転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは、S,Kです!珍しく日曜投稿してみたり…。

そして、最初に一言……私は『Fate/Grand Order』の二部終章をクリアしています。

他の方へのネタバレを避ける為、感想欄では二部終章の話題を出さないようにお願いいたします。
FGO関連の事を語り合いたい方は、個人メッセージの方でお願いします!



カルデアよ、星見の旅路よ…ありがとう



そして、タイムリーな事に今回は翠とマシュについてのお話…はてさて、どうなる事やら…

それでは、最新話をどうぞ!


お茶会へのご招待〜平和だからこそ〜

「いってきまーす!!」

 

「いってらしゃい!あんまり遅くならないようにね〜!」

 

《フォウフォウ〜!(気を付けてね〜!)》

 

「はーい!」

 

それは白波家のいつも通りの朝の光景…朝食を食べた遊嗣はいつも通りマシュと合流する為、元気に家を飛び出していく…その背中を見送るのが遊嗣の母──翠の日課だった。

 

 

 

「遊嗣は大丈夫そうか?」

 

「はい!もう体調も力の制御も大丈夫そうです!」

リビングに戻った翠に声をかけたのは遊海……たった数週間前に()()()()()、遊嗣の奮闘によってその死を()()()()()にされ──奇跡を以て戻ってきた大切な夫である。

 

 

「(ああ…こんな、()()()()()()()が戻ってきてくれてよかった…)」

なんでもない()()、それを取り戻した翠はふと思い出す──100年を超えて生きてきた中でもっとも長く、もっとも絶望した1()()の事を…。

 

 

 

 

 

 

Side翠

 

 

「(ゆうみ、さん…なんで…どうして…なんで……)」

翠は気付けばベッドに寝かされていた…その前は覚えていない。

 

否、()()()()()()…しかし、()()()()()

 

 

 

覚えている/全ての事件が解決した喜びを

 

覚えている/遊海さんと再会できる楽しみを

 

覚えている/遊海さんの心臓が止まってしまった驚きを

 

覚えている/少しずつ失われていく温もりを

 

 

 

それでも、実感がない…自分の大切な人と、永遠に逢えなくなったという事に…。

 

 

 

 

『翠ちゃん!!』

 

『翠!!……っ……大丈夫では、なさそうだね…』

 

「ぁ───杏子、ちゃん…舞…さん……」

()()()()()視界に懐かしい、だけど…この場所にはいないはずの親友達の顔が映る……それが、意味するのは───

 

 

「しん、じゃった……遊海さん、死んじゃった……ああ、あああああああ…!!」

 

『『っ……』』

置き去りにしたはずの()()が追い付いてくる…既に潰れてしまったはずの喉から、声が溢れ出す……そんな私を杏子ちゃん達はただ、抱き締めてくれた…。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

「─────」

 

もう、何時間が経ったのだろう…泣いて、泣き疲れて、気を失って…目が覚めて、また泣いて……それを何度繰り返したのかわからない……時間の感覚、というモノが完全に失くなっていた…。

 

 

「(───ゆうじは、どうしてるの、かしら……あのこは───()()()()は───まだ……()()()()()…?)」

擦り切れ、それでも正気を失えない…()()事すら許してくれない自分の体質を呪い始めた時……ふと、大切な子供達の事を思い出す。

 

どれくらいの時間が経ったのかはわからない…わからないけど、凌牙君も、璃緒ちゃんも…遊嗣も、誰も来ていない……そして、思い至る…子供達は、まだ()()()()()()のだと。

 

 

「(私が…凌牙君なら…『ヌメロン・コード』……を…違う、アレは──私達の運命を変えられない───》)」

探す…探す、探す───みんなが、遊海さんを助ける為に何をするのか考える……………そして、私も()()()()

 

 

 

「れきし、かいへん…?」

 

 

『『っ!?』』

私の口から零れた言葉に、杏子ちゃん達の表情が強張る───当たりだ、みんなは遊海さんの死を無かった事にする事で、遊海さんを助けようとしてる───なら、タイミングは?

 

 

遊海さんが襲われた時?

……ダメ、今回の事件への影響が大きすぎる。

 

ダークネスが、凌牙君を襲った時?

