転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

完結してすぐですが…日常編の開幕となります!

……アイデアの方が先に浮かんで空想樹レイドが進まない……マリスビリーとビーストⅦ許すまじ……!!マシュを泣かせるなコンチクショウ!!

コホン…失礼しました…そんなこんなで、日常編をどうぞ!

……年内にもう1話いけるかな…。


Extra Episode Ai LOVE YU─DENCity四日間戦争─
遊嗣の困り事〜取り戻した日常〜


「ふわぁ……平和だなぁ……」

 

《すぅ…すぅ…》

 

《ぐぅ…ぐぅ…》

 

《ZZZ…》

 

とある日の昼下がりのデンシティ、穏やかな太陽の光が照らす自宅のリビングで遊海はのんびりと過ごしていた…そのお腹の上ではフォウがヘソ天で眠っていたり、メガロックやフレアも日光浴をしながら微睡んでいる。

 

デンシティを震撼させた『ミラー・リンクヴレインズ事件』…そして18年前の呪いに端を発した自身の死と『歴史改変騒動』…その危機を遊嗣や仲間達の助けによって乗り越え、イグニス達の新天地への移住を終えた遊海は…本当に久しぶりにOFFモードになっていた…。

 

 

「……みんなにも迷惑かけちゃったなぁ……ARC次元のみんなにも、顔を見せに行かなきゃ……また、クロノス先生に泣かれて……ジャックとか、ディヴァインには呆れられそうだ」

ぼんやりとARC次元にいる仲間達の事を考える遊海…デュエルロイド瀬人によって伝えられた『遊海の死』という最悪の知らせはすぐに仲間達へと広がり、全員が人間界に向かおうとするほどの騒ぎになった…と、城之内に聞かされた遊海は申し訳なさで落ち込んでいた…。

 

 

「ハノイの騎士の方は瀬人に任せたし、彼らが狙うイグニスはもう手が届かない場所にいる…これで、トラブルは起きない…はずなんだけどなぁ…」

 

そして、遊海は不安そうに呟く…全ての事件の元凶である『破滅の光』は消滅…そして、光のイグニス・ライトニングは新たな存在である光のイグニス・アークへと生まれ変わり、ボーマンも贖罪の旅路へと送り出した…そして、鴻上博士も『罰ゲーム』の影響から回復…素直に取り調べに応じているらしい。

 

残る火種たるリボルバー達『ハノイの騎士』の件は瀬人の預かりとなり…彼らが滅ぼすべきイグニス達は人間界を脱出した……それは、全ての問題を一先ずは解決できたという事を意味していた…。

 

 

「とりあえずは…遊嗣のメンタルケアかなぁ…まったく、なんだ、あの戦いの連続は……あの時、俺が油断しなければ…まぁ、たらればの話を考えても仕方ない……遊嗣はその全てを乗り越えて、『覇王』として覚醒できた………まさか、本当に覇王の素質を持ってたとは思わなかった…」

そして、遊海は戦いの中で大きな成長を遂げた愛息子の事を考える。

遊嗣の全ての戦いを記録していたロマン、その記録を確認した遊海は思わず絶句してしまった…ライトニングの尖兵たるビットブートとのデュエルに始まり、情報屋のゴーストガール、賞金稼ぎのブラッド・シェパード…そして、卑劣な作戦で敗北したライトニングとの1戦目───さらに、昏睡状態から回復した直後の発生した『ミラー・リンクヴレインズ事件』の中のデュエル…特にマシュとのタッグで挑んだ【回帰の人類悪】の再現体、シャドウ・ネームレスとの戦いを見た遊海は数回ほど卒倒してしまうほどのショックを受けていた…。

 

 

「……ありがとな、ユウスケ…あの子を守ってくれて…」

 

──仮にも、我だってあの子の父親だ…あの状態の我にできる事をしただけさ…まぁ、フォウの似姿も悪くなかったけどな──

 

しかし、遊嗣達は運命によって守られた…マーリンが託した宝具『今は遥か理想の城(ロード・キャメロット)』とクロ、と名付けられていたユウスケが『No.∞』を喚び出した事…そして、聖剣の魔法の鞘『全て遠き理想郷(アヴァロン)』…その力によって遊嗣達は窮地を切り抜ける事ができたのだ。

 

 

「……しかしまぁ…あの映像を見てたランスローも気が気じゃなかったろうな……でも、マシュちゃんがいなければ…遊嗣はズァークとしての力に呑まれてた……本当に、あの子たちは運命に恵まれた……愛された子たちだよ」

