転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
トフェニと一緒にアカデミアに帰還した俺は真っ先にレッド寮へ向かった。
「ただいま翠!カード狩りってどういう事だ?」
「遊海先生〜!僕の『ジャンボドリルが』…!」
食堂に行くと泣いている翔と宥めている翠がいた、ついでに翔はイエローに昇格しているがレッド寮で寝泊まりしている。
「遊海さん…それが…」
翠によると教育実習生の龍牙という人物がノルマである生徒50人抜きをやりながら相手のカードを強奪しているという…さらに…
「おかしいんッス!『融合』を使おうとしたらデュエルディスクが反応しなくて…それで負けたんッス!!」
「それで私に報告に来てくれたの、クロノス先生やナポレオン教頭じゃダメだからって…」
「そういう事か…ん?十代は…?」
「それが遊海さんと入れ違いで龍牙のところに…」
「マジか!アイツも融合使いだろうが!行ってくる!」
「ボクも行くっす!」
そして二人でアカデミアに向かったが…
「リバース罠『エッジハンマー』!『エッジマン』を生け贄にして『サイバーダイナソー』を破壊し2500ダメージを与える!」
『何!?』
龍牙LP3250→750
「さらに罠カード『リビングデッドの呼び声』!『エッジマン』を特殊召喚!バトル!『エッジマン』でダイレクトアタック!『パワーエッジアタック』!」
『うわああぁ!!』ボンッ!
龍牙LP0
十代 WIN!
「やったドン!兄貴の勝ちだドン!」
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」
「おい!十代だいじょ…終わったみたいだな…」
「アニキ!勝ったんすね!!」
「ああ!翔…お前のカードだ!」
「アニキ…ありがとうッス!」
俺が到着した時には既に決着がついていた…流石主人公…エッジマンのゴリ押しコンボで勝ったのか…。
「なんの騒ぎでアール!?遊海さん…!」
「ナポレオン教頭、不正な手段で採用ノルマを稼いでいる実習生を十代が倒したところです、聴取をお願いします…これが証拠です。」
そう言って俺は壊れた指輪型の機械をナポレオン教頭に託す。
「そうでしたか…さぁ!くるでアール!」
『チッ…もう少しだったのに…!!』
龍牙はナポレオンに連れられて行った、確実にアカデミアから追放されるだろう…
〜夜〜
「十代君お疲れ様!たくさん食べてね!」
「翠さんありがとう!ハグハグ…」
「ノドを詰まらすなよ十代…」
「翠さんのご飯は美味しいドン!!」
夜は小さな宴会になっていた…まったく十代はいつもすごい食べ方だな…
「そういえば…聞きました遊海さん?」
「何が?」
「プロリーグの亮さん対エドくんの試合、引き分けだったそうですよ!最後は「決戦融合」で引き分けだったとか…」
「へぇ…お互いにスゴイな…」
「それに決闘終了後にお互いに握手して仲良くなったみたいですよ!」
「なるほどね…あの二人なら息も合うだろう…よかった…」
「…アイツ、カイザーと引き分けたのか…やっぱり強えんだな…アイツ…」
「十代…」
ドカーン!!!
なんだ!?
「外で何か爆発したザウルス!」
「遊海さん!」
「翠!お前はここにいろ!」
俺は外に向かう…
「うぅ…」
「翔…!どうしたんだ!」
外に出ると傷だらけいや…体中に火傷を負った翔がたおれていた。
「遊海先生…痛いよ…!」
「『ディアンケト』よ傷を癒せ!…何があった…!」
俺は翔の傷を癒やしながら事情を聞く…
「お兄さんと電話して…食堂に行こうとしたら黒いローブの人にデュエルを挑まれて…負けたらデュエルディスクがビビビッて…」
翔のディスクを見ると何かを繋がれたコードが残っていた…これは…!
「犯人は?」
「森の中に…!」
「わかった…十代!剣山!翔を保険室に!あとクロノス先生に連絡!侵入者だ!」
「わかった!先生は!」
「犯人を追う!!お前達はついてくるな!」
俺は走り出す…絶対に犯人を探し出す!!
「アヤカ!レーダー起動!怪しい人物を探し出せ!」
《了解…サーチ…、ヒット!この先の広場にいます!!》
「わかった!乗り込むぞ!!」
そして俺は暗い森を走り続け広場に到着する、すると…
ピシュン…!!
