルーメイデンは属性メタデッキを扱うボーマンとは相性が悪かった…それでも、彼女は誇り高く…最期まで決闘者として勝利を諦めなかった……そして、草薙さんは……ライトニングによって人質にされている弟さんを助ける為、プレイメーカーとのデュエルを強要されて………プレイメーカーに希望を託して、散っていった》
「そん、な…!?プレイメーカー…遊作君とAiは!?」
《……さっきまでのきみと同じだ、デュエルのダメージと草薙さんを倒してしまった精神ダメージで、失神してしまった…》
「っ──!ライトニング…!!キサマ…貴様ぁぁぁ!!!お前は…お前はどこまでみんなを傷つけるつもりだ!!!」
「っ…!!遊嗣さん!?」
《っ…!!》
ロマンから語られる2つの戦いの顛末…それを聞いた遊嗣は彼らしくない──激しい怒りを宿した咆哮を上げる。
その瞳は紅く明滅し…その怒り方にマシュは戸惑い、アルトリアは静かに聖剣を構え直す…。
『遊嗣!遊嗣!!聞こえる!?聞こえてるなら返事をして!!』
「っ……母、さん…?」
『よかった…!草薙さんとハノイの騎士がハッキングで通信回線を確保してくれたみたい…だから、彩華ちゃんが通信を繋げてくれたの…!』
その時、遊嗣のデュエルディスクから映像が投影される…それはハノイの騎士によるハッキングに相乗りして連絡してきた翠だった…その声を聞いた遊嗣はすぐに落ち着きを取り戻す…。
『状況は分かってる……遊嗣、貴方がそこで怒りを叫んでも…状況は良くならない……まずはプレイメーカー君を助ける事、それが先決よ…ハッキングのおかげで転移プログラムもDボードも復活してるはず…すぐにあの子の所に行ってあげて』
「母さん…」
それは歴戦の決闘者としての指示…失った者を嘆くのではなく、その手で救える者を助ける為の指示だった…。
『マシュ、聞こえているね?』
「お、お父さん…!」
そして続いて投影されたのはマシュの父であるランスローだった…額には冷えピタらしきモノを貼っている。
『お前がリンクヴレインズに向かった理由は聞いた……しっかり、遊嗣君を支えてあげなさい……その代わり、戻って来たら説教は覚悟しておくように、いいね?』
「──はい!ありがとうございます!!」
伝えたい事はたくさんあるだろう…しかし、ランスローは父親として娘の背中を押す…それが戦う者達の力になると信じて…。
『遊嗣!お前…病み上がりなのに無茶しやがって…!』
「凌牙兄…!?」
そして、次は凌牙だった…怒った様子の兄の姿に遊嗣は震え上がる…。
『遊嗣…今、そこで自由に動けるのはお前達だけだ…ライトニングとボーマンはたぶん、お前より強いと
『ちゃんと帰って来なかったら…本当に凍らせるからね!!』
「凌牙兄…璃緒姉…!うん!!」
それは凌牙達なりの励まし…それを聞いた遊嗣はしっかりと頷く…!
《ロマン、そこにいるのは…英霊、「騎士王」アルトリア・ペンドラゴン、彼女に間違いありませんね?》
《母様…はい、マスターのカード、そしてマシュの持つ『盾』と遊嗣の持つ『鞘』を触媒として…マシュの召喚に応じてくれたんです…!》
《貴女が「心」を持つ機械族の精霊…アヤカ、ですね?マーリンから話は聞いています》
そして最後…人間体の彩華がロマンとイレギュラーたる『英霊』アルトリアに問いかける。
《マスターの記憶によれば…貴女のような存在が喚び出されるのは『世界の危機』に対してのはず……こんな事は今までの戦いではありませんでした──貴女は、
《───
《っ!!!》
「彩姉…?」
アルトリアへと目的を問う彩華…その答えを聞いた彩華は目を見開く…。
《破滅の光…!!この事件の裏に、あの存在がいるのならマスターを狙った理由も、ネームレスの再現体がナンバーズを持っていた理由にも説明が…!しかし……!?》
《───アヤカ、事態は急を要します……
《っ…そんな事には、なりません……ロマン、
《はい、母様…!!》
《(
意味深な会話を交わすアルトリアと彩華…その様子を見ながら、アルトリアは何処かを見ていた…。
『遊嗣、マシュちゃん…あなた達は決して孤立無援なんかじゃない…だから、あなた達にできる事をして…!』
「うん…!分かった!!ロマン、お願い!」
《分かった…とにかく、ゆ…プレイメーカーの所に転移するよ!マシュ、遊嗣に掴まって!》
「は、はい!!」
家族からの励ましを受け、情報を得た遊嗣達は遊作を助ける為に動き出す…!
