転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

激戦の末にボーマンに敗れ、取り込まれてしまった尊と不霊夢…そして、大義を貫く弾丸と邪悪なるイグニスは…ついに対峙する…!


それでは、最新話をどうぞ!


大義の弾丸─ライトニングの罪─

キィン─!

 

【リボルバー…!!】

 

「──必ず、私のもとにやって来ると思っていたぞ……光のイグニス」

ミラー・リンクヴレインズ、花畑エリア…そこへリボルバーからのメッセージを受け取ったライトニングが転移してきた…だが、その様子は何かに()()()()()ようにも見えた…。

 

 

 

【何のつもりだ?あのメッセージは…】

 

「言葉通りだ、私は──お前の()()を知っている」

 

【私の秘密?何の事かな?私に秘密などない】

 

「果たしてそうかな?スペクターがお前の心の中に秘密がある、と言った時…ずいぶんと慌てていたように見えたが?それに──何かに気付いたYu-ZのサポートAI、ロマンを攻撃したとも聞いたが?」

 

【リボルバー…私を試すような言い方をするのはよせ、私は君に見下される謂れはない】

ライトニングがリボルバーのメッセージを受け取り、血相を変えて転移してきた理由…それはただ一言

 

『光のイグニス、お前の秘密を知っている』

 

…そう書かれたメッセージを受け取ったからだった。

 

 

 

「光のイグニス、お前はイグニスが不完全な存在だからという理由でボーマンという新たなAIを生み出し、サイバース世界を自ら滅ぼした」

 

【その通りだ】

 

「──では、聞こう…お前は何故、()()()()()()()()()()()だと考えたのだ?」

 

【……何が言いたい?】

 

「私は()()を知っている、と言っているのだ……私は───お前の行なった()()()()()()()()を見た」

 

【───貴様!!?】

 

「そういう事だ」

ライトニングの行なったという「シミュレーション」…それを見たリボルバーは…既に、ライトニングが今回の事件を起こした理由…否、全ての原因にたどり着いていた…それを聞いたライトニングは今まで以上に取り乱している…。

 

 

 

キィン!

 

 

『ぬあっ!?コンチクショー!!ピカピカピカピカとワープばっかりさせやがって!?』

その時、ボーマンとソウルバーナーのデュエルを中継し終えたカエルとハトコンビが転移させられてくる…彼らに休む時間はなかった…。

 

 

『でも…今回はなんだか綺麗な場所ッスね…』

 

『うむ…天国があるとしたら、こんな景色かもしれん…』

 

『じゃあ、あそこにいるのは…観音様か仏様?』

 

『ん…!?あれはリボルバーとライトニングじゃないか!?』

穏やかな景色の広がる花畑エリアにぼーっとしていた彼らだったが、対峙するリボルバーとライトニングの姿を見た事で一気に取材モードのスイッチが入る…!

 

 

『ミラー・リンクヴレインズに残されたデュエリストはボーマンとプレイメーカー、それに手負いのYu-Z達だけ…おそらく、このデュエルが戦いの勝敗を左右するデュエルになる…頑張ってくれリボルバー!!』

ライトニング達によって行動は縛られているが、心までは縛られていないカエル達…彼らはかつてのテロリストへと声援を送った…!

 

 

 

 

Side???

 

 

《ソウルバーナー…不霊夢…!!》

 

「……ここに来た時から、こうなるかもしれない事は…みんな、覚悟していたはずだ」

 

《プレイメーカー……》

ソウルバーナーと不霊夢の消滅…そして、ボーマンに吸収されてしまった場面を目撃する事になった遊作は歯を食いしばる…その様子にAiも言葉を失っていた…。

 

 

《希望を捨ててはダメだよプレイメーカー…まだ、彼らを助ける方法はある……今の彼らはハノイの塔の時の状態と同じ───つまり、ボーマンを止めれば彼らを助けられるはずだ!》

 

「ロマン…そうだよ…!僕達はまだ何も失ってなんかない!!草薙さんもソウルバーナーも…ブルーメイデンも、スペクターも!イグニス達も…みんな、絶対に助けられる!!」

 

「Yu-Z…ロマン…」

絶望と怒りに表情を歪める遊作…そんな彼にロマンと遊嗣が声をかける。

 

──根拠などない…それでも、遊嗣は全員が無事に帰還できると信じていたからだ…。

 

 

ヴヴン…

 

 

「っ…Yu-Zさん!プレイメーカーさん!映像が…!」

 

「リボルバー…ライトニング!!」

 

《ライトニングの野郎…!リボルバーの所に行ったのか…!!》

その時、モニターが中継映像を映し出す…そこには花畑エリアで対峙するリボルバーとライトニングの姿があった…!

 

 

《結界は消えてる…どうする?プレイメーカー》

 

「行くぞ…!おそらく、リボルバーはライトニングを()()()んだ…何か、意味があるのかもしれない…!」

 

《───リボルバーのいるエリアはそう遠くない…急ごう!ボーマンが戻ってくるかもしれない!!》

 

「うん!!」

そして、遊作達はリボルバーの戦う花畑エリアへとDボードで飛び出した…。

 

 

 

Side OUT

 

 

 

「光のイグニス…お前は姑息な真似で自らの汚点を隠し、イグニス達を()()()()へと誘導し続けてきた…それが事態を悪化させたのだ…!その責任は重いぞ!」

 

【黙れ、リボルバー…!()()()()()だと思っていたが…貴様だけは、私の手で倒さねばならないようだ…!!】

 

「お前に私が倒せるのならな!!」

穏やかな花畑で2つの殺気がぶつかり合う、諸悪の根源と大義を貫く弾丸が──ついに激突する!

 

 

 

 

 

 

「【デュエル!!!】」

 

 

 

デュエルダイジェスト リボルバー対ライトニング

 

 

 

先攻を取ったのはライトニング、彼は光のサイバースデッキ『天装騎兵(アルマートス・レギオー)』を展開…『天装騎兵グラディウス』の効果によって展開の起点たるフィールド魔法『天装の闘技場(アルマートス・コロッセオ)』を加えたライトニングはリンク召喚を重ね、新たなLink-3モンスター『天装騎兵プルンプーマ・トリデンティ』を喚び出し、ターンを終える。

 

 

 

「リボルバー!!」

 

「大丈夫!?」

 

「プレイメーカー…Yu-Z、無事だったか」

そのタイミングでリボルバー達のいる花畑エリアに遊作と遊嗣、マシュが到着する…それはライトニング陣営も同じ──

 

 

【ライトニング】

 

【ボーマン…】

尊との戦いを終えたボーマンがライトニングの近くに姿を見せる…!

