転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

遊嗣を苦しめる悪夢の化身、ナイトメア・ダークネスを倒したマシュ…しかし、その先には全ての元凶が潜んでいた…!


全ての因縁を終わらせる、最後の決闘が始まる…!


悪夢を祓え─邪悪を滅する奇跡─

「馬鹿な…!?なんで、ライトニングが…!!?」

 

【フッ…私が()()()()()事がそんなに不可解か?それとも、私が()()()()()事に対してかな?】

 

 

突如、昏睡状態に陥ってしまった遊嗣を救う為、彼の精神世界に飛び込んだ遊海とマシュ。

 

その中で遊嗣の精神の廃棄孔から現れた虚無の残滓、ナイトメア・ダークネスをマシュが必死に撃破した直後、彼らの前に現れた者…それは、人格・学習データの書き換え処置を受け…実質的に消滅したはずの邪悪なるAI、光のイグニス・ライトニングだった…!

 

 

 

 

「どう、して…?ライトニングは、ボーマンとの、戦いのあと…彩華さんに、データを書き換えられて、別人に……それ以前、に…なんで、電脳世界じゃない…遊嗣さんの精神世界に、ライトニングが…!?」

断線してしまいそうな意識をなんとか繋ぎ留めるマシュが困惑した様子を見せる。

 

 

 

鴻上聖博士によって人類の後継種として生み出された『意思を持つAI』イグニス……彼らはネットワーク上、あるいはソルティスのようなアンドロイドに宿る形でしか存在できない『科学』の産物…科学では未だ解明しきれていない人間の精神世界に介入する手段は持たない。

 

 

 

────ただ1つの()()を除けば、だが。

 

 

 

《まさか、『破滅の光』の権能…!?》

 

【ああ、その通り……だが、勘違いするな…私は正真正銘、本物の光のイグニス・ライトニング…!破滅の光の影響は受けていない───()()()()()のような無様な真似はしないさ】

 

「───バックアップか!!」

 

【フッ…よく頭が回るな、白波遊海…その通り!私は白波遊嗣の意識データに仕込まれた、光のイグニスのバックアップだ】

そして、遊海と彩華がその正体に気付く…このライトニングは遊嗣の意識データに隠されていたバックアップ体だったのだ…!

 

 

 

「そん、な…!?でも…いつ、バックアップを…!?」

 

【オリジナルが人間達に宣戦布告したあの日だよ、マシュ・キリエライト……その直前、Yu-Z…白波遊嗣は丁度いい()を晒してくれたからな】

 

《っ──あの時ですか…!!》

ライトニングのバックアップ…それが仕込まれたのは半年以上前の事……偽りのサイバース世界でライトニング一味が遊作やリボルバー達に宣戦布告を叩き付けた日に遡る…。

 

 

 

【オリジナル……いや、私はあらゆる可能性を想定し、様々な策を用意した…風のイグニスのウイルスプログラム化…我々が敗北した時を想定した闇のイグニスへのメッセンジャーと()()()()()()()辿()()()()()()()()()()()()()()()()…そして──全てのイグニスが滅びた後、私だけが生き残る為のバックアップデータの隠蔽…そこに無策で突っ込んできた白波遊嗣と神のイグニス・ロマンは───格好の()()()()だった】

 

「っ…!!」

それは用意周到なライトニングの仕込みの1つ…偽りのサイバース世界でライトニングに敗れた遊嗣の意識データにAiがロボッピにしたように、バックアップを隠していたのだ…!

 

 

 

「だが、あの事件からもう半年以上経つ…!なんで、今ごろ…!!」

 

【私はバックアップに2つの起動条件を決めていた…1つ、Aiに向けたメッセンジャーAIの消滅…そして、2つ目…白波遊嗣の意識データが()()()()()()()()()時…!!】

 

「あっ…!?」

 

「きさ、ま…!!」

 

《Aiオルタによって、遊嗣は「覇王龍」の力を暴走させるほど傷付きました…それが、お前というバックアップを目覚めさせた…という事ですか…!!》

 

【その通り…!流石に、目覚めた直後に消えかけたのは想定外だったが……そのおかげで、私は「破滅の光」という超常存在の残した影響によって電脳生命体からさらなる進化を遂げた──白波遊嗣の意識データを介し、精神そのものに干渉できる新たな存在となったのだ!】

それは、ライトニングが遺した最後の仕込み…Aiが引き起こすであろう()()に乗じ、自分が復活する可能性を残していた。

しかも、破滅の光の影響で人間の精神に直接干渉・侵入できる存在と化していたのだ…!

 

 

【目覚めた私は当初、オリジナルたる草薙仁を乗っ取り、人類支配計画を始めようと考えた…だが、すぐには動けなかった…白波遊嗣の精神世界には()()がいたからな】

 

『オレ達の事か…!』

 

【その通りだ、悪魔のデュエリスト・ズァーク…いや、『覇王龍ズァーク』…!進化しようとも私は脆弱な存在に過ぎない…キミや白波遊海に存在を勘付かれれば、即座に消されるだけだろう…それ以前に、白波遊嗣という男の精神力が強すぎて自由に動く事も叶わなかった…故に、()()()()事にした───幸い、人間の精神を崩壊させる方法は熟知していたからな】

 

「まさか……遊嗣さんが、何度も悪夢を見ていたのは!!!」

 

【フッ…はははは!ああ、そうさ…!白波遊嗣が恐れ、忘れようとした痛みを!恐怖を!絶望を!!繰り返し、繰り返し見せつけてやったのだ…!白波遊嗣の精神を弱らせ、私が干渉できるようになるまで!!】

 

「っ────…………」

そして、明かされる全ての真相……遊嗣が繰り返し見ていた『悪夢』の原因───それは、遊嗣の精神に巣食ったライトニングの仕業だったのだ…!

 

 

 

【くくくっ…!白波遊嗣の苦しむ様子は傑作だった…!】

 

「────……れ…

 

【私の再現したシャドウ・ネームレスに刻みつけられた死への恐怖…】

 

「………まれ……!!

 

【自らの手で父親を殺した絶望…!そして、愛する者を失った慟哭…!!それを目にし、追体験する度に苦痛に歪む白波遊嗣の表情!!草薙仁が見せた表情とは比べ物にならない───】

 

 

「もう、黙れ」 

 

 

「ゆ、遊海さん……」

 

《マスター…!!》

遊嗣の苦しむ様子を嬉々とした表情で語るライトニング…その時、精神世界が揺れる───世界を砕きかねないほどの殺気を放つ遊海の言霊が、世界を押し潰さんとする…!

 

 

 

 

「──ズァーク……マシュを、頼む」

 

『遊海、さん…』

 

「遊海…さん……だめ…!あなたが…()()()()、したら…!()()に、呑まれたら…!!」

遊海は抱えていたマシュの身柄を未だ動けないズァークへと託す…その表情を見たマシュは─────初めて、遊海の事が()()と思った。

 

 

その表情は──血の涙を流す、鬼神のようだった。

 

 

 

 

「もう、お前と話し合う余地はない……お前を、殺す

 

【くっ…ふははははは…!あまり強い言葉を使うものじゃない、弱く見えるぞ?伝説の英雄…!】

 

決闘(デュエル)だ、ライトニング……俺の宝物を…大切な子供達を傷付けたお前を、許さない!!」

遊海の体から赤黒い殺意が溢れ出す…大切な息子を救う為…そして、全ての因縁を終わらせる為の決闘が始まった…!!