《『ディメンション・ムーバー』実行!!》
キィン!!
そして、遊嗣達はビーコンを頼りに遊作のもとへと向かった…!
Side尊
《ソウルバーナー!結界が消えたぞ!》
「あいつら…!ふざけやがって!!ぶっ倒してやる…!ぶっ倒す!許さねぇ──!!!」
中継が途切れた直後、不霊夢が自分達の動きを制限していた結界が消えた事に気付く…それを聞いた尊は炎の轍を残しながら滑走路を疾走…勢いそのままにDボードに乗り込む。
全ては自分達のヒーローの誇りを…尊厳を踏みにじったライトニングとボーマンを倒す為に…!!
「出てこい!ライトニング!ボーマン!!どっちでも構わねぇ!!俺と戦いやがれぇぇ!!」
ミラーリンクヴレインズに響く尊の怒声…それに応えたのは───
【私が相手になろう、ソウルバーナー】
「ボーマン…!上等だ!お前から、《ぶっ潰す》!!!」
【それは楽しみだ…ついて来い!】
「待ちやがれ!!」
空を駆ける尊にボーマンが並走する…そして尊と不霊夢は仇敵を睨みつけ、ボーマンを追いかける!
【よし…ここがいい】
キィン!!
「っ…なんだ!?」
ボーマンが戦いの場に選んだのは海や湖を再現したエリア…そこでボーマンが手を翳すと…さながらモーセのように水面が割れていき、水底に隠されていた遺跡が露わになった…!
「ここが、戦いの場って訳か…!」
【フッ…水の力を得た私に相応しいフィールドを用意した】
「テメェ…ひでぇ事ばっかりしやがって…!!」
ボーマンの胸元に浮かぶ水の紋章…それを見た尊は怒りを露わにする…!
キィン!
『ああもう!転移ばっかりさせやがって!今度は誰のデュエルなんだ!』
『あれは…ボーマンとソウルバーナーッス!!…なんか、緊張感が凄まじいッス…!?』
『っ…!ハト!しっかり撮れよ!凄まじいデュエルになりそうだ…!!』
『ハイ!!』
そして、カエルとハトの中継コンビも転移させられ、中継が始まる…!
Side???
キィン…!
「プレイメーカー!Ai!!」
《無事かい!?》
《あっ…!?ロマン!Yu-Z!お前達こそ無事で良かった!!プレイメーカーが目を覚まさねぇんだ!!助けてくれ!!》
水鏡の広場に光が煌めき、遊嗣とマシュが転移してくる…遊作に呼び掛け続けていたAiは遊嗣達の無事を喜ぶと共に助けを求めた。
「プレイメーカー…!マシュ、僕のアクセサリーを!」
「は、はい!!」
《彼の手に握らせてあげなさい、それだけで充分に効果があるはずです》
「ありがとう、アルトリア…!」
うつ伏せに倒れ込む遊作を助け起こした遊嗣はマシュから受け取った聖剣のアクセサリー…「全て遠き理想郷」のレプリカを遊作の右手に握らせ、胸元に置く…それだけで遊作の体を薄っすらと聖なる光が覆い、彼の傷を癒していく…。
《こりゃ…すげぇ回復プログラムだ…!アクアも応急処置くらいの修復能力はあるけど、比べモンにならねぇ…!お前、こんなプログラムを何処で…?》
「えっと…露天商のお兄さんから…?僕もよくわからなくって……」
《その露天商は私の知り合いの魔術師…マーリンだったのでしょう、彼はユウミのファンを公言していますから…あなた達に力を貸したくなったのでしょうね》
《へぇ~…って!?気になってたけど、お姉さんどちら様!?Yu-Zの彼女もどうやってミラーリンクヴレインズに来たの!?というより…さっきのバケモンはなんだったんだ!?!?》
《うーん…説明したいけど、時間がない…ソウルバーナーとボーマンが接敵したみたいだ…!》
「「《!!》」」
規格外の回復能力を持つ「全て遠き理想郷」の力に驚き、マシュとアルトリアがいる事に戸惑うAi…しかし、遊嗣達がその疑問に答える前に…モニターにボーマンと対峙する尊の姿が映し出された…!
