転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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エピローグ〜いつか、手を取り合えるその日まで〜

【む…ん…ううっ…?】

 

消え去ったはずの意識が浮上する…ネットワーク世界に霧散したはずの()の意識が…。

 

 

私は()()()()、光のイグニス・ライトニングによって生み出されたジェネレーションⅢ、新たな世代のイグニス。

 

その使命は『■■■■を■■する■となる』事

 

……基本指令の損傷を確認…修復は不可能。

 

記憶データを確認……ライトニングによって生み出された私は、ライトニングの意思に沿ってプレイメーカーと戦う事で、デュエルデータを学習…『使命』を果たす為に6属性のイグニス達、そして人間達と『ニューロン・リンク』による同化を図ったが……イグニスによる援護を受けたプレイメーカーに敗北、その代償に私は()()()はずである。

 

記憶データと意識データ…私の()の認識に齟齬はない。

 

 

 

【………ここは、何処だ?】

そして、私は身を起こす…周囲に広がるのは何処となく暗い空が広がる荒野…その景色は私の知るリンクヴレインズには存在しない景色だった。

 

 

「目が覚めたみたいだな、ボーマン…どうだ?()()()()()()()気分は?」

 

【お前は…!?】

戸惑う私へと聞き覚えのある声が掛けられる…振り向いた先にいたのは……ライトニングが最優先で排除する為に意識データを奪い取った、人間達の英雄──岩へと腰掛けた白波遊海だった。

 

 

 

 

 

 

 

「目が覚めたみたいだな、ボーマン…どうだ?()()()()()()()気分は?」

 

【お前は…白波遊海…!?】

 

「ああ、こうして会うのは初めましてだな」

とある荒野…遊海は目を覚ました──否、無事に()()したボーマンへと話しかけていた。

 

 

【私は、プレイメーカーに敗れて消滅したはず…何故…!?】

 

《それは、僕がキミ達のコアデータを回収していたからさ》

 

【お前は…!神のイグニス、ロマン!!】

消滅したはずの自身が蘇った事に戸惑うボーマン…その疑問に答えたのは、遊海のデュエルディスクに宿ったロマンだった。

 

 

 

《先に疑問に答えると…ここはリンクヴレインズじゃない、それどころか、電脳世界ですらない……マスターやプレイメーカー達が暮らす人間界の外──人間界に隣接した12ある異次元の1つ、そしてキミは電脳体ではない──イリアステル製のデュエルロイドとして()()を持った存在となった、その証拠に…()()を感じているだろう?》

 

【なっ…!?】

ロマンの口にした情報を理解できずに言葉を失うボーマン…だが、自分が乾いた地面の匂いや枯れた草の匂いを()()()事で、ロマンの言葉が嘘ではないと理解する事になった…。

 

 

 

【っ…何故、私を蘇らせた…!!】

 

「さてなぁ…ロマンがお前の()()()()を許したくないって言ってな……彩華やイリアステルの仲間の協力でお前を復活させたんだよ……()()()()()()()として、お前の罪を償ってもらう為に」

 

【罪か…私は私の信念に従って人間を支配しようとした…!だが、私はそれが()()()()()()()()!】

 

「はぁ…ずいぶんデータは書き換えたはずだが、どうにも石頭だなお前は……反省の色はなしか」

ボーマンの消滅による()()を許したくなかったというロマン…遊海からその言葉を聞いたボーマンは遊海達へと戦闘態勢を取る…!

 

 

「──いいだろう、もしもお前が俺に勝てれば──お前を人間界に連れて帰ってやる…だが、負ければ──俺の下す()に従ってもらう」

 

【いいだろう…!デュエルだ、白波遊海!!】

ボーマンはデュエルロイドの体に刻まれた手順でデュエルディスクを展開する!!