「ぐっ…これは…!」
『デュエルアンカーだ…逃さねぇぜ白波 遊海!』
広場に到着した俺は黒いコードに拘束される…デュエルアンカー、どちらかが負けるまで外れない決闘拘束具…
「お前は誰だ!翔を襲ったのも貴様か!!」
『ククク…そうだよ…!貴様をおびき出すためになぁ!!』
そう言ってその人物は現れた…痩せた頬、サングラス、黒い決闘盤、そしてアメリカ国旗を描いたバンダナ…原作王国編に登場した決闘者…バンデット・キースだった。
「お前は!キース・ハワード!何故ここに!!」
『へへへ…オレを知ってるとは嬉しいね!プロデュエリスト!』
「何が目的だ!」
『貴様を餌にあの憎たらしい遊戯と城之内を呼び出してもらうのさ…!そのためにオレは悪魔に魂を売ったんだ!』
キースの体から闇の気配があふれ出す…
「…やるしかないか!」
『さぁ!デュエルだ!』
「『デュエル!!』」
キースLP4000
遊海LP4000
『オレのターン!ドローだ!』
『カードを二枚伏せて、『メカ・ハンター』を召喚!』
緑色の機械兵が現れる ATK1850
『ターンエンド!』
キースLP4000
ハンター 伏せ2 手札3
「俺のターン!ドロー!」
「俺は手札から『レッドスプリンター』を召喚!」
炎を纏ったから巻角の悪魔が現れる ATK1700
「『スプリンター』の効果!自分以外のモンスターがいない時!手札から『レッド・リゾネーター』を特殊召喚!」
音叉を持った炎の悪魔が現れる DEF200
「さらに『リゾネーター』が特殊召喚に成功した時!『メカハンター』を対象に効果発動!その攻撃力分ライフを回復する!」
遊海LP4000→5850
『そんな雑魚を出して何になる!』
「これから見せてやる!俺はレベル4の『スプリンター』にレベル2の『レッドリゾネーター』をチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ワイバーン』!」
炎を纏った飛竜が現れる ATK2400
『シンクロ召喚だと!?なんだそれは!?』
「バトルだ!『ワイバーン』で『メカハンター』を攻撃!『ファイヤーブレス』!」
飛竜の炎弾が機械兵を焼き尽くす
『ぐおおぉ!』
キースLP4000→3450
『フハハハ!闇属性・機械族のモンスターが破壊された時!このモンスターを特殊召喚できる!出やがれ!「デスペラード・リボルバー・ドラゴン」!』
全身がリボルバー銃のようになった機械龍が現れた、その体は闇のオーラに包まれている ATK 2800
「なんだと!?そのモンスターは…!」
『そしてリバース罠「銃砲撃」!さらに「デスペラード」の効果!コイントスを3回する!』
ソリッドビジョンで三枚の金貨が現れる
『表』
『表』
『表』
『3回とも表だ!効果で『ワイバーン』を破壊する!さらに「銃砲撃」の効果!お前に500ダメージを与える!』
「ただではやられるか!『ワイバーン』の効果!自分より攻撃力の高いモンスターを破壊する!『レッドデストラクション』!」
リボルバー銃がレッドワイバーンに当たると同時に火球が放たれ機械龍を破壊する、しかし爆炎の中から2発の銃弾が放たれ一つはは手札の『バイスドラゴン』を、一つは遊海に直撃する。
「ガッ…ぐぅ…!」
遊海LP5850→5350
「(痛てぇ…!!闇のゲームか…!)」
『チッ!「デスペラード」の効果でカードをドロー!さらにデッキから「リボルバードラゴン」を手札に加える!さらにリバースカード!「時の機械ータイムマシーンー」を発動!蘇りやがれ「デスペラード」!』
機械龍が再び現れる ATK2800
「ハア…ハア…カードを二枚伏せてターンエンド…!」
遊海LP5350
伏せ2 手札1
『オレのターン!ドロー!』
『手札から「融合」を発動!手札の「ブローバックドラゴン」と「リボルバードラゴン」を融合!出やがれ!「ガトリング・ドラゴン」!』
全身にガトリングを装備した機械龍が現れた ATK2600
『バトルだ!いけ!「デスペラード」!「ハイパーガン・キャノン」!』
リボルバー銃の連撃が遊海を撃ち抜く
「ぐああぁぁあ!!」
遊海LP5350→2550
