転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

500 / 540
こんにちは、S,Kです!

この話を以て…『転生して決闘の観測者になった話』は500話を迎える事ができました。
この物語を紡ぎ続ける事ができるのも、ひとえに読者の皆様のおかげです、ここに厚く御礼を申し上げます。

そしてまた…この話が「500話」になった、という事もまさに()()なのかもしれません。 



これは…遊海を救う為の全てを懸けた戦い──どうか、この戦いを見届けてください。


Re:人類悪咆哮──GRAND DUEL──

「そんな…!遊海さん…!!遊海さん!!」

 

「破滅の光って…!ずっと昔に父さんや十代さんが倒したはずだろ!?」

 

《っ…破滅の光は未だに詳細不明の敵…!実質的に()()の存在であってもおかしくないのです…!!》

現実世界・遊嗣の病室…リボルバー対ライトニングのデュエルを見届け、破滅の光・ライトニングの覚醒…そして、遊海の乗っ取りを目撃する事になった翠や凌牙達は騒然としていた。

 

 

「っ…すまない、状況が理解できないのだが…!?簡潔でいい…状況を説明してくれ!」

 

「っ…世界最強の英雄が、敵になった…状況的に──いつ世界が()()してもおかしくない!!」

 

「なっ─!?」

状況を上手く理解できないランスロー…しかし、凌牙の言葉に顔色を青褪めさせる…。

 

 

 

『シャーク!!遊海は!?遊嗣はどうなった!?』

 

『翠さん!待たせてすまねぇ!!』

 

(人間界の決闘者達はかき集めてきた、遊馬号で待機してもらっている)

 

「十代君!遊馬君!アストラル!」

その時、緊急招集された決闘者達…その代表として遊馬とアストラル、そして十代が駆け付けてくる。

他の決闘者達は周囲の混乱を避ける為、KC病院上空で待機していた…。

 

 

《っ……十代、どうやら…状況は最悪みたいだよ》

 

『ユベルっ…遊海先生が白く…!?──破滅の光か!!!』

 

『破滅の光って、世界を滅ぼす意思とかいう奴か!?』

 

(状況から察するに──光のイグニスに取り憑く…いや、()()()()()()()()破滅の光が目覚め、捕らえていた遊海を支配下に置いた、という事か…!)

 

《理解が早くて助かります…!しかも、不味いのはそれだけではありません……今の遊嗣が、あれほどの()()()()と対峙したら…!!》

 

(っ───カイト!スフィアフィールドの展開用意を!!下手をすれば──D()E()N()C()i()t()y()()()()()()()()!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

【ハハ……はははははは!!世界に破滅を…!白く…白く染め上げるのだ──!!】

 

【ライトニング…!いや、お前は…ライトニング、なのか…!?】

 

 

「父さん…!!」

ミラーリンクヴレインズ・花畑エリア…リボルバーとライトニングのデュエルが壮絶な決着を迎えた直後、瀕死のライトニングは植え付けられた悪しき意思によって破滅の光の尖兵として覚醒……囚われた遊海を依り代として復活を遂げる…!

 

 

 

『ちょっ…先輩!?なんだかトンデモない事になってません!?』

 

『白くなったライトニングに……鋼の騎士…アンタが捕まってたなんて…!?リンクヴレインズはどうなっちまうんだよぉ!?』

そして、そんな異常な状況を中継する事になったカエルとハトは悲鳴を上げた…。

 

 

 

 

「破滅の光…!まさか、オレ達が対峙する事になるとは…!」

 

《プレイメーカー!お前、ライトニングに何が起きてるのか分かるのか!?さっきからロマンとかが言ってる破滅の光ってなんなんだよ!?》

 

「っ…教えて、プレイメーカー!父さんから何か聞いてるの!?」

かつて遊海から聞かされた『ロスト事件の元凶』の事を思い出す遊作…そんな彼にAiと遊嗣は状況を訊ねる…。

 

 

「かつて、遊海さんは言っていた…鴻上博士がロスト事件を起こす事になった原因…それは、宇宙から降りそそいだ『生命を破滅させる白き意思』…破滅の光に取り憑かれ、暴走させられた結果だったんだと…その破滅の意思は鴻上博士から草薙さんの弟に宿主を変え…ロスト事件解決に突入した遊海さんが倒した…そのはずだったが…!!」

 

《まさか──草薙の弟のデュエルデータに自分の『滅亡』の意思みたいなのを刷り込ませて、ライトニングが人類を…世界を滅ぼす存在になるように仕向けたのか…!?そのせいでシミュレーションは人間とイグニスの滅亡って結果になったって事か!?》

 

《おそらく、そういう事だ…!現代において情報とは()…データを植え付けるなんて、破滅の光には朝飯前だ…そして、何度も彼らの邪魔をしたマスターを危険視して…先んじてその動きを封じ…利用しようとしているんだ!!》

 

「そんな…!?」

遊海から聞かされたロスト事件の真相と『破滅の光』の情報をAiや遊嗣に伝える遊作…そこから彼らは全ての真相へと辿り着いた…!

 

 

 

【ライトニング、言ったはずだ…これ以上の卑怯な真似は許さないと…我が内へと還れ、ライトニング!!】

 

【──ボーマン…しばし、猶予を…貴方を白き世界の王とする為に──私は全てを破滅させる!!】

 

「───!!」

 

ドガン!!

 

【なっ…!?ぐおおおっ!?】

 

「ボーマンが…!!」

 

『ボーマンが拳一発でふっとばされた─!?』

再び卑劣な作戦を取ろうとするライトニングを諫め、吸収しようするボーマン…しかし、ライトニングはそれを拒否……その上で遊海の体を操り、ボーマンを殴り飛ばし──ボーマンは花畑から数百m先の森の木々を薙ぎ倒しながら、その先までふっ飛ばされていった…!!

 

 

 

《マズい…このままでは、()()()()()…!》

 

《世界って…オレ達はあくまで電脳世界の存在だぜ!?そんなすぐには…》

 

《いや、電脳世界の存在だから不味いんだ…!》

暴走するライトニングの様子を見て世界の破滅を直感するロマン…Aiは戸惑う様子を見せるが、ロマンは()()を語る。

 

 

《100年以上前、当時顕現した破滅の光は大気圏外にあるレーザー攻撃衛星で世界を焼き払おうとしたり、ユベルという精霊を狂わせてこの人間界を含めた()()()の次元世界を丸ごと滅ぼそうとしたという……そして、今ならさらに悪辣な手段も取れる…!永久機関モーメントのマイナス回転による暴走、AI防衛システムを強奪した機械と人間の戦争、核ミサイルの発射…打ち上げられた無数の衛星の墜落…電脳の体を得た破滅の光は、マスターの知識も利用しながら、ありとあらゆる手段を使って地球に生きる生命を滅ぼそうとするだろう…!!》

 

「「「はっ!?」」」

 

《そこまですんのかよ!?》

ロマンが語る、破滅の光が取りうる手段…それを聞いた遊作達の顔色が青褪める…!

 

 

 

「つまり、ここでライトニングを倒し…遊海さんを救わなければ、世界が滅ぶ…遊海さんに、世界を滅ぼさせる訳にはいかない!!」

ロマンの言葉を聞いた遊作は暴走するライトニング、そして遊海へと向き直る…世界を救い続けた英雄に、世界を滅ぼさせない為に…!

 

 

「待って…プレイメーカー…父さんを止めるなら、それは…僕の役目だ…!!」

 

「遊嗣さん!?」

 

「Yu-Z!?お前…!」

 

《Yu-Z!?操られてるとはいえ、親父さんと戦えるのか!?》

その時、遊作に待ったをかけたのは遊嗣だった…彼の思わぬ言葉にマシュも遊作もAiも驚愕している…。

 

 

「僕は、父さんを助ける為に戦いにきた……それに、感じるんだ…!!僕の中の()()が…ヤツを……破滅の光を滅ぼせって…!!」

 

「っ…Yu-Z…お前、目が…!?」

遊海を助ける為に…そして、抑えきれなくなっていた()()を揺らめかせながら拳を握り締める遊嗣…その瞳はまるで()()のように、紅く輝いている…!

