転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ちょっとした話のつもりが、思ったよりも長くなってしまった…。

それでは、最新話をどうぞ!


危機一髪!〜ネコと騎士と想定外〜

《フォ〜ウ…フォウ…(う〜ん…よく寝たぁ…)》

 

ボクの名前はキャスパリーグ…みんなにはフォウって呼ばれてる、白波一家のペットである。

ボクの一日は眠りから覚めて、翠の作る料理のいい匂いを嗅ぎながら始まるんだ。

 

 

「ふふっ…おはようフォウくん!今日もよく眠れた?」

 

《フォウ!(おはよう、翠!よく眠れたよ!)》

 

「そっか!よかったね〜!」

ボクが目を覚ました事に気付いた翠が柔らかい掌でボクの体を撫でてくれる…翠が撫でてくれるのは遊海のブラッシングと同じくらい気持ち良いんだ。

 

 

「ふわぁ…おはよう、翠…おはようフォウ…」

 

「遊海さんおはようございます!」

 

《フォウ〜!(遊海おはよう〜!)》

そして、これぐらいの時間に遊海が起きてくる…本当なら、早起きする理由も無いらしいけど…みんなと同じような生活をしたくてそう決めてるらしいんだ。

 

 

「フォウくん!遊嗣を起こしてきてくれる?」

 

《フォウ!(わかった!)》

その次はボクの大切な弟を起こしに行く時間、ボクはいつも通り階段を登って遊嗣の部屋に行く。

……Aiオルタの起こした事件の後、しばらくは遊嗣の部屋に行くのが怖かったけど…今はもう大丈夫!

 

 

 

「ぐぅ……ぐぅ……」

 

《(うんうん、今日もよく寝てる!今日はどうやって起こそうかな〜…?)》

遊嗣は部屋で静かに寝息を立ててる…たまに、苦しそうな顔で眠ってる時もあるけど…今日は大丈夫そうだ。

 

 

《フォウ…フォウ〜!(今日は〜強制ネコ吸い〜!!)》

 

「すぅ…ぐむ……ぐむむ…?!───ぶはぁ!?苦しっ!?」

ボクは自分の体を広げて遊嗣の顔に覆いかぶさる…そして少しすると、遊嗣は慌てて目を覚ました。

 

 

《フォ〜ウ!(遊嗣おはよ〜!)》

 

「ぜぃ…ぜぃ…おはようフォウくん……もうちょっと、優しく起こしてくれない?毎回の事だけど……」

 

《フォウ!(だって、並大抵の起こし方だと遊嗣は起きないでしょ!)》

 

「アラームでちゃんと起きるよぅ…」

 

遊嗣は眠りが深いから並大抵の起こし方では起きない事があるんだ…地震とか雷が鳴っても起きないんだから相当だ。

まぁ、休みの日以外はボクがしっかり起こすけどね!

 

 

 

 

「「「いただきます!」」」

 

《フォ〜ウ!(いただきま〜す!)》

遊嗣を起こした後は朝ご飯!今日はいつものキャットフードにカツオブシを掛けたヤツ…本当は、お肉でも野菜でも食べられるんだけど、()()()()()のフリをするのも大変だ…。

 

まぁ、遊海が時々美味しいベーコンやステーキを食べさせてくれるんだけどね!

 

 

 

 

《ぐぅ…ぐぅ…》

 

《zzz…》

遊嗣が学校に出掛けたら、日光浴をしながらお昼寝タイム…メガロックのゴツゴツした背中がボクのお気に入り……お日様の光とメガロックの岩肌がいい感じでヒンヤリしてて気持ちいいんだぁ…。

 

 

 

 

《フォウ、フォ〜ウ!(遊海!散歩行ってくる〜!)》

 

「わかった、あんまり遅くならないようにな〜?」

お昼寝が終わったらお散歩の時間、遊海にしっかりと声を掛けてからリビングの窓を開けてもらう。

ずっと寝てても良いんだけど、あんまりモフモフぷよぷよになるのはボクの美学に反する…それに、マーリンを蹴っ飛ばせなくなるし!

 

 

 

 

《(ちょっと暑くなってきたなぁ…だけど、今日もDENCityは平和みたいだ)》

塀の上を歩きながら、ボクは辺りを見回す…道を行き交う人間達、安全運転の車が走り…たまに見かけるモニターには電脳世界・リンクヴレインズの様子が映っている…そこにはいつも通りの日常の景色があった。

 

 

《(昔のボクなら、こうやって行き交う人間達の精神エネルギーを取り込んで、禍々しい姿に成長してしまうんだろうけど…遊海達と一緒にいるなら大丈夫!もう怖がりはしないよ)》

 

ボクの正体は『災厄の獣』キャスパリーグ…人々の欲望や嫉妬との感情を喰らい、その果てに人間を殺戮する怪物…。

──だけど、その権能もずいぶんと弱くなった。

 