そして、遊嗣にとっての最終決戦…『破滅の光』の尖兵として覚醒したライトニング、そして取り込まれてしまった自身との戦い……『覇王龍』としての力に呑まれかけ、暴走する遊嗣…それを食い止めたのはマシュの優しさと()に他ならなかった。

 

 

「……遊嗣達の未来はあの子達自身が決めるもの……でも、まぁ…()()()()()()()()()、嬉しいなぁ…」

 

《……おやすみなさい、マスター…どうかよい夢を…》

新たな未来を掴み取った遊嗣…彼らの事を思いながら、遊海は穏やかに眠りへと落ちていった…。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドタドタドタ

 

 

「と、父さん!助けてぇぇ!!」

 

「んがっ…!?遊嗣、どうしたぁ…?」

 

《ファウ!?(何事!?)》

穏やかな時間を過ごしていた遊海…それを慌ただしく終わらせたのは何やら慌てた様子の遊嗣だった…。

 

 

「どうしたどうした…そんなに慌てて…マシュちゃんと喧嘩でもしたのかぁ…?」

眠たい目を擦りながらのんびりと声をかける遊海…しかし、遊嗣は泣きそうな顔になっている。

 

 

「体が、体がなんか変なんだよぉ…!!?」

 

「んむ…?」

 

 

 

 

 

 

 

Side遊嗣

 

 

「おはよう母さん」

 

「おはよう遊嗣!朝ごはんの用意できてるわよ〜!」

 

「はーい」

それはまず、いつも通りの朝から始まった…翠と朝の挨拶を交わし、朝食を食べようとした遊嗣…だが──

 

 

「いただきまーす!」

 

バキィッッ!!

 

「へっ?」

突然、手にした箸が真っ二つにへし折れた…!

 

 

「母さ〜ん!お箸が折れちゃった…」

 

「あら…?まぁ、ずいぶん長い事使ってたもんねぇ…はい、新しいお箸!」

 

「ありがとう…」

 

 

〜〜〜

 

 

 

『───それで、この計算はこうして──』

 

「ううっ…頭がこんがらがってきた……」

次に学校の授業中…数学の授業を受けていた時───

 

ボキッ

 

「っ…シャーペンが割れたっ!?…新しい奴出さないと…!」

ノートを書いていたシャーペンが真っ二つに砕ける…それを見た遊嗣は慌てて別のシャーペンを取り出すが──

 

バキッ

 

「───はっ?」

その2本目もすぐに砕け散ってしまった…。

 

 

 

 

「いけ遊嗣!シュートだ!!」

 

「うん!!」

続く体育の授業、今日はサッカーの授業…パスを受けた遊嗣はシュートを繰り出したのだが──

 

 

ボンッ!!

 

 

「え"っ…」

 

「ボールが爆発したぁ!?」

ボールを蹴り飛ばした瞬間、ボールは爆発してバラバラになってしまった…。

 

「タイミング悪いなぁ白波…空気入れすぎの奴だったか?」

 

「うーん…?」

 

 

 

 

「なんか、体の調子が変だなぁ…」

 

「遊嗣さん…大丈夫ですか…?」

 

「うーん…別に、どこが痛いって訳じゃないんだけど…」

 

昼休み…マシュと一緒に昼食を食べながら自分の手を見つめる遊嗣…そして──

 

 

「んっ…このペットボトルの蓋、固い…遊嗣さんごめんなさい、開けてくれませんか…?」

 

「うん、まかせて───」

 

ボシュッ!!

 

「「えっ」」

ペットボトルの蓋を開けるのに苦戦するマシュ…遊嗣が彼女から受け取ったペットボトルを握り締めた瞬間、キャップは握り潰され、ペットボトルは爆発してしまった…!

 

 

「そんなに…力は入れてないはず、なのに…」

 

《うーん、これは……》

びしょびしょになりながら戸惑う遊嗣…その様子を見たロマンは遊嗣の身に起きた()()に気付き始めていた…。

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

「なるほどなぁ…」

 

「このままだと、ふとした事で他の人やマシュを傷付けちゃいそうで…!!」

朝から自分の体に起きた異変を泣きそうになりながら話す遊嗣…それを聞いた遊海は異変の()()が既に分かっていた。

 

 

「遊嗣…お前に起きた異変、その原因は精霊の力の()()だな」

 

「力の、暴走…?」

落ち着いた様子で異変の原因を言い当てる遊海…それを聞いた遊嗣は少しずつ落ち着きを取り戻す…。

 