 

 

 

 

 

THREAT TO HUMANITY

 

     悪意の篝火 再燃 

 

 

 

 

 

【「デュエル!!」】

 

 

遊海LP4000

ライトニングLP4000

 

 

・マスタールール(新)適用

モンスターゾーンに融合・S・Xモンスターを特殊召喚可能

魔法・罠ゾーンの右端・左端がペンデュラムゾーン兼用化

 

 

 

「俺の、ターン!!」

「俺はスケール1の『クリフォート・アセンブラ』とスケール9の『クリフォート・ツール』をペンデュラムスケールにセッティング!!」

 

PENDULUM!!

 

遊海の背後に2本の光の柱が立ち上がり、黄色の核石を持つ機械と紫の核石を持つ石板が浮かび上がる!

 

 

「これで、俺はレベル2から8の『クリフォート』モンスターを同時に召喚可能!!ペンデュラム召喚!!手札からレベル6!『クリフォート・ゲノム』!!」

不規則に揺れ動く赤色のペンデュラム…そして、橙色の核石と捻れた機体の巨大機械が現れる!

 

クリフォート・ゲノム ATK2400→1800 ☆6→4

 

 

【ほう…これがペンデュラム召喚、キミ達はなんとも()()な人間だな?自分達だけが使える召喚法を隠していたとは】

 

「特殊召喚またはリリースなしで召喚した『クリフォート』モンスターはレベル4、攻撃力1800になる…そして俺は『ツール』のペンデュラム効果を発動!ライフを800払い!デッキから装備魔法『機殻の生贄』を手札に加え、発動!『ゲノム』に装備!そして、『機殻の生贄(サクリフォート)』の効果で『ゲノム』を2体分のリリースとして『クリフォート・シェル』をアドバンス召喚!!」

ライトニングの皮肉を無視し、遊海は黒色の核石を持つ、巻き貝のような機械を喚び出す! ATK2800

 

遊海LP4000→3200

 

 

「『機殻の生贄』がフィールドから墓地に送られた事で効果発動!デッキから『クリフォート』モンスター『クリフォート・アーカイブ』を手札に加える!カードを1枚伏せ、ターンエンド!さらに『アセンブラ』のペンデュラム効果発動!このターンリリースした『クリフォート』モンスター1体につき1枚ドロー!!」

 

遊海LP3200

シェル (P アセンブラ ツール) 伏せ1 手札1→2

 

 

 

 

【フッ…準備万端という訳だ…では、次は私の番だ…古い時代の化石にはご退場願おうか!】

 

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【私はフィールド魔法『天装の闘技場(アルマートス・コロッセオ)』を発動!発動時の効果で私はデッキから『天装騎兵スクトゥム』を手札に加える】

暗き世界が石造りの巨大な闘技場へと書き変わる…!

 

【そして私は『天装騎兵(アルマートス・レギオー)シーカ』を召喚!】

短刀を構える石像が現れる! ATK0

 

 

【いでよ!光を導くサーキット!召喚条件はレベル4以下の『天装騎兵』モンスター1体…リンク召喚!現れろ!『天装騎兵デクリオン』!】

ライトニングのデッキの切り込み隊長たる兵士が現れる! ATK1000 ↓

 

 

【そして、フィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動!手札の『天装騎兵スクトゥム』を墓地に送る事で墓地の『シーカ』を『デクリオン』のリンク先に守備表示で特殊召喚!!】

再び短刀を持つ石像が現れる! DEF400

 

 

【再びいでよ!光を導くサーキット!召喚条件はレベル4以下の『天装騎兵』モンスター1体!リンク召喚!現れろ!2体目の『天装騎兵デクリオン』!】

2体目の十人隊長が現れる! ATK1000 ↓

 

 

【そして、現れろ!世界を裁きし3本の矢!!リンクマジック「裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)」発動!!】

 

「っ…『裁きの矢』…!!」

そして…幾度となく遊作達を苦しめた、人類に仇なす力が発動する! リンクマーカー ↖↑↗

 

 

【このカードはリンクモンスターのリンク先となる魔法・罠ゾーンにのみ発動でき、このカードのリンク先のモンスターが戦闘を行なう場合、その攻撃力はダメージステップ時にのみ2倍となる】

 

「御託はいい、さっさとデュエルを進めろ」

 

【ああ、言われなくともそうするさ…いでよ!光を導くサーキット!召喚条件は『天装騎兵』モンスター2体!リンク召喚!現れろ!LINK-2!『天装騎兵ケントゥリオン』!!】

前線指揮官たる槍使いが現れる! ATK1700 ←→

 

 

【フィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動!手札の『天装騎兵グラディウス』を墓地に送り、『ケントゥリオン』のリンク先に『シーカ』と『スクトゥム』を特殊召喚!】

短刀を持つ石像と盾を持つ石像が現れる! DEF400 DEF1800

 

 

【いでよ!光を導くサーキット!召喚条件は『天装騎兵』モンスター2体以上!私は『ケントゥリオン』と『シーカ』をリンクマーカーにセット!リンク召喚!!】

我が光、永遠なり…我が力、真実なり!現れろ!Link-3!『天装騎兵レガトゥス・レギオニス』!!】

軍団長の名を持つ騎馬兵士が現れる! ATK2400 ←↓→

 

 

【バトルだ!『レガトゥス・レギオニス』で『クリフォート・シェル』を攻げ──】

 

「永続罠発動!『デモンズ・チェーン』!!『レガトゥス・レギオニス』の攻撃と効果の発動を封じる!」

 

【むっ…!?】

遊海の罠カードから飛び出した紫色の鎖が騎馬兵士の動きを封じる!!

 

 

「どんな高い攻撃力になろうと、攻撃できなけりゃ意味ないだろ」

 

【くっ…私はカードを2枚伏せ、ターンエンド…!】

 

ライトニングLP4000

レガトゥス・レギオニス(デモンズ・チェーン) スクトゥム 裁きの矢 天装の闘技場 伏せ2 手札0 

 

 

 

 

《マシュ!無事ですか!?っ…あなたは…》

 

「ふ、フレア、さん……」

 

『フレア…「ラーの翼神竜」の…!』

遊海がライトニングを押さえ込む中、異変を察知したフレアが駆けつける…その姿を見たズァークは「神」の姿に驚き、マシュは泣きそうになっている…。

 

 

《状況は!》

 

「遊嗣さんの、心の中に、ライトニングが…遊嗣さんが、悪夢を見てたのも…!」

 

『それを聞いた遊海さんが、怒りを爆発させながらデュエルを…!今は、ライトニングを押さえ込んでる!!』

 

《ユウミ───いけない…このままでは…!!》

マシュとズァークから状況を聞いたフレア…そして、禍々しい殺気を放つ遊海を見た瞬間…彼女は冷や汗を流す…!

 

 

 

 

 

「ロマンから、お前のプレイングは見せてもらった…この一撃で終わらせる!!俺は…俺自身でオーバーレイ!!

 

【っ…このエネルギーは…!!】

怒りを燃やす遊海の魂が眩い光と禍々しき闇に包まれる!

 

 

我が身に宿る戦いの宿命、救世の願い!今こそ!邪悪を断つ力となれ!!シャイニング・カオス・エクシーズチェンジ!!

それは遊海の宿す『絆の光』…そして、邪悪への憤怒を宿す『闇の闘志』の極致、闇を飲み込む光…正しき『混沌』の具現──だが、その光は禍々しい殺意によって変質する…!

 

 

闇を祓う、絆の輝き!!NEXUS!!

遊嗣の精神世界に黄金と()()の光の嵐が吹き荒れる…そして、黒金の推進翼を背負い、赤と黒の鎧を纏った…金色の髪を逆立てし怒りと混沌の決闘者…NEXUSⅢが現れる!

