転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
あぁさっきは危なかった、転生前とカードパワーが違うの忘れて「融合・儀式しか無いならアドバンス召喚軸の帝王でいいや」と気楽にやったらそれでも強すぎた…まぁもしいきなり遊戯とやっていたら3戦目位には対策されていただろうけど。
《答、その確率は60%ほどと予想します》
「いやいや遊戯には主人公補正の「引きたいカードを引ける」って能力があるからわからないんだよなぁ…」
《答、その能力を計算に入れていませんでした申し訳ありません。》
「大丈夫だよその能力が明らかになったの最終回近くだし、まぁ勝てるかはそれこそ「運」次第、神様のみぞ知る事だろう」
今俺達は童実野駅近くのハンバーガー屋に来ている、目の前では遊戯と城之内がさっきのデュエルについて話しあっていたり、杏子にちょっかいを出そうとしたチンピラを本田が締めていたり、その本田を城之内と遊戯が押さえたり少しカオスな状態だ、まぁ今は落ち着いているが。
さてみんなが落ち着いたところで俺が密かにやってみたかったことを実行しよう。
「ねぇ、遊戯さん」
「なんだい遊海君?」
「遊戯さんが首から下げているその金色の物って何ですか?ネックレスにしては大きいような…?」
「あぁ、これは千年パズルっていう僕のじいちゃんが昔にエジプトで手に入れたものなんだ、今では僕一番の…いや、僕の生命と同じくらい大切な宝物なんだ!」
そう言って遊戯は大事そうにパズルを撫でる、やはり闇遊戯は表遊戯にとって無くてはならない存在になっているようだ。
「良かったら少し見させてもらえませんか?」
「う~ん…、いいよ!ただし丁寧に扱ってね」
そう言って遊戯は首からパズルを外しゆっくり俺の手に触れた…、瞬間!
《警告、警告!千年…テム…共鳴…!マスターの精…へ干渉確…、抵抗…不可、お気を…かにマスター!、…ター!!》
頭が…割れる!いっイタイイタイイタイ!!、キラーらしくのない焦りの感情のこもった声が聞こえる、視界、火花、回転、吐き気、明滅。体を捻り、頭を打ち付ける
「オイ!?ユウ…ダイジョ…?!オイ!」
「ユウミク…シッカ…!」
遊戯や城之内の声が遠くから聞こえる、しかし言葉を理解する余裕がない、まるで体から魂を無理やり剥ぐような痛み、痛みに耐えきれず俺の意識はブレーカーが落ちたように深い深い闇に飲み込まれた…。
Side遊戯
それは突然の出来事だった、城之内君と話していたら遊海君が千年パズルを見せてほしいと言ってきた、彼が悪い人間ではない事を僕はわかっていたから彼に千年パズルを手渡した…その時だった。
「ぐっっ?!、グアッッァ#%$*#):?/)*>§ーー!?!」
千年パズルに手を触れた遊海君が頭を押さえて倒れてしまった!?
「おい!遊海!どうした大丈夫か!おいっ!」
「遊海君、しっかり!」
「ゴガッッ、グッッ§¦¥§$)(*+*ー!ー!ガッ……」
頭を押さえて悶え苦しんでいた遊海君は突然糸の切れた人形のように動きを止める、気絶してしまったようだ。
「お客さん大丈夫かい!?救急車呼ぶか?」
店員さんが心配して駆け寄ってくる。
「いえ、救急車は大丈夫です!城之内君手伝って!遊海君を亀のゲーム屋へ!」
「おう!、わかった!」
「遊戯、どいててくれ俺が運ぶぜ!遊戯は俺と城之内のカバンを頼む!」
「本田くん、ゴメンお願い!」
「杏子!お前は遊海のリュックを持ってきてくれ!」
「わかったわ!」
みんなで協力して遊海を介抱し亀のゲーム屋へ、気絶した遊海はとても汗をかき青白い顔をしていた…。
「リュックはこれね、ヨイショ!あれっ、何か重たいものが…!!コレって!?」
その後遊海のリュックに入っていたモノを見つけた杏子は遊戯にその事を伝えた。
Sideout
意識が覚醒する、俺は何をしていたんだっけ…転生…城之内…決闘…千年パズル…。
そうだ、遊戯に千年パズルを見せてもらおうとして…、激しい痛みで気絶したんだ…。
というか…ここはどこだ?
