転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
遊海を救う為の「歴史改変」…過去へと旅立つ遊嗣の前に、最大の障害が立ち塞がる。
遊嗣は試練を乗り越え…運命を変える旅に向かう事ができるのか…!
それでは、最新話をどうぞ!
「た、ただいま…!」
「遊嗣!!っ…!?」
《おお!やっと帰って──なんでそんなボロボロに──!?!?》
「あはは…ちょっと、ひと悶着あってね……」
《いや、
遊嗣達がアストラル世界に向かってから一夜が明けた昼過ぎ…ようやく彼らは人間界へと帰ってきた。
仲間達はそれを出迎えたのだが…服がボロボロになっている遊嗣を見たAiや遊作は驚愕している。
『………なんだよ、もっと酷い顔をしてると思ったが……ずいぶんと穏やかに寝てるじゃねぇか…遊海』
『ラプラス…』
そして、人間界に戻ってきたのは遊嗣だけではない…アストラル世界からZ-ONE、ラプラス、エメルの三人も同行してきていた。
そして、ラプラスは寝台に寝かされた遊海へと複雑そうな表情で声をかける…。
『Z-ONE…ラプラス…きみ達が人間界に来た、という事は…!』
『その通りだ、アポリア…遊嗣の覚悟は確かめさせてもらった……最後の歴史改変、成功させてみせろ』
『っ──!ああ、任せておいてくれ!』
そして…ラプラスやZ-ONEの表情を見たアポリアは強く頷いた…。
『では、改めてになるが…今回の「歴史改変」、その方法を説明する…パラドックス、頼む』
『ああ、了解した』
準備を整えた決闘者達はアポリアからバトンを渡されたパラドックスの説明に耳を傾ける…。
『まずは今回の悲劇の原因…それは18年前のARC次元、融合次元で白波遊海がダークネスによって「呪い」を受けた事だ…では…
「っ…それは……俺が不用意に父さん達がデュエルしてたアカデミアの玉座の間に飛び込んだから……」
「凌牙…」
(いや、当時の遊海はドン・サウザンドの強大なカオスの力…『CiNo.1000』を解放した事で
【それは当時の奴の肉体が貧弱だったからであろう………ん?何か
決闘者達に当時、遊海が呪いを受けた時の状況を尋ねるパラドックス…その中で凌牙が暗い表情を見せ、アストラルがフォローする中…ドン・サウザンドが引っ掛かりを覚える。
『───ああー!!!思い出した!!パラサイト
『城之内、よく思い出したな…その通り、あの馬鹿は寄生モンスター「パラサイト・フュージョナー」によって手痛いダメージを受けた』
《パラサイト…いかにも危なそーな名前だな…》
その時、当時の事を思い出した城之内が大声を上げる…それをラプラスが補足し…Aiは嫌な予感を感じ取る…。
《当時、敵対していた組織『アカデミア』には「人を操る力を持つ男がいる」として、マスター達はその男の無力化を目標にしていました……その男の名はドクトル、質量を持つソリッドビジョン──リアルソリッドビジョンを悪用、『パラサイト・フュージョナー』というモンスターを人間の
「っ…父さんは、そのモンスターに寄生されたの…!?」
《……その通りです、あの出来事はマスターにとっての
「「ひっ…!?」」
《なんだよ、そのドクトルとかいうヤツ…ライトニングよりもえげつない事するじゃん…!!》
《我らが言える事ではないが……倫理観のカケラもない所業だな…!!》
事件当時の様子を説明する彩華…数十匹にも及ぶ寄生虫が遊海に取り憑いたと聞いた遊嗣とマシュは顔色を青褪めさせ、Aiや不霊夢は文字通りの
「あ、あの彩華さん…その後、遊海さんは…?」
《それは───》
『詳しくは聞かない方がいい……子供が聞くにはショックが強すぎる────言えるとすれば、特効薬もない、自力で寄生虫を取り除く余裕もない遊海のヤツを……オレが
《なあ、それって…まさか、頭を────》
「Ai、それ以上言うな……遊嗣とマシュが倒れてしまう」
《あ、うん……ごめんなさい黙ります…》
『(言える訳ねぇだろ…寄生虫ごと遊海の頭を
《フォッ…キュ…(あの時の事は…思い出したくないよぉ…)》
マシュの問い掛けに
「そうだ…!玉座の間で遊海と合流した時、立つのもやっとみたいな感じだった…じゃあ、その消耗を
『その通りだ、榊遊矢……今回の歴史改変の目標、それは当時のランサーズ・チームZEXALに先んじてドクトルを無力化し、遊海の体力の消耗を抑える事……充分な体力が残っていれば、遊海は自力でダークネスの呪いを回避できるはずだ!!』
遊矢の言葉をパラドックスが肯定する…今回の歴史改変、その目標は狂気の科学者・ドクトルの無力化、それによる遊海の体力温存だった…!