 

30年近く前、ボクの大切な相棒…遊海が魂ごと砕けて死んでしまった事があった。

その時、ボクは数百年間溜め込み続けた魔力を使って()()を起こした……その直後は流石にただの『獣』になってしまうほど消耗したけど──今は普通に過ごすには問題ないくらいに知性も戻ってきた。

 

『比較』の力は残っているけど…今の人類に牙を剥くほどではない、なんたって…ボクは遊海や遊馬達の『善性』に()()()()んだから。

 

 

 

 

 

 

《ニャーン!(お疲れ様です、ボス!)》

 

《フォウ!(お疲れ様!元気にしてる?)》

 

《ニャオ!(はい!おかげ様で!)》

そんな時、顔見知りの黒猫が声を掛けてくる…根本的に種族は違うんだけど、野良猫達はボクが強いと分かっているのか…デンシティでも、ハートランドでも…いつの間にか野良猫達のボスみたいな感じになってるんだ。

 

 

 

《ニャウ…ニャーン(ボス、お耳に入れたい事が…)》

 

《フォウ?(どうしたの?)》

 

《ニャーン、ニャウ…(最近、近くのノラ達やワンコ達がいなくなるらしいんですよ…実は、オレの彼女も…)》

 

《フォウ?(彼女って、白猫の?人間に保護された…とかじゃなくて?)》

 

《ニャウ…(ノラの噂話だと、怪しい人間が飼い主が目を離した隙にワンコを攫うのを見た奴がいるんでさ……ボスも気をつけてくだせぇ、ボスほど美しいネコはいませんから…!)》

 

《フォウ、フォウ!(ありがとう、気をつけるよ…ボクの相棒にも相談してみる)》

野良猫達には独自のネットワークがある…それには時々、遊海も関係するような事件の情報が入ってくる事もある…今回は野良猫やペット達を狙った誘拐事件が起きているらしい。

 

こういう時こそ、遊海や遊嗣と意思疎通できるボクの出番なんだ。

 

 

 

 

《ギニャー!?(だ、誰か!助けて──!?)》

 

 

《ニャッ!?(今の悲鳴は!?)》

 

《フォウ!!(今の、タマの声だ!!)》

その時、町中に猫の悲鳴が響く…今の声は外飼いの三毛猫・タマの声だ…!

 

 

《フォウ!!(ボクが追いかける!キミはボクの家に行って!ボクの相棒になら、キミ達の意思も伝わるから!!)》

 

《ニャー!?(ボス!?どうか無理はしないでくださいよー!?)》

ボクは黒猫に伝言を託してタマの悲鳴の方角へと走る…場所さえ分かれば、遊海に突撃してもらえる!!

 

 

 

………

 

 

 

《(くっ…ずいぶん遠くまで来るじゃないか…!)》

タマの匂いと気配を辿りながら追いかける事しばらく、辿り着いたのは街外れの廃倉庫だった…たぶん、「覇王龍の乱」の時に放ったらかしになってしまったんだろう。

 

 

《(っ…たくさんの犬や猫達が捕まってる…!!ここが、誘拐犯のアジトなんだ…!)》

ヒビの割れた窓から中を覗き込む…そこには、何匹もの犬や猫達が捕まっていた…その中には見知った顔の白猫やタマ、見かけた事のある飼い犬も混じっている…!

 

 

《(悪い人間達が犬や猫を捕まえる目的なんて、()()()()()()()()()……早く遊海に知らせないと…!)》

ボクは素早く窓の近くから飛び降りる、あとは転移で家に戻れば───

 

 

『おっ…珍しい仔猫みっけ!こいつは高く売れそうだ!』

 

《キュッ!?(しまった!!)》

その時、いきなり首根っこを大きな手に掴まれる…誘拐犯の仲間がいたのに気付かなかった!!

 

 

《フォウ!フォウー!!!》

 

『暴れんな暴れんな…!野良よりも良い暮らしさせてやる…って、服着てるな…?飼い猫か?まぁ、関係ねぇけどな!俺達に見つかったのが運の尽きってやつだ!』

精一杯身を捩って抵抗するけど…ボクの身体はあまりにも小さすぎる…!流石に、人間の目の前で超常の力を使うのは…!?

そんな事を考える間にも、ボクは廃倉庫の中に連れ込まれてしまった…。

 

 

 

『兄貴〜!なんか、見たことない感じのネコ捕まえたぜ〜?』

 

【あ"ぁ…?リスじゃねぇのか?そいつ…まぁ、どちらにしても物好きは高く買ってくれそうだ…!】

 

《(アイツが、誘拐犯のリーダー…!!)》

ボクを捕まえた黒髪のチンピラが金髪の男に声を掛ける…そいつはいかにもな悪人顔をしている…!

 

 

【ほーら、怖くない、怖くない…大切な()()だからな──】

 

《ガウッ!!(今っ!!)》ガブリ!!

