転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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VSアムナエル~錬金術士の最期~

文化祭から1週間がたった、大徳寺先生はいまだに姿を表さない。

十代達も心配し何度か捜索をしているようだ、まぁ一番大変なのはクロノス先生か…何で実技の先生が錬金術を教えてるんだ…?というか錬金術の授業って必要なのか…?

 

「遊海さん!ちょっと定期船まで行ってきます!」

翠が声をかけてくる

 

「どうした?何か用事か?」

 

「はい!今電話があって、注文した新しい調理器具が届くそうなんです!取りに行ってきます!」

 

「そうか、気を付けて行けよ!」

 

「は~い!」

 

《大丈夫だよ遊海さん!翠には私とウェンが付いてるから!》

 

《ブイ!》

 

「ああ!頼んだぞ二人共!」

 

 

 

さて…俺もアカデミアの掃除に行かないと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ…疲れた…やっぱり校舎は広いな…でも皆がそれぞれに掃除してるからそんなに汚れないな…さて夕食を食べに戻ろうか…

 

 

 

レッド寮に行くと食堂の前に人だかりができていた…どうしたんだ…?

 

「お~い!お前達!どうしたんだ~?」

 

「あっ!遊海先生!」

学生の一人が話かけてきた

 

「どうした?夕食の時間だろう?」

 

「それが…翠さんがいないんですよ…食堂も誰もいませんし…」

 

「なんだと…?」

おかしいな…この時間なら御飯を用意して食べてる時間なのに…? 

 

「わかった…今トメさんに連絡をとるからしばらく待っててくれ!」

 

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

 

その後、トメさんに料理を作ってもらい生徒達は食べさせた…でも翠は戻らない…どうしたんだ…?

 

「遊海先生…ちょっといいかしら?」

話かけられ振り返る、そこにはブルー女子寮の鮎川先生がいた

 

「鮎川先生?珍しいですね、貴女がこっちまで来るなんて…」

 

「ええ、翠さんの落とし物を届けにきたの…このカード、翠さんのでしょう?」

そういって渡されたのは「影依融合」だった…

 

「鮎川先生、これはどこに…?」

 

「生徒によると港にいく道に落ちていたそうよ…翠さんによろしくね!」

そういって鮎川先生は戻って行った…、なんで「影依融合」が…まさか…!

 

 

 

 

 

 

俺は港に続く道を訪れた…周囲は暗く何も見えない…ん?

 

空中に蚊取り線香のような模様が…近づくと消え、近づくと消えを繰り返す…

 

「アヤカ!周囲を照らしてくれ…!」

 

《了解ですマスター!》

アヤカの光で周囲が照らされる…すると…

 

《誰か助けて~!》

《動けないよ~!!》

 

「この声は…アヤカ!行くぞ!」

 

《はい!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウィンダ!ウェン!何があった!」

 

声の主は霊獣状態のウィンダとウェンだった、二人とも魔法陣に囲まれ金色の鎖で拘束されている。

 

《遊海さん!翠が!翠が!》

 

「ウィンダ!落ち着け!今助けるから…『ハーピィの羽箒』!ぐっ!!」

精霊の力を無理矢理行使し二人の拘束を吹き飛ばす

 

「二人とも!何があった!?翠は!?」

 

《わからないの!荷物を取りに行った帰りに翠が連れ去られて…》

 

《犯人を追いかけたらこの罠に捕まっちゃって…ずっとここにいたの…!》

 

「犯人は?」

 

《顔はわからない…でも黒いローブで顔を隠していたわ!》

 

黒いローブ…まさか!?