 

 

 

ズ キ ン!!

 

 

 

「っ──!!?!あぐっ…!?くううっ…!???」

 

《マシュ!しっかり!!》

吹き荒れる嵐…それを見たマシュが胸を押さえ、苦しげに表情を歪める…!

 

 

「いた、い…!!くるしい…!!遊海さん…ダメ…!ダメ…!!怒りに、身を任せないで…!!!」

 

《っ…!!(マシュの『繋がる』精霊の力が、遊海の強すぎる怒りを受けて彼女の()()を超えてしまっている!!)太陽の加護よ!!》

遊海自身をも燃やす荒ぶる怒り、それを間近で感じてしまった事で苦しむマシュ…フレアは咄嗟にマシュとズァークを結界で保護する!!

 

 

 

「ふれ、あ…さん…遊海さん…遊海さんが、壊れちゃう…!!」

 

《っ───ああなってしまえば、誰の声もユウミには届かないでしょう…!今回の戦い、ユウミはそのほとんどを()()()()()()()()()()()()()…その戦いの元凶が、再び現れて自分の()()を…ユウジと貴女を傷付けたなら……その激情を止める術はありません…!!》

 

「そん、な…!!」

 

 

 

今までの戦いの歴史において、遊海が怒りに呑まれた戦いは数える程しかない……その中でも、今回の決闘は完全に理性の箍が外れかかっていた。

 

 

「遊戯王VRAINS」の物語…ハノイの騎士との戦いはARC次元で起きたトラブルによって最終局面まで駆けつける事ができなかった。

 

ライトニング一味との戦いでは、世界を守らなければならないはずの自分が人質として囚われ、挙句にはダークネスの呪いによって遊嗣達が歴史改変をしなければならない事態となった。

 

Aiオルタとの戦いに至っては油断によって遊嗣とマシュを人質に取られ…「覇王龍」の暴走を引き起こす事になってしまった…。

 

 

光のイグニス・ライトニングは全ての()()…それが再び、自分の守らなければならないものを傷付けたのならば……その赫怒を押さえられる者はいない…!!

 

 

 

 

 

「俺のターン!真の決闘者の決闘は全て必然!ドローカードすら決闘者が創造する!!シャイニング・ドロー!!

黒金の軌跡が遊海の「勝利の方程式」を導く最短の1枚を創造する!

 

 

 

「再び揺れろ!ペンデュラム!!ペンデュラム召喚!!手札から『クリフォート・エイリアス』!EXデッキから『クリフォート・ゲノム』!!」

再び不規則に揺れ動くペンデュラム…そして灰色の核石を持つステルス機と橙色の核石の機械が現れる!

 

クリフォート・エイリアス ATK2800→1800 ☆8→4

 

クリフォート・ゲノム ATK2400→1800 ☆6→4

 

 

【いくら雑魚モンスターを並べた所で、攻撃は封じられたとはいえ『レガトゥス・レギオニス』を倒せないぞ?】

 

「俺は速攻魔法『揺れる眼差し』を発動!!お互いのペンデュラムゾーンのカード全てを破壊し、その枚数に応じた効果を発動する!破壊されるのは俺の場の2枚!1枚を破壊した事で相手に500ダメージを与える!」

 

【ぐっ!?】

吹き荒れる禍々しい力の嵐が遊海のペンデュラムカードを破壊、ライトニングのライフを削る!

 

ライトニングLP4000→3500

 

 

「2枚を破壊した効果!デッキからペンデュラムモンスター『クリフォート・アクセス』を手札に加える!」

 

【ふん、自分の得手を自ら手放すとは…何がしたいんだ?】

 

「俺はレベル4の『ゲノム』と『エイリアス』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

2体のモンスターが銀河へと飛び込み、ビックバンを起こす!

 

 

「現れろ!『No.∞』!!俺が歩みし戦いのロード…今こそ、邪悪を断つ力となれ!!『決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)』!」

英雄の魂たるデュエルディスクを模した大剣が地面に突き刺さる! ATK2500

 

 

【チッ…ナンバーズか…厄介なモンスターを…!】

 

「『決闘の守護者』の効果発動!エクシーズ召喚に成功した事で1枚ドローできる!さらに俺は俺自身と『決闘の守護者』でオーバーレイ・ネットワークを再構築!シャイニング・エクシーズチェンジ!!」

遊海が魂の大剣を天に掲げ、光に包まれる!

 

 

「顕現せよ!『SNo.∞』!!英雄の魂、枷より解き放たれ…世界を希望で繋ぐ『絆』となる!『決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)─NEXUS』!!」

光の大爆発と共に遊海の身体が再構築される…そして、現れるのは赤いロングコートを纏いし戦士──遊海の切り札、その身を精霊と化した究極の姿が現れる! ATK4000

 

 

 

「遊海さんの、切り札…「SNo.∞」…!!」

 

《っ…この攻撃で、決まってくれればいいのですが…!!》

初めて遊海のシャイニング・ナンバーズを直接目の当たりにするマシュ…そして、フレアもその勝利を願うしかない…!

 

 

 

【攻撃力4000…だが、『裁きの矢』さえあれば!!】

 

「バトルだ!『NEXUS』で『レガトゥス・レギオニス』を攻撃!!」

 

【リンクマジック『裁きの矢』の効果発動!リンク先のモンスターがバトルする時、その攻撃力は2倍になる!!】

 

「『NEXUS』の効果発動!バトルする時、ORUを1つ使い!自身の攻撃力を2倍にして、相手に与える戦闘ダメージを2倍にする!!」

 

【なんだと!?】

『裁きの矢』を発動するライトニング…しかし、その攻撃力を遊海の魂の力が上回る!!

 

 

レガトゥス・レギオニス ATK2400→4800

 

NEXUS ATK4000→8000

 

 

「この一撃で、終わらせる!!NEXUSスプリーム・カリバー!!

跳躍した遊海の右腕が巨大な光の刃となる、その刃はライトニングへと振るわれ───────

 

 

 

【────ここまで上手くいくとは思っていなかったな……永続罠発動!『拷問車輪』!!】

 

「なっ…!?」

 

《マスター!!》

 

「『遊海さん!!』」

瞬間、遊海の四肢に鎖が巻き付く…その鎖は凄まじい勢いで巻き取られ、遊海を巨大な車輪の側面に磔にしてしまった…!

 

 

 

「ぐっ…!?これ、は…!?」

 

【永続罠『拷問車輪』…その効果により、相手モンスター1体の攻撃と表示形式の変更を封じる……人間とは実に単純な生き物だ…ほんの少しの怒りで目を曇らせる事ができる…】

 

「っ…しまった…!!ライトニング、貴様…!!」

ライトニングは姿を現してからここまで、全力で遊海の怒りを煽り続けた…全ては遊海の全霊を封じる為だったのだ…!

 

 

 

【ふははは…!どんな気分だ?白波遊海…磔にされるのはずいぶんといい気分だろう?】

 

「舐めるな…!!『クリフォート・シェル』で『天装騎兵スクトゥム』を攻撃!そして、守備表示モンスターを攻撃した時!その守備力を攻撃力が上回った分のダメージを与える!!」

 

【そんなモンスターを…だが、残念だったな…『スクトゥム』かリンク状態の時、相手はリンク先のリンクモンスターしか攻撃できない…さぁ、どうする…?】

 

「くっ…!?」

捕らわれた遊海は抵抗の攻撃を仕掛けようとするが…ライトニングのモンスターに阻まれてしまう…!

