転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

自分でも知らないうちに心に傷を負ってしまっていた遊嗣、そして…遊作への想いを自覚した葵。

2人の為に歴戦のヒロイン達が出した答えとは…?


それでは、最新話をどうぞ!


時空を越えた交流〜幻影の眼〜

 

 

「父さん…なんで…なんで…!!!」

 

 

 

──覚えている──

 

 

 

「……つま、り…父さん…を……父さんを、死なせた…のは───僕…?」

 

 

 

──突然、地面が抜け落ちたような絶望を──

 

 

 

 

 

 

 

「マシュ…!?ああ…そんな、なんで…!?なんで…体が冷たいの…?!マシュ…起きて…マシュ!!マシュ!!!」

 

 

 

──忘れられない──

 

 

 

「ああ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!嘘だ…嘘だああああああ!!!」

 

 

 

──体温を失った、大切な人の冷たさを──

 

──虚構の世界の出来事だったとしても…あの激情は消えてくれない──

 

 

 

 

 

《■■■■■■──!!!!》

 

 

 

 

 

 

──怖い…いやだ……いやだ…!!──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これは……もう少し掛かってしまうかな……遊嗣君、こればっかりはキミが自分の力で乗り越えないとね…信じているよ』

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「ん…?財前?こんな所で何をしているんだ?」

 

「藤木君?あなたこそ…」

とある休日…遊嗣に呼び出された遊作は白波家へと足を運んでいた……その時、偶然同じ方向に歩く葵を見かけて声を掛けたのだ。

 

 

「マシュさんとちょっと約束があって…この住所に向かっているんだけど……」

 

「この住所…遊嗣の家だな、間違いない…丁度、オレも遊嗣と約束があったんだ」

 

「えっ?これって偶然?」

 

「…さぁな」

マシュと約束があるという葵…彼女が向かうのは偶然にも白波家の住所だった…思わぬ事に遊作と葵は顔を見合わせた…。

 

 

 

 

「財前さん!藤木さん!お待ちしてました!」

 

「マシュさん…これ、どういう事?」

 

「なんで、財前とオレを遊嗣の家に…」

遊作の案内で白波家に辿り着いた葵…そんな2人を出迎えたのはマシュだった。

 

 

「ああ、すまない遊作君…遊嗣とマシュちゃんに2人を呼んでもらったのは俺なんだよ」

 

「遊海さん!?」

 

「貴方が…白波君のお父さん、メタルナイト…いえ…伝説のデュエリスト…!」

 

「こうして生身で会うのは、はじめましてかな?財前葵さん…俺の名前は白波遊海──遊嗣の父親だ、いつも息子と仲良くしてくれてありがとうな」

そして、その後ろから現れたのは…赤帽子の青年、遊嗣の父親たる白波遊海…彼が葵の前に現れた事に遊作は目を丸くしている。

 

なお、葵は兄である晃からの又聞きで『遊嗣の父親は伝説の決闘者である』…という事は知っていた。

 

 

 

「遊海さん…何故、オレと財前を呼び出して…?」

 

「あー…それがな?海馬社長に異世界交流に相応しい、新しい世代のデュエリストを連れてきてくれ…と、頼まれてな…遊嗣とマシュ以外でぱっと思い付いたのがプレイメーカーとブルーエンジェル、遊作君と財前さんだったんだよ」

 

「異世界、交流?」

遊作の問い掛けに頭を掻きながら答える遊海…その言葉に葵は首を傾げる…。

 

 

「実は、Aiやアクア…イグニス達の暮らす新生サイバース世界以外にも、俺達の暮らす世界の周りにはいくつもの異世界がある…そのうちの1つ、ARC次元…という世界の仲間から、リンクヴレインズで戦うデュエリストのデュエルを見てみたいとお願いされてね…どうかな?世界を渡って()()()()()を見てみないか?」

 

「───新しい、世界…」

 

「えっ…と…ちょっと待ってください!!マシュさん、ちょっといいかしら…!」

 

「あ、はい!」

遊海の言葉を聞いて驚いた様子の遊作…そして、葵はマシュを呼び寄せて小声で話し始める。

 

 

 

「(マシュさん、異世界の存在は信じるけども…なんで藤木君と私なの!?)」

 

「(その…葵さんのお悩みを私の恋の()()方に相談したら、同じ景色や新しい経験を共有すると仲が深まりやすいとアドバイスを頂きまして…トントン拍子に…それから、今回の事は遊嗣さんの()()()()も兼ねていて…私と2人よりも、藤木さんや財前さんのような友達が一緒の方が、遊嗣さんも楽しめるだろう…との事で……)」

 

「(なるほど…私や白波君の為に、色々考えてくれてたんだ…ありがとう)」

 

「(いえ…!こんな急な形になってごめんなさい…!)」

ヒロイン会での相談の結果、遊作に広い世界を見せる為…そして、遊嗣の気分転換も兼ねて…2人を楽しいデュエルの()()とも言えるARC次元に招く事になり、さらにどうせなら葵も招こうという流れになり…実質的なW()()()()のような形になってしまったのだ。

 

 

なお、今回の事情を全て知っているのは翠・彩華・マシュとヒロイン会のメンバーのみ…遊海には『遊作に新しい未来へ進んでもらう為』『遊嗣の気分転換』という部分しか伝えられていない。

遊嗣に関しては──異世界交流を兼ねて、とある人物とのデュエルをみんなに見てもらう…という説明で済まされている。

 

 

 

 

「あ、ありがとうございます!白波遊海さん!その依頼、受けさせてください!」

 