俺は周囲を見回す、石造りの部屋、木の古い扉、真上にはひっくり返った階段…、ここもしかして千年パズルの内部か?
回りには誰もいない、体を起こしドアを開ける…そこには…
『お前は…白波 遊海か?何故お前がここにいる?』
遊戯に宿るもうひとつの魂「闇遊戯」が朝会った時のような幽霊のような状態ではなく実体を持って存在していた。
「(とりあえず…知らない振りをして様子をみよう)」
「あなたは…遊戯さんですか?さっきとは雰囲気が違いますが…?」
『あぁ…俺は遊戯だ、ただし相棒の体に居候しているもう一人の方だがな。そしてもう一度聞く、何故お前がここにいる?』
「…わかりません、遊戯さんに千年パズルを見せてもらおうと触れたところまでは覚えているんですが…ところでここは何処なんですか?ここは普通の場所では無いですよね?」
「ここは俺の意識の一番の深いところ、心の部屋と呼ばれる空間だ、本来ここには俺の招いた者か千年アイテムの干渉でしか来れない場所だ。そしてお前は今、意識だけでここに存在している、体は相棒達が何とかしている筈だ、しかし…二人きりになれたのは好都合だ。お前に聞きたい…「お前は何者だ?」』
その瞬間俺の体にものすごい圧力がかかる、答えによってはただでは済まさないという感じがする…!!
「俺はただの決闘者だ、それ以上はなにもない!」
『嘘をつくな、ただの決闘者が何故精霊を宿し、何より千年アイテムに似た力を持っている!」』
バレてたか…、こうなればある程度本当の事を話すしか…そのとき!
《マスター、白波 遊海の魂の現在地を探知、サルベージ実行します!》
聞き慣れた声がする、それとともに俺の体が薄くなっていく…。
『時間切れか…あの精霊、ここにまで干渉するとは…。』
「遊戯さん!約束します目が覚めたら全部お話しします、今回はすいませんでした!」
『ならばいい、現実世界でお前の事聞かせてもらうぜ…!』
その会話を最後に俺の目の前は光に包まれた…。
「うっ…」
「!、遊戯!遊海君が!」
「おい!遊海大丈夫か?」
「遊海君!」
意識が覚醒するとそこは見覚えのない部屋だった、壁の時計は5時を指している、目の前には心配そうに俺を覗きこむ遊戯、杏子、城之内の姿が。
「ここは…?」
「ここは遊戯の家『亀のゲーム屋』だ、遊海何があったか覚えてるか?」
「…確か遊戯さんに千年パズルを見せてもらおうとして…」
「そうだよ、それでパズルに触れた瞬間頭を押さえて気絶しちゃったんだ。」
「それでみんなで遊海君を抱えてここまで運んできたの、城之内と今いないけど本田に会ったらお礼言っといてね、二人が遊海君をここまで運んできてくれたんだから」
「申し訳ないです、自分でもまさかこうなるとは…、あっ城之内さんありがとうございました。」
「大丈夫だ、お前意外に軽かったしな!」
「すいません、そう言ってもらえるならありがたいです。」
「体は大丈夫?」
「まだ頭がフラフラしてますけど大丈夫です。」
「よかった~!」
気を失っている間にだいぶ迷惑をかけてしまったらしい、そして遊戯が意味ありげに俺の事を見ている。
「遊戯さん、ちょっと話いいですか?」
「うん、いいよ」
「あっ!時間遅くなっちゃうから私達帰るね!」ウインク
「…あぁそうだな!それじゃあ遊戯また明日な!」
「うん、また明日!」
気をきかせてくれたのか城之内と杏子は帰宅した、部屋に残っているのは俺と遊戯だけだ。
「じいちゃんはオモチャ組合の話し合いで居ないんだ、今ここにいるのは僕たちだけだよ。」
「そうですか…、なら大丈夫ですね。…『もう一人の遊戯さん』を出してもらってもいいですか?」
「!やっぱりそういう事だったんだ…もう一人の僕」