【ふむ…確かに、あの失策がなければ我が力を解放しても遊海の消耗は抑えられるだろう……ドクトルという男は並のデュエリスト以下の実力しかない、今の遊嗣ならば朝飯前に倒せるだろうよ】
「せんせん…」
「でも、問題があるわ…!当時の融合次元には遊矢・ユート・ユーゴ・ユーリ…復活直前のズァークの欠片がいる……遊嗣がその影響を受けたら…!」
「璃緒姉…」
パラドックスの提案した作戦の効果を裏打ちするドン・サウザンド…だが、璃緒が声を上げる──過去には復活前のズァークが存在する…遊嗣がその影響を受けてしまわないのか、と…。
トクン
──遊嗣、オレに…みんなと話をさせてほしい──
「っ……みんな、ちょっと待って───」
「遊嗣さん…?」
その時、遊嗣の脳裏に
キン──
「『マシュ・キリエライト…すまない、キミの大切な人の体を少し借りさせて欲しい』」
「「「っ!?!」」」
「お前…もしかして、ズァークか!?」
「『お久しぶりです、遊馬さん……あの時は、迷惑をかけてしまってすいません』」
目を開けた遊嗣の瞳は空のように澄んだ碧色ではなく、穏やかな
「『本当は…遊嗣に力だけを託して、消えるつもりだったんだけど…この子が一緒に行こう、と手を引いてくれたんだ…遊海さんの優しさを受け継いでいるね、遊嗣は…』」
「ズァーク……色々言いたい事はあるけどよ……ミラー・リンクヴレインズで遊嗣に力を貸してくれて、ありがとな」
「『凌牙さん……いいえ、彼に救われたのはオレの方です……っと……あまり長居しちゃうと遊嗣に負担がかかるから、手短に…』」
遊馬や凌牙に感謝と謝罪を伝えたズァークは咳払いして用件を伝える…。
「『仮に、今の遊嗣が昔のオレと出会っても…大きな影響はない、と思う』」
『フン…その理由は?』
『「過去のオレ…4人に分かれて宿っていたズァークは…例えるなら、「プレイヤー1人で4人分のゲームをプレイしているけど、それをハッキングされて勝手に動かされている」…みたいな状態だったんだ…目の前で強いデュエリストが戦っているのに、自分は身動きできない…あいつらと戦いたい!!その為に早く復活したい!…みたいな感じでイライラしてた…そんな感じ、かな?」』
《あー…わかるような、分からないような……自分のパソコンの画面を誰かにリモートで操作されて、それを見てるだけ?みたいな…?》
「『あ、その方が分かりやすいかも…ありがとうAi君……コホン……それで、今の遊嗣は「ズァークの力を持っている白波遊嗣」っていう…うーんと……過去のオレとは
「相変わらず天然…というより、言葉選びが下手だなズァーク…言いたい事は分かるけどよ…」
「『あはは…』」
自分なりの言葉選びで説明するズァーク…その天然さを知る凌牙は頭を抱え、ズァークは苦笑いを浮かべて頭を掻く…。
「『………オレが次元創世なんて起さなければ、心の闇に負ける事がなければ、遊海さんは死ななくて済んだかもしれない……みんな、どうか…遊嗣の事をよろしくお願いします……ありがとう、遊嗣───』」
「っ…遊嗣さん!」
「おっ…と……心配させてごめん、マシュ…もう大丈夫」
そして…過去の罪を謝罪し、今を生きる遊嗣の事を託したズァークは主導権を遊嗣へと返し、彼の内に戻っていった…。
「ズァーク……」
『過去の状態を覚えている
《責任重大だね…!母様に協力してもらって現実世界でも索敵をできるようにアップデートしてもらうよ》
ズァークの言葉を聞いて嬉しそうな、哀しそうな表情を見せる遊矢…そして、パラドックスは遊嗣の動線確保をロマンの仕事として託す。
『作戦の大まかな部分は以上だ、あとは…ARC次元から必要なデータを持った赤馬零児が次元転移してくれば準備完了となる……遊嗣、キミから聞きたい事はあるか?』
「えーっと…ドクトル、という人を無力化するのはどうすれば…?」
『そんなのは単純だ、奴にデュエルを仕掛け…精霊の力を込めた攻撃でぶっ倒して気絶させればいい、あとは遊海達が駆け付けて「闇の罰ゲーム」で制圧するだろう…可能なら、ドクトルの研究データも破壊する…それか、明らかな悪行のデータをわかりやすくしとけばいい……今のお前なら、現実世界でも精霊の力やサイコデュエリストとしての力を使いこなせるはずだ』
「ラプラスおじさん…」
パラドックスからの説明を聞き終えた遊嗣はドクトルの無力化方法を尋ね…ラプラスがぶっきらぼうにその手段を示す。
「あとは───もし、僕がドクトルを制圧できなかった……今の作戦で歴史を
【ふむ………難しいな、下手にお前が遊海達の前に姿を見せれば歴史が変わり、お前の存在そのものが
「なるほど…!ありがとう!せんせん!!」
【フッ…】
「「「(ドン・サウザンドがデレた!?)」」」
さらに、メインの作戦に失敗した場合の次善の策を考える遊嗣…しかし、ドン・サウザンドが的確に答えた事で納得する……なお、七皇達は穏やかなドン・サウザンドの様子に驚愕しているのであった…。
『よし、細かい部分はデータが持ち込まれ次第、ロマンに託すとして……遊嗣、キミは少しでも休み、体力を回復───』
ドクン!!
「「『『っ!?!』』」」
「えっ…皆さん、どうしたんですか…?」
一通りの説明を終え、残りを遊嗣の休息に充てようと声を上げるアポリア…その時、遊戯や海馬、十代や遊馬など…一部の決闘者達が一斉に会議室の扉へと振り返る…!
『───おい、お前ら……まさかとは思うが、
(ああ、
「流石に、限界があるよな…先生を支え続けた人だぜ?───オレ達の考える事なんて、
「えっ…?えっ??」
状況を理解できない様子の遊嗣やマシュをよそに、冷や汗を流したラプラスが何かを確かめる…アストラルは注意を払っていたが…十代はその人物の
【……そういう事か……凌牙、璃緒…お前達で
「……お互いに無傷、は無理だな……」
「絶対に無理!!そもそも、私達2人でも敵うかどうか…!」
「ちょっ…みんな、なんの話をしてるの!?誰か来るの!?」
《遊嗣、きみは大切な事を忘れてる……誰かを
異変の
『…………』
「えっ……
「母、さん…?」
開いた扉の先…そこにいたのは白いワンピースに桜色のカーディガンを羽織った女性……遊嗣の母である翠だった…。
だが、
穏やかに微笑み、遊嗣達を優しく見守っていた彼女……だが、今の彼女からは表情が抜け落ち……穏やかな紫色の瞳は──光を失った赤色の瞳へと変わっていた…。
『──滅四星のみんなに、ラプラス…アクルさん………やっぱり、
《おい、嘘だろ?遊嗣の母ちゃんにはなんにも伝えてないって…!?》
「っ…ありえない話ではない…!あの人は遊海さんと共に、数々の戦いを乗り越えてきた
穏やかな…しかし、何処か恐怖を覚える口調で仲間達の行動や考えを言い当てる翠…その予測能力の高さに遊作も冷や汗を流す…。
『……落ち着け、翠…大丈夫だ、遊嗣はオレに覚悟を示した……必ず、遊海の奴をお前達の元に連れ戻してくれる…だから───』
「
ゴウッ!!