「ははっ、ありがとう財前さん!遊嗣〜!翠〜!用意できたか〜?そろそろ出発するぞー!」

 

「はーい!お待たせしました〜!」

 

「お待たせ父さん!遊作君!財前さんも!今日はよろしく!」

 

《フォウ、フォーウ!(久しぶりのARC次元だ〜!)》

葵の言葉を聞いた遊海は家の中へと声を掛ける…そして、ランチボックスを持った翠と遊嗣、フォウが準備万端の様子でやってきた。

 

 

「それで、その異世界という場所にはどうやって行くんですか…?」

 

「なに、そんなに時間は掛からないさ!彩華!頼むぞ〜!」

 

《了解です!『アポクリフォート・キラー』ステルスモードで現界…ARC次元への出発準備はできています!》

 

「わ、あ…!?なんですかアレ─!?」

葵の問い掛けに遊海は彩華に声を掛ける事で応える…そして、葵は上空に現れた半透明の機械要塞に驚愕の声を上げる…。

 

 

《では…ゲストの皆さんと一緒に、ARC次元に出発です!》

そして、彩華に回収された遊海達はARC次元へと旅立った…。

 

 

 

…………

 

 

 

「ここが、ARC次元…!見た目では、オレ達の世界と大きくは変わらないが…これが異世界か…!」

 

「ここは一番オーソドックスな中心世界、ペンデュラム次元の舞網市…他にもシンクロ次元・融合次元・エクシーズ次元があってな、そちらはまた違った街並みなんだ」

 

「すごい…」

次元回廊を進む事しばらく…遊海達はペンデュラム次元、舞網市上空に辿り着く…遊作や葵は初めての景色に目を丸くしている…。

 

 

「なんだか、懐かしいような…新鮮なような…不思議な気分……たぶん、10年振りくらいになるのかな」

そして、一方の遊嗣は懐かしそうな…しかし、ワクワクしたような表情を見せる…遊嗣自身が舞網を訪れるのは本当に久しぶりだった。

 

 

 

 

「遊海!久しぶり!」

 

「おお、遊矢!悪いな、場所を借りる事になって!」

 

「良いって!父さんや修造さんも喜ぶよ!」

そして…地上に降りた遊海達を出迎えたのは赤いタキシードを来た青年、榊遊矢だった…デュエルの場所として遊勝塾のデュエルフィールドを借りる事になっていたのだ。

 

 

「遊作君は一度会ったかな?ARC次元のプロデュエリストの榊遊矢だ!今日は彼の所属するデュエル塾・遊勝塾のデュエルフィールドで戦ってもらう!」

 

「「デュエル塾?」」

 

「こちらの世界では私達の世界以上にデュエルモンスターズが流行っているの!だから学習塾の代わりにデュエルを習う『デュエル塾』がたくさんあるのよ!様々な召喚法を教えている最大手の『LEO・デュエルスクール』に、とにかく美しさを求める『美しきデュエル塾』とか、食材系のモンスターを扱う『霧隠料理スクール』…魔法・罠カードを使わないデュエルをする『権現坂道場』…街中を歩くとすごいのよ〜!」

 

「「へぇ…!」」

翠から自分達の世界には少ないデュエル塾、という存在について聞かされた驚く遊作と葵…そして、彼らは遊勝塾の中へと案内された…。

 

 

 

 

「わぁ〜!!遊嗣君久しぶり〜!!ダーリンから聞いたわ…大変だったわね〜!!もう心配で心配で仕方なかったのよ〜!?」

 

「み、ミエルさん…!ご心配おかけしました…苦ひい…」

デュエルフィールドの見学室…そこには数人の人々が集まっていた。

最初に飛び出してきたのは榊ミエル…夫の遊希などからミラー・リンクヴレインズ事件やAiオルタ事件について聞かされていた彼女は温かく遊嗣を抱きしめている。

 

 

「ふっ…無茶を言って悪かったな遊海…新世代のデュエリストの力、零児共々見せてもらうとしよう」

 

「海馬社長、零児…リンク召喚をこっちの次元でも実装するつもりで?」

 

「まだ、様子見の段階だ…こちらの次元のルールや既存のルールではペンデュラム召喚の自由度が制限されてしまうからな」

 

「うーん…それが難しいんだよな…こっちの世界にはペンデュラム召喚がないから、大きな問題にはなってないけど…」

遊海を出迎えたのは舞網における二大巨頭──KCの社長たる海馬瀬人、そしてLEOコーポレーション社長の赤馬零児…2人はこのデュエルでリンク召喚のデータを収集するつもりらしい。

 

 

 

『やぁ、遊作君!久しぶりだね、元気にしてたかい?』

 

「遊希さん…お久しぶりです」

そして、集まった人々のオーラに気後れしていた遊作と葵に声を掛けたのは白い髪に青いジャケットを着たデュエリスト、榊遊希だった…彼に声を掛けられた遊作は静かに挨拶を交わす。

 

 

「えっ…藤木君、異世界の人と知り合いなの?」

 

「ミラー・リンクヴレインズの戦いの後に()()あってな…この場にいるデュエリスト達の半分とは顔見知りなんだ」

 

「そうなんだ…」

遊作が異世界の決闘者と知り合いである事に驚く葵…その言葉に遊作は最低限の答えを返す。

 

『歴史改変』事件そのものは葵に衝撃が大きすぎると判断したのだ。

 

 

『キミの話も聞いているよ?電脳世界・リンクヴレインズのアイドルデュエリスト、ブルーエンジェルこと財前葵さんだね?僕は榊遊希、プロのアクションデュエリストさ』

 