 

 

《っ………そうか、ここが…きみの()()()()()なんだね、遊嗣…》

 

「ロマンさん…?」

そして、遊嗣の様子を見たロマンが諦めたように呟く…まるで、この事態を予見していたかのように…。

 

 

 

《遊嗣…きみは、この戦いに()()を賭ける覚悟はあるかい?》

 

「ロマン…?」

そして、ロマンは静かに遊嗣へと問いかける…。

 

 

《きみは、この戦いで()()を知るだろう…その代わり──もしかすると、きみは()()事になるかもしれない……それでもなお、きみはマスターを……父さんを救う為に戦えるかい?》

 

《ロマン!?お前、なにを…!?》

 

「……僕は、父さんに守られてばかりだった…その父さんを助けられるなら、僕は……なにを犠牲にしても、父さんを助ける!!!」

 

《そうか………マスターが今のきみの姿を見たら、きっと…泣いているかもしれないね…》

ロマンの問いに瞳の色を碧く戻した遊嗣はまっすぐに答える…あの時、助ける事ができなかった遊海を救う為に手を伸ばすのだと…!

 

 

 

《封印解除…最終デッキ、解放……!》

 

『待ちなさい!ロマン!!そのデッキの解放は許可できません!!()()()()!!』

 

「彩姉…!?」

自身の胸に手を当て、何かの封印を解こうとするロマン…その様子を見た彩華が声を荒らげる…!

 

 

《母様…父様も薄々感じていたはずです、遊嗣がハノイの塔事件に巻き込まれた時点で…()()の時は迫っているのだと…だからこそ、このデッキをボクに封印していた…そうでしょう?そして、ボク達はライトニングに手の内を晒しすぎた……破滅の光が生命を──()()()脅かす存在なら──このデッキは奴への切り札たり得る》

 

『っ……私も、マスターも…そのデッキだけは使う時が来ない事を祈っていました……伝えるにしても、遊嗣が大人になってからと………』

 

《遊嗣は、もう十分に()()です……今の彼なら、このデッキを使い熟せるはず……ボクは信じています、遊嗣の持つ光と勇気を───父様達から受け継いだ、守るべきモノを守る為に戦う──「遊」の意思を》

 

『ロマン……』

封じられたデッキを解放する理由を彩華へと説明するロマン…彼は遊嗣と共に戦ってきた()()として、遊嗣の意思を信じていた…。

 

 

『───翠、遊嗣に声をかけてあげてください…彼が()()()()ように』

 

『遊嗣…!』

 

「母さん…」

そして、ロマンに根負けした彩華は翠へと通信を変わる…。

 

 

『遊嗣…約束、ちゃんと守るのよ…!絶対に、遊海さんと一緒に…無事に帰ってきて…!!』

 

「うん…!!」

翠の言葉に深く頷いた遊嗣はロマンへと向き直る…。

 

 

 

「ロマン…お願い」

 

《うん、遊嗣───これが…()()()()()()()()だ》

 

「───えっ?」

ロマンが胸から取り出したデータが遊嗣の手元でデッキへと変わる…そして、彼は思わぬ言葉を口にした…。

 

 

《マスターは……ううん、きみの家族はみんな…きみの()()()()()がなんなのか()()()()()()()()…その上でその存在を隠していた……きみが平和に、穏やかにデュエルを楽しんで暮らせるように…》

 

「遊海さんが、遊嗣さんの魂のカードを知っていた…!?」

ロマンの言葉にマシュが驚く…遊嗣は自分の「魂」たる1枚を見つけられずに悩んでいた…だが、本人より先に遊海は…彼の家族はそのカードがなんなのか知っていた、というのだ…。

 

 

《……デュエルモンスターズには、様々な召喚法が存在する…アドバンス・儀式・融合・シンクロ・エクシーズ…そして、リンク……しかし、マスターは意図的に1つだけ…()()()を隠していた、その召喚法を扱う仲間達と会う機会を少なくしてまで…》

 

《ち、ちょっと待て!ロマンが出した召喚法でデュエルモンスターズの召喚法は全部だろ!?それ以外に召喚法があるなんて───》

 

《Aiが知らないのも無理ないよ……この召喚法は、この世界では生まれず、そのデータは海馬コーポレーションとインダストリアル・イリュージョン社でのみ保管されている──()()()の召喚法なんだから》

 

「「別次元!?」」

それは遊作やAiですら知らない、()7()()()()()…別次元の産物なのだから。

 

 

 

「第7の、召喚法………あっ───」

そして、遊嗣は渡されたデッキを確認する…その刹那───

 

 

カチリ

 

 

「これが…僕の、()()()()()………でも、こんな──こんな事って…!!!」

 

「遊嗣さん!?」

 

「Yu-Z!?どうした!?」

そのカードを見た瞬間、遊嗣の欠けていたピースが埋まる音がした…それと同時に、遊嗣は涙を流しながら崩れ落ちる…。

 

 

 

 

遊嗣はこの瞬間に全てを理解した……自分はずっと───()()()()()()から護られていたのだと…。

 

 

 

 

「遊嗣さん…!?大丈夫ですか!?何が…!?」

 

「───マシュ、お願いが、あるんだ…」

 

「えっ…?なんですか…?」

取り乱した遊嗣を心配するマシュ…そんな彼女に、震える声で遊嗣は頼み事をする。

 

 

「マシュ…僕の傍に、いて欲しい……僕が、道を…間違えないように…!父さんを、助けられるように…!!」

 

「遊嗣さん───はい…!私はどんな事があっても、遊嗣さんの隣にいます!!一緒に、遊海さんを助けましゅッ……ごめんなさい、噛んじゃいまひた………///」

 

「───あはは……ありがとう、おかげで…肩が軽くなった!」

『隣にいて欲しい』…その願いに明るく答えるマシュ…しかし、大事な所で噛んでしまい、赤面するが──そのおかげで遊嗣は平常心を取り戻した…。

 

 

 

「Yu-Z…大丈夫、なのか?」

 

「──うん、プレイメーカー…少し()()()()()()()()()かもだけど、ライトニングは任せて……ボーマンの事は任せた」

 

《Yu-Z…!お前、死ぬなよ!?お前までそんな事になったら、オレ泣いちゃうからな!?》

 

「Ai…大丈夫!僕は、僕にできる全力で、ライトニングを倒して、父さんを助けてみせる!!」

そして、立ち上がった遊嗣は遊作とAiに後を託し、マシュと一緒に破滅の光と対峙する…!

 

 

 

 

【Yu-Z…目障りなプレイメーカーよりも先に、貴様を滅ぼしてやる…!自分の父親の手で死ぬがいい!!】

 

「僕は死なない…僕は、絶対に父さんを助けて───破滅の光、お前を滅ぼす!!この世界を守る為に!!!父さんが…母さんが…凌牙兄や璃緒姉が託してくれた願いに応える為に!!」

白きオーラとシャドウ・ネームレス以上の殺気を放つライトニング…遊嗣は倒すべき()の気迫を正面から受け止める。

そして…マシュの想いと共に真の力を手にした遊嗣と破滅の光の化身が衝突する!!

 

 

 

 

 

 

       Light of destruction

 

       破滅の光 光臨

 

 

 

 

 

 

「【デュエル!!】」

 

 

Yu-Z LP4000 

破滅の光・ライトニング LP4000

 

 

 

・マスターデュエル

マスタールール(新)適用

メインモンスターゾーンに融合・S・Xモンスターを召喚可能

 

 

 

 

 

「僕の先攻……僕のターン!!」

「───力を貸して……僕は魔法・罠カードゾーンの左端、()()()()()()()()()()()()()にスケール0の『覇王門零』を…右端の()()()()()()()()()()()()()にスケール13の『覇王門無限(インフィニティ)』をセッティング!!」

 

PENDULUM

 

【なに…?】

 

「ペンデュラム…!?なんだ、あのカードは!?」

 

《モンスターカードと魔法カードが半分ずつくっついてる!?そんなカードがあるのか!?》

遊嗣の背後に2本の光の柱が立ち上がり、その中に「0」と「∞」の形をしたモニュメントが浮かび上がる…それと共にデュエルディスクに『PENDULUM』の文字が輝く!

 

 

「これで僕は…レベル1から12のモンスターを()()()()()()()になる!──揺れろ…揺れろ!揺れろ!!混沌のペンデュラム!光と闇の狭間を揺れ動き…封じられた力を解き放て!ペンデュラム召喚!!」

遊嗣の頭上で宝石──ラプラスから渡された『ゼアルライトのペンデュラム』が揺れ動く…揺れ動く度に赤・紫・青と色を変えながら…その軌跡は異世界への扉を描き出す!!