『っ…!?ぐうううっ!?』
『ラプラス!!』
「なっ…これは…!?」
『ええい…!!お前達は夫婦揃って…!』
ラプラスは静かに翠へと声をかける…だが、翠は絶叫と共に激情…溢れ出した闇色の力がラプラスを吹き飛ばし、会議室の巨大なガラス窓を割れんばかりに震わせる…!!
《やはり、こうなってしまいますか…!》
「彩姉っ…!どういう事!?なんで母さんは───」
「……遊嗣、母さんが一番
「えっ…?家族のみんなが、仲間が…傷付く…とか…?」
「近いけど違う…!母さんが一番嫌がり、
「お母さんが、一番愛しているのはもちろんお父さんよ…!でも、そのお父さんが死んでしまったから…!これ以上、自分が愛したものを失いたくないって思いが暴走してるのよ…!!」
豹変してしまった母の姿を見て動揺する遊嗣……だが、凌牙や璃緒、そして…この場に集まった決闘者達は翠の
翠は遊海に比べれば精神的に
しかし、遊海を
精神的支柱を失った翠の至る可能性は2つ…1つは遊海を失った悲しみから廃人になってしまう事……そして、もう1つ…それは愛する者をこれ以上失わない為に──全てを守ろうとする事…。
歴史改変によって遊嗣に危険が及ぶ可能性に気付いた翠の心と力は──
「っ…どうするシャーク!!あの状態の翠さん、下手したら遊海より強いぞ!?」
「どうするっても…!なんとか落ち着かせないと、遊嗣を過去に送り込むどころの話じゃねえ…!」
吹き荒れる力の嵐の中、遊馬と凌牙が言葉を交わす…翠の実力は遊海と同程度──場合によっては遊海を上回る場合すらある
「っ……璃緒、いけるか?」
「───そういう事ね、わかったわ…!」
【【バトルロイヤルモード・ON!!】】
「凌兄?璃緒姉…!?」
そして、凌牙と璃緒はアイコンタクトを交わしデュエルディスクを操作…デュエルディスクからリアルソリッドビジョンで構築されたカードゾーンが展開する!
「お前にだけ、無理させるわけにはいかねぇからな…!父さんと母さんの子供として…お前の兄貴として、家族を守る為に戦う!」
「遊嗣、しっかり見ていてね…!あなたのお母さんやお姉ちゃん達は…こんなに強いんだって…!!」
「カイト!頼む!!」
「っ…オービタル!!」
《カシコマリ!!対ズァーク用スフィアフィールド展開でアリマス!!》
戦い続きの遊嗣を休ませる為…そして、
「凌牙君…璃緒ちゃん…お願い、退いて…私は…遊嗣を…あなた達を守りたい、だけなの…!!」
「……
「遊嗣ならきっと、父さんの未来を変えてくれる…だって、たくさんの人達の運命を変えてきた母さん達の子供だもの!だから…いつもみたいに遊嗣を見守ってあげて、お母さん…!あの子を、信じてあげて…!」
光を失った、虚ろな…泣きそうな目で凌牙達へと言葉をかける翠…だが、凌牙と璃緒は大切な弟を信じて母の説得を試みるが…。
「ダメ…やだ…!!いなくならないで…私の目の届く場所に……私が手を伸ばせる場所にいて──!!」
「ああ…まったく…!本当に父さんも母さんも愛が重すぎるって…!!」
「仕方ないわ…それがお母さんの良い所なんだから!!でも、今回は…ちょっと反抗させてもらうわ!」
精神的に弱りきった翠に2人の言葉は届かない…ここに、世界最大の
「『【デュエル!!】』」
凌牙LP4000
璃緒LP4000
翠LP4000
・マスタールール(新)適用
・バトルロイヤルルール適用
凌牙→璃緒→翠→凌牙……
先攻のみドロー不可
翠のターンから攻撃可能
「俺のターン!!」
「『ランタン・シャーク』を召喚!」
全身から光を放つ鮫が現れる! ATK1500
「『ランタン・シャーク』の効果発動!このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時!このターン、水属性のエクシーズモンスターしかEXデッキから特殊召喚できなくなる代わりに、手札からレベル3〜5の水属性モンスター1体を特殊召喚できる!来い!『スピア・シャーク』!!」
頭が槍のように尖った鮫が現れる! ATK1600
「俺はレベル4の『ランタンシャーク』と『スピアシャーク』の2体でオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!」
101
「現われろ!『No.101』!!満たされぬ魂を乗せた方舟よ…光届かぬ深淵より、希望の世界へ浮上せよ!!『
光の銀河が爆発…光の奔流の中から希望を運ぶ、白き方舟が現れる! ATK2100
「あれが、オーバーハンドレッド・ナンバーズ…!凌牙さんは最初から全力です!!」
『まだだ!俺は手札から「RUM─バリアンズ・フォース」を発動!!このカードは自分のエクシーズモンスター1体をランクアップさせ、カオス化する!俺はランク4の「アークナイト」1体でオーバレイネットワークを再構築…カオスエクシーズチェンジ!!』
101
「現われろ!『CNo.101』!満たされぬ魂の守護者よ!希望の騎士となって、闇を砕け!『
銀河へと飛び込んだアークナイトのコアから人型が飛び出し、黒き鎧を纏い、朱き槍を握り締め…凌牙のエース、黒き槍術士が現れる! ATK2800
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!!」
凌牙LP4000
ダークナイト 伏せ2 手札0
『私のターン!ドロー!!』
『私がドローしたのは魔法カード「RUM-
103
『現れて「ANo.103」!「神葬零嬢ラグナ・ゼロ!」』
七皇の光に導かれ氷の刃を持つ巫女が現れる! ATK2400