「よろしくお願いします!……プロの、アクションデュエリスト?」

 

「あれ?遊嗣から聞いてないの?なら、楽しんでもらえるかな?」

 

「「???」」

葵へと自己紹介をする遊希…その中で聞いた事のない単語を聞いた2人は首を傾げ…遊希は笑っていた。

 

 

「(翠さん、マシュちゃん!とりあえず、遊嗣君は大丈夫そう?)」

 

「(ええ、気分も安定してるみたい!少しでもデュエルを楽しんで…悪い思い出を忘れてくれるといいんだけど…)」

 

「(はい…)」

 

《フォーウ?(みんな〜!ナイショ話なんてしてどうしたの〜?)》

 

「「「わっ!?」」」

 

《キュウ?(そんなに驚かなくても…)》

そして、小さな声で話し合う柚子と翠とマシュ…しかし、フォウに会話を聞かれて跳び上がってしまうのだった…。

 

 

 

 

 

「とりあえず…トップバッターは遊嗣だな!遊作君達にアクションデュエルのお手本を見せてあげてくれ!」

 

「うん!分かった!」

 

『遊矢、こっちからは僕が行くよ…この前は本気で戦えなかったからね!』

 

「ああ!お願い遊希兄!」

ひと通りの自己紹介が終わり、DM世界チームからは遊嗣が…ARC次元チームからは遊希がデュエルフィールドへと向かう!

 

 

 

「遊希さん!胸をお借りします!」

 

『ははっ…!戦いを乗り越えて、ずいぶん強くなったみたいだね、遊嗣…今度の僕は──本気でいかせてもらうよ!』

金網に覆われた屋上のデュエルフィールドで向かい合う遊嗣と遊希…その体からは闘志が溢れているようだった…!

 

 

 

 

「くぅ〜!!まさか、我が遊勝塾が異世界交流の舞台になるとは…光栄な事ですね遊勝先輩!」

 

「ああ、遊海さんの息子…そして、DM世界のデュエリストの実力を見せてもらうとしよう!リアルソリッドビジョン起動!」

 

「はい!アクションフィールド『マジカル・ブロードウェイ』発動〜!!遊希!熱血だぁ!!!」

そして、デュエルフィールドの操作室では遊勝塾の塾長、柊修造とアクションデュエルの発案者、榊遊勝が見守る中…世界を塗り替える投影機の電源が入れられた!

 

 

 

 

「えっ…これは…!?デュエルフィールドが、街中の景色に変わっていく!?」

 

「これは…ソリッドビジョン…いや、質量を持ったリアルソリッドビジョンか…!?」

 

「その通り!ARC次元は俺達の世界よりもリアルソリッドビジョンが普及し、その性能も高い…各塾には大型の投影装置が当たり前にあったり…一部のデュエリスト達はデュエルディスクに簡易的なアクションフィールドを投影できる装置を取り付けているのさ!」

投影機の起動と共にデュエルフィールドの景色がイルミネーションが煌びやかな劇場街へと塗り替わる…その様子を見た遊作と葵は目を丸くし、遊海が状況を解説している。

 

 

「綺麗…!これが、本場のアクションフィールド…!」

 

「そっか、マシュちゃんは『クロス・オーバー』しか見たことないものね!他にもサーカスだったり、霧の街や巨大キッチン…色々な種類のアクションフィールドがあるのよ?」

 

「わぁ…!楽しみです!とりあえず…遊嗣さん!頑張って─!!」

 

「ふふっ、私も負けてられないわ!頑張って!ダーリン!!」

アメリカのブロードウェイを思わせるアクションフィールドに目を輝かせながら、マシュは遊嗣を応援し…それに負けないようにミエルも声援を送る!

  

 

 

 

『遊嗣、ルールはこの前と一緒でいいかな?』

 

「はい!よろしくお願いします!!」

遊嗣へと確認を取った遊希…久しぶりのアクションデュエルが幕を開ける!

 

 

 

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』

 

 

「モンスターと共に地を駆け、宙を舞い!」

 

 

『「フィールド内を駆け巡る!!」』

 

 

『見よ!これぞデュエルの最強進化系!!アクショーン!!』

 

 

「『デュエル!!』」

遊嗣と遊希、二人の明るい口上と共に無数のカードが花吹雪のように散らばり、デュエルの幕が上がった!

 

 

 

 

 

遊嗣LP4000

遊希LP4000

 

 

アクションデュエル フィールド魔法『マジカル・ブロードウェイ』発動中

・アクションカードは手札に1枚しか加えられない。

 

 

変則ルール発動中

 

遊嗣側

 

・マスタールール(新)発動中

EXモンスターゾーンを一枠使用可能

魔法・罠ゾーンの右端と左端がペンデュラムゾーン兼用化

 

遊希側

・マスター・ルール(ARC-V)発動中

EXモンスターゾーン使用不可

ペンデュラムゾーン使用可能

ペンデュラム召喚時の召喚条件緩和

 

 

 

 

 

「僕の先攻!僕のターン!」

「手札の『斬機サーキュラー』の効果!デッキから『斬機マルチプライヤー』を墓地に送り、手札のこのカードを特殊召喚!」

半円状の両刃刀を持つ虹色の装甲の戦士が現れる! ATK1500

 

「さらに『斬機シグマ』を召喚!!」

赤と白の装甲を持つヒロイックな斬機士が現れる! ATK1000

 

 

