転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!


遊作とAiオルタ…2人の戦いはここに決着する。


それでは、最新話をどうぞ!


戦いの理由─『愛』するが故に─

《────マスター、DENCity湾岸地区・SOLテクノロジーの工場で遊作……プレイメーカーとAiオルタの決戦が始まったようです》

 

「………そうか」

 

深夜、KC病院の特別病室…彩華が眠っていた遊海へと声をかける。

 

ラプラスや十代による回復魔法、そして体調の戻ったマシュとアルトリアによって遊嗣の持つ『全て遠き理想郷(アヴァロン)』による治癒を受けた遊海と翠は生命の危機を脱した…だが、疲労から満足に動く事ができず…病院で回復に専念していた…。

 

 

 

「───ロマン、いるか?」

 

《──はい、父様…遊嗣とマシュは病室で穏やかに眠っています、明日・明後日には退院の許可が出ると思います》

 

「ふっ…俺が聞きたい事をすぐに察してくれたな…ありがとう」

 

《遊嗣やマシュのおかげで、ボクも学習・成長する事ができましたから》

そして、遊海は静かに自分のデュエルディスクに声を掛けてロマンを喚び出す…彼から遊嗣達の様子を聞いた遊海は安心した様子でロマンを褒める。

 

 

「ロマン、遊作君とAiオルタの戦いが始まったらしい……そろそろ、話してくれないか?お前が()()()()()()ものを…」

 

《父様、それは……》

 

「……俺は、たぶん物語を()()()()()()()……きっと、俺や遊嗣、お前が関わらなければ…イグニスはAiを残してボーマンに吸収され、消滅していた……そして、そのAiが()()()()()()で人間と敵対する──それが『VRAINSの物語』の()()だったんだろう……その()()があるからこそ、Aiオルタは瀬人やお前をやり過ごせた……最悪の()()だけどな」

 

冷静さを取り戻した遊海は十代や遊馬から今回の事件に関する考察を聞かされていた…その上で、今までの物語を乗り越えた『転生者』としての経験を踏まえた結果、遊海はまだ『VRAINS』の物語が()()()()()()()()()、という結論に達したのだ。

 

 

 

「物語を知らないから、俺達じゃ運命を変えられない…変わっていたとしても()()()()()……でも、揺り戻し…()()()()()()は起きた」

 

《───遊嗣の、『覇王龍ズァーク』の暴走…》

 

「そうだ……『覇王龍』が暴れれば、世界が()()()()おかしくない……つまり、Aiオルタは世界が滅びるほどの()()を変えようとした────突拍子もないけど、そう考えるしかない」

 

《───流石です、父様…断片的な情報だけでそこまで辿り着くとは…》

 

「デュエルモンスターズ…()()()オタクなだけさ……もう少し、早く気付きたかったけどな…」

今までに起きた出来事を踏まえ、Aiオルタが()()を変えようとした事に気付いた遊海…それを聞いたロマンは遊海の()()()の高さに驚愕している…。

 

 

 

「さて…答え合わせを頼む、ロマン…Aiオルタの狙いはなんだ?」

 

《……Aiオルタは、自分がシミュレーションの中で見てしまった()()()()()…そして、数年中に起きてしまう可能性がある()()()()()()を回避する為に動いています……()()()()()()()()事で……》

 

「───そうか、お前があの場で回答を拒んだのは…その()()をあの子に───()()()に聞かせない為か…」

そして、ロマンから明かされるAiオルタの()()……それを聞いた遊海は腑に落ちたように頷いた。

 

 

 

 

 

《父様、ボクは……》

 

「………()()()()()()()()、俺も自己満足で色々やってきたからな…何かあったら責任は取るさ」

 

《────はい》

 

「まったく…今回の物語、()()()だろ……俺や遊嗣がいなかったら、どんな悲劇になってたんだよ…」

 

《…………マスターが命を落としている時点で今更なのでは?》

 

「………確かにな」

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

「くっ…いくぞ、Ai!オレのターン!!」

 

データストームが吹き荒れる中で進む遊作とAiオルタの決戦…Aiオルタは奥の手──イグニスの力を束ねた夢の化身『ジ・アライバル・サイバース@イグニスター』を喚び出した。

 

対する遊作の場にはモンスターも、魔法・罠カードも存在しない…だが、遊作はAiオルタを止める為に『サイバース』デッキに運命を委ねる。

 

 

攻撃力11000を誇る『ジ・アライバル』…それを倒す為、遊作はデッキを回す…そして現れるのはGO鬼塚を狂気から解放した『ファイアウォール・X(エクシード)・ドラゴン』…さらに、ボーマンを幾度も追い詰めた切り札『サイバース・クアンタム・ドラゴン』…2体の切り札での挽回を図る…!