 

「自覚してると思うが…お前は『精霊使い』と『サイコデュエリスト』の力を宿したハイブリッドだ…それに加えて、優しき闇の『覇王』であり…その魂の半分は『覇王龍ズァーク』としての()()でもある…お前が前世を自覚して、一気に力が目覚めたもんだから…力のコントロールができてないんだよ…そのせいで異常に力が強くなったり、下手すると周りの人間が精霊の力に目覚めるレベルの影響力になってるな…」

 

《うーむ…思えば、マシュが精霊の力に目覚めたのも遊嗣から漏れ出した力に当てられたのだろう、今の遊嗣から感じる力は以前の()()()()…そりゃコントロールできなくもなるだろうて…》

 

「あっ…なる、ほど…?」

遊海やメガロックの言葉を聞いた遊嗣は静かに納得する…遊嗣がその身に宿すのは世界4つを作り出すほどの『覇王龍ズァーク』の力、それに加えて遊海と翠からも肉体的な素質や力を受け継いでいる…その身に宿す力は歴代のどの決闘者達よりも強力だろう。

それが前世の自覚と共に一気に覚醒した事で遊嗣は力のコントロールができなくなっていたのだ。

 

 

「どうすればいいの…?こんなんじゃ、普通に暮らすだけでも一苦労だよ…」

 

「『精霊の力』をコントロールする為の訓練をするしかないが…遊馬でも通算一ヶ月は掛かったからなぁ…遊嗣レベルだとどれだけ掛かるか…」

 

「そんなぁ…」

遊海は過去、何人かの決闘者達に「精霊の力」をコントロールする為の訓練を施してきた…だが、それぞれの者達は自分の身の丈に合った力の範囲内であったり、力を補助する赤き竜の痣や相棒がいたりした。

だが、遊嗣の場合…全てが()()()…コントロールの為にどれほどの時間が必要か見通す事ができなかった…。

   

 

 

「とりあえずは…自分の()()()()()()()()精霊を見つける所からだな」

  

「パートナー…」

そして、力をコントロールする為の第一歩として遊海が提案したのは()()となる精霊を見つける事だった。

 

 

「デュエリストにはそれぞれに魂の波長…相性の良いモンスターが精霊として付いている事が多い…例えば、遊戯なら『ブラック・マジシャン』や『クリボー』…十代なら『ハネクリボー』や『E・HEROネオス』、遊星なら『スターダスト・ドラゴン』…遊馬なら『希望皇ホープ』や『虹クリボー』とかな」

 

「あれ、十代さんと『ユベル』さんは?」

 

「あれは…魂の波長どころか魂の『超融合』して二心同体になってるからな…まぁ、覇王としても半精霊の存在としても遊嗣の大先輩だな」

 

「(十代さん…若い頃に何があったんだろう…?)」

歴代決闘者達の相棒達を例に出しながら説明する遊海…その中で遊嗣はユベルの事を思い出したが…遊海の何かを()()()ような説明に首を傾げたのだった。

 

 

「とにかく、色々とモンスターを喚び出してみよう…良い精霊が来てくれるといいんだが…」

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

「──ダメだったかぁ…」

 

《まぁ、仕方ありませんね…》

 

《まさか、全ての精霊が遊嗣の宿す「覇王龍ズァーク」の威圧に怯えてしまうとは…》

 

「そんなぁ…」

数時間後…庭先で遊嗣はがっくりと項垂れていた…。

 

「星杯」「クローラー」「機界機士(ジャックナイツ)」…「魔妖」「アーティファクト」「真紅眼(レッドアイズ)」…そして「斬機」…遊嗣が扱ってきた様々なデッキのモンスター達を喚び出してみたのだが…機械系の精霊達は警戒態勢を取ったまま消えてしまったり、生物系の精霊達もギョっとした様子ですぐに隠れてしまい話にならなかったのだ。

 

それは全て、遊嗣に宿る『覇王龍ズァーク』の威圧感が強すぎた事が原因だった…。

 

 

 

「…というか、覇王龍とか四天の龍達が相棒じゃダメなの…?」

 

「…あの子達、自分の力を抑えられないから無理だろ…遊矢達のちょっとした動揺で新しいモンスターが出てくるんだぞ?」

 

『『『『………』』』』

 

《フォウ…(ああ…遊嗣の後ろでドラゴン達がショボーンってなってる…)》

 