「そしてこの瞬間!『サーキュラー』の効果発動!!自身がフィールドに存在する時に『斬機』モンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『斬機』魔法・罠カード1枚を手札に加えられる!僕は罠カード『斬機帰納法』を手札に加える!さらに僕はレベル4の『サーキュラー』にレベル4の『シグマ』をチューニング!!」

 

4+4=8

 

「集いし星が炎の剣を呼び起こす!願いを繋ぐ道となれ!シンクロ召喚!!現れろ!レベル8!『炎斬機マグマ』!!」

夜のブロードウェイに紅蓮の炎が逆巻き、熱き炎を宿すヒロイックな剣士が現れる! ATK2500

 

 

「僕はカードを3枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊嗣LP4000

炎斬機マグマ 伏せ3 手札1

 

 

 

 

「遊嗣は斬機デッキか…普段通りの中での本気デッキだな」

 

「ブラッドシェパードやシャドウ・ネームレス?っていうデュエリストを倒したデッキね…相手はどんなデッキなのかしら?」

 

「遊希さんは『EM』や『魔術師』というデッキを使うデュエリストなんです!この前は遊嗣さんが勝てたんですが──」

 

「ふふっ…この前のダーリンは本気だけど、全力ではなかったのよ?ダーリンの本当の実力を見せてあげて〜!!」

斬機デッキの安定した展開を見せる遊嗣…しかし、ミエルは楽しそうに笑っていた。

 

 

 

 

『僕のターン!ドロー!!』

『僕は「EMドクロバット・ジョーカー」を召喚!』

黒いドクロのシルクハットを被った道化師が現れる! ATK1800

 

 

『「ドクロバット・ジョーカー」の効果発動!通常召喚に成功した時、デッキから「EM」モンスター「EMリザードロー」を手札に加える!そして僕は手札のスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!!」』

 

PENDULUM!!

 

 

「えっ…!?あれは、白波君が…ライトニングと戦った時の…!?」

 

「遊希さん…!やはり、ペンデュラム使いだったのか!」

遊希の背後に立ち上がる光の柱…その中に仮面を着けた赤のドラゴンと一本角を持つ緑のドラゴンが浮かび上がる。

その光景を見た葵は見慣れない光景に目を見開き、遊作は予想が当たったらしく驚愕している…!

 

 

 

「ペンデュラム…しかも、あの『オッドアイズ』は…!!」

 

『いくよ!これで、僕はレベル2から7のモンスターを同時に召喚可能!!揺れろ!魂のペンデュラム!全能の力よ…歴史を刻め!ペンデュラム召喚!!手札からレベル3「EMリザードロー」!レベル7「EMスライハンド・マジシャン」!そして…来い!僕のエースモンスター!!二色の眼揺らめく幻影!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!!』

遊希の頭上で黄色の水晶のペンデュラムが軌跡を描く…その軌跡は異次元への扉となり、紳士服を着たエリマキトカゲ・下半身が宝石になった奇術師、そして…遊希のエースモンスター──赤と青色の眼を持ち、堅い外骨格を纏うオッドアイズが現れる!! DEF600 ATK2500 ATK2500

 

 

 

「綺麗…!!」

 

「財前、これがARC次元で生み出された…オレ達が知らない第7の召喚法…『ペンデュラム召喚』、魔法とモンスター…2つの側面を合わせ持つペンデュラムカードを使い、条件を満たす事で手札やEXデッキからモンスターの大量展開が可能になるんだ」

 

「それが、ペンデュラム召喚…藤木君は元々知っていたの?」

 

「ああ、遊嗣と遊海さんがデュエルをする時に教えてもらったんだ」

空中に描かれる光の軌跡に目を奪われる葵へと遊作がペンデュラム召喚について解説する。

 

 

 

 

《グアアアン!!》

 

「この力、感じる…『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』…あのカードは、僕の──()()()()の……」

 

『──そう、このカードは()()()()の時、「覇王龍ズァーク」から分かれた善性のカケラ…らしいね!それが、遊矢のペンデュラムの覚醒によって実体化した…この世界で2番目に生まれたペンデュラムモンスターだ!』

咆哮する幻影のオッドアイズ…その声を聞いた遊嗣の瞳が自然に金と蒼のオッドアイズに変化し、正体を感じ取る。

『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』…その正体は次元創世の際、遊海の力に引き寄せられたズァークの善性の欠片…以前のズァークはその姿を正しく認識する事ができなかったが、遊嗣はその雄々しき姿をしっかりと見る事ができていた…。

 

 

 

『いくよ、遊嗣!僕は「スライハンドマジシャン」の効果発動!手札1枚を墓地に送り、遊嗣のフィールドの表側表示のカード…「炎斬機マグマ」を破壊する!!』

 

「させない!罠カード発動!『無限泡影』!『スライハンドマジシャン』の効果を無効にする!」

水晶玉をジャグリングし、炎の斬機士を破壊しようとするスライハンドマジシャン…しかし、巨大な泡に包まれた事でジャグリングを封じられてしまった!

 

 

 

『流石…!じゃあ、バトルだ!「スライハンドマジシャン」で「炎斬機マグマ」を攻撃!』

 

「永続罠『斬機帰納法』発動!!その効果で自分フィールドのサイバース族モンスターの攻撃力は500アップする!!」

 

「上手いな…!このタイミングの発動なら、遊希さんは攻撃を止められない!」

 

「ふふっ…それはどうかしら?ここからが()()()()()()()()()の真骨頂よ!!」

 

「「アクションデュエル?」」

炎のオーラを纏い、奇術師の攻撃に備える炎の斬機士…それは普通なら、遊希の返り討ちで終わる展開だが──アクションデュエルにおいてはそうとは限らない! 