 

【い"っ!?こいつ噛みやがった─!!】

気持ち悪い猫なで声で金髪がボクに触れようとした瞬間、ボクは渾身の力でその指へと噛みつく…それに驚いたチンピラが怯んだ隙に、手の中から脱出だ!!

 

 

【コイツぅ!!何してる!捕まえろ!!】

 

『おっ、おうっ!!』

 

《フォウ…!フォーウ!!(ボクを舐めるなよ…!ボクだって、世界最強の家族の一員だぞ!!)》

犬が囚われたケージの上に降り立ったボクは全身の毛を逆立てる…目標は奴らを倒すんじゃなくて、ここから逃げ出す事だ…!

 

 

 

《フォーウ!!オシオキフォーウ!!!》

 

『ふぎゃ!?』

 

【コイツ、チビなのになんて速さだ!?】

ボクはチンピラ達を撹乱するように跳び回りながら、隙を見て蹴りを喰らわせる…体は小さくても、そこら辺の人間に負けるほどボクは弱くない!!

 

 

《(ヒビの割れた窓…!割れたガラスが砕ければ、脱出できる上に大きな音が鳴る!)》

跳び回りながら、ボクは今の状況を切り抜ける方法を思い付く…ガラスがぶつかる音や割れる音は目立つんだ!

 

 

《フォーウ!チンピラシスベシフォーウ!!》

 

『うげっ!?きゅう…』

迫ってきた黒髪のチンピラの胸に渾身の飛び蹴りを喰らわせる…その反動で倒れこんだチンピラはケージの角に頭をぶつけて動かなくなった!

 

 

《(ここだ!!)》

そして、ボクは割れた窓へと突撃…割れたガラスと一緒に外に飛び出せば───

 

 

 

【甘いんだよ!このチビネコ!!】

 

ガツン!!

 

《フォッ!?ギュッ…!?(しまっ、動きが読まれ───げうっ!?)》

その瞬間、視界に大きな何か──振り抜かれたシャベルが迫る…空中にいたボクはそれを避けきる事ができず、野球のボールみたいに壁に叩き付けられてしまった…。

 

 

 

《キュ……(あ、やば…い……普通に、痛い…!!)》

視界が明滅する…手も足も、自由が効かない…こんなに痛いの、ユーリに蹴り飛ばされた時──

 

【よくもおちょくってくれたな!!動物風情が!!】

 

《ギュ…!!?》

金髪のチンピラが、ボクのお腹の辺りを強く踏みつける…痛い…!!まずっ…息が、でき…なっ……

 

 

 

「そこまでだ…見つけたぞ、この街を騒がせるペット窃盗グループめ」

 

【あン…?何者だ、テメェ…!!】

 

 

その時、チンピラじゃない()()の声が響く…その声の正体が分かる前に、ボクの目の前は真っ暗になった…。

 

 

 

 

Side???

 

 

 

 

【テメェ、何者だ…?他の半グレのカチコミか?】

 

「カチコミには違いないが…私は、お前達を止めにきただけだ…人であろうと、動物であろうと…ネットワークを使う者の悪意によって傷付く者を減らす為に!」

DENCity外れの廃倉庫、犬や猫達が不安そうな鳴き声で泣くその場所で…2人の男が対峙する。

 

 

1人はDENCityを騒がせる、ペット窃盗グループのリーダー

 

もう1人はパーカー付きのジャンパーで顔を隠した青年…その腕には白いデュエルディスクが輝きを放っている…。

 

 

【チッ…ここを知られたからには、無事で帰れると思うなよ!!】

 

「私利私欲の為に犯罪に走る愚者に、この私が負けると思うのか?」

チンピラがデュエルディスクを構える…廃倉庫で大義を貫く為のデュエルが始まった!

 

 

 

 

 

「【デュエル!!】」

 

UNKNOWN LP4000

チンピラ LP4000

 

 

 

マスターデュエル

 

・マスタールール(新)適用

融合・S・Xモンスターをモンスターゾーンに特殊召喚可能

 

 

 

 

「私のターン!」

「私はライフを1000払い、永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』を発動!その効果により、このターンEXデッキからモンスターを特殊召喚できなくなる代わりに2体の『ドラゴノイド・トークン』を攻撃表示で特殊召喚できる!」

フィールドに龍の顔を持つ2体のトークンが現れる! ATK300 ATK300

 

UNKNOWN LP4000→3000

 

 

「私は2体の『ドラゴノイドトークン』をリリース!現れろ!『クラッキング・ドラゴン』!!」

そして、2体のトークンが消え去り…巨大な黒い電脳竜が現れる! ATK3000

 

 

【『クラッキング・ドラゴン』…!テメェ、ハノイの騎士崩れのハッカーか…?今さらになって正義のヒーロー気取りかよ?】

 