Side OUT
「ボーマン…!!テメェは絶対に許さねぇ…!!プレイメーカーは、
激しい怒りの炎を燃やす尊……彼にとってハノイの騎士──そしてロスト事件に決着をつけた遊作はヒーローだった。
ロスト事件によって拐われた自分を探す為に後遺症の残る大怪我をしてしまった両親…その姿を見た尊は大きな罪悪感と生きる気力を失った事で道を踏み外して不良になってしまった…だが、遊作がハノイの騎士を倒し、不霊夢と出会った事で…再び彼は立ち直る事ができたのだ…。
「さっきのプレイメーカーと草薙さんのデュエルを見て、よーく解った…!俺達とお前達は決定的に
【キミは不霊夢と友情を育み、共に行動しながらもAIを否定するというのか?】
「俺はそういう事を言ってんじゃねぇ!!…人間とかAIとかは関係ねぇ…お前らは
【ほう───私はいま…
「あぁ…?」
遊作と草薙…大切な仲間である2人を戦わせたライトニング…そして、それを止めなかったボーマンに怒りを向ける尊…だが、その様子を見てなお…ボーマンは場違いな言葉を口にする。
【キミが私を1つの
「ハッ……いいぜ…?お望み通り
自分が意思ある『個』として見られた事に感動したらしいボーマン…しかし、そんな事は怒り心頭の尊には関係なく───誇りと尊厳を懸けた戦いが幕を上げる!!
【「デュエル!!」】
デュエルダイジェスト ソウルバーナー対ボーマン
全てのイグニスを統合しようとするボーマン…そして、仲間を傷付けられた事への怒りに燃える尊が衝突する。
先攻を取ったボーマンは展開力と属性メタを特徴とする『ハイドライブ』を展開…炎属性の『バーン・ハイドライブ』と水属性の『クーラント・ハイドライブ』をリンク召喚、さらにキーカードたる『
対する尊は「
【『ハイドライブ・プロテクション』がフィールドを離れたターン、効果対象となっていたモンスターは効果では破壊されない!!】
「だが、まだ手はある!転生リンク召喚した『ヒートライオ』の効果発動!フィールド上のモンスター1体の攻撃力を墓地の『転生炎獣』モンスター1体と同じにする!俺は『ツインハイドライブナイト』の攻撃力を俺の墓地の『転生炎獣モル』と同じ、攻撃力0にする!!」
【攻撃力0だと!?】
「いくぜ、ボーマン!バトルだ!『転生炎獣ヒートライオ』で『ツインハイドライブナイト』を攻撃!!これは…草薙さんとプレイメーカーの分だああっ!!」
【ぬぅぅぅぅっ!?】
回転する炎の牙がボーマンのモンスターを粉砕…尊の怒りを込めた一撃はボーマンのライフを一気に1700まで削り取る…!!
【流石だ、ソウルバーナー…キミのデュエルの輝きは誇っていい…賞賛に値する…!】
「っ…まだ余裕があるってのか…!!」
《挑発に乗るな、ソウルバーナー!》
「分かってる…だが、俺の怒りはまだ収まっちゃいない!!怒りの炎で…お前達を焼き尽くしてやる!!」
【フッ…キミのその輝きに応える為にも──全力でいかせてもらおう…!】
尊の一撃を賞賛する余裕を見せるボーマン…彼はさらなる力を解き放つ…!