……ダメ、人の目が多すぎる。

 

 

 

────その前、遊海さんはボロボロだった……遊海さんが疲れていなければ、ダークネスの不意打ちを防げたかも。

 

 

なら、誰が行ける?遊馬君も十代君も…ARC次元の遊星君や遊戯さんもあの場にいる…過去に行くには、()()()()()()()()()()()が行くのが一番安全───なら───1人しかいない。

 

 

私の()()()()()()()()()()

 

 

それを理解した瞬間、擦り切れた魂が燃え上がる。

 

 

──守らなきゃ

 

守らなきゃ…

 

遊海さんがくれた、私達の宝物を…! 

 

 

()()()()()()()()()()()()()!!

 

 

そして、私は病室を飛び出した…私を宥めようとする杏子ちゃんや舞さんを殺気で意識を刈り取って───その先の記憶は、あやふやだった…。

 

 

 

Side OUT

  

 

 

 

 

 

「(今更ながら、とんでもない事しちゃった……ラプラスに『人類悪もかくやの迫力だった、ドン・サウザンドもビビってた』なんて言われちゃったし……あの時だけ、私…おかしくなってたのかも……)」

最悪の1日の事を思い出し、自己嫌悪に陥る翠…。

 

あの瞬間の翠は本当に【人類悪】になりかけていたのかもしれない…自分の大切な者を守る時、母親の愛は世界すら敵に回してしまうのだ。

 

 

 

 

「ん……みーどり、ちょっと来てくれ」

 

「あ、はーい!」

そんな事を翠が考えていた時、遊海が彼女の名前を呼び…ソファに座った自分の隣に座るように促した。

 

 

「遊海さん、どうしたんです…か!?」

 

「…………」

遊海の隣に座る翠…そして遊海は静かに彼女の事を抱き締めた…。

 

 

 

「……翠が、辛そうな顔してたからさ………()()、破ってごめんな…」

 

「あっ……」

翠を抱き締めながら謝る遊海……遊海の「約束」──それは、「翠を1人にしない」──遊海が危険に踏み込み過ぎない為の安全装置……遊海は危うく、それを破ってしまう所だったのだ。

 

 

「お前が、そんな顔をするのは…きっと、俺のせいだと思ってさ………大丈夫、大丈夫……もう、大丈夫だから」

 

「っ…遊海さん…」

遊海は決して()()()ではない…それが百年を越えて連れ添ってきた翠相手なら尚更の事……その悲しみや負の面を誰よりも理解しているのは遊海だけだった。

 

 

「ううっ…え〜ん…!!」

 

「……よしよし…」

遊海の穏やかな言葉に翠が胸の中に閉まっていたモノが溢れ出す…泣きじゃくる翠を遊海はしばらくの間慰め続けた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピリリリピリリリ…ピリリリピリリリ…

 

 

「ん…電話か…」

泣き疲れて眠ってしまった翠へと毛布を掛けながら見守っていた遊海…その時、彼のDゲイザーが着信を知らせる。

 

 

「もしもし?おや、あなたは───」

 

『──────』

 

「ふむふむ…なるほど…じゃあ、それは俺達の方で請け負うよ…思う存分やってくれていいから…」

電話口で誰かと話し合う遊海…相手の言葉と頼みを聞いた遊海は笑っていた…。

 

 

 

「さてさて……どうなる事やら…」

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

ピンポーン!

 

 

「はーい!マシュちゃん、いらっしゃい!」

 

「こんにちは翠さん!今日はお世話になります!」

次の休日…マシュは白波家を訪れていた…だが、それは遊嗣に会う為ではない…翠に()()()に誘われたのだ。

 

 

「遊嗣さんは…?」

 

「遊嗣はさっきランニングしに行ったからしばらく帰ってこないかな?精霊の力をコントロールする為に体も鍛えてるみたい!」

 

「流石遊嗣さん…!」

遊嗣は既に家には居らず、マシュは残念そうな表情を見せるが…先日の騒動もあり、苦手を克服しようとしている彼をマシュは尊敬していた。

 

 

「それで…お茶会は何処でやるんですか?」

 

「もう1人約束してる子がいるから…その子が来たら一緒に行きましょう!」

 

