転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

『計画』の為にデュエルロイド瀬人を襲撃したAi…その波紋は静かに、確実に広がっていく…。

それでは、最新話をどうぞ!


犯行声明〜広がる動揺〜

「おはよう遊作!」

 

「ああ、おはよう尊」

穏やかに朝日が照らす通学路…遊作と尊はいつもの場所で合流し、挨拶を交わしていた。

 

 

「あれ…?遊嗣とマシュは?」

 

「今日は会わなかったな…先に行ったんじゃないか?」

 

「珍しい…ちょっと話したい事があったんだけど…」

しかし、その日は()()()()()ではなかった…遊嗣とマシュの姿を見かけなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「(遊嗣とマシュ…結局、学校に来なかったな…メッセージアプリの既読も…体調を崩したのか?2人同時に…?)」

放課後、授業を終えた遊作は考え込んでいた…クラスの中でも素行のいい生徒であるはずの遊嗣とマシュが無断で学校を欠席する…そんな事は今までなかったからだ。

 

 

「遊作!遊嗣は?」

 

「無断欠席だそうだ…先生も連絡したそうだが、連絡がつかないらしい」

 

「そうなんだ…少し、心配だね…」

そして、合流した尊も欠席した遊嗣達の事を心配する…何やら話したい事があったらしい…そんな時だった。

 

ピロン!

 

「草薙さんから…尊、オレ達に()()来て欲しいそうだ」

 

「至急?何があったんだろう?」

遊作のメッセージアプリが着信を伝える…それは草薙からの緊急連絡だった。

 

 

 

 

 

「草薙さんの匿名アドレスにメッセージが?」

 

「ああ…『プレイメーカーとソウルバーナー、Yu-Zに会いたい』と」

 

「差出人は誰なんですか?」

 

「SOLテクノロジーの専務になった財前からだ、閉鎖されたリンクヴレインズのセントラルステーションで待ってるらしい……遊嗣はどうした?」

 

「……連絡が取れないんだ、こっちに来る前に白波さんの家にも寄ったんだが…」

 

「あー…たしか、遊海さんは奥さんとオーロラの観光ツアーに行くって言ってたな…それに合わせてマシュちゃんと遊嗣が初めてのお泊まりデートをするんだ…って、この前嬉しそうに話してたっけ」

cafeNagiのハッキングルーム…草薙が遊作達を招集した理由、それは財前晃からのメッセージだったのだが…草薙も遊嗣の不在を気にしていた…。

 

 

 

「(なんだ?この違和感…遊海さん達の旅行、遊嗣達の不在…財前からの連絡…あまりにも、タイミングが…)──とりあえず、行ってみよう…何かあったのかもしれない」

 

「そうだな、Ai達がいなくなった今はSOLテクノロジーと敵対する理由もない…今回は俺も一緒に行こう」

一連の話の流れに()()()を覚える遊作…とにかく、彼らはリンクヴレインズに向かう事にした…。

 

 

 

 

 

 

『来てくれたかプレイメーカー、ソウルバーナー』

 

「財前…それにブルーメイデンも」

閉鎖された新生リンクヴレインズ・セントラルステーション…そこでは財前とブルーメイデンの2人が遊作達の事を待っていた。

 

 

『貴方は…ゴーストガールから聞いている、プレイメーカーのサポーターの──』

 

「アンネームドだ、よろしく」

 

『ああ、よろしく頼む……Yu-Zはどうしたんだ?できれば彼の力も借りたかったんだが…』

 

「すまない、彼とは連絡が取れてないんだ」

そして、初対面となる財前と草薙が握手を交わす…。

 

 

 

「それで?俺達に話ってなんなんだ?」

 

『少し待ってくれ、ソウルバーナー…全員が揃ってから話をしよう』

 

「他にも呼んでいるのか?」

財前に要件を尋ねる尊…だが、財前は他にもメンバーを集めているらしかった。

 

 

「お待たせ晃!」

 

「ゴーストガール!それに、ブラッドシェパードにGO鬼塚まで…!」

 