『さらに私は「ラグナゼロ」を素材にオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!!』
103
『現れて!『ACNo.103』!時をも凍らせる無限の力…いま蘇る!!『神葬零嬢ラグナ・インフィニティ』!!」
璃緒の切り札…月光を浴びた黒衣の巫女が漆黒の鎌を手に舞い踊る! ATK2800
『さらに!自分フィールドに水属性のエクシーズモンスターが存在する時、手札の「リオート・ミグラトリー」は特殊召喚できる!!』
氷を纏う渡り鳥が現れる! ATK1000
『「リオートミグラトリー」の効果発動!「ラグナインフィニティ」のORUを1つ使い、手札からレベル4の鳥獣族モンスター「オーロラ・ウィング」を特殊召喚!この効果で特殊召喚したモンスターはエクシーズ召喚の素材になる時、レベル5として扱えるわ!』
極光を纏う美しい鳥が現れる! ATK1200
『私はレベル5扱いの「オーロラウィング」と「リオートミグラトリー」の2体でオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!』
94
『現れて!「No.94」!氷の心を纏いし、霊界の巫女…今こそ、澄明なる魂を現せ!「極氷姫クリスタル・ゼロ」!!』
銀河の中から現れた雪の結晶が全てを凍らせる冷気を放ちながら変形……神を浄化する巫女、璃緖の遺跡のナンバーズが現れる! ATK2200
『さらに私は魔法カード「オーバレイ・リジェネレート」を発動!このカードを「ラグナインフィニティ」のORUにする!私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!!』
璃緒LP4000
ラグナインフィニティ クリスタルゼロ 伏せ2 手札0
「す、すごい…!伝説のカード…ナンバーズが3体も…!!」
「これが、凌兄達の本気…!!」
フィールドに並んだ3体の大型モンスターを見て息を呑むマシュと遊嗣…だが、周囲の決闘者達の表情は固い…!
(自己蘇生効果を持つ『ダークナイト』に相手のモンスターの攻撃力を半分にできる『クリスタルゼロ』…そして攻撃力が変動したモンスターを除外し、元々の攻撃力との差分のダメージを与えられる『ラグナインフィニティ』…この布陣を突破できるデュエリストは限られる…だが…)
『…翠はその
【私のターン…ドロー!!】
【魔法カード『ハーピィの羽根箒』を発動…!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊!!】
『「っ…!!」』
吹き荒れる羽根の嵐が凌牙の『ポセイドン・ウェーブ』『七皇転生』、璃緒の『エクシーズ・リフレクト』『激流葬』が破壊される!
【そして、私は速攻魔法『超融合』を発動!!手札の『影光の聖選士』を捨て…相手フィールドの水属性・水族の『ダークナイト』と天使族の『ラグナインフィニティ』を融合!!】
「なっ…!?」
『私達のモンスターが!!』
翠の背後に現れた時空の歪みに槍術士と巫女が吸い込まれる…!
【融合召喚!『沼地のドロゴン』!!】
青白い泥のような体のドラゴンが現れる! ATK1600
【さらに私は魔法カード「
巨大な魚の影人形と融合した魔女が現れる! ATK2500
【カード効果で墓地に送られた『リザード』と『ウェンディ』の効果発動…『リザード』の効果でデッキから『シャドール・ヘッジホッグ』を墓地に送り、『ウェンディ』の効果でデッキの『シャドール・ビースト』を裏守備表示で特殊召喚…さらに『アプカローネ』の効果!融合召喚に成功した時、相手フィールドのカード1枚の効果を無効にする…『クリスタルゼロ』の効果を無効にする!】
『っ…!「クリスタルゼロ」の効果発動!ORUを1つ使い、バトルフェイズが終わるまで「アプカローネ」の攻撃力を半分にする!クリスタル・イレイザー!!』
氷の巫女の祈りが影人形の力を奪うが…その体が凍りついてしまう…!
アプカローネ ATK2500→1250
【『リザード』の効果で墓地に送られた『ヘッジホッグ』の効果発動!デッキから『シャドール・ドラゴン』を手札に加え、召喚!!】
獅子のような鬣を持つ竜の影人形が現れる! ATK1900
【墓地の罠カード『
獅子の影人形が現れる! DEF1700
【『ビースト』のリバース効果!デッキからカードを2枚引いて、1枚捨てる!】
翠墓地送り
シャドール・ハウンド
【カード効果で墓地に送られた『シャドール・ハウンド』の効果発動!『クリスタルゼロ』を守備表示に変更する!!】
『っ…!』
猟犬の影人形の咆哮が巫女の自由を奪う…!
クリスタルゼロ ATK2200→DEF1600
【バトル…『シャドール・ドラゴン』で『クリスタルゼロ』を攻撃!】
『くうっ…!』
影のドラゴンによる体当たりが氷の巫女を粉砕する!
【続けて『アプカローネ』『沼地のドロゴン』の2体で凌牙にダイレクトアタック!!】
『っ…!!ぐうううっ!?』
「凌牙!!」
「凌兄!!」
続けざまに放たれた泥の飛沫と魔力弾が璃緒のライフを大きく削り、凌牙をスフィアフィールドの壁面へと叩き付ける!!
凌牙LP4000→2750→850
《……おい、嘘だろ?プロデュエリスト2人…しかも決闘王がいるのに、手も足も出ないって…!?》
《なんという天運とタクティクスだ…!?》
「『クリスタルゼロ』の効果を発動しなければ、どちらかのライフは尽きていた…これが、遊嗣の母親の力か…!!」
盤石に見えた凌牙と璃緒の布陣を軽々と破った翠…その強さに遊作達は戦慄する…!