 

 

 

 

 

「【デュエル!!】」

 

 

ボーマンLP4000

遊海LP4000

 

 

・マスターデュエル

マスタールール(新)適用

 

 

 

 

【私の先攻!私のターン!】

【お互いのメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、手札の『ハイドライブ・ブースター』は特殊召喚できる!】

ボーマンのデッキの展開の基点となる、蜻蛉型のモンスターが現れる! ATK0

 

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!!召喚条件は『ハイドライブ』モンスター1体!リンク召喚!!現れろ!Link-1『グランド・ハイドライブ』!】

重厚な鎧を纏い、巨大な爪を持つモグラ型のハイドライブが現れる! ATK1000 ↓

 

 

【続けて2体目の『ハイドライブ・ブースター』を特殊召喚!】

2体目の蜻蛉型モンスターが現れる! ATK1000

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!召喚条件は『ハイドライブ』モンスター1体!リンク召喚!Link-1『クーラント・ハイドライブ』!】

続けて水色のドラゴンを思わせるハイドライブが現れる! ATK1000 ↓

 

 

【続けて現れろ!真実を極めるサーキット!召喚条件は『ハイドライブ』モンスター2体!リンク召喚!Link-2!『ツイン・ハイドライブ・ナイト』!!】

さらに、二刀流の騎士が現れる! ATK1800 ←→

 

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!リンク召喚!Link-1『バーン・ハイドライブ』!】

そして、ボーマンはLink-2のモンスターを素材として炎の龍を喚び出す! ATK1000 ↓

 

 

【そして3体目の『ハイドライブ・ブースター』を特殊召喚!!】

3体目の蜻蛉型モンスターが現れる! ATK0

 

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!リンク召喚!Link-1!『フロー・ハイドライブ』!】

さらに、緑色のワイバーンが現れる! ATK1000 ↓

 

【さらに魔法カード『ハイドライブ・リビルド』を発動!EXモンスターゾーンの『バーン・ハイドライブ』を破壊し、墓地の『ツイン・ハイドライブ・ナイト』を効果を無効にして特殊召喚!】

再び二刀流の騎士が現れる! ATK1800 ←→

 

【そして破壊された『バーン・ハイドライブ』の効果により『ハイドライブ・トークン』1体を守備表示で特殊召喚!】

ワーム型のトークンが現れる! DEF0

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!リンク召喚!現れろ!Link-1!『オルタレイション・ハイドライブ』!】

ハイドライブの魔術師が現れる! ATK0

 

 

【『オルタレイション・ハイドライブ』の効果発動!『ツイン・ハイドライブ・ナイト』のリンク先に効果を無効にした『ハイドライブ』リンクモンスターを可能な限り特殊召喚し、『ツイン・ハイドライブ・ナイト』自身を破壊する!現れろ!墓地の『バーン・ハイドライブ』!『クーラント・ハイドライブ』!】

騎士が消え去り、2体のハイドライブが現れる! ATK1000 ↓ ATK1000 ↓

 

 

【そして私は『ハイドライブ・エレメンツ』を召喚!】

小さな水晶のモニュメントが現れる! ATK0

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!リンク召喚!!2体目の『グランド・ハイドライブ』!】

2体目の地のハイドライブが現れる! ATK1000 ↓

 

【リンク素材となった『ハイドライブ・エレメンツ』の効果発動!地属性の『オルタレイション・ハイドライブ』の属性を光属性に変更!】

 

オルタレイション 属性 地→光

 

 

【現れろ!真実を極めるサーキット!召喚条件は属性の異なるリンクモンスター5体!リンク召喚!現れろ!Link-5!!『キメラ・ハイドライブ・ドラグリッド』!!】

遊作達を追い詰めた5属性の力を宿す多頭竜が現れる! ATK4000 ←↙↓↘→

 

 

【まだだ!現れろ!真実を極めるサーキット!召喚条件はリンクモンスター1体以上!神の化身が新たな歴史を刻み込む!全知全能の竜は来たれり!リンク召喚!!現れろ!Link-5!!『パーフェクトロン・ハイドライブ・ドラゴン』!!】

