転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
【さぁ!やって参りましたプロリーグ!今日の対戦は…】
キースの襲撃から一週間、俺は再びプロリーグの試合に出ている…キズは治ったけど血を流し過ぎたのかたまに目眩がする…
【赤コーナー!伝説の決闘者!『赤帽子』の白波 遊海!!】
「「「ウワァァ!」」」
【青コーナー!IQ200の天才!しかしその実、終身刑のカード犯罪者!ランキング2位!ドクターコレクター!!】
「うおおおお!!」
拘束具を力づくで引きちぎり、スキンヘッドの大男が現れる
「久しぶりですねミスターコレクター?」
「ああ!白波!今回の勝ちはワシが貰うぞ!」
「負けませんよ!!」
【それでは…デュエルスタート!!】
「「デュエル!!」」
コレクターLP4000
遊海LP4000
「ワシのターン!ドロー!」
「手札から『次元の裂け目』を発動!これによりお互いの墓地にいくモンスターは全て除外される!」
コレクターの背後に紫の切れ目が現れる
「そして『天使の施し』を発動!3枚引いて二枚捨てる…手札の『コスモクイーン』と『白魔導師ピケル』を除外!」
「さらに手札から『魔法石の採掘』を発動!手札の『マジシャンズ・ヴァルキュリア』2体を除外し『天使の施し』を手札に戻してそのまま発動!引いた『黒魔導師クラン』と『ブリザード・プリンセス』を除外!」
「そして魔法カード『次元融合』を発動!2000ライフを払いお互いに除外されているモンスターを可能な限り召喚する!来い!『クラン』!『ピケル』!『コスモクイーン』!そして2体の『マジシャンズ・ヴァルキリア』!!」
コレクターLP4000→2000
巨大な魔法使いの女王、白と黒の魔導師の少女、そしてBMGを意識した姿の2体の魔法使いが現れる
コスモ ATK2900
クラン ATK1200
ピケル ATK1200
MGV ATK 1600 1600
…疑似ペンデュラム召喚かよ…
「さらに手札から魔法カード『マジックブラスト』!フィールドにいる魔法使い族×200ダメージ…つまり1000ダメージを相手に与える!」
魔力弾が遊海に直撃する
「ぐおっ!?イタタ…」
遊海LP4000→3000
「カードを伏せてターンエンドだ!」
コレクターLP2000
クラン ヴァルキュリア ヴァルキュリア コスモ ピケル 伏せ1 裂け目 手札2
【コレクター選手「ヴァルキリア」によるロックを初ターンで完成させた〜!遊海選手大ピーンチ!?】
「どうだ白波!これがワシの作った魔法使いロックデッキだ!これは超えられまい!」
「さぁ、どうでしょうか!!」
「俺のターン!ドロー!」
「手札から『汎神の帝王』を発動!手札の『真源の帝王』を捨てて2ドロー!」
「さらに墓地の『汎神』を除外し効果発動!」
「なんと!墓地から魔法とは…!?」
「デッキから『帝王』魔法・罠カードを3枚選び、相手の選んだ一枚を手札に加える!残りはデッキに戻す!」
選択
進撃
開岩
烈旋
「『烈旋』はいつも痛い目を見るから…『開岩』だ!」
「『開岩』を手札に加え、そのまま発動!さらに『帝王の深怨』を発動!手札の『邪帝ガイウス』を公開し、デッキから『進撃の帝王』を手札に加え、そのまま発動!」
【遊海選手!次々と魔法カードを発動していく!!さぁロックは破れるのか!】
「そして手札から『冥帝従騎エイドス』を召喚!このモンスターが召喚に成功した時、追加でアドバンス召喚ができる!」
ATK 800
「『エイドス』を生け贄にして現われろ!『邪帝ガイウス』!『エイドス』は『裂け目』の効果で除外される!」
黒い鎧の帝王が現れる ATK2400
「さらに『ガイウス』効果!闇属性の『コスモクイーン』を除外し1000ダメージを与える!さらに『開岩』の効果でデッキの攻守2800/1000のモンスターを手札に加える!」
「リバースカード!『拷問車輪』…(ビビーッ!!)何だ!?エラー音!?」
「『進撃の帝王』の効果!このカードがある限り生け贄召喚したモンスターは効果の対象にならず破壊されない!」
ガイウスの闇がコスモクイーンを飲み込み爆発する
「うおおぉぉ!!?」
コレクターLP 2000→1000
「カードを伏せてターンエンド!」
遊海LP3000
ガイウス 伏せ1 進撃 開岩 手札3
【遊海選手、ロックは解除できませんでしたが最大の攻撃力の「コスモクイーン」を除去した〜!さぁ勝負はわからなくなりました!】
「うぬぬ…ワシの守護女神を…よくも…!」
《落ち着いてマスター…大丈夫よ…》
「悪い事したかな…(というか精霊憑いてるし…本人は気付いてないかな…?)」
「いくぞ!ワシのターン!ドロー!」
「スタンバイフェイズに『クラン』と『ピケル』の効果を発動!お前に300ダメージを与え、ワシは1600回復する!」
《てぇや!》
「アイタッ!?」
クランが魔法を放とうとしたが杖がすっぽ抜け俺に直撃する…ドジッ子かい!