 

炎斬機マグマATK2500→3000

 

 

『「スライハンドマジシャン」!!』

 

《───!!》

 

「えっ──!?」

 

「水晶玉を踏み台に、高く跳び上がった!?」

奇術師に合図を送る遊希…すると奇術師の飛ばした水晶玉を踏み台にした彼は街灯に貼りついていた『A』と書かれたカードを掴み取る! 

 

 

『アクションマジック「パワー・クリスタル」!「スライハンドマジシャン」の攻撃力を800ポイントアップする!!いけ!クリスタル・ジャグリング!!』

 

 

「拾ったカードを、発動した!?」

そして拾ったカード──「アクションカード」の効果が起動…奇術師の水晶玉が光を纏い、炎の斬機士へと放たれる!

 

スライハンドマジシャンATK2500→3300

 

 

「っ─!!あった!!アクションマジック『奇跡』!!このバトルで『マグマ』は破壊されず、受けるダメージは半分になる!くっ…!?」

しかし、遊嗣も負けじとゴミ箱の上にあったアクションカードを発動…被害を最小限に押さえる!

 

遊嗣LP4000→3850

 

 

 

「今のは…!?」

 

「は、はい!これが、ARC次元でもっとも主流なデュエル──アクションデュエルです!」

遊嗣と遊希…二人の攻防を見て戸惑う遊作と葵にマシュがアクションデュエルについて説明する。

 

 

 

「アクションデュエルではリアルソリッドビジョンで構築され、アクションフィールド内に散らばった『アクションカード』を拾って手札に加え、好きなタイミングで発動できるんです!ただし、拾えるカードは運次第…場合によっては自分に不利なカードを拾ってしまう、という場合もあるとか…」

 

「つまりランダムな『スキル』を何度でも発動できるようなものか…!」

 

「これが、新しい世界のデュエル…!」

マシュの説明を聞いた遊作達は経験した事のないルールのデュエルに驚く…彼らもDボードに乗りながら、『スキル』を発動できる『スピード・デュエル』の経験はあるが…これほど自由なデュエルは聞いた事がなかったからだ…。

 

 

「アクションデュエルはデュエル前の口上通り、モンスターと共に地を駆け…宙を舞い、フィールドを駆け回る…きみ達にもいい()()になると思ってね、まずは遊嗣達のデュエルを見て感触を掴んでくれ!」

遊海は楽しそうに笑いながら遊作達に声を掛けていた。

 

 

 

『遊嗣、続けていくよ!「ファントム」で「炎斬機マグマ」を攻撃!さらに、アクションマジック「突撃」を発動!攻撃力を600アップ!』

アクションマジックの効果で攻撃力を増した幻影のオッドアイズが炎の斬機士へと突進する!

 

オッドアイズファントム ATK2500→3100

 

 

「っ…なら!アクションマジック『回避』!その攻撃を無効にする!!」

 

『アクションマジック「ノーアクション」!!アクションマジックの発動を無効にし、破壊する!!放て!夢幻のスパイラル・フレイム!!』

 

「くっ─!?」

赤と青の炎の螺旋が遊嗣のモンスターを撃ち抜く!!

 

遊嗣LP3850→3750

 

 

「速いし、強い…!これが、遊希さんの本気…!『炎斬機マグマ』の効果!このモンスターが戦闘、または効果で破壊された時!デッキから『斬機』魔法・罠カード…『斬機刀ナユタ』を手札に加える!」

以前のデュエルとは比べ物にならないキレを見せる遊希の実力に戦慄する遊嗣…だが、遊希のターンはまだ終わっていない…!

 

『「ファントム」の効果発動!1ターンに1度、ペンデュラム召喚されたこのモンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時!相手に自分のペンデュラムスケールに存在する「オッドアイズ」カード1枚につき1200ダメージを与える!僕のペンデュラムスケールには「オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン」と「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」の2枚…つまり、2400ダメージを与える!幻視の力─アトミック・フォース!!』

 

「なっ…!?うわああ!?」

続けて放たれたペンデュラムスケールからの炎の息吹が遊嗣のライフを大きく削る!

 

 

遊嗣LP3750→1350

 

 

 

「遊嗣さんが、こんな一方的に…!?」

 

「遊嗣の実力はプロデュエリストと遜色ないと思っていたが……これが、この次元のプロデュエリストの力…!」

 

「でも…白波君はまだ諦めてないわ!」

仲間達の中でも高い勝率を誇る遊嗣が追い詰められる姿を見て動揺する遊作とマシュ…しかし、葵は遊嗣の様子からまだ打つ手を残している事に気付く…!

 

 

『続けて「ドクロバット・ジョーカー」でダイレクトアタック!さぁ、どうする!!』

 

「なら、こうします!!罠カード発動!『斬機超階乗』!!その効果で墓地の『シグマ』『サーキュラー』『マルチプライヤー』の3体を効果を無効にして特殊召喚!」

遊嗣の場に3体の斬機士達が現れる!

