転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
身体が重い…ひどい倦怠感だ…意識がはっきりしない…夢なのか…?
《マスター!起きてください!緊急事態です!》
アヤカの声がする…
《主殿!!》
トフェニ…?
《ユウミ!起きてください!じゃないとレイが…!!》
フレア…?
「遊海先生…怖いよ…!助けて…!!」
レイ…?
《マスター!!!》
「みんな…どうしたんだ…?」
意識が覚醒する…そこには…
「デュエル〜」
「デュエル〜!」
「デュエル〜!!」
「おいおい…アカデミアはいつからゾンビゲームの舞台になったんだ…?」
俺とレイを囲むたくさんの生気の無い先生や生徒達…そしてそれを防ぐ精霊達の姿があった…。
「先生…良かった…目が覚めた…!」
《マスター!おはようございます!緊急事態なので助けてください!?》
「アヤカ!レイ!どういう状況だ!?」
《マスター!とにかくレイさんの傷の治療を!!》
レイの腕を見ると化膿しかけた巨大な傷があった…本人も苦しいのか呼吸が浅い…
「わかった!『ディアンケト』よ傷を癒せ!…っぐ…!痛みが…!」
レイを癒やしながら右胸を見る…茨が胸のあたりまで浸食していた…
「…状況がわからないが…ここから離れるぞ…精霊変身!モード太陽神!!」
痛みに耐えながら金色の鎧を纏う…茨の浸食する音が聞こえるが、やるしかない!
『すまない!邪悪を燃やせ!「ゴッド・ブレイズ」!!』
「ヒィ〜!」
「火だ〜!?」
『掴まれ!レイ!』
「はい!」
『フェニックス・ダッシュ!!』
火に驚いて動揺した生徒達の間を潜りぬける、とにかく外に…!!
なんとか廊下に脱出するが…
「遊海先生〜デュエル〜!」
「オレとデュエルしろ〜」
『翔…万丈目…お前達もか…!!』
「「デュエル〜!」」
くそ…前後を挟まれたか…!…やるしかない…!
「「『デュエル!!/〜!』」」
翔(デュエルゾンビ)
万丈目(デュエルゾンビ)LP8000
遊海LP8000
翔→遊海→万丈目→遊海 2回目の遊海ターンから攻撃可能
「ボクのターンドロー…」
「『ドリルロイド』を召喚〜」
顔と手足にドリルをつけたロイドが現れる ATK1600
「カードを一枚伏せてターンエンド〜」
翔LP8000
ドリル 伏せ1 手札4
『俺のターン!ドロー!!』
『自分フィールドにモンスターがいない時!「フォトンスラッシャー」は特殊召喚できる!』
光輝く戦士が現れる ATK2100
『カードを伏せてターンエンド!』
遊海LP8000
スラッシャー 伏せ1 手札4
「オレのターンドロ〜…」
「永続魔法『前線基地』を発動〜、そして『闇魔界の戦士ダークソード』を召喚〜」
黒い鎧の戦士が現れる ATK1800
「『前線基地』の効果で手札の『漆黒の闘龍』を特殊召喚〜」
黒い小型の龍が現れるATK900
「『闘龍』の効果で『ダークソード』にユニオン〜攻撃力400アップ〜」
戦士が龍に騎乗し攻撃力が上がる ATK2200
「ターンエンド〜」
万丈目LP8000
ダークソード(闘龍装備) 前線基地 手札3
『俺のターン!ドロー!』
『手札の「光子竜」を公開し手札の「銀河剣聖」の効果発動!このカードをレベル8で特殊召喚!』
剣聖の名を持つ戦士が現れる ATK0