 

「アムナエル…アイツ!!ウェン!奴はどっちに行った!」

 

《あっち!》

ウェンは森の奧…廃寮をさしていた

 

「許さんぞ!アムナエル!」

俺は廃寮へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃寮に突入した俺は再び現れたマークを追いかけて進む…そして…

 

 

『よく来たね…遊海くん、久しぶりだ…』

白髪で顔に血管を浮き出させた赤目の男…アムナエルが現れた。

 

「大徳寺…いやアムナエル!どういうつもりだ!翠をどうした!!」

 

『翠さんならここにいる…!』

そう行ってアムナエルは手に持った金色の本・エメルドタブレットを叩く

 

「どういうつもりだ!俺以外には闇のデュエルは仕掛けないんじゃなかったのか!」

 

『君を誘き出すために必要だったからそうした…もちろん他の生徒にはしていないよ…鍵は頂いたけどね!』

 

「なんだと!」

アムナエルはその手に鍵を掲げる、そこには十代の分以外全ての鍵があった…嘘だろ…カイザーやクロノス先生にも勝ったのか!?

 

『彼らには気絶してもらったが…君には十代への人質になってもらう…それに「ビルス」の鍵もね?』

 

「いいだろう!久々に本気でやってやる!容赦はしないぞ!アムナエル!」

 

『我が錬金術の極致!お見せしよう!』

 

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

 

 

 

アムナエルLP 4000

遊海LP 4000

 

 

 

 

 

『私のターンドロー!』

 

『モンスターをセット、カードを三枚セット、ターンエンド!』

 

アムナエルLP 4000

伏せモンスター1 伏せ3 手札2

 

 

 

 

 

「(全て伏せカード…なんなんだ…?)」

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

「手札から『超再生能力』を発動!さらに『聖刻龍ートフェニドラゴン』を特殊召喚!」

白いウジャト眼を刻んだ龍が現れる ATK 2100

 

《主殿!ご用ですか!》

「トフェニ、毎回すまないが頼む!」

《御意!》

 

「『トフェニ』を生け贄に『シユウドラゴン』を特殊召喚!さらにデッキから『エレキテルドラゴン』を攻守0で特殊召喚!」

青いウジャト眼を刻んだ龍と尻尾がスパークする竜が現れる ATK 2200 DEF 0

 

「さらに『エレキテル』を生け贄に『アセトドラゴン』を召喚!」

紫色のウジャト眼を刻んだ龍が現れる ATK 1900

 

「さらに『アセト』を除外し『レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン』を特殊召喚!」

黒い鋼を纏った竜が現れる ATK 2800

 

 

 

「(…何もしてこない…怪しさ全開だが…やるしかない!)」

 

『……』

 

 

 

 

「『レダメ』効果で墓地の『エレキテルドラゴン』を特殊召喚!」

ATK 2500

 

 

『その瞬間!ダブルリバースカード発動!「停戦協定」二枚!私のフィールドの裏守備モンスター「闇の仮面」を守備表示にして効果発動、相手に効果モンスターの数×500ダメージを与える…フィールドには3体、よって3000ダメージだ!!』

 

「なんだって!!ぐっ…ぐあああ!!?」

 

遊海LP 4000→1000

遊海に電撃が流れ体が崩れ落ちる…

 

『そして最後のリバースカードオープン「破壊輪」…君の「エレキテルドラゴン」を破壊しお互いに攻撃力分のダメージを受ける!』

 

「な…に…!?」

 

エレキテルドラゴンの首に爆弾が巻き付き爆発を起こした

 

『ぬうう!!』

 

「ぐあああ!!…が…あっ…」

遊海は爆風で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる

 

アムナエルLP 4000→1500

 

遊海LP 0

 

 

アムナエル WIN !