遊海LP3000→2700
コレクターLP1000→2600
「そして手札から装備魔法『D・D・R』を発動!手札の『死者転生』を捨てて除外されている『コスモクイーン』を特殊召喚!」
再び宇宙を統べる女王が現れる ATK2900
「バトル!『コスモクイーン』で『ガイウス』を攻撃!『コスモマジック』!」
女王が力を溜め始める…
「その時リバース罠『連撃の帝王』を発動!効果により『ガイウス』を生け贄に…進化せよ『怨邪帝ガイウス』!」
ガイウスが闇に包まれ進化を遂げた ATK2800
「なんと!?」
「『ガイウス』の効果!『コスモクイーン』と…」
「……!!!」ゴゴゴ…!
「(無言の圧力が怖い…!)『ヴァルキリア』2体を除外し1000ダメージを与える!さらに『開岩』の効果でモンスターを手札に!」
ガイウスが2体のモンスターをデコピンでフィールドから追い出す…意外に紳士である
コレクターLP2600→1600
「バトル続行!『クイーン』で『ガイウス』を攻撃!」
女王の魔法がガイウスを吹き飛ばす
「ぐうっ!?」
遊海LP2700→2600
「『ピケル』と『クラン』でダイレクトアタック!」
《てやっ!!》
《てい!あっ…!》
「アイタタタタタ!?ガッ…!?」
ピケルの魔法でぬいぐるみに押しつぶされ、顔にクランの杖が直撃する…やっぱりドジッ子だろクラン…
《しゅん…》
遊海LP2600→200
何か落ち込んでるし…ドンマイ…
「これでターンエンド!」
コレクターLP1600
コスモ ピケル クラン 伏車輪 手札1
【遊海選手追い詰められた…!巻き返せるか!!】
「ちょっとピンチだな…いけるか…?」
「フハハ!勝ちはもらったぞ白波!」
《マスター、油断しないで!》
「いくぜ…ドロー!…!来た!」
「手札からフィールド魔法『真帝王領域』を発動!」
フィールドがギリシャ調の神殿に変わる
「そしてコレクターの場に『家臣トークン』を召喚し『雷帝家臣ミスラ』を特殊召喚!」
コレクターの場に小さい人形が現れる DEF1000
そして両手に雷を纏った女性が現れる DEF1000
「そして『領域』の効果!手札の『冥帝エレボス』のレベルを2つ下げ…『ミスラ』を生け贄に現われろ冥界の帝王!『エレボス』!」
巨大な冥界を統べる帝王が現れる ATK2800
「『エレボス』の効果!デッキから帝王魔法・罠を墓地に送り、『コスモクイーン』をデッキに戻す!さらに『開岩』でモンスターを手札に加える!」
墓地送り
再臨
領域
エレボスがマントを翻した風でコスモクイーンが吹き飛ぶ…アンタ…いつもとエフェクト違わないかい…?
《キノセイダ…》
喋った!?
「オホン…バトル!『エレボス』で『クラン』を攻撃!『冥帝崩壊波』!さらに生け贄召喚したモンスターがモンスターと戦闘する時『領域』の効果で攻撃力800アップ!」
ATK2800→3600
《…!》チョン
《イタイ〜!マスター助けて〜!》
エレボスが指でクランを小突いた…ノーコメントで…
「ぐっ…今回も負けか…」
コレクターLP0
遊海 WIN!