 

 

「現れろ!!雄々しくも美しく輝く二色の眼!!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

そして開かれた扉から赤と青、二色の眼を持つ赤きドラゴンが咆哮する!! ATK2500

 

 

「これが、第7の召喚法…ペンデュラム召喚…!綺麗…!!」

 

「マシュ…ありがとう…!先攻は攻撃できない、カードを1枚伏せて、ターンエンド!!」

 

Yu-Z LP4000

オッドアイズ (Pスケール 零 無限) 伏せ1 手札1

 

 

 

 

 

「あれが、Yu-Z本来のデッキ…!だが、ライトニングの攻撃に耐えられるのか…!?」

 

《それにしても…()()って、物騒な名前だよな…?Yu-Zらしくないというか…》

 

「覇王……まさか、な…?」

 

 

「『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』…何処かで、似た名前を聞いた事があったような…?」

 

「………」

遊嗣が解放した新たな召喚法・ペンデュラム召喚…それを見た遊作は不穏なものを感じ…マシュも現れた二色の眼の龍に既視感を覚えていた…。

 

 

 

 

【いくぞ…我のターン!!】

【我はフィールド魔法『天装の闘技場(アルマートス・コロッセオ)』を発動!その効果により、デッキから『天装騎兵(アルマートス・レギオー)グラディウス』を手札に加える!】

 

「その時!僕は手札の『増殖するG』の効果発動!このターン、相手が特殊召喚に成功する度に僕はカードを1枚ドローできる!」

遊海の体を操りデュエルをするライトニングは遊嗣と因縁深い『天装騎兵(アルマートス・レギオー)』を再び展開する…!

 

 

【我は『天装騎兵シーカ』を召喚!】

短刀を構える石像が現れる! ATK0

 

【現れろぉ…!破滅を導くサーキット!召喚条件はレベル4以下の『天装騎兵』モンスター1体…リンク召喚!現れろ!『天装騎兵デクリオン』!】

ライトニングのデッキの切り込み隊長たる兵士が現れる! ATK1000 ↓

 

Yu-Z 手札0→1

 

 

【そしてフィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動!手札の『天装騎兵グラディウス』を墓地に送る事で墓地の『シーカ』を『デクリオン』のリンク先に特殊召喚!!】

再び短刀を持つ石像が現れる! DEF400

 

Yu-Z 手札1→2

 

【再び現れろ…破滅を導くサーキット!!召喚条件はレベル4以下の『天装騎兵』モンスター1体…『シーカ』を素材として現れろ!2体目の『デクリオン』!!】

2体目の十人隊長が現れる! ATK1000 ↓

 

Yu-Z 手札2→3

 

 

「っ…リンクマーカーがライトニングの魔法・罠カードゾーンに…来るぞ!!」

 

【発動せよ…世界を滅ぼす3本の光…リンクマジック『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』!!】

ライトニングのキーカードたるリンクマジックが発動する! ↖↑↗

 

 

□■□□□

□■□□□

 ■ □ 

□□■□□

■□■□■

 

 

【『裁きの矢』のリンク先のモンスターがバトルする時、その攻撃力は2倍になる…!そして、再び現れろ…破滅を導くサーキット!!召喚条件は『天装騎兵』モンスター2体…リンク召喚!『天装騎兵ケントゥリオン』!!】

槍を持つ指揮官が現れる! ATK1700 ←→

 

Yu-Z 手札3→4

 

【我は再びフィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動…!手札の『天装騎兵スクトゥム』を墓地へ送り…『ケントゥリオン』のリンク先に墓地の『シーカ』と『グラディウス』を特殊召喚!!】

2体の石像が現れる! DEF400 DEF800

 

Yu-Z 手札4→5

 

 

【ふはははは…!開け!破滅を導くサーキット!!召喚条件は『天装騎兵』モンスター3体以上…!リンク召喚!!現れろ!世界を炎に包み、破壊を齎す支配者よ!!『天装騎兵マグヌス・ドゥクス』!!】

そして…ライトニングの切り札たる黄金の戦象に乗る支配者が現れる! ATK3000 ←↓↑→

 

Yu-Z 手札5→6

 

 

 

《1ターン目から出してきやがった!?飛ばし過ぎ…というか、ライトニングらしくない、プレイングだよな…?》

 

「おそらく、破滅の光によってライトニングは暴走している…目の前の全てを破壊する、という衝動に突き動かされている…それか……あれが()()()ライトニングの性質なのかもしれない」

 

《ライトニング…お前…》

いきなり現れたライトニングの切り札に驚くAi…その中で遊作はライトニングの暴走にいち早く気付いていた…。

 

 

【フヒャハハハハハ!!バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を攻撃!さらに『裁きの矢』の効果で攻撃力は2倍となる!!消し飛べぇぇ!!】

 

「っ…ぐああああっ!!?」

 

「遊嗣さん!!」

 

「Yu-Z!!」

戦象から放たれた火砲が赤きドラゴンを粉砕…遊嗣は吹き飛ばされ、地面を転がる…!!

 

 

マグヌス・ドゥクス ATK3000→6000

 

Yu-Z LP4000→500

 

 

【ふはははは…ぎゃはははは!!我は永続魔法『天装法典(アルマートス・レークス)』を発動し、ターンエンドだ!!】

 

ライトニング LP4000

マグヌス・ドゥクス 天装法典 裁きの矢 手札0

 

 

 

 

「遊嗣さん!大丈夫ですか!?」

 

「っ……さっきより、痛い…かも…口の中…血の、味が…」

 

《(破滅の光の超常の力とマスターの持つ精霊の力が干渉して、さっきのシャドウ・ネームレスと戦った時よりもダメージが大きくなってる…!!遊嗣の体が…!!)》

倒れてしまった遊嗣を助け起こすマシュ…そして、遊嗣はシャドウ・ネームレスと戦った時よりも辛そうな表情を見せていた…。

 

 

 

《ライトニングのフィールドには攻撃力6000を超えなきゃ倒せない『マグヌス・ドゥクス』がいて…しかも、相手のダイレクトアタックを無効にできる永続魔法『天装法典』が発動してる…!》

 

「Yu-Zは次のターン…どうにかして『マグヌス・ドゥクス』を倒さなければならない…でなければ、ライトニングが『天装の闘技場』の効果で再びモンスターを繰り出してくる…!だが……」

 

《だ、大丈夫だって…!ライトニングがめちゃくちゃなプレイングしたおかげでYu-Zの手札は6枚もあるんだ!あいつなら、きっとやってくれる!!》

 

「(さっき、遊嗣はオレ達をビックリさせてしまうかも、と言った……ペンデュラム召喚には驚いたが───あいつの顔、まるで……自分が()()()()()()になるような…)」

冷静に盤面を見る遊作とAi…その中で遊作は漠然とした()()を感じていた…。

 

 

 

 

 

Side遊嗣

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

息が、苦しい…体全体が、痛い……目の前が暗くなる……マシュの声が、遠くに聞こえる……なのに───

 

 

ドクン

 

 

僕の中の()()は──ライトニングに向けられた()()は、どんどんと強くなっていく…。

 

 

ドクン…

 

 

目の前が、赤くなる…ああ…この感覚に……()()に身を任せてしまえれば、どれだけ()なんだろう。

 

 

ドクン!

 

 

でも、()()()()……()()…!この衝動に身を任せてしまえば…僕は、()でなくなってしまうかもしれない…!

 

 

 

ドクン!!

 

 

でも…()()()()()……抗えるだけの気力がない……怒りが、悲しみが、憎しみが、嘆きが…僕を飲み込んでいく……

 

 

ドクン!!!

 

 

 

 

─────父さん、ごめん…────

 

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

ドクン!!!

 

 

 

「っ…ああ……!!ぐううううっ…!?」

 

《っ…!遊嗣!!しっかりするんだ!!》

 

「遊嗣さん!?」

マシュの手を借りてなんとか立ち上がった遊嗣…しかし、突然彼は苦しみ始める…両腕で自分の体を抱え込み、自分の中から溢れ出そうとする()()を押さえ込もうとするように…だが…!

 

 

 

「ぐうっ…!?ガッ……あああああああああ!!!

 

 

ドン!!