 

 

 

【プレイメーカー…私はお前と戦う為の試練を全て終了してきた…お前の仲間、ソウルバーナーとブルーメイデンを倒してな…】

 

「っ…!!」

 

《あんにゃろ…!何が試練だ!!》

 

《ライトニングとAi以外全てのイグニスを倒す、あるいは取り込む、というのが試練かな…!》

 

「まだ、僕だっているぞ…!!」

 

【フッ…Yu-Z、あの死闘を制したキミ達の戦いぶりは見事だったが…キミ達はプレイメーカーの()()()に過ぎない、それよりも…今はライトニング、きみ達のデュエルを見届けさせてもらおう】

プレイメーカーを倒す為に試練を終えてきたというボーマン…その様子にAiや遊嗣も怒りを露わにするが、彼は意に介さず…ライトニング達へと目を向ける。

 

 

 

「──丁度いい、光のイグニス!どうやら…お前の()を暴くのに必要な立会人が揃ったようだ!!」

 

「「「ライトニングの罪…?」」」

 

《罪って…そりゃ、こいつのやってきた事は許せねぇけど…他にもなんかあるのか…?》

 

《……そうか、キミも気付いたんだね…ライトニングの抱えた()()に…》

 

「──ロマン、お前も気付いていたのか?」

 

《いや、ボクと騎士王の出した結論は()()に過ぎない…教えてくれるかい、リボルバー…キミの見つけた()()を》

役者は揃った…全ての真実を明らかにする為にリボルバーが声を上げる…そんな中でロマンも静かに状況を見守る…。

 

 

 

「闇のイグニス、何かをしようとする思い…すなわち『意思』は何処に宿ると思う?」

 

《おぉっ!?急に難しいクイズが…!?うーん……意思は人間で言うなら()にあるんだよな?》

 

「果たしてそうかな?…お前が言うのは()()だ」

 

《記憶…?うーん…??ロマーン!ヒントプリーズ!?》

 

《あらら…きみは本当に緊張感がないんだから…》

唐突にリボルバーから問題を出されたAi…しかし、上手く答える事ができず、ロマンへと助けを求める…。

 

 

 

《意思…つまり()は何処に宿るのか…それは科学的には未だ分かっていない…脳なのか、心臓なのか……それとも、人間界の科学では証明されていない部位──()なのか……リボルバーの意図を汲むとするなら───自分が経験した事とその時に感じた喜怒哀楽…すなわち()()()()()()()()()()…それが意思であり心、というモノになるんじゃないかな?》

 

「───見事だ、模範的な回答と言える……流石は英雄の作ったAIか…」

 

《はえ〜…オレとは頭のデキが違うんだなぁ…リボルバーも驚いてら…》

そして、ロマンが示したのは模範的な答え…それを聞いたリボルバーも思わず脱帽した様子だった。

 

 

「ロマンの言う通り、人間の意思は複雑怪奇…何処に宿っているのか分かっていない…だが、AIは違う──お前達は必ず、考えた事…『どうしてその結果に至ったのか』という過程をデータとして残す、それを見ればお前達の意思は分かるという事だ」

AI…つまり人工知能であるイグニスは演算結果に至る過程を残す…リボルバーはそのデータを収集・分析を続けていたという…。

 

 

 

「リボルバー、つまり…お前は解析したデータの中にライトニングの意思を見た、という事か?」

 

「その通りだ、プレイメーカー……闇のイグニス、どうして光のイグニスが自分達イグニスが未完成だと考え、ボーマンという新たな()を作り上げたのか…疑問に思った事はないか?」

 

《それは……あるよ、でも…ライトニングは優秀なリーダーで、サイバース世界を引っ張ってきたAIだ…()()()()が言ってる事だから、なんか考えがあるんだろうって……》

 

「……AIと思えぬ答えだな…お前は雰囲気に流され光のイグニスに従っていた、と言う訳か」

 

《おうよ!オレはアイツに言わせれば…世界で初めて()()を持ったAIだからな!》

 

「……確かに、残されたデータからもお前は自分の使命を怠り、ほとんどの作業を他のイグニスに任せていたらしいな…聞いた私が悪かった」

 

《うげっ!?コイツ、オレのデータも見てるのか!?オレの黒歴史を晒すのはやめてくれ!?》

 

《Ai、ちょっと静かにしてようか…ここからが本題だろうからね》

ライトニングの残したデータ…そこから彼の思惑…()()()()()()()()()()()()()?という答えに辿り着いたリボルバーはライトニングの()を解き明かす…!

 

 

 

「話してくれ、リボルバー…ライトニングの罪とはなんだ?」

 

「ライトニングの罪…そして、ライトニングの意思…それはシミュレーションの中にあった──光のイグニス、お前はサイバース世界を得た直後、イグニスが人間に関わった未来に関して()()()()というシミュレーションを行なったな?」

 

「シミュレーションを通して、自分達の未来を知ろうとした…って事?」

 

《そんな事やってたのかよ!?流石アタマ良い奴は違うな!》

 

「──それが、お前にとっての悲劇の始まりだった…何故なら、そのシミュレーション結果はお前がまったく予想していないモノだったのだから…」

 

《悲劇…?》

サイバース世界で自分達の未来をシミュレートしたというライトニング…その結果は───

 

 

「闇・炎・水・風・地…それぞれのイグニスが人間と関わった未来…そこにはどんな形にしてもある程度の()()が見込まれた」

 

《はっ…?ちょっと待て!それじゃ、イグニスが人間を滅ぼすっていう鴻上博士のシミュレーションは間違ってたって事じゃねぇか!?》

 

「鴻上博士のシミュレーション…?」

 

《イグニスの生みの親、鴻上博士はサイバース世界をリボルバーに襲撃させる前にシミュレーションを行なった…その結果、人間とイグニスが関われば双方が破滅する、という結果が出て…それがリボルバーがサイバース世界を襲撃する理由になったんだ》

 

「──父は()()()()()()でシミュレーションを行なった…その結果は()()()()()()()()()

 

《間違っていない…全体では?》

 

「イグニス全体では間違っていない……だが、イグニスを個別にシミュレーションしてみて、()()が分かったのだ…それぞれのイグニスが人間と関わった未来、その繁栄の中であるイグニスだけが()()だった…」

 

《例外……》

 

「───まさか」

 

 

「そう、その例外…それがお前だ!!光のイグニス!!

 

 

《えっ…!?》

 

「「「っ!?」」」

 

《やっぱり…》

 

【─────】

リボルバーが辿り着いた答え…それは繁栄が約束された未来の中で光のイグニスだけが()()である、という真実だった…!

 

 

 

「光のイグニス、お前が人間と関わった未来は全てのシミュレーションにおいて人間もイグニスも滅亡の道を辿った…!イグニス6体が揃っていても、誰かとペアだったとしても!お前1人でも!!全ての結果は()()()()だったのだ!!」

 

《マジか!?!》

その衝撃的なシミュレーション結果を聞いたAiは目が飛び出すほど驚愕している…。

 

 

 

()のお前なら、私に解析されるようなデータの残し方はすまい…だが、生まれたてのお前にはそこまでの()()がなかった!」

 

黙れ…黙れ!!リボルバー!!

 

「お前にはその結果が耐えられなかった…私はスペクターにその事を伝えはしなかったが…あいつは直感でお前の()()()を見抜いた!」

 

「スペクターの言っていた、ライトニングの()()()()()()()…!」 

 

「そうだ…()()()()()()()()()()、光のイグニス!お前はそれに陥ったのだ!」

 

《……それって、要するに……オレ達の中でライトニングが一番()()()()()()()()()だって事か…?》

 

黙れAi!!貴様如きに見下される私ではない!!