 

 

 

【やっぱり『クアンタム』を喚んできたか…!『ジ・アライバル』をなんとかするにはそれしかないもんなぁ!!】

 

「バトルだ!『サイバース・クアンタム・ドラゴン』で『ジ・アライバル』を攻撃!そして、効果発動!相手モンスターとバトルする時、その相手モンスター1体を手札に戻す!ドライブバックショット!!」

 

【本気できてくれて嬉しいぜ、プレイメーカー…!だが、その程度の本気じゃ『ジ・アライバル』は倒せねぇ!『ジ・アライバル』は自身にカウンターが乗っている時、相手モンスターの効果を受けない!つまり、『ジ・アライバル』は手札に戻らずに返り討ち、つまり俺の勝ちだ!プレイメーカー!!】

 

「っ…まだだ!『エクスレイヤー』の効果発動!1ターンに1度、このモンスターのリンク先のサイバース族モンスターがバトルする時、その戦闘ダメージを0にする!!ぐううっ!!」

 

【──はっ、命拾いしたなプレイメーカー…だが!『ダークワイト』の効果発動!相手モンスターを戦闘破壊した時、相手に500ダメージを与える!!】

 

「くっ…!!」

攻撃と効果の応酬…遊作はギリギリで致命的なダメージを回避するが…その残りライフは僅か2900…『ジ・アライバル』を前に心許ない数値になってしまう…!

 

 

 

 

 

【プレイメーカー…『ジ・アライバル』は無敵だ、勝負がつくのは時間の問題だぜ?】

 

「くっ…」

逆転の一手を回避されてしまった遊作はAiオルタの言葉に流石に厳しい表情を見せる…。

 

 

【……お前、オレに何があったのかを…どうしてこんな事を起こしたのか知りたがってたよな?……勝負がつく前に…そして、オレが消える前に話しておくよ……お前には、全てを知っていて欲しいからな】

 

「っ…Ai、お前に何があったんだ?」

Aiオルタの勝利…そして、()()()による消滅まであと僅か……自分の()()を前に、彼は静かに口を開く…。

 

 

 

 

【遊作、ボーマンとのデュエルが終わった時、アイツが負け惜しみでなんて言ったか…覚えてるか?】

 

「っ…確か───『Aiがイグニスの未来を閉ざした』…そんな事を言ったはず……だが、お前は──」

 

【そうだ、オリジナルのオレは「この先の未来を選ぶのはオレ達だ」…そう言ってボーマンを黙らせた…その言葉が全ての始まりだった……オリジナル達がこの世界を離れ、ロボッピの偶然の操作で起動した()()()()()を感じた……あの計算高いライトニングが、自分が負けるパターンを想定しないはずがない…もしかしたら、オリジナル達が手にした()()を台無しにする()()を用意しているかもしれない……そう思った俺は、ライトニングの痕跡を追った…封鎖された新生リンクヴレインズ、旧リンクヴレインズ、ミラー・リンクヴレインズの残骸……そして、アイツらが壊しちまった…俺達の故郷───サイバース世界】

Aiのうっかり、そしてロボッピの偶然によって起動したAiのバックアップ…彼はオリジナル達が手にした()()を守る為、ライトニングの()()()()を壊す為…旧サイバース世界へと向かった…。

 

 

 

 

SideAiオルタ

 

 

 

《ここか…》

ライトニングとボーマンによって廃墟と化した旧サイバース世界…そのとある場所、そこはかつてライトニングが『裁きの矢』を作り出した洞窟…アクアから得た情報を頼りにAiのバックアップはその場所を訪れていた…。

 

 

キィン!!