「こんなメンツを呼び出す案件…何があったんだ?」

さらに、そのタイミングで現れたのは電脳トレジャーハンターのゴーストガール、その兄で賞金稼ぎのブラッド・シェパード…さらに、カリスマデュエリストの中でもトップの実力を持つGO鬼塚…あまりのメンバーに草薙も戸惑いを隠せなかった。

 

 

「GO鬼塚、もう大丈夫なのか?」

 

「ああ、目覚めた後にマネージャーや子供達に大泣きされたよ……あの時、全力で戦ってくれてありがとなプレイメーカー」

 

「…礼を言われるような事はしていない……あの時、庇ってくれた事に感謝しなきゃならないのはオレの方だ」

 

「はっ…じゃああいこって事で貸し借りはナシだな!」

 

「ああ、それでいい」

そして、プレイメーカーに対する思いが吹っ切れた鬼塚とシャドウ・ネームレスから守られた遊作はお互いに感謝を伝えあい、拳を突き合わせた。

 

 

 

「これで全員か?」

 

『あとは、KCからのメンバーが来るはずだが…』

 

「KC…海馬コーポレーション?カイバーマンか?」

 

「待たせたね…財前さん」

 

「貴方は…」

 

「久しぶりだね、プレイメーカーにソウルバーナー…カイバーマンのサポートをしているアンチノミーだ…そして──」

 

《ごめん、プレイメーカー……みんなのメッセージに応えている余裕がなくて…》

 

「「「ロマン!?」」」

そして…さらなる追加メンバーが現れる、それは青いライダースーツを纏う赤いサングラスを掛けたデュエリスト、ブルーノことアンチノミー…そして、遊嗣に付いているはずのロマンだった。

 

 

 

『一応、Yu-Z以外のメンバーが揃った…という事で手短に話をさせてもらう』

そして、メンバーが揃った事で財前が用件を話し始めた…。

 

 

 

 

『昨夜遅く、SOLテクノロジーの親会社…海馬コーポレーションの名代、カイバーマンが何者かに襲撃された』

 

「カイバーマンが?」

 

「カイバーマンって言えば、海馬瀬人の記憶を受け継いだアンドロイド…って都市伝説のある凄腕ヒーローデュエリストだろ?命知らずな奴がいたな…?」

 

「物騒な話ね…彼は無事なの?」

 

『ここにいる人間に隠す意味はないからハッキリ伝えるが…カイバーマンは何十年も前から存在する超級のAIデュエリスト……彼は今、ウイルスを仕込まれて行動不能の状態だ』

 

「「「カイバーマンがやられただと!?」」」

襲撃されたカイバーマン…しかも行動不能にされた事を聞いた遊作達の表情が変わる…海馬瀬人の力を受け継いだデュエルロイド瀬人は()()の一角、その反応は無理もなかった…。

 

 

『その()()はSOLテクノロジー製のアンドロイド…ソルティスをハッキングして犯行に及んだ事が分かっている』

 

「SOLの製品にKCの名代が襲われる…何かの笑い話か?」

 

『こちらとしては笑い話では済まないのだがな…犯人はカイバーマンが我が社の()最高幹部、クイーンから没収した我が社のメインフレームのコードキーを奪い取ったらしい』

 

「話が読めたわ!そのコードキーを取り返せ、って事ね?」

 

『いや、違う…キミ達に頼みたいのは──私の()()だ』

 

「「「護衛?」」」

SOLの製品を利用した犯行に皮肉を言うブラッドシェパード…そして、話の内容流れから依頼内容を予測するゴーストガールだったが…その依頼は思わぬモノだった。

 

 

 

『奪われたコードキーは2分割されており、私とカイバーマンで保管していた…その2つが揃わなければ機能しない、そして…犯人は2日後に私を襲い、コードキーを奪うと宣言した()()()()を残していた』

 

「それで、オレ達に護衛を…」

 

「えっと?俺、そういうのに疎いんだけど…それが奪われると、どうなるんだ?」

 

『SOLテクノロジーの中枢コンピューターにアクセスできるようになる…つまり、我が社を丸ごと()()()()事ができるようになる…という事だ』

 

「ソウルバーナー、SOLテクノロジーのネットワークシェアはこの街の30%以上を占めている…重要な社会インフラの1つだ」

 