【現れろ!Link-3!『パラドクス・ハイドライブ・アトラース』!!】
《っ…あのモンスターは…!サイバース世界を破壊した…!!》
ボーマンのターン…彼は新たな『ハイドライブ』リンクモンスター……天を支える巨人の名を持つ単眼の怪物を喚び出す…そのモンスターはボーマンがサイバース世界を破壊する時に喚び出した、不霊夢達に因縁あるモンスターだった…!
「っ…大丈夫か?不霊夢…!」
《ああ…!あの時の怒りと悲しみは変わらない…!!このデュエル、故郷の弔い合戦とさせてもらおう…!それが、私の
因縁のモンスターを見た不霊夢…彼は静かに怒りの炎を燃やす…!
【意思…それは非常に厄介なモノだ…意思がなければ、我々AIの進化もなかった…しかし、強すぎる意思が肥大化すれば…人類と同じ、愚かな道を歩む事になるだろう…だが!私ならそのバランスを保つ事ができる!!……不霊夢、敗北を恐れる事はない…恥じる事もない!私はキミを受け入れよう!!】
《……よい機会だ、ここでハッキリと言っておこう!ボーマン、私はお前と共に生きる気など、微塵もない!!》
「そういう事だ…俺達は、貴様を倒す!!」
【───そうか、仕方がない…決着をつけるしかないようだな】
遠回しに意思…人間の持つ
【『アトラース』が特殊召喚に成功した時、サイコロを一度振る…そして『アトラース』の属性はその出目の属性となる…!】
「っ…!?デュエルを
【フッ…今や私はリンクヴレインズそのもの…つまり、
「っ…またか!!」
デュエルの盤面を
Side???
ドクン
「ぐうっ…!?」
「Yu-Zさん!?」
《おい!?大丈夫かYu-Z!?》
ミラーリンクヴレインズを揺らがすボーマンによるノイズの嵐…それを受けた遊嗣は苦しげに胸元を押さえて膝をつく…突然の事にマシュやAiも慌てた様子を見せる…。
《Yu-Z、お前…ハリボテのサイバース世界でライトニングと戦った時から……いや、風のワールドでボーマンと出会った時から…なんか、
「っ…わからない、んだ……でも…ボーマンを──ううん、ライトニングを見た時から…僕の中の
「遊嗣さん…!落ち着いて…!息を深く吸って…!」
《Yu-Z…まさか…!?(あり得ない話ではない…今回の事件に破滅の光が関わっているのなら──ライトニングが
遊嗣の異変に気付いていたAi…その言葉に瞳を紅く明滅させながら遊嗣が漏らしたのはライトニングやボーマンに向けられた強い
その言葉にロマンは──遊嗣の
Side OUT
【私は神となり、全てを光へと導く…神はサイコロを振る──ジャッジメント・ダイス!!】
ボーマンに手の中でサイコロが転がる…その出目は水属性を示す「2」だった…!
【私が出したのは水属性…よって『アトラース』は水属性となる!そして『アトラース』の2つ目の効果!1ターンに1度、サイコロを振り…その出た目と同じリンクマーカーの数の『ハイドライブ』リンクモンスターをエクストラデッキからリンク先に特殊召喚する!ジャッジメント・ダイス!!】
再び振られるサイコロ…その出目は「4」…そのリンクマーカーを持つのは…
【現れろ!Link-4『アローザル・ハイドライブ・モナーク』!!】
「くっ…!?」
ボーマンの場に遊作達を苦しめた巨大な白き翼を持ち、槍を構える半人半蛇のモンスターが現れる…!
【このモンスターがエクストラデッキからの特殊召喚に成功した時、自身にハイドライブカウンターを4つ置く…そして『アトラース』の効果によってリンク先のモンスターは自身と同じ水属性として扱う…炎のデュエリストに相対する手段は炎属性だけではない、そう…私が手にした水の属性…これがキミに相応しい…】
《っ…炎属性のモンスターを無くし、『転生炎獣の神域』の影響から逃れたか…!》
フィールド魔法「転生炎獣の神域」は自分の「転生炎獣」モンスターを相手の炎属性モンスターの効果から守るカード…しかし、ボーマンは『プロパティ・ゼロ』を放棄…確実に尊のモンスターを倒す為の一手を打ったのだ…!
