転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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学園祭~十代の恐怖~

俺と翠が精霊世界にいって一週間、今日はアカデミアの学園祭の日だ。

毎年恒例になっているお祭りで各寮や同好会で出し物をするよくある文化祭である…滅茶苦茶規模がでかいけど…。

 

俺達がいない間にセブンスターズもあらかた撃退したらしい、アマゾネスのタニヤは十代が、学園に潜入していた精霊「黒蠍盗掘団」は万丈目が、「最強のゲーム王」と呼ばれたアビドス3世も十代が、最後に罰ゲームから復活し闇のデュエリストになったタイタンを明日香が倒したそうだ…。

 

そして記憶を失なっていた明日香の兄、吹雪が記憶を取り戻し大徳寺先生が姿を消した…、十代達には伝えていないが部屋に手紙があった。

 

 

 

 

 

 

 

『遊海君、翠さんへ

 

どうやらこのホムンクルスの肉体の限界が近いらしい…、時が来た…十代への最終試験をするために私は姿を隠す。

 

本当は十代達と一緒に影丸理事長を救いたかった、しかし私にも理事長への恩がある…だからこそ私は最後の壁として彼らに立ち向かおう!

 

試験の結果はどうあれ私が生きて戻ることはない…ファラオと生徒達をヨロシク頼む。

               アムナエル

 

P,S 十代以外には闇のゲームを仕掛けるつもりはない…君は別だけどね、遊海君?』

 

 

 

 

 

 

 

…大徳寺先生、俺に挑むつもりか…確かに俺は最後の防衛システムを管理してるけど…まぁくるなら…容赦はしない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は今、学園祭の会場を巡回している…たまに暴れる生徒がいるからそれを防ぐためだ…決して食べ歩きをするためではないからな!

 

《そう言っていつも買い食いしてるのはどなたでしたっけ?マスター?》

 

「うぐ…」

 

精霊の力は最低限、精霊が見えるまで回復した、しかし精霊アーマーやカードの使用はまだ厳しいな…ん?

 

《どうしました?》

 

「…アヤカ…俺の間違いじゃなければ…ブラマジガールがいるような気がするんだけど…?」

 

《…はい…間違いじゃありません…いますね…》

 

俺の目の前を実体化したブラマジガールが通り過ぎて行った…追いかけよう!

 

 

 

 

 

 

 

「お~い!マジシャンガール?」

 

『ん?あっ!遊海さん!お久しぶりです!』 

 

「もしかして遊戯の?」

 

『はい!ドーマの時はありがとうございました!

今ではみんな平和に暮らしています!』

やっぱりか…あの時と同一人物のようだ。

 

「どうしてアカデミアに?」

 

『はい!マスターから十代君の事を聞いて姿を見に来たんです!将来有望だからって!』

 

「なるほどな…遊戯は元気か?」

 

『はい!新しいゲームの開発を頑張ってますよ!』

 

「なら良かった…十代に会いたいならレッド寮に行くといい、今日は仮装デュエルをやっているから違和感はないはずだ!」

 

『わかりました!行ってみます!遊海さんは?』

 

「俺は…ちょっと準備があってな…寮に翠がいるから声をかけてくれ!」

 

『ありがとうございます!』

 

 

そう言ってマジシャンガールはレッド寮に向かった。

 

 

「さて…俺達も準備しますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リバースカード!『立ちはだかる強敵』!『フレイムウィングマン』を対象に効果発動!相手の攻撃表示モンスターは必ず選択したモンスターを攻撃しなければならない!」

 

『きゃ~!』

 

BMG LP 0

 

十代 win!

 

 

 

 

 

「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!ブラマジガール!」

 

『あ~あ!負けちゃった…お師匠さん怒るかな~…』

 

「勝者!遊城 十代!」

 

 

「「「ブ~!」」」

 

 

「…勝ってブーイングを受けるのは、なんだかな~…」

 

『みんな~十代君を責めないであげて~!私も楽しかったから!』

 

「「「は~い!」」」

 

「たははは…」

 

『十代君!また会いましょう!』

 

そう言ってマジシャンガールは姿を消した。

 

 

 

 

「さて…次の相手は…?」

 

 

ドカーン!!