『それを手中に収めてしまえば…我が社のシステムに依存している社会的インフラを()()させる事もできてしまう…』

 

「当然、販売しているソルティスも全て乗っ取りが可能になるわ」

 

「それって、大変な事じゃないか!?」

コードキーを奪われてしまった場合の()()を語る財前…その説明にネット系の知識に疎い尊も状況を理解した。

 

 

 

「財前、犯人の目星は付いているのか?」

 

『目星、どころか…既に正体を明かしている…私も()()()()()()話なのだが…これが()()だ』

 

「正体を明かして襲撃を予告する…大胆不敵な奴だな」

遊作の問いに犯人の正体が分かっているという財前…その言葉に賞金稼ぎのブラッドシェパードは大胆な相手だと警戒を強める…。

 

 

『……アンチノミー、映像の再生を』

 

「ああ、プレイメーカー…ちょっと、()()してくれ」

 

「っ…?」

ブルーノに映像の再生を促す財前…そして、意味深な言葉と共にブルーノは現場に残されたメッセージを再生した。

 

 

 

 

【ハーイ?】

 

『イエーイです〜!』

 

「なんだ?この二人組は…?ソルティスなのか…?」

まず映像に映し出されたのは豪華な椅子に腰掛けた黒髪と紫色の前髪、そして貴族か将校を思わせる服を着た青年…そして、水色の髪にフード付きのトレーナーを着た少年だった。

 

 

【財前、カイバーマンを襲ったのは俺だ…ちょっと強かったが、無事にお目当てのコードキー…その片割れは頂いたぜ?ああ…自己紹介がまだだったな?俺は──A()i()だ】

 

『そしてオイラはロボッピッス!!』

 

 

「────は?」

二人組の自己紹介を聞いた遊作は言葉を失った…否、頭の中が真っ白になった。

 

 

「(Ai?Aiだと?馬鹿な…そんなはずはない…アイツは、他のイグニス達と一緒に、遊海さんが見つけてくれた新天地に旅立っていった…ロボッピは、Aiが連れていったんだと───)」

それは遊作にとって受け入れ難い現実…基本的にポーカーフェイスの彼でも、その動揺を隠す事はできなかった…。

 

 

 

【財前、2日後にはお前の持っているコードキーも頂きに行く…ああ、この街から出るのは無しな?世界規模の鬼ごっこは面倒だし、この街から出たら──お前はとんでもない()()を払う事になる…さぁ…()()()()()の始まりってやつだ!じゃあな!】

 

「そんな馬鹿な…!?」

状況を楽しむようにメッセージを終えたAi…その様子を見た全員が驚きを隠せずにいた…。

 

 

 

「これはどういう事なんだ!?なんでAiが()()()()にいるんだよ!?」

 

『それは、私にも分からない…残された映像は、これで全部なんだ…だが、明らかに…これはSOLテクノロジーへの宣戦布告だ…!』

Aiからの犯行予告を見た尊が財前に詰め寄る…だが、財前もその答えを持ち合わせてはいなかった…。

 

 

 

「ち、ちょっと待って?ブルーメイデンから聞いたけど、イグニス達はYu-Z君の父親、メタルナイトの手で普通の人間の手の届かない新天地に逃がされたって聞いたわ…なんで、その彼がこの街に戻ってきてるの?!」

 

「そうだ!俺も地のイグニス、アースから新天地に旅立つ…そう聞いたぞ?」

 

「フン…なら、()()()に聞けばいいだろう──この場にいる、唯一の()()()()に…!」

Aiの犯行予告を聞いて取り乱すエマと鬼塚…その反応を見たブラッドシェパードはブルーノの側に滞空するイグニス──ロマンを睨みつける。

 

 

「そうだ…!ロマン、お前は彼と…鋼の騎士と新生サイバース世界に何度も行っているとYu-Zから聞いている!お前なら…」

 

「それより…Yu-Zはどうした?なんでお前だけ…?」

 

《………まず、ソウルバーナーの疑問に答えるよ》

今まで沈黙を守っていたロマンがその重たい口を開く…。

 

 

 