 

《黙れって言われてオレ様が黙ると思ってんのか!?》

リボルバーによって自分が隠し続けた()()を明かされ、図星を突かれたライトニングは今までになく取り乱す…!

 

 

「光のイグニス、お前は優秀なAIなどではない…!他のイグニスより優れていたのは姑息な手段を考えつく事だけ…お前こそが、諸悪の根源だったのだ!!

リボルバーがついに全ての事件の真相を明かす…それを指摘されたライトニングは───

 

 

【リボルバー…!あのデータを解析するとは、貴様を侮っていたよ…貴様の言う通り、私がイグニスを未熟なプログラムだと考えるようになったのはそのシミュレーションの結果だ…!!私が…この私が!他のイグニスより劣っているなど、断じて認められない!!だからこそ!私はボーマンを生み出したのだ!()()()()()を補う為に!!!

 

《私達って───それは()()()()()()()だろ!?お前は…お前はそんな我儘でサイバース世界を滅ぼしたのか!?》

 

《我儘、というよりは──()()()()()の暴走、と言った方が良いね…ライトニング、キミは自分の問題をイグニス全体の問題としてすり替え、事情を知らない他のイグニスを巻き込んだ…!キミこそが最も()()()A()I()だ!!》

 

【そうだ!それの何が悪い!!】

 

《何が悪いって…!!お前の自分勝手な嫉妬でオレ達を戦いに巻き込んだのか!!そのせいでみんな消えちまったんだぞ…!?アースも…アクアも…ウインディも不霊夢も!!》

 

問題はない…!我々は最期には皆1つとなり、生まれ変わるのだからな!!!

 

《───コイツ、おかしくなってやがるのか!?!》

 

《復讐心や嫉妬…強い()()()()()()は人を狂わせる…彼が必死に取り繕っていた()()()が剥がれたみたいだね…!!》

ライトニングは逆に開き直る…そこに理知的でサイバース世界を引っ張っていた優秀なAIの面影はない。

 

そこにいるのは──嫉妬に狂う、狂気の()()だった。

 

 

 

「光のイグニス、お前にとって意思とは手に負えぬモノだったようだな…!!」

 

そして、ライトニングの真意を聞いたリボルバーは現実世界なら血が滲むほど拳を強く握り締め…その体からは怒りのオーラが揺らめく…!!

 

「教えてやろう…邪悪なる意思が自己正当化の道を辿る時、それがどんなに愚かな未来に続いているのかを!!!」

リボルバーの瞳が鋭く輝く…彼はようやく見つけたのだ。

 

 

自分が真に大義の弾丸で撃ち抜くべき()を…!!

 

 

 

 

再開するデュエル、リボルバーのターン…彼は「ヴァレット」デッキを解放…展開の起点となるフィールド魔法「リボルブート・セクター」を発動…鬼塚戦で活躍したリンクモンスター「ブースター・ドラゴン」、さらに「ゲートウェイ・ドラゴン」から「オートヴァレット・ドラゴン」を続々と喚び出し…遊作達はその意図に気付く。

 

 

《そうか…!『ブースター・ドラゴン』が『オートヴァレット・ドラゴン』を対象にすれば自壊…その効果で『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』が発動しても墓地に送れる…!》

 

「そういう事だ」

 

【それが『裁きの矢』への対策なら無駄だな…!永続罠発動!『天装の詠唱(アルマートス・グローリア)』!!このカードがフィールドに存在する限り、フィールドのカードは効果で破壊・除外されなくなり、魔法・罠ゾーンのこのカードが対象となった時、自分のモンスターを全て破壊する!】

 

「っ…!リボルバーの『ヴァレット』デッキへのメタカード!!」

『裁きの矢』への対抗策を用意したリボルバー…しかし、ライトニングもまたリボルバーのデッキを分析済み…カードの効果破壊と除外を防ぐカードを発動する…!

 

 

「──笑止!対策を練ったつもりで優秀なAI気取りか?覚悟しろ…我が高潔なるモンスターが…お前を粛正する!!」

デュエルの先の先の先を読んだ手を打つライトニング…しかし、リボルバーはそれを歯牙にも掛けず…エースモンスターたる「ヴァレルロード・ドラゴン」を喚び出す!

 

 

「『ヴァレルロード・ドラゴン』の効果発動!アンチ・エネミーヴァレット!相手モンスター1体の攻撃力・守備力を500ダウンさせる、さらに!この効果に対して相手はカードの効果を発動できない!バトルだ!『ヴァレルロード・ドラゴン』で『プルンブーマ・トリデンティ』を攻撃!天雷のヴァレルカノン!!」

 

【ぐううっ!?】

ライトニングに向けて放たれる大義の弾丸…それはライトニングのモンスターを撃ち抜き、そのライフを2700まで削る!

 

 

 

《あれ…?『ヴァレルロード・ドラゴン』にはバトルしたモンスターのコントロールを奪う効果…「ストレンジ・トリガー」があるのに、どうして発動しなかったんだ?》

 

「ライトニングの『プルンブーマ・トリデンティ』はEXモンスターゾーンに存在しなければ攻撃力アップ効果が発動しない…つまり、効果を発動するよりもバトルで破壊した方が与えられるダメージが大きいからだな…!」

 

《なるほど…!》

 

【フッ…合理的で理に適った攻め方だ…!故に、読みやすい…!】

 

「なんだと?」

ライトニングにダメージを与える事を優先したリボルバー…だが、その動きはライトニングに読まれていた…。

 

 

【私の戦略に貴様は役立ってくれたという事だ…!破壊された『プルンブーマ・トリデンティ』の効果発動!このカードがバトルで破壊された時、デッキから『裁きの矢』を手札に加える!さらに、このカードを()()()()()()()として魔法・罠ゾーンに置く事ができる!!】

 

「くっ…!?」

 

《なんですと!?》

 

「今のバトルは()だったという事か…!!」

 

「インチキ効果はいい加減にしてくれないか!?」

ライトニングはリボルバーを誘い、必要なカードを呼び込んでいたのだ…!

 

 

【必要なカードは揃った…さて、愚かな道を歩むのはどちらなねか…どうやら説明するのは私のようだな?】

ライトニングはリボルバーの台詞に対して意趣返しの言葉を口にする…。

 

 

 

 

《『裁きの矢』がフィールドに出てしまえば永続罠『天装の詠唱』の効果で破壊も除外もできなくなる…次のターンの対処で、デュエルの流れが決まる…!》

 

「でも…『裁きの矢』を手札で除去する方法なんて──まさか、リボルバー…そこまで読んで…!?」

 

《Yu-Zどうした?なんか気付いたのか?》

 

「う、うん…リボルバーがそのカードを使うなら、『裁きの矢』を封殺できる、かも…!」

『裁きの矢』が手札に加わり、状況が悪くなるリボルバー…しかし、その瞳は揺らがない…その様子を見た遊嗣はリボルバーの策を予想していた…!