「……ヒーローとなど名乗るつもりはない、私はネットワークの監視者としての使命を果たすだけだ!私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!そして、この瞬間!永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』の効果発動!お前は自分のフィールドに私が特殊召喚した数と同じ、つまり2体の『ドラゴノイド・トークン』を特殊召喚しなければならない!」

 

【オレのフィールドにトークンだと?】

チンピラのフィールドに2体のトークンが現れる! ATK300 ATK300

 

 

「そして『クラッキングドラゴン』の効果発動!相手がモンスターを1体を召喚・特殊召喚した時、ターン終了時までそのモンスターのレベルにつき攻撃力を200ダウンさせ、その数値分のダメージを与える!『ドラゴノイド・トークン』のレベルは1、2体の合計で400のダメージを与える!クラック・フォール!!」

 

【くううっ!?たかが400ダメージ…!】

電流がチンピラのライフを削る! 

 

ドラゴノイドトークンATK300→100

ドラゴノイドトークンATK300→100

 

チンピラ LP4000→3800→3600

 

 

UNKNOWN LP3000

クラッキングドラゴン 伏せ1 手札3

 

 

 

 

【ちっ…!だけどPlaymakerやGO鬼塚のデュエル動画を見て攻略法は知ってるぜ?レベルを持たないモンスターで倒せばいいんだろうが!!】

 

「彼らの真似ができるものなら──やってみるがいい」

攻撃力3000の大型モンスターである「クラッキング・ドラゴン」を前にしても威勢が衰えないチンピラ…青年はそんな彼をフードから覗く空色の瞳で冷たく睨みつける…!

 

 

 

 

【オレのターン!ドロー!!】

【はははっ…!今日のオレは絶好調だ!!『太陽電池メン』を召喚!】

太陽光パネルの胴体を持つロボットが現れる! ATK1500

 

 

「『クラッキング・ドラゴン』の効果発動!『太陽電池メン』のレベルは4、よって攻撃力を800ダウンさせ800ダメージを与える!」

 

【くっ…多少のダメージは受けてやるよ…!テメェに()()喰らわせる為になぁ!!】

 

太陽電池メン ATK1500→700

 

チンピラLP3600→2800

 

 

【『太陽電池メン』の効果!召喚・特殊召喚に成功した時!デッキから雷族モンスター『雷獣龍─サンダー・ドラゴン』を墓地に送る!さらに、手札の『雷鳥龍─サンダー・ドラゴン』の効果発動!このカードを墓地に送り、墓地の『雷獣龍─サンダー・ドラゴン』を特殊召喚!!っう!?】

獅子の顔を持つサンダー・ドラゴンが現れる! ATK2400→1200

 

チンピラ LP2800→1600

 

【そして『太陽電池メン』のさらなる効果発動!1ターンに1度、雷族モンスターの召喚・特殊召喚に成功した時!『電池メン・トークン』1体を特殊召喚!!このトークンはレベル1だが、攻撃力は0!つまり、『クラッキング・ドラゴン』の効果は受けねぇ!!】

小型の太陽パネルが現れる! ATK0

 

 

 

【これだけダメージを受ければいいよなぁ!オレはフィールド魔法『チキンレース』を発動!その効果でお互いのプレイヤーは相手のライフポイントより自分のライフポイントが低ければ、自分が受ける全てのダメージは0になる!】

 

「無法者にしてはアタマが回るらしいな」

 

【ハッ…!減らず口を叩けるのも今のうちだ!!現れろ!シビれるサーキット!召喚条件は雷族モンスター2体!『雷獣龍─サンダー・ドラゴン』と『電池メン・トークン』をリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れやがれ!Link-2!『常夏のカミナリサマー』!!】

白い雲に乗った日焼けした雷神が現れる! ATK1500 ↙↘

 

 

【そして、リンク素材としてフィールドから墓地に送られた『雷獣龍─サンダー・ドラゴン』の効果発動!デッキから『雷電龍─サンダー・ドラゴン』を守備表示で特殊召喚!】

稲妻を纏う蛇龍が現れる! DEF1500 (ATK1600→600)

 

 

【もっかい現れろ!シビれるサーキット!召喚条件は雷族モンスター2体以上!!オレは『太陽電池メン』『常夏のカミナリサマー』『雷電龍─サンダー・ドラゴン』をリンクマーカーにセット!!リンク召喚!!現れろ!Link-4!『轟雷機龍─サンダー・ドラゴン』!!】  

鋼の鎧を纏い、2本の避雷針によって首が3本あるように見える雷龍が現れる! ATK2800 ←↓↘→

 

 

「ほう、LINK-4のモンスターか…だが、『クラッキング・ドラゴン』を倒すには至らないようだが?」

 