『翠さーん!お待たせしました!』

 

「小鳥ちゃん!大丈夫、時間ピッタリよ!」

 

「貴女は…!遊馬さんの奥さんの…!?」

 

『うん!久しぶりね、マシュちゃん!九十九小鳥よ!』

お茶会の行き先を聞かされておらず、翠に尋ねるマシュ…その時、もう1人の待ち人──遊馬の妻となった小鳥がやって来た…。

 

 

「じゃあ、()()()に行きましょうか!彩華ちゃん!」

 

《はい!既に座標設定はできています!》

 

「わっ…彩華さん!?」

そして玄関から出た翠が頭上に声をかける…そこにはステルスモードで姿を隠した移動要塞──『アポクリフォート・キラー』が現れていた。

 

 

「──まさか、今回の行き先って…!?」

 

『あら?聞いてないの?これから行くのは──ARC次元のペンデュラム次元よ?』

 

「えっ…ええっ──!?」

 

《では──ARC次元に出発です!》

思わぬ行き先にマシュが驚く中…翠達は彩華に回収され、次元回廊を抜けた先──ARC次元へと飛び立った…。

 

 

 

………

 

 

 

「わぁ…!ここが、ARC次元…!」

 

「その中のペンデュラム次元、舞網市っていう街よ!」

彩華によって運ばれる事しばらく…翠達は舞網にやって来ていた、マシュは街中に聳えるLEOコーポレーションビルや海馬コーポレーションビル、巨大なスタジアムなどに目を奪われていた。 

 

 

 

《お茶会の会場…海馬邸に到着です!》

 

「海馬って…この前、お会いした…!」

 

「そう!この次元で暮らしてる海馬瀬人さんのお家よ!でも、安心して?お茶会の時は男子禁制にしてるから!それ以前に海馬君も忙しいし!」

 

「(改めてですけど…遊海さんや翠さんの人脈が凄すぎます!?)」

 

『ふふっ…翠さんの人脈ってすごいでしょ?中に入ったらもっと驚いちゃうかも?』

お茶会の会場となる豪邸──海馬邸に到着した翠達、そんな中で翠達の交友関係の広さに驚くマシュ…そして、そんなマシュの驚きを表情から読み取った小鳥は面白そうに笑っていた…。

 

 

 

『翠さん…!いらっしゃい!元気そうで良かった…!』

 

「紗良さん!心配かけてごめんなさい!こっちもしばらくバタバタしちゃって…遊海さんも元気だから安心して!」

 

『よかったぁ…!』

 

「海馬社長の奥さん…海馬紗良さん…!」

玄関で彼女達を出迎え、翠を抱き締めたのは…白い髪に青い瞳を持つ浮世離れした美人、海馬紗良だった…彼女自身はデュエリストではないのだが、『海馬瀬人が生涯ただ1人愛した女性』として歴史に残っているのだ。

 

 

『──貴女がマシュさんね?初めまして!杏子さん達からお話は聞いてるわ!』

 

「ま、マシュ・キリエライトです!今日はお招きいただきありがとうございます!!」

 

『あらあら…そんなに硬くならないで?』

翠とはまた違う、さながらお姫様のような雰囲気を纏う紗良にカチコチに緊張した状態で挨拶するマシュ…そんな彼女の様子に紗良は苦笑していた。

 

 

『お茶会、と言っても格式ばったモノじゃなくてお友達同士の世間話をしたりする井戸端会議みたいなものなのよ?ゆっくりしていってね!』

 

「は、はい…!」

 

「もう…紗良さんと会っただけでそんなに緊張してたら疲れちゃうわよ?」

 

『翠さん翠さん…緊張しちゃうのも無理ないですって…翠さんにとってはお友達でも、マシュちゃんから見たら『歴史上の偉人さん』に会ってる、みたいな感じなんですから…』

 

「小鳥さん!すごく的確な例えをありがとうございます!!!」

 

「『あはは…』」

緊張しっぱなしのマシュをフォローする小鳥…そんな様子に翠と紗良も笑ってしまっていた…。

 

 

 

 

 

『あっ…翠さん!』

 

『元気そうでなによりです!』

 