 

 

「なら、メイン2!俺は『NEXUS』と『シェル』をリリースして──」

 

【そうはさせん…!永続罠『群雄割拠』を発動!お互いのフィールドに存在できるモンスターの種族は1種類となる!私の場にはサイバース族のモンスターのみ…対して、お前の場には戦士族と機械族のモンスターがいる…さて、どちらを選ぶ?】

 

「っ──(『クリフォート』デッキの『裁きの矢』対策は『クリフォート・ゲノム』の効果と『ハーピィの羽箒』…機械族を選べば、先に()()()()()()!!)…俺は、戦士族を選ぶ…!!」

 

【フッ…そうだ、お前はそう答えるしかない…選択された種族以外のモンスターは墓地に送られる】

永続罠の効果でシェルがフィールドから消え去る…!

 

 

「俺は、これでターンエンド…!!」

 

遊海LP3200

NEXUS(拷問車輪) デモンズチェーン 手札2

 

 

 

 

「ゆ、遊海さん…!!」

 

《っ…嫌な予感が現実に…しかも、あのカードは…!!》

磔にされてしまった遊海…その姿を見たフレアは思い出す……遊海がこの世界で一番最初に()()()()になった相手の事を…!

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【そして、スタンバイフェイズに永続罠『拷問車輪』の効果発動!私のスタンバイフェイズごとに相手に500ダメージを与える!!】

 

「っ…!!」

ライトニングが宣言した瞬間、遊海を拘束した車輪が回り始める…その回転した先には鋭いトゲが───

 

 

グシャ!! 

 

 

「っ──!!!!!」

 

「遊海さん!!!」

闘技場にマシュの悲鳴が響く…精神世界故に血は流れない…しかし、その()を削る拷問が激痛である事には変わりはない。

遊海は痛みによる叫びを必死に噛み殺す…!!

 

遊海LP3200→2700

 

 

【ほう、我慢強いな…ウインディは串刺しにされて泣き叫んでいたが、やはり人間の肉体とは丈夫なモノだ……だが、いつまで耐えられるかな?私は魔法カード『カップ・オブ・エース』を発動…コイントスの表か裏で効果が変わる…回れ、運命の車輪よ!】

ライトニングの頭上に現れた『カップ・オブ・エース』のカードが回転する…指し示すのは───正位置…!

 

 

【表の時の効果により、私はカードを2枚ドローする…フッ…私は魔法カード『「攻撃」封じ』を発動!『NEXUS』を守備表示にする!】

 

「くっ…!!」

ライトニングの魔法により、遊海の体から力が抜けていく…。

 

 

NEXUS ATK4000→DEF4000

 

 

【ひとまずはここまでか…私はカードを1枚伏せ、ターンエンド!】

 

ライトニングLP3500

レガトゥス・レギオニス(デモンズ・チェーン) スクトゥム 裁きの矢 拷問車輪 群雄割拠 伏せ1 手札0

 

 

 

《マスター!気を確かに!!》

 

「っ…う……負けて…たまるか……あいつの、好き勝手には、させない…!!」

魂を削られる激痛の中、遊海はデュエルを続ける為に拘束が解かれた右腕を必死にデッキへ伸ばす…!

 

 

 

「俺のターン…シャイニング・ドロー……!!」

遊海の生命の輝きが逆転の一枚を導く!

 

 

「魔法カード…『ハーピィの羽箒』、発動!!相手フィールドの魔法・罠カード全てを、破壊する!!」

 

【シャイニング・ドロー…凄まじいチートスキルだな…だが、状況を限定すれば…対処は容易い!永続罠『天装の詠唱(アルマートス・グローリア)』を発動!お互いのフィールドのカードはこのカードの効果以外では破壊されなくなる!】

 

「なにっ…!?」

フィールドに吹き荒れる最強の除去カード…しかし、その羽根吹雪は光のバリアに無効化されてしまう!

 

 

「く、そ…!俺は、ターンエンド…!」

 

遊海 LP2700

NEXUS(拷問車輪) デモンズ・チェーン 手札2

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【スタンバイフェイズに永続罠『拷問車輪』の効果発動!相手に500ダメージを与える!】

 

グシャ

 

ギッ……!!!!

 

 

「あ、ああ…!!」

 

《っ…光のイグニス、まさか…貴様…!!》

再び回転する拷問車輪…鋭利なトゲが再び遊海の魂を削る…!

 

遊海LP2700→2200

 

 

【フッ…いでよ!光を導くサーキット!召喚条件は『天装騎兵モンスター』2体!『レガトゥス・レギオニス』と『スクトゥム』を素材としてリンク召喚!現れろ!2体目の『天装騎兵ケントゥリオン』!!】

再び前線指揮官の槍使いが現れる! ATK1700 ←→

 

 

「『デモンズ・チェーン』で効果を無効にされた『レガトゥス・レギオニス』を…!」

 

『まずい…アイツの切り札がくる!』

 

【その通り…!私はフィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動!手札の『天装騎兵ガレア』を墓地に送り、『ケントゥリオン』のリンク先に墓地の『シーカ』と『グラディウス』を特殊召喚!】

短刀を持つ石像と片手剣を持つ石像が現れる! DEF400 DEF800

 

 

【いでよ!光を導くサーキット!召喚条件は『天装騎兵』モンスター3体以上!リンク召喚!!現れろ!!混沌たるネットワークの戦場を進軍する指揮官よ!!Link-4!『天装騎兵マグヌス・ドゥクス』!!】

ライトニングの切り札…巨大な戦象に乗る指揮官が現れる! ATK3000 ←↓↑→

 

 

【さて、バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で守備表示の『NEXUS』を───白波遊海を攻撃!『裁きの矢』の効果により、その攻撃力は2倍になる!!】

 

マグヌス・ドゥクス ATK3000→6000

 

 

「っ…!?ナンバーズの『NEXUS』はナンバーズモンスターとの戦闘でなければ破壊されません…なのに、なんで攻撃を…!?」

 

《いけない…!!今のユウミは──ユウミの『魂』は剥き出しなのです!!その状態で攻撃を受けたら!!》

 

「えっ……ああっ!?!」

不可解な攻撃を仕掛けるライトニング…だが、フレアがその目的に気付く…ライトニングは精神世界で()()()()状態の遊海の魂に攻撃を仕掛けたのだ!!

 

 

「っ…があああああっ!!!?」

 

《マスター!!!》

戦象の担ぐ二門の大砲が火を吹く…放たれた砲弾は回避も防御もできない遊海の体を直撃する…!!

 

 

【くくく…ははははは…!!どうだ…我が力は…なかなかに効くだろう…?私はこれでターンエンド!】

 

 

ライトニングLP1500

マグヌス・ドゥクス 裁きの矢 拷問車輪 群雄割拠 天装の詠唱 手札0

 

 

 

 

キィン……

 

「が、はっ…!卑怯な、真似を…!!」

 

【卑怯、とは人聞きが悪い…これはルールに則った、正々堂々とした()()だとも】

 

「減らず、口を…!!」

遊海の体から光が霧散する…モンスターの『NEXUS』ではなく、遊海としての究極体・NEXUSが解けてしまったのだ…!

 

 

 

「俺の、ターン…ドロー…!」

「っ……カードを、1枚伏せて、ターンエンド…」

 

遊海LP2200

NEXUS(拷問車輪) デモンズチェーン 伏せ1 手札2

 

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【スタンバイフェイズに永続罠『拷問車輪』の効果発動!500ダメージだ!】

 

ザシュ

 

「っ…がああああっっ…!!!

 

「遊海さんっ…!!」

 

【やっと悲鳴を上げたな…白波遊海…!!】

再び遊海の魂を削る拷問車輪…その激痛に遊海から苦悶の声が漏れる…!