【チッ…澄ました顔しやがって…これを見てもビビらずにいられるか!?リンク素材としてフィールドから墓地に送られた『雷電龍─サンダー・ドラゴン』の効果発動!デッキから『雷龍融合』を手札に加え、発動!オレは墓地の『雷電龍─サンダー・ドラゴン』と『雷鳥龍─サンダー・ドラゴン』『雷獣龍─サンダー・ドラゴン』をデッキに戻す事で融合!!融合召喚!現れやがれ!『雷神龍─サンダー・ドラゴン』!!】

紫電を纏う、3つ首の龍が現れる! ATK3200→1200

 

 

 

【さぁ…お前の澄ました顔をグチャグチャにしてやるよ!!オレは手札の『サンダー・ドラゴン』の効果発動!手札のこのカードを墓地に送り、デッキから2枚目の『サンダー・ドラゴン』を手札に加える!さらに『雷神龍─サンダー・ドラゴン』の効果発動!手札の雷族モンスターが効果を発動した時、相手フィールドのカード1枚を破壊する!オレは『クラッキング・ドラゴン』を破壊するぜ!!】

 

「なるほどな」

雷神龍の放った稲妻が黒き電脳竜を焼き尽くす!

 

 

【そして手札の2枚目の『サンダー・ドラゴン』の効果発動!自身を墓地に送り、デッキから3枚目を手札に加える!そして『雷神龍─サンダー・ドラゴン』の効果発動!お前の伏せカードを破壊だぁ!!】

 

「フッ…その瞬間、破壊された『ミラーフォース・ランチャー』の効果発動!セットされたこのカードが相手の効果によって破壊された時、墓地のこのカードとデッキ・手札・墓地の『聖なるバリア─ミラーフォース─』1枚をセットする!私はデッキから『ミラーフォース』をセット!そして、このカードはセットしたターンに発動できる!」

再び稲妻に撃ち抜かれる青年のセットカード…しかし、それは彼の作戦の内──数多のデュエリストに愛用される攻撃迎撃罠が伏せられる!

 

 

 

【ミラフォだと…?そんなのでオレが止まるかよぉ!!バトルだ!!『轟雷機龍』でダイレクトアタック!!】

 

「ならば、絶望の淵に沈め!罠カード『聖なるバリア─ミラーフォース─』発動!!相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!!」

しかし、チンピラは攻撃を続行──青年は『ミラーフォース』で迎撃し、フィールドが閃光に包まれる!!

 

 

「(おそらく、『轟雷機龍』か『雷神龍』は効果破壊に対する耐性がある…だが、ライフが残れば問題は───)」

 

 

バチィ!!!

 

 

「っ…!?ぐうううっ!?!?!?」

冷静にチンピラの狙いを分析する青年…だが、その刹那…『ミラーフォース』を突き抜けた稲妻が直撃──彼は()()()()()()()()()()()()を味わいながら吹き飛ばされ、倉庫の壁が罅割れる勢いで叩きつけられてしまった…!!

 

 

UNKNOWN LP3000→200

 

 

「が、はっ…!?(なんだ、この痛みは…リアルソリッドビジョンでも、ここまでのフィードバックはっ…!?)」

 

《リ…()()()!大丈夫ですか!!》

痛みと痺れによって呼吸もままならない様子の青年──その正体はハノイの騎士のリーダー、鴻上了見だった。

そして、彼のデュエルディスクに宿るAI、パンドール・エルピスは慌てた様子で安否を確認する…。

 

了見は一撃で行動不能になってしまうレベルのダメージを負ってしまっていた…!

 

 

「ぐっ…まさか、()()()()()()()()()、か…!?」

 

【大正解〜!オレはこの力で気に入らない奴や追ってきた警察なんかを何十人も病院送りにしてきたのさぁ…!】

フィールドを覆っていた白煙が消えていく…その中から現れたのは金髪のチンピラ、そして健在の『轟雷機龍』と『雷神龍』だった…チンピラはサイコデュエリストの力を宿していたのだ…!

 

 

「『サンダー・ドラゴン』が、2体とも残っているだと…?」

 

【『轟雷機龍』は自分フィールドの雷族モンスターが戦闘・効果で破壊される時、墓地のカードを3枚除外する事で…『雷神龍』は自身が効果で破壊される時、墓地のカードを2枚除外する事で破壊を無効にできるのさぁ…!】

了見の予測に反してフィールドに残る2体の雷龍…チンピラはそのタネを明かす…。

 

除外

太陽電池メン

常夏のカミナリサマー

雷龍融合

 

サンダードラゴン

サンダードラゴン

 

 

 

【地元のネオ童実野シティでやらかし過ぎてよぉ…この辺りを根城に()()()()()してたんだが…よくもまぁ邪魔してくれたなぁ!!あ"ぁっ!?続けて『雷神龍』でダイレクトアタック!『チキンレース』の効果でダメージは与えられないけどよぉ…()()は関係ねぇんだよ!!やれ!!『雷神龍』!!】

 