 

 

「きゃあ!?」

 

《マスター!》

 

《マシュ!?》

遊嗣を介抱しようとしたマシュが()()に弾き飛ばされる…弾かれたマシュはアルトリアによって受け止められたが──

 

 

《お、おい…!?なんだよ、アレ…!?》

 

「遊嗣の背中から…()が…!?」

 

「なん、で…!?」

遊作達も遊嗣の異変に気付く、マシュを弾き飛ばしたモノ……それは()だった…遊嗣の背中を()()()()()()()()()だ。

それはブルーエンジェルのような可愛らしい羽ではない……黒く、遊嗣の体を包み込むほどのそれは──まるで()()の翼だった。

 

 

《っ…!!ダメだ!遊嗣!!きみなら、その力を使い熟せるはずなんだ!!飲み込まれるな!!光を…()()()()()()!遊嗣!!》

 

「があっ…うがああああ!!!!

必死に遊嗣へと声を掛け続けるロマン…しかし、遊嗣の()()は止まらない…!

 

服の袖は破れ、その下からは灰色の硬い()が現れ…それが体全体を覆い、両手は鋭い鉤爪に変わる。

 

瞳は赤く、赫く輝き…そこに理性の色はない

 

そして…髪の毛を突き破るように、1対の()()()を模したような角が現れる。

 

 

「遊嗣、さん…!?」

 

 

 

その姿は───まるで()()のようだった。

 

 

 

 

【なんだ…!?貴様は…貴様はなんだ!!?】

 

おおっ…!!うおあああああああ!!」

狼狽する破滅の光…()()を前に、正気を失った遊嗣は咆哮する!!

 

 

 

 

 

ADVENT BEAST

 

人類悪 咆哮

 

 

 

 

 

()()のターン…!ドロー!!」

「揺れろ…揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け…光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ!!我が下僕のモンスター達よ!!!」

不規則に揺れ動くペンデュラムの軌跡…その軌跡から6()()の光が飛び出す!

 

 

「EXモンスターゾーンにエクストラデッキから現れろ!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

二色の眼のドラゴンが復活する! ATK2500

 

「さらに手札から現れろ!!『黒牙の魔術師』!『紫毒の魔術師』『白翼の魔術師』『刻剣の魔術師』そして…!時を読み、星を読み…時空を操りし全知全能の魔術師よ!今此処に降臨せよ!『アストログラフ・マジシャン』!!」

さらに、フィールドに5体の魔術師達が現れる!

 

 

黒牙の魔術師 ATK1700

紫毒の魔術師 DEF2100

白翼の魔術師 ATK1600

刻剣の魔術師 ATK1400

アストログラフ・マジシャン ATK2500

 

 

《なっ…!?モンスター6体の同時召喚…!?しかも破壊されたはずの『オッドアイズ』が復活して…!あれが、ペンデュラム召喚の真の力か!?ハンパねぇ!!》

 

「っ──『アストログラフ・マジシャン』、だと…!?」

遊嗣のフィールドに並び立つ6体のモンスターに圧倒されるAi…そして、遊作は遊嗣が最後に喚び出したモンスターに見覚えがあった…。

 

 

「アストログラフ、マジシャン…!?そんな、なんで…そのモンスターは…!!」

そして、それはマシュも同じ……遊嗣との()()()()()…銀幕の中で、その姿を目撃している…!

 

 

 

「オレは…レベル4の『黒牙の魔術師』と『紫毒の魔術師』の2体で、オーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!」

2体のモンスターが銀河へと飛び込み、ビッグバンを起こす!

 

漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!現れろ、ランク4!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!!

銀河の爆発の中から闇が溢れ出す…その中から紫電を纏い、鋭い顎を持つ黒竜が現れる! ATK2500

 

 

「さらにオレはレベル3の『刻剣の魔術師』にレベル4の『白翼の魔術師』をチューニング!!」

白き魔術師が緑の輪に変化し、小さな魔術師を包み込む!

 

3+4=7

 

その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!!シンクロ召喚!現れろ!レベル7!『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』!!

透き通る緑色の翼を持つ白竜が咆哮する! ATK2500

 

 

「そしてオレは魔法カード『ペンデュラム・フュージョン』を発動!!このカードはフィールドのモンスター、またはペンデュラムスケールのカードを融合する!オレはペンデュラムスケールの闇属性モンスター『覇王門零』と『覇王門無限』を融合!!」

「0」と「∞」のモニュメントが融合の渦に飲み込まれる…!

 

ゼロと無限…時空の彼方から溢れ出す究極の力よ…今こそ交わりて新たな脅威を生み出せ!!融合召喚!!現れろ!飢えた牙持つ毒龍!レベル8!「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン」!!

そして…毒々しい紫の体を持つ、荒々しき竜が現れる! ATK2800

 

 

 

《おい…これ、現実かよ…!?融合・シンクロ・エクシーズ…1ターンに4つの召喚法を使って、4体のドラゴンを───プレイメーカー…?》

 

「遊嗣…まさか…まさか…!お前は!!!」

現実離れした光景に動揺するAi…そして、遊作は体の震えを抑えられなかった。

 

……気付いてしまったのだ、()()()()という存在の正体に……!!

 

 

 

「四天の、龍…!?なんで…遊嗣さんが…!?そのモンスター達は…消えてしまったはず、なのに…!!」

そして、マシュは動揺していた…アドバンス・融合・シンクロ・エクシーズ…その頂点たる4体の龍は映画の中で()()()()と呼ばれていた…そのモンスター達は束ねられ……()()の礎となる…!

 

 

 

 

Side???

 

 

「ぐうっ…うううっ…!!?」

 

「だめ…!ダメよ!遊嗣!!負けないで…()()()に行ってはダメ!!」  

 

「馬鹿遊嗣…!!しっかりしなさい!!お父さんを助けるんでしょ!?」

 

『遊嗣君…!?これはいったい、何が…!?』

現実世界・遊嗣の病室は騒然としていた…ベッドの上に寝かされた遊嗣の肉体はリンクヴレインズのアバターと同じ姿の()()と化し…呻き声を上げる遊嗣に対して翠や璃緒が必死に声を掛け続けている…その様子をランスローは見ている事しかできない…。

 

 

『凌牙…キミの弟は…()()なんだ…!?どうして、こんな…!!』

 

「っ……遊嗣は、俺の大切な弟だ……少し大変な()()を背負っちまっただけの…大切な、弟なんだ…!!」

 

『凌牙…』

ランスローの問いかけに凌牙は拳から血を流しながら答える…大いなる()に抗う遊嗣の姿を見つめながら…。

 

 

 

『……アストラル…このままじゃ…!』

 

(ああ……こうなってしまう事は覚悟していた……おそらく、破滅の光は倒されるだろう……だが、再び……()()()()()()()によって……世界は壊されてしまう…!)

 

 

 

 

 

 

Sideマシュ

 

 

 

うおおお…!!オオオオオッ!!!

 

《──────!!!》

 

 

「っ…マシュ!大丈夫か!!」

 

「プレイメーカーさん…!」

 

《おい!?Yu-Zはどうしちまったんだよ…!?あんなの、まるであいつ自身が()()()()()になったみたいな…!》

 

「わからないんです…!!でも…あのドラゴン達は…!!」

四天の龍が揃い、遊嗣の雄叫びに合わせて咆哮を響かせる中…遊作は動揺しているマシュのもとへと駆け寄る。

…彼らには遊嗣の身に何が起きているのかは分からない──しかし、それが()()()()である事だけは分かっていた…。

 

 

 

《………()()()()、ですね………マスター、()()を》

 

「あ、アルトリアさん…指示って…!?」

 

《───我が聖剣の光を以て…破滅の光、並びに()()()()()()を討伐します》

 

「えっ…討伐って…!?」

 

《それ…Yu-Zを殺そうって言うのかよ!?》

 

「っ…!?」

その時、()()を決めたアルトリアが能面を張り付けたような固い表情でマシュに語りかける。

 

 

《私が貴女の召喚に応じたのは…破滅の光、そして…復活の予兆があった人類悪を滅ぼす為……完全復活する前に、アレらを消し去ります》

 

「待って…アルトリアさん待って!!人類悪って…遊嗣さんが()()だって言いたいんですか!?」

 

《…その通りです、彼は……人類が滅ぼすべき、乗り越えるべき「悪」……その()()()です》

 

「………えっ…?」

 

「転生…!?」

自分が召喚に応じた目的を明かすアルトリア…それは破滅の光と人類悪を倒す為だった…しかし、マシュには…それが理解できなかった。

 