『これで終わりだ!「ガトリングドラゴン」!やれ!「ガトリングショット」!』
ガトリングの連射が掃射され周囲が煙に包まれる
『ハハハ…これで…!』
「それは…どうかな?」
『何…!?』
煙が晴れるとボロボロの遊海と守備表示のレッドワイバーン・レッドリゾネーターがいた
DEF2000
DEF200
「リバースカード…『リジェクト・リボーン』…、直接攻撃を無効にし…シンクロモンスターとチューナーを効果無効で特殊召喚した…」
『なら…そのモンスターを壊せばいい!「ガトリングドラゴン」の効果!コイントス3回!』
『裏』
『裏』
『表』
「チッ!運のいい奴め…『ワイバーン』を破壊し『銃砲撃』で500ダメージを喰らいな!!」
ガトリングが回転しワイバーンと遊海に弾が直撃する
「があああ!!」
遊海LP2550→2050
『ターンエンド!命拾いしたな…!』
キースLP3450
デスペラード ガトリング 銃砲撃 手札2
「お前…どうしてそんな強さを…!」
ペガサスに負けたキースはどん底まで落ちきり、平気でイカサマを使う決闘者になっていたはず…しかし今はイカサマをしていない…何故だ…?
『フフフ…オレはイカサマを使わずとも強くなったのさ!悪魔のおかげでな!!』
キースの後ろに闇が集まりヤギの頭骨のようなモノが現れる
「貴様…まさか…!!」
【そうだ…久しいな白波 遊海…!】
悪魔がキースの口を借りて喋りだす…キースの意識は無いようだ
「貴様…ダークネスか…!」
【そうだ!やっと貴様を倒し得る決闘者を使えるまで力を回復したからな…!この場で貴様を葬る!あの時の雪辱はらさせてもらうぞ…!】
「くっ…やられてたまるかよ…!」
『さぁ…ラストターンだ!カードを引け!』
「俺のターン…ドロー!」
カンコーン!
「いくぜ!逆転の用意はととのった!」
【なんだと!?】
「リバース罠『シンクロコール』を発動!墓地から『ワイバーン』を効果を無効にし特殊召喚し自分フィールドのモンスターとシンクロ召喚を行なう!蘇れ『レッドワイバーン』!」
炎の飛竜が三度現れる ATK2400
「レベル6の『ワイバーン』にレベル2の『レッドリゾネーター』をチューニング!漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!!万物を睥睨しその猛威を振るえ!!シンクロ召喚!!『炎魔竜 レッド・デーモン』!」
決闘竜の覇王たる悪魔竜が現れる ATK3000
『ぐっ…攻撃力3000…しかしバトルフェイズに入れば「デスペラード」の効果で…!』
「まだだ!手札から『チェーン・リゾネーター』を召喚!」
チェーンを背負った悪魔が現れる ATK100
『攻撃力100だと…?』
「『チェーン』の効果!場にシンクロモンスターがいる時にデッキから『ダークリゾネーター』を特殊召喚!」
チェーンリゾネーターから鎖が伸びデッキからさらなる悪魔を呼び出した ATK1300
「いくぞ!俺はレベル8の『レッドデーモン』にレベル3『ダークリゾネーター』とレベル1『チェーンリゾネーター』をダブルチューニング!!」
リゾネーター達が炎の輪となりレッドデーモンを包む
『なんだと…なんだそれは!!』
「孤高の絶対破壊神よ!!神域より舞い降り終焉をもたらせ!!『炎魔竜王 レッド・デーモン・カラミティ』!」
災厄の名を冠する竜王が炎と共に轟臨する ATK4000
【『攻撃力4000のドラゴンだと!!?』】
「『カラミティ』の効果発動!このターンお前はフィールド上で発動する効果を発動できない!」
『何!?』
「バトル!『カラミティ』で『デスペラード』を攻撃!『
カラミティの腕に溜まったエネルギーがデスペラードに叩きつけられる
【『グアアアァァ!!』】
キースLP3450→2250
『しかしまだ『ガトリングドラゴン』が残っている!!次のターンで!!』
「次のターンは無い!」
【ナニッ!?】
「『カラミティ』は破壊した相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!ダークネスを滅せよ『
大量の隕石がキースに降りそそいだ…
【『ソンナ…馬鹿なぁぁぁ!?』】
キースLP0
遊海 WIN!