『さらに手札の光属性モンスターを捨てて『銀河戦士』を特殊召喚!効果によりデッキの「光子竜」を手札に加える!』
小さな機械の戦士が現れる ATK2000
『そして「銀河騎士」を妥協召喚!効果により墓地の「銀河眼の光子竜」を守備で特殊召喚し、自身の攻撃力を1000下げる!現われろ!光の化身よ!!』
近未来的な鎧を着た騎士と銀河の瞳を持つ竜が現れる
ATK1800
DEF2500
『そして「騎士」と「剣聖」でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!宇宙を貫く雄叫びよ!遥かなる時をさかのぼり、銀河の源よりよみがえれ! 顕現せよ、そして勝利へと導け!「ANo.107 銀河眼の時空竜」!!』
黒い四角錐が展開し時空を司る竜が現れる ATK3000
『さらにリバースカード「RUMークイック・カオス」を発動!!俺は「時空竜」1体でオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ!永遠を超える竜の星! 顕現せよ…「A CNo.107! 超銀河眼の時空龍」!!』
時空を支配する三つ首の金色の龍が現れる ATK4500
『さらに「超時空龍」の効果を発動!「戦士」「スラッシャー」を生け贄にすることで…このターン「超時空龍」は三回までモンスターに攻撃できる!』
ロボットと剣士が時空龍に吸収される
「三回攻撃〜?」
『さらに「超時空龍」の効果!このカードのORUを一つ取り除き、このカード以外のフィールドのカード効果を無効にする!「タイムタイラント」!』
《グオオオオ!》
時空龍が咆哮すると世界が虹色の光に包まれる、そしてドリルロイドと闘龍、前線基地が灰色になる
ダークソードATK2200→1800
『そして自分フィールドにフォトンモンスターがいる時!「フォトンバニッシャー」は特殊召喚できる!』
レーザー銃を持つ戦士が現れる ATK2000
『そしてフィールドの「光子竜」と「バニッシャー」を生贄に…「銀河眼の光子竜」を特殊召喚!』
再び青き銀河眼が現れる ATK3000
『バトル!「超時空龍」で「ドリルロイド」、「ダークソード」に攻撃!「アルティメット・タキオン・スパイラル」!ニレンダァ!!』
金色の龍の息吹がモンスターを殲滅する
翔&万丈目LP8000→5100→2400
『「光子竜」でダイレクトアタック!「破滅のフォトン・ストリーム」!!』
「「やられた〜…」」
翔&万丈目LP0
遊海 WIN!
『ゼェ…ゼェ…起き抜けにこれは…辛い…うぐっ!?がぁぁぁ!?またかよ!?』
デュエルが終わるとデュエルエナジーが吸い取られる…それにより精霊変身も解除される…
『ゼェ…ゼェッ…くそっ…力も回復しきってないのに…!!』
「先生…!ヤバイよ…!!」
「デュエル〜」
「デュエル〜!」
「デュエルしましょうよ〜…」
「くそっ…囲まれてる…!」
デュエルをしている間に他のゾンビ化生に囲まれた…!本調子じゃないのに…!
「「「デュエル〜」」」
「保ってくれ…俺の魂よ!実体化せよ!!『ラーの翼神竜』!!」
《キュアアアアー!!》
【ユウミ!!】
俺の言葉と共にフレアがもとの姿に展開する…コレで…!
「フレア!脱出だ!頼む!!」
【わかりました!「ゴッドブレイズキャノン」!!】
ズガーン!!