 

シグマATK1000→1500

 

サーキュラーATK1500→2000

 

マルチプライヤーATK500→1000

 

 

『一気に3体のモンスターを…だけど、まだ終わりじゃなさそうだね!?』

 

「はい!そして僕は特殊召喚したモンスター3体でエクシーズ召喚ができます!僕はレベル4の『シグマ』『サーキュラー』『マルチプライヤー』でオーバレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!黒鉄の鎧を纏いし斬機士よ!その瞳で勝利の方程式を見極めろ!『塊斬機ダランベルシアン』!」

銀河の爆発の中から電磁波を纏う黒鉄の騎士が現れる! ATK2000→2500

 

 

『攻撃力2500か…「ドクロバット・ジョーカー」で超えるのは難しいかな?』

 

「『ダランベルシアン』の効果発動!このモンスターがエクシーズ召喚に成功した時、ORUを任意の数使い!効果を発動できる!僕はORUを3つ使って効果発動!1つ使った効果でデッキから魔法カード『斬機方程式』を手札に加え、さらに3つ使った効果でデッキのレベル4モンスター『斬機ディヴィジョン』を手札に加える!」

 

『なるほど、次のターンに挽回を狙ってくるか…僕はこれでターンエンド!』

 

「ここだ!永続罠『斬機帰納法』のさらなる効果発動!フィールドに『斬機』モンスターが存在する時、フィールドのこのカードを墓地に送る事でフィールドのカード1枚を破壊する!僕は遊希さんのペンデュラムスケールの『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』を破壊!!」

 

『おっとぉ!?』

遊希によるダイレクトアタックを回避した遊嗣は次のターンに備えるべく、遊希のペンデュラムスケールを破壊した…!

 

 

ダランベルシアン ATK2500→2000

 

 

遊希LP4000

オッドアイズファントム スライハンドマジシャン リザードロー ドクロバットジョーカー (P オッドアイズペルソナ) 手札0

 

 

 

「っ…本気の遊希さん、強い…!!これが、プロデュエリスト…!」

 

『ははっ…遊海には及ばないけど、僕もそれなりに戦いを乗り越えてきたからね!さぁ、遊嗣!きみの次の手を見せてくれ!』

 

「はい…いきます!!」

1ターンにして追い詰められてしまった遊嗣…だが、その闘志は消えていない!

 

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「『ダランベルシアン』の効果発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースする事で、手札・墓地から『斬機』モンスター1体を特殊召喚できる!僕は『ダランベルシアン』自身をリリース!墓地の『斬機マルチプライヤー』を特殊召喚!」

黄色の鎧を纏う、二刀流の斬機士が現れる! DEF2000

 

「そして、手札の魔法カード『斬機方程式』を発動!墓地の『斬機シグマ』の攻撃力を1000アップして特殊召喚!」

再びヒロイックな斬機士が現れる! ATK1000→2000

 

「さらに!手札の『斬機ディヴィジョン』を召喚!」

黄色の鎧を纏う、大薙刀を構える斬機士が現れる! ATK1500

 

 

「僕はレベル4の『ディヴィジョン』と『マルチプライヤー』にレベル4の『シグマ』をチューニング!!」

 

4+4+4=12

 

「集いし絆が紅蓮の刃を呼び覚ます!願いを繋ぐ道となれ!シンクロ召喚!!現れろ!レベル12!『炎斬機ファイナルシグマ』!!」

夜の劇場街を炎で照らす、灼熱の刃を持つ剣聖が現れる! ATK3000

 

 

『レベル12のシンクロモンスター…!これは一筋縄ではいかなそうだ…!!』

 

「よし…!まずはシンクロ素材として墓地に送られた『マルチプライヤー』と『ディヴィジョン』の効果発動!!『マルチプライヤー』が墓地に送られた事で、サイバース族の『ファイナルシグマ』の攻撃力はこのターンのエンドフェイズまで2倍になる!さらに『ディヴィジョン』の効果で『オッドアイズ・ファントム』の攻撃力を半分にする!!」

 

『なんだって!?』

2体の斬機士の幻影が剣聖を強化し、遊希のエースモンスターの攻撃力を半減させる!

 

ファイナルシグマ ATK3000→6000

 

オッドアイズファントム ATK2500→1250

 

 

「さらに!EXモンスターゾーンに存在する『ファイナルシグマ』は『斬機』カード以外のカード効果を受けず、このカードが相手に与える戦闘ダメージは2倍になる!!」

 

『カード効果を受けない…つまり、「回避」じゃ受けきれないし…「奇跡」で半減しても…!』

 

「その通り…!さらに、ダメ押し!装備魔法『斬機刀ナユタ』を『ファイナルシグマ』に装備!」

炎の剣聖が巨大な大剣を構える!

 

 

「バトル!『ファイナルシグマ』で『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』を攻撃!さらに『斬機刀ナユタ』の効果発動!装備モンスターがバトルする時、デッキから『斬機アディオン』を墓地に送る事で、その攻撃力分『ファイナルシグマ』の攻撃力をアップする!」

 

『攻撃力7000!!』

大剣から紅蓮の炎が噴き出す!!

 

ファイナルシグマ ATK6000→7000

 

 

「いっけぇ!『ファイナルシグマ』!!大紅蓮爆炎刃!!

 

『っ─!!!』

紅蓮の刃が幻影のオッドアイズを両断…フィールドは爆煙に包まれた!!