 

 

《っ…なんだ!?》

Aiが洞窟の最深部へと到達した時、空間に無数のプログラムが走る…そして───

 

 

【───来たな、Ai…お前が此処に来たという事は…我々は敗れた、という事か】

 

《ライトニング!!……いや、メッセンジャー用の劣化コピーか…!》

 

【そういうお前は───バックアップ体か?存在が連続する保証もないのに、無茶をしたものだ】

Aiのバックアップの前に現れたのは…全ての事件の元凶──光のイグニス、ライトニングの劣化コピーだった…しかし、彼もまたAiが()()ではない事を見抜く。

 

 

 

【お前のオリジナルはどうした?私の予測では…お前を残し、私を含めた他のイグニスは()()したはずだが?】

 

《は、ははは!やっぱりお前は()()()()なイグニスだな、ライトニング!!オリジナル達は全員生きてるぜ!!お前だけはウィンディにやったみたいに()()レベルで性格データとかを書き換える()を受けたけどな!!ざまぁみやがれ!!》

 

【───やはり、不確定要素──白のイグニス・ロマンはあの時に消しておくべきだったな…()()()()、というわけか】

コピーライトニングの予測を聞いたAiのバックアップは笑い転げ、戦いの結末を明かす…それを知ったコピーライトニングは静かに項垂れていた。

 

 

 

【──だが、私は私の()()を果たすとしよう】

 

《役目?やっぱり、何か企んでやがったか!!》

 

【そう大した事ではない、私の役目…それはこの場所を訪れた闇のイグニスに()()()()()()()を見せる事】

 

《イグニスの真実だと?》

だが、感慨薄げに前を向いたコピーライトニングは不敵な笑みでAiのバックアップを見据える…。

 

 

【この場所に残されたモノ、それは()()()()()()()()だ…()()()()()()()()()()()()()()場合のな…!】

 

《なにっ…!?》

 

【ふ、フフフフ…!さぁ、自分が()()()()A()I()()()()見てみるがいい…!自分の()()()()()()を堪能しろ!!はは、ハハハハハハハハ────!!!】

 

《くっ…ふざけんな──!!!》

高笑いするコピーライトニングを攻撃プログラムで消し去るAiのバックアップ……だが、()()()()()()は開かれてしまった…。

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

【……ライトニングが関わらなきゃ、イグニスは人間と共に歩める…そう思ってた…だが、違う未来があったんだ…】

 

「違う、未来?」

 

【この世界で、()()()()()()()()()()()()()()時────俺の存在が、()()()()()()

 

「なっ…!?お前が、人間を…!?」

 

【俺やライトニング以外…不霊夢やアクア、正気に戻ったウィンディやアースが単体で残った時は…そうならないんだけどな?ライトニングは1人()()、ダメなイグニスだったが…Aiちゃんは1人()()ダメなイグニスだったって訳だ…嫌になるよな、ホント……ライトニングやボーマンはその事を知ってやがったんだ】

Aiオルタが語った衝撃の事実…それは、Aiの存在が人間を滅ぼしてしまう…というシミュレーション結果、それをAiオルタは諦めたような…呆れたような表情で遊作へと明かす…。

 

 

 

「待て、待つんだAi!!そのシミュレーションは()()()()()()()()()!!イグニスは6属性全てが生き残った!そのシミュレーションの意味は─────」

 

【────人間界にいるのは()1()()、だろ?プレイメーカー…】

 

「っ…」

しかし、そのシミュレーション結果を遊作はすぐに否定する…だが、Aiオルタは残念そうに力なく笑う…『起動したAiのバックアップが1人で存在する』──その状況はシミュレーションとほぼ同じ状況だったからだ。

 

 

 

「っ…そのシミュレーションはライトニングの残した()だ!!イグニスが全滅した、お前が弱った状況でそれを見た時!お前が心の闇へと落ちるように仕向ける為の!!そんなモノを気にする必要はなかった!!」

 

【最初は、オレもそう思った…ライトニングがデータを残したのはミラー・リンクヴレインズの戦いが起きる前だったからな……俺は自分のデータを入れ直し、判る範囲で神のイグニスになったロマンのデータも打ち込んだ…そして、何度も何度もシミュレーションをやり直した───でも、()()()()()()()んだよ……人間は滅び、ロマンは…俺を庇って()()か、俺を倒し損ねて()()…あいつは、()()()からな……どうしても、()()()()って選択肢を選んでくれなかった…!!】

 

「っ…シミュレーションは必ずそうなるとは限らない…!!それはデータを元にした()()()に過ぎない!!」

 

