転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ついに、財前兄妹の居場所へと辿り着いてしまったAiオルタ…コードキーを守る為の最後の戦いが始まる…。


それでは、最新話をどうぞ!


青の兄妹〜決別〜

【財前とブルーメイデン、見つけたぜ…かくれんぼはここまでだ】

 

『Aiオルタ…!?どうしてここが…!』

 

【俺を誰だと思ってるんだ?舐めてもらっちゃ困るな】

 

DENCity上空を飛ぶSOL社の飛行機…その電脳空間、身を潜めていた財前兄妹の前にAiオルタが姿を現した…!

 

 

『…キミがここに来たという事は、上空1万2000mを飛ぶ我が社の旅客機に乗り込んできたという事……乗組員は無事なんだろうな…!!』

 

【俺がそんな()()()に見えるか?()()()()…!安心しろよ…眠ってはもらったが、傷付けたりはしてねぇよ】

 

『早見…っ!!』

飛行機に乗る社員達の安否を案じる晃…その言葉を聞いたAiオルタが指を弾く…すると、モニターに倒れ込んでしまった早見の姿が映し出された…。

 

 

【さぁ、財前…SOLテクノロジーのコードキーを渡して貰おうか?】

 

『Aiオルタ…いや、Ai!どうしてこんな事をする!?』

 

【…ちょっと、SOLテクノロジーのシステムを自由に使わせてもらいたいのさ…俺がシステムを掌握しているこの飛行機みたいにさ……】

 

「Aiオルタ、私達を()()の?」

 

()まで取るつもりはねぇよ?もちろん、お前達にもチャンスはある…デュエルで勝負だ、それで白黒つけようぜ?】

晃にコードキーを渡すように迫りながらデュエルディスクを展開するAiオルタ…その時───

 

 

 

《デュエルならば、私がお役に立てるでしょう》

 

【お前っ…まだいたのかよ!しつこいなパンドール!!】

 

《私が最後の1体です、先ほどの貴方とのデュエルも参考にさせてもらいます》

 

【データをリンクしてるとか言ってたか…一度や二度のデュエルデータで対策されたぐらいで負けるほど、俺は弱くはないぜ?俺を倒したかったら───伝説の決闘者でも連れてきやがれ!特別サービスだ、まとめて相手してやるよ!!】

 

『っ…どうやら、他の選択肢はなさそうだ…!』

 

「ええ、お兄様…!2人でAiオルタを止めましょう!」

葵のデュエルディスクから4体目のパンドールが現れる…幾度となく現れる彼女に辟易しながらも、Aiオルタは財前兄妹を挑発…Aiオルタの企みを阻む為の戦いが始まった…!

 

 

 

【『「デュエル!!」』】

 

 

 

 

デュエルダイジェスト ブルーメイデン&財前晃対Aiオルタ

 

 

 

 

【さて、デュエルも始まる事だし…()()()()()がいないと盛り上がらないよな!】

 

パチン!

 

「っ…!?これは…ブルーメイデン!財前!」

 

「プレイメーカー!?ソウルバーナー!?GO鬼塚やリボルバーも…!?」

 

【別空間にいるこいつらとこの場所をリンクさせてもらった…お前達もやった手だろ?】

デュエル開始直後、Aiオルタが再び指を弾く…すると、葵達の背後にSOLのメインサーバーで待機していた遊作達4人とパンドールの姿がホログラムで現れる…Aiオルタが空間を繋げたのだ。

 

 

「っ…Ai!いったいなんのつもりだ!!」

 

【元気だったか?プレイメーカー!お前達は手出しできねぇ、そこで俺達のデュエルを見ててもらうぜ?草薙〜!お前も見えてるか〜?】

 

「あいつ、草薙さんにも映像を…!」

ようやく、Aiオルタ本体と相まみえる遊作…だが、Aiオルタは軽薄な態度で彼をあしらい、通信越しの草薙に声をかけている…。

 

 

『アニキ!オイラ、アニキのデュエルを見て()()させてもらうです!』

 

【おお、ロボッピ!いい心掛けだ…さぁ、みんなに俺達のデュエルを楽しんで貰おうぜ!】

 

「っ…(Aiオルタの目的はわからない…だけど、必ずお兄様を守って…白波君とマシュさんを助けてみせる!!)」

そして、Aiオルタの後ろにロボッピも姿を見せ…それを見た葵はAiオルタの目的を阻む為に気合いを入れた…!