《昨夜、カイバーマンが襲われた犯行時刻前後……Yu-Z、そして…彼の恋人が何者かに襲撃を受けた………2人とも、意識データを奪われて意識不明の重体………この手口は、光のイグニス・ライトニングのやり方と酷似している…!》

 

「「「「「「『───は?』」」」」」」

拳を握り締め、言葉を震わせながら…ロマンが自分のパートナーの現状を伝える…それを聞いたブラッドシェパード以外の全員は言葉を失った。

 

 

「待って…!?待って待って待って!!!白波君とマシュさんが襲われたっていうの!?いったい誰に!?」

 

「落ち着け!ブルーメイデン!!っ…ロマン、お前が付いていながら、何故…!?」

 

《その直前に、Yu-Zと他愛のない事で口喧嘩しちゃって…電波を遮断された状態でスリープモードに入ってて…ボクが…ボクがYu-Z達の事を茶化さなければっっ……!!!》

絶望と後悔がごちゃ混ぜになり、取り乱してしまうロマン…その胸中を理解できる者は、誰もいなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

《キュッ……ファ〜…(ん…朝か…寒いけど、今日もいい天気だね)》

その日の朝、最初に目を覚ましたのはフォウだった…寝床のあるリビングでカーテンの隙間から差し込む朝日で目覚めたのだ。

 

 

《フォウ〜…(遊海達はオーロラが見れる場所に着いたかなぁ…早く帰ってこないかなぁ…)》

毛づくろいをしながら大切な人達の事を考えるフォウ…今日のフォウは一人寂しくお留守番をする日なのだ。

 

 

《キュッ…フォウ!(そろそろ6時半だね…遊嗣のお兄ちゃんとして朝ごはんがしっかり食べられるように起こしてあげないと!)》

身支度を整え、窓ガラスで自分の可愛さを確かめたフォウは慣れた足取りで大切な()の部屋に向かう…昨日からマシュとお泊まりをして、幸せを噛み締めているだろう遊嗣のもとに…。

 

 

《フォウ…?(あれ?明かりが漏れてる…消し忘れたのかな?)》

朝一番の薄暗い廊下に一筋の光が差し込む…それは、遊嗣の部屋のドアの隙間から漏れ出していた。

 

《(まったく、夜更かして…ロマンが変な事を言ってぐるぐる巻きにされたあたりで寝に行ったけど……さては寝れなくなったな?)》

昨日のハプニングを思い出してため息をついたフォウは慣れた調子でドアノブに飛び乗り、ドアを開いた…。

 

 

《フォウ〜…(ありゃ…寝落ちしてるし…今日の学校は大変だぞ〜)》

 

 

部屋に入った瞬間、フォウはまだ()()に気付いていなかった。

 

 

テレビはレースゲームのタイトル画面が点きっぱなしになり、遊嗣はコントローラーを手にして、テレビに向かってうつ伏せに倒れ込んでいた。

 

マシュは床に敷かれた布団の上で遊嗣のベッドに背中を預けた状態で俯いている…その状況は夜遅くまでゲームをしていた遊嗣とマシュが()()()したようにしか見えなかったのだ。

 

 

 

《フォウ!フォ〜ウ!!(遊嗣〜!朝だよ〜!起きなきゃ朝ごはん抜きだよ〜!!ボクもお腹空いたよ〜…───遊嗣…?)》

いつも通り、チロチロと遊嗣の頬を舐めるフォウ…だが、遊嗣は身じろぎ1つしなかった。

 

 

《フォウ?──遊嗣、どうしたの?遊嗣!!遊嗣ってば!!》

明らかな()()…それを感じたフォウは()()()()事を止め、必死に遊嗣を起こそうとする…だが、遊嗣は目を覚さない……否、半開きになった目からは生気が失われてしまっていた…。

 

 

《なん、で…!?マシュ!起きて!マシュ!!遊嗣が変なんだ!!───そんな…!?マシュまで…!?》

ベッドによじ登り、マシュを必死に起こそうとするフォウ…しかし、マシュも目を覚さず…フォウに揺さぶられた反動で力なく布団へと倒れ込んでしまった…。

 

 