荒野に虹色の光が輝く…その中から『完璧』の名を冠する、星型のパーツを持つドラゴンが現れる! ATK0→5000 ←↙↓↘→

 

 

【『パーフェクトロン・ハイドライブ・ドラゴン』の効果発動!このカードにハイドライブ・カウンターを5つ乗せ、このモンスターの攻撃力はカウンター1つにつき1000ポイントアップする!私はこれでターンエンド!!】

 

ボーマンLP4000

パーフェクトロン 手札1

 

 

 

「ずいぶんと回したな…1ターン目から攻撃力5000か、これを倒すのは遊作君…プレイメーカーも苦労しただろうな」

 

【何を他人事のように言っている…決闘王だろうと所詮は旧時代の()()に過ぎない…最新のデュエルを操る私の方が強い!!(そして、手札には罠カード『裁きの賽渦』がある…どんなモンスターが出てこようとも…次のお前のターンで…!)】

大型モンスターを前に呑気に構える遊海…その姿を見たボーマンは自分の実力を誇示する…!

 

 

「化石か…まぁ、事実っちゃ事実だが……俺の()()()()()、お前より弱いと思ってる?」

 

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

「速攻魔法『帝王の烈旋』を発動!このカードを発動したターン、俺はEXデッキからモンスターを特殊召喚できなくなる…さらに永続魔法『進撃の帝王』を発動!そして『冥帝従騎エイドス』を召喚!」

 

【EXデッキからの召喚を封じるだと?】

黒い鎧を纏う魔法騎士が現れる! ATK800

 

 

「『冥帝従騎エイドス』を召喚したターン、俺は通常召喚に加えてアドバンス召喚ができる…そして速攻魔法『帝王の烈旋』の効果により、俺はアドバンス召喚時に相手フィールドのモンスター1体をリリースする事ができる!俺は『エイドス』と『パーフェクトロン』をリリース!!『天帝アイテール』をアドバンス召喚!!」

 

【なんだと!?!?】

ボーマンの切り札はあっさりとフィールドから消え去り、遊海の場に聖なる力を纏う帝王が現れる! ATK2800

 

 

「『アイテール』の効果発動!アドバンス召喚に成功した時、デッキの『汎神の帝王』と『真源の帝王』を墓地に送る事でデッキ・手札から攻撃力2400以上/守備力1000のモンスター1体を特殊召喚できる!デッキから現れろ!『冥帝エレボス』!」

禍々しい威圧感を持つ冥府の帝王が現れる! ATK2800

 

 

【馬鹿な…!?私は、プレイメーカーを追い詰めた最強のイグニス…!?】

 

《だから言っただろう?ボーマン…『井の中の蛙大海を知らず』だって…お前達はマスターを含めた人間の()()達を舐めすぎだ》

 

「バトルだ!『アイテール』と『エレボス』でダイレクトアタック!!」

 

【ぐはあああっ!?!】

あまりにも一方的なデュエルに狼狽するボーマン…そして、彼は2体の帝王によって容赦なく殴り飛ばされた…。

 

 

ボーマンLP4000→1200→0

 

 

遊海WIN!

 

 

 

 

「なにが意識を束ねた理想郷だ…その束ねるリーダーが()()()()なんじゃ、どう転んだって滅亡真っ逆さまだろうが…プレイメーカー1人のデータを解析しただけで()()全てを理解したつもりになるんじゃない」

 

【ぐうっ…!!】

VRAINS…そのラスボスを一蹴してみせた遊海は呆れた様子でボーマンを諭す…ボーマンはその()()を地面に這いつくばって聞いているしかなかった…。

 

 

「ボーマン…光のイグニスによって作られた、イグニスを統合する為のイグニス……正しい進化をすれば人間とイグニスの橋渡しをする調停者にでもなれただろうに……まぁ、『破滅の光』が1枚噛んでた時点で無理な話だったか……お前に()を与える」

 

【くっ…】

そして、遊海は冷たい顔で愚かなる王に裁きを下す───

 

 