 

 

 

 

始まったデュエルの先攻を取ったのはブルーメイデン…今回、彼女が選んだのはアクアから餞別として渡された『海晶乙女(マリンセス)』デッキ。

その展開力の高さとサーチ効果をいかんなく発揮した葵はエースモンスターの『海晶乙女マーブルド・ロック』を喚び出し、伏せカード2枚という万全の態勢を整える。

 

 

対するAiオルタも『@イグニスター』デッキを展開…『ピカリ@イグニスター』からの『イグニスターAiランド』発動というお決まりパターンから『ダークナイト@イグニスター』をリンク召喚、さらにパンドールを撃破した『ファイアフェニックス@イグニスター』をリンク召喚…そして、Aiオルタは()()()()()()を発動する…!

 

 

【さぁ、イグニスが作り上げた()()()()()を見せてやる…全てを裁く3本の矢!リンクマジック『裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)』発動!!】

 

 

「「『「なっ…!!」』」」

 

「Aiが、『裁きの矢』を…!?」

Aiオルタが発動したカード…それは光のイグニス・ライトニングが作り上げた、掟破りのカード『裁きの矢』…それをAiが使う、その意味はあまりにも()()ものになる…!

 

 

 

 

「『裁きの矢』はイグニス達の争いを象徴するカード…Ai!お前は、本当にライトニングの遺志を継ごうとしているのか!?」

 

「そのカードの発動は()()()()()()事だ…!Aiオルタ!そのカードを使うって事がどういう意味か分かってるのか!?人間と()()しちまったら、人間との共存の時を待ってる()()()()()()()()()にも帰れなくなっちまうんだぞ!?」

Aiオルタの発動した『裁きの矢』を見た遊作と尊が思わず声を上げる…。

 

『裁きの矢』…そのカードの発動が意味するのは『人間との決別』…それは人間への()()()()にも等しいモノになる…その言葉を聞いたAiオルタの答えは───

 

 

【帰る?───オリジナルの()()()()()()でしかない()がどのツラ下げて帰るんだよ?俺はオリジナルとは()()()()を視た()()()()…元から帰る場所なんてないからなぁ!!なら、お前らと敵対してみるのも()()()だろ?】

 

「面白っ…!?お前、本当にそんな理由で!!!」

 

「───意思とは、自分を取り巻く仲間や社会を反映する…その中で少しずつ精神は()()され、強くなっていく…だが、Aiオルタ…Aiの()()()()()()である奴には意思というモノの()()()()()()()()()()()()…奴はオリジナルのAiの積み重ねた「感情」という()()()に押し潰されたのだ…!感情や意思は、積み重ねのない者にコントロールできるモノではないからな」

遊作達…人間と敵対する事を「面白そう」と答えたAiオルタ…その言葉を聞いたリボルバーがAiオルタの行動、その理由の一端を理解する。

 

 

AiオルタはAiのバックアップデータ…データ上で見れば()()()()と言ってもいい…だが、それでも…AiとAiオルタは()()なのだ。

 

AiオルタにAiが人間界を離れるまでの記録があったとしても、それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…それは()()()であるAiオルタに扱えるモノではなかったのだ。

 

 

 

《ブルーメイデン、Aiオルタの言葉に耳を貸さないでください…これは言葉巧みに相手の動揺を誘い、デュエルを有利に運ぼうとする為の狡猾な作戦です、彼に情けを掛ける事なく…()()する為に戦ってください》

 

「パンドール…!」

 

【──そうだ、俺はお前達の()だ!狡猾だろうがトンカツだろうが俺はお前達に勝つ…それでいい!!】

 

『狡猾とトンカツを掛けた大喜利ですね!ニクイッスアニキ!』

 

【おお、このネタを一発で理解するか…賢くなったなロボッピ!】

 

『えへへ…アニキのおかげッス!』

 