「うう…否定できない……」

四天の龍達や『覇王龍』そのものを相棒とする事を提案する遊嗣…しかし、『覇王龍』達が力を抑え込むのが()()なのが分かっていた遊海は首を横に振る…その様子を見た四天の龍達は落ち込んだ様子である。

 

 

「となると…まずは応急処置として遊嗣の大きすぎる『精霊の力』を減らすしかないか……ラビエル、いけるか?」

 

《主、ゴメン…マダ、()()…》

 

「え、なんで!?というか満腹!?」

 

《主の死の原因がわかった時、遊嗣の力が暴走した…それを我らが止めたのだが…》

 

《力の密度が濃すぎて、まだ消化できてない…眠い…》

 

「ああ…なるほど、ごめん…ラビエル達のお腹を満たすレベルってすごいな…」

遊嗣から溢れる精霊の力を減らすべく、精霊の力を糧とする幻魔達を喚び出すが…先日の一件で遊嗣から吸い取ったエネルギーを消化できていないらしく、眠たそうに答えて消えてしまった…。

 

 

「うむむ…あとは、『スキルドレイン』とか『デモンズ・チェーン』とかで力そのものを無効にして封印するしかないが…遊嗣の体に負担が掛かるしなぁ…」

 

「僕なら大丈夫だよ、父さん…僕の力でマシュを傷付けるよりは…」

 

「遊嗣…お前って子は……」

そして、最終手段として力の封印を考える遊海…だが、それは少なくない負担を遊嗣に掛けてしまう…それを大人しく受け入れるつもりの遊嗣の頭を遊海は優しく撫でるしかなかった…。

 

 

 

 

『親子揃ってなーにを暗い顔してるんだ遊海!せっかく平和になったのにまた問題発生か?』

 

「あっ、ラプラスおじさん…」

 

「ラプラス、どうしたんだ?」

その時、遊海達の近くに次元回廊が開く…その中から現れたのは呆れた様子の人間に擬態したラプラスだった。

 

 

『遊嗣の()()()を届けにきたのさ…ほらよ』

 

「あっ…ラプラスおじさんからもらったペンデュラム!?そうだ、いつの間にかに落として失くしちゃって…」

ラプラスが懐から何かを取り出す…それは角度によって赤・紫・青へと色を変える不思議なペンデュラム──超物質たる『ゼアルライトのペンデュラム』だった。

 

 

『遊嗣、お前なぁ…過去では一挙手一投足に気を付けろって言われただろ…18年前に忘れてきたのがオレのポケットに入ってたんだ、おまじないとかが全部抜けて壊れかけてたから直して持ってきたんだよ』

 

《あっ…ダークネスを消し飛ばした光…あれはこのペンデュラムの力だったのか…!》

 

「おいおい…役に立ったのかよ、危険極まりない爆破ギミック…(汗)」

 

『今度は外したから安心しとけ』

『ゼアルライトのペンデュラム』…それは18年前、ダークネスを消し飛ばした後に当時のラプラスによって回収され…『歴史改変』を経て、現代のラプラスの手元に戻ってきていた…ラプラスはそれを修復し、遊嗣に届けにきたのだ。

 

 

 

「ん…?大きすぎる力……超物質の宝石……力の封印……閃いた!!ラプラス、ちょっと力を貸してくれ!」

 

『あん?』

 

「父さん?」

その時、遊海の体に電流が走った…数多の戦いを乗り越えた、様々な知識を持つ転生者としての力が遊嗣を助ける為の方法を思いついたのだ。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

「遊嗣さん…大丈夫ですか…?」

 

「うん、なんとか…父さん達がもう少しで解決策を見つけてくれるはずなんだけど…」

数日後、学校の授業を終えた遊嗣は少しふらついた足取りでマシュと共に通学路を歩いていた…その右手首には応急処置としての『デモンズ・チェーン』が巻き付けられており、遊嗣は普段以上に体が重く感じていた…。

 

ピコン!

 

《ん…遊嗣!マスターからの連絡だ!問題を解決する準備ができたみたいだよ!》

 

「本当…!?」

その時、遊海からの待望の知らせが届いたのだった…。

 

 

 

 

 

「おう!おかえり遊嗣!マシュちゃんも、心配かけてごめんな?」

 

「いえ…!それより、遊嗣さんの不調を解決する方法って…?」

 

『そんな心配そうな顔をするな…オレに遊海、彩華やドルベ…何人ものデュエリストや技術者の協力を得てるからな』

家に帰った遊嗣達を出迎えた遊海とラプラス…2人は何人もの協力者の力を借り、遊嗣の力を抑え込む方法を見つけ出したらしい。

 

 

『まずは…ほら、お前のペンデュラムを首にかけろ』

 

「うん…」

まず、ラプラスが『ゼアルライトのペンデュラム』を遊嗣へと渡し、首に掛けさせる…。

 

 

「そして…『デモンズ・チェーン』解除!」

 

キィン─!