《遊嗣!マシュ!あわ、わ…!?どうすればいい!?どうすればいいの!?》

パニックになり部屋を走り回るフォウ…彼の小さな体ではできる事も限られる…さらに、彼が持つ超常のチカラも18年前、遊海達を救う為に使った事で()()を起こせるほどのエネルギーは溜まっていなかったのだ。

 

 

《そうだ…ロマン、ロマンは!?…遊嗣のデュエルディスク!!》

フォウは遊嗣のデュエルディスクが特別製であり、ロマンがいる事を思い出す…そして落ち着いて部屋を見渡せば、学習机の上に毛布に包まれ、小さくアラーム音が鳴る()()がある事に気付いた…!

 

 

《フォウ…フォウ!!(待ってて…待ってて遊嗣!マシュ!!)》

フォウは小さな体で必死に毛布を剥がし始める…口の周りが毛だらけになり、何重にも巻かれたアルミホイルを噛み剥がすのに苦戦しながら…フォウは数時間掛かってロマンを封印から解放した…。

 

 

 

 

 

Sideロマン

 

 

 

《(ん──朝だ……ああ、まだ封印されてる…そこまで怒らなくてもいいのに……後で謝らなきゃ…)》

ロマンは自分でセットしたアラームで再起動した…だが、世界は暗闇のまま…自分がまだ()()()()()()()()()事を察する…。

 

 

《(上手く聞こえないけど…部屋が騒がしいな…?寝坊して焦ってる??)》

その時、ロマンは部屋が騒がしい事に気付く…時間は既に7時近く、朝ごはんを作り始めるにはギリギリの時間だった。

 

 

 

 

《(えっ…あれ?もしかしてボク、置いてかれた…?遊嗣、そこまで怒ってたの?…失敗したなぁ…)》

時刻は7時半…部屋は静かだった、そしてロマンは自分の()()を後悔していたが…。

 

 

ゴッ…ゴトン!!

 

《(わぁ!?なんだなんだ!?!?)》

その時、デュエルディスクの天地がひっくり返り、地面へと落下したような衝撃が襲いかかった…。

 

 

 

《フォウっ…フォウフォウ!!!》

 

《(フォウ?キミがボクを助けに来てくれたの?…ああ、ダメだ…スピーカー機能が切れてる…フォウ!画面横のスイッチ押して!スイッチ!!)》

 

《フォウ…!?フォーウ!!》

数時間後、久しぶりに陽の光を浴びたロマン…その目の前には何か焦った様子のフォウがいた…そして、フォウはロマンの身振り手振りを見てスピーカー機能をONへと戻した…。

 

 

《フォウ、助かったよ…遊嗣と少し喧嘩しちゃって…》

 

《フォウ!!ピンチフォーウ!!ヤバイフォーウ!!!》

 

《えっ…───遊嗣!?マシュ!?》

フォウにお礼を伝えるロマン…だが、目の前に広がった景色にロマンは()()した…。

 

 

《フォウ!ボクを遊嗣の近くに!!お願い!!》

 

《フォーウ!!》

フォウにデュエルディスクを押してもらう事で意識を失った遊嗣へと近づくロマン…そして───

 

《これっ…意識データを…!?マスター…助けて!マスター!!っ…ダメだ、電波が…!!瀬人!!緊急事態だ!助けて…遊嗣達を助けてくれ─!!!》

遊嗣の意識を奪われた事を察したロマンは遊海への連絡を試すが…遊海には繋がらず、緊急連絡先である瀬人へと連絡を飛ばしたのだが…。

 

 

『こちらブルーノ!ロマン、どうしたんだい!?遊嗣達は学校の時間だろう?こっちはそれどころじゃ───』

 

《ブルーノっ…!?なんで…いや、それよりも助けて!救急車を!遊嗣とマシュが!!》

 

『っ──!?!?』

そして…ブルーノとロマンはお互いに()()()()()が起きた事を知ったのだった…。

 

 

 

 

SideOUT

 

 

 

 

『意識データを奪う…そんな事ができるのは…』

 