 

 

《……今から1()7()()()、ある人類悪がシラナミユウミを始めとした決闘者達によって討伐されました……しかし、その人類悪は完全には消え去っていなかった……その魂は転生し、数奇な運命によって、彼の息子として再び生を受けた………その魂に人類悪としての()()を残したままに……本来なら、それはこの時代のデュエリスト達によって解決すべき事……しかし、破滅の光によって英雄は封じられてしまった……破滅の光と人類悪、その同時対処はこの世代のデュエリスト達には荷が重い……故に、私は貴女の精霊として、この電脳世界に現れたのです…この世界を守る為に》

そして、アルトリアはマシュに真実を語る…遊嗣は人類悪の因果を宿す、倒されるべき存在なのだと…。

 

 

「わかりません…わからない!!遊嗣さんは…遊嗣さんは私の大切な人です!!なのに…なのに…!!」

 

《……マシュ、彼は既に貴女の知る()ではありません…このままでは───彼は世界を滅ぼす事になります、その前に()()を受ける事を…彼も望んでいるはずです》

 

「そんな…」

表情を変えず、マシュへと決断を迫るアルトリア…その時───

 

 

 

──そこまでにしておきなさい、アルトリア…あまり若い女の子を追い詰めるのは可哀想だろう?─

 

 

「えっ…」

 

「誰だ!!」

花畑に柔らかな青年の声が響く…そして花弁が舞い上がり、その中から白いローブを纏い、大きな杖を持つ白い髪の青年が現れた…。

 

 

「あ、貴方は…?」

 

『やあやあ初めまして!私は…花のお兄さん、とでも名乗らせてもらおうかな?』

 

《マーリン…徒歩で来たのですか?》

 

『やあ、アルトリア…電脳世界では本名は隠すものなんだよ?』

 

「マーリン…マーリンって…!アーサー王も頼りにした予言者の…!?」

 

『その通り…そして、遊海君のファンでもある…しがない魔術師さ』

マシュ達の前に姿を現したマーリン…伝説の英雄の登場にマシュも目を丸くしている。

 

 

『アルトリア、私がきみを送り出したのは…()()()()をさせる為じゃない……今を生きる彼らの力になって欲しかったんだ──若人達の青春を守る為にね?』

 

《マーリン、また夢物語を……策はあるのですか?》

 

『まぁね?さて……マシュ、きみは…今の遊嗣君がどんな風に見える?』

 

「えっ…?」

アルトリアの強硬な意見を諌めたマーリンは穏やかにマシュに問いかけ、マシュは遊嗣へと目を向ける…。

 

 

 

うぐっ…ああ…あああああ…!!

 

《遊嗣!!起きるんだ!!目を覚ませっ…!?だああ─!?》

 

《っ…ロマン!!》

 

「ロマンさん!?」

その時、唸り声を漏らす遊嗣の体から闇が溢れ出す…その闇は遊嗣のデュエルディスクからロマンを弾き飛ばし…Aiは慌てて彼を受け止める…。

 

 

《ロマン!大丈夫か?!》

 

《いてて…!!遊嗣…なんで…彼なら、耐えられるはずなのに…!!》

 

『それはそうさ…キッカケもなく人類悪としての()を乗り越えられる人間がいると思うかい?万能のイグニスのロマン君?』

 

《えっ……花の魔術師、マーリン!?どうやってリンクヴレインズに!?》

 

『千里眼のハッキングでチョチョイとね?()()のピンチには当然駆け付けるとも!』

 

《なるほど……ごめんマシュ、プレイメーカー…ボクの見通しが甘かった…このままでは、遊嗣は…!!》

 

「───遊嗣さん…苦しそう…」

 

《えっ…》

マーリンがいる事に驚きながら、自分の見通しの甘さを反省するロマン…その時、マシュは遊嗣の感情を感じ取っていた…。

 

 

「なんとなく、伝わってくるんです…!遊嗣さんは、苦しんでる…自分から溢れ出す力を、上手く制御できないみたいに…」

 

『───その通り、彼は今、必死に抗っている…世界を滅ぼす()()になるのか、世界を救う()()になるのか…その狭間で彼は揺れ動いてる……ペンデュラムのようにね?』

 

「っ…教えてください、どうしたら…遊嗣さんをいつもの遊嗣さんに戻せるんですか…!?」

必死に抗い、苦しむ遊嗣の思いを感じ取るマシュ…そして、彼女は彼を救う為の方法を求める…。

 

 

『今の彼は深い闇に飲まれかけている…ならば、彼を導く()を用意すればいい……どんな巨大な嵐の中でも輝き、彼を導く()をね?』

 

「星…」

 

《───マスター、貴女は……()()()()()()()()()()?》

 

「アルトリアさん…?」

 

《短い付き合いですが…彼を導く星、それは父親であるシラナミユウミを除けば──貴女以外にはあり得ないでしょう……マスターが彼を救いたいというのなら、私は全力で協力するだけです》

 

「アルトリアさん…!ありがとうございます!!」

マーリンによって策を授けられるマシュ…そして、アルトリアもマシュのひたむきな想いに応え──その手に聖剣を握る!!

 

 

うううっ…!?オオオ──!!」

 

《マスター、決して足を止めないで!彼を救う為に走りなさい!!!》

 

「はい!!」

 

「マシュ…Yu-Zを頼む!!」

闇のオーラを纏い、苦しむ遊嗣…彼に向けてアルトリアが聖剣を構える!!

 

 

《風よ…吼え上がれ!!風王鉄槌(ストライク・エア)!!》

 

ゴウッ!!

 

アルトリアが放つのは聖剣を覆う風の鞘『風王結界(インビジブル・エア)』の解放…風の鉄槌が闇のオーラに文字通りの風穴を開ける!!

 

「遊嗣さん──!!」

そして、マシュは駆ける…風速数十mの暴風の中を転ばぬように…大切な人を救う為に…!

 

 

ズッ…!!

 

 

「っ…!?っ────!!!?

風の中を駆け抜け、遊嗣を覆う闇の中に飛び込んだマシュ…しかし、その瞬間に彼女は声にならない悲鳴を上げる…。

 

 

「(痛い…!!痛い痛い痛い!!吹きつけてくる風が、まるでカミソリみたいに──!!!)」

遊嗣の周囲で荒れ狂う闇の嵐…それは風の刃となってマシュに襲いかかる…!

 

 

「(でも、伝わってくる…!これは…遊嗣さんの()()()なんだ…!遊嗣さんが抱え続けた()()が、全てを拒絶して…!!)」

しかし、マシュは感じ取っていた…風の刃が彼女を傷つける度に

流れ込む、遊嗣の悲しみや怒り…嘆き、憎しみ…それは()()()()をも傷つけている…。

 

 

うが、あ…!!■■■■■■──!!

 

「遊嗣…さん…!!」

闇の中心…そこで遊嗣は痛々しい咆哮を上げる…体は赤黒いノイズに覆われている……その姿は血塗れのようにも見えた…。

 

 

「遊嗣さん…!戻ってきて…!遊嗣さん!!」

風の刃による痛みに耐えながら、必死に遊嗣へと呼びかけるマシュ…その時───

 

 

《───……!!!》

 

「風が……ドラゴン達が…!」

マシュに襲いかかる風の刃が弱まる…それは遊嗣に喚び出された四天の龍達がマシュや遊嗣を守るように並び立っていたからだった…!

 

 

《────……!!!》

 

「───あなた達も…遊嗣さんを守りたい…そうなんですね…?」

そして、マシュはドラゴン達の意思を感じ取る……『彼を救ってくれ』『彼を解き放ってくれ』『この怒りはこの子のモノではない』『彼と共に未来へ行きたい』──そう思うドラゴン達の優しい願いだった…。

 

 

 

 

「───遊嗣さん…私は、遊嗣さんを愛しています…ずっと、一緒にいたいんです…だから、戻ってきて…!!」

涙を零しながら、遊嗣へと自分の想いを──()を伝えるマシュ…そして彼女は────

 

 

「───────」

静かに遊嗣の唇を奪った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊嗣

 

 

 

痛い

 

  

 

苦しい

 

 

 

それでも…僕は……

 

 

 

遊嗣の心の中、深層意識の奥深く…闇に囚われた遊嗣は必死に前へと進み続けていた。

既に2本足で立つ事もできず、手足で体を支える事もできない…それでも、遊嗣は這いずりながら…前へと進み続ける…。

 

 

 

流れ込んでくる…()()が……()()()()の……

  

 

 

その中で、遊嗣はまるで()()を観るように()()()()()()()を見せられていた。

 

それは、とあるデュエリストの一生……貧しい場所へと生まれ、愛を知らずに育ち、そこから世界の頂点に立って…そして()()と化して世界を滅ぼそうとした…哀しい男の一生だった。

 

 

 

ズァーク……()()()()()()()()()……世界を滅ぼそうとした()()()……()()()()()()……僕は、どうなるんだろう…?このまま、消えてしまうのだろうか?消えてしまった方が、いいのかな…?