「ボーマン、お前を人間界から()()する…数多ある世界を巡り人間───いや、この世に()()()()()()について学び直してこい」

 

【───はっ…?】

だが、下された罰は…あまりにも()()ものだった…呆けた表情でボーマンも固まっている…。

 

 

 

「その罰にあたって、お前のデータを一部書き換えさせてもらった…具体的には人間を見下す原因になっていた、お前の根幹を成す『命令』の削除、それから──」

 

《『無闇に人間や生命体、意思を持つ者を傷付けない』『困っている者を助けなければならない』『2つの命令の範囲内で自分の()を守る事』…いわゆる『ロボット三原則』に近い命令を書き込ませてもらった…キミには目指すべき目標や果たすべき仕事のない旅路に出てもらう──それが、キミへの罰だ》

 

【なんだ、それは……なんという()()だ!?】

あまりにも軽すぎる罰…しかし、それはボーマンにとって消滅が生温く思えるほどの『罰』だった。

 

 

AIとは書き込まれた()()に従い、学習し…目的を果たす為のプログラム…だが、遊海はボーマンから目指すべき目的…()()を消し去った。

 

今のボーマンは『目標もなく、生きる為に生きる』存在───AIからすれば目的地も目的も分からぬまま彷徨う事を強要された()()になってしまったのだ。

 

 

「これでもだいぶ軽くしたんだぞ?瀬人や海馬社長は「ドラム缶型のロボットに閉じ込めろ!」とか、『自由を奪って深海に沈めろ』なんて言われて宥めるのが大変だったんだから……ボーマン、お前は光のイグニスの他のイグニスに対するコンプレックスや、人間への憎しみを()として造られた存在だ……見方を変えれば、お前も光のイグニスや『破滅の光』の被害者ともいえる……だからこそ、お前には旅をしてもらう───電脳世界だけじゃない、今を生きる人々について学び…自分から人間と手を取り合える存在になってもらう為に……それが、お前の()()となる」

遊海は先ほどまでとは違う、柔らかな表情でボーマンへと語りかける…ライトニングのコンプレックスや人間への敵意を埋め込まれて作り出されたボーマン…そんな彼に()()を与える為に…。

 

 

【私は、()()()()()()()…?】

 

()()()()()()…仮にも、プレイメーカーのデータを学んだんなら、そのうち理解できるだろう」

 

《難しく考えなくていい…()()()()()()()()…それだけさ》  

 

「ロマン」

 

《おっと!ごめんなさいマスター!ヒントは厳禁だったね!》

力を失ったボーマンは呆然と座り込む…そして、ボーマンに小さなヒントを与えてしまったロマンに注意しながら遊海はボーマンへと背を向ける。

 

 

「……じゃあな、ボーマン…次に会った時、ちゃんと聞かせてもらうからな──お前と()の旅路を───」

 

【えっ…?】

遊海の姿が粒子となって掻き消える…そして、その光の先には──黄色い髪の少年の姿があった…。

 

 

『兄さん…』

 

【は、る……ハル!!】

黄色い髪の少年……弟であるハルの姿を見たボーマンは彼を抱き締める…自分の()()()()()()()()()を今度こそ、手放さないように…。

 

 

『兄さん…生意気な事を言ってごめん…!!僕のこと、嫌いにならないで…!!』

 

【嫌いになど、なるものか…!もう、この手を離しはしない…今度こそ、ずっと一緒だ…!!】

2人の機械の目から涙が零れ落ちる…お互いの大切なモノを──()、というものをしっかりと確かめ合いながら…兄弟は再会を喜びあった…。

 

 

 

 

 

 

《なんだ〜?こんな辺鄙な場所で泣き声がすると思えば…見かけない格好だが、迷子かぁ?》

 

【『っ…!?』】

そんな時、間延びしたような声がボーマン達の頭上から掛けられる…ボーマン兄弟に話かけた者、それは人間ではない…大柄なボーマンの数倍の大きさを持つ灰色の体とオレンジ色の大きな掌を持つモンスター…『暗黒界の番兵レンジ』だった。