「明日香ちゃん!アキちゃん!心配かけてごめんね〜!!歴史改変の影響は大丈夫だった…?」

 

『アポリアさんがイリアステルの技術で歴史改変の影響を最小限にしてくれたので!』

 

 

「わ、あ…!?」

そして…リビングに通されたマシュは再び言葉を失う事になった…落ち着いた雰囲気のリビング、そこには5人の女性達がいた。

まずは以前に出会った事のある杏子と舞

 

そして、長い金髪の女性──かつて、デュエルアカデミアで教鞭をとった女性教師・天上院明日香

 

さらに、赤い髪をカチューシャで留めた女性──伝説のライディングチーム『チーム5D's』のシグナーの1人・十六夜アキ

 

…そして、マシュが知らない…ピンクのワンピースを着て、ピンク色の髪をショートカットにした、ブレスレットを付けた女性……その場に集まったのは、歴代の『伝説の決闘者』達に縁ある女性達だった…。

 

 

『この集まりはね、翠さん命名の「ヒロイン会」って集まりなの!他にもメンバーはいるんだけど…今日はこの9人みたいね』

 

「あわわわ…!私、こんな場所に連れてきていただいてよかったのでしょうか!?」

 

「ふふっ、大丈夫!…というより、マシュちゃんは今日の主役みたいなモノなんだから!」

 

「えっ…!?」

歴史に名を残す女性達の集まりに恐縮した様子のマシュ…だが、翠の思わぬ一言に目が点になった。

 

 

『ふふっ…アタシ達にとって遊嗣は大切な子だからね!その()()がどういう子か気になってたから…翠に声をかけてもらったのさ』

 

「はうっ…!?///」

舞の単刀直入な一言にマシュは耳まで赤くなってしまう…!

 

 

『という訳で…レッツ恋バナタイム!』

 

《(こうなると、皆さん容赦ないですからね…マシュ、ドンマイです…(汗))》

そして…マシュを中心に予想外の恋バナ大会が始まり…その様子をコアモードの彩華は静かに見守るしかなかった…。

 

 

 

〜〜〜〜

 

 

 

「────というのが、私と遊嗣さんの出会いです!」

 

『ふふっ…流石は遊海先生の息子さんね!自分を顧みずにマシュちゃんを助けに飛び出すなんて!』

 

「そうなのよ〜!私もロマン…遊海さんと彩華ちゃんの作ったサポートAIに記録映像を見せてもらったんだけど…本当にかっこよかったんだから!!」

 

『『『いいな〜!』』』

 

《では、遊嗣の活躍上映会でもしましょうか…私も息子からしっかりと記録は受け取っているので!》

 

『流石は彩華さん…抜け目がない…!』

紅茶やカップケーキ、サンドイッチなどが並べられたテーブルを囲みながら、女性──少女達は話に花を咲かせる…マシュも最初こそ緊張していたものの、遊嗣との話を優しく聞いてくれる彼女達にすっかり心を許していた。

そして…彩華が編集した遊嗣の活躍上映会が始まったのだった…。

  

 

 

 

 

『ハノイの騎士…無関係のマシュちゃんにまで手を出すなんて…!この時、大丈夫だったの…!?』

 

『確か、ニュースではアナザーの状態だった人達は目を覚さないけど、意識はあったって…』

 

「はい…でも、遊嗣さんが来てくれたら…不思議と意識を無くす事ができて…目が覚めたら1週間経ってて驚いちゃいました…」

彩華が流す、ハノイの騎士に関する記録の一部…そこにはハノイの騎士に襲われたマシュを救う為に奮戦する遊嗣の姿があった…そのニュースを知る小鳥は当時のマシュを案じるが──マシュは明るく当時の事を話している…。

 

 

『そして…ネットワーク世界を完全に破壊する「ハノイの塔」……ボロボロの遊海さんが急いで飛んでいった理由がわかったわ……本当に、遊海さんは最高の父親ね…!』

 

「この時まで、私…遊嗣さんの父親が白波遊海さんだって気付いてなくて……この後にお会いした時、すぐにサインをお願いしてしまって……」

 