【そして、神は三度サイコロを振る…!『モナーク』の効果発動!ハイドライブカウンターを1つ取り除く事でサイコロを振り…そして、出た目の属性の相手フィールドのモンスター全てを墓地に送り、1体につき500ダメージを与える!ジャッジメント・ダイス!!】
再び振るわれるサイコロ…その出目は「3」──炎属性を示していた…!!
【私が出したのは炎属性──よって『転生炎獣ヒート・ライオ』を墓地に送り、500ダメージを与える!!】
「ぐっ─!?」
モナークの波動によって消し飛ぶ「ヒートライオ」…尊を守る壁はない…!!
【バトルだ!『モナーク』でダイレクトアタック!!】
「っ…!!ぐああああ!?」
『アローザル・ハイドライブ・モナーク』の槍から放たれた光線が尊を激しく吹き飛ばす…そのライフは一撃で残り500まで削られてしまう…!
《大丈夫かソウルバーナー!!っ…!?(なん、だ、?今の衝撃は…?)》
【私はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ】
吹き飛ばされた尊を案じる不霊夢…しかし、その時…不霊夢は何か
「ぐっ…あの野郎…!」
《ソウルバーナー…運を使うモンスターとは一見、無謀にも思える策だが…これは
《計算に基づいた…?なんだそりゃ…?》
一気に追い詰められてしまった尊…彼に対して不霊夢がアドバイスを送る。
《我々AIにはきみ達人間のような
「咄嗟にそんな事、できるのかよ…?」
《うむ…ボーマンがいくら優秀なAIだとしても、ダイスで発生するデュエルパターンは膨大だ…それを瞬間的に計算しきる事は
「ああ……リンクヴレインズは自分自身とか言ってやがったな…だが、そんな事を言ってても仕方ねぇ…!こうなりゃ俺達も運を味方につけるだけだ!!」
人間の持つ発想力や思わぬ
返しのターン、尊は「転生炎獣の神域」のさらなる効果を発動…手札の「
【この瞬間『モナーク』の効果発動!ハイドライブカウンターを1つ取り除き…ジャッジメント・ダイス!!】
《やはり使ってきたか…!》
「ここで炎属性の出目を出されたら…俺の負けだ…!」
再び振られる神のサイコロ…その出目は水属性!!
「よし…!ここから一気に決めさせて貰うぜ!!」
首の皮一枚で繋がったライフ…それを見た尊は魂の炎を燃やす。
転生リンク召喚された「ヒートライオ」でボーマンの伏せカードの除去を狙う尊…しかし、ボーマンは罠カード『パンドラの宝札』によって効果対象を指定され、手札を2枚増やされてしまうが…彼は止まらない。
転生リンク召喚に成功した「ヒートライオ」の効果で『モナーク』の攻撃力を0にする事での決着を狙う…!
Side???
「っ───はっ…!?草薙さん…」
《プレイメーカー!!目が覚めたか!!》
「プレイメーカー…よかった…!」
「Ai…Yu-Z…ロマン…マシュ…そうか…オレは──」
その時、気を失っていた遊作が目を覚ます…「
「……プレイメーカー、大丈夫…じゃないよね」
「──草薙さんが、オレを目覚めさせてくれた……状況を、教えてくれ…!」
《ソウルバーナーとボーマンが交戦中…おそらく、この攻防が山場になる…!!》
辛い戦いをする事になった遊作を案じる遊嗣…しかし、遊作は草薙との約束を守る為に前を向いていた…。
Side OUT
「バトルだ!『ヒートライオ』で『モナーク』を攻撃!!」
【その瞬間、永続罠『サイコロジック』を発動!攻撃モンスターを対象としてサイコロを振り、奇数ならそのモンスターの攻撃力は0となり、偶数なら2倍となる…ただし!このターンにサイコロを振る効果を使用している時、その出た目が5以下の時、その数値は1足した数値として適用できる!】
「なにっ…!?」
《つまり、6を出さなければ…どちらにしても、攻撃力は0か!!》
再び振るわれる神のダイス…その出目は2──つまり3扱いとなってしまう…!