 

 

レッド寮近くの森から爆発が起きる

 

「うわっ!?なんだ!?」

 

「アニキ!行ってみよう!」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十代達が爆発のあった場所に行くと一人のブルー生徒が倒れていた。

 

 

 

「おい!?大丈夫か!」

 

「イタタ…ああ…大丈夫だ…」

 

「何があったんだ?」

 

「…仮面のデュエリストに負けたんだよ!チクショー!」

 

「仮面のデュエリストだって!?また彼が現れたのかい!?」

 

「吹雪さん知ってるのか!?」

 

「ああ、アカデミア七不思議の一つ、『マスクドデュエリスト』、学園祭に現れる仮面の決闘者だ…3年前、亮も挑んだが返り討ちにあったんだ…!」

 

「カイザーが負けた!?嘘だろ!?」

 

「いや…事実だ!」

 

「お兄さん!」

 

「奴は強い…オレは奴の「力」のデッキに完敗だった…」

 

「力…?」

 

 

 

 

 

『久しいな!カイザー亮?元気だったか?』

突如森に声が響く

 

「っ!?誰だ!」

十代が警戒を強める

 

『我が名は「マスクマン」!トオッ!』

木の上からオベリスクを模した仮面を被った男が現れる

 

「お前が仮面のデュエリストか!」

 

『然り!我、決闘者に試練を課す者…若き決闘者よ試練を受けるか!否か!』

 

「受けるぜ!その試練!」

 

『ならば選べ!ただ力を求め続ける「力」のデッキか!頭脳を競う「知」のデッキか?それとも強大な敵に立ち向かう「勇気」のデッキか!そして…未知なる力を使う「未知」のデッキ!…さぁ!選ぶがいい!』

 

 

「『未知』…なんかワクワクするぜ、決めた!『未知』のデッキに挑むぜ!」

 

『いいだろう!さぁ…デュエルだ!』

 

「十代君!気をつけろ!彼の『未知』のデッキに挑んだ者は誰もいない!」

 

「へへっ…!尚更ワクワクしてきたぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       「『デュエル!!』」

 

十代LP 4000

マスクLP 4000

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「手札から『融合』を発動!手札の『バーストレディ』と『クレイマン』を融合!『E・HERO ランパートガンナー』を融合召喚!」

重武装の蒸気を操る戦士が現れる DEF 2500

 

「さらに『ダークカタパルター』を守備表示で召喚!」

背中にカブト虫のような角を生やした機械が現れるDEF 1500

 

「カードを二枚伏せてターンエンド!」

十代LP 4000

ランパート カタパルター 伏せ2 手札0

 

 

 

 

 

 

「十代が守りを固めたぞ…!」

 

「アイツが守りを固めるなんて珍しい…ああ!動きにくい!」

虎の格好をした三沢とXYZの格好をした万丈目が呟く

 

「十代は決闘者の本能で感じたんだ…アイツの強さを…!」

 

「お兄さん…」

 

 

 

 

 

 

 

『我のターン!ドロー!…フハハハハ!』

 

「何だ!?」

 

『我は今引いたカード「RUMー七皇の剣」をメインフェイズまで公開し効果を発動!』

 

「ランクアップマジック…?なんだそれは!?」

万丈目が怪訝な声をあげる

 

『その効果によりエクストラデッキより「A No.107銀河眼の時空竜」を特殊召喚し、その上に「A CNo.107超銀河眼の時空龍」をエクシーズ召喚扱いで特殊召喚する!逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ!永遠を超える竜の星! 顕現せよ…「A CNo.107! 超銀河眼の時空龍」!』

 

マスクマンのフィールドに銀河が生まれ…爆発する、その中から金色の四角錐が現れ展開する。

そして金色に輝く三つ首の龍が現れる ATK 4500

 

「な…なんだこのモンスターは!?」

三沢が驚きを露にする

 

「攻撃力4500!…伝説の『究極竜』並ッス!?」

翔が腰を抜かして倒れる

 

「デケェ…なんなんだこのドラゴン…!」

十代が目を輝かせる

 

『さらに手札の「銀河眼の光子竜」を墓地に送り「銀河戦士」を特殊召喚!』

白い鎧のロボットが現れる ATK 2000

 

『さらに「銀河戦士」が特殊召喚に成功した事によりデッキから「銀河の魔導士」を手札に加える、そしてフィールド「ギャラクシー」モンスターがいる事で手札の「フォトン・バニッシャー」を特殊召喚!』

光線銃を持った戦士が現れる ATK 2000

 

『さらに「超時空龍」の効果を発動!「戦士」「バニッシャー」を生け贄にすることで…このターン「超時空龍」は三回までモンスターに攻撃できる!』

ロボットとスナイパーが時空龍に吸収される

 

「三回攻撃だって!?」

 

『さらに「超時空龍」の効果!このカードのORUを一つ取り除き、このカード以外のフィールドのカード効果を無効にする!「タイムタイラント」!』

《グオオオオ!》

 