【そうか…なら、アニキらしい所を魅せてやらないとなぁ!】

Aiオルタの答えを聞いて動揺する葵をサポートするパンドール…その言葉を聞いたAiオルタはロボッピの賢さを褒めながら、デュエルを再開する。

 

 

 

『ファイアフェニックス@イグニスター』で葵へと攻撃を仕掛けるAiオルタ…だが、葵は動揺せずに『マーブルド・ロック』の効果を発動、手札の『海晶乙女』を墓地に送る事で戦闘破壊と戦闘ダメージを回避…さらに、罠カード『海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)』で『ファイアフェニックス』の効果を無効にする事で追撃の効果ダメージへの対策を整える。

 

だが、Aiオルタも甘くはない…Aiオルタは速攻魔法『必殺の間─Ai─』を発動…その効果で攻撃を終えた『ファイアフェニックス』をバトルフェイズが終わるまで除外、そのリンクマーカーの数──つまり、葵の手札3枚をバトルフェイズ終了まで除外する事で『マーブルド・ロック』の効果を封じ、『ダークナイト』をメインモンスターゾーンに移動…それによって『裁きの矢』の効果を受け、攻撃4600になった『ダークナイト』の攻撃が葵を直撃…2100の大ダメージを受けてしまう…!

 

 

 

 

『葵!大丈夫か!?』

 

「えぇ…お兄様…!このくらいなら…!」

大ダメージを受けた妹を案じる晃…彼の心配する声に応えながら、葵は前を向く…!

 

 

 

「Ai…!なんで、こんな事をするの…?アクアから、ボーマンとの決戦の中で何があったのかは聞いたわ…ボーマンに取り込まれて、諦めかけていたイグニスのみんなに()()()()って声を掛けたんでしょ…!?貴方の強い思いのおかげでアクアやアース…みんなが力を振り絞ったから()()に辿り着けた!!それなのに、どうして貴方は()()()しまったの!?そんなの、貴方らしくない!!」

 

【───()()()()俺の()()なんて理解できる訳がない】

 

「そう、私達とイグニス…AIでは考え方は違うかもしれない…それでも!()()()()()()()()()()理解できるでしょ!?Aiオルタ、こんな戦いはもう止めましょう!?新生サイバース世界にいるみんななら、きっと貴方を受け入れ【黙れ!!!】っ!?」

アクアから聞いたボーマンとの最終決戦の様子を思い出しながら、必死にAiオルタを説得しようとする葵…だが、その話が新生サイバース世界に及んだ瞬間、Aiオルタは鬼気迫る様子で葵の言葉を遮った。

 

 

 

【そんな問答をしたくて、俺はお前達と戦いにきたんじゃないんだよ…!!これ以上、俺をイラつかせたら──遊嗣とマシュがどうなっても知らねぇぞ…!!】

 

「Ai!!!」

 

「っ…!?」

憎しみ…否、()()を宿した目で葵を睨むAiオルタ…その目は──本気の目だった…それを見た遊作が思わず声を上げてしまうほどに…。

 

 

 

【オラ…!次は財前のターンだろ?さっさとターンを進めろよ…!】

 

『っ……Aiオルタ…Ai、キミ達イグニスは、人間の都合で生み出され…人間の身勝手さに振り回されてきた…人間がイグニスと…意思を持つAIと共存できる準備が整っていれば、キミがこんな事件を起こす事は無かったのだろう…!イグニスを生み出したSOLテクノロジーの一員として謝罪したい…本当に、すまなかった…!!』

 

「お兄様…!?」

 

「財前…」

 

「財前が、Aiオルタに頭を…」

葵の言葉が逆鱗に触れたのか、機嫌が悪くなるAiオルタ…その様子を見た晃は──Aiオルタへと頭を下げ、()()した…。

…本来ならば、オリジナルのAiを含めたイグニス達へとすべき事だが…その()()がなかった、彼なりの精一杯の誠意だった。

 

 

 

『──だが、SOLテクノロジーの専務として…何千、何万もの社員達や家族を守る()()がある…!だから、コードキーは渡せない!Ai、どうか手を引いてくれ!私達はまだ、話し合い…理解しあう余地は残されているはずだ…!!』