「ぐっ…!!手札の『チェックサム・ドラゴン』の効果発動!このモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、その守備力の半分…1200ライフを回復する!!そして、攻撃表示のこのモンスターは戦闘では破壊されない!!ぐううっ!!?」

 

《了見様!!!》

了見のフィールドに現れた巨大な盾状の頭部を持ったドラゴンが攻撃を受け止める…だが、放たれた雷撃の衝撃が了見の体を襲う…!! ATK400

 

了見LP200→1400

 

 

【チッ…上手い具合にライフを残しやがったか…オレはカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!】

 

 

チンピラ LP1600

轟雷機龍 雷神龍 チキンレース 伏せ1 手札2

 

雷神龍 ATK1200→3200

 

 

 

 

 

《了見様!すぐにスペクター様や三騎士の皆さまに救援を!!》

 

「余計な事をするな、エルピス…スペクターがいても、サイコデュエリストの力に対応できなければ、被害が拡大するだけだ…うぐっ…!!」

 

《しかしっ…!!》

()()()の状況で負傷してしまった了見へと進言するエルピス…だが、了見は分かっていた…サイコデュエリストに対応できる力を持たなければ、味方が何人いても関係ない事を…。

 

 

 

「(っ…意識が、朦朧とする……だが、この程度の痛み…!!)」

ふらつく体で立ち上がる了見…彼はサイコデュエリストでも、異世界人でもない…リンクヴレインズ最強クラスのハッカーであったとしても、現実世界では()()()()()()()()()でしかないのだ。

 

 

「私は、戦わなくてはならない…彼らとの、()()を果たす為に…!」

朦朧とする意識の中、チンピラの背後に倒れ込む白い仔猫──フォウの姿に()()姿()が重なる。

それはロスト事件によって傷付いた──幼少期の遊作や尊達の姿だった。

 

 

 

 

Aiオルタ事件の最中、自身と尊の心に残された禍根である「ロスト事件の呪縛」を解く為に全力の決闘を演じた了見…その末に彼は尊によって「第二、第三のロスト事件を防ぐ為の監視者になれ」という新たな呪縛(使命)を得た。

 

彼はその使命を果たす為にリンクヴレインズやネットワークを監視していたのだが…その中でDENCityで起きていたペット窃盗事件の手掛かりを掴み、緊急性が高いと判断して自ら動いてしまったのだ。

 

 

「私は、倒れる訳にはいかない…!邪悪な意思によって、悲しむ者を…これ以上生み出さない為に!!」

 

 

 

 

「私のターン!ドロー!!」

「永続罠『ミラーフォース・ランチャー』を発動!」

 

【は?今さらミラフォ頼りか?】

 

「さらに魔法カード『マジック・プランター』を発動!表側表示の永続罠『ミラーフォース・ランチャー』を墓地に送り、2枚ドロー!そして、フィールド魔法『チキンレース』の効果発動!私のライフを1000払う事で、そのカードを破壊する!!」

 

【チッ…!】

了見は『マジック・プランター』による手札補充に加え、ダメージを無効化してしまう『チキンレース』を自壊させる!

 

了見LP1400→400

 

 

【だが…オレの最強モンスター2体を前に、何ができる!!】

 

「最強か…自分の力を過信し、驕る者に…勝利の栄光を掴む事はできん!!開け!我が道を照らす未来回路!召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体!私は『チェックサム・ドラゴン』をリンクマーカーにセット、リンク召喚!現れろ!LINK-1!『ストライカー・ドラゴン』!」

青い装甲の小さなワイバーンが現れる! ATK1000 ←

 

 

「『ストライカー・ドラゴン』の効果発動!リンク召喚に成功した時、デッキからフィールド魔法『リボルブート・セクター』を手札に加える!そして、フィールド魔法『リボルブート・セクター』を発動!このカードが存在する時、私のフィールドの『ヴァレット』モンスターの攻撃力は300アップする!さらに効果発動!1ターンに1度、手札からカード名の違う『ヴァレット』モンスター2体を特殊召喚できる!現れろ!『マグナ・ヴァレット・ドラゴン』!『オート・ヴァレット・ドラゴン』!」

了見の覚悟を体現する「マグナム弾」と「オート弾」の力を宿すドラゴンが現れる! ATK1800→2100 ATK1600→1900

 

 

「再び開け!我が道を照らす未来回路!召喚条件は『ヴァレット』モンスターを含むドラゴン族モンスター2体!私は『オート・ヴァレット・ドラゴン』と『ストライカー・ドラゴン』をリンクマーカーにセット!リンク召喚!現れろ!LINK-2!『ソーンヴァレル・ドラゴン』!」

両腕が2つの銃身へと変化した黄色のドラゴンが現れる! ATK1000 ←↓

 

 

【攻撃力1000で何がっ…!!】

 

「『ソーンヴァレル・ドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、このターンの間、LINK-2以下のリンクモンスターをEXデッキから特殊召喚できなくなる代わりに、手札1枚を捨てる事で相手フィールドの表側表示モンスター1体を破壊できる!私は『轟雷機龍─サンダー・ドラゴン』を破壊!!」