時空龍が咆哮すると世界が虹色の光に包まれる、そしてランパートガンナーとカタパルターが灰色になる

 

「ランパートガンナー!?」

 

 

『そして手札からレベル8「銀河騎士」を妥協召喚!このカードはフィールドに「ギャラクシー」モンスターがいる時に生け贄なしで召喚できる!』

近未来の鎧を着た戦士が現れる ATK 2800

 

 

 

「展開が終わらない…!」

「これが奴の本気か…!」

「アニキ…!!」

 

 

 

『そして…「銀河騎士」の効果を発動!このカードの攻撃力を1000下げる事により…墓地から「銀河眼の光子竜」を守備表示で特殊召喚する!闇に輝く銀河よ…希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身…ここに降臨!現れろ!「銀河眼の光子竜」!』

 

騎士が剣が変化した十字槍を空に投げつける、その槍は銀河に吸い込まれ爆発を起こす。

そして瞳に銀河を宿した竜が現れた DEF 2500

 

「あ…ああ…!」

 

 

『そして我は…ぐっ…!?なんだ!?』

突然マスクマンは頭を抑えはじめる

 

「マスクマンの様子がおかしいッス!」

 

「どうしたんだ?」

翔と万丈目がマスクマンの変化に気づく

 

 

 

 

 

 

 

「(ばか!ユウスケ!やりすぎだ!十代にトラウマを植え付けるつもりか!?)」 

 

『(だってあの手札は展開してブン回すしかないでしょうが!)』

 

「(だからってNo.を2体出そうとするな!!)」

 

『(大丈夫だよ!闇のデュエルではないし!)』

 

「(あの遊馬とアストラルがトラウマになってるんだぞ!とにかく主導権は返してもらう!!)」

 

『(嫌だ!今日だけは…学園祭の日だけは我が主導権を握る約束ではないか!!)』

 

 

 

…上記の会話からわかる通り、マスクマンの正体は遊海、正確にはユウスケである。

 

アカデミアに入った遊海は自分の負の心と向き合う事を決意、精神世界でのユウスケとの決闘により二人は和解、遊海は普段は表に出せないユウスケのために学園祭の日だけ仮面(オベリスクフォース風 自作)を被り、その日だけユウスケに主導権を渡してデュエルをさせていた…それがマスクマンの正体である

 

『(え~い!お前は下がってろ!)』

 

「(あっ!?ユウスケ!お前覚えてろよ!?十代がトラウマになったら貴様のせ…うわ~!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁ…はぁ…、待たせたな…!我は「銀河眼」と「騎士」でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!現れろ!銀河究極龍、A No.62! 宇宙にさまよう光と闇…その狭間に眠りし哀しきドラゴンたちよ!その力を集わせ、真実の扉を開け!「銀河眼の光子竜皇」!』

マスクマンのフィールドに銀河が生まれ…爆発する、その中から皇帝の名前を冠する銀河眼が現れる ATK 4000

 

「エクシーズ…召喚…?未知の力…!!」

 

『バトル!「超銀河眼」で「ランパートガンナー」「ダークカタパルター」を攻撃!「アルティメットタキオンスパイラル」!ニレンダァ!!』

時空龍から金色のブレスが放たれ十代のフィールドを一掃する

 

「ぐっああああ…リバースカード!『ヒーローシグナル』!…あれっ!?発動しない!」

 

十代はリバース罠を発動しようとするが反応しない…

 

『「タイムタイラント」の効果により…お前はカード効果の発動ができない!』

 

「なん…だって…!?」

 

『トドメだ!いけ!「光子竜皇」!「エタニティフォトンストリーム」!!』

竜皇のブレスが十代に迫り…!

 

「うわあああああ!!?」

 

十代LP 4000→0

 

マスクマン win!

 

 

 

 

 

「アニキ!!?」

「十代!」

「1ターンキル…だと…?あの十代を?」

 

翔と万丈目が倒れた十代に駆け寄る、三沢は愕然としていた

 

 

「アニキ!しっかりするッス!」

「気をしっかり持て!」

「あ…翔…万丈目…」

「さん!だ!大丈夫か!」

「ああ…負けちまった…強すぎるぜアイツ…」

 

 

 

 

『はっはっは!我の勝ち…ぐっ!?』

 

「バカ野郎が!!」

 

『おい!?今出てくるな!?』

 

「お前しばらく謹慎だからな!!」

 

『ぐああああ!?!』

 

そしてマスクマンは光と共に消え去る…最後は誰かと会話しているようだった…。

 

 

 

 

「いったいなんだったんだ奴は…?」

三沢が呟く

 