 

【はっ…お前にも守りたいモノがある訳ね……だが、俺にだって()()()()()()がある…俺には謝罪なんて必要ねぇ…!男なら、守りたいモノの為に戦えよ財前!!デュエルでお前の()()を示してみせろ!!!】

 

『っ…そうか…ならば、仕方ない…!葵の兄として、SOLテクノロジーの専務として!私の守るべきものの為に、全力でキミを打ち倒す!!』

彼なりの言葉でAiオルタを説得しようとする晃…しかし、その言葉はAiオルタには届かない…。

 

 

故に、晃は覚悟を決める…葵の兄として…SOLの専務として…そして、1人の男として…Aiオルタを止めるのだと…!

 

 

 

財前のターン…彼は自身の魂、リバースモンスターを絡めた特徴的な動きを得意とする『ティンダングル』デッキを展開…その動きをいかんなく発揮する財前は兄妹の絆を象徴する『ティンダングル・エンジェル』や『ティンダングル・ケルベロス』を喚び出し、『ケルベロス』の攻撃力を『裁きの矢』の効果を受けたAiオルタのモンスター達を上回る4700まで上昇させ、『ダークナイト』を撃破する!

 

 

『Ai!本当に手を引いてはくれないのか…!頼む、Yu-Z君達を解放して…こんな事は止めてくれ…!!』

 

【たった100のダメージでいい気になってんじゃねえ!!】

 

「いいえ、まだ終わりじゃないわ…お兄様!!」

 

『ああ…!罠カード発動!「海晶乙女の決意(マリンセス・デシジョン)」!!』

そして、財前兄妹の連携プレイが炸裂する…『海晶乙女の決意』の効果、それは墓地の『マリンセス』カード1枚を除外する事で自分フィールドのセットモンスター1体を表側守備表示にし…そのモンスターと共にリンク召喚を行なう事ができる…!

 

 

 

『「開け!我らを繋ぐサーキット!!現れろ!Link-3!!『ティンダングル・アキュート・ケルベロス』!!」』

 

「財前がリンク召喚を…!」

 

「あれが、2人のエースモンスターか…!」

晃と葵…2人の思いが1つとなり、晃の…否、財前兄妹の切り札たる地獄の番犬を呼び覚ます!

 

 

 

【はっ…いいね!兄妹の絆パワー、魅せて貰おうか!!】

 

『いくぞ、Ai!!』

切り札を喚び出した晃は自身の効果で攻撃力3500となった『アキュート・ケルベロス』で攻撃を仕掛ける…だが、そのままでは『裁きの矢』の効果で返り討ちにされてしまう。

 

しかし、それは想定内──晃は墓地の『海晶乙女の決意』の2つ目の効果を発動…それにより『ファイアフェニックス』の攻撃力を墓地の『マーブル・ド・ロック』の攻撃力2500ポイント分ダウンさせる事で攻撃力を0()にする。

 

ゼロには何を掛けても()()にしかならない。

 

それにより『裁きの矢』の影響を受けても意味がなくなり──Aiオルタは3500の大ダメージを受けてふっ飛ばされる…だが、Aiオルタもタダではやられない。

 

 

墓地の『アチチ@イグニスター』の効果を発動する事で、戦闘破壊される『ファイアフェニックス』を効果破壊する事で効果を起動…『アキュート・ケルベロス』を破壊しようとする。

 

しかし、晃は慌てない…葵が墓地に残した『海晶乙女バシランリマ』を除外する事で効果破壊を回避、さらに攻撃力を4100まで上昇…さらに、『アキュート・ケルベロス』の効果でリンク先に『ティンダングル・トークン』が特殊召喚され…その攻撃力は4600までアップする…!!