そして、遊海が遊嗣の力を抑えていた『デモンズ・チェーン』を解除する…すると…

 

「あっ…体が軽くなった…!でも…微妙に力が()()()()()、ような…?」

 

『その通り…お前のペンデュラムに「精霊の力」を取り込む機能を付けた…もちろん、お前の体の負担にならない程度にな、お前の成長に応じて力を吸う強さも変えられるようにしてある…これで滅茶苦茶な力が出る事はなくなるはずだ』

 

「おぉ〜…!」

まずは遊嗣の力を抑える為の第一段階、それはペンデュラムに「力を吸い取る機能」を取り付ける事で、溢れ出し続ける遊嗣の力をセーブする事…これで、過剰な力の放出は押さえられるだろう。

 

「そして、もう1つの機能がある…ちょっと庭に出てくれ!」

 

「「??」」

そして、遊海は遊嗣達に庭に出るように促した…。

 

 

 

 

 

「外に出てきて…何をするの?」

 

「ふっふっふっ…ここからが本番さ!遊嗣、『誰かを守りたい』…と思いながらペンデュラムを握りしめてみろ!」

 

「えっ…う、うん…?」

不敵な笑みを浮かべながら遊嗣に声をかける遊海…その言葉を聞いた遊嗣は単純に『マシュを守りたい』と念じながらペンデュラムを握りしめる…すると──

 

キィン!!

 

「わっ!?なんか出てきた!?!?」

 

『おお、一発成功か!』

遊嗣のペンデュラムが光を放ち、姿を変える…そして、短い杖か光を灯す燭台を思わせるY字型の機械が現れる!

 

 

『それは『アーク・スパークレンス』…お前の精霊の力を溜め込み、解放する為の()()()()()()だ!』

 

「「変身??」」

 

「まぁ、習うより慣れろ…根本のトリガーを引きながら『変身』!って言ってみろ!」

 

「えっと……変身…?」

 

キィン!!

 

遊海の言葉に戸惑いながら従う遊嗣…そしてトリガーを押した瞬間、遊嗣の体は光に包まれた!

 

 

「わ、わぁ…!?なにこれ─!?!?」

 

「遊嗣さんが、特撮ヒーローみたいに…!かっこいい〜!!」

光が収まった時、遊嗣の姿は変わっていた…その身を覆うのは黒と緑の模様が刻まれた鎧…その背中には『覇王龍』を思わせる、黒い機械の翼が折り畳まれている…!

 

 

「俺の変身した姿…『精霊アーマー』をアストラル世界とバリアン、そして彩華の科学力で再現したんだ…名付けて…『精霊外装・モードZ-ARC』って感じだな!」

 

『腰巻きベルトか、短剣か、腕輪型か…色々と悩んだんだが…「光を継ぐ」ならこれが良いとなったのさ…空も飛べるし、必殺技で「覇王龍」の破壊光線も撃てるぞ?ついでに、電脳世界でも変身可能だ!』

 

「いや、変身機能必要コレ!?かっこいいけど恥ずかしいよ!!」

 

「『ええー…』」

 

《フォウ!?(遊海とラプラスが珍しく息ピッタリ!?)》

男のロマンガン積みの『精霊外装』の出来栄えに満足そうに頷く遊海とラプラス…しかし、遊嗣本人は赤面していて…その反応を見た2人は残念そうにしている…。

 

 

 

「まぁ、しばらくは大丈夫だと思うんだが…お前は『覇王』として人間だけじゃなく、精霊との荒事に巻き込まれる事があるかもしれない…その()()()に備えた護身具と思えばいい」

 

「な、なるほど…?でも、できるなら…乱暴な事はあんまりしたくないなぁ…」

 

『ふっ…その()()()を忘れなければ大丈夫さ、それに遊海がいれば大抵の荒事は心配ないだろうしな』

遊嗣が荒事に巻き込まれた際の()()()として作られた外装…その力を振るう事を躊躇する遊嗣へとラプラスが穏やかに思いを伝える…『優しさ』こそが、遊嗣を含めた白波家全員の一番の武器なのだから…。