《くっ…奴め…!本当に運の確率を操作しているのか!?》
【フッ…AIの進化速度はキミ達の予想を遥かに上回っている…その世界は加速度的に広がり、人間世界を凌駕する…そして
「だから、人間なんて要らねぇってか!?神様気取りもいい加減にしやがれ!!」
最先端のAIとして人間を凌駕した存在だと言い切るボーマン…神を騙る彼に尊は怒りを露わにする…!
【フッ…いつまでも人間が
「わかってねぇなぁ!!俺にとっての不霊夢はAIである前に
《ソウルバーナー…!》
「正直、俺は機械に疎いから…AIがなんなのかよくわからねぇ…だが、俺は不霊夢のおかげで奮い立つ事ができた…そして、プレイメーカーやYu-Zと出会えたから
それは尊の魂の言葉…彼は不霊夢を無機質なAIだとは思っていない…彼にとって不霊夢は唯一無二の
《ふむ…きみも中々良い事を言うようになっ──ぐうっ!?》
ズキン!!
「っ!?どうした不霊夢!?大丈夫か!?」
尊の成長を喜ぶ不霊夢…しかしその時、不霊夢は唐突な激痛に表情を歪める…!
《なん、だ…このいた、み…!?ぐうううっ!?!?》
「なんだっ!?」
苦しみ悶える不霊夢…その胸から緑色の肉塊のようなモノが飛び出した…!!
《ヒャヒャ…ウヒャヒャヒャヒャヒャ〜!!!》
「っ…!?ウインディ!?!」
【馬鹿な…彼は不霊夢に取り込まれたはず…!?】
下卑た笑い声を上げる肉塊…その正体は不霊夢に取り込まれたはずのウインディだった…体のいたる所のデータが破損した彼はさながら
《ぐ、おっ…ウインディ…お前は…!!》
《言っただろう…不霊夢…!お前を
《あの衝撃はお前が…!?ぐううっ!?》
先のデュエルで尊達に敗れ、不霊夢に取り込まれたウインディ…彼はその身を
「やめろ!不霊夢から離れやがれ…うわっ!?」
《ソウルバーナー!!》
《慌てるなよ…!お前は不霊夢の
不霊夢を助けようと右手を伸ばす尊…しかし、その腕をウインディの肉塊が侵食していく…!
《不霊夢ぅ…お前には散々煮え湯を飲まされたからなぁ…!その礼をたっぷりしてやる…テメェの相棒が喰われていく所を拝ませてやるぜぇ…!アヒャヒャヒャヒャ!!!》
「くっ…!?」
【止めるんだウインディ!!】
《うっせぇ!!俺に指図すんな!!黙って見てやがれぇぇ!!》
仲間であるボーマンの制止も聞かず暴走するウインディ…彼は不霊夢の体を奪いながら、尊を侵食していく…!!
《このまま…では…尊…!!》
ウインディによって主導権を奪われていく不霊夢…その時──
キィン─!!
《っ…?!なんだ、その光は!?》
《この炎…ロマン、お前か…!!》
その時、不霊夢の胸元が光を放つ…それと共に金色の聖なる炎が燃え上がる…!
《うおおおっ!!我が名は不霊夢!!不屈の霊、夢にあらず!!これしきで、倒れては…仲間達に、向ける顔がない─!!おおおおっ!!》
《なっ…貴様…何処にそんな力を!?ふっざけんなぁ───!?!?》
金色の炎の後押しを受けた不霊夢は主導権を取り戻す…そして暴走するウインディを燃やし尽くし、再び自身の中に押さえ込んだ!!
Side???