【メインフェイズ2…私はリバースモンスターの『シャドール・ドラゴン』と『シャドール・ビースト』をリンクマーカーにセット…リンク召喚!現れて!『シャドール・ネフィリム』!!】
黄色の真空管に閉じ込められた少女の人形が現れる! ATK1200
アプカローネATK1250→2500
【『沼地のドロゴン』の効果発動…1ターンに1度、このモンスターの属性はエンドフェイズまで私の宣言した属性になる…私は地属性を選択、さらに『ネフィリム』の効果発動!自分のメインフェイズに手札・フィールドのモンスターで融合召喚できる…!私は『アプカローネ』と地属性の『沼地のドロゴン』を融合…!融合召喚!!現れて!『エルシャドール・シェキナーガ』!!】
影人形と泥の竜が融合…巨大な玉座に座す、母なる巨人が現れる! DEF3000
【墓地に送られた『アプカローネ』の効果発動!デッキから速攻魔法『神の写し身との接触』を手札に加え、手札を1枚捨てる】
翠墓地送り
影依の原核
【カード効果で墓地に送られた『
翠LP4000
ネフィリム シェキナーガ 伏せ2 手札2
「母さん、強すぎだって…!?」
「わ、私と戦った時の、何倍も……凌牙さん、璃緒さん…!!」
僅か1ターンで凌牙達を追い詰めた翠…その強さに遊嗣もマシュも動揺を隠せない…。
「くっ…わかってはいたけど、容赦なさすぎだろ…!だけど、これなら…!!踏ん張れよ、璃緒!!」
『わかってる…!!』
叩き付けられた痛みに表情を歪めながら、凌牙はデッキトップに手を掛ける!
「俺のターン!ドロー!!」
「よし…!俺も魔法カード『RUM-
107
「来い!『No.107』!『
凌牙のフィールドに現れた黒き四角錐が展開…時間を司るギャラクシーアイズが現れる! ATK3000
「おおっ…!!いけ!ナッシュ!!」
「俺は『銀河眼の時空竜』1体でオーバーレイネットワークを再構築…!カオスエクシーズチェンジ!!」
107
「現れろ!『CNo.107』!!逆巻く銀河を貫いて!時の生ずる前より蘇れ!永遠を超える竜の星!|「 超銀河眼の時空龍 」《ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン》!!』
混沌のビッグバンの中から3つの首を持つ黄金の巨龍…時間を支配する龍王が現れる! ATK4500
《攻撃力4500!!こりゃすげぇ!!一気にライフを削っちまえ─!!》
【罠カード発動!『奈落の落とし穴』!攻撃力1500以上のモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターを破壊し除外するわ!!】
「「『『なっ…!?』』」」
だが、現れた巨龍はすぐに時空の彼方へと追放されてしまった…。
「まじ、かよ…!!俺は、これでターンエンドだ…!」
凌牙LP850
手札0
『本ッ当に…強すぎるのよ!お母さんも、お父さんも!!私のターン!ドロー!!』
『っ…これなら!!私は魔法カード「死者蘇生」を発動!!力を貸して、凌牙!!蘇れ!「S・H・Dark Knight」!!』
璃緒が引き当てた一発逆転の切り札…それによって黒き槍術士が復活する! ATK2800
『バトルよ!「ダークナイト」で「ネフィリム」を攻撃!!』
【っ…!!】
赤き槍が少女の影人形を貫き、翠にダメージを与える!
翠LP4000→2400
『よし…!メインフェイズ2!「ダークナイト」の効果発動!1ターンに1度、相手の特殊召喚されたモンスター1体を自分のカオスORUにするわ!ダーク・ソウル・ローバー!!』
「っ…璃緒!ダメだ!そのモンスターは──!!」
【『シェキナーガ』の効果発動…!特殊召喚された相手モンスターが効果を発動した時、その効果を無効にし破壊する!!】
『しまっ…!?』
翠へと追撃を仕掛ける璃緒…だが、翠の発動した効果によって黒き槍術士は無数の影糸に切り刻まれてしまった…!
【そして、私は手札の『影依融合』を墓地に送る】
「っ…だから、お前は詰めが甘いんだ…!!」
『ご、ごめんなさい…!!私は、これでターンエンド…!!』
璃緒LP4000
手札0
「そんな…凌兄達のコンビネーションでも、母さんに敵わないなんて…!!」
「っ……遊嗣、
「遊矢…?」
一矢報いたものの、翠によって追い詰められてしまった凌牙と璃緒…その姿を見ていた遊矢が遊嗣へと指示を出す。
「凌牙達は自分達では翠さんに
「乱入…!?そんな事が…!」
「ああ……卑怯、だと思うかもしれない……だけど、たぶん…翠さんは普通にデュエルに
「っ…!!」
凌牙達の作戦を見抜く遊矢…それを聞いた遊嗣はスフィアフィールド中の凌牙達を見つめた…。
【私の、ターン…ドロー!!】
【『シェキナーガ』を攻撃表示に変更!!】
シェキナーガDEF3000→ATK2600
【バトル!『シェキナーガ』で凌牙にダイレクトアタック!!】
「くっ…!流石に、キツイって…!!ぐああああ!?」
『凌牙─!!』
母なる巨人の一撃は凌牙を打ち据え、スフィアフィールドの外へと弾き飛ばした…!
凌牙LP850→0
【速攻魔法『
さらに翠は母なる影巨人を喚び出す! ATK2800
【墓地に送られた『シェキナーガ』の効果!墓地の『影依融合』を手札に加える!さらに融合召喚した『ネフィリム』の効果発動!デッキから『シャドール・ヘッジホッグ』を墓地に送って、『ヘッジホッグ』の効果発動!『シャドール・ファルコン』を手札に加える…!バトル続行!『ネフィリム』で璃緒にダイレクトアタック!!】
『っ…きゃあああ!?』
「璃緒姉!!」
そして、翠の容赦ない連撃が璃緒のライフを大きく削る…!
