転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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究極のD

〜とある病院〜

 

 

 

 

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…

「…」

 

とある病院のベッドに8年程目覚めない男性の患者がいる…、彼は強盗に襲われ一命は取り留めたが意識が戻らなかった。

身体は医学的には健康、脳波にも異常は無い…しかし彼は目覚める事は無かった、そんな彼の元に1人の青年が見舞いに訪れる…。

 

「ミスターフェニックス、お久しぶりです…と言っても直接会った事はまだありませんが…」

 

青年は眠ったままの彼に話かける、意識の無い相手に話かける…それは医学的にも効果があるらしいが…彼には効果がないだろう…。

 

《マスター…やはりフェニックス氏の魂は戻っていません…やはり奴を倒さないと…》

 

「やっぱりか…DD…彼を倒さなければフェニックスさんは…」

 

《ユウミ…彼の肉体は限界です、早く魂を戻さなければ本当に…》

 

「わかってるよフレア…明日の決闘で彼を倒して囚われた魂を開放する…フェニックスさん…貴方の息子が…エドが…貴方が帰って来るのを待っています…もう少し踏ん張ってください…!」

 

そういうと青年は病室を後にする…2人…いや、3人を救うために…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜アカデミア〜

 

 

 

 

 

「まったく…校長はまた出張なノーネ?ジェネックスも佳境を迎えて、いつ優勝者が出てもおかしくないデスーノ!」

 

「しょうがないでアール、ペガサス会長から緊急に呼び出されたらしいであるからして…!」

 

アカデミアの廊下を二人の教師が歩いている、1人はアカデミアの実技顧問のクロノス教諭、もう1人は背の低い男性、ナポレオン教頭だった。

 

 

 

二人は最初は仲が悪かったが遊海のセッティングしたデュエルで語り合い一応の和解をしていた…。

 

「それならしょうがないノーネ…校長がいない間ワタシ達がアカデミアを支えるノーネ!」

 

「そうでアール!頑張らないとまた首が危ないのでアール!…ん?」

 

「どうしたノーネ、教頭?」

 

「いや…誰も居ないはずの校長室から話し声が…」

 

「侵入者なノーネ!?確認するノーネ!」

 

クロノス先生が校長室の扉を開けると…

 

 

「兄貴!楽しみだドン!」

 

「そうだな!剣山!」

 

「遊海先生…大丈夫かな…?」

 

校長室のモニターでTVを見る十代と剣山、翔の姿があった…

 

 

 

「コラ!お前達!何してるでアール!!」

 

「うわ!?クロノス先生!ナポレオン教頭!?」

 

「セニョール十代!何故校長室でTVを見てるノーネ?」

 

「クロノス先生!これからプロリーグのタイトル戦なんッス!」

 

「タイトル戦…マサーカ!?」

 

「そうだぜ!伝説の決闘者・遊海先生と『キング・オブ・キング』DDの一騎打ちなんだ!」

 

「兄貴!始まるザウルス!」

 

そして画面に会場が写し出された…。

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻・レッド寮食堂〜

 

「遊海さん…」

 

翠はレッド寮食堂の小型TVでタイトル戦が始まるのを待っている、十代達は大画面で観たいからと校長室に向かった。

 

《翠…大丈夫?遊海が心配?》

ウェンが翠に話かける、翠はソワソワと落ち着かない様子だった。

 

「ううん大丈夫だよウェン、遊海さんならきっと無事に帰ってくる!大丈夫よ…!」

 

《そうだよ翠!遊海さんなら大丈夫!はい!コーヒーでも飲んで落ち着いて!》

ウィンダがコーヒーカップを翠に差し出す。

 

「うん!ありがとうウィンダ!…いただきます!…っ!?」

 

ピキッ…パリーン!