 

遊海LP2200→1700

 

 

【さぁ…バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で白波遊海を攻撃!!『裁きの矢』で攻撃力は2倍となる!!】

 

「ぐうっ…!?がああああああっ!!!」

 

「やめて…やめて…!!もうやめて──!!!」

再び火を吹く大砲…その砲弾に焼かれて叫びを上げる遊海…その光景を見たマシュの悲鳴が響く…。

 

 

 

【やめる?何を言うんだ…『デュエリストはライフポイントがある限り戦える』のだろう?さぁ…人間の底力を見せてみるがいい!私はターンエンド!】

 

ライトニングLP3500

マグヌスドゥクス 裁きの矢 拷問車輪 群雄割拠 天装の詠唱 天装の闘技場 手札1

 

 

 

 

Side遊海

 

 

「が、はっ…(ああ………何を、やってるんだろうな、俺……ライトニングがわざと、俺を煽ってると…わかっては、いたはずなのに…)」

激痛の中、遊海の思考は一周回って冷静になっていた…自分の失策、失敗…浅はかさ……それが馬鹿ばかしくなるほどに…。

 

 

 

「(『ハーピィの羽箒』や効果破壊も封じられた…『クリフォート』モンスターの召喚も……おそらく、ライトニングは…このまま『拷問車輪』で、俺を削り続ける…俺の存在が保てなくなるまで……)」

 

 

 

「俺のター……ドロー……」

「(俺の手札には『アポクリフォート・キラー』『クリフォート・アーカイブ』『クリフォート・アクセス』の3枚…伏せカードも、今は使えない………勝ち筋が、見えない…!)」

 

 

「ターン…エンド……」

遊海LP1700

NEXUS(拷問車輪) 伏せ1 手札3

 

 

 

 

 

【ふははははは…ああ、いい眺めだ…!丁度いい…この先の私の計画を教えてやろう…冥土の土産、という奴だ】

ライトニングが嫌らしい笑みを浮かべながら、自身の計画を語り始める…。

 

 

【まずは、白波遊海をここで倒す…そして、忌々しいマーリン(白いローブの男)を排除し…白波遊嗣の意識を目覚めさせる…!そして、この光景を見たら…何が起きると思う?】

 

『っ…まさか…オレの…「覇王龍ズァーク」の力を暴走させるつもりか!!』

 

【その通り…!創造の前には破壊が必要というだろう?『覇王龍ズァーク』の力によって人間共の世界を破壊し、私の支配する世界を創造する礎とするのだ!!】

 

「っ…そんな事…そんな事、させまっ……動いて…動いてよ…!私の体…!!遊嗣さんを…遊海さんを、守らないと…!!」

 

《(っ…無理でしょう…マシュは少しずつ『全て遠き理想郷(アヴァロン)』で回復してはいるのでしょうが…()()()となると速度が…!!)》

遊嗣の精神を絶望させ、再び『覇王龍の乱』を引き起こそうというライトニング…それを聞いたマシュは必死に立ち上がろうとする……だが、彼女はまだ動ける状態ではなかった…。

 

 

 

「寝言は、寝て言え…!俺が、倒れても…凌牙が、いる…翠が、いる…!俺と、一緒に…戦い続けてくれた、仲間たちがいる……お前の、思い通りには…ならない…!!」

 

【フッ…口ではなんとでも言えるが…いつまで耐えられるんだろうな?白波遊海…!!】

ボロボロの体でライトニングを睨みつける遊海…しかし、ライトニングは遊海を嘲笑う…!

 

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【永続罠『拷問車輪』の効果発動!相手に500ダメージを与える!!】

 

ブシュッ…

 

っ…!!があああっ…!!?

再び回転する拷問車輪……その激痛は確実に遊海の精神を…魂を削っていく…!

 

遊海LP1700→1200

 

 

【私はフィールド魔法『天装の闘技場』の効果発動!手札の『天装騎兵シーカ』を墓地に送り!『マグヌス・ドゥクス』のリンク先に『ガレア』『グラディウス』『スクトゥム』を特殊召喚!】

指揮官の周りに戦力が集中する! DEF1000 DEF800 DEF1800

 

 

【いでよ!光を導くサーキット!召喚条件は『天装騎兵』モンスター3体!リンク召喚!現れろ!2体目の『天装騎兵レガトゥス・レギオニス』!!】

再び、軍団長の名を持つ騎馬兵士が現れる! ATK2400 ←↓→

 

 

 

【バトルだ!『マグヌス・ドゥクス』で『NEXUS』を攻撃!!『裁きの矢』で攻撃力は2倍だ!】

 

「ぐうううっ…!!」

大砲が再び遊海を焼き焦がす…そして──

 

 

【『レガトゥス・レギオニス』で攻撃!!『裁きの矢』で攻撃は2倍になる!!】

 

ブ ツ リ

 

「────────あ………」

 

《マスター!!!》

 

遊海の胸に剣が突き刺さる…その瞬間、()()が───切れてはならないモノが切れてしまった音が響く。

 

 

そして、遊海の瞳から光が消える…ガクリと身体の力が抜け、NEXUSが灰色に染まっていく。

 

 

ライフは残っている…だが、先に───遊海の魂が()()を迎えてしまったのだ…。

 

 

 

【私はこれでターンエンドだ…さぁ…さぁ!お前のターンだ、白波遊海!!】

 

ライトニングLP3500

マグヌスドゥクス レガトゥス・レギオニス 裁きの矢 拷問車輪 群雄割拠 天装の詠唱 天装の闘技場 手札0

 

 

 

 

 

「──────」

 

「あ…ああ…!?そんな…そんな…!!!」

 

【ふっ……ははは……はははははは!!!やった…やったぞ!何が最強のデュエリスト!伝説の英雄だ!!こうも呆気なく死ぬとはなぁ!!ははははは!!!】

脱力した遊海は…もう、動かない…幾度となく絶望を乗り越えた英雄は…邪悪なるAIの策略によって、その『光』を使い果たしてしまった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まだ…まだだ!!英雄は──白波遊海は!!こんな所じゃ死なない!!死なせて…たまるかあああああ!!』

 

【なにっ!?】

その瞬間、人影が駆け出す…それは…体力を使い果たしたと思われていたズァークだった…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideズァーク

 

 

 

『(───ああ…終わってしまう…()()()()()が…)』

ライトニングによる反則ギリギリの…デュエリストの風上にも置けないデュエルによって痛めつけられる遊海の姿を見ながら、ズァークは拳を握り締める事しかできずにいた…。

自分の見た『夢』───自身の生まれ変わりたる遊嗣の幸せな暮らしの終わりを感じながら…。

 

 

『(オレのせいだ…オレが、光のイグニスが潜んでいる事に気付けていれば…!!)』

ズァークは拳を地面に叩きつける…遊嗣の精神の守り手であるはずの自分が、その役目を果たせなかった事が今回の原因の1つだったからだ…。

 

 

 

「そんな…遊海さん!!」

 

『っ…遊海、さん…そんな…!?』

その時、倒れ込むマシュが悲鳴を上げる…その目線の先で数多の希望を掴んできたはずの白波遊海から…光が消え去ってしまっていた…。

 

 

『光が…希望が、消える……オレ…貴方に、何も…光を貰ったお礼も…できてないのに……!!────ひか、り…?』

遊海の光が消えていく中、ズァークはふと気付いた────白波遊海の『光』なら、()()()()()()()()じゃないかと。

 

 

 

『まだ…まだだ!!!英雄は──白波遊海は!!こんな所じゃ死なない!!死なせて…たまるかあああああ!!』

それに気付いた瞬間、ズァークは駆け出していた…その胸に抱く()を…遊海へと届ける為に…!!