 

遊嗣は動きを止める…それは、彼1人では到底背負いきれない()()……その重さが遊嗣を深い闇の中に引き込んでいく…。

 

 

 

父さん…母さん…兄ちゃん…姉ちゃん……ごめんなさい……僕なんか、生まれなければよかった…。

 

意識が遠くなっていく…そして、遊嗣は闇の中に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン──

 

 

 

 

「───光…?」

その時、遊嗣は闇の中に光を見つける……まるで、自分を導くかのように…暗闇の中で瞬く光を───

 

 

 

「────いかなきゃ…」

遊嗣はその光に手を伸ばす──しかし、届かない。

 

 

「あの光の所へ…!」

 

闇の中で1歩踏み出す…まだ、届かない。

 

 

「前世なんて、関係ない」

 

闇の中で必死に足掻く遊嗣…弱気になっていた彼の心に火が灯る。

 

 

「僕は、()だ…!前世がズァークだったとしても…今を生きるこの人生は……!!」

 

 

──遊嗣さん!──

 

父さんや母さんと…みんなと…マシュと一緒に歩むこの人生は──()()()()だ!!

 

遊嗣はその星を()()()…遠くに見えた星は、意外なほど近くにあった…その光は遊嗣を包み込み───

 

 

 

………………

 

 

 

 

「───ここは………」

気付いた時、遊嗣は不思議な場所に立っていた…そこは青空の下、しかし…足元にも青空がある…いつかの雑誌で見た水鏡の湖に似た景色だった。

 

 

『やぁ、はじめまして』

 

「きみは──」

その時、遊嗣の前に人影が現れる…それは銀髪に緑色のメッシュの入った髪に白いライダースーツを着た青年──ズァークだった。

 

 

『オレはズァーク…前世のきみ、その残留思念みたいなモノさ……ごめんな、いきなりきみを傷つけるような事をして……オレは()()()()の負の部分を引き受けた存在だから…きみには刺激が強かったかもしれない』

 

「強すぎだよ…めっちゃ苦しかった…死ぬかと思った…」

 

『ごめん!……でも、キミは心の闇を自分の力で乗り越えた…オレが飲み込まれてしまった()()に打ち勝ったんだ…本当にすごいよ』

 

「……1人じゃない……誰かが……ううん、僕の()()()()が僕を導いてくれたんだ」

 

『そうか…オレにはそんな人はいなかったからなぁ…きみの事が羨ましいよ』

遊嗣を苦しめてしまった事を謝るズァーク…彼の言葉に遊嗣は苦笑しながら応える…。

 

 

『さて、あまり無駄話はしていられないね……遊嗣、きみは試練を乗り越えた…怒りを知り、悲しみに嘆き、仲間と共に喜び、楽しむ事を知り──憎しみを乗り越えた…きみなら、オレが持て余してしまった()を使い熟せるはずだ──この力を使えば、遊海さんを…きみの父さんを助けられる』

 

「ズァーク…」

そして、ズァークは遊嗣へと手を伸ばす…まるで()()を求めるように…。

 

 

『遊嗣、オレは…みんなを楽しませるようなデュエルがしたかった…お客さんも…対戦相手も、一緒に戦うモンスター達も…みんなが笑顔になれるようなデュエルがしたかった…だけど、オレは途中で間違えてしまった…でも、きみなら……間違えずに進めるはずだ…きみだけのデュエリストの道を…』

 

「……僕だって、間違えるかもしれない…でも…僕には()()()がいる…僕の間違いを正してくれる、大切な家族が…仲間が…僕の──()()()()がいる」

 

『そう、それでいいんだ!1人でするデュエルなんて、つまらないもんな!───さぁ、きみの進む道を見せてくれ!遊嗣!!』

 

「うん!行こう…ズァーク!!」

ズァークと遊嗣…前世と今世…2人の決闘者が握手を交わす、そして────

 

 

 

龍の咆哮が轟いた…!

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

【っ…なんだ…なんだ!?この光は…!!!】

 

「マシュ…遊嗣…!!」

マシュが遊嗣を覆う闇のオーラに飛び込んで数秒後、闇が光の爆発と共に弾け飛ぶ…そして────

 

 

 

 

「遊嗣…さん…?」

 

「──ごめん、マシュ…もう少しで、諦めちゃうところだった…ありがとう」

 

「遊嗣さん!!」

そして、遊嗣は正気を取り戻していた…体は元の姿に戻り、申し訳なさそうな表情でマシュに抱きしめられている…。

 

 

「傷だらけ…!ごめん、マシュ…すぐに()()から!」

 

キィン─!!

 

「あっ…傷が…!?」

さらに、傷だらけのマシュを見た遊嗣の手から優しい光が溢れ…彼女の体から傷と痛みを取り去っていく…。

 

 

 

《遊嗣!!ごめん!大丈夫!?》

 

「ロマン…もう、大丈夫……僕は()()を受け入れる…善も、悪も…闇も光も……強さも弱さも…!!」

 

「遊嗣さん…目が…!」

そして、慌てて飛んできたロマンに遊嗣は決意を伝える…その瞳は碧と金のオッドアイへと変化する…!

 

 

【貴様…貴様…!その光は…その闇は…!?()()()は!?】

 

「これは…()だ…僕に与えられ、僕が掴んだ全ての力で…お前を倒す!!!」

遊嗣の手にした力を見て狼狽するライトニング…遊嗣はその力を解き放つ!!

 

 

 

「『アストログラフ・マジシャン』の効果発動!!このカードを除外し、手札・フィールド・墓地に存在する『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』 『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』『クリアウイング・シンクロ・ドラゴン』『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』を除外し…新たなモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!───時空を司る『アストログラフ・マジシャン』よ…その深遠なる力で我らの希望を重ね合わせよ!!」

 

《フッ…ハッ!!》

 

《────!!!》

 

跳躍したアストログラフ・マジシャンが空中に魔法陣を描く…そして、その魔法陣に歓喜の咆哮を上げながら四天の龍が飛び込んでいく──

 

 

 

「マシュ…力を貸してくれる?」

 

「──はい!!」

そして、遊嗣はマシュに穏やかに声を掛け──その手を握り締める!

 

 

「破壊と創生、原初と終焉…総てを束ねし龍よ…!今こそ、その力を解き放て!!」

それは遊嗣の覚悟…魔法陣から溢れ出す闇から赤雷が降りそそぎ、花畑が焦土と化していく…!

 

 

「統合召喚!!現れろ──()()()!!『覇王龍ズァーク』!」

遊嗣達の頭上に闇が集う…そして、その闇を突き破るように巨大な翼が現れ、闇を吹き飛ばす。

 

闇を切り裂き現れるのは巨大な龍…かつて『悪魔』と呼ばれし絶望の化身が───希望の象徴として復活する! ATK4000

 

 

 

《なぁぁ…!?デッカァァァ!?!?》

 

「これが…覇王龍ズァーク……遊嗣………すごいな…!!」

顕現せし覇王龍…その姿を見たAiと遊作は言葉を失う…。

 

 

 

『せ、せせせ…先輩──!!!と、とんでもない大スクープ………あっ、気絶してるぅ!!?』

 

『──────』

そして、世紀の瞬間をカメラに収める事になったハトは興奮しながらカエルへと声をかけるが……あまりに強い衝撃を受けた彼は失神してしまう。

 

 

 

 

 

『はは…あはは…!はははははは!!!やった…!やったよ遊海君!!きみの息子は…本当にすごい子だ!!最悪の絶望の中から最高最善の結果を掴み取ったんだ!!』

そして、遊嗣の覚醒を見届けたマーリンは嬉しそうに声を上げる!