 

 

 

 

 

【これが兄妹の絆って奴か?大したもんだなぁ…!】

 

「Ai…私も、アクアを…イグニスを守ろうと一緒に戦った同士…あなたとこんな形で戦いたくない…でも!あなたがお兄様を倒してコードキーを奪おうと言うのなら、お兄様は私が守る!!」

 

【ハッ…いいねいいねぇ!!ドンドンやってくれ!俺に、お前達の兄妹愛ってヤツを見せてくれよぉ!】

 

「っ…ふざけないで、Ai!!こんな時、アクアがいてくれたらAiの()()がわかるのに…!!」

決死の覚悟で晃を守る葵…その様子を見たAiオルタは彼女達を煽り、嘲る態度を取るが───

 

 

《ブルーメイデン、今の彼からは──()()を感じません、水のイグニスほどの精度ではありませんが……彼には貴女達を貶す意図はないようです》

 

「パンドール…?じゃあ、あれは()()なの…?」

 

【見せてくれよ、ブルーメイデン…美しいモノを──()()()()()姿()を…守るモノがある奴と失うモノがない俺…どちらが強いのか確かめさせてくれ!!】

 

「Ai…」

イグニスの考えを読む事に特化したパンドールがAiオルタの本心を読み解く…彼は葵達を馬鹿にしているのではない。

 

彼はその目に…記憶に焼き付けたいのだ──人間の()()()()()を…。

 

 

 

《……Aiオルタのデュエルは、()()()()がないデュエル…彼のデュエル、プレイングからは深い悲しみと()()を感じます…私が、姉妹機のパンドールを失った時よりも…さらに強い()()()()を…そうですね?()…》

 

《……ミスター・ロマンは彼の深層を見た結果、それまでの冷静さが嘘のように取り乱していました…彼の抱える事情は、同じイグニスであっても…理解できる範疇を超えている、そう予測します》

 

「絶望…失うモノがない…Aiオルタは、()()だから…」

 

「だが、Aiオルタは完全なる敵だ…下手な同情は足元を掬われるぞソウルバーナー」

 

「リボルバーっ…!だけど…!!」

Aiオルタと対峙したロマン付きのパンドールと葵のパンドール…2人がAiオルタの心を読む…Aiオルタはとてつもない()()を抱えながらデュエルしているのだと…。

 

 

【うざったいな、パンドール…!俺は…オレの為に戦うんだよ!!】

 

 

 

 

Aiオルタは心を読むパンドールに辟易しながらデュエルを再開する。

 

効果破壊された事で『ファイアフェニックス』は復活する…だが、単体では『裁きの矢』の効果を受けたとしても攻撃力4600となった『アキュート・ケルベロス』とは相討ちにしかならない…故に、Aiオルタが選んだのは───新たな召喚法、儀式召喚の解放だった。

 

 

【降臨せよ!溟渤に潜みし水神の竜!儀式召喚!!『ウォーターリヴァイアサン@イグニスター』!!】

Aiオルタが喚び出したのは水の力を宿す神話のドラゴン、その効果は『強力』の一言…1つ目の効果「元々の攻撃力2300以下のモンスターを全て手札に戻す」効果によって元々の攻撃力が0の『アキュート・ケルベロス』が除去され…2つ目の効果である「墓地のリンクモンスターのリンクマーカーの数だけ相手モンスター1体の攻撃力を600ダウンさせる」効果によって晃達の場に残された『ティンダングル・ハウンド』の攻撃力を下げ、3つめの効果である『バトルする相手モンスターの攻撃力を半分にする』効果によって勝負を決めに掛かる。

 

だが、財前兄妹の絆はまだ途切れない…罠カード『海晶乙女魔泡陣(マリンセス・バブルサークル)』によって、墓地の『マリンセス』リンクモンスターのリンクマーカーの数につき100ライフを回復する事で、150のライフを残す事に成功した…!

 

 

 

「言ったはずよ…お兄様は、私が守る!!」

 

 

返しのターン、葵はマリンセスデッキを展開…そして、新たな切り札を呼び覚ます!