 

 

 

 

「ダーリン!」

 

「ほう…遊嗣の奴め、腕を上げたな…遊希をここまで追い詰めるとは…D()M()()()()()()()()()()()、これで決着だったろう」

 

「海馬社長…?まだ、決着はついてないと?」

 

「ふっ…この程度の窮地、遊希ならば軽々と乗り越えるだろうよ──奴は英雄の半身であり、この次元でもトップクラスのアクションデュエリストなのだからな」

爆発に飲まれた遊希を案じるミエル…しかし、海馬は動じない…何故ならば、遊希の強さを信じているからだ。

 

 

 

「っ…どうなった…?」

爆煙の中を睨む遊嗣…勝利を知らせるブザーはまだ鳴らない、そして煙が少しずつ流れ出し───

 

 

《アハハハ!!》

 

《リザリザー!》

 

 

「───はっ?」

煙の中から現れたのは楽しそうにステップを踏む『ドクロバットジョーカー』と『リザードロー』達…その頭上には『祭』と書かれた赤い提灯が輝いている…。

 

 

 

『僕はアクションマジック「イリュージョン・ダンス」を発動していたんだ…このカードはフィールド上の表側攻撃表示のモンスターを全て守備表示にする、遊嗣のモンスターが守備力貫通効果を持っていなくてよかったよ!』

 

「あの一瞬でアクションカードを…!」

煙の晴れた先、遊希は街灯の上で汗を拭う…その身体能力で遊嗣の攻撃を受けきったのだ。

 

 

オッドアイズファントム ATK1250→DEF2000

 

ドクロバットジョーカー ATK1800→DEF100

 

スライハンドマジシャン ATK3300→DEF2000

 

 

『そして「ファントム」が破壊された事で「リザードロー」の効果発動!フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された時、自分フィールドの「EM」モンスター1体につき1枚ドローできる!僕のフィールドには3体の「EM」がいる、よって3枚ドロー!!』

 

『(僕が『オッドアイズ・ファントム』を攻撃する事を見越して展開を…!すごい…!!)僕はこれで、ターンエンド!「ファイナルシグマ」の攻撃力は元に戻る!』

 

『アクションマジック「イリュージョン・ダンス」の効果で守備表示になったモンスターはターン終了時に攻撃表示に戻る!』

 

ファイナルシグマ ATK7000→3000

 

 

ドクロバットジョーカー DEF100→ATK1800

 

スライハンドマジシャン DEF2000→ATK3300

 

遊希 手札0→3

 

 

遊嗣LP1350

ファイナルシグマ(斬機刀ナユタ) 手札1

 

 

 

 

「遊嗣さんの必殺の一撃が躱された…!!」

 

「あれが、アクションデュエリストの実力か…!」

遊嗣の必殺の攻撃が躱されたのを見たマシュは目を丸くする…そして、遊作は自分達とは文字通り()()()()()デュエルをする遊希の実力の高さに驚いていた…。

 

 

『さてさて、攻撃は躱したけど…相手は最低でも攻撃力4000になった上で戦闘ダメージを2倍にしてくる強力なモンスター…デュエルがどうなるかは──このドロー次第かな?』

 

「(遊希さん笑ってる…あの人は──本当にデュエルが好きなんだ…!)」

ライフポイントは遊希が有利…しかし、完全耐性を持っている『ファイナルシグマ』に対しては分が悪いと言わざるを得ない……だが、それでも──遊希は楽しそうに笑っていた!

 

 

 

『僕のターン!ドロー!!』

『おっ…いい感じ!!僕はスケール5の「慧眼の魔術師」をペンデュラムスケールにセッティング!』

遊希の背後に本質を見定める魔術師が浮かび上がる!

 

 

『そして僕は儀式魔法「オッドアイズ・アドベント」を発動!その効果により、僕はレベル4の「ドクロバットジョーカー」とレベル3の「リザードロー」をリリース!!雄大なる大地の力よ!我が手に宿り、フィールドを制圧せよ!儀式召喚!!大地の神秘を宿せし龍!レベル7「オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン」!!』

 

「っ…儀式モンスターの『オッドアイズ』!?!」

フィールドに現れた祭壇に輝くペンデュラムに2体のモンスターが吸い込まれる…そして、光の中から岩を身に纏う重厚なオッドアイズが現れる! ATK2800

 

 

 

『「オッドアイズ・グラビティ」の効果発動!特殊召喚に成功した時!相手フィールドの魔法・罠カードを全て手札に戻す!グラビティ・チェンジ!』

 

「『斬機刀ナユタ』を戻された…!」

オッドアイズが地面を踏みしめる…それにより重力が反転、剣聖が手にしていた大剣が遊嗣の手元に戻ってしまう!

 

 

『そして…再び揺れろ!魂のペンデュラム!!ペンデュラム召喚!エクストラデッキから現れろ!レベル3「リザードロー」!「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」!レベル4「ドクロバットジョーカー」!!』

再び揺れ動く黄色のペンデュラム…その軌跡に導かれ、再び紳士服のエリマキトカゲ・緑色のオッドアイズ・シルクハットの道化師が現れる!

 

リザードロー DEF1200

 

オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン DEF600

 

ドクロバット・ジョーカー ATK1800

 

 

 

「リリースされたモンスターや破壊されたモンスターが復活した…!?これが、ペンデュラム召喚の力…!」

 

「ペンデュラムモンスターはフィールド上で破壊されるとEXデッキに表側で加えられ、ペンデュラム召喚によって何度でもフィールドに戻ってくる…こちらの次元のルールではその制限はないが、オレ達の世界ではEXデッキからのペンデュラム召喚はEXモンスターゾーンやリンクモンスターのリンク先にしか特殊召喚できない、という制限が付いてしまうらしいな」

 

「デュエリストによってはここからエクシーズ召喚や融合召喚、シンクロ召喚に繋げる事ができるのですが…遊希さんはどう動くのでしょうか…?」

フィールドから離れたモンスター達が復活した事に驚く葵…そんな彼女に遊作がペンデュラムカードの解説をする中、デュエルは大きく動く…!