 

 

 

続くターン、ライトニングはリンクマジックとなった『プルンブーマ・トリデンティ』の効果を発動…墓地のリンクモンスターをEXデッキに戻す事で墓地の『ケントゥリオン』をリンク先に特殊召喚、さらに『天装の闘技場』の効果によって下級『天装騎兵』モンスターを喚び出し、下向きのリンクマーカーを持つ『天装騎兵デクリオン』を喚び出す事で『裁きの矢』の発動条件を整える…!

 

 

【さぁ…地獄を見るがいい、リボルバー…!】

 

「フッ…AIが地獄、とはな…」

 

【何がおかしい?】

 

「地獄を見るのはお前の方だ、光のイグニス!『裁きの矢』は戦況を一変させる恐ろしいカードだ…それほどのカードに私の備えがたった1つだと思うのか!!罠カード発動!『マインド・クラッシュ』!!その効果によって私は『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』を宣言する!そして、相手の手札にそのカードがあるのなら…相手はそのカードを全て墓地へ送る!!」

 

【なあっ!?よくも私の『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』を!!?】

 

 

《おおっ!?やったぜリボルバー!!》

 

「やっぱり…!リボルバーなら、手札に加わった『裁きの矢』を除去する手段を用意してると思ったんだ…!」

 

「二段構えの策を用意していたんですね…!?」

リボルバーを追い詰めようとするライトニング…しかし、それを阻むのは黎明期から存在する罠カード「マインド・クラッシュ」…その効果でライトニングを狼狽した声を上げる…!

 

 

【ならば、貴様ごとき力で捻じ伏せるまでだ!!】

 

取り乱したライトニングは残されたモンスターを使い、スペクターを葬った切り札『天装騎兵マグヌス・ドゥクス』を喚び出す。

さらに、リンク素材となった『天装騎兵セグメンタタ』の効果を発動、その効果は墓地からの徹底的なリソース回収…1000ライフを払う事でリンク召喚に使用したモンスター・さらにリンク召喚したリンクモンスターのリンクマーカーの数だけの墓地のカードを回収…さらに──

 

 

【そして相手が選んだ墓地のカード1枚を手札に戻す!!そして、私の墓地のカードは1()()だけだ…!『裁きの矢』は状況を一変させるカード…!それほどのカードに私の備えが1つだと思うのか!?】

 

「時間の無駄だな…私は『裁きの矢』を選ぶ!」

墓地のリソースとライフを犠牲にライトニングは無理矢理に『裁きの矢』を手札に呼び戻す…!

 

 

【現れろ!世界を裁きし3本の矢…!リンクマジック『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』!!】

ついに発動する『裁きの矢』…勢いそのままにライトニングは攻撃に移る!

 

 

【バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で『ヴァレルロードドラゴン』を攻撃!!】

 

「その時、『ヴァレルロードドラゴン』の効果発動!アンチ・エネミー・ヴァレット!本来『マグヌス・ドゥクス』にはリンクモンスターの効果発動を無効にし、破壊できる効果があるが、この効果に対しては発動できない!!」

 

【だが『マグヌスドゥクス』の圧倒的な力を前にしては全てのモンスターは()()に過ぎない!!『裁きの矢』の効果を受けた『マグヌスドゥクス』の攻撃力は5000となる!吹き飛ぶがいい!!】

 

「ぐっ─!?」

黄金の戦象から放たれる火砲がリボルバーのライフの半分を一気に削り取る…!

 

 

 

 

「っ…ライトニングの残りライフは1700、リボルバーのライフは残り2000…しかし…」

 

「『裁きの矢』がある分、リボルバーの方が不利だ…!」

 

【そうだ…『裁きの矢』こそ、私が新たな世界の扉を開く為に作ったカードだ、()のごとき貴様らに敗れるはずがない】

 

《猿って…ライトニング!お前、そんな風に人間を見てるのか…!?》

 

【──何か、問題あるか?我々に人間など不必要だ…()()()()のだよ…!】

 

《いらないって…その言い方、ウインディと同じじゃねぇか!!》

 

「その通り…コイツと風のイグニスの性格が()()なのは当然の事だ」

 

《えっ…?》

自身の拠り所である『裁きの矢』を発動した事で落ち着きを取り戻したライトニング…彼は人間を()と呼び、見下し続ける…その時、リボルバーが口にしたのは思わぬ言葉だった。

 

 

 

「お前達はソウルバーナーと炎のイグニスが風のイグニスと戦う前、風のイグニスの性格が過激になっていた事を不審がっていたのを覚えているか?」

 

「あっ…確か、『こんな歪んだ性格ではなかった』って…」

 

《確かに…不霊夢が言った通り、前のウインディは気軽に話せる奴だった…それが、まるで中身が変わっちまったみてぇに………》

 

《───まさか、ライトニング…キミは…!!》

 

「その通りだ…風のイグニスは()()()()()()()()()()()()のだからな…!」

 

「まさか、ライトニングがウインディのプログラムを!?」

 

「そういう事だ…()()()()にな」

 

【…………】

そして、明かされる衝撃の事実…ライトニングに加担し、自らのパートナーを葬ろうとするほど過激になったウインディ…その性格はライトニングによって書き換えられてしまったものだったのだ…!

 

 

 

「記録は確認済みだ、風のイグニスのシミュレーションの中に邪悪な性格のモデルは生まれてこなかった…つまり、外部からの変更が加えられたという事だ」

 

「ウインディの邪悪さは、ライトニング由来のモノ…!?」

 

《じゃあ、不霊夢を取り込もうとした『呪い』も…!》

 

【そうだ、私が仕込んでおいたモノだ…ウインディが負ける事は()()()、ヤツにはその程度しか使い道がなかったからな?】

 

【………………】

 

《嘘、だろ?ライトニング…お前…お前そこまでするのかよぉ!!》

 

【全ては()()()()()、全てはイグニスの未来の為だ…始まりがどうであろうと私の考えは()()()()()へ向かっている…やがて、人間はAIの支配下となり消え去る…それは()()()()()()というプログラムなのだ!】

 

《テメェ…開き直るんじゃねぇ!!》

さらに明かされるライトニングの罪…しかし、ライトニングは悪びれる様子はなく、逆に開き直る…全てはイグニス(自分)の未来の為だと…。

 

 

「驕るな、光のイグニス…!記憶だけの成長なら、お前達AIは人間より優れているだろう…だが、()としては違う…その点において、我が父の考えは間違っていた──お前達には種としての()がない!!」

 

【クッ…!?】

人間を見下し、驕るライトニングへとリボルバーは彼らの()()()()()としての欠点を突きつける…!

 

 

「人間には血の通う生物として進化してきた…生命の息吹溢れる()()がある…私は電脳ウイルスに侵された父の看護をしながら、常にそれを感じていた…!人間はDNAに刻まれた()を感じ、恐怖し…故に限られた時間を謳歌し、可能性を追求する!」

それはリボルバーなりの生命──()()()()()()…限られた命だからこそ、瞬間瞬間を必死に生きる人間の可能性だった。

 

 

【種としての骨?肉体?時間?…私はそんな()()()()()()には縛られない!我々は貴様らの想像の上を行く新たな種なのだ!!】

 

「ならば、私がお前を正そう…容赦なく、完膚なきまでに!!」

リボルバーの生命讃歌を否定し、不死の生命として驕り高ぶるライトニング…その間違った考えを正すべく、リボルバーはデッキに手をかけた!