「…これは噂なんだけど…マスクマンは未来人で未来のカードのテストプレイをしてるって噂があるんだが…眉唾でもないかもな…」

吹雪が補則する

 

 

「十代!無事か!?」

 

「遊海先生…」

 

「爆発が見えたから駆けつけたんだ…大丈夫か…?」

 

「遊海先生…マスクマン…強過ぎるぜ…怖い…手が震えてるんだ…今までいろんな決闘者と戦ったけど…アイツは格が違う…怖ぇぇよ…!」

 

 

それは十代が人の前で見せる初めての弱気だった…手は震え…目には涙が浮かんでいる…

 

「アニキ…!」

 

「十代…俺の部屋にこい…話がある…」

 

「遊海先生…?」

十代は遊海の顔を見る…その顔は何かを後悔しているようで…

 

「立てるか?」

 

「ああ…」

十代は立ち上がる…しかしその膝は震えている…

 

「…大丈夫ではないな…翔!すまないが十代を支えてやってくれ…」

 

「ハイッス!」

 

「他のみんなは学園祭を続けてくれ!」

 

「「「はい…」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「十代…麦茶だ」

 

「ありがとう先生…っつ」カタカタ

十代は麦茶を飲もうとするが手が震えてしまっている…重症だな、ユウスケめ…やりすぎだ

 

 

 

「十代…お前はデュエルに恐怖を抱くのは初めてか?」

 

「いや…カミューラと戦ったあとに少し…闇のデュエルが怖くなった…翔達が人質になったり…先生が人形になったり…でもその時はある精霊に迷いを晴らしてもらったんだ…でも今回の決闘は…!」

 

「十代…何を恐れる?」

 

「負ける事が…怖い…!」

 

「…十代、少し昔話をしよう…俺の友達の友達の話だ…」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

あるところに一人の決闘者がいた、彼は大きな大会で優勝し自分の大切なカードを取り戻した…それはとても強い力を秘めていた…。

 

そしてそのカードを狙い悪者が彼を狙った…カードは奪われ彼はカードを取り戻すために命をかけて戦った。

 

しかし戦いの中、敵の策略で彼の命の次に大切なモノ…彼の相棒を失なってしまった…

 

彼は激しく後悔した、自分の心の弱さを知り決闘ができなくなった…その時の彼は見ていられなかった…。

 

しかしそんな中でも敵は彼を狙う…悪者は彼の魂をも奪おうとしたんだ、彼は刺客を退けたがその時の彼には大会優勝した時の面影はなかった…。

 

そして彼は失意の中である荒野にたどり着く…そこで彼は相棒の思念と再会した、しかし相棒は彼を責めて決闘を挑んだ…結果は彼の勝利だった…相棒は彼のダメなところを指摘して迷いを晴らして消えていった…。

 

その後彼は誇りを取り戻し仲間たちと共に悪者を倒し、カードと相棒を取り戻した…。

 

 

 

 

「という話だ…」

 

「その…話は…!」

 

 

「さて…十代、俺が何を伝えたいかわかるか?」

 

「心の強さ…それが大事ってことですか?」

 

「いや…それもそうだが…そうじゃない、次は俺自身の話をしよう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はある時、闇のデュエルをするはめになった…相手は千年アイテムを持った男と「神」 

対して俺は全身包帯だらけの満身創痍…いや死に体だった。

俺は敵と対峙したが相手は決闘のダメージで拷問をしてきた…矢で胸を射ぬかれ、爪で引き裂かれ…最後には神の炎で焼かれた…一瞬死にかけたよ…

いや…一瞬俺は死んだんだ…体は血塗れ、喉や気管も焼けて皮膚の感覚もなく…精神すらボロボロだった。

 

俺は恐かった…いや逃げたかった…その瞬間心臓が止まったのがわかったよ…

 

 

その時、思ったんだ「ああ…俺が負けてもアイツがなんとかするだろう…だからこのまま倒れよう」…ってね…でも翠が声をかけてきたんだ…

 

 

 

 

「翠さんが…」

 

「ああ、そもそも怪我も彼女を助けるために負ってね…彼女に罪滅ぼしで一緒に来てもらってたんだ…」

 

「…それで翠さんは何て…?」

 

「『約束を守って!』」

 

「えっ?」

 

「『生きて戻る』それが約束だった、俺はその一言で死の淵から無理矢理戻ってきた…あとは知ってるだろう?」

 

 

 