「ハア…ハア…流石、元アメリカチャンピオン…危なかった…」
キースから闇の気配が抜けていく…
「遊海先生〜!大丈夫か〜!」
「遊海さん!ボロボロに…いったい何が…!」
十代と翠が駆け寄ってくる
「ああ、ちょっとな…」
『このまま…終われる…か…!喰ら…え!!』
倒れ伏したキースが黒い銃身を遊海に向ける
《マスター!危な…!》
「えっ…」
パァーン
『悪魔よ…契約ははたしたぜ…ぐっ…!』
「遊海さん…?」
「ぐっ…あ……?」
背中が…胸が…熱い…撃たれた…のか…?
「ミ…リ…?」バタッ
「遊海さん!!」
「遊海先生!!?」
気が遠くなっていく…俺…痛いの…嫌いだって…言ってるのに…
「遊海さん!しっかりして…!血が…!?」
「…ド…リ…丈…夫…おれ…じみ…だか…ゴフッ…!」
「遊海先生!?」
「十代君!早く担架と医療班…」
ジジ…
「やめるんだ●●!!闇の力に飲まれてはいけない!」
「●●!まだ間に合う!儀式を中止しろ!今ならまだ…!」
「先生…吹雪、俺は絆を失うのが…人に忘れられるのが怖いんだ…」
「それは皆同じだ!だから人は絆を深めて…!」
「失う事が怖いなら…忘れられるなら…俺の方から忘れてやる!!」
「●●!やめるんだ!!」
「…さよなら、先生…吹雪…亮…!」
「「うわあああ〜!!?」」
《マスター!!今…!》
「ぐっ…●●…すまない…俺は…!」
《「うわああ…!?」》
ジジ…
ゆう…さん…!
誰か…呼んでる…
遊海先生!!
誰だ…?
「遊海さん!!」
…翠…
「ぐっ…あ…ミドリ…?」
「遊海さん!!」
ここは…病室か…何回お世話になるんだ…俺は…
「ゴメンな…いつも心配かけて…!」
「もう…遊海さんのバ…カ…」
「翠!?うぐっ…!?」
翠は気絶してしまう…
「翠さん!…よかった寝ちゃったんだ…一晩中看病してたから…」
翠を支えたのは十代だった、彼も目の下に隈ができている…
「十代…何が…あった…?」
「ああ…それが…」
十代によると翔を保険室に運んだあと、翠と一緒に俺を探したらしい。
そして爆発があった場所に行くとボロボロの俺と倒れる不審者を発見、俺が翠達の所に行こうとしたら破裂音の後に俺が倒れたらしい。
そして駆けつけた剣山やクロノス先生と俺をアカデミアの手術室に運んだとの事だ。
「十代…不審者…キースは…」
「あの人は本土に運ばれたよ…体がボロボロなんだって…」
「そうか…ならよかった…」
「…なぁ先生…一つ聞いていいか…?」
「どうした?十代?」
「先生っていったい…何なんだ…?」
「前に説明しただろう…レッド寮の寮長であり、プロ決闘者であり異世界からの転生者、それが俺だ…」
「先生…まだ何か隠してないか?」
「根拠は?」
「…傷の治りが早すぎる…俺はお医者さんじゃないけど…先生の治り方は異常じゃないか…?」
「…やはりお前の直感はすごいよ…十代…」
「えっ…!」
「包丁を取ってくれ…」
「ああ…何をするんだ…?」
「…ツッ!!」
遊海は指を切り裂いた
「先生!何して…!」
「見てろ…十代…!」
「えっ…なっ!?」
十代の目の前で傷が塞がり癒えていく…
「これは…」
「不死身…それが俺と翠への祝福であり呪い…これで最後だ十代…皆には内緒だぞ?」
「あ…ああ…」コクコク
十代は縦に首を振るしか無かった…
「アヤカ…いるか…?」
《はい…マスター、今回はすいませんでした…彼の動きに早く気づければ…》
「いや…大丈夫だ…痛いけど治るから…、それより…」
《はい…》
「特待生寮の事件の時…
《はい…確かプロリーグの懇親会に行っていたような…?》
「そうか…ならいいや…少し休む…」
《はい、マスター…お大事に…》
昏倒する中で見たビジョン…あれは…いつだ…?