「ふふっ…遊海さんもびっくりしてたけど、すごく喜んでたわ…表舞台から離れても、自分のファンがいてくれて嬉しかったみたい!」

 

「あ、ありがとうございます…!」

そして映像はハノイの塔事件へ…遊嗣の窮地に現れた遊海の姿を見たアキは当時の遊海の慌てようを思い出し…マシュは憧れた遊海との邂逅を思い出していた。

 

 

 

 

『───まさか、遊海がこんなに簡単に無力化されちゃうなんて……』

 

《これは、私のミスでもあります…私がいれば…マスターの意識データが奪われる事も…!!》

 

「彩華ちゃん、もう過ぎた事だから…そんなに思い詰めないで、ね?」

 

『ここから、遊嗣君の戦いが始まったのね…』

場面が変わる…それは遊嗣にとっての事件の始まり──遊海の意識データ強奪事件…その時の事を思い出して思い詰める彩華を翠が宥めていた…。

 

 

 

《──ここからは少しショッキングな映像なので、しばらくカットで……遊嗣はマスターを人質に取られ、敵の首魁だった光のイグニスに敗れてしまいました……それを、電脳世界に踏み込んだ凌牙が助け出したのです》

 

『シャークがあんなに怒ってるの、久しぶりに見たわ…オーバーハンドレットナンバーズまで使って…』

 

『大切な弟を…家族を傷付けられたら、あの人ならこうなるわ…18年前とまったく変わってない…』

 

「(あのピンク色の髪の方…凌牙さんのお知り合いなんでしょうか…?)」

そして、映像は光のイグニス・ライトニングによる宣戦布告…そして、凌牙による怒りの蹂躙へ…その中でマシュはピンク色の髪の女性が凌牙の知り合いらしいと気が付いた…。

 

 

 

 

『『『敵が多すぎない!?』』』

 

『それを引き受けて、捌いてる遊嗣君もすごいけど…どんどんボロボロに…!』

 

「本当に…病み上がりなのに無茶をして……マシュちゃんが行かなかったらどうなってたか…」

 

『『マシュちゃん!?』』

 

「は、はい…!私、遊嗣さんを守りたくて…彩華さんに遊嗣さんが戦っていた場所に送り込んでもらったんです…!」

そして、戦いは最終決戦へ…多数のビットブートを引き受け奮戦する遊嗣…だが、病み上がりの遊嗣には荷が重く、窮地に追い込まれる…その時、自分の『恋』を守るべく…新たな力を手にしたマシュが駆け付けたのだ。

 

 

 

『今の剣の攻撃…遊海さんの「No.∞」の攻撃に似てる…!』

 

「似てる…というよりあの人の剣が遊海さんの攻撃の()()()()()……星の聖剣を振るう、円卓の騎士王・アルトリア・ペンドラゴン…まさか、その姿を見る事ができるなんて思わなかったわ…」

窮地のマシュを救う為に顕現する英霊にして精霊たる騎士王・アルトリア・ペンドラゴン…その攻撃は数多の敵を一撃で粉砕してしまった…。

 

 

『そして、マシュちゃんは遊嗣に自分の想いをしっかり伝えると…』

 

「うう…こうして映像で見せられると恥ずかしいです…!!遊嗣さんごめんなさいぃぃ…!!」

 

「いいのいいの!この時の遊嗣はちょっと背負い込みすぎだったから…マシュちゃんのおかげできっと楽になったはずよ」

マシュの身を案じて帰るように促す遊嗣…しかし、マシュは遊嗣に平手打ちを喰らわせながら抱き締める…その様子を第三者視点で見たマシュは赤面し…他の少女達はキュンキュンしていた…。

 

 

 

 

『……マシュちゃん…遊嗣君も…本当に、よくあの怪物を倒したわね…!?』

 

『「CiNo.0」…これ、生身で戦ってたら……』

 

「生身じゃなくても大変だったわ…遊嗣もマシュちゃんも過負荷で鼻血や血涙が止まらなくて…ランスローさんも祈る事しかできなくなってたもの…」

 

「この時は…本当に死んじゃうかと思いました……」

光のイグニスからの刺客、シャドウ・ネームレス…その戦いを見た少女達は絶句していた…自分達も命懸けの戦いを経験した事はある…だが、それ以上にこの戦いは()()が大きすぎると感じたのだ。