 

 

「さぁ、いくよ遊嗣!僕は『ドクロバットジョーカー』と『リザードロー』をリリース!!運命の狭間で止まりし振り子よ!再び揺れ動き、新たな軌跡を描き出せ!!アドバンス召喚!現れろ!!『オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン』!!」

2体のモンスターが光となり、フィールドで光が弾ける…そして、現れるのは『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』の進化体──オーロラのように揺らめく光の翼を背負うオッドアイズが現れる! ATK3000

 

 

「『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』が、進化した…!?」

 

『ふふっ…本当は別に特殊召喚する方法もあるんだけど、今回は正攻法でね!バトルだ!「ファンタズマ」で「ファイナルシグマ」を攻撃!!』

 

「相討ち狙い…でも、やらせない!アクションマジック『回避』!その攻撃を無効にする!!」

炎の剣聖へと突進する進化した幻影の龍…そして、遊嗣は近場にあったアクションマジックを発動するが──

 

『その瞬間、「オッドアイズグラビティ」の2つ目の効果発動!このモンスターがフィールド上に存在する限り、相手プレイヤーはライフポイントを500払わなければ効果を発動できない!』

 

「なっ…!?くっ…ライフを500払って『回避』を発動!!」

大地を支配するオッドアイズの力が遊嗣のライフを奪うが…炎の剣聖は攻撃を回避する!

 

遊嗣 LP1350→850

 

 

「っ…効果の発動が、あと1回しかできなく…!?」

 

『そこだ!アクションマジック「イリュージョン・ファイヤー」!その効果でこのターン、「オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン」しか攻撃できなくなる代わりに「ファンタズマ」は僕のフィールドの自身以外のモンスターの数だけ攻撃できる!僕のフィールドには「オッドアイズグラビティ」と「スライハンドマジシャン」「オッドアイズミラージュ」がいる…よって、3回の攻撃が可能になる!』

 

「なっ…!?」

効果の発動に制限を受けた事で動揺する遊嗣…その隙によって新たなアクションカードを手にした遊希が連撃を仕掛ける!

 

 

『「ファンタズマ」で「ファイナルシグマ」に2回目の攻撃!』

 

「でも、攻撃力は互角──」

 

『この瞬間!「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」の効果発動!自分のペンデュラムゾーンにモンスターが存在する時、自分フィールドの「オッドアイズ」モンスター1体にこのターン、1度だけ戦闘・効果では破壊されない効果を与える!剣聖を撃ち抜け!ファンタスティック・フォース!!』

虹色の光を纏った幻影の龍が炎の剣聖の剣と衝突する!!

 

 

「っ…アクションマジック!」

鍔迫り合う2体のモンスター…遊嗣は状況を打破する為にアクションマジックを手にするが──

 

 

「っ…!?(しまった!!『奇跡』は自分のモンスター1体を対象にする…!『斬機』カードの効果以外受けない『ファイナルシグマ』には使えない!!)っ…ぐううっ!?」

遊嗣が手にしたのは『奇跡』──その効果は完全耐性を持つ『ファイナルシグマ』を守る事ができず、剣聖は砕け散ってしまう!!

 

『どうやら、強力な効果が裏目に出てしまったみたいだね?「ファンタズマ」で3回目の攻撃!連撃のファンタスティック・フォース!!』

 

「しまっ!!うわああああ!?」

そして、幻影の龍が遊嗣を掠めるように突進…そのライフを削りきった!!

 

 

 

 

遊嗣LP0

 

 

遊希WIN!

 

 

 

 

「嘘っ…!?遊嗣さんが、まったくダメージを与えられないなんて…!?」

 

「マスターデュエルなら、2ターン目で遊嗣が勝っていた…アクションカードを引き当てる運、相手の動きを見切り、対応する判断力、フィールドを駆け回る身体能力……凄まじい戦いだったな…」

 

「これが、ARC次元のプロデュエリスト…」

遊嗣の完封負けにマシュは驚愕…そして、遊作と葵はARC次元のレベルの高さに言葉を失っていた…。

 

 

 

 

「だあああっ…負けたぁ〜…!!まさか、アクションマジックが使えない状況があるなんて〜!!」

 

『ははっ…思わぬ事が起きるのもアクションデュエルの醍醐味さ!普通のスタンディングデュエルだったら僕の負けだったね…流石に攻撃力7000はヒヤッとしたよ!お疲れ様遊嗣!』

 

「ありがとうございます遊希さん…楽しいアクションデュエルでした!」

デュエルが決着し、リアルソリッドビジョンが消えていく中で床に大の字に倒れ込む遊嗣…しかし、その表情は明るく…全力で体を動かすデュエルを楽しむ事ができたのだった。

 

 

《クルル…》

 

「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン…」

 

『ん…?ファントム、どうした?』

その時、遊希の近くにオッドアイズが実体化する…その瞳には何かを心配するような、悲しそうな光が宿っている…。

 

 

《クルル…グオン》

 

「もしかして…僕の事を心配してくれてるの?…大丈夫だよ、ファントム…ダメージレベルも一番低くなってたから痛くないよ、ありがとう」

 

『ファントムもずっと遊嗣の…ズァークの事を心配してたみたいだからね、会わせてあげられてよかったよ』

起き上がった遊嗣に優しく顔を擦り寄せるオッドアイズ…彼も元を辿れば遊嗣の力の根源たるズァークの一部、遊嗣の事を心配していたのだ。

そんな彼の顔を遊嗣は優しく撫でている。

 

 

《クルル…》

 

「次は負けないからね、ファントム」

そして、満足した様子でオッドアイズは空気に融けるように消えていった…。

 

 

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