 

《あっ!?コーヒーカップが!?》

 

《翠!大丈夫!?》

 

翠の手に持っていたカップにヒビが入り、割れてしまった…コーヒーは翠のエプロンを染めていく…

 

「大丈夫…やけどはしてないわ、…遊海さん…大丈夫…ですよね?」

 

翠は画面に映る遊海に問いかけるのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜エドのクルーザー〜

 

 

 

「DDと遊海さんのデュエルか…いったいどんな結末になるんだろうか…」

 

エドは自家クルーザーにてタイトル戦を観戦しようとしていた…しかし、その胸中は複雑である。

 

「DDはボクの親代わりでありプロとしての目標である人だ…しかし遊海さんは…父さんの命を救ってくれた…そして短い間だけど決闘者としてのイロハを教えてくれた…ボクはどちらを応援すればいいんだ…?」

 

そしてエドは画面に視線を向けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【レディースアンドジェントルメーン!さぁやって参りました!プロリーグタイトル戦!本日の試合は熱くなる事間違い無しだ!】

 

 

「「「わぁぁぁ!!」」」

 

【まずは挑戦者…プロランキング5位!精霊に愛された決闘者…『赤帽子』…白波 遊海〜!!】

 

 

「「「わぁぁぁ!」」」

 

【そしてプロランキング1位『キング・オブ・キング』!ディフェンディングチャンピオン!デステニーオブデュエリスト…DD〜!】

 

「「「うぉぉ〜!!」」」

 

 

 

 

「久しぶりですねDD…いや、カイル!」

遊海は顎髭を生やした角メガネの男…DDに話しかける

 

『ああ、そうだなシラナミィ…君には何回か苦渋を味わったが…今日が最後だ…決着をつけようか…!』

 

《マスター!ご注意を!彼は既に「光」の意思に飲まれています!》

 

「…わかったありがとう、アヤカ…DD!今日、俺がこの決闘に勝ったら…お前の罪を告白しろ!そして彼に謝るんだ!まだ引き返せる!」

 

『いいだろう…だが…お前が俺に勝てたらの話だがなぁ!!』

 

 

 

【さぁ!スタジアムの熱狂も最高潮!それでは参ります…タイトル戦…デュエル開始ィ!!】

 

 

 

 

 

 

 

       『「デュエル!!」』

 

 

 

 

DD LP4000

遊海 LP4000

 

 

 

 

 

 

『俺のタァ〜ン!ドロー!』

『「天帝使ーエニグマ」を守備表示で召喚…』

異形の左腕を持った仮面の戦士が現れる DEF1200

 

『カードを2枚伏せてターンエンドォ!』

 

DD LP4000

エニグマ 伏せ2 手札3

 

 

 

【DD選手!最初は堅実に盤面を固めた!遊海選手はどう動くのか!】

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「手札から『聖刻龍ートフェニドラゴン』を特殊召喚!このモンスターは相手フィールドにのみモンスターがいる時、特殊召喚できる!」

白いウジャト眼を刻んだ龍が現れる ATK2100

 

《主殿…気をつけてください…!》

 

「わかってる…!さらに手札から『聖刻龍ードラゴンゲイブ』を通常召喚!」

オレンジ色のウジャト眼を刻んだ人型の龍が現れる ATK1800

 

「バトル!『ドラゴンゲイブ』で『エニグマ』を攻撃!」

ゲイブの拳が異形の戦士を破壊する

 

『「エニグマ」の効果ァ…攻守0の「エニグマトークン」を2体特殊召喚するゥ!』

白いフードを被った戦士が2体現れる DEF0 ×2

 

「『ゲイブ』の効果でデッキから『神龍の聖刻印』を特殊召喚!」

 

巨大な太陽石が現れる DEF0

 

「さらに『トフェニ』でトークンを攻撃!」

 

『リバースカード「攻撃の無力化」発動!バトルフェイズを終了するゥ…!』

 

青い渦巻きが攻撃を吸収する

 

「チッ…防がれたか…!カードを伏せてターンエンド…!」

 

『伏せカードに対して「砂塵の大竜巻」を発動!伏せカードは破壊だぁ…!そして手札のカードを一枚セットする…!』

 

「くっ…!(マズイ!『反射の聖刻印』が…!)」

 

遊海LP4000

トフェニ ゲイブ 神龍印 手札3

 

 

 

 

 

【おっと!遊海選手攻めきれない!このプレイング!これがDDの実力だぁ!】

 