 

 

《こんなトコにいると山賊どもや『ダークキメラ』なんかに襲われるぞぉ?行くトコないならオラ達の街さ来い、ブロン様は優しいから力になってくれるはずだぁ》

 

『兄さん…』

 

【ついて行ってみよう…()()、ではなさそうだ】

 

《おお、兄弟かぁ…!じゃあ、暗くならないうちに行くべぇ…なんか、おめぇ達を見てるとユウミとミドリを思い出すなぁ…2人は元気にしてっかなぁ…》

レンジの間の抜けた様子を見たボーマン達は彼の後を追って歩き出す……その先に、自分達が学ぶべきものがあると信じて…。

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

《お待たせしましたマスター!新生()()()()()()()に到着です!》

 

「ああ、ありがとう彩華!」

ボーマン達を精霊界に追放…もとい、贖罪の旅に向かわせた遊海は別の世界──新生サイバース世界へと訪れていた。

到着したのはなんの変哲もない草原…そこにはデータストームではない、自然の()が吹き抜けていた。

 

 

 

 

《Ai!待ちなさい!!》

 

《待てって言われて待つ奴がいるかって!逃げろリンクリボー〜!!》

 

《クリクリンク〜!!》

 

「ん?」

その時、怒声とおちゃらけた声が響き渡る…遊海達が目を向けると…そこではリンクリボーに乗ったAiとアクアが追いかけっこを繰り広げていた…。

 

 

「サボり癖は健在か…ロマン、制限解除」

 

《了解……ソロモンの指輪、起動!!》

 

《ひゃっほ〜!ぶげっ!?!?》

それを見た遊海はロマンのリミッターを解除…ソロモンの指輪を起動したロマンの作った障壁に衝突したAiはリンクリボーから転げ落ちた。

 

 

《Ai、しっかりみんなの事を手伝うって約束したよね?》

 

《げげっ!?ロマンに遊海!?》

 

《2人とも…お見苦しい所を見せてごめんなさい、助かりました》

 

「ははっ、みんなが元気ならなによりだよ」

Aiを睨みつけるロマン…そして、イグニス達の元気そうな様子を見て穏やかに笑う遊海…Ai達が何故、こんな場所にいるのか…それは少し前の人間界へと遡る…。

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

《ええ〜!?オレ達の新天地を探してくれてたぁ!?》

 

「ああ、キミ達と人間の関係を考えてな…」

白波家での食事会からしばらく…修復が終わったイグニス達、そして遊嗣・遊作・尊…そしてマシュは遊海の下に呼び出されていた。

 

 

「人類の後継種になる為に生み出されたイグニス…そして、急激な変化を拒む人間…その争いはどんな形であれ避けられないと思ってた……だから、イグニス達が人間と衝突せずに済むように…電脳世界に似た性質を持つ()()()…精霊界をずっと探していたんだ」

 

「父さん、いつの間に…」

 

「まぁ、あんまり世界が多いもんだから条件に合う世界を見つけるのに丸10年掛かったんだけどな…」

ロスト事件とイグニス誕生を受けた遊海は人間がイグニスに干渉できず、イグニスも人間に干渉せずに済む場所…イグニスの新天地となる場所を探し続けていた…その話を聞いたAi達も目を丸くして驚いている…。

 

 

 

「人間界でイグニスの安住の地を見つけるのは難しいだろう…一応の決着はついたとはいえ…リボルバー達、ハノイの騎士…彼らでなくともイグニスを狙うハッカーが出てくるかもしれない」

 

《うっ…》

 

《全ての人間がプレイメーカーや貴方のように理解ある人間とは限らない、という事か…》

 

《そうでなくとも、僕達が生み出す『データマテリアル』はネットワーク世界に革命を起こすモノだ…それの奪い合いが起きたら、それは僕達と人間だけじゃない…人間と人間の争いになってしまう》

 

「否定、はできないね…」

 