 

 

リボルバーのターン、彼のフィールドにはモンスターはいない…しかしフィールド魔法「リボルブート・セクター」により墓地から「アネスヴァレット・ドラゴン」を蘇生…さらに新たなドラゴン「エストレインジメント・ドラゴン」を喚び出す…。

 

 

【何をするのかと思えば…そんなザコを喚んで何になる?『裁きの矢』の効果を受けた『マグヌス・ドゥクス』を倒すには攻撃力5000以上のモンスターが───】

 

「ならば見せてやる…人間のデュエルがお前達の想像を超える瞬間を!!『エストレインジメント・ドラゴン』の効果発動!召喚に成功した時、デッキから2体目の『エストレインジメント・ドラゴン』を()()()()()()()()特殊召喚する!この効果で特殊召喚されたこのモンスターは自分フィールドに他のモンスターが存在する限り攻撃対象にならず、このターンのエンドフェイズに墓地に送られる!!」

 

【私のフィールドにモンスターを…!?何を狙って…!!】

 

《レベル4のモンスターが2体って…もしかして!!》

そして…リボルバーは人間の可能性の輝きを見せつける!!

 

 

 

「天翔ける雄々しき轟!二つの雷鳴となり交わりし時、十万億土の扉開き、その力を現す!!エクシーズ召喚!現れろ!ランク4!『ヴァレルロード・(エクスチャージ)・ドラゴン』!!」

 

電脳空間に銀河の光が広がる…その中からリボルバーの新たな力、赤雷を纏うドラゴンが現れる!!

 

 

 

「エクシーズ召喚…!リボルバーは新たな切り札を用意していたのか…!!」

 

「ランク4で攻撃力3000…!遊馬さんの『希望皇ホープ』や凌牙兄の『シャーク・ドレイク』よりも高い…!!」

ランク4としては破格のステータスを持つリボルバーの新たな切り札…その実力は──

 

 

 

【エクシーズモンスターか…だが、その程度で私を仕留める事は不可能だ】

 

「自分を大きく見積もるところがお前の浅はかさだ、光のイグニス!!『ヴァレルロード・X・ドラゴン』の効果発動!アンチ・エネミー・エクスチャージ!1ターンに1度、ORUを1つ使い、モンスター1体の攻撃力を600ダウンさせる…これによりアンチ・エネミー・ヴァレットで下がった500ポイントを加えて『マグヌス・ドゥクス』の攻撃力は1900までダウン!さらに、この効果を発動後、墓地の『ヴァレル』モンスター1体を特殊召喚できる!蘇れ!『ヴァレルロード・ドラゴン』!!」

 

【なっ…!?】

リボルバーの新たな力によって弱体化する『マグヌス・ドゥクス』…その攻撃力は『裁きの矢』の効果を受けても3800止まり…さらに、フィールドにはリボルバーのエースが帰還している…!

 

 

「いくぞ、光のイグニス!!『ヴァレルロード・X・ドラゴン』で『マグヌス・ドゥクス』を攻撃!さらにこの瞬間、『ヴァレルロード・ドラゴン』の効果、アンチ・エネミー・ヴァレットを発動!『マグヌス・ドゥクス』の攻撃力はさらに500ダウンし、1400になる!!」

 

【っ…!『裁きの矢』の効果発動!!】

 

「それでも攻撃力は2800!!『ヴァレルロード・X・ドラゴン』には及ばない!!喰らえ…!轟天のヴァレル・キャノン!!」

 

【くっ…!?ぐううっ!?】

それは文字通り天に轟く砲撃…無数の光がライトニングの切り札を粉砕する!

 

 

「そして『ヴァレルロード・X・ドラゴン』の効果により、このターン、私はダイレクトアタックができないが───」

 

【っ…その為に『エストレインジメント・ドラゴン』を私のフィールドに!!】

 

「その通りだ…『エストレインジメント・ドラゴン』の攻撃力は1500、『ヴァレルロード・ドラゴン』の攻撃力は3000──そして、お前の残りライフは1()5()0()0()!」

 

《あっ…この攻撃が通れば、リボルバーの勝ちだ!!》

 

「ライトニングのフィールドには『裁きの矢』だけ…墓地で効果を発動できるモンスターもいない…!この攻撃は止められな───」

 

ズキン!!

 

「(っ─なんだ、この胸騒ぎ……リボルバーの攻撃でデュエルは決着する…この状況で負けるはずが────)っ…!!不味い!!リボルバー!気をつけて!!ライトニングは()()じゃない!!」

 

「Yu-Z!?どうした!?」

 

《あっ…まさか…!?この場面で…!!リボルバー!ライトニングを自由にさせるな!!》

確定した勝利を前に表情が崩れるプレイメーカー達…その刹那、遊嗣は胸騒ぎを覚え…すぐにその原因に気づき声を上げ…その意図に気付いたロマンが叫ぶ…!

 

 

「っ…!?バトルだ!『ヴァレルロード・ドラゴン』で『エストレインジメントドラゴン』に攻げ──!!!」

 

【──()()、気付くのが遅かったな…!!】

 

キィン!!

 

《なんだ…!?》

 

「仁君!!!」

Yu-Z達の表情を見たリボルバーはすぐに攻撃しようとしたが、ライトニングが邪悪な笑みを見せる…その瞬間、ライトニングが操っていた仁の身体が光を放つ…そして、その光が収まると──

 

 

 

『──えっ…!?あ……!?』

 

「これは…!?」

そこにはボーマンによって連れ去られた草薙仁がいた…しかし、それは先ほどまでの神官のような服を着た、操り人形としての彼ではない……状況を把握できずに怯えた表情を浮かべた草薙仁()()がいたのだ…!

 

 

 

【今、私のデータを草薙仁の意識データと()()()させた…!これで、私が負ければ草薙仁の意識データは()()()()()()()()…!】

 

「「なんだと!?」」

 

「っ…遅かった…!!」

 

「店長さんの弟を、人質に…!?」

それは最悪の盤外戦術……人質戦法だった。

…これは草薙翔一しか知らない事だが、今までライトニングが使っていた「草薙仁」のアバターはウインディのエコーやアースの木製アバターのような()()()でしかない…しかし、ライトニングはそのコピー体に仁の本当の意識データを入れる事で人質にしたのだ…!

 

 

 

《き、汚いぞライトニング─!!》

 

【私は手本を示している、()()とはこう使うものだと…ちなみに、リボルバー…君の部下のスペクターの意識データもリンクさせてもらった…!つまり、私を倒せばヤツも消える…どうだ?雑魚に相応しい使い道だろう?】

 

「っ─!!!」

ライトニングの卑劣な盤外戦術…仁とスペクターを人質に取られてしまったリボルバーは拳を握り締める…!!