 

 

「母なる大海の深き青よ…我が手に集い、浄化と慈愛の力を与えよ!!リンク召喚!!現れろ!Link-4!『海晶乙女グレート・バブル・リーフ』!!」

それは花や植物をモチーフとした『トリックスター』と海の生き物をモチーフとした『海晶乙女』の要素の融合…揺蕩う羽衣を纏うブルーメイデンの切り札を喚び出した彼女は自分の真骨頂──効果ダメージによる追撃を実行する。

 

 

晃の発動した『海晶乙女魔泡陣』の2つ目の効果、それにより墓地のレベル5以上の『マリンセス』を除外する事で相手に100ダメージを与える…さらにモンスターが除外された事で『グレート・バブル・リーフ』の効果が起動、自身の攻撃力を600アップさせる。

Aiオルタの残りライフは300…削りきるには300の効果ダメージ、または『ウォーターリヴァイアサン』による攻撃力半減を回避する為、攻撃力4600以上が必要になるが…葵は止まらない。

 

 

晃の『ティンダングル・リターナー』の効果によって除外されていた『海晶乙女クラウンテイル』を墓地に戻した葵は再び『魔泡陣』と『グレートバブルリーフ』の効果を起動し、ダメージと攻撃力を上げる。

さらに『グレート・バブル・リーフ』の2つ目の効果によって除外された『クラウンテイル』をフィールドに喚び出した葵は『ティンダングル・リターナー』の効果を発動、『クラウンテイル』をリリースして自身を特殊召喚した上で『クラウンテイル』の攻撃力分『グレート・バブル・リーフ』を強化──その攻撃力は4400に達する…!

 

 

 

【っ……さぁ、来いよブルーメイデン!そして守ってみせろよ、お前の守りたいモノを!!ドンッと俺を倒してみせろ!!】

 

《っ…?彼から焦りの感情と、()()を感じます…ブルーメイデン、Aiオルタの危機回避能力は侮れません…手を抜く事はないように》

 

「分かってる…貴女の姉妹機と、ロマンの仇は必ず討つ!!」

パンドールの助言を聞いた葵は墓地の『クラウンテイル』の効果を発動…自身を除外する事で墓地の『マリンセス』リンクモンスターのマーカー1つにつき1000…つまり6000までの戦闘ダメージを無効化、さらに『グレート・バブル・リーフ』の攻撃力は5000に達した!

 

 

「(私はずっと、お兄様に助けられてきた…私が危険な目に遭わないように、リンクヴレインズに行く事にもいい顔をしなかった…それでも、私はお兄様と一緒に戦えている!だから──)お兄様は、必ず守る!!覚悟しなさい、Ai!!」

そして、葵は兄を守る為に魂の攻撃を仕掛ける!!

 

 

 

「バトルよ!『グレート・バブル・リーフ』で『ウォーターリヴァイアサン』を攻撃!!」

 

【『ウォーターリヴァイアサン』の効果発動!相手モンスターの攻撃力を半分にする!】

 

「それでも、『グレート・バブル・リーフ』の攻撃力は2500…!」

 

「Aiオルタのライフを削りきれる!!やっちまえ!ブルーメイデン─!!」

衝突する水の奔流…その勢いはブルーメイデンが上回り、ソウルバーナーやGO鬼塚から歓声が上がる…だが…!

 

 

【そんなんじゃ、守れねぇ…倒れてなんかやれねぇ!!罠カード発動!『─Ai─サツ』!!効果ダメージを受けたターンに相手モンスターとバトルする時、その2体の攻撃力の差の2()()のダメージを与える!!】

 

「っ…2体の攻撃力の差は200…つまり、400のダメージ…ダメ…!!」

 

『受けきれない!!?葵っ!!』

 

「兄様っ…!」

 

【反撃だ、ウォーターリヴァイアサン!!】

 

「『うわああああああ!!?』」

 

「財前!!ブルーメイデン!!」

荒々しい水流が財前兄妹を呑み込み、ライフを削りきる…兄妹の絆は、孤独なる覚悟の前に敗れ去ってしまった…。

 

 

 

財前兄妹 LP0

 

Aiオルタ WIN…

 

 

 

 

 

【結局、守れなかったな】

 

「お兄、様…守れなくて、ごめんなさい…!!」

 

『っ…葵…すま、ない…!』

Aiオルタの攻撃で吹き飛ばされた財前兄妹は立ち上がる事ができない…それでも、2人の手は…しっかりと繋がれていた…。

 

 

 

「やめろ…止めるんだAi!!これ以上みんなを傷つけるな!!」

 

【プレイメーカー…そこで見てろ、俺の()()()()()を────】

倒れ伏す財前兄妹を見た遊作が思わず声を上げる…その様子を冷たい目で見据えるAiオルタ……だが、その()()が明暗を分けた。

 

 

 

 

ギリギリギリ……ギュリィィ!!