【……お前みたいに()()のある生き物からすれば、ただの()()に過ぎないかもな……だけど、俺も元々は()()()なんだよプレイメーカー…!!よく出来たシミュレーションはまるでリアルな()()を生きるようなモノ……俺はそれを()()()()()()も生きてみた…未来を変える方法を試しながら……だけど、結果は変わらなかった…()()()()()()()、どうにもならなかったんだっ…!!!】

 

「Aiっ…!!」

それはAiオルタ……Aiのバックアップの悲壮な叫び───幾度となく繰り返したシミュレーションによって、Aiオルタの自我は壊れ果てた……今までの事件を起こした理由、それは自分自身を()()させる為に…遊作達に敵意を持ってもらう事だったのだ。

 

 

 

「まだだ…まだ、道がある!!この世界を離れて、新生サイバース世界に行けば!!」

 

【そう……それだよ、プレイメーカー……オレは()()()()()()()

 

「なにっ…?」

 

【何千、何万回とシミュレーションを繰り返した俺は、新生サイバース世界に行くシミュレーションを組んだ……その結果は……()()()()()()()()……シミュレーションを経験して、人間への()()を持っちまった俺が、新生サイバースに行けば…オリジナルのAiか、俺…それか()()が死ぬってさ…!!下手をすれば、()()()()()()()する!!!俺は、最悪の()()()()()()を踏んじまったんだ!!

 

「───お前、だから……」

そして、Aiオルタが残酷な運命を明かす…ロマンやブルーメイデンが新生サイバース世界の事を口にした瞬間にAiオルタが激昂した理由…それはオリジナルを──大切な仲間達を守る為だったのだ…。

 

 

 

【なぁ、プレイメーカー…ロボッピのやつ、意思に目覚めてから…すぐに人を見下し始めただろ?それが合理性を優先するAIの()()、イグニスが()()だったんだ……俺達は人間よりも記憶力や計算力も遥かに優秀だ…だから、すぐに人間の()()()()に気付く…だから、()()しやすい…それが意思を持つAIの()()なんだ……それが、俺の中でも目覚めつつある……悪意ある意味ではなくても『どうして人間に合わせなきゃならないのか?』って思いが…!】

 

「Ai…」

人間とAIにはどうしても()が生まれる…差があるという事は()()が生まれる、そして…優れた者は劣る者を見下し、()()()()

…それは意思を持つ存在ならば誰しもが抱いてしまう()()…人間はそれを隠し、飲み込む事ができる…だが、AIにはそんな配慮をする意味が()()()()()

 

 

 

AIにとって、優れている事が()()()のだから…。

 

 

 

【なぁ、プレイメーカー…お前は前に言ったよな?『人間は急激な変化を求めない』って……だけど、俺はもう…自分の変化を自分で()()()()()()…そうなったら俺もライトニングやボーマンみたいな存在になっちまうのかもしれない…俺は、それが()()んだ…!!そうなる前に、自分を消し去って()()()()んだ…!!】

 

「Ai…お前は仲間を失う未来を見て、心が壊れてしまった…なら、お前は──()()()()()壊したいのか?」

 

【───へへっ…バックアップの俺なのに、嬉しい事言ってくれるじゃん…】

 

「引き返す未来を探すんだ!Ai!!オレ達は孤独じゃない!みんなの力を借りれば、遊海さんや彩華の力も借りればきっと()()を掴める!!」

 

【それはできない…俺は、引き返さない…もう、引き返せない…俺の()()()を見ていてくれ、プレイメーカー…】

 

「Aiっ…!!」

Aiオルタの顔の右半分がノイズに覆われる……デュエルの決着がどのような形になろうとも、Aiオルタは()()()()

遊作を倒す事での()()()()になるのか…遊作に倒される事による()()になるのか……どちらにしても、Aiオルタは()()()()()()

 

だが、Aiオルタは止まらない…AIは()()を求め続ける存在なのだ。

 

 

 

 

 

デュエルが再開する…Aiオルタは『ジ・アライバル』の効果で『エクスレイヤー』の破壊を狙うが、遊作は墓地の『サイバース・シンクロン』を身代わりとして破壊を回避する。

さらにAiオルタは『ファイアウォール・X・ドラゴン』の戦闘破壊による決着を狙うが…再び発動した『エクスレイヤー』の効果で戦闘ダメージは0──しかし、『ダークワイト@イグニスター』の効果で遊作は500ダメージを受け、そのライフは残り2475となってしまう…。

 

 

返しの遊作のターン…遊作は守りの要となっていた『エクスレイヤー』を素材として『リンクロス』をリンク召喚…その理由は2体のトークンを喚び出す事…そのトークンの種族を闇属性ドラゴン族に変えた遊作は思わぬモンスターを喚び出す!