 

【馬鹿が!『轟雷機龍』は墓地のカードを3枚除外する事で破壊を無効に────墓地のカードがねぇ!?!】

 

「怒りは人間の…いや、思考する者の視野を狭くする…先のターン、貴様が墓地に送ったカードは合計8枚…しかし、『雷神龍』の融合素材として3枚がデッキに戻り…『轟雷機龍』『雷神龍』の破壊を無効にする為に5枚を除外した…よって、墓地に存在するのは私が先ほど破壊した『チキンレース』のみ…『轟雷機龍』の破壊を防ぐ術は──ない!!」

放たれた銃弾が鉄の雷龍を撃ち抜く…了見は最初から、相手の冷静さを奪うように立ち回っていたのだ!

 

 

 

「そして『ソーンヴァレル・ドラゴン』のさらなる効果!このモンスターの効果でリンクモンスターを破壊した時、そのリンクマーカーの数まで、手札・墓地の『ヴァレット』モンスターを特殊召喚できる!私は手札から『ヴァレット・トレーサー』を、墓地から『オート・ヴァレット・ドラゴン』と『メタル・ヴァレット・ドラゴン』をそれぞれ特殊召喚!!」

フィールドに3体の弾丸のドラゴン達が現れる! ATK1600→1900 ATK1600→1900 ATK1700→2000

 

 

「三度開け!我が道を照らす未来回路!召喚条件は効果モンスター3体以上!私はLINK-2の「ソーンヴァレル・ドラゴン」と「オート・ヴァレット・ドラゴン」と「メタル・ヴァレット・ドラゴン」をリンクマーカーにセット!サーキット・コンバイン!!閉ざされし世界を貫く我が新風!リンク召喚!現れろ!LINK-4『ヴァレルロード・ドラゴン』!!」

そして、鴻上了見を──大義を貫く騎士・リボルバーを象徴する赤き銃身龍が現れる! ATK3000 ←↙↘→

 

 

【『ヴァレルロード・ドラゴン』だと!?き、貴様、まさか!?】

 

「私の正体など、どうでもいい!さらに私はレベル4の『マグナ・ヴァレット・ドラゴン』にレベル4の『ヴァレット・トレーサー』をチューニング!!」

 

4+4=8

 

「雄々しき竜よ!その獰猛なる牙を今、銃弾に変え撃ち抜け!!シンクロ召喚!!現れよ!レベル8!『ヴァレルロード・S(サベージ)・ドラゴン』!!」

続けて白銀の装甲を纏う迅雷のドラゴンが現れる! ATK3000

 

 

「『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の効果発動!シンクロ召喚に成功した時、墓地のリンクモンスター1体を装備カードとし、そのリンクマーカーにつき1つ、このカードにヴァレルカウンターを乗せる!私は墓地のLINK-2の『ソーンヴァレルドラゴン』を装備!さらに、その攻撃力の数値の半分『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の攻撃力はアップする!」

墓地の『ソーンヴァレルドラゴン』のリンクマーカーが弾丸として装填される!

 

ヴァレルロードS ATK3000→3500 ヴァレルカウンター0→2

 

 

 

【チッ…まさか、雲隠れしたハノイの騎士のリーダー自ら出張ってくるとはなぁ…だが!テメェのドラゴンじゃ攻撃力3200の『雷神龍─サンダー・ドラゴン』は倒せねぇ!!】

 

「笑止…攻撃力の数値など、デュエルの要素の1つに過ぎん!『ヴァレルロード・ドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、フィールド上のモンスター1体の攻撃力・守備力を500ダウンさせる!アンチ・エネミー・ヴァレット!!」

 

【なにっ…!?】

大義の龍の咆哮が雷神龍を弱体化させる!

 

雷神龍 ATK3200→2700

 

 

「バトルだ!『ヴァレルロード・ドラゴン』で『雷神龍─サンダー・ドラゴン』を攻撃!天雷のヴァレル・カノン!!」

 

【っ…ぐううっ!?】

大義の龍から放たれた弾丸が雷神を撃ち抜く!!

 

 

チンピラ LP1600→1300

 

 

「これで終わりだ!『ヴァレルロード・S・ドラゴン』でダイレクトアタック!!」

 

【はっ…終わるのはテメェだ!罠カード発動!『ディメンション・ウォール』!!このバトルによって発生するダメージは相手が受ける!!自分のモンスターの攻撃でぶっ飛べよ!リボルバー──!!】

 

「その程度の策など、既に想定済みだ!『ヴァレルロード・S・ドラゴン』の効果発動!相手のカード効果が発動した時、自身のヴァレルカウンターを1つ使い!その発動を無効にする!!」

 

【な、なんだとぉ─!?】

最後の策を仕掛けるチンピラ…しかし、了見はそれを真正面から打ち砕く!