 

 

 

 

【チッ…死に損ないの悪魔め…消えろ!!】

 

「ズァークさん──!!!」

駆け出したズァーク…その姿を見たライトニングはモンスター達に指示を飛ばす…戦象が大砲を放ち、槍兵と騎兵が突撃する。

 

今のズァークは普通の人間としてのスペックしかない…一撃でも受ければ、『ズァーク』という人格は消えてしまうだろう……だが、彼は1人ではない。

 

 

《ゴオアアアア!!!》

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが戦象の大砲を撃ち落とす

 

 

《グルルルァァァ!!》

 

《ギシャアアアア!!》

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンとクリアウイング・シンクロ・ドラゴンが騎兵達を押さえ込む、そして──

 

《グギャアアアン!!》

 

『行こう!オッドアイズ!!』

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンがズァークを背中に乗せ、疾走する…かつて、彼と共にフィールドを駆けた時を思い出しながら───

 

 

 

『っ──()()()()!!受け取ってくれ…オレ達の光を────!!!』

 

【させるか!!】

拷問車輪に磔にされた遊海へと手を伸ばすズァーク…しかし、再び放たれた砲弾が2人へと迫り───全ては光と煙に塗り潰された…。

 

 

 

《ユウミ…!!!》

 

「遊海さん!!ズァークさん───!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

 

 

 

 

 

───ああ…久しぶりに来たな……この落ち続ける感覚………流石に、今回はダメか……怒りに振り回された時点で、俺は勝てなかったのかもしれない────

 

 

遊海は落ちる…あるいは昇る……彼は全ての力を使い果たした。

 

とうに感覚は消え、残るのは思考のみ…その思考も少しずつ解けていく…。

 

 

 

 

───せっかく、遊嗣に命を拾って貰ったのに……ああ…()()()な……もっと、冷静に戦えればよかった……どれだけ悔やんでも、時間は戻らない………せめて、マシュちゃんだけでも、無事に……───

 

浮かんでは消えていく後悔とやり残し……それも、少しずつ消えていく…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───………遊嗣とマシュちゃんの結婚式、出てやりたかったな…───

 

最後に遊海が思い出したのは、騒動の前に翠と話した他愛もない()()()……それだけが、遊海の最後の心残りだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン…

 

キィン…

 

 

 

 

──────ひか、り…?

 

 

 

意識が消える刹那…暗闇の世界に光が輝く……それは小さくも優しい──強い『光』だった。

    

 

 

 

 

「Mr.白波!ユーはもっと自由に、自分や家族の幸せの為に生きてよかったのデース!」

 

 

 

 

 

「───ああ、そうか……もっと、()()()()になってよかったんだ、俺」

いつか、何処かで聞いたペガサス・J・クロフォードからのアドバイスを思い出す。

 

 

俺は、ずっと自分の為に戦ってきたと思ってた。

 

神様に、遊戯王世界に転生させてもらって…「最善の物語」を見たいと思って、戦い続けてきた。

 

遊戯や十代、遊星…遊馬…遊矢…そして遊作……つらい思いや大変な戦いを続ける「主人公」や仲間達の旅路を、ほんの少しでも楽にしたかった……それだけで、俺は()()してた。

 

 

()()()()()()()になってた。

 

 

「俺は、『物語』に縛られてた…だから、ペガサス会長は……ああ…そうですよね…『人生』という名の物語は──()()()()()なんだから………気付くのが、ちょっと遅くなっちゃった…」

 

俺は思い出す、自分の大切な家族の顔を…俺の人生を彩ってくれた仲間達の笑顔を…『物語』なんて関係なく、俺が結んだ()の光を───

 

 

 

 

──()()()()!!受け取ってくれ…オレ達の光を────!!!──

 

 

 

 

「───ああ…そうだな、ズァーク……お前は……今のお前も、()()()()だ……息子の前で、かっこ悪い姿は見せられねぇよなぁ!!」

俺は『光』を掴む……俺と遊嗣じゃない、()()()()()()()()()()────そんなのアリかって?

 

 

「こういう()()があったって良いだろ?…この『光』は、俺達だけの光だ!!」

 

()()()()()が俺の擦り切れた魂に力を呼び戻していく…その()()()()感覚と共に……俺は、生と死の境界をぶち破った!!

 

 

 

 

 

Side OUT

 

 

 

 

 

 

 

【フン…死んだか…あっけない終わりだったな】

 

「遊海さん…ズァークさん…!!」

煙に包まれた遊嗣の精神世界にライトニングの呆れたような呟きが消えていく…遊海とズァークを排除すれば、残されたのは戦闘不能のマシュのみ…遊嗣の精神を絶望させるには充分だと考えたからだ。

 

 

キィン─!!

 

 

「──誰が、終わりだって……!」

 

【むっ…!?】

その時、煙の奥から眩い光が溢れ出す…その光が照らすもの、それは───

 

 

 

『おと……遊海、さん…!』

 

「──ありがとうな、ズァーク…お前が()()()()って呼んでくれたから、戻ってこれた…心配させたな」

 

「遊海さん!!」

満身創痍…しかし、それでも…その男は立っていた……命を使い果たしたはずの遊海が静かにライトニングを睨みつけ…その姿を見たマシュが歓声を上げる!

 

 

 

《マスター…その、力……まさか…!?》

 

「ああ…こんな形で「光」って残るんだなぁ……俺もびっくりだよ」

奇跡の復活を遂げた遊海…その手に持つ()を解析した彩華は言葉を失った。

 

 

何故ならば、その光は──()()()()()()()()()()()()()()の形をしていたからだ。

 

 

 

【くっ…!?だが、今さら何ができる!!私のフィールドは万全!!攻撃も、効果も封じられた…木偶の坊のナンバーズに何ができる!!】

 

「ああ…見せてやるよ、ライトニング…全てを滅ぼす光でも、誰かを傷付ける光でもない!俺が掴んだ()()()を!!!」

遊海の予想外の復活に狼狽するライトニング…悪しき光を滅する為、遊海は自分が手にした光を解放する!!

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「いくぞ…みんな!!俺は、俺自身!『決闘の守護者─NEXUS』でオーバーレイ・ネットワークを再構築!!アルティメット・エクシーズ・チェンジ!!」

遊海は手にした光──全知全能の欠片『ヌメロン・ピース』の力を解放…遊海の体が虹色の光に包まれる!

 

 

 

キィン!!

 

 

《キュオオォォオオオン!!!》

 

 

「あれは…!シグナーを導いた、赤き竜!!」

遊嗣の精神世界に人々の善意の化身、赤き竜の咆哮が響く…だが、それだけではない。

 

 

遊海が手にした原初の異能『千年玉』の力

 

人が生きる為の生命の源たる『混沌(カオス)

 

そして…時を超えて遊海と繋がり続けた『仲間との絆』と『家族の愛』

 

それが『全能の欠片』と共に……ランクアップした白波遊海の『魂』を限界のその先へと昇華する!!