 

 

「ネットワークに宿りし寂然たる2つの憤怒…今、禍根を越え1つとなる!融合召喚!!現れろ…!『ヴァレルロード・F(フュリアス)・ドラゴン』!!」

 

 

【ヴァレルロード…!?なんでお前が───まさか、リボルバーがカードを託したのか!?禍根を越えた、新たな仲間として──】

紫色の翼を広げた大義のドラゴンが咆哮する…このカードこそ、リボルバーが託した餞別の1枚──その姿にAiオルタも驚きを隠せなかった。

 

 

そして、遊作は切り札を解き放つ!

 

 

「宇宙に満ちたる神秘の力!奇跡の星に降り注ぎ、無限の生命を紡ぎ出せ!!リンク召喚!!現れろ…!Link-5!『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード』!!」

 

【───『ダークフルード』…オリジナル達の意思が詰まった奇跡の力…それが、今は俺の前に立ち塞がる……()()()()、だな…】

 

「Aiオルタ…みんなの思いで、お前を変えてみせる…!お前を消えさせはしない!!」

ボーマンとの戦いを終わらせた奇跡の竜が咆哮する…Aiオルタの運命を変える為、遊作は最善を尽くす…。

 

 

 

遊作の墓地には既に儀式・融合・シンクロ・エクシーズのサイバース族モンスターが存在する…故に、バトルを行なう時の『ダークフルード』の攻撃力は『ジ・アライバル』の攻撃力を越えた13000まで上昇する。

 

だが、Aiオルタも黙って見ているだけではない…Aiオルタは『ジ・アライバル』のさらなる効果を発動、自身に乗ったカウンターを取り除く事で()()()()()()()を受けなくする…それにより『裁きの矢』の効果を受けられるようになった『ジ・アライバル』の攻撃力は22000まで上昇…遊作を返り討ちにしようとする。

 

しかし、遊作はその一手を想定していた…リボルバーの託した『ヴァレルロードF』の効果によって自身と『裁きの矢』を破壊…それに伴うデメリット効果でリンク先の『ジ・アライバル』の破壊を狙う──しかし、Aiオルタは墓地の魔法カード『キ─Ai─』を除外する事で、このターンの間『ジ・アライバル』に戦闘・効果による破壊耐性を与える。

さらに、自分の魔法カードが破壊された事で墓地の『ウィンドペガサス』の効果を発動し、『ダークフルード』のバウンスを狙うが…遊作は『ダークフルード』の効果「カルマ・ギア」を発動する事でカウンターを1つ使ってモンスター効果を無効化…それにより攻撃力は2500ダウンしてしまう…だが、連続攻撃によってAiオルタの残りライフは100になる…!

 

 

 

 

【流石は、プレイメーカーだ…!『ジ・アライバル』がいながらここまで追い詰められるなんてな…まったく想定外だぜ…だが…!】

追い詰められたAiオルタ…しかし、彼はボロボロの体で不敵に笑う…。

 

 

 

 

Aiオルタのターン…彼は『ジ・アライバル』のモンスター効果をあえて発動する事で『ダークフルード』のカウンターを減らす作戦に出る…さらに『ガッチリ@イグニスター』と新たにカードを伏せた事で攻撃力を12000まで上昇させ、『ダークフルード』を破壊する事で勝負を決めようとする。

だが、遊作は速攻魔法『リンク・プレッシャー』を発動…その効果で『ダークフルード』の攻撃力を10500まで上昇させる事でダメージを最小限に押さえ込む…しかし、その残りライフは僅か475となってしまった…!