璃緒LP4000→1200
【はぁ…はぁ……私はモンスターをセット…ターンエンド…】
翠LP2400
ネフィリム 裏守備モンスター 手札2
「シャーク!大丈夫か!?」
「ぐっ…こんなに、容赦ないのは……あの、決別のデュエル、以来だ…」
「凌兄…!!」
翠のターンが終わり、スフィアフィールドから弾き出された満身創痍の凌牙は遊馬に助け起こされる…。
「……遊嗣、逆立ちしたって…俺や、強くなったお前でも全力の父さんや、母さんに勝てる可能性は僅かだ……でも、今なら…少しだけ、
「凌兄…!」
そして…凌牙はまっすぐと遊嗣を見つめ、思いを託す…!
「母さんは、もう体も…心だってボロボロだ…だから、お前が止めてくれ…!これ以上、母さんが傷付かないように…!!」
「───わかった…!!」
「遊嗣さん…!」
凌牙の思いを託された遊嗣はデュエルディスクを構え、翠を見つめる…倒すのではなく、大切な家族を守る為に…!
「マシュ…行ってくる!!」
「っ…頑張って!遊嗣さん!!」
そして、マシュの応援を受けた遊嗣は精霊の力で脚力を強化…スフィアフィールドへと飛び込んだ…!
「うわっ…浮いてっ…!?いや、Dボードに乗ってると思えば、なんとか…!!」
『遊嗣…!ごめんね、さっきはあんな事言ったけど……お母さん、また強くなってた……』
「璃緒姉…大丈夫、あとは僕が…なんとかする…!!」
スフィアフィールドの無重力空間に戸惑う遊嗣…しかし、傷付いた璃緒の言葉に頷きながら、翠へと視線を向ける…!
【…遊嗣…行かないで…私を、置いて行かないで…!!遊海さんが戻ってきても、あなたがいなかったら…私…わたしっ…!!!】
「……母さん、大丈夫…!僕はもう…自分の全てを受け入れた…母さんを安心させて、僕は──必ず、父さんを助けに行く!!家族みんなで…笑いあう為に!!デュエルだ!母さん!!」
「愛」ゆえに、道を見失ってしまった翠を安心させ、正気に戻す為…遊嗣はその瞳を碧と金へと変え、剣を取る…!
乱入
遊嗣LP4000
「僕のターン!ドロー!!」
《遊嗣、『エルシャドール・ネフィリム』は特殊召喚されたモンスターとバトルする時、そのモンスターを破壊する効果を持ってる…バトルを介さない手段か、通常召喚したモンスターで戦う必要があるよ!》
「っ…わかった!僕はフィールド魔法『天空の虹彩』を発動!」
ロマンからのアドバイスを受けた遊嗣はフィールド魔法を発動…彼の頭上に光の円環が広がっていく…!
「そして僕はスケール5の『慧眼の魔術師』とスケール8の『EM天空の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」
PENDULUM
遊嗣の背後に二本の光の柱が立ち上がり、『覇王龍』の面影を持つ魔術師と運命を見定める慧眼を持つ魔術師が浮かび上がる!
「本質を見抜く魔術師よ!その瞳で最善の未来への道筋を示せ!『慧眼の魔術師』のペンデュラム効果発動!もう片方のペンデュラムゾーンに『魔術師』か『EM』カードが存在する時、このカードを破壊する事でデッキから新たな『魔術師』ペンデュラムモンスターをスケールに置く事ができる!僕は『慧眼の魔術師』を破壊し、デッキからスケール1の『白翼の魔術師』をペンデュラムスケールにセッティング!!」
慧眼の魔術師の姿が『クリアウィング』の面影を持つ女性魔術師へと書き換わる!
「これで僕はレベル2から7のモンスターを同時に召喚可能!!…揺れろ!混沌のペンデュラム!我が魂に受け継がれし光よ!最善の未来への導べとなれ!ペンデュラム召喚!!」
遊嗣の頭上に現れたペンデュラムが光の軌跡を描き、開かれた扉から4本の光が飛び出した!
「EXデッキから現れろ!『慧眼の魔術師』!」
EXモンスターゾーンに本質を見抜く瞳を持つ魔術師が現れる! ATK1500
「さらに手札から現れろ!『覇王眷竜ダークヴルム』!『貴竜の魔術師』!そして雄々しくも美しく輝く二色の眼!!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」
さらに、覇王の眷属たるワイバーン、赤い宝石に彩られた法衣を纏う少女魔術師…そして、二色の眼を持つ赤きドラゴンが現れる! ATK1800 DEF1400 ATK2500
「すごい…!これが、ペンデュラム召喚…!なんて綺麗で強力な召喚法なんだ…!!」
《これが、遊嗣の本来の力…不謹慎だとはわかっているのだが…
「これが、遊嗣のペンデュラム…遊海の…みんなの希望の光は…ズァークに届いていたんだ!」
「うん…彼はようやく、本当に自分がやりたい事ができるようになったんだ…!」
そして、初めてペンデュラム召喚を目の当たりにした尊と不霊夢は目を輝かせる…その姿を見た遊矢や遊希は…ズァークが救われた事を確信し、穏やかに笑っていた…。
「いくよ…母さん!!僕はレベル4の『覇王眷竜ダークヴルム』にレベル3の『貴竜の魔術師』をチューニング!!」
4+3=7
「その美しくも雄々しき翼翻し、眩き光で闇を討て!シンクロ召喚!現れろ!!レベル7!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!」
透き通る緑色の翼を持つ白竜が咆哮する! ATK2500
「シンクロ素材となった『貴竜の魔術師』は『オッドアイズ』モンスター以外とシンクロ召喚の素材になった時、デッキの一番下にいく…さらに僕はフィールド魔法『天空の虹彩』の効果発動!フィールドのカード1枚を破壊し、デッキから『オッドアイズ』カード1枚を手札に加えられる!僕はペンデュラムスケール『白翼の魔術師』を破壊し、デッキから魔法カード『オッドアイズ・フュージョン』を手札に加える!」
白翼の魔術師が光の円環へと吸い込まれ、新たなカードを遊嗣の手札へと導く!