 

 

「戦いにはなんとか勝てたんですけど…しばらく動けなくなってしまって…」

 

『ここから2人ともまだ戦ったの?本当に??』

 

『これ、ラスボスだったボーマンって奴よりヤバい状況だったんじゃないかい…?』

奇跡と絆によってシャドウ・ネームレスを倒し、倒れ込んでしまう遊嗣とマシュ…この時点で仲間達はそれぞれの決戦を思い出し…2人がそれ以上のダメージを受けている事を見抜いていた…。

 

 

 

『そして…「破滅の光」が遊海さんを乗っ取って……遊嗣君…!!』

 

「破滅の光は人類を滅ぼす悪意…その悪意が遊嗣の中に眠っていた『人類悪』──ズァークの力を呼び醒ました…」

 

『あの姿…まるで、あの時の遊矢みたい…』

 

「遊矢…榊遊矢さん?もしかして貴女は──」

破滅の光と対峙し、異形の姿に変貌してしまう遊嗣…その姿を見たピンク髪の女性の言葉にマシュが反応する…。

 

 

『私は榊柚子…榊遊矢の奥さんよ、この前うちの人とは会ったよね?』

 

「遊矢さんの奥さん…という事は…遊海さんが『覇王龍ズァーク』と戦った時…!?」

 

『うん…遊嗣君の姿…あの時、ズァークが復活した時の姿とそっくり……』

 

「柚子ちゃん…」

ピンク髪の女性…柚子は当時の戦いの事を思い出す…ARC次元の命運を懸けた戦いの事を…。

 

 

 

「アルトリアさんから聞きましたけど、人類悪って…」

 

「私も大まかにしか知らないんだけど…私達、人間の歴史が続く中で生まれた…人間が乗り越えなくてはならない『業』…それが脅威として現れてしまったモノ…ズァークが背負ったのは【闘争】の理…戦いを止める事ができない人間達の罪深さが彼を災厄に変えてしまったの……そして、遊嗣も…」

 

《しかし、遊嗣はその理を乗り越えました…危険を顧みず、遊嗣の道標となってくれたマシュのおかげで…》

映像が続く中で『人類悪』について説明する翠…そして、マシュは命懸けで遊嗣を救う為に吶喊……そして───

 

 

『「覇王龍ズァーク」…でも、これは…!』

 

「まさか、遊嗣君が十代と同じ『正しき闇の覇王』になるなんて…」

 

『ARC次元で見たズァークとは違う…すごく頼もしく見えますね!』

マシュの献身によって暴走を克服した遊嗣は、人類を導く『人類愛』──『正しき闇の覇王』として覚醒、その権能によって破滅の光を打ち破り、遊海を救い出したのであった…。

 

 

 

『ふふっ…マシュちゃん、私達ね…今回の戦いの事を聞いて、すごくマシュちゃんに()()()のよ?』

 

「私に、憧れ…?なんでですか…!?」

ミラー・リンクヴレインズの映像を見終えた紗良が優しくマシュへと声をかける…一連の事件の話を聞いた彼女達の憧れを…。

 

 

 

『私達はね、それぞれの大切な人が命や誇りを懸けた戦いをしていた時、()()()()事しかできなかったの…私は大きな戦いを終えたあとに瀬人様に出会ったし…』

 

『私もね、遊戯が頑張っている時…応援しかできなかった』

 

『私は…ダークネスに取り込まれて、絶望してたのを十代に助けてもらって…』

 

『「私」はシグナーの1人として、Z-ONEとの戦いに挑む遊星に力を託す事しかできなかった』

 

『私も、デュエリストとしては弱かったから…ドン・サウザンドやシャークと戦う遊馬達を必死に応援する事しかできなかったの』

 

『皆さんはまだいいじゃないですか!私の声、遊矢にまったく届いてなかったんですよ!?』

 

「柚子ちゃん…声は届かなくても、遊矢君の無事を願う()()()になってきっと届いていたわ…その光が、遊海さんに力を与えてくれたんだもの…!」

 