 

 

 

「遊嗣さん!つまり、その鎧を着ていれば遊海さん…メタルナイトみたいなヒーローにもなれるって事ですよね…!すごいです!!」

 

「あはは…あんまりヒーローって柄じゃないけど…誰かを助けられる力なら、使い熟せるようにならなきゃ!とりあえず…飛んでみるか…?」

 

《任せて!母さんからサポート用のデータも受け取ってるから…コレだ!飛行用武装、ズァーク・ウイング始動!!》

 

「お、おっ…おぉ~…!!」

マシュのキラキラとした眼差しを見た遊嗣は与えられた力を使いこなすべく、飛行用の翼を展開…少しずつ空中に浮かび上がる…!

 

 

「よ、よーし…!まずは、街の上空を一回りしてみよう…!お願い、ロマン!」

 

《任せて!いっくよー!!》

 

バシュン!!

 

「わっ…わぁああ!?ロマン速すぎぃぃ─────!!?」

 

「遊嗣さーん!?!?」

 

 

『ありゃ!?……少し調整ミスったかな…』

 

「そんな事言ってる場合か!!『閃珖竜スターダスト』──!!」

 

《フォーウ、フォウ…(締まらないね…遊嗣、大丈夫かな…)》

凄まじいスピードで大空に飛び立った遊嗣…しかし、それは想定以上のスピードだったらしく…ドップラー効果を起こしながら空の彼方に消えていき…遊海は慌ててその後を追いかける羽目になるのであった。

 

 

 

 

この日、デンシティのSNSには未確認生物『フライング・ヒューマノイド』を見た、という投稿が相次いだそうな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《遊嗣…ごめーん……》

 

「……千里の道も、一歩から……ガクッ…」




●ゼアルライトのペンデュラム

ラプラスから遊嗣へと送られたアストライトとバリアライトを錬成した超物質のペンデュラム。
「歴史改変」の際に18年前の融合次元に落としてしまったモノがラプラスに拾われ、現代へと帰ってきた。

その後、遊嗣の『精霊の力』暴走の制御アイテムとして『精霊の力を吸収する機能』『精霊外装のコアとなる機能』を追加された。
(自爆機能は削除された)



●アーク・スパークレンス
ゼアルライトのペンデュラムに収納された、遊嗣の力を解放する為の『変身アイテム』
見た目のモデルはウルトラマントリガーの『GUTSスパークレンス(GUTSハイパーキーは無し)』

通常時にペンデュラムによって吸収された遊嗣の『精霊の力』を解放…戦闘形態『精霊外装』を装着させる。

なお、変身アイテムの案として腰巻きベルト(仮面ライダー)型・短剣型(エボルトラスター)腕輪型(メビウスブレス)などが提案されたが…遊嗣が『光を継ぐ者』だからとして、この形になった。



★精霊外装『モードZ-ARC』

遊海・彩華・ラプラス・ドルベによってアストラル・バリアン・精霊の科学力を結集し、遊海の『精霊アーマー』を再現した遊嗣の為の戦闘形態。
姿のモチーフは『EM天空の魔術師』

腕力・走力などの強化や飛行機能に加え、遊海の戦闘データを参考とした『精霊の力をコントロールする為の矯正装置』としての側面も持つ、遊嗣を守る為の鎧。
この鎧を纏いながら訓練する事で精霊の力の扱い方の()()を掴みやすくなる。

なお、遊嗣は変身ヒーローにこそ憧れるが…自分が変身するのは恥ずかしがるタイプ。

必殺技は仮想顕現した『覇王龍ズァーク』から放たれる「スプリーム・バースト」(非殺傷設定可能)




・遊嗣の精霊の力

『覇王龍ズァーク』の生まれ変わりとして「精霊使い」と「サイコデュエリスト」のハイブリッドである事に加え、遊海と翠からも素質や力を受け継いでいる新世代の『覇王』である為、「ぼくのかんがえたさいきょうのデュエリスト」レベルのエネルギーを内包しており…距離の近い人間が『精霊の力』に目覚めてしまうほどの強さを持つ。
ただ、その力が急激に目覚める事になった事で暴走状態になってしまっていた…半年ほど訓練すれば、遊海並の身体能力や回復魔法を行使できる万能型の決闘者になれるだろう。

気まぐれアンケート ここまでの物語で一番良かったのは?

  • DM編
  • GX編
  • 5D’s編
  • ZEXAL編
  • ARC-V編
  • VRAINS編
  • 断章・幕間
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