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がっ…アムナ…エル…な…ぜ…?」

 

遊海は途切れそうな意識でアムナエルに問いかける…。

 

 

『…軽蔑するがいい遊海、私はデュエリストではない…錬金術士だ…真のデュエリストではない…私の正攻法では100%君には勝てなかっただろう…』

 

「だから…バーンデッキ…を…ゴホッ!」

 

今の遊戯王世界では基本的に極端なバーンデッキやデッキキルは嫌われている傾向にある、だからこそプロのデュエリスト達はいわゆるビートダウンデッキを基本的に使っている…

 

『私は影丸様の恩に答えるために早く答えを出さなければならない…三幻魔を復活させ賢者の石を作るのか…若き決闘者に我が力を託し彼を諌めてもらうのか…そのためには君が邪魔だった…恨むなら恨むがいい…』

 

 

「嘘が…下手だな…あなたは…」

 

『何?』

 

「既に…託すつもり…なんでしょ…?体はギリギリだ…」

 

『ふっ…君には敵わないにゃ…一つ安心してほしいにゃ、翠さんはレッド寮に置いてきたにゃ…』

 

「そう…ですか…なら…よかっ……」

 

そして遊海は気を失い姿が消える…

 

 

『すまない…遊海くん…っ!ゴホッ!ガッ!!』

 

アムナエルは激しく咳き込む、押さえた手には血が付いている。

 

 

『ハァ…ハァ…早く来るんだ十代…私は…もう…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先…生!遊…先…生!

 

誰かが呼んでいる…

 

「遊海先生!しっかりしてくれ!」

 

「十…代…?」

俺が目を覚ますと十代がいた…俺は…

 

「十代…アムナエル…大徳寺先生は…?」

 

「俺が倒した…大徳寺先生の体は…砂みたいになっちまった…」

 

十代が視線を向けるとそこには灰色の山があった…そうか…解放されたのか…

 

「十代…ありがとう…アイツを救ってくれて…」

 

『にゃ~ん!』

倒れている俺にファラオがすり寄ってくる

 

「こら!ファラオ!遊海先生怪我してるんだから!ダメだって!」

 

「大丈夫だ十代…これくら…イッ!?」

遊海は体を起こそうとするが激痛が走る

 

「先生!無理しないでくれ!俺が翠さんに怒られちまう!?」

 

「たはははは…おかしいな…これくらい日常茶飯事なのにな…トフェニ…いるか?」

 

《主殿…ここに!先程はお役に立てず…》

 

「うわぁ!?なんか出た!?」

 

「龍の精霊なんだな~!」

 

あっ…翔と隼人もいたのか…まぁいいか…

 

「トフェニ…レッド寮まで頼む…」

 

《御意!…主殿、いつもボロボロなのは、気のせいですかな?》

 

「気のせいじゃないな…俺、痛いの苦手なのに…十代…先に戻るぞ…」

 

「ああ、俺達もしばらくしたら戻ります!」

俺はトフェニに抱えられ空を飛ぶ…夜風が傷に滲みる、おかしいな…不死身だから傷の治りも早かったのに…

 

《マスター…魂の力が弱っています…無理をしないでください…》 

アヤカが語りかけてくる

 

「原因は…?」 

 

《マスター、たぶん魂の一部が幻魔に囚われているためだと思います…》

 

「魂…幻魔?…どういう事?」

 

《本来、精霊の力が枯渇するという事はありえません、それは精霊の力がその人の「魂」に宿るからです。しかしマスターと翠さんが人形になった時に魂を幻魔に取られかけています…そのせいで不死身や傷の治癒が上手く働かないのではないでしょうか?》

 

「…なるほど、つまり俺と翠の力が幻魔に供給されてる可能性があると…ん?それって…不味くない?」と

 

《主殿!緊急回避します!捕まってください!》

 

「なっ!?うわぁ!!」

言うが早いかトフェニがバレルロールをする

 

 

「トフェニ!何が!?」

 

《アカデミアの島から光の柱が立ち上がり、島が鳴動しています!!》

 

島を見ると七精門の封印が解けていく…!

 

「しまった…!俺のせいか!?トフェニ!封印場所へ急げ…うわぁ!?」

 

俺達のギリギリをヘリコプターが通過していく

 

「マズイ…頼む!」

 

《御意!》

 

そして俺はトフェニと共に封印場所へと向かうのだった。

 

 

 


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