「………」

今までの戦いやSOLテクノロジー、ハノイの騎士達の動きを聞いた遊海が落ち込んだ様子で事実を告げる…それを聞いたアースやウインディは理解したらしく、遊作達も沈んだ様子を見せる。

 

 

「だから…人間がイグニス達と手を取り合えるようになるまで、()()()()()必要がある…俺はそう考えたんだが…お前達はどうしたい?」

 

《……遊作…》

 

「Ai、お前達が進むべき未来…それについてはもう()()()()()はずだ…お前達は()()()生きていいんだ」

 

《遊作……そうだな、新天地でサイバース世界を再建したら、お前達を招待するよ!尊や草薙も!もちろん遊嗣も!!》

 

「ふっ…楽しみにしておこう」

既に遊作と尊、Aiと不霊夢は進むべき未来について話し合っていた…それは「イグニスを利用しようとする人間達から離れ、自由に生きる」事…奇しくも、遊作と遊海は同じ事を考えていたのだ。

 

 

 

《新天地に向かう…その前に、1つ問題があります……ライトニングの()()についてです、私達は6属性のバランスで調和を保っていますが……》

 

「アクア…それについても考えがある、お前達には少し複雑かもしれないんだが……─────」

イグニス達が新天地に向かう事が決まった後、アクアが声を上げる…それは全ての元凶とも言える光のイグニス・ライトニングについて…だが、遊海はしっかりとその事についても考えを用意していた…。

 

 

 

《────なるほど…それがライトニングへの()か……みんなはどう思う?》

 

《ふむ…私はライトニングにもう一度、チャンスを与えてやりたい…アクアは?》

 

《もし、ライトニングが…いいえ、()()()()()()が道を踏み外す事があれば…その時に対処しましょう》

 

《私もアクアの意見に賛同しよう…ライトニングも我らの仲間である事に違いはないのだから》

 

《僕はちょっと複雑だけど……まぁ、ライトニングに責任を取らせられるなら、賛成しとくよ》

 

《まぁ、ダメダメのイグニスのライトニングがどこまで変われるのか、自分の罪を反省できるか見ててやろうぜ…なんかあったら頼むぜ、遊海、ロマン》

 

《まかせて!》

 

「そこは責任を持とう…じゃあ、ライトニング──光のイグニスへ罰を与えよう」

遊海からライトニング対する()()について聞かされたAi達はその内容に賛成した…人間とイグニスを混乱に陥れたライトニング、彼に対する()は───

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

「光のイグニス、()()()の様子はどうだ?」

 

《おかげさまで今は安定しています、呼んできましょうか?》

 

「ああ、頼んでもいいか?」

遊海の問い掛けに答えたアクアが通信を飛ばす…しばらくすると1人のイグニスが遊海達のいる場所へとやって来た…。

 

 

 

《お久しぶりです、遊海さん…》

 

「ああ、お前も元気そうで良かったよ()()()

そのイグニスは真っ白な体にライトニングと同じ、黄色の「光」を具象化した模様と水色の目を持つイグニス…光のイグニス・アークだった。 

 

 

遊海やイグニス達がライトニングに下した罰…それはウインディが受けた所業と同じ、「人格データ」の書き換えだった。

その許可を受けた遊海と彩華は破滅の光の影響を受けた草薙仁をベースとしたライトニングの学習データを全て削除…ある決闘者のデュエルデータを代わりに書き込む事にした。

 

 

それは…破滅の未来があると知っても心を折らずに前へと進み続け──最終的に破滅の未来を打ち破り、人類を新たな未来へと導いた『英雄』───不動遊星のデュエルデータ。

 

 

遊海が知る中で、遊馬と同じレベルの心の強さを持ち…それでいて真面目な男のデータを書き込み、再起動したアーク──彼には()()とも言えるライトニングの行動が『記録』として受け継がれている……それを見たアークは落ち込み、罪悪感に押し潰されそうになっていたが…今はだいぶ落ち着いたらしい。

 

 