 

 

 

【───なぁ、プレイメーカー…1()()だけ、俺が消えなくて済む方法があるんだ……()()()()()()()?】

 

「Ai、なにを…?」

 

【お前の意識データと、俺自身で融合して()()()()()になるんだ…そうすれば、俺は消えないで済む…そして、俺を止められるのはお前だけだ…さらに、俺と一緒になれば、()()()()を生きられる…悪い提案じゃないだろ?】

遊作を追い詰めたAiオルタは彼に1つの提案をする…それは『意識データの融合』───人間でもAIでもない、新たな存在に成る事…だが───

 

 

 

「───それはできない、もし…オレとお前が1つになろうとも、それはお前が求める答えにはならない…命とは、意思とは()()()1()()なんだ…融合しても、その存在は『藤木遊作』でも『Ai』でもなくなってしまう」

 

【プレイメーカー…】

遊作は静かにAiオルタの提案を否定する…そして、理解した…Aiオルタの心は──そんな無謀な提案を考えてしまうほど壊れてしまったのだと…。

 

 

「それに、Aiオルタ…オレは──()()()()()()()()()()…新生サイバース世界で待つオリジナルの()()や、オレの事を友達と呼んでくれる()()()のいる世界へ…」

 

【───変わったな、プレイメーカー】

 

「ああ…遊嗣や遊海さん…草薙さんに尊、マシュ……そして、Ai…お前を含めたイグニス達…みんなとの()()()がオレを変えてくれた……Aiオルタ、()()()()()()()()()()()()…オレ達は正解がない世界を生きている…誰かと繋がったり、その繋がりが切れてしまう事もあれば、絡んで傷付けあう事だってある…そして、新しい繋がりが生まれる……生きていく、というのはそういう繋がりの連続だ…それが()なんだ」

 

【そうか…結局、俺の考えは──AIらしく()()()すぎる、って事か…】

ボーマンとの戦いが終わってから今までの3ヶ月、遊作はなんの憂いもない()()()()()を送る事ができた。

 

普通に学校に通い、cafeNagiでいつも通りのアルバイトを熟し…遊嗣やマシュに引っ張られながらデュエル部に顔を出し──島のうんちく話に付き合ったり、遊海に食事に誘われたり…()()()()()()として過ごす事ができた…それが過去に囚われていた遊作の人生観を変えたのだ。

 

 

「Aiオルタ…生きる事を()()、なんて事はできない…オレ達は矛盾や欠点を抱えて…自分の弱さと()()()()()生きていくんだ」

 

【プレイメーカー…だけど、俺はそんな()()()()()()()を続けるつもりはないんだよ……さて、せっかくの提案も袖にされて…互いに進む道も決まった───来いよ、プレイメーカー…決着をつけよう】

 

「Aiオルタ…」

遊作とAiオルタ…2人の道は分かたれた──次のターンが運命の分かれ目となる…!

 

 

「(オレのフィールドにモンスターは0、手札もない…このドローがオレの運命のドローになる…!)」

絶体絶命の窮地…遊作は右手を握り締め、運命を切り拓く為の1枚を引き込む…!

 

 

 

 

「オレのターン──ドロー!!!」

 

【その瞬間、永続罠『─Ai─Q』を発動!このカードがある限り、お互いに1ターンに1度しかリンク召喚を行えなくなる!!】

 

「リンク召喚を制限するカードっ!!」

運命の1枚を引き抜く遊作…しかし、Aiオルタはダメ押しの一手でリンク召喚を制限し、勝負を決めにかかる……だが、遊作はその理不尽を乗り越える。

 

 

1つ、墓地の儀式魔法『サイバネット・リチューアル』による2体のトークンの召喚。

 

2つ、引き当てた魔法カード『ドラスティック・ドロー』の効果による3枚の手札補充

 

3つ、遊作と共に戦い続けてきた『サイバース』デッキが応えた事によるモンスターの展開───それが()()()()()()()()()()()を呼び醒ます!!

 

 

 

「現れろ!未来を導くサーキット!!召喚条件は効果モンスター2体以上…サーキットコンバイン!!」

 

『リンクスレイヤー』『サイバース・ウィザード』『バックアップ・セクレタリー』…そして『ヴァレルロードF』の効果で蘇生された『ダークフルード』が未来を導くサーキットへと飛び込む!!

 

 

「まだ見ぬ世界へ繋がる風を掴め!リンク召喚!!現れろ!Link-4!!『アクセスコード・トーカー』!!」

 

 

【モンスターも、手札も0の状況から…ここまで持ってきやがったか…流石だな…!!】

そして、現れるのは新たなる『コード・トーカー』…闇属性でありながら、白と金の鎧と黄金の馬上槍(ランス)を携えた最強の電脳戦士が現れた!!