 

 

 

 

【『っ…!?』】

 

 

【があっ…!?】

 

『な、なんですか!?このワイヤーは!?!』

電脳空間に甲高い、何かが擦れるような音が響く…それと共に、Aiオルタとロボッピが紫色のワイヤーによって拘束され、縛り上げられる…!!

 

 

キン──

 

 

動くな、Ai……動けば、首が落ちるぞ

 

「あっ…ああ…!?」

 

【────()()()()な、鋼の騎士…!】

 

「メタルナイト!!!」

そして、Aiオルタの首筋に冷たい光の刃が添えられる───Aiオルタを拘束した者…その正体は──赤きロングコートを纏う、英雄…白波遊海だった。

 

 

 

 

 

なにが、嫌な予感はしないから…だ…!!息子達のピンチを…助けを求める声を、この俺が聞き逃がすなんて…ヒーロー…いや、父親失格だ…!!

 

【ハッ…気に病むなよ、ヒーロー…あいつらも、自分達がどうなったかなんて気付いてもいねぇよ】

 

黙れ…!!

 

【おお怖っ…!】

瞳を紅く、赫く輝かせながら殺気を爆発させる遊海…だが、彼を前にしても、Aiオルタの表情は揺らがない…!

 

 

『な、なんでメタルナイトがこの場所に!?この場所は隔離されてるッスよ!?』

 

「私達を誰だと思ってるのかしら?空を飛ぶ飛行機に乗り込むなんて簡単な事よ、おチビさん……少し、オイタが過ぎたみたいね…!!

 

『ヒエッ…!?』

 

「翠、さん…!?(なんて殺気だ!?映像越しなのに、腰が抜けそうだ…!!)」

戸惑うロボッピをさらに絞め上げるのは紫色の魔女のような…人形のような鎧を纏う翠…穏やかな口調とは裏腹に、その声は映像越しの尊が腰を抜かしかけるほど冷たかった。

 

 

 

遊海と翠…2人はアストラルの迎えによって事件発生を知り、DENCityへと帰還…その直後に上空で異なる動きをするSOLの旅客機と遭遇し、当たりを付けて乗り込んだのだ。

 

 

 

 

なにが、闇のゲームだ…ふざけやがって…Ai、遊嗣とマシュの意識データを返せ…今なら、9割殺しで済ませてやる

 

【ほぼ死んでるじゃん、それ……だけど、残念ながら…俺は2人の意識データは持ってない…誰にも見つからない場所に隠してきた】

 

貴様…死にたいのか?

 

()()()()()()()?その代わり…2人の意識データは永遠に戻らないけどな?彩華から聞いたぜ?規格外のAIの彩華でも、オレが隠したサイバース世界は見つけられなかったって……今回はそれより上手い隠し方をした…今、俺を消したら……2人は永遠に目覚めなくなるぜ、()()()()?】

 

「っ…!!!」

 

「遊海さんっ…!!」

遊嗣達の意識データを解放するようにAiオルタを脅す遊海…だが、Aiオルタは余裕の表情で英雄を嘲笑う…その表情を見た遊海は…憤怒と苦しみで例えようのない表情を見せていた…。

 

 

 

『っ……………背に、腹は…変えられないか…!!』

 

「お兄様…!?」

遊海と翠…2人の表情を見た晃が何かを決意する…それは──

 

 

 

『メタルナイト…Aiオルタの拘束を、解いてください……彼に、コードキーを渡します』

 

「お兄様?!」

 

「財前!?正気か!?」

 

【へぇ…?】

晃の決断…それは、Aiオルタへとコードキーを渡す事…それを聞いたAiオルタ以外の全員が驚愕する…!