「僕は魔法カード『オッドアイズ・フュージョン』を発動!このカードは手札・フィールドのモンスターを素材として融合召喚を行なう!僕は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』とペンデュラムモンスターの『慧眼の魔術師』を融合!!二色の眼の龍よ…その瞳に嵐を貫く力を宿せ!融合召喚!!現れろ!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』!!」
2体のモンスターが融合の渦に飛び込む…そして、白き体に稲妻の力を宿すドラゴンが現れる! ATK2500
《ペンデュラム召喚…やっぱりすげぇ…!モンスターの召喚からさらに融合やシンクロに繋げるとか…リンク召喚よりも汎用性があるんじゃねえか?》
《Ai、これでも私達の世界のペンデュラム召喚は
「えっ…弱体化!?こんな強力な召喚法が…!?」
ペンデュラム召喚から繋がる新たな召喚法…その強さを再確認するAiだったが…彩華の思わぬ言葉に尊や遊作は目を見開く。
「オレ達の世界…ARC次元にはリンク召喚が無い…つまり、EXモンスターゾーンも存在しない…その代わり、魔法・罠カードゾーンとは別に2枠の『ペンデュラムカードゾーン』が存在するんだ」
《そして、こちらの世界ではEXデッキから喚び出したペンデュラムモンスターはEXモンスターゾーン、またはリンクモンスターのリンク先にしか喚び出せません……ですが、ARC次元ではその制約はなくペンデュラムモンスターを喚び出せるのです》
「つまり、オレ達の世界では魔法・罠カードゾーンを2つ使い、喚び出せるモンスターにも限りがあるが…」
「ペンデュラム召喚の本場では、5体同時召喚が何度でもできると………やばすぎない…?」
《……この召喚法のデータをライトニング達が手にする事がなくてよかったな……》
遊矢や彩華の説明を聞いた遊作達は遥かな異世界のデュエルの魔境さに息を呑んだ…。
「特殊召喚された『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の効果発動!相手のカード1枚を手札に戻す!僕は母さんの『エルシャドール・ネフィリム』を手札…EXデッキに戻す!!」
【っ…!!】
吹き荒れる嵐が影の巨人を吹き飛ばす!
「バトルだ!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』で母さんの裏守備モンスターを攻撃!迅雷のスパイラル・バースト!!」
放たれた稲妻のブレスが鳥の影人形の姿を明らかにする!
【攻撃されたのは『シャドール・ファルコン』!リバース効果、発動!私の墓地の『シャドール・ビースト』を裏守備表示で特殊召喚──】
「ここだ!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の2つ目の効果発動!相手がモンスター・魔法・罠カードの効果を発動した時、EXデッキの『慧眼の魔術師』をデッキに戻す事でその発動を無効にし、破壊する!ボルテック・リフレクター!!」
【しまっ…】
放たれた紫電が鳥の影人形に直撃、効果の発動を封じ破壊する!!
「ごめん、母さん……僕の話を聞いて…!!『クリアウィング』で母さんにダイレクトアタック!!旋風のヘルダイブ・スラッシャー!!」
【っ…ああああああっ…!!】
その身に風を纏ったクリアウイングが翠へと突撃…その体を掠めるように吹き荒れた暴風が翠のライフを削り切った…!
翠LP0
璃緒&遊嗣 WIN!
「遊嗣…!すごいわ!母さんの切り札を一撃で沈めるなんて…!」
「ううん…兄ちゃんや姉ちゃんが母さんにデッキを回させて、息切れさせてくれたからだよ…!僕が同じように戦っても、たぶん1ターンキルされてたか、手も足も出なかったと思う…」
デュエルが決着し、スフィアフィールドが解除される…そして、璃緒は見事なプレイングを見せた遊嗣を褒めるが…遊嗣は静かに首を横に振っていた…。
「……母さん…」
「ゆう、じ……」
そして、遊嗣は床に座り込んだ翠へと歩み寄る…遊嗣の声を聞いて顔を上げた翠の瞳はいつもの紫色の瞳に戻っていたが……その目には涙が溜まっている…。
「母さん…僕は、絶対に帰ってくる…!!父さんを助けて、未来を変えて…絶対に母さんやマシュのいる場所に帰ってくる…!約束する!!だから、僕を信じて…!!」
「ひくっ…絶対よ…?」
「うん…!絶対!」
「絶対の絶対よ!!」
「必ず帰ってくる!!…だから、笑ってよ…母さん!」
「っ……ゆうじ…遊嗣〜!!!」
「っ……母さん…恥ずかし………ううん、大丈夫…大丈夫…!心配してくれてありがとう、母さん…」
遊嗣の真っ直ぐな…決意の籠もった言葉を聞いた翠は大泣きしながら遊嗣を抱き締める…そんな泣き虫な優しい母の愛を感じながら、遊嗣はしばらく翠に抱き締められていた…。
「お母さん…よかったぁ…」
「母さん、父さんや遊嗣が傷付くのを見てるしかなかったから…色々溜まってたんだろうな……もう少しすれば落ち着くさ」
そんな様子をほっとした様子で見守る神代兄妹…そんな時だった。
キィン─!!