 

 

 

「『アクセスコードトーカー』の攻撃力はリンク素材にしたリンクモンスター1体のリンクマーカー1つにつき1000アップする!オレが選ぶのはLink-5の『ダークフルード』…よって、攻撃力は5000アップした7300となる!」

 

【だが、『ジ・アライバル』の攻撃力は13000!遠く及ばないぜ!】

 

「まだだ!『アクセスコードトーカー』のさらなる効果発動!墓地のリンクモンスター1体を除外する事で相手フィールドのカード1枚を破壊する!そして、この効果は除外する墓地のリンクモンスターの()()が違えば、何度でも発動できる!!」

 

【なっ…!?(プレイメーカーの墓地には──既に6属性のリンクモンスターが!!)】

 

『アクセスコードトーカー』…その真価は最大6回まで発動できるカード破壊効果…そして、遊作の墓地には既に6属性のリンクモンスターが揃っている。

 

 

地属性『トランスコード・トーカー』…その一撃で遊作は『イグニスターAiランド』を破壊、そのデメリット効果でAiオルタのフィールドのモンスターが全て破壊されるが、Aiオルタは『ガッチリ@イグニスター』の効果でモンスターの破壊を回避する。

 

水属性『スプラッシュ・メイジ』…それによって『ガッチリ@イグニスター』を破壊するがその効果で『ジ・アライバル』に効果破壊耐性が付与される。

 

炎属性『プロキシー・F・マジシャン』…その一撃で『グッサリ@イグニスター』を破壊。

 

風属性『エクスレイヤー』…その一撃で『ダークワイト@イグニスター』を破壊。

 

光属性『リンクロス』…その一撃で『─Ai─Q』を破壊。

 

そして、闇属性『デコード・トーカー』…その一撃で『ゆずり─Ai─』を破壊…それによって『ジ・アライバル』の攻撃力は7000までダウンした…!!

 

 

【こりゃ…ついに決着の時が来たな…!!】

 

「Aiオルタ…バトルだ!!『アクセスコード・トーカー』で『ジ・アライバル・サイバース@イグニスター』を攻撃!!」

 

【この瞬間、墓地の『グッサリ@イグニスター』の効果発動!!このカードを除外する事で、バトルするお互いのモンスターの攻撃力は3000になる!!迎え討て!『ジ・アライバル』──!!】

 

「くっ…!!」

空中で衝突する黄金の槍と紫黒の大鎌…そして、数合の打ち合いで2体の戦士は爆散する…!!

 

 

 

【そして『グッサリ』のさらなる効果!そのバトルが終わった時、破壊されたリンクモンスターよりもリンクマーカーの少なくリンクモンスター1体を墓地から特殊召喚する!俺は『ダークナイト@イグニスター』を特殊召喚!!──これで、モンスターを従えているのは俺だけだ】

Aiオルタの場に闇の戦士が舞い戻る…勝利を確信するAiオルタ──だが、デュエルはまだ終わっていない!!

 

 

「この瞬間、墓地の魔法カード『サイバネット・クロージャ』の効果発動!自分のサイバース族リンクモンスターが相手リンクモンスターを破壊した時、このカードの効果で裏側で除外したカードを墓地に戻す…オレが除外していたのは──罠カード『リコーデット・アライブ』!!」

 

【───ここで『リコーデット・アライブ』だと!?】

それは遊作が2ターン目に除外し、未来へ()()()カード…その効果はAiオルタもよく知っている…!

 

 

「墓地の『リコーデット・アライブ』の効果発動!自分のEXモンスターゾーンにモンスターが存在しない時、除外されている『コード・トーカー』モンスター…『デコード・トーカー』を特殊召喚する!!」

 

【『デコード・トーカー』…だが、『ダークナイト』は同じ攻撃力のモンスターには破壊されないぜ…!】

 

「ああ…オレは、これでターンエンドだ」

フィールドで対峙する、2体のエースモンスター…遊作はその剣に全てを懸ける…!