『済まない相棒、迷惑かけちまった』
遊戯に呼ばれ半実体で闇遊戯が現れる。
「じゃあ俺も、来てくれ『キラー』」
《お呼びですかマスター!無事でなによりです!》
俺の隣にキラーが現れる
「!それはクリボーと同じカードの精霊!?」
《えぇ!その通りです遊戯様、私はとあるカードの精霊です!とりあえず『キラー』とお呼びください》
そういうとキラーは頭?を下げた。
『それじゃあ聞かせてもらうぜ遊海、お前が何者なのか…』
「あぁ、とその前にこれを見てもらった方が早いかな」
そう言い俺は枕元にあったリュックから千年玉を取り出す。
「その眼の模様…もしかして千年アイテム!?」
「そうです、名前は千年玉、ただしこれは厳密には千年アイテムではありません」
『どういう事だ?』
「この千年玉は遊戯さんが持っている千年パズルより遥か昔に作られたいわば『試作品』なのです。」
「どういうこと?」
「これは今は行方不明の親から聞いた話です…」
"はるか昔、ある代のエジプトのファラオが世界の平和を願い配下の魔術師に7つのアイテムを作らせます、それが今に伝わる千年アイテム。
しかしそれよりもさらに前、千年アイテムを作る方法を発明した大魔術師がいたそうです、その魔術師が初めて作ったのがこの千年玉、材料は卑金属、そしてその頃にあった戦争の死者数千人分の心臓と魂でした…。
魔術師は儀式によりこの玉を作り出しました、しかしその機能は魔術師が想定したものよりはるかに劣化した物でした。
魔術師は千年玉を封印し、作り方をある書物に書き記し世を去った、その本が受け継がれて千年アイテムが作られた¸。
「という話です。」
『…なるほどそんな話が残っていたのか。』
「はい、そして親がひょんな事から手にいれ、これを俺に託したんです。そしてこれのおかげで俺に不思議な力が宿り、キラーと出会えたんです。」
「そんなことが…」
《注、補足します、マスターが先程気絶したのは千年パズルと千年玉が過干渉を起こしたためと推測します、なお干渉を防ぐ処置を施したためこれからは発生しないでしょう》
「ありがとうキラー、もうあんな痛みはコリゴリだ…」
『千年アイテムについてはわかった、あとはお前のデュエルの強さについてだ、城之内君は実力がついて前より確実に強くなっている。それを全力で戦わずあしらえる程の強さ、どうやって身につけた?』
「えっあのデュエル全力出してなかったの!?」
「…すみません、確かに本気で戦ったが全力は出していませんでした、でも理由があるんです…体が持たないんだ。」
「体が持たない??」
「そう、俺は千年玉のおかげで不思議な力を手にいれたけどまだ完全に馴染んだ訳じゃない、いまはまだ決闘に全力を込めると体力をごっそり奪われてしまって…だからあのデュエルでは加減しながら戦っていたんです」
『そうだったのか…』
「たださっきのデュエルでコツが掴めました、次からは全力で相手をします」
『そうか、すまなかったな手荒な真似をして』
「いや、大丈夫ですよ!でもひとつ約束します。俺はあなた達の敵にはなりません、もし何か『敵』と戦う事があれば協力します!」
「ありがとう遊海君、これからもよろしくね!」
そして俺は遊戯と別れ家へと戻る(ナビはキラーに任せて)
さっき遊戯に話した事は6割事実で4割は嘘だ、千年玉については全て本当、神様からのカンペだ、デュエルについては体力を奪われる事は本当、ただしデッキを回しすぎて疲れるからだ。
バトルシティまで残り1週間、運命を変えるためにデッキを強化しなくちゃ!
《頑張ってくださいマスター!》
「フン、8つ目の千年アイテムか…まぁ興味はないが…忘れないでおくか…。」