 

ヴァレルロードS ヴァレルカウンター2→1

 

「悪意を撃ち抜け!『ヴァレルロード・S・ドラゴン』!!迅雷のヴァレルファイア!!」

 

【ぐうっ!?うわああああ!?】

 

放たれるのは迅雷の弾丸…それはチンピラのライフを容赦なく吹き飛ばした!

 

 

 

チンピラ LP0

 

了見 WIN!

 

 

 

 

 

 

【ぐっ…!?だが、貴様はもう動けねぇはず…すぐに逃げれば…】

ペット誘拐グループのリーダーを打倒した了見…だが、チンピラは倒れない…了見には特別な力はない、このデュエルもチンピラを足止めする程度の効果しかない──だが──

 

 

「私が、無策で敵のアジトに踏み入ると思うのか?」

 

バン!! バリバリバリバリ!!

 

【がっ!?あばばばばばばばば─!?!?】

了見の手元で黒い銃身が鈍い輝きを放つ…それは改造されたテーザー銃、そこから放たれた電極がチンピラへと突き刺さり…強力な電撃の激痛によってその意識を刈り取った…。

 

 

 

 

「気絶したか…流石に、サイコデュエリストだったのは想定外だったが…この程度のデュエリストに敗れる私ではない……っぐ…!?」

 

《了見様!!》

 

「問題ない、騒ぐな…(あばら骨が折れたか…もう少し、体を鍛えておけば…………Dr.麻生やDr.滝に叱られてしまうな…)」

チンピラを無力化した了見は苦しそうに膝をつく、エルピスも心配しているが…了見の負った怪我は軽くはなかった。

 

 

 

「っ……お前、大丈夫か…」

 

《キュ……(キミ…ボクを、助けてくれたの…?)》

そして、了見はふらつきながら立ち上がり…倒れ込んでいたフォウを抱え上げる。

…その表情は普段の彼からは考えられない程の柔らかさだった。

 

 

「案ずるな、もう少しすれば警察がやってくる…お前の家族のいる場所に、必ず帰れる」

 

《フォウ、フォーウ…(ボロボロなのに、嬉しそう…助けてくれて、ありがとう…)》

穏やかにフォウへと語りかける了見…その様子を見たフォウは伝える事はできないが、感謝の鳴き声をあげた。

 

 

 

 

 

『吹き飛ばせ!「神鳥シムルグ」!!ゴッド・フェザー!!』

 

 

 

 

「なっ…!?ぐうううっ!?」

 

《キュウウウッ!?(な、なんだぁ──!?)》

 

その時、廃倉庫に黒い竜巻が吹き荒れる…了見やフォウはその風に巻き上げられ、地面に叩き付けられてしまった…!!

 

 

『テメェ…よくも、兄貴をやってくれたなぁ…!!』

 

「ぐっ…もう一人も、サイコデュエリスト…!?」

ブレる視界で状況を把握しようとする了見…その目に映ったのは、先ほどまで気絶していた黒髪のチンピラ…彼は頭を押さえながら『神鳥シムルグ』を喚び出していた…黒髪のチンピラもサイコデュエリストだったのだ…!

 

 

「(まずい…あたま……いしき、が……)」

 

『死んじまえよ!優男──!!!』

 

《フォ、ウ…フォウ──!!(やめ、て…!デュエルモンスターズは、そんな事に使っちゃ…!!)》

頭を打ち、視界が明滅する了見…身動きが取れない彼へと黒髪のチンピラが攻撃を放つ──!!

 

 

ド ガ ン !!

 

 

「覇王螺旋斬(ラセンザン)!!たあああああっ!!!」

 

『───えっ?』

その刹那、廃倉庫の壁がドリル状に回転する()()に撃ち抜かれる…そして、その勢いのままに『神鳥シムルグ』が貫かれ爆散した!

 

 

「その力を悪意を持って人間に向けた時点で…お前達にデュエリストを名乗る資格は───ない!!」

 

『はっ…!?ぐっはあああああ!?!』

さらに、鋼の輝きを放つ人影が黒髪のチンピラを殴り飛ばし…壁へとめり込ませた…。

 

 

 

「(いったい、なに、が…?)」

絶体絶命の窮地から一転、静けさを取り戻した廃倉庫……意識が途絶える刹那、了見が見たのは──夕日に照らされた鋼の鎧の青年と黒いドラゴンの翼を広げる少年の姿だった。

 

 

 

「了見さん!無事っ…フォウくん!!?」

 

「おいおい…!流石にサイコデュエリストの相手はキツいだろ…!?しっかりしろ!!」

 

「(ああ───そうか、遊作…あのとき、おまえ、も───)」

慌てた様子で駆け寄ってくる2人の()()()()…その姿を見た了見は静かに意識を手放す…かつて、()も見たであろう希望の煌めきを思いながら…。

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