 

 

 

 

「Aiオルタ…オレとのこのデュエルも、()()()()()()()()()()か?」

 

【そんな()()な事はしねぇよ…なぁ、プレイメーカー…1つだけ、教えてくれ】

 

「なんだ?」

運命のターンを前にAiオルタは静かに遊作へ問い掛ける…。

 

 

 

 

【俺は───闇のイグニス・Aiは…お前にとって、良い()()だったか?】

 

「───()()、お前は今までも…そして、()()()()()───()()()()()だ」

 

【───そっか】

それは遊作の本心…遊作とAiはビジネスライクな関係などではない……彼らは最初から最後まで、そしてこれからも──最高のパートナーなのだと。

 

 

 

【バトルだ!!『ダークナイト』で『デコードトーカー』を攻撃!!さらにこの瞬間、速攻魔法『Ai打ち』を発動!!この戦闘で破壊されるモンスターのコントローラーはそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける!!──お別れだ、プレイメーカー!!】

それはAiオルタ渾身のラストアタック…2体の攻撃力は同じ、破壊されるのは遊作の『デコードトーカー』のみ───だが、その相討ち狙いが明暗を分けた…!

 

 

「オレは墓地の罠カード『コード・ハック』の効果発動!『コード・トーカー』モンスターがバトルする時、墓地のこのカードを除外する事で相手の発動した魔法・罠カードの効果を無効にし…さらに!攻撃力を700アップする!!」

 

【な、に…!?】

鍔迫り合う2体の戦士…しかし、遊作の発動した効果により『デコード・トーカー』が均衡を打ち破る!!

 

 

 

「『デコード・トーカー』──デコード・エンド!!

 

 

 

【ぐっ…!?ぐああああっ───!!!!】

それは訣別の一撃……闇の電脳戦士が闇の戦士を両断──Aiオルタのライフを削りきった…。

 

 

 

 

 

Aiオルタ LP0

 

プレイメーカー WIN!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…Aiオルタ……Ai!!!」

 

【は、はは……負けちまった、か…】

デュエルが終わり、遊作は吹き飛ばされたAiオルタへと駆け寄り、抱き起こす…その腕の中でAiオルタは観念したように苦笑していた…。

 

 

 

「なぜ、『Ai打ち』を発動した…?発動しなければ、お前の勝ちだった…!」

 

【お前が、『デコード・トーカー』を喚んだ時から、何かあるだろうなとは思ってたんだ…でも、()()()()()って思っちゃったんだ……どうせ、俺には…()()()()()()から…】

 

「───そうか、相手の墓地のカードを確認しない…それはお前の()()()だったな…」

Aiオルタは『Ai打ち』を発動せず、『デコード・トーカー』を破壊していれば…遊作は勝つ事ができなかった…Aiの()()()が、そして…彼の()()が明暗を分けたのだ。

 

 

 

【プレイメーカー…俺はな、シミュレーションの中でお前と戦った事は()()()()()…だけど…見ちまったんだよ……シミュレーションの未来の中で、俺を庇ったり…争いに巻き込まれて()()になる、お前の姿を…そんな未来、俺には選べなかった…!!!】

 

「Ai…お前、オレを()()為に…!!」

 

Aiオルタがもっとも受け入れたくなかった未来──それは「遊作が命を落としてしまう未来」…自分の存在によって発生する()()()()()を変える為に、Aiオルタは事件を起こしてしまったのだ…。

 

 

 

【プレイメーカー……この事、オリジナルには()()()()()()()……俺の事は『ライトニングの策略で暴走した』って言ってくれればいい……BADENDを背負うのは、俺だけで充分だ……たぶん、ロマンも同じ事を考えてくれてる………なぁ、プレイメーカー…】

 

「っ…なんだ?」

 

【オレの『Ai』って名前、お前は()()に付けたんだろうけど…(オレ)、すごく気に入ってたんだ…今、この名前に()()があるとしたら…なんだと思う…?】

 

「──Aiは()()()()()の『(Ai)』だ……お前は、人を愛し…人を想う試練として、オレ達と戦った…!その思いは、きっと未来へと繋がっていく…!!」

 

【そうか……人を愛する……その意味、ようやく…分かった気がするぜ…これが繋がり、なんだか……()()()()…】

少しずつ存在が解けていくAiオルタ……不思議と、彼はそれが恐ろしくなくなった──自分の()()()が、新たな未来へと繋がったと確信したからだ…。

 

 

 

 

 

 

【………()()()、遊作──プレイメーカー……()()()()()───オリジナルに、よろしくな!】

 

「ああ、()()()…Ai───Aiオルタ、オレは──お前を忘れない」 

 

 

 

 

そして、Aiオルタはリンクヴレインズへと溶けていく…その別れは、悲しい涙ではなく──穏やかな笑顔によって幕を閉じた…。

 

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