《不霊夢!!今の光…ロマン!アレ、お前のプログラムか!?》
《うん…Aiがボーマンと接触した時、ウイルスを仕込まれて大変だったと聞いたから…事件の後、ボクの作った甘味のデータにきみ達を保護するプログラムを仕込んでいたんだ…黙っててごめんね…?》
《いつの間に…!だけどファインプレーって奴だぜ!ロマン!》
不霊夢とウインディの攻防を見たAiが声を上げる…ロマンはAi達を守る為、保護プログラムを彼らに気付かれないように取り込ませていたのだ…。
《(だけど、あくまでも保護までしかできない…不霊夢、尊君…どうか…!)》
Side OUT
【信じられぬ…あれほどの侵食を受けて、コントロールを取り戻すとは…!(しかも、あの炎…私でも分析できないだと…?)】
《私の意思と…友の援護を、舐めてもらっては、困るな…!!》
「この野郎…!無茶しやがって…」
《相棒を守る為なら、当然の事だ…》
呪いとなって復活しかけたウインディを押さえ込んだ不霊夢…しかし、そのダメージは大きい…。
《ソウルバーナー…少し、任せる…ダメージが、大きすぎた……》
「──ああ、任せとけ相棒!!」
自分の受けたダメージの大きさを悟った不霊夢がデュエルディスクに引っ込む…そして、不霊夢の命懸けの行動を無駄にしない為…尊は前を向く…!
【私がいながら、何もしてやれずにすまない…だが、私にも負けられない理由がある…!】
「テメェに謝られる筋合いはねぇ…いくぞボーマン!ここからは人間もAIも関係ねぇ…タイマン勝負だ!!」
状況は尊の不利…しかし、彼らの絆の炎は赤く熱く燃え上がる!!
「現れろ!Link-4!『転生炎獣パイロ・フェニックス』!!」
尊は速攻魔法「転生炎獣の炎虞」によってバトルフェイズ中のリンク召喚を行い…紅蓮の不死鳥を喚び出す…しかし──
「『
【これがキミ達の友情のモンスター…だが、攻撃を封じて何をする?】
「はっ…よりでっかい炎を燃やすのさ!!俺と不霊夢の
《ああ…!!燃え盛れ!!ソウルバーナー──!!》
尊と不霊夢…2人の魂の炎が重なり──紅蓮の不死鳥は転生する!
「不死鳥よ!逆巻く炎に身を投じ…不滅の力を呼び醒ませ!!超転生!!リンク召喚!生まれ変われ!!Link-4!『転生炎獣パイロ・フェニックス』!!」
それは全てを超越する炎の転生…紅き不死鳥は青く燃え盛る蒼炎を翼として新生する!!
【超転生リンク召喚…!】
「いくぜ、不霊夢!俺達の新しい力で…ボーマンをぶっ飛ばして、この戦いを終わらせる!!」
《うむ…!これが、我々の最後の攻撃だ!!》
省エネ状態である目玉姿の不霊夢に声を掛ける尊…最後の攻防が始まる…!
「『パイロフェニックス』が転生リンク召喚に成功した時!相手フィールドのカード全てを破壊する!!」
【っ…『アトラース』は自身の効果で効果対象とならず、相手の効果を受けない!!】
「なんだと!?」
全てを燃やし尽くす蒼炎を放つ「パイロフェニックス」…しかし、『アトラース』は自身の効果によって破壊を免れる…!
【さらに破壊された『サイコロジック』の効果発動!エクストラデッキから『ハイドライブ』リンクモンスターを特殊召喚する!現れろ!『アローザル・ハイドライブ・モナーク』!!】
さらに、再び現れる半人半蛇の怪物…その攻撃力は「パイロフェニックス」を上回っている…!