フレアがアカデミアの壁を破壊し活路を開く
「レイ!ラーの背中に乗るんだ!」
「えっ!…あっハイ!!」
「フレア!頼む!!」
【しっかり掴まっていなさい!!】
フレアは生徒達を置き去りにして空に飛び上がる…そして外は見渡す限り、一面の砂漠だった…。
「アヤカ…俺が気絶してる間に何があった…!」
飛翔するフレアの背中でアヤカに事情を聞く…
《はい…まず現在マスターがアヌビスと戦ってから日付的に1週間、この世界にきて3日程経っています…。》
「1週間…俺はそんなに気絶してたのか…」
《しょうがありません、アヌビスとの決闘後マスターは全体量の9割のエナジーを吸い取られていました…、マスターは容量が大きいため回復に時間がかかるのです、現在は6割まで回復しています…。》
《話を戻します…マスターが倒れた4日後、十代達がコブラの隠れ家…旧SAL研究所に向かいました。ここからはハネクリボーやルビーから聞いた話ですが…十代達は研究所に仕掛けられた罠や刺客を潜り抜けコブラと十代がデュエルを行いました、結果は十代の勝利に終わりましたがエナジーによりユベルが復活…その余波によりアカデミアが次元転移しました…。》
「そうだったのか…レイ、そういえば怪我はなんで負ったんだ…?」
「うん…アカデミアがこの世界にきてからマルっち…加納 マルタンっていうイエローの子と一緒に行動してたら変な影みたいな人?に引っ掻かれて…」
《それで十代達は薬を取りに行くために砂漠の潜水艦へ…その直後に仮称デュエルゾンビ化した生徒達が現れたんです》
「先生が気絶してる間にアヤカさんや他の精霊達が保険室にいたぼくと先生を守ってくれてたんだ…最初は少し驚いたけど…やっぱり先生はスゴイや!」
【当然です!ユウミは私とファラオの認めた勇士なのですから!】
「はは…ありがとうフレア…っぐぅ!?」
「先生!?大丈夫!?どうしたんですか!?」
「エナジーが…抜かれ…!ぐぅぅぅ…!?」
デュエルエナジーが抜かれる感覚と共に魂が軋む…、茨の浸食が…
《マスター!お気…確か…に!》
「遊海先…!?顔…茨…!?」
2人の言葉が聞き取れない…意識が…
「《先生!!/マスター!!》」
身体を包む浮遊感…バランスを崩してフレアから落ちたらしい…死にはしないだろうけど…痛いかなぁ…
「おい!何か落ちて来るぞ!?」
「あれは…遊海先生!?サファイア・ペガサス!頼む!!」
《わかった!!》
「遊海先生!!」
「う…ぐっ…俺は…?」
目を覚ますとそこはアカデミアの体育館だった、40人程の生徒達が集まり身を寄せ合っている…。
「遊海先生!目が覚めたか!」
「十代…俺は…?」
「驚いたぜ…潜水艦から帰ってくる時に空から先生が降って来たんだ!」
「それをサファイアペガサスで受け止めたら、さらに『ラーの翼神竜』がレイを背中に乗せて現れるし…アカデミアに戻ったらゾンビだらけだし…散々だったよ…。」
「ヨハン…すまなかったな、俺の精霊達は…?」
「みんなそれぞれ他の生徒達を手伝ってくれてるぜ!…フレアだけ外で俺達を守ってくれてるけど…」
「そうか…なら俺も何かしなきゃ…ぐぅぅぅ!?」
遊海が体を起こそうとすると体中に激痛が走る…
「遊海プロ…あなたは今、動かないほうがいい…」
「オブライエン…無事だったか…」
「ああ…遊海プロ、先日はすまなかった!俺の謝罪を受け入れてほしい…十代と過ごす中で貴方の言っていた事が理解できた…デュエルは楽しいものなんだと…!」
「納得してくれたのなら良かった!これからよろしくな!」
「ああ…しかし遊海プロ、今の貴方のコンディションは最悪だ…これで自分の顔を見てくれ…」
「?」
オブライエンは手鏡を渡してくる…
「…これは…」
そこ映った俺の顔には右から顔の半分を覆うように黒い茨の模様が巻き付いていた…それは僅かに脈動し痛みを放っている…。