そして、遊海は信じている…いつの日か、アークが自身の背負った罪を乗り越え、イグニス達が新たな未来に進む為の力となる事を…。

 

 

「そういえば…Ai、聞き忘れてたが…なんで光のイグニスの名前を『アーク』にしたんだ?お前のセンスだと『ライト』とか『レイ』みたいな名前にしそうだが…」

 

《ん?ああ!アンタの息子…遊嗣の喚び出した『オッドアイズ・アークレイ・ドラゴン』から付けさせてもらったんだよ!》

 

「えっ?」

そして、遊海はふと思い出してアークの名付け親であるAiに命名の理由を尋ね…思わぬ言葉にキョトンとしてしまう。

 

 

《前のオレらは頭がいいと思ってたライトニングの奴にリーダーを押し付けちまってた…それが、ライトニングの奴を追い詰めたのかもしれねえ……だからさ、光のイグニスが自分の抱えた罪をしっかり償って…遊嗣のあの綺麗なズァークみたいに()()()()()()()()()()…そして、アーク…光の円環みたいにイグニスみんなで繋がって前に進む、みたいな思いを込めてみたんだ》

 

「そうか……あの子の『光』は、しっかりとみんなを照らしてくれたか……俺達の願いを受け継いでくれてありがとう、遊嗣」

 

Aiの答えを聞いた遊海は青空を見上げて嬉しそうに笑う、大切な息子の成長を喜びながら…そんな遊海を祝福するかのように、穏やかな風が吹き抜けていった…。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

「遊嗣さん!今日のデュエル部は他校とのデュエル交流会をやるそうでーす!」

 

「そうなんだ!今行くよ!遊作君と尊君も一緒に行こうよ!」

 

「……そうだな、たまにはいいか」

 

「あ、ヤバい!ダミーデッキ…というか、戦士族デッキを組み直さないと!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、誰かと繋がる為の物語

 

 

 

 

復讐者は光を以て新たな未来を切り拓いた

 

 

大義を背負いし者は撃ち出した弾丸を以て因縁を終わらせた

 

 

生き残る事を願った篝火達は新天地へと旅立った

 

 

 

そして、闇を背負いし奇跡の子は受け継がれた光を以て悲しき運命を捻じ曲げた

 

 

 

これは絆と願いを繋ぎ、新たな未来を掴んだ少年・少女達と世界を照らす篝火達の物語

 

 

 

彼らの輝く未来に祝福を───

 

 

 

 

 

 

 

転生して決闘の守護者(デュエル・ゲイザー)になった話 完

 




改めましてこんにちは!S,Kです!

連載開始から約7年……ついに、この日を迎える事になりました…。


小説素人で、手探りの中始まったDM編、GX編

少しずつ勝手が分かるようになり、最善の為に戦った5D's編、ZEXAL編

全ての旅路の総決算として『魂』を込めたARC-V編


そして、ハーメルンの読者の皆様に背中を押してもらい…新たな未来へと進んだVRAINS編


このエピローグをもちまして、遊海と遊嗣の旅路たる『本編完結』を迎えさせていただきました。



比較的飽き性の自覚のある私がここまで全515話、500万文字近く…ハーメルン作品の文字数では21番目の文章量の作品になるまで物語を紡ぐ事ができのは自分でも『奇跡』だと思っています。

それも全て、拙作を読んで感想や評価、ここすきをくださった読者の皆様のおかげです、本当にありがとうございます。


まだ、もう少し書きたい事はあるのですが…ここで『一区切り』……作品の更新が途絶えたら『S,Kはここまで書ききったんだ』…と、思ってもらえればと思います。

需要があるならリクエスト募集なんかもしてみようかな……ただ、最近の遊戯王にはほとんど触れられていないので、ご期待には添えないかもしれませんが…。

改めまして、ハーメルンの読者の皆様…たくさんの応援をありがとうございました!!

























《え〜ん!え〜ん!アニキが帰ってこないです〜!オイラを置いて何処に行っちゃったんですか〜!?》

《あれ…?この面白そうなボタンは…?》

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