「みなさん…」

ここにいる()()()()達はそれぞれの「運命の相手」の()()()()()に立ち会った者が多い…しかし、彼女達は様々な運命を背負った彼らを応援し、声援を送る事しかできなかった。

しかし…マシュは違う、遊嗣に寄り添い、共に戦い…そして、()()()()()()…その輝きは彼女達にとって、とても眩しいものだったのだ。

 

 

 

 

 

「でも、それは私も同じです…遊嗣さんが『歴史改変』の為に戦っている時…私も祈る事しかできなくて…」

 

《そんな事はありません…例え、どんなに離れていても──貴女と遊嗣の絆は……()()はしっかりと届いていたのですから…ほら…》

()()達の思いを聞いて自分も同じだと伝えるマシュ…しかし、その言葉を聞いた彩華がさらなる映像を投影した。

 

 

 

『これ…『覇王龍ズァーク』?でも──』

 

『すごく綺麗…!!』

 

『ズァークの持つ悪意が浄化…昇華されて…!』

 

「『覇王天龍オッドアイズ・アークレイ・ドラゴン』…遊嗣さんが掴んだ『光の象徴』…」

映像の中に現れたのは神々しい光を纏う『覇王龍』…その姿に全員が目を奪われる…。

 

 

《息子の解析によると、遊嗣が喚び出した『覇王龍ズァーク』だけではダークネスを滅ぼすに足る出力が得られなかったようです…しかし、時空を超えて届いた科学では解析できない力──即ち、()()()()が遊嗣へと宿り…ダークネスを倒す事ができた…そして、その隣には───》

 

「あっ───」

闇の世界を切り裂く光の力、その光の根元には遊嗣がいた…しかし、それだけではない…光に包まれた()()()()()()…数多の人々の願いや祈りがマシュの姿を形作り、遊嗣に力を与えていたのだ。

 

 

 

『あらあら…これは…』

 

『愛し愛され…相思相愛って感じだねぇ…やるじゃないのさ!』

 

『ラブラブすぎて私達まで恥ずかしくなっちゃうわね!』

 

「あうっ!?///」

遊嗣の隣にいる()()を見たマシュは赤面する…確かに、祈る中で遊嗣の心と()()()()ような感覚はあった…しかし、本当に自分の想いが()を持っているとは思わなかったのだ。

 

 

 

 

「そ・れ・で……マシュちゃんは遊嗣とどこまで()()()の?」

 

「ふぇ…!?///」

 

『えっ!?翠さんがそれ聞いちゃうんですか!?』

 

『まぁ、翠はねーアタシ達を含めて何人もの恋路を見届けてきた()()だからねぇ…!』

遊嗣の活躍上映会が終わり、翠が()()へと切り込む…その戸惑いのなさに柚子が驚き、舞は獲物を見定める眼をしていた…。

 

 

 

「その…やっと2人で()()()()()ようになった感じといいますか……///」

 

「ええっ!?」

 

『『『『(この二人、真面目!?)』』』』

そして…マシュの一言に翠を含めた全員が絶句する…遊嗣とマシュ、2人の付き合い方があまりにも()()()すぎたからだ…。

 

 

『まさか…まだ、キスをした事もないとか…?』

 

「……現実世界では………///」

 

『「『『(ザ・純愛!?)』』」』

明日香の質問に答えたマシュの様子に全員が胸を押さえる…お互いを想う、思いの強さはすごいのに…まさかここまでの()()()()()()()だとは思っていなかったのだ。

 

 

 

「告白は、遊嗣さんに先を越されてしまったので…その、キスはなんとか私から、とは…思ってて……」

 

『これは…()()だね…』

 

『まぁ…若すぎるくらいではあるけど……まだそのままでもいいかしら…?』

 

「(愛してるからこそ、その先に進むのを躊躇ってるって感じね…………遊嗣、大丈夫かしら…?()()()()しちゃったかなー…?)」

赤面するマシュの様子を見た翠は額に手を当てる…()()()の余計な気遣いが変な方向に向かわない事を願いながら…。

気まぐれアンケート ここまでの物語で一番良かったのは?

  • DM編
  • GX編
  • 5D’s編
  • ZEXAL編
  • ARC-V編
  • VRAINS編
  • 断章・幕間
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