 

 

 

『私は、貴方に…そして、カイバーマンに何度も助けてもらった…そんな貴方方の()()を、SOLテクノロジーのせいで失わせてしまったら……私は、プレイメーカーやソウルバーナー…ロスト事件に巻き込まれてしまった子供達に、顔向けできない…!!』

 

「財前…貴方は…!!」

晃はコードキーの悪用を防ぐ為、必死にコードキーを守ってきた…だが…()()()()しまったのだ…ロスト事件に巻き込まれ、人生の時間を失ってしまった遊作と…()()である遊嗣達を奪われてしまった遊海が……故に、晃は…()()()()()()()の選択をしたのだ。

 

 

【だってさ、メタルナイト…さっさと俺とロボッピを解放しろ……Yu-Zの意識を無事に返して欲しかったらな】

 

『早く離せッス〜!!』

 

っ…っ…!!!!

 

「遊海さんっ…!!」

財前とAiオルタの言葉を聞いた遊海は歯が砕けんばかりに……否、歯が砕けてしまうほど噛み締める…。

 

 

仮に、人質がいなければ…電脳ウイルスや遊海自身へのペナルティだけならば、遊海は躊躇なくAiオルタを斬り捨て、事件を解決しただろう。

 

…だが、大切な息子とその恋人を人質に取られた今……英雄は……()()だった。

 

 

 

「翠………頼む」

 

「っ……はい…」

苦渋の決断………遊海と翠は、数十年振りに()へと膝を屈した…。

 

 

 

【おおキツかった…!さて、じゃあ遠慮なく…コードキーはもらっていくぜ】

 

『っ…すまない、みんな……きみ達の奮闘を、無駄にしてしまった…!!』

 

「財前…」

拘束から解放されたAiオルタへとコードキーを渡す財前…その無念さから、彼は涙を堪えられなかった…。

 

 

 

【じゃあな、お前ら!行くぞ、ロボッピ】

 

『はいですアニキ!』

そして、悠々と電脳空間から去ろうとするAiオルタ…その時…。

 

 

「っ……Ai!!」

 

【どうしたぁ?プレイメーカー様よ……用がないなら、もう行くぜ?】

 

「っ…!!」

咄嗟に遊作がAiオルタを呼ぶ…だが、続く言葉が出なかった…その様子を見たAiオルタは呆れた様子で遊作を見る…。

 

 

 

「Aiオルタ…てめぇ…!いくらなんでも…!!」

 

「いや、これでいい…パートナーを軽んじ、恩人にすら敬意を払わない…そんな態度を見せられれば、一片の迷いなくお前を消し去る事ができる!!この落とし前は必ずつけるぞ、Aiオルタ!!」

 

【フン…】

Aiオルタの態度に怒りを露わにする尊…だが、それ以上に──リボルバーは拳から血が流れるほどの怒りを燃やしていた…。

 

 

 

 

「Ai、オルタ……俺を、見ろ」

 

【なんだよ、ヒーロー…まだ俺になにか───】

 

「ぜぇいあああああああっ!!!」

 

ゴシャ!!

 

【がっはあああああ───!?!】

 

『アニキ──!?』

そして、最後にAiオルタを呼び止めた遊海…Aiオルタが振り返った瞬間、その顔に遊海の渾身の怒りが込められた鋼の鉄拳が突き刺さる…大地を砕く一撃を受けたAiオルタは縦に何回転もしながら、電脳空間の扉を砕いて外に飛び出した…、

 

 

 

覚えておけ……次に、貴様が動いた時が……貴様が冥界に落ちる時だ

 

【ごへっ……暴力反対だぜ…メタルナイト………冥界でも、地獄でも、落とせるなら、落として、みやがれ…!】

そして、顔面の原型を失ったまま…Aiオルタは飛行機の電脳空間から消え去った…。

 

 

 

 

 

『メタル、ナイト……すまない…私は…』

 

「っ…財前、貴方が謝る必要はない……全て、俺の責任だ……くそっ…!!遊嗣…マシュ…!!!」

そして……財前防衛戦は遊作陣営の敗北、という最悪の結末で幕を閉じた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【……これだけ()()()()()、十分だよな?遊作……俺を、()()()()()()()…】

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