 

 

 

 

 

『俺のターン…ドロー!ふっふっふっ…ハハハハハ!』

 

【どうした事だ?DD選手が笑い出したぞ!?】

 

『そうか…出てきたいのか…!そうだよなぁ!今まで俺はお前を公の場では使えなかったからなぁ!!』

 

「…来るのか…!」

 

『オイ!シラナミィ…お前は悪魔を見た事があるか?』

 

「ああ…何度もあるよ…!神ですらな!」

 

『そうだなぁ…貴様にこの質問は愚問だったな!伝説の決闘者…!なら記憶に刻むがいい!新たな悪魔を!!』

 

DDの身体から白いオーラが放たれる…あれが「破滅の光」…!

 

『俺は「デビルズサンクチュアリ」を発動!「メタルデビルトークン」を特殊召喚!』

鉄でできた人形が現れる ATK0

 

『そして俺は2体の「エニグマトークン」と「メタルデビルトークン」を生け贄にこのカードを特殊召喚する!現れるがいい!「究極のD」よ!!』

 

その瞬間、白いオーラが形を成していく…その形は悪魔のようで…

 

「マズイ!?お客さん達!逃げるんだ!!!」

 

《ウオォォォ!!》

 

究極のDの出現と共に会場が炎に包まれる…!

 

 

 

 

 

 

【うわああ!?火事だぁ!?観客の皆さん!逃げてください!!早く!急いで!!】

 

 

「何なんだ!?ヤバイ!逃げろぉ!!」

 

「助けてくれ〜!!」

 

「逃げろ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

〜アカデミア〜

 

 

 

 

『しばらくお待ちください…』

 

「おい!?良いところなのに!TVが壊れたぁ!?」

 

「アニキ!違うよ!スタジアムで何かあったんだ!!」

 

「セニョール白波…!大丈夫なノーネ…!?」

 

「焦る事ないのでアール!白波先生は強いでアール!きっとただの電波障害でアルよ!」

 

 

 

 

 

〜レッド寮〜

 

 

「遊海さん!まさか…『Bloo-D』が!?」

 

翠は画面が切り替わる直前にそれを見た…DDから溢れ出す白いオーラを…

 

「ゆ…遊海さんの所に行かないと!!ウィンダ!」

 

《わかったわ!行きましょう!》

ウィンダは「エルシャドール・ミドラーシュ」に変化し飛ぶ準備をする…

 

「遊海さん今行きます!…キャ!?」

食堂から駆け出した翠は誰かにぶつかった…

 

「ごめんなさい!ちょっと急いでて…あなたは!?」

 

 

『白波 翠さん…貴女に用がありましてね…私とデュエルして貰いましょうか…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜スタジアム〜

 

 

 

 

 

 

 

『さぁ!現れるがいい!究極のD!「D-HERO Bloo-D」!!』

 

生け贄が血の色をした沼に沈み…ソイツは現れた…血のような朱色をした龍を纏ったモンスター…Bloo-D…!

ATK1900

《ウオォォォ!!》

 

「来たか…!究極のD…!」

 

『「Bloo-D」の効果発動!貴様の場の「トフェニドラゴン」を装備しその半分の攻撃力を得る!「クラプティ・ブラッド」!』

Bloo-Dから血の色の引力が発生しトフェニを吸収する

 

《主殿…!御武運を…!ぐあぁぁ!!》

 

「トフェニー!!」

 

ATK1900→2950

 

『更にぃ手札から魔法カード「Dーフォース」を発動!このカードをデッキトップに表側で置く…それによりドローフェイズにドロー出来なくなるが…これにより「Bloo-D」の真の力が開放される…!』

Bloo-Dの纏う白のオーラが強くなっていく…

 

『「D-フォース」が自分のデッキの一番上に表側表示で存在するかぎり、相手フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターは全て効果が無効化される…!さらに、自分フィールド上のカードを対象とする相手の魔法・罠カードの発動と効果を無効にし破壊する…!』

 

「くっ…!」

 

『さらにリバースカード「Dーブースト」を発動!「Dーフォース」の下にあるカードを2枚ドローする…!』

 