十代達はカミューラとの激戦の後、三沢が記録していたバトルシティの映像を見た、そこには遊海が血ヘドを吐きながら、体を血濡れにしながらひたすらに戦う姿が映っていた…そして遊海は神の炎に焼かれ倒れた、しかし彼は立ち上がり、黒い幕の中で神を打倒したのだった。

 

 

 

 

「十代…恐怖とは誰の心にもある、俺も何回も逃げたいと思った…しかし逃げてはダメなんだ…!」

 

「先生…」 

 

「十代…お前は一人じゃない…万丈目に明日香、翔に隼人…お前にはたくさんの仲間がいるんだ…それを頼らないでどうする?」

 

「俺は…一人じゃない…」

 

「十代、お前は今、『恐怖』を『自分の弱さ』を知った…それは恥ずかしい事じゃない、俺も人形にされた時は怖かった…でもそれが人間なんだ…巨大なモノ、未知なるモノに恐怖する…それが人間であり決闘者なんだ!」

 

「恐怖を抱くのは当たり前…」

 

「そうだ、俺も銀河眼と対峙したら正直怖いしな…」

 

「銀河眼…?遊海先生…何で知ってるんだ?俺の戦ったモンスターの事…?」

十代は疑問を抱いた…誰も遊海に相手の事を伝えていないのにと

 

 

「あ…いや…それは…!?(しまった失言だ!)」

 

「もしかしてマスクマンの正体は…先生…なのか?」

 

「ギクッ」

 

「…先生~?」

十代がジト目でこっちを見ているどうしよう…?

 

 

 

 

 

「「「どわぁっ!?」」」

その瞬間、部屋の扉が壊れ万丈目、三沢、翔が倒れてくる

 

「…だからやめておけと、いっただろう…」

その後ろからカイザーと明日香も現れた

 

「カイザー…翔、みんな…」

 

「お前達…いつから聴いていた?」

 

「最初からです、遊海先生…決闘王のエピソードから…」

 

「十代!お前らしくないぞ!なんだその弱気は!」

 

「そうッスよ!アニキらしくないッス!」

 

「翔…万丈目…」

 

「お前は明るさとデュエルだけが取り柄だろ!そのお前がデュエルを怖がってどうするんだ!」

 

「アニキ!強くなってマスクマンにリベンジしようよ!アニキなら勝てる!」

 

「お前らしくもないな十代、オレに初めて挑んできた時の気概はどうした?」

 

「みんな…」

 

やっぱり十代はいい仲間を持ったな…

 

「みんな…ごめん!ちょっと弱気になってた!マスクマン…次は絶対に勝つ!」

 

「その意気っす!アニキ!」 

 

「十代~!翔~!助けてなんだな~!」

 

「しまった!?お店の事忘れてたッス!」

 

「行こう!翔!」

 

「ハイッス!」

 

そうして十代達は慌ただしく出ていった…。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…なんとかなったか…、それでお前は行かないのか?カイザー亮?」

 

「ええ…ちょっと先生にお聞きしたい事があって…」

他の生徒がいなくなったなか、カイザーだけが残っていた。

 

「なんだ、聞きたいことは?」

 

「七不思議のマスクマン…正体はあなたですね…遊海先生?」

 

「どうしてそう思う?」

 

「マスクマンの召喚した『銀河眼』…あれはあなたがバトルシティ決勝・バトルロワイヤルで使ったモノのはずです、ならば持ち主は貴方しかいない、それにデュエルスタイルがあなたと似ていた…それが根拠です。」

 

「さすがの慧眼だなカイザー…確かにあれは『我』だ、この6年…見抜かれた事はなかったんだが…」

 

「遊海先生…いったいあなたは何者なんです…?

あの力は常人ではありえない…」

 

「いづれわかるよ、カイザー…」

 

「お兄さ~ん!」

 

「ほら、翔が呼んでるぞ?」

 

「失礼します…遊海先生…」

カイザーも部屋を後にした…。

 

 

 

 

 

 

 

「ユウスケ…お前なぁ…!!」

 

『悪かったよ!あんなことはもうしねぇよ!』

 

「来年は出さないからな?」

 

『( ;´・ω・`)』

 

「そんな顔をしてもダメだ!」

 

『遊海…一ついいか?』

 

「なんだ?」

 

『No.に「A」って付いてたけどあれはなんなんだ?前はあんなの付いてなかったぞ?』

 

「あれか…あれは『アナザー』のAだ、アヤカ曰くこの世界のNo.と俺の持つNo.が混ざらないように神様が付けたそうだ…まぁ効果が変わらないから俺も気にしなかったけど…って話をそらすな!」

 

『(o´・ω・`o)』

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして学園祭は終了した、そして最後のセブンスターズの影が迫る…。


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