『すまない、遅くなっ………何があった…!?』
会議室の一角に光が満ち、新たな人影が現れる…それは次元戦争当時のデータを持参した赤馬零児だった……が、嵐が過ぎ去ったように荒れた室内の様子に驚愕している。
「遅いぞ零児…ちょうど、世界最大規模の親子喧嘩が決着したところだ……巻き込まれなくて幸運だったな」
『海馬……そうらしいな…』
そして、海馬の言葉と遊嗣を抱きしめながら泣いている翠の姿によって状況を察するのだった…。
………………
『遊嗣、ちょっといいか?』
「ラプラスおじさん?どうしたの?」
翠と白波兄妹総出の親子喧嘩からしばらく…休憩とデッキ調整をしていた遊嗣へとラプラスが話しかける……なお、ロマンは他のイリアステル組と打ち合わせをしており、マシュは翠の話し相手をしている。
『過去改変にあたっての注意事項が2つある…まずは1つ、過去のARC次元ではリンク召喚とペンデュラム召喚は
「うん、念の為に新しいデッキも組んでみてる」
『そうか、良い子だ』
過去改変に関する注意事項を伝えるラプラス…それを聞いた遊嗣は静かに頷く…そして──
『…そして、もう1つの注意…いや、
「もしかして…父さんや母さんが
『───誰から聞いた?』
「アストラル世界に行く前、失神しちゃった僕の夢の中に父さんが出てきて…全部、話してくれたんです…ラプラスおじさんも知ってたんだ…」
『そうか……あいつなりに
「あはは…」
遊嗣に遊海達の秘密を伝えようとするラプラス…だが、思わぬ形で遊嗣がその秘密を知っていた事を知り、遊海へと文句を言い…遊嗣は苦笑する…。
『知ってるなら話は早い……遊海が定められた物語──運命を変えようとする時、奴にはその運命の
「イレギュラー……」
『過去の例で言うなら…遊海が6人目のシグナーとして覚醒した事で敵であるダークシグナーが増えた……そして、オレやエメルの存在もイレギュラー…さらに言えば、今回の事件に破滅の光が関与した事や、シャドウ・ネームレスとかいう
「………もう、
『そういう事だ』
そして、ラプラスは遊嗣に運命を変える為の障害──
『だが…今までのイレギュラーを遊海の奴は全て乗り越えてきた……1人では無理でも、翠や仲間達と一緒に最善の未来を切り開いてきた……遊嗣、お前なら…きっと、運命を変えられる……頼んだぜ』
「うん…!絶対に、運命を変えて…父さんを助けてみせる!」
ラプラスから希望を託された遊嗣はしっかりと頷いた…!
《お待たせ、遊嗣!データの調整完了!いつでも出発できるよ!》
「お疲れ様ロマン!ナビゲートよろしくね!」
《まかせて!》
そして…ついに、その時は訪れる…全ての準備が整ったのだ。
「……父さん………必ず、父さんの運命を変えてみせる…だから…待ってて…!!」
遊嗣は氷のように冷たくなった遊海の手に触れる…その手の温もりを取り戻す為の決意を固めながら…。
「遊嗣!これを着てった方がいいぜ!オレのお古だけど!」
「十代さん…これ、デュエルアカデミアの制服…?」
「そうそう!人を隠すなら人の中ってな!アカデミアの制服はデュエルアカデミアの制服に似てるんだ!それ着てれば、少しでも目立たずに済むはずだ!」
「十代さん…!ありがとうございます!」
決意を固めた遊嗣に十代が1枚の上着を託す…それは十代がデュエルアカデミアに通っていた頃に着ていたオシリスレッドの制服だった。
「遊嗣!お前なら、きっと遊海の運命を変えられる…!かっとビングだ!!」
(かっとビング…それはどんな困難にも屈せず、諦めず、一歩前に踏み出す為の合言葉……今のきみならば、どんなトラブルでも乗り越えられるだろう)
「遊馬さん…アストラルさん…はい!!かっとビングしてきます!!」
さらに、遊馬とアストラルが勇気の合言葉を送る!
「遊嗣君、過去のアカデミア…融合次元は僕達、ランサーズとアカデミアの
「遊嗣のデュエルディスクにもアクションフィールドを出せる機能が付いてる、自分のデッキと…きみを信じた仲間の力で道を切り開くんだ!」
「遊戯さん…遊矢…うん…!」
そして、遊戯と遊矢の言葉に遊嗣はしっかりと頷く。
「遊嗣、ロマン…お前達の無事を信じてる…!」
《帰ってきたら祝勝会しようぜ!不霊夢やアクアやアース、ウインディに…尊や草薙とみんなで!》
《それは楽しみだ…ロマン、甘味以外の人間達の料理の味覚データ、楽しみにしているぞ》
「遊嗣なら、絶対にやり遂げられる…!頑張って!!」
「遊作君…尊君…Aiも不霊夢もありがとう!」
《まかせて!とっておきの料理をご馳走するよ!》
遊作達は遊嗣やロマンと拳を突き合わせる…戦いの後の再会を約束しながら…。
《フォウ、フォーウ!!(遊嗣、慌てちゃダメだよ!しっかりと状況を見極めるんだ!)》
「フォウが慌てるな、だってさ……遊嗣、迷ったら前に出ろ…遊馬の受け売りだが…前に進めばなんとかなる!」
「遊嗣、離れていても…絶対に私達は
「凌牙兄…璃緒姉…フォウ…!」
「遊嗣……お父さんの事、お願いね…!ドクトルに気をつけて…!」
「母さん…うん!!」
そして…大切な家族達に抱きしめられた遊嗣は…彼女の前に歩み寄る…。
「……マシュ、行ってくるね」
「遊嗣さん……私、信じてます…!必ず帰ってきてくれるって…だから、頑張って…!!」
「───うん、マシュが応援してくれるだけで勇気も元気も100倍さ!!」
マシュからの声援を受けた遊嗣はマシュを抱きしめて力を貰い…前へと歩み出る…!
《目標地点は18年前のARC次元、融合次元のアカデミア…遊嗣、ロマン…マスターを頼みます》
「彩姉…みんな……いってきます!!」
そして、デュエルディスクを展開した遊嗣は遥かな過去へと旅立つ!
「『ディメンション・ムーバー─タイム・トラベル─』発動!!」
キィン─!!
そして…一瞬の閃光と共に、遊嗣は過去へと旅立った…!
『行ったか……さて、最後の
「えっ…ラプラスさん…?」
遊嗣の旅立ちを見送ったラプラス…彼は遊海の亡骸へと歩み寄る…。
「ら…ラプラスさん、そんな大きな剣を取り出して、何を───」
『これだけは、オレがやらなきゃな……馬鹿遊海』
ズバンッ!!
「っ…!?きゃああああああ───!!?」
会議室にマシュの悲鳴が木霊した…。