『さらに魔法カード「ドレイン・タイム」を発動!俺はメインフェイズ1を選択し効果を発動!お互いに次のそのフェイズをスキップする…!』

 

「何!?」

 

『バトルだぁ…!「Blood-D」で「ドラゴンゲイブ」を攻撃!「ブラッディ・フィアーズ」!!』

 

Blood-Dの翼から血の雨が降り注ぎゲイブを破壊し遊海にも降り注ぐ

 

「ぐあぁぁぁあ!!」

 

遊海LP4000→2850

 

『カードを伏せてターンエンドだァ…!』

 

DD LP4000

Blood-D Dーフォース 伏せ1 手札 0

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…あ…このダメージは…!」

 

『ふっふっふっ…さぁ貴様も早く楽になれ…たくさんの仲間がお前を待ってるぞ…!』 

 

DDがそう言うとBloo-Dの翼にたくさんの顔が浮き出す…その顔に生気は無く、救いを求める声を上げている…。

 

 

「貴様…いったい何人殺したんだ…!!」

 

『さぁね…10人を超えたあたりから数えるのをやめたよ…』

 

「外道が…!ぐっ…!」

 

《マスター!大丈夫ですか!?》

 

「ああ…でもマズいな…フィールドには『神龍印』だけ…しかもメイン1もスキップ…守りを固めないと…!」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「メイン1をスキップしバトルフェイズ!そしてメイン2!手札から魔法カード『星呼びの天儀台』を発動!手札のレベル6『龍王印』をデッキの下に戻し2ドロー!」

 

「手札から魔法カード『招集の聖刻印』を発動!デッキから『シユウドラゴン』を手札に加える!さらに『神龍印』を生け贄に『ネフテドラゴン』を特殊召喚!」

紫のウジャト眼を刻んだ夜の龍が現れる DEF1600

 

「さらに『ネフテ』を生け贄に『シユウ』を特殊召喚!」

青色のウジャト眼の龍が現れる DEF1000

 

「さらに墓地の『ネフテ』の効果!墓地の『神龍印』を特殊召喚!」

再び太陽石が現れる DEF0

 

「そして手札から『ギャラクシーサーペント』を召喚!」

光輝く小さな竜が現れる ATK1000

 

『散々モンスターを召喚して何をするつもりだぁ?苦しみが長引くだけだぞぉ〜?』

 

「俺は最後まで諦めない!俺はレベル8の『神龍印』にレベル2『ギャラクシーサーペント』をチューニング!」

 

『何?なんだそれは…?』

 

8+2=10

 

「天よ!運命よ!事象の理よ!巡る天輪を乗せ此処に結実する!…光と共に降臨せよ!!シンクロ召喚!!『天穹覇龍ドラゴアセンション』!」

細長い身体を持つ白き決闘竜が降臨する DEF3000

 

『くっ…守備力3000だと…?』

 

「これならしばらくはもつはず…さらに手札から『超再生能力』を発動!そしてエンドフェイズ!効果により2ドロー!」

 

遊海LP 2850

シユウ ドラゴアセンション 手札2

 

 

 

 

 

『くっ…小癪なまねを…俺のターン!』

『メインフェイズをスキップしバトル!「Bloo-D」で「シユウ」を攻撃!』

血の雨がシユウを撃ち抜き、破壊する

 

「ぐっ…すまない『シユウ』…!」

 

『ターンエンドだ!』

DD LP4000

Bloo-D Dフォース 伏せ1 手札0

 

 

 

 

 

「熱い…!スプリンクラーはどうした…!普通作動するだろ…!」

二人の周りは炎に包まれている…スプリンクラーも作動せず火炎地獄のようになっている…

 

『ふっふっふっ…デュエルの前に少し仕掛けをさせてもらった…さぁ…焼け死ぬのが早いか決闘で負けるのが早いか…どちらだろうなぁ…?』

 

 

 

 

「くそっ…!俺のターン!ドロー!」

「手札から『トレードイン』を発動!手札の『神龍印』を墓地に送り2ドロー!…(このカードなら…!!)」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!っ…ゴホッゴホッ!ヒュー…ヒュー…」