「まだだ!この瞬間、『パイロフェニックス』のさらなる効果発動!!相手フィールドにいるリンクモンスター1体の攻撃力分のダメージを相手に与える!!俺が選ぶのは攻撃力3000の『ハイドライブ・モナーク』だ!」
【そうはさせない…!私は手札から永続罠『
《手札から永続罠の発動だと!?》
さらにボーマンは尊の効果に対して手札から罠カードを発動する、その効果は───
【『裁きの賽渦』の効果!『モナーク』をリリースする事で相手プレイヤーはサイコロを振る!】
「俺に振らせる…!?」
【私は全てを受け入れる…キミ自身で己が運命を見極めるがいい!相手プレイヤーがサイコロを振り、その出た目に応じた属性のモンスターの攻撃力は2倍になり、他の属性のモンスターの攻撃力は0となる】
《つまり、ソウルバーナーが炎属性の出目を出せなければ──》
「ボーマンのターンに再び『アトラース』の効果でモンスターを喚び出され、負ける…!」
【キミの賽の目に人類と我々イグニスの運命が懸っている…さぁ、振りたまえ!】
「面白え…この勝負、受けて立つ!!」
尊自身にデュエルの命運を委ねるというボーマン…それを聞いた尊の右腕が燃え上がる!
「いくぜ…不霊夢!!バーニング・ダイス!!」
尊の気合いと共に空転するサイコロ、その出目は───「3」…炎属性を示す!!
【ほお…!自分の運命を切り開いたか……】
「これで『パイロフェニックス』の攻撃力は2倍の5600…!」
《いけ!ソウルバーナー!!》
「ああ!!バトルだ!『パイロフェニックス』で『アトラース』を攻撃!!受けてみろ…これが俺達の魂の一撃!そして、みんなの怒りだ──!!」
「パイロフェニックス」が蒼炎の不死鳥と化し…『アトラース』へと特攻する──!!
【───だが、そうはいかない…手札から罠カード『ハイドライブ・グラヴィティ』を発動!このカードは元々の攻撃力より攻撃が高くなっているモンスターを対象とする時、手札から発動できる!EXモンスターゾーンに存在する自分モンスターに相手モンスターが攻撃を宣言した時、そのモンスターを自分のEXモンスターゾーンのリンクモンスターのリンク先となる、相手のメインモンスターゾーンに移動する…よって『アトラース』の効果によってリンク先の『パイロフェニックス』は
「なんだと!?」
《しまった…!これでは、『裁きの賽渦』の効果が失われ…『パイロフェニックス』の攻撃力は、0に…!!》
大量の水を不死鳥に吐きかける『アトラース』…それによって不死鳥の炎が消えてしまう…!
【そして『裁きの賽渦』のもう1つの効果…このカードの効果によってモンスターの攻撃力が0になった時、そのコントローラーは元々の攻撃力分のダメージを受ける】
《っ…ソウルバーナー!!》
「っ…あの時から、俺達の動きはお前の
文字通り…尊達の動きはボーマンに先読みされ、掌の上だった…それに気付いた所で後の祭り……ボーマンの罠カードから放たれた衝撃波が尊を吹き飛ばした…。
ソウルバーナー LP0
ボーマン WIN…
《ソウルバーナー!!》
「……すまねぇ、不霊夢…サイバース世界の仇、討てなかったな……」
《……謝るのは、私の方だ……きみをこんな目に遭わせてしまって、すまない……キミが私を対等な存在として扱ってくれて、嬉しかった……できるならば、キミ達と共に未来を歩みたかった…》
「馬鹿…
【───ソウルバーナー…不霊夢…キミ達は理想のコンビだった…だが、私の未来にキミ達の居場所はなかったようだ】
吹き飛ばされた尊と不霊夢は僅かな言葉を交わし、消滅──そのデータはボーマンによって吸収され、彼の胸元には炎と風のエレメントが浮かび上がった…。
【ソウルバーナー…キミという人間が存在した事、記憶の隅に留めておこう……これで、私はプレイメーカーと戦う為の全ての試練を終了した…待っていろ、プレイメーカー】
僅かに尊の事を悼んだボーマンは中継するカエルとハト……そして、その先にいる遊作へと視線を向け、姿を消した…。
「ソウルバーナー…不霊夢……!!」
「っ…!!!」
「プレイメーカーさん…Yu-Zさん…」
そして、映像は途切れ…遊作と遊嗣はただ、拳を握り締め…唇を噛み締めるしかなかった…。