転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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2章 二年目 破滅星光結社 ジェネックス
新学期スタート〜波乱〜


夏休みを終えアカデミアの新学期が始まった、今日は入学式で新入生がどんどんやってくる、そんな中1台のクルーザーが港にやって来た。

 

「ここがデュエルアカデミアか…やはりビッグな学校だな…」

銀髪の少年が呟く…彼は新入生でありプロデュエリスト…エド・フェニックスである。

 

「久しぶりだな、エド!」

そこに灰色の作業服を着た青年が話しかける。

 

「あなたは…?」

 

「おっと!悪い悪い…これなら分かるか?」

青年は被っていた帽子を赤帽子に変える…遊海である。

 

「ミスター遊海!お久しぶりです!まさか貴方が此処に勤めているとは…」

 

「ああ、ここが俺の職場だ!俺も驚いたよ…まさかお前がアカデミアに入学するなんて…」

 

「ええ…少し確かめたい事がありまして…」

 

「そうか…ここはいい学校だ、改めて色々な事を学んでいくがいい!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカデミアは新学期を迎えた、そして鮫島校長は長期出張へ…確かジェネックス開催の決闘者集めだっけ…?

その間はクロノス先生が臨時校長になった、そして教頭としてフランス出身のナポレオン先生がやって来た、初期のクロノス先生を少し悪くした感じだが…俺とO☆HA☆NA☆SHIしたからレッド寮はそのまま存続するだろう、まぁレッドの子達はまだ自分の道を見つけられない子達が多いだけだから完全な落ちこぼれと言うわけじゃないからな…何かレッド寮にしようなら…フフフ…。

レッド寮の大徳寺先生亡きあとの寮長はとりあえず俺になった、しばらくは翠に代行してもらいながらやっていくつもりだ。

そして俺は今…

 

 

 

【さぁ!やって参りました!デュエルモンスターズプロリーグ!今回の対戦者は…!】

 

 

 

この通りプロリーグに出場している…さて久しぶりだけど…慣れないなこの観客の数は…

 

 

【赤コーナー!伝説の決闘者が一年振りに帰って来た!バトルシティ準優勝!プロランキング5位!精霊に愛された決闘者!『赤帽子』の白波 遊海ーィ!!】

 

「「「ウワァァ!!!」」」

 

俺は歓声を浴びながらデュエルリングに登る…相変わらず、すごい人だ…

 

 

 

【対するは青コーナー!趣味は水上バイク!好きな海の生き物はシロクマ!プロランキング10位!海月 慎二!】

 

「やぁみんな!今日オレは…伝説に勝つ!」

 

「「「キャーシンジ様素敵ー!」」」

 

 

黄色い歓声を浴びながらやって来たのは縮れた黒髪の二枚目顔の青年だった…知らない顔だな…

 

「オイ!伝説の決闘者だかなんだか知らないが…この勝負はオレがもらうぜ…ブランクデュエリストさんよ…!」

海月は観客に聞こえない声で話かけてきた…性格悪いな…

 

「倒せるなら倒してみなワカメ君、俺は…少しレアだぜ?」

 

「ワカメッ…!!!」

顔が茹でだこのように赤くなる

 

【それでは…デュエルスタート!!】

 

 

 

 

       「「デュエル!!」」

 

 

シンジLP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「フィールド魔法『海』を発動!」

デュエルリングの足元が海になった

 

「そして『グリズリー・マザー』を召喚!」

青毛の熊が現れる ATK1400→1600

 

「カードを二枚伏せてターンエンド!」 

シンジLP4000

グリズリー 伏せ2 手札3

 

 

 

【シンジ選手!リクルートモンスターを出して準備満タンです…さぁ遊海選手はどうするのか!?】

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「フィールド魔法『真帝王領域』を発動!フィールド魔法が張り替えられた事で『グリズリー』の攻撃力も下がる!」

海が消え去り、ギリシャ調の神殿に変わる

グリズリーATK1600→1400

 

「しまった…!」

 

「そして手札から『帝王の烈旋』を発動!その効果により『グリズリー』を生け贄に…現われろ!『風帝ライザー』!」

緑色の鎧を着た風の帝王が現れる ATK2400

 

「『ライザー』の効果!左の伏せカードをデッキトップに戻す!」

ライザーの起こした風が伏せカードを舞い上げ、デッキに戻す

 

「ヤベッ!?(『竜巻海流壁』が戻された!手札に『海』はねえよ…!?)」

 

「バトル!『ライザー』でダイレクトアタック!」

ライザーの起こした風がシンジに直撃する

 

「うぼぁ!?」

シンジLP4000→1600

 

 

 

「カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

遊海LP4000

ライザー 帝王領域 伏せ2 手札 1

 

 

 

 

【遊海選手!流石伝説の決闘者!1ターンでシンジ選手を追い詰めました!】

 

 

 

 

 

「くそ…負けてたまるかよ!ドロー!」

 

「…『リロード』を発動!手札3枚をデッキに戻し、同じ枚数をドロー!…来たぜ!貴様を倒すカードが!」

 

「ほう?」

 

「手札から『スペースマンボウ』を召喚!」

巨大なマンボウが現れる ATK1700

 

「そしてさらに!『大波小波』を発動!スペースマンボウを破壊し…いでよ!『海竜ーダイダロス』!」

津波がマンボウを破壊し細身の海竜が現れる ATK2600

 

「さらに『リビングデッドの呼び声』を発動!墓地の『グリズリー』を特殊召喚!」

墓地から熊が現れる ATK1400

 

 

 