 

遊海LP2850

ドラゴアセンション 伏せ2 手札1

 

 

 

 

 

 

「苦しい…回復が…追いつかない…!」

 

 

『ふっふっふっ…俺のターン!』

『ターンエンドだ…』

「今だ!リバースカード『強欲な贈り物』!相手は2枚ドローする!これで『Bloo-D』の効果は無くなる!」

 

『しまった…!』

DD LP4000

Bloo-D 伏せ1 手札2

 

 

 

 

 

『貴様…よくも…!』

 

「次のターンで…決める…!ゴホッ…」

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「リバースカード『貪欲な瓶』発動!墓地の『シユウ』『ネフテ』『招集印』『反射印』『トレードイン』をデッキに戻し1ドロー!」

 

「手札から『死者蘇生』を発動!墓地の『神龍印』を特殊召喚!さらに魔法カード『銀龍の轟咆』を発動!墓地にいるもう一体の『神龍印』を特殊召喚!」

2つの太陽石が並ぶ DEF0 ×2

 

「2体の『神龍印』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイユニットを構築…エクシーズ召喚!現われろ!赤き太陽の龍!『聖刻神龍エネアード』!!」

赤き神龍が現れる ATK3000

 

『ほう…攻撃力3000か…しかし…時間切れだ…!』

 

「DD…何を…」《マスター!!》「えっ?」

 

 

 

ビキビキ…ガチャン!ガガガガッ…!

 

 

「なっ…!?しまった!アヤカ!フレア!…〜!」

熱に耐え切れなくなった照明が落下し…

 

『うわああ!!?』

 

ズズン…

 

 

 

 

『ふっふっふっ…残念だったなぁ、あと少し早ければ貴様の勝ちだったのにな!あっははははは!!』

 

落ちた照明器具の前には赤い帽子が転がり…やがて炎に焼かれ…燃え尽きた…

 

 

 

 

 

Duel Interruption

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜エドのクルーザー〜

 

プルルル…プルルル…

 

「出てくれ…DD…!」

エドは中継が切れてから3回程電話をかけている…しかし反応がなかったが…

 

 

『もしもし…エドか?』

 

「DD!大丈夫なのか!中継が切れて心配していたんだ!」

 

『ああ大丈夫だよ…今終わったところだ、エド…久しぶりに会わないか?俺の船をアカデミアの近くまで廻す、そこで落ち会おう…じゃあな…』プッ…

 

 

「おいDD!?…切れたか…そうだ、遊海さんに連絡を…」

 

プルルル…

 

『おかけになった電話は電源が切れているか…』

 

「遊海さん…どうしたんだ…?いつもすぐに出る人なのに…?」

 

エドは一抹の不安を感じながらもDDからの連絡を待った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜夜・DDの船〜

 

 

 

 

 

 

「DD来たぞ!どこにいる!」

エドはDDの船にやって来た、しかし明かりは無く人の気配も無い…

 

『待っていたよエド…よく来たじゃないか…!』

暗闇からDDが現れる

 

「DD…タイトル戦はどうなったんだ?あの後の事を何も知らないんだが…遊海さんはどうしたんだ?

 

『ああ白波か、彼は…死んだよ…』

 

「遊海さんが…死んだ…?どうして!!いったい何が!!」

 

「会場で炎に巻かれ…上から落ちてきた照明に押し潰されたんだ…即死だろう、これを受け取るがいい…彼の形見だ…」

 

DDが投げ渡したのは「聖刻龍ートフェニドラゴン」だった…そして…

 

 

《エド…殿…!その男は危険です…!逃げてください…!》

 

「カードの精霊が…!DD!お前何を…遊海さんに何をした!!」

 

『ふっふっふっ…このカードを召喚しただけさ…「究極のD」をね!!』

 

「究極のD…まさかあなたが父さんを!!」

 

『ああ!そうだよ!俺が奴を襲い、このカードを奪ったのさ!…さぁエド…最後の約束を果たそう…君と俺のタイトル戦を!!』

 