「イグニス、あるいは同系統の技術を持つハノイの騎士……だが、状況的に闇のイグニスを名乗るアイツの仕業だろう」

ロマンから遊嗣達の状況を聞いたブラッドシェパードは犯人をイグニスであると断定する…。

 

 

《……なら…直接、A()i()()()()()()()()…!本当に彼が犯人なのかどうか…!!》

 

「直接?どうするつもりだ?」

 

《ボクは特別製のイグニス…精霊たる母様の技術でボクは──()()()にも通信を繋げられる!!》

それを聞いたロマンが通信を開く…それは彩華やカイト達の技術に由来する通信能力だった。

 

 

 

《───こちら、人間界のロマン…新生サイバース世界のA()i()、聞こえるかい…!》

 

 

《んー?…おお!ロマーン!久しぶりじゃんか!元気してたか〜?》

 

 

『えっ…』

 

「「「「「「は──??」」」」」」

モニターに映し出されたのは穏やかな風が吹き抜ける草原…そこで寝っ転がる、見慣れた姿のAiだった。

 

その姿を見た財前や遊作達全員が呆気に取られている…。

 

 

「──Ai、お前…なのか?」

 

《おおっ!久しぶりだなプレイメーカー!……あれ?リンクヴレインズって閉鎖されたんじゃ……えっ、なんで草薙と財前兄妹に…GO鬼塚やブラッドシェパードまで揃いも揃って……??》

 

『これは、どういう事だ…?』

映像の中の遊作を見つけて無邪気に手を振るAi…だが、仲間達が勢揃いしている状況に困惑している…それは遊作達も同じだった。

 

 

《Ai、ロボッピは近くにいるかい?》

 

《ロボッピ?───ああ!?しまった!そっちに置いてきちまってた!!ずっとゆう──Yu-Zの家にいたから声を掛けに行く暇がなくて……えっ…みんなどったの?そんなに怖い顔して…?》

 

《Ai、他のイグニス達を集めてくれるかい?───きみにはロボッピと一緒にカイバーマンを襲撃し、Yu-Zとマシュの意識データを奪い…そして、財前晃氏を襲撃すると犯行を予告をした容疑が掛けられている》

 

《───────はい????》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《NOォォ!?オイラは無実ですだぁぁ!?!?》

 

 

 

《まったく、きみとの再会がこんな形になるとはな…ソウルバーナー》

 

「ああ…オレも驚いてるぜ、不霊夢…」

しばらくのち…映像の中の新生サイバース世界の中心部には6属性のイグニス達が集められていた。

…なお、Aiは状況を知ったアースの作った木製の檻に閉じ込められて泣き喚いている。

 

 

 

《Ai、もう一度聞くよ?本当に、本当の本当に…きみはカイバーマンを襲撃したり、遊嗣達を襲ってないんだね?》

 

《神様…というかメタルナイトと彩華の姐さんに誓って嘘は吐いてねぇよぉ…!!そもそも、オレ達だけじゃ人間界まで行けないのは知ってるだろぉ!?》

 

「アクア、お願い」

 

《ええ…Aiは嘘をついてはいません…それに、私達全員がアリバイの証言者です…サボり癖は直っていませんが、Aiも最近は新生サイバース世界の為に頑張ってくれているので》

 

《ア゛ク゛ア゛〜!あ゛り゛がと゛ぉ゛ぉ゛~!!!》

ロマンの問い掛けに必死に答えるAi…その言葉を『嘘を見抜く』能力を持つアクアが保証…さらに、他のイグニス達もAiの無実を証言した。

 

 

 

 

『しかし…これはどういう事だ…?Aiを名乗る存在は()()なのか?』

 

「それとも…Aiちゃんが2()()()()、とか?でも、イグニスのコピーや複製なんてそんな事───」

 

《───あ》

 

《Ai、その「あ」はなんだ?心当たりがあるのか?》

犯人の正体が掴めなくなり、頭を捻る財前…そんな中、エマの一言に反応したAiをアースは見逃さなかった。

 

 

《あの、その…実は……ロボッピの中に、()()()()()()を仕込んでたり……》

 

「バックアップ…?」

 

《まさか…Ai、きみはニューロン・リンクに特攻しようとした時、()()()()を用意していたのかい?》

 