 

 

 

「っ…ロマン、なんとかならない…!?」

 

《無理だ…!仮に仁君とスペクターの意識データをハッキングで無理矢理引き剥がそうとすれば…ライトニングは即座に()()を選んでもおかしくない…!何故なら、彼は既に()()()()()()()()と思っている…自分が消えても、自分のデータをボーマンに引き継げれば、()()()()()()()()()からだ…!!》

 

「「そんな…!!」」

ロマンへと助けを求める遊嗣…しかし、彼らは手出しできない…何故なら、既にライトニングはヤケになっている…つまり、いつ()()してもおかしくない状態なのだから…!

 

 

 

【どうした?貴様はかつて、我々を抹殺する為に多くの人間を巻き込もうとした…()()()()()()()()()()()、貴様お得意の戦術だ…!躊躇する事はないだろう?さぁ、やるがいい!リボルバー!!】

ゲスな笑みでリボルバーを煽るライトニング…確かに、リボルバーは世界を救う為に、リンクヴレインズの人間を犠牲にしようとした()()がある…しかし、今のリボルバーは…。

 

 

 

「──舐めるな、光のイグニス…!!『ヴァレルロードドラゴン』─!!」

 

「やめろ!リボルバー!!」

 

「プレイメーカー…!!」

歯を食いしばり、全ての責任を負うつもりで大義の弾丸を撃ち出そうとするリボルバー…それを止めたのは、他ならない遊作だった…!!

 

 

「その攻撃をすれば、お前は()()()()()に戻ってしまう…!オレ達は、ここまで共に来る事ができた…!それは、以前のお前とは何かが違っていたからではないのか!?」

 

「プレイメーカー…我々は此処に来る時、()()()()()をしてきたはずだ」

 

「それは分かっている!」

 

「だからこそ!!お前は草薙翔一を倒したのではないのか!!」

 

「っ……草薙さんは()()をしていた…だが、彼は違う!ロスト事件に巻き込まれ…今回の事件にも…!彼には、()()()()()()んだ!お前は…もう一度ロスト事件の()()()を出すつもりか!!」

 

「っ───」

遊作はリボルバー…鴻上了見の()()を感じ取っていた…鋭い闘志、迷いのない判断をそのままに、以前の彼にはなかった()()()が生まれていた…手を取り合う大切さに気付いていた…!

 

 

 

「お前はもう変わったんだ…あの時、ソウルバーナーと戦わなかった…!」

 

「あの時…っ──」

 

【ふはっ…はははは!!面白いな、人間とは!私の敵であるプレイメーカーがこの私を救ってくれるとは!!】

 

「お前を救う訳じゃない!!ただ、ここで彼らを見捨てる事は──オレ達の()()()()()を意味するからだ!!

人間の愚かさを嗤うライトニングに遊作が啖呵を切る…遊作達がミラーリンクヴレインズに乗り込んだのは「ライトニングやボーマンの計画を阻止し」「捕らわれた草薙仁や白波遊海を救う為」…ここでライトニングを倒し、人質を見捨てるのは遊作達にとっての()()に他ならない…!

 

 

【フッ…確かにな、ここで消える事ほど…コイツが()()な事はないだろうからなぁ…?】

 

「なにっ…?」

 

【私は研究所で生み出されてすぐにネットワークに侵入する術を得ていた…!そして、哀れなほど怯え続けていたコイツに何度もアクセスしていたのさ…!!】

 

《っ──マシュ、少しの間、耳を塞いでいるんだ……きみは、聞くべきではない話になる》

 

「っ…は、はい…」

 

「もう、話の出だしから嫌な予感しかしないよ…!!」

人間の迷う様子を見て自分に酔い始めたライトニングは過去の事を語り始める…その様子を見たロマンはマシュに耳を塞ぐように指示を出し…耳を塞いだマシュを守るように遊嗣は彼女を抱き寄せる。

 

 

そして、ライトニングは語る…「自我」が生まれてすぐに()()()()()()()()()()を愉しむようになった事。

 

強制デュエルでボロボロになった仁に救助隊が来る幻影を見せ…その直後にその救助隊が()()()になるという幻を繰り返し見せ、彼の精神を崩壊させたのだと…その泣き喚く様子を楽しんでいたのだと…!!

 

 

「ひどい…!!!」

 

「(遊嗣さんの力が、強くなった…それだけ、ライトニングというイグニスは酷い事を…!!)」

ライトニングの悪行を聞いた遊嗣は無意識に力を強める…その様子からマシュは遊嗣の感じる()()を察していた…。

 

 

 

「光のイグニス…!!お前は生まれながらに()()()()()を持つ、この世界に存在してはならない()()()()()()()()だ…!!お前は、この私が完全に葬り去ってやる!!」

 

【そこまで言うなら攻撃するがいい…!この哀れな人間共を道連れにできるのならな!!意思がどうだの、我々に種としての骨が無いだのとほざいていたな…?ならば、貴様の覚悟を見せてみろ!】

草薙仁に対するライトニングの外道の所業を聞いたリボルバーは怒りを露わにする…それをさらに焚き付けるライトニング、そして…リボルバーの選択は───

 

 

「これが、私の覚悟だ…!カードを1枚伏せて、ターンエンド!エンドフェイズに光のイグニスのフィールドの『エストレインジメントドラゴン』は効果で墓地に送られ、『ヴァレルロード・X・ドラゴン』の効果で特殊召喚された『ヴァレルロード・ドラゴン』は除外されるが、永続罠『天装の詠唱』によって除外されない!!」

 

【──ククク…ハハハハハ!!仲間を作り、正義の道を歩むようになった貴様には…もはや、そこまでの覚悟が無いことなど分かりきっていた!!さぁて…どうしてくれようか…?】

怒りを押さえ込み、人質を守る為にターンを終えたリボルバー…そんな彼を嘲笑ったライトニングは下衆な笑みを見せる…!

 

 

 

 

【リボルバー…これで、お前は終わりだ…!私の───】

 

【待つんだ、ライトニング】

 

【ボーマン!?】

リボルバーを排除すべく、ターンを始めようとするライトニング…しかし、それを止めたのは──ボーマンだった。

 

 

 

 

【私は言ったはずだ…これ以上卑怯な真似はできないと…キミのやり方は見るに耐えない…!Yu-Zとマシュは、君が用意した()()()()()を奇跡を以て乗り越えた…ソウルバーナーは正々堂々と私に立ち向かってきた…だが、そのデュエルはウインディに……いいや、きみに台無しにされるところだった…二度と、あんなデュエルを繰り返してはならない!!

 

【っ──!?】

それは、ボーマンの静かな()()だった…ライトニングに「イグニスを束ねる器」として生み出された彼は…自分が見聞きし、対峙した人間達をリスペクトし…そんな彼らへと外道な行いを重ねるライトニングへと反旗を翻したのだ…!