 

 

 

 

そしてエドとDDのデュエルが始まった、エドは先攻で「ドグマガイ」を召喚しDDのライフを半分にした、しかし返しのターンでDDは究極のD「Blood-D」を召喚し「ドグマガイ」を吸収、一転エドを追い詰める。

 

エドはDーHERO達の効果でBloo-Dを封じようとするがDーフォースとのコンボで阻まれついに残りライフ200まで追い詰められる。

 

しかし父の残した「究極のD」に対するカウンター・ダークエンジェルによりDーフォースとのコンボを封殺、ディバインガイにより勝負を決めた。

 

そしてBloo-Dに宿っていた「破滅の光」の抜け殻が爆発を起こし船は炎上する…エドは何とか「Bloo-D」と数枚のカードを回収し船を脱出した…。

 

 

 

 

「父さん…遊海さん…仇は討ったよ…!そして斎王…ボクは君を救ってみせる…!」

 

エドは炎上する船を前に決意を新たにする、父から聞いた話…斎王が「破滅の光」に侵されているという話…、彼を救うために決意を固めた。

 

《主殿…拙者はどうすれば…っ!?この気配は!》

 

【キュアアアア!!】

 

「なんだアレは…!炎の鳥…!?」

 

天空から突如、炎を纏ったモンスターが現れる…

 

【ギュアア!!!】

 

その鳥は急加速し炎上する船に突撃する…そして

 

ボカーン!! ゴボゴボ…

 

船は爆発し沈没する…そして…

 

 

 

 

【キュアア!】

 

海中から炎の鳥が浮上し…その正体が現れる…

 

「嘘だろ…あのモンスターは…!」

 

《ラーの翼神竜!フレア様!》

 

「エド!トフェニ!心配かけたな!よっと!」

 

ラー…フレアの背中から人影がクルーザーに跳び下りる…その人物は…

 

 

 

 

 

《主殿!!》

 

「遊海さん!」

 

 

現れた人影はDDが死んだと言っていた遊海だった。

 

「よっ!2人共何とかなったみたいだな?」

 

「遊海さん…まさか幽霊ですか…?」

 

《なわけありますか!ユウミはこの通り生きています!》

ラーが姿を変えユウミの肩に止まる

 

「いや〜危なかった…フレアとアヤカがいなければ本当に幽霊になる所だったよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡り…

 

 

 

 

 

 

 

「しまった!?アヤカ!フレア!」

 

《精霊アーマー強制展開!モード太陽神!》 

 

『うわああ!!?』

 

ズズン…

 

 

 

 

 

『ぐっ…あ…危機一髪だな…しかし身動きが…アチチッ!!?』

 

《ユウミ!今瓦礫を退かします!ハァァ!!》

 

【キュアア!!】

 

ガッシャーン

 

『ぐっ…ありがとうフレア…くっ…コヒュ…ヒュー』

 

《マスター!早く脱出を!》

 

『ああ…行こう…アチッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…という訳さ…2人がいなければやばかったよ…」

 

「遊海さん…貴方はいったい何者なんですか…?精霊の力を使い、神を従え…火事から生還するなんて…」

 

「ん?ただの決闘者だよ!大丈夫、遊戯も似たような事をやってたからな…!」

 

『ゴホッ…ゴホッ…ぐっ…』

 

「おっと、コイツを忘れてた!ヨイショ!」

 

「なっ!?DD!?」

 

遊海は背中に背負っていたモノを降ろす…それは身体に酷い火傷を負ったDDだった。

 

「コイツも『光の意思』の被害者だからな…一応助け出した…まぁもうデュエルはできないだろうし…それに罪は償わせないとな!…っと」フラッ

 

「遊海さん!!」

 

そこまで話して遊海は座り込む…よく見ると身体はボロボロで本人も酷い火傷を負っていた…。

 

 

「エド…すまんアカデミアに…もどっ…て…」

 

 

「遊海さん!しっかりしてください!遊海さん!?マズい!急がないと!」

 

 

 

 

 

その後エドはアカデミアに帰還、遊海は緊急入院する事になった…


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