 

 

『さぁ…新たな英雄の話を───いいや、彼にはこちらの方が相応しい!!』

柄にもなく興奮したマーリンは新たな英雄の誕生を言祝ぐ!

 

 

 

祝え!!その身に悪しき魂を宿しながら、伝説の決闘者(デュエリスト)達の願いを受け継ぎ!正義の為に戦う新たな()の誕生を!!その名は白波遊嗣!『闘争』の因果から解き放たれた──最高最善の()()である!!』

 

《グオオオオン!!!》

 

電脳世界に響くマーリンの祝福…それに合わせるようにズァークの咆哮が響く。

 

 

 

──遊嗣に宿った悪しき因果は断ち切られた。

 

そして、悪しき因果は…正しき因果へと立ち戻る。

 

今のズァークは──遊嗣は【闘争の人類悪】ではない。

 

 

人類愛たる彼の真名は──『覇王』

 

 

『破滅の光』を討滅する者───『正しき闇の覇王』である!

  

 

 

 

覇王 覚醒

 

 

 

「これが…『覇王龍ズァーク』───」

 

「────マシュ、()()…?」

 

「──えへへ…()()()()()()()です!遊嗣さん!!」

 

「──ありがとう」

召喚された「覇王龍」を見上げるマシュ…そんな彼女の気持ちを遊嗣は案じるが…彼女は興奮した様子で遊嗣を見つめていた…!

 

 

 

 

【馬鹿な…馬鹿な…!!覇王…覇王だと!?こんな、こんな事がっ…!?!?】

 

「ライトニング…いいや、破滅の光…お前が父さんを攫わなければ、僕は一生…自分の正体を知る事は無かったかもしれない…これは、お前への()()()()だ!!『覇王龍ズァーク』の効果発動!!このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手フィールドのカード全てを破壊する!!マキシマム・クライシス!!」

 

《グオオオオン!!!》

 

【なっ…我の、我のフィールドがぁぁ──!?】

覇王龍の咆哮が響く…そして、降りそそぐ赤雷がライトニングのフィールドを焼け野原へと変える!!

 

 

「そして僕は『覇王眷竜ダークヴルム』を通常召喚!!」

覇王の尖兵たるワイバーンが現れる! ATK1800

 

 

「バトルだ!『覇王龍ズァーク』でライトニングへダイレクトアタック!!受けてみろ…!究極の一撃を!!終焉のスプリーム・バースト!!」

 

【ぐっ…ぐおおおっ!!?】

そして…万物を吹き飛ばす破壊の奔流がライトニングを吹き飛ばした…!!

 

 

 

 

 

 

『先輩!先輩!やりましたよ!!Yu-Zがライトニングをぶっ飛ばしましたよ〜!!』

 

『ん…!?おお…!!おお!!まさか…あの「覇王龍」がオレ達の救いの神になってくれるとは!!これで、ライトニングもお陀仏……だよな…?』

ハトに振り回されてようやく目を覚ましたカエルは状況を見て歓声を上げる…そして、爆煙が消えていき────

 

 

 

 

 

「っ…?なん、だ?ここは…何処だ…?俺は……なんだっ!?この真っ白な服は!?」

 

「っ…父さん!!」

 

「遊海さん!!」

 

《父様!!》

吹き飛ばされた遊海が頭を抱えながら目を覚ます…「覇王龍」による攻撃の衝撃で意識を取り戻したのだ。

 

 

「ゆ、遊嗣…?マシュちゃん?ロマン?ここは、リンクヴレインズ───覇王龍、ズァーク…?」

遊嗣達の声で周囲を見渡す遊海…そして、彼は存在するはずのないモンスター──覇王龍の姿を見て目を見開く…。

 

 

『落ち着くんだ遊海君!きみは、光のイグニスによって意識データを奪われていたんだ!そして、きみを助ける為に…遊嗣君は試練を乗り越え、人類悪の因果を断ち切り!「正しき闇の覇王」として覚醒した!!きみ達の息子は本当にすごい子だよ!!』

 

「マーリン…セイバー!?──ああ…そうか…俺は、ドジを踏んだのか……まさか、お前に助けられるなんてなぁ…」

マーリンの簡潔な説明によって状況を把握した遊海は優しい目で覇王龍を見上げる…いつかの()()を思い出しながら…。

 

 

「父さん!すぐに行く!!」

 

「ああ…心配かけて悪か───」

 

まだだ…まだ…我は…滅びない!!

 

「なっ…!?ぐううっ!?」

 

「父さん!!」

遊海を助けに向かおうとする遊嗣…だが、その時…悪しき光が遊海を覆う…!

 

 

「お前、光のイグニッ……違う…!破滅の光!!!」

 

スキル【エクストラライフ】…!自分のライフ以上のダメージを受けた時、1度だけ自分のライフは1残るぅぅ!!

 

「貴様、また!!」

遊海のデータを左腕から侵食しながら、ライトニングは再び立ち上がる…!

 

ライトニングLP4000→1

 

 

 

今、白波遊海のデータと我のデータをリンクした…!我を倒せば、コイツも死ぬぞ…覇王─!!

 

「っ──!!」

再びの人質作戦を発動するライトニング…しかも、彼に干渉できるボーマンはまだ復帰していない…!!

 

 

【さぁ…命乞いをしろ…泣き喚け…!貴様が生き残りたければ───】

 

「────来い、遊嗣

 

【なに…!?】

 

「父さん…!?」

遊海を人質に遊嗣を煽るライトニング…しかし、遊海は冷静に遊嗣に攻撃を促す。

 

 

「お前なぁ…俺を誰だと思ってる?『二代目決闘王』白波遊海だぞ?お前の攻撃くらいで、俺がどうこうなると思うのか?お前のライフは残り500…そして、伏せカードもモンスターもある…さっさと決着をつけるんだ」

 

【貴様…貴様ぁ…!!】

頭を搔きながら、遊海は自然体で遊嗣へと語りかける…。

 

 

「遊嗣!お前が本当に『覇王』になったのなら──かっこいい姿を父さんに見せてくれ!」

 

「父さん…わかった!!」

 

貴様…白波遊海──!!

 

「残念だったな、破滅の光…これぐらいのピンチなんて何度も経験してる……それに、眠っていた竜の()()に触れたお前が──タダで済むはずないだろうが」

遊海は歴戦の決闘者としての貫禄を見せつけ、ライトニングを睨みつける!

 

 

「罠カード、発動!!『覇王の逆鱗』!!このカードは自分フィールドの『覇王龍ズァーク』以外の全てのモンスターを破壊し、デッキ・手札・エクストラデッキ・墓地から名前の違う『覇王眷竜』4体を召喚条件を無視して特殊召喚できる!!現れろ!『覇王眷竜オッドアイズ』!『覇王眷竜ダーク・リベリオン』!『覇王眷竜クリアウイング』!『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』!!」

覇王龍の咆哮が眷属となった四天の龍達を呼び覚ます!!

 

オッドアイズATK2500

ダークリベリオンATK2500

クリアウイングATK2500

スターヴヴェノムATK2800

 

 

やめろ…やめろ…!!やめろぉぉ!!!

 

「『覇王眷竜オッドアイズ』でライトニングを…破滅の光を攻撃!!二色の眼の竜よ!捉えた全てを焼き払え!!螺旋のストライク・バースト──!!」

 

ぐっ…ぐぎゃあああああああ!!?

 

「ああ──カッコいいじゃないか、遊嗣」

螺旋の炎がライトニングと遊海を撃ち抜く、ライトニングが断末魔の叫びを上げる中…遊海は満足そうに笑っていた…。

 

 

 

 

 

破滅の光・ライトニング LP0

 

Yu-Z WIN!!

 

 

 

 

 

 

「っ……父さん…父さん!!!」

 

「っ〜〜〜………ああ、流石に……効いたぁ……」

デュエルが決着し、遊嗣達は吹き飛ばされた遊海へと駆け寄る…最後の一撃は破滅の光に侵された遊海の左腕を消し飛ばしていた…。

 

 

 

「遊嗣…かっこよかったぞ……流石は、俺達の息子だ…」

 

「父さん…ごめん…!ごめんなさい!!すぐに…すぐに治すから!!」

 

「気に、すんな…どうせ、『デュエルに負けたら意識データが消える』みたいな感じ、だろ…?()()()したら…元通りだ」

 

「父さん…」

腕を消し飛ばしてしまった事に取り乱しながら回復魔法を使おうとする遊嗣を遊海は優しく宥める…。

 

 

「それより、油断するな…破滅の光が…あのくらいで諦めるはずがない…」

 

「「「っ!!」」」

さらに注意を促す遊海の言葉に遊嗣達は吹き飛ばされたはずのライトニングの姿を探す…!