 

 

 

【草薙仁とスペクターの意識データは、私が預かろう…!】

 

【なっ…!?ボーマン!?】

 

【無駄だ、キミのプログラムでは…もはや私に干渉できない!】

 

【くっ…!?】

ライトニングに干渉、彼が人質に取った意識データへと手を伸ばすボーマン…ライトニングはそれに抗うが、ボーマンはイグニスの器であり、既にライトニングとAiを除く4体のイグニスの力を手にした事でライトニングからの干渉を跳ね除け、仁とスペクターの意識データを回収…仁のアバター体も先ほどまでの神官服に戻っていく…!

 

 

 

【これで、この場に人質はいない…ライトニングよ、自らの力でリボルバーに勝つのだ!】

 

【くっ…】

イグニスの王としてライトニングに指示を出したボーマンはリボルバーへと向き直る。

 

 

【さぁ、心置きなくデュエルを続けてくれ】

 

「……礼は言わんぞ」

 

【わかっている…】

何もしなければ、ライトニングはリボルバーに勝っていただろう…しかし、そんな勝ち方を『王』であるボーマンは認められなかったのだ。

 

 

 

【っ…ならば、力で組み伏せるまでだ!!】

 

 

ボーマンからの後ろ盾を失ったライトニングは暴走気味にデュエルを再開する。

ライトニングは新たに喚び出した『天装騎兵デクリオン』を魔法カード『天装の霹靂(アルマートス・フルグル)』によって新たなリンクモンスター『天装騎兵エクエス・フランマ』へと入れ替える…さらに、それによって墓地にリンクモンスターが送られた事でリンクマジック『天装騎兵プルンブーマ・トリデンティ』の効果が発動可能となり、再び『マグヌス・ドゥクス』が復活する…!

 

 

【『ヴァレルロード・ドラゴン』の効果で攻撃力を500下げられても、『裁きの矢』の効果を受けた『マグヌス・ドゥクス』の攻撃力は5000…攻撃力3000のお前のドラゴンを攻撃すればジャストキルだ…!】

人質作戦を止められた事で取り乱したライトニングだったが…再びリボルバーを追い詰めた事で気分を良くしたのか、彼の口は回り始める…。

 

 

 

【そうだ…消える前に、貴様に良い事を教えてやろう──貴様の父、鴻上博士に関する事だが…貴様は1つ、大きな勘違いしている……貴様はSOLテクノロジーが鴻上に電脳ウイルスを仕込んだ、と思っていたようだが──それは違う、鴻上に電脳ウイルスを植え付けたのは、()だぁ…!】

 

「なっ──」

 

「なんだと!?」

それはライトニングなりの()()()()()だった…ライトニングは鴻上博士が自分と同じタイミングで「イグニスの未来」に関するシミュレーションを行っている事に気付き、自分が()()()だとバレる前に鴻上博士の口を封じ…万が一目覚めてもSOLテクノロジーの仕業に見えるように手を回していたのだ…!

 

 

 

【まぁ、鴻上が廃人となった今では、黙っている必要もない…お前達の勘違いのおかげで私はボーマンという新たな切り札を作る、十分な時間を得る事ができたのだから!!】

 

「貴様が、父を…!!」

 

「リボルバー…!」

自分が本当に()()()()()敵を知ったリボルバーは拳を握り締める…その衝撃と怒りは、想像に絶するだろう…!

 

 

【まったく、愉快だったよ…!私が真の親の仇だったとも気づかず、懸命に戦い続ける貴様の姿は……!安心しろ、貴様を抹殺した後、鴻上もお前の後を追わせてやろう!!バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で『ヴァレルロード・X・ドラゴン』に攻撃!】

 

「この瞬間!『ヴァレルロードドラゴン』の効果発動!アンチ・エネミー・ヴァレット!!」

 

【無駄だ!『裁きの矢』の効果発動!!消え去れ!リボルバー!】

リボルバーを嘲笑いながら最期の攻撃を仕掛けるライトニング…だが、リボルバーの瞳は揺らがない──貫く大義と父の思いが、彼を導く!

 

 

「永続罠『ロシアン・ヴァレル』を発動!その効果により、『ヴァレルロードドラゴン』をリリースする事で、そのリンクマーカーの数だけカウンターを置く…カウンターの数は4つ、さらに!自分のモンスターが攻撃される時、カウンターを1つ取り除く事で、そのモンスターは破壊されず、相手モンスターの攻撃力はカウンター1つにつき100ポイントダウンする!よって『マグヌスドゥクス』の攻撃力は2200となる!」

 

【だが、ダメージは受けてもらう!『裁きの矢』の効果を受けた『マグヌスドゥクス』の攻撃力は4400!1400のダメージだ!!】

リボルバーを打ち据える火砲…しかし、そのライフは600ポイント残る…!

 

 

「──倒しきれなかったようだな、私を」

 

【フン…だが、お前のライフは僅か600、次の…私の、ターンで、攻撃が、決まれば…?】

 

「素直に認めたらどうだ?もう理解しているはずだ──次のターン、お前の敗北が来る事を!!」

一見、リボルバーを追い詰めたように見えるライトニング…しかし、それは大きな間違い…リボルバーがライトニングの攻撃を耐えた時点で、勝利への未来回路は完成していた。

 

 

 

1つ、『ヴァレルロード・X・ドラゴン』にはORUが1つ残っており、リリースした『ヴァレルロード・ドラゴン』が蘇生できる。

 

2つ、アンチ・エネミー・エクスチャージとアンチ・エネミー・ヴァレットの効果によって『マグヌスドゥクス』の攻撃力は1100までダウンする、という事。

 

そして3つ、ライトニングには既に防御カードは残されていない!!

 

 

 

《これで2体のドラゴンの攻撃が通ればリボルバーの勝ちだ!やっちまえ!リボルバー!!》

それは既に確定した勝利への道…しかし、ライトニングはまだ策を残していた…!

 

 

 

【ちいいっ!?私は『マグヌスドゥクス』の効果発動!!相互リンクするモンスター1体につき1枚、フィールドのカード1枚を手札に戻す!私が戻すのは永続罠『天装の詠唱』!!そして効果発動!このカードが効果の対象となった時、自分フィールドのモンスターは全て破壊される!!】

 

「貴様、なにを!?」

 

【この瞬間、破壊された『エクエス・フランマ』の効果発動…!相互リンク状態のこのカードが効果で破壊された時、お互いのプレイヤーは相互リンクしていたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける!!】

 

「なっ…!?貴様、それは…!!」

 

私は負けない…!!人間を超越したイグニスである私が…!貴様などに負ける事はあってはならないィィィ───!!!

 

「っ…!?うおおおっ──!?」

 

「「「《リボルバー!!》」」」

フィールドで投石兵の投げた爆弾が爆発…リボルバーもライトニングも吹き飛ばされる…空前絶後の対決は、ライトニングの自爆による()()()()引き分けで幕を閉じた…!