【勝者遊海選手!!見事な逆転勝利です!】
「「ワアアア!!」」
「負けたよ白波…しかし次は勝つ!」
《その意気です!マスター!》
「ああ、またデュエルしましょう!ミスターコレクター!」
『お疲れ様です遊海さん!見事な逆転でした!』
「ありがとう…Mr.スマイル…」
『次の試合はまた一週間後、相手はまだ決まっていません…遊海さん?顔色が優れませんが…大丈夫ですか…?』
「ええ…少し貧血気味でね…もうアカデミアに帰るよ…またよろしくお願いします…!」
『そうですか…しっかり休んでくださいね!では!』
俺は会場の廊下を歩く…怪我は早く治るんだけど…血はどうにも…
「「アイタッ!?」」
角を曲がったところで誰かとぶつかった…前方不注意だな…
「すいません!大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ!こっちこそ…遊海!!」
「城之内さん!?」
ぶつかった相手はなんと城之内さんだった…まさかこんなところで会うなんて!
「久しぶりじゃねぇか!翠は元気か?」
「ええ!アカデミアで調理をやってます!舞さんは?」
「それが…これでな…!」
城之内さんはお腹を撫でる仕草をする
「おめでとうございます!性別は…?」
「あはは、まだわからねぇんだ…しかし楽しみだ!」
「そうですか…そういえばどうしてここに?」
「これからデュエルなんだよ!食い扶持稼がなきゃな!」
城之内 克也、プロランキング7位『反骨の賭博師』
ギャンブル性の高いカードを使うから付いた名前だ
「それなら、そろそろ時間じゃ…」
「ヤベッ…!またな遊海!」
城之内さんはドタバタと走っていった…変わらないなあの人も…、さぁ帰ろう…
「ふぁ…船旅もたまにはいいな…」
《そうですねマスター!たまには二人きりも良いものでした》
俺達は翌日アカデミアに着いた、トフェニの背中を借りても良かったが貧血で落ちそうだったから船で帰ってきたのだ
「ミスター遊海、お待ちしていました…!」
船を降りるとエドが沈痛な顔で待っていた…どうしたんだ…?
「やぁ、おはようエド、どうしたんだ?わざわざ俺を出迎えるなんて…?」
「遊海さん…すいません!ボクは…十代にとんでもない事を…!!」
「何があった…!!」
コンコンコン
「はい…」
「十代!…大丈夫か…?」
「遊海先生…カードが…カードの絵柄が見えないんだ…!」
十代の手元にはハネクリボーのカードがあった、十代の横には精霊のハネクリボーもいるが十代には見えていないようだ…
「エドから話は聞いた…彼とのデュエルで負けたそうだな?」
「はい…エドのヒーローと俺のヒーロー、どちらが強いか比べようと決闘したんです…それで…」
「負けたらカードの絵柄が見えなくなった…と」
「そうなんだ!どうしてなんだよ…!」
「…十代、頭を借りるぞ?」
「はい…」
俺は十代の頭を触る
「アヤカ…どうだ…?」
《スキャン…、十代さんの精神に何か邪悪なエネルギーが侵入しています…ここからは排除できません…内側から対処しないと…》
「そうか…」
「先生…?どうなんだ…」
「十代、アイツに…エドに何を聞いた?」
「エドの父ちゃんが…襲われて目覚めない…犯人を探すためにプロになって探してるって…」
「そうか…十代、お前の中に邪悪な力が入り込んでる、俺にはどうする事もできない…お前が自分でそれを追い出すんだ…!」
「でも…どうやって…」
「そうだな…船旅でもしてみたらどうだ?」
「えっ…?」
「大きな海に出れば何かを教えてくれるかもしれないぞ?もちろん!みんなに伝えてからな!」
「先生…ありがとう…」
「十代…大丈夫だ!ハネクリボーはいつもお前と一緒にいる!一度自分を見つめ直すんだ…」
《クリク〜…》
「ハネクリボー…十代を頼むぞ?」
《クリクリクー!!》
バタン
「…斎王…許さんぞ…!!」ズン
遊海は凄まじい殺気を放つ…周囲の鳥が逃げていく…
「うわぁ!?なんだドン!?」
隣の部屋から剣山が飛び出してくる…驚かし過ぎたか…
「剣山?どうした?」
「寮長さん!なんかヤバイザウルス!すごい怪物が近くに!!」
「大丈夫だよ…なんでもないから…」
「そうザウルス…?気のせいかドン…」
そしてしばらくして十代は旅に出た、もちろん休学届けも出して皆にも伝えてだ…これで十代は彼らと出会うはず…後は…斎王をどれだけ封じられるか…、それ次第だ…