 

 

キィン!!

 

 

おのれ…だが…我は不滅……全ての生命を滅ぼすまで…我は滅びぬ──!!

 

《不味い!!ライトニングの身体を捨てて電脳世界に紛れ込むつもりだ──!!》

遊海の懸念は当たっていた…ライトニングから分離した白い光──破滅の光本体は高く飛び上がる!!

 

 

 

【さらばだ覇王…!この世界は愚かな人間と光に溢れている…!力を蓄え、いずれまた────】

 

逃がすか

 

キィン!!!

 

【なっ──!?】

捨て台詞と共に逃走しようとする破滅の光…だが、空中に刻まれた『紋章』の魔法陣によって拘束される!!

 

 

「電脳世界で、精霊の力の出力が落ちてるとしても…やりようは、ある…!───セイバー…!聖剣の輝きを以て──星を滅ぼす悪しき光に、鉄槌を!!」

 

《───いいでしょう…この時を待っていました!!》

右腕を掲げ、破滅の光を押さえ込む遊海…その願いに応え──騎士王は聖剣を解放する!

 

『では、王の話をするとしよう──騎士王の宝具「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」…その真価は()()()()()()に対してのカウンター…その威力は円卓の騎士十三席の議決によって施された()()を解除する事によって増していく』

戦いのクライマックスを前にマーリンは謳うように言葉を紡ぐ───

 

 

 

『共に戦う者は勇者でなければならない』

 

──承認

 

『心の善い者には振るってはならない』

 

──承認

 

『この戦いは誉れ高きものである』

 

──承認

 

『是は、生きる為の戦いである』

 

──承認

 

『是は、己より強大な者との戦いである』

 

──承認

 

『是は、人道に背かぬ戦いである』

 

──承認

 

『是は、真実の為の戦いである』

 

──承認

 

『是は、精霊との戦いではない』

 

──承認

 

『是は、邪悪との戦いである』

 

──承認

 

『是は、私欲なき戦いである』

 

──承認

 

《これは…世界を救う戦いである!!》

 

──承認

 

 

 

『十三拘束のうち十一拘束解除…本来これほどの威力の攻撃、()()()では放てないが──電脳世界たるミラー・リンクヴレインズでは問題ない───我が王よ!破滅の光に教えてあげなさい…正しい光の使い方を!!』

 

《破滅の光よ、見るがいい!この灯りは星の希望…地を照らす命の証!輝ける生命の奔流──!!!》

マーリンによるバフを受けた騎士王は──悪しき光へと聖剣の真名を謳う─!!

 

 

約束された(エクス)──勝利の剣(カリバー)──!!!》

 

 

光、よ──

 

振り抜かれた黄金の斬撃は破滅の光を飲み込み、消し飛ばす。

 

──生命の滅びを願う悪しき光は人々の願いを受けた希望の光によって完全に消滅した…。

 

 

 

 

 

 

「ああ……まさか、()()を……見れる時がくるなんて……長生きは、するもんだ……」

 

「っ……父さん!!」

憧れの聖剣による破滅の光の消滅を見届けた遊海は静かに右腕を下ろす…最期の力を使い果たしたその体は少しずつノイズに覆われていく…。

 

 

「───プレイメーカー……Ai、状況は分からないが──きみ達の戦いが、この世界の運命を左右するだろう……頑張れよ」

 

「遊海さん…!はい!!」

 

《ボーマンの事は任せろ!オレ達がみんなの仇を討つぜ!!》

そして、遊海は最後の戦いが控えているだろう遊作達にエールを贈る…。 

 

 

「マーリン、セイバー……遊嗣達を、頼む」

 

『私はホログラムだから役には立てないけど…アルトリアがいるなら大丈夫さ』

 

《ユウミ…彼らの事は私に任せて……ゆっくり休みなさい》

 

「──騎士王にそんな優しい言葉をかけてもらえるとは、嬉しいな………マシュちゃん、大変な事件に巻き込んですまない…きみの事は、遊嗣やセイバーが守ってくれる…安心してくれ」

 

「っ…遊海さん…私、遊嗣さんと遊海さんの為に来たんです…だから、大丈夫です!」

 

「──そうか、俺がどれくらい捕まってたかは知らないけど……強くなったなぁ……」

さらに、マーリン達に遊嗣達の安全確保を…そして、マシュに事件に巻き込んでしまった事を謝罪した遊海は遊嗣とロマンへと顔を向ける。

 

 

「………遊嗣、ずっと…嘘をついててごめんな……父さんや、母さんの事…嫌いにならないでくれよ…?」

 

「嫌うわけ、ないじゃん…!!父さんも、母さんも…僕を守ろうとしてくれた…!最高の父さんと母さんだよ…!!」

 

「ああ……なんだよ……嬉し泣きなんて、久しぶりだ……ありがとう、遊嗣」

遊嗣にずっと「前世」の事を隠していた事を謝る遊海…しかし、遊嗣の言葉に涙を零す…。

 

 

《………マスター……6体のイグニスのうち、4体がボーマンに取り込まれ、消滅しました……ボクは………》

 

「──そうか………ロマン、あとは()()()──お前のできる事をやるんだ」

 

《了解しました…父様…!!》

そして、ロマンから報告を受けた遊海は…全てをロマンに委ねた。

 

 

「ああ…まったく……今回の戦いは、良いところナシか……翠に、泣かれそうだ………困ったなぁ…────」

 

「………お疲れ様、父さん…」

そして…最後に小さくぼやいた遊海は金色の粒子となって消えていった…。

 

 

 

 

 

【あ……ああ………】

 

【………ライトニング、まさかきみに『破滅の光』などという存在が取り憑いていたとはな…人を呪わば穴二つ……全てはきみへの因果応報、というものか…】

 

【ボー…マン……】

そして、破滅の光から解放されたライトニングのもとへボーマンが歩み寄る…その体は傷だらけ──遊海の拳によるダメージの大きさが窺えた…。

 

 

 

【ボーマン…すべてを……あなた、に……どうか、御慈悲を……】

 

【ライトニング、きみは破滅の光に取り憑かれていた…とはいえ、邪念から皆を欺き、騙し…混乱を撒き散らした──しかし、それはきみなりに必死に()()()()為の手段だった…きみこそが、もっとも()()()()()イグニスだったのかもしれない……そんなきみも、私は受け入れよう】

 

【ボーマン…私の、()は…あなたと、共に……】

卑劣な行いばかりをしたライトニングを諌めるボーマン…しかし、彼は愚かな存在だったライトニングを受け入れ、取り込む…そして、ボーマンの胸には光のシンボルが浮かび上がった…。

 

 

 

「っ…ボーマンが、ライトニングを取り込んだ…!!」

 

《これで奴は、5つの属性を手に入れたって事か…!!》

ボーマンがライトニングを取り込むのを止められなかった遊嗣達はボーマンを睨む…!

 

 

【───少し、イレギュラーもあったが…舞台は整った…試練を乗り越えた私のデュエルを受けてもらおう、プレイメーカー!】

 

「ああ…最後の決着だ、ボーマン!!」

そして、ボーマンは遊作へと挑戦状を叩きつけ…2人は静かに火花を散らす…!!

 

 

 

「っ…プレイメーカー…!僕も、一緒…に、たたか……う………」

 

「っ…遊嗣さん!?」

臨戦態勢を取る遊作に助力しようとする遊嗣……しかし、1歩踏み出した途端、糸が切れた操り人形のように地面へと倒れ込んでしまった…。

 

 

「から、だ……うご、かな……なん、で………?」

 

『遊嗣君、()()()()()()()……「全て遠き理想郷(アヴァロン)」は怪我や呪いは治せるけど、体力までは回復できない…気力もね?きみは見事に役割を果たした……今は、プレイメーカーとボーマンの運命の戦いを見守るとしよう』

破滅の光との決闘によって、文字通り()()を出しきってしまった遊嗣はもう、動く事は叶わない…。

 

 

世界の命運を分ける、人間とAIの頂上決戦が始まろうとしていた…!

 

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