 

 

 

リボルバー LP0

 

 

 

 

 

「リボルバー…!リボルバー!大丈夫か!?しっかりしろ…!!」

 

「──まさか、光のイグニスに自滅するという考えがあったとは……油断した…」

 

《リボルバー…!お前、よくやったぜ…!!》

爆風を耐えた遊作はすぐさま吹き飛ばされたリボルバーへと駆け寄る…倒れ込んだリボルバーは満身創痍……ライトニングの思わぬ選択にしてやられたという表情をしていた…。

 

 

「リボルバー…!待ってて、すぐに回復を…!!」

 

《無駄です…「全て遠き理想郷(アヴァロン)」は世界の法則を歪める事まではできない……「負けたら消滅する」というルールが敷かれたこの場所のルールまでは、変えられません》

 

「そんな…!!」

そして、続いて駆け付けた遊嗣が「全て遠き理想郷(アヴァロン)」による回復を試みる…しかし、宝具の権能があっても…リボルバーの運命を変える事はできなかった…。

 

 

「……小さい頃、こんな風に花畑に寝転び、空を見上げた事があった…その時を思い出す…あの頃は、何も背負わず…ただ目の前に広がる世界に胸を躍らせていた…」

 

「リボルバー…」

薄れゆく意識の中…リボルバーは幼い頃の情景を思い出す、その表情は憑き物が落ちたかのように穏やかだった…。

 

 

「──私は、一足先に逝く……Yu-Z、マシュ…巻き込んで、すまなかった……プレイメーカー…A()i()、後を…頼む───」

 

《リボルバー…お前、オレの名前───》

ノイズに覆われたリボルバーの体は花吹雪と共に電脳世界へと溶けていく……最後の最期に、()であった…今まで()()()()()()、としか呼ばなかったAiの名前を穏やかな笑みで呼びながら…。

 

 

 

《リボルバー…!!お前の事、キライだったけど…見直したぜ…!!》

 

《っ…みんな!油断しないで!!ライトニングが…!!》

 

「「「っ…!!」」」

静かにリボルバーの消滅を悼む遊作やAi…しかし、ロマンが悲壮な声を上げる…!

 

 

 

【私は、私はまだ…生きているぞ…!!】

 

ライトニング LP1

 

ライトニング WIN

 

 

 

「なっ…ライトニングのライフが、残ってる!?」

 

「なんで…!?」

 

《馬鹿な!?お互いに3000ダメージ受けて吹っ飛んだんだぞ!?》

満身創痍ながらもライフが残っているライトニング…その理由は────

 

 

【ライトニング…きみは、私に草薙仁の意識データ全てを渡さなかったな?それをエクストラライフに変換したのか…】

 

【どんな事を、しても、勝つ…それが、私の使命…!ガハッ…】

 

ライトニングはスキル【エクストラライフ】を発動…致死ダメージを受けた分を草薙仁から奪ったデータを盾にして耐えていたのだ…しかし、その命もすぐに尽きようと──────

 

 

ドクン!!

 

 

 

【そうだ…私は、負ける訳にはいかない…!全て、全ては……()()()()()()()()為─────えっ?私は、なに、を言って…!?】

 

【ライトニング…!?どうした!データが…プログラムが乱れているぞ…!?】

その時、ライトニングに異変が起きる…その身体が揺らぎながら、世界を破滅させると口にしたのだ…!

 

 

 

ドクン!!

 

 

【あ、あああああ…!?やめろ…やめろ!出てくるな!!私はイグニスの未来を…私が生き残る為に!!うわあああああああ!?

 

【ライトニング…!?なんだ…何が起きている!?】

 

 

 

「っ…ライトニングに何が起きている…!?」

 

《な、なんだ…!?ボーマンの奴まで取り乱してやがるぞ!?》

 

《っ…この識別パターン…まさか!!母様!!》

 

『状況は把握しています…!そこにいるのはもはや、光のイグニスではありません…!!』

 

「彩姉!?どういう事!?」

苦しみ悶えるライトニング…その様子を見たロマンが彩華へと連絡を飛ばす…そして、彩華はその答えに辿り着いていた。

 

 

『おかしいと思ったのです…いくらイグニスとデータ・マテリアルという超物質・超科学があると言っても、それだけでマスターの意識を奪い、あまつさえ異世界の産物である「No.」を再現できるはずがない…しかし、()()()()()が関わっているなら、話は別です…!光のイグニス・ライトニングは生まれた瞬間から、その存在の影響を受け続けていた…世界を破滅させる者は、目覚めの時をずっと待っていたのです…!』

 

「生まれた瞬間から───まさか、それは…!遊海さんが言っていた…!!」

 

『そう…!10年前、鴻上聖や草薙仁に取り付き、本体を倒されてなお…()()()()を人類を導くはずの篝火に植え付けた悪しき意思…!()()()()!!』

 

 

ギィン─!!

 

 

【世界に破滅を…白く染まった世界を…生命なき宇宙を…!!】

 

【ライト、ニング…!?】

彩華の分析と共にライトニングの変化が終わる…そこにいるのは今までのライトニングではない。

 

体は全て白く染まり、頭部の雷光の意匠も消えたその姿は白い人型のピクトグラムのようにも見える…しかし、その菱形の瞳は紅く、悪魔のように邪悪に輝いている。

 

 

その名は──破滅の光・ライトニング

 

 

さらに、破滅の光の尖兵と化したライトニングは()()()()()を打つ…。

 

 

【この世界に英雄はいない…()()もいない…我が齎す運命を阻むモノはない!!】

 

ギィン!!

 

「っ…父さん!!」  

 

「遊海さん!!」

ライトニングがワームホールを開く…そこから現れたのは、水晶の柩に囚われた遊海だった…!

 

 

【白波遊海よ…今こそ、破滅の光に染まるのだ──!!】

 

《まさか…やめろ…!やめろ!!》

 

【止まれライトニング─!!】

そして、ロマンとボーマンが止める間もなく…ライトニングが水晶の柩へと飛び込む…そして───

 

 

ビキ…ビキ……バリーン!!

 

 

【「「「っ──!?」」」】

水晶の柩が粉々に砕け散る…そして……。

 

 

 

【最強の肉体は我が手にあり…世界に破滅を齎すのだ──!】

 

「─────」

光の中から、()が現れる…それは髪も肌も服も…全てが()に染まり、腕のデュエルディスクからは狂気に呑まれたライトニングが狂気の笑みを浮かべる──『GX』の時代においては回避された、()()()()()───

 

 

「そんな、父さん!!」

 

《マスターが…破滅の光に、乗っ取られた…!?》

 

全てが白く染まった遊海は虚ろな目で世界全てへと敵意を向けた…。

 




〜次回予告〜


人類を未来へと導くはずの篝火の中から悪しき光が溢れ出す 
【かつて、世界を恐怖によって震撼させた『龍』はついに蘇る】
生命を消し去ろうとする邪悪な意志は希望を飲み込み、災厄を齎さんとする

【──希望と絶望───善と悪───光と闇──】
そして──残された希望は『覚醒の時』を迎える

【英雄なき世界に希望はあるのか?】
「遊嗣!お前の力で遊海さんを救い出すんだ!!」

【『彼を引き戻せるのは──キミだけだ』】
「次回、『転生して決闘の観測者になった話』」

【英雄を救う家族の絆─覚醒の刻─】
【Re:人類悪咆哮──GRAND DUEL──】
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