【おーっとシンジ選手!水属性のモンスターを展開して来た!これは遊海選手ピンチか!?】

 

 

「バトル!『ダイダロス』で『ライザー』を攻撃!『リヴァイアストリーム』!!」

海竜の起こした水流がライザーに迫る

 

「リバースカードオープン!『連撃の帝王』!このカードは相手のメイン・バトルフェイズに発動できる!相手ターンに生け贄召喚を行う!」

 

「相手ターンに生け贄召喚だと!?」

 

 

「そして俺はこのモンスターを召喚する時、生け贄召喚したモンスター1体で最上級モンスターを召喚できる!進化せよ!『烈風帝ライザー』!」

ライザーを中心に巨大な竜巻が起こり水流を蹴散らす、そして竜巻の中から体が一回り大きくなったライザーが現れる ATK2800

 

 

「攻撃力2800!?攻撃中止だ!」

 

「ライザーの効果!このカードが生け贄召喚に成功した時、場のカード一枚と自分または相手の墓地のカードを好きな順番でデッキの上へ戻す!さらに風属性モンスターを生け贄にした事によりもう一枚フィールドのカードを手札に戻す!俺はシンジの『ダイダロス』と墓地の『マンボウ』をデッキトップに、『グリズリー』を手札に戻す!」

 

ライザーの起こした竜巻がシンジの場を一掃する

 

 

「ぐっ…ターンエンドだ…!」

シンジLP1600

手札1

 

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!…バトル!『ライザー』でダイレクトアタック!『風帝烈風斬』!」

ライザーの風の刃がシンジを切り裂いた

「うわあああ!!」

 

シンジLP 0

遊海 WIN!

 

 

 

 

【決まった〜!勝者…白波 遊海選手!華麗な復活を遂げた〜!!!】

 

 

「「「ウワァァ〜!!」」」

 

 

「喧嘩を売るなら…相手を選んだほうがいいよ?君はまだ俺には追いつけない…!」

 

「くそ〜っ!!」

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れ様です、遊海選手!』

 

「ありがとう、Mrスマイル…」

彼はMrスマイル、黄色いスーツに蝶ネクタイを付けた海馬コーポレーションから派遣されている付き人である。

 

『次の試合は一週間後、ドクターコレクター氏とのデュエルですよ!』

 

「わかった…ありがとう!」

 

『いえいえ!私は貴方の1番のファンですから!そういえばこれからアカデミアのカイザー亮のデュエルですよ?ご覧になりますか?』

 

「…少し彼に会ってくる、そのまま一度アカデミアに戻るから今日は帰っていいよ。」

 

『そうですか!ではこれで失礼します!』

 

「ええ、またよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

「はい?」

 

「カイザー!どうだ調子…!?」

 

「遊海さん!先程の試合見事でした!…どうしました?」

 

俺がカイザーの控室を訪ねるとそこには黒い服…ヘルカイザーの服を着たカイザーがいた…

 

「カイザー…どうした、その格好は…!?」

 

「ああ!これですか…今日俺は悪役…ヒールとして彼…エドに挑もうと思いまして…」

 

カイザー曰く、先日の俺とのデュエルで自身の中の「勝ちたい」という強い思いに気づいたそうだ、しかしその思いに委ねてはサイバー流のリスペクトデュエルをする事はできない…ならばどうするか…?

 

結果としてリスペクトデュエルをする自分「カイザー亮」と、ひたすらに勝利を望むもう一人の自分、「ヘルカイザー」を使い分けデュエルする事にしたそうで…。

 

うん…自分でも何を言ってるかわからない、つまりカイザーは「勝利に飢えた自分」をコントロールした…のか…?

 

「ええ、まだ完全ではないですが…それで今日は悪役としての俺を出して見ようと思ったんです!」

 

「なるほどな…まぁ…無理はするなよ…?」

 

「ええ!気合を入れて勝ちを掴みます!」

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

「どうぞ!」

 

「やぁエド!どうだ?」

 

「ミスター遊海!ええ絶好調です!」

 

「そうか…そういえばアカデミアで十代とデュエルしたんだって?」

 

「ええ、即興のデッキでしたが…敗北しました…しかし彼のHEROの実力を見たくて…」

 

「…俺が何を教えたか覚えてるか…?」

 

「はい…『人を見下さず、相手を立てて全力の決闘をする』…ですよね…」

 

「そうだ!二度とそんな事するなよ…?」

 

「すいません…」

 

 

「遊海さん、エドを怒らないでください…私がそうするように頼んだのです…彼を見定めるために…」

 

「斎王…もうやらせるなよ…?エドを曲げて育ててしまったらエドのお父さんに申し訳ない!」

 

「はい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

エドの方は本来に比べ性格が丸くなっている、意識不明とはいえ父親が生きている事と俺が幼少期の彼に決闘のイロハを伝えたおかげもあるだろう。

 

斎王はやはり「破滅の光」に憑かれている、何度かスキを見て祓おうとしたが…俺では無理だ、やはり「優しき闇」に選ばれた十代じゃないと…

 

 

 

 

ピリピリピリ…ピリピリピリ…

 

「電話か…はい!」

 

『遊海さん!翠です!早くアカデミアに戻ってください!』

 

「何かあったのか?」

 

『アカデミアでカード狩りが起きてるようなんです!翔くんや他の生徒達も被害に…!』

 

「なんだって…?わかったすぐに戻る!」プッ

 

 

 

「トフェニ!頼む!」

 

《御意!》

 

 

 

俺は急いでアカデミアに戻る…この時期にカード狩りなんてあったっけ…?

 

 

 


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