《そういう事デスハイ……いや、本当に命懸けの戦いだったし…可能性を残そうと…》

Ai曰く、最終決戦を前にロボッピの中に自分のバックアップを作っていたらしい…それが無事に起動し、「Ai」としての自我を保てるかどうかは確率にして数%の賭けだったのだが…ロマンが神のイグニスとして覚醒した事で、バックアップは起動する機会を失ったらしいのだ。

 

 

「つまり…あの人間体のAiは、偶然起動したバックアップのAi…という事になるな」

 

「おそらく、Ai達が異次元に渡った事でバックアップシステムが誤作動を起こして…それが、ロボッピの操作で目を覚ましてしまった…という事か…」

 

《うっ…トラブルメーカーで申し訳ございません…》

謎の存在たる人間体のAi、その正体は偶然起動してしまったAiのバックアップデータだった…それを聞いたAiは流石に凹んでしまっている…。

 

 

『だが、Aiのバックアップは何故SOLテクノロジーを狙う…?Ai、心当たりはあるか?』

 

《う、うーん……別に、オレはSOLテクノロジーを恨んじゃいないし…遊嗣達を拐う理由はもっとないし……それこそ、()()()()()()()自棄を起こしてるとか?…起動したならしたで、すぐにプレイメーカーやメタルナイト、彩華の姐さんを頼ればいいのによ……》

 

《絶望……》

 

《ん…アーク、どうしたのさ?》

財前の問い掛けに蛮行の理由が思い当たらず首を捻るAi…その時、光のイグニスたるアークが何かに思い至る。

 

 

《いえ…ライトニングから受け継いだ記録の中にAiに向けたメッセージを残した、という記録が……何処に残したのか…そして、内容そのものもボーマン戦直後、Aiにデータを凍結される寸前にメッセージ関係の記憶を()()した事で私の中には残っていませんが…》

 

《アークは嘘を言ってはいません…ライトニングは狡猾で計算高いイグニスでした……その内容が戦いの後のイグニスの()()に不利になると思い、無かった事にしたのかもしれません》

 

「つまり、バックアップのAiはライトニングの残したメッセージに触れて、暴走している可能性があると……」

 

《この野郎…!バックアップのオレ自身とはいえ、酷い事しやがって!!待ってろ!オレが行ってとっちめてやる!!》

 

()()()、お前達は戻ってくるな」

 

《プレイメーカー!?なんでだよ!?》

Aiの暴走した原因に当たりを付ける草薙…そして、Aiはなんとか人間界に戻ろうとするが…遊作に止められてしまう。

 

 

 

「バックアップのAiの目的は騒ぎを起こし、お前達をこちら側に誘い出す事なのかもしれない…暴走したバックアップを止め、遊嗣達を助け出すのは…オレ達に任せるんだ」

 

《それが正しい判断だと思う…大丈夫だよ、Ai…敵は2人、こちらは()()()()8人は戦える猛者がいる…これ以上、きみの半身に罪を重ねさせはしないよ》

 

《プレイメーカー…ロマン…すまねぇ…》

バックアップのAiの目的が分からない今、リスクを避ける為にAiを止めた遊作とロマン…それを聞いたAiは申し訳なさそうに俯いた…。

 

 

 

 

 

《これ以降、わかりやすくする為にAiのバックアップ…人間体のAiをオルタナティブAi、『Aiオルタ』と呼称しよう…決戦は2日後、財前さんを守り、囚われた2人を救ける為に…どうか、力を貸して欲しい……!!よろしくお願いします…!!》

そして、新生サイバース世界との通信を切ったロマンは集まったメンバー達に頭を下げる…Aiのバックアップ体、Aiオルタがメッセージの中で言及した()()()()()()()()…それは、遊嗣達の安否に繋がると分かっていたからだ。

 

 

『ロマン、キミに全て言われてしまったな……プレイメーカー、ソウルバーナー…人間とAIの共存の為に戦ってきたきみ達には複雑な戦いになってしまうが…力を貸して欲しい…!』

 

「ああ…!」

そして、襲撃予告を受けた財前もメンバー達…そして、遊作に頭を下げた…。

 

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