 

 

 

 

 

「顕現せよ!「SNo.∞」!!俺は此処に誓う…光と闇、悪と善!その全てを抱き、最善を掴み取ると!!俺達の歩みし旅路が…未来を導く光差す道となる!『決闘の守護神(デュエル・ガーディアン)─グリッターNEXUS』!!」

虹色の光の嵐が吹き抜ける…顕現せしその姿こそ、かつてのズァークとの戦いを終わらせた『神』の姿。

 

 

白銀に輝く髪と赤と青のオッドアイ、額には真実を見抜くウジャト眼が輝く。

 

全身に纏う鎧も白銀に煌めき、背中の推進翼からは虹色の粒子が漂い、胸元には『混沌(カオス)』の力を宿す赤紫色の核が輝き、それを囲むように赤き竜の痣が完成…全身に虹色のエネルギーが迸る…白波遊海という『主人公』の究極の姿が現れた! ATK5000

 

 

 

「すごい…!遊海さん…本当の、神様みたい…!!」

 

《ええ…そうです、ユウミのあの姿こそ…今を生きる人々全ての幸せを願う…最善を導く、神としての姿です!》

奇跡を目の当たりにしたマシュから、かつての翠と同じ言葉が漏れる…それは遊海の抱く『願い』の化身──悪意を調伏する、希望の神が現れる!

 

 

 

【なんだ…なんだ、その姿は…!!姿が変わったくらいで!私を倒せると思うな白波遊海ィィィ!!】

 

「ライトニング…感情に飲み込まれた悪意の篝火よ…!その火種、今度こそ消し去る!!バトルだ!『グリッターNEXUS』で『天装騎兵マグヌス・ドゥクス』を攻撃!!そして、効果発動!『グリッターNEXUS』がバトルする時、ORUを1つ使い!相手フィールドの表側表示のカードの効果を全て無効にし、このターンの終わりまでカード効果の発動を封印する!《color:#ff0000》NEXUSサンクチュアリ!

 

 

【な、なんだと!?】

遊海から放たれる聖なる光の波動…それがライトニングのフィールドのカード全ての効果を無効化する!

 

 

【だが、この攻撃を受けても私のライフは残る!!】

 

「まだだ!俺は速攻魔法発動!『アクションマジック─フルターン』!!このターン、お互いのモンスター同士によるバトルで発生するダメージは…2倍になる!!」

 

【なっ…!?馬鹿な───】

 

「受けてみろ、ライトニング!!これが、俺を導いてくれた絆の力!NEXUSアルティメット・カリバー!!

 

【馬鹿な…馬鹿な…!?馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なぁぁぁぁ!!!?】

遊海の右腕が虹色の光を纏う、巨大な光の刃に変わる…その刃は戦象の指揮官を両断──ライトニングは希望の光によって消し飛ばされた…!!

 

 

 

 

 

「や、やった…!!遊海さんの、遊海さんの勝ちです!!」

 

『ああ…よかった……やっと、遊海さんを…お父さんを、助ける事ができた…』

消し飛ばされたライトニング…デュエルの決着を見たマシュが歓声を上げる…その中でズァークもホッとした表情で笑っていた…。

 

 

 

 

 

まだだぁ…!!私が…この私がぁ!人間に敗れるなど…あってはならないぃぃぃ!!!

 

 

 

 

「『そんなっ!?』」

その時…精神世界が揺れる、そして…地の底から響くような怨嗟の声と共に、巨大な肉塊の巨人───ライトニングの()()()()()が現れる…!

 

 

 

「どうして…!?ライトニングのライフは、今の攻撃で尽き───まさか…!?」

 

「───()()()か」

 

スキル【エクストラライフ】…!!自分のライフ以上のダメージを受けた時、1度だけ自分のライフは1残るぅぅ!!私は…私は滅びぬううう!!死んでたまるかぁぁぁ!!

 

『おいっ…!?それは卑怯にも程があるだろ!?ここはリンクヴレインズじゃないんだぞ!?』

それは、最期の悪足掻き…ライトニングは遊海の精神世界を蝕む『悪魔の残骸』全てを吸収…大怪獣に迫る大きさの醜悪なる巨人として復活を遂げる…!

 

ライトニングLP3500→1

 

 

「しかし、ああ……()()()()()、お前がそこまでの外道なら───後腐れなく、終わらせられる」

 

なにっ…!?

しかし、遊海は()()()()()…既に、勝利の方程式は答えを導き出している!!

 

 

「『グリッターNEXUS』のもう1つの効果、発動!俺が戦闘で相手モンスターを破壊した時!そのモンスターの攻撃力または守備力のうち、どちらか高い数値の2倍のダメージを相手に与える!!」

 

な、なんだとぉぉぉ!?!?

それはダメ押しの一手…世界を滅ぼす邪悪を葬る、最後の光───空中に浮遊した遊海の背中の推進翼が分離・合体…巨大な光の弓を形成する!!

 

 

「彩華、フレア」

 

《はい!!》

 

《ええ…!我らの力を以て、悪夢を終わらせましょう!!》

そして、彩華の核石形態を鏃に…フレアの炎を矢羽として、遊海は弓を引き絞る!!

 

 

【やめろ…やぁぁめぇぇろぉぉぉっ!!!】

 

「じゃあな、悪意の亡霊───もう二度と、迷い出るな」

巨大な腕を振りかぶるライトニング……だが、既にその末路は決定した。

 

「決着の一撃───NEXUSヴィクトリー・ストライク!!!

それは絶望を終わらせる、虹色の光と希望の炎を纏いし決着の矢───遊海の裂帛の気合いと共に放たれたそれはライトニングの腕を貫通、その胴体に突き刺さる!!!

 

 

 

【ぐわあああああああああああ!!!?何故だ…何故、私が人間ごときにいいい!?!】

 

「知らないのか?父親ってのはな…子供にとって、()()()()()()()じゃなきゃいけないんだよ」

 

【そんな答えに、納得で…ぎゃああああああああ!!!!

 

そして、断末魔の叫びと共にライトニングは消滅した。

遊嗣を蝕む悪夢全てと共に、その存在は世界から完全に消え去ったのだった。

 

 

 

 

ライトニングLP0

 

遊海 WIN!!

 

 

  

 

 

 

 

「───綺麗…」

悪夢は去った…遊海の放った決着の一撃によってライトニングは跡形もなく消し飛んだ。

そして、平穏を取り戻した遊嗣の精神世界に静かに光が降りそそぐ。

 

それは、遊海がズァークから受け取った『光』──『全能の欠片』の力…それが戦いや悪夢によって荒れ果ててしまった遊嗣の精神世界を少しずつ修復していく…その光景にマシュは目を奪われた…。

 

 

 

 

「………ふうっ……っ───」

 

ドガッシャァンッッ!!! 

 

「っ!?遊海さん!?!?」

そして、残心を解いた遊海はそのまま地面へと墜落する…あまりの轟音にマシュは痛む体を押して遊海へと駆け寄った…。

 

 

 

「つ……かれ、たぁ……もー…ダメだ……指一本、動かせねぇ……」

『グリッターNEXUS』の姿からボロボロの赤帽子・赤ジャケットの姿に戻った遊海……致命傷を負った彼の身体()は動く事ができないほど消耗していた…。

 

 

 

「遊海さん!だ、大丈夫ですか!?」

 

「おー…マシュちゃん……動けるようになって、よかった………ごめんな……()()しただろ…?憧れた『英雄』が、こんな感じで………」

 

「えっ…」

倒れ込んだ遊海のそばに座り込むマシュ…その姿を見た遊海は安堵した様子を見せながら、申し訳なさそうに呟く…マシュは咄嗟にその()()を理解できなかった。

 

 

 

「俺もさ…みんなが書いた自伝とか、記録とかを見せてもらったけど……みんな、優しいからさ……俺の事をかっこよく書いてくれるんだよ………実際は、こんな感じで…毎回ギリギリの勝負でな…いつもボロボロなんだ……しかも、今回はきみの事まで危険に晒して……すまなかった…」

 

「───謝らないでください、遊海さん!私…すごく()()()()()です!遊海さんと一緒に戦って、応援してもらって…本気で戦う遊海さんの姿を間近で見る事ができて…!!本当に()みたいでした!」

 

「─────はは、ははは……ああ──ありがとう、マシュちゃん」

自分のファンであり、息子の恋人でもあるマシュ…そんな彼女を危険に晒し、自分に関する様々な逸話を知る彼女を失望させてしまった事を謝る遊海…しかし、その心配は杞憂だった。

 

彼女にとって、逸話の中の遊海も…実際に会う遊海も変わらずに『憧れの英雄』だった……そんなマシュのまっすぐな言葉を聞いた遊海は照れくさそうに笑ったのだった。

 

 

 

『遊海……おとう、さん…』

 

「ズァーク…助かったよ…お前の渡してくれた『光』と声のおかげで、俺は死の淵から、戻ってこれた……ありがとな…」

 

『お礼なんて…そもそも、オレが遊嗣の異変の原因に気付けていれば、お父さんも…マシュも、こんなボロボロにならずに済んだのに……ごめんなさい……』

そして…ズァークが不安そうな…落ち込んだ様子で遊海に声をかける……今回のライトニングの蛮行を防げなかった罪悪感で気落ちしているのだ…。

 

 

「誰でも、失敗や見逃しはするもんさ……だから、落ち込むのはナシな……そんな事、言ったら…俺なんて、20年近くダークネスの呪いに気付かずにいて、1度死んでるし…」

 

『「それはズルい!/ズルいです!」』

 

「あらま、息ぴったり…」

しかし、遊海のジョークでマシュ共々にツッコミを入れる羽目になり…三人から笑顔が溢れた…。

 

 

 

 

『やぁ、三人とも!無事に、悪夢の原因を倒す事ができたみたいだね…助力はできなかったけど、千里眼で全て視ていたよ…お疲れ様!』

 

「マーリン…体は、大丈夫か…?」

 

「死にかけてるきみに比べれば、かすり傷さ!……というより、遊海君は治療を受けないと()()()、真面目な話……」

 

「ああ…ははは………今にも、意識が飛びそうだよ…まぁ、なんとか…なるさ……」

最後にやって来たのは遊嗣の事を守り続けていたマーリン…彼は戦いを終えた三人を労うと共に、死にかけの遊海の事を心配していた。

 

 

 

『さて…とりあえず、遊嗣君を目覚めさせて事情を伝えないとね!遊海君とマシュが現実世界に戻ったら、すぐに術を解くよ』

 

 

「───あの、遊海さん…ズァークさん…マーリンさん……お願いが、あるんです」

 

「『『?』』」

そして、眠らされていた遊嗣を目覚めさせる準備を進めるマーリン…そんな時、マシュは…遊海達に自分の()()を伝えた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「───んう…?いま、なんじ…?」

眠っていた遊嗣はふと目を覚ました…フォウのダイナミック目覚ましや、アラームに起こされる事なく目を覚ますのは遊嗣にとっては珍しい事だった。

 

 

「……9じ…?もう、そんなじかん…?…だけど、すごく……ねむ、い……」

遊嗣が枕元の時計で時刻を確認すると時間は朝9時過ぎ…彼にしては珍しい朝寝坊だったのだが、それが気にならないほどの強い眠気で遊嗣はぼんやりとしていた…。

 

 

「────おはようございます、遊嗣さん…」

 

「……マシュ…?」

そんな時、穏やかな声が遊嗣の耳を打つ…それは自分と同じく、眠そうな様子のマシュの声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊海さん…これで、よかったんでしょうか…?」

 

「ああ…それが、マシュちゃんの願いだ…それを尊重してあげよう…」

同じ頃、遊海達の寝室…ぐったりとした様子の遊海に翠が心配そうに問いかける…その理由はマシュの()()にあった。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

「───遊嗣に、今回の事件の事を…伝えないで欲しい?」

 

「はい…遊嗣さんには、今回の事を知らないでいて欲しいんです…!」

遊嗣が目覚める少し前…マシュは遊海達に自分の思いを伝えていた…。

 

 

「遊嗣さん…たくさん、色々なものを背負いすぎてて…もう、これ以上…つらい記憶や思い出を背負って欲しくないんです…!それに……また、私や遊海さんが自分の為に傷付いた…なんて知ったら……」

 

「なるほどな……でも、いいのか?今回、マシュちゃんもすごく大変な思いをした…それなのに、遊嗣に褒めてもらう事もできないんだぞ?」

 

「いいんです!だって───────………」

 

「────そうか……マシュちゃん、俺が言うのも…違うかもしれないけど……遊嗣を──息子を、よろしく頼む」

 

「────はい!!」

 

 

 

…………

 

 

 

 

「世界には、知らない方がいい事もある……遊嗣は、()を…俺達の、光を受け継いでくれれば…それでいい…」

 

「遊海さん……そうですね」

遊嗣の事を想うマシュの優しい願い──初めての()を思い出した遊海は穏やかに笑う…これ以上、遊嗣が「闇」を背負う必要はないのだと……その言葉を聞いた翠も穏やかに笑っていた…。

 

 

 

「ああ……翠、ごめん…先に、謝っておく…」

 

「どうしたんですか?」

そんな時、彼は申し訳なさそうに翠に謝る…。

 

 

「たぶん、一週間……下手すると、1ヶ月くらい…起き上がれない…かも………ゆうじ、に……うまく……いって……おい…て……」

 

「───大丈夫ですよ!きっと、すぐに良くなりますから…おやすみなさい、私の愛しい旦那様…そして、最強のお父さん……お疲れ様でした…」

 

「───ああ…おやす…み……翠……遊嗣……愛してる……」

戦いを終えた遊海は静かに眠りに落ちていく……ようやく、遊嗣に父親らしい事をできた事に安堵しながら…。

 

 

 

 

 

 

 

「おはよ…マシュ……ごめん、ショッピング…行きたいって……」

 

「だいじょぶです…私も…テスト勉強の疲れが出たのか…すごく、眠くって………今日は、ゆっくり休む日にしませんか…?」

 

「───そうだね……ぼくも、すごく…眠い……にどね、したら……母さん…怒る…かなぁ……」

 

「ふふっ…そのときは……わたしも、一緒に怒られマシュ………おやすみなさい、遊嗣さん……大好きです」

 

「ぼくも…大好き……愛してるよ……マシュ……」

お互いを抱きしめながら、2人は再び夢の世界へと落ちていく……今度こそ、誰の邪魔も入らない…穏やかで優しい夢の中へと───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──いつか、こんな事があったんだって…笑って話せるように……遊嗣さんとたくさんの幸せな思い出を積み重ねていきますから!──





オリカ紹介 



SNo.∞決闘の守護神(デュエル・ガーディアン)─グリッターNEXUS

光 戦士 ランク0  ATK5000 DEF5000

このモンスターは自分フィールドの『SNo.∞決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)─NEXUS』の上に重ねる事でのみ、EXデッキからX召喚できる。
このモンスターは『No.』モンスター以外との戦闘では破壊されない。このカードはルール上ランク12として扱う。

①このモンスターの特殊召喚は無効にならず、相手のカード効果を受けない。

②このモンスターが戦闘を行なう時に発動できる。X素材を1つ取り除き、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、相手はこのターンのエンドフェイズ終了時までカード効果を発動できない。
相手はこの効果の発動に対してカードの効果を発動できない。

③このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動できる。破壊した相手モンスターの攻撃力または守備力のどちらか高い数値の2倍のダメージを与える。
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