「オレはオカルトについて詳しくないが…ソレは確実に害のあるモノのはずだ、いったい…いつから隠していた…!」
「…コブラに巻かれたデスベルトを着けてからだ…、気にしなくていい…既に効果はわかってる、このままなら俺は…死ぬだろう…」
「「「「なんだって!?」」」」
〜遊海説明〜
「先生の力を使えば使う程進行する呪い…そんな…なんで俺達に相談してくれなかったんだよ!!」
十代が感情の篭った声で遊海を責める…
「十代…お前達に相談しても何も変わらなかった、アヤカやフレアと相談した結果だ…覚悟は決めてある…」
「でも…」
「俺は曲がりなりにも教師だ…生徒であるお前達を護る義務がある…その結果でこの身が果てようと悔いは無い…!」
「先生…!でも…でも!!」
「…なーんてな!」
「「へっ?」」
遊海は突然明るい声を上げる
「冗談だよ!冗〜談!十代、前に言っただろう?俺は『不死身』だって!」
「えっ…あ!!」
十代は思い出した…アヌビスとの戦いで炎に包まれ、その中から復活した遊海の姿を…
「仮に俺が呪いで死んでもすぐに復活するさ!確かに痛いが耐えられない程じゃない!大丈夫だ!」
「遊海先生…不死身とは…どういう事でア〜ル…?」
「いけね!?説明するの忘れてた!」
〜遊海説明その2〜
「名も無きファラオに託された祝福であり呪い…そんな事が…」
久々に登場した三沢(ツバインシュタイン博士の実験事故に巻き込まれた)が遊海と翠の力を聞いて思考の海に入る
「『不老不死』…イッツワンダホー…人類の永遠の夢を体現した者がいたとは…」
ジムが素直に驚嘆の声をあげる…
「ああ…、ただし『デュエル』では死ぬけどな…今まで何回死にかけたか…」
「デュエルで死ぬって…それこそどんな状況なんですか…?」
明日香が疑問の声をあげる…
「う〜ん…デュエル中に精霊に殴り飛ばされたり…暗黒次元に送られそうになったり…」
「「「どういう状況なんです!??」」」
「とまあそんな感じだから心配はいらない、とにかく今は生き延びて元の世界に帰る方法を考えよう!」
「「「はい!」」」
「十代…翠は…?」
「翠さんは巻き込まれてないはずだ…翠さんのご飯が恋しいな〜…」
「トメさんが作ってくれてるから大丈夫だ!トメさんのご飯も美味しいからな〜…と、ちょっとトイレに行ってくるよ…」
「ああ!一応ゾンビ生はいないと思うけど気をつけてな先生!」
「う〜む…こちらの時間軸と元の世界の時間軸を計算して…ああ〜ダメだ…考えが纏まらない…少し散歩するか…」
帰還方法を考えていた三沢は考えが煮詰まり廊下へと出てきた…
「う…うう…!が…あ…!」
「なんだこの声は…まさかデュエルゾンビ…!?」
廊下に唸り声が響く…三沢は近くにあったモップを手に声の元へと向かう…。
「が…あ…!!う…ぐ…!?」
「声が近い…場合によってはブルーベレー隊を…」
「ぐぅぅぅ…!!」
「!?遊海先生…!どうしたんですか!?」
声の主は遊海だった…体を丸め油汗をかいて歯を食い縛っていた…
「ぐぅぅぅ…三沢…気にするな…痛みに耐えているだけ…だ…!!」
「っ!?先生!失礼します…これは…!?」
三沢は遊海の上着を脱がせる…その体は8割が茨の呪いに浸食されていた…
「先生が…生徒達の前で、弱音を見せるわけには…いかないんだよ…!」
「先生!早く体育館に戻ってください!その体じゃ…いくら復活するといっても…!!」
「復活は…しない…この呪いは魂に刻まれてるんだ…魂が消えたら…流石に消滅する…があああ!!?」
「なっ…!?先生…なんで嘘を…!」
「これ以上アイツらを追い込みたくなかっただけだ…プロである俺がいなくなったら…生徒達は本当に希望を失ってしまう…!せめてみんなを元の世界に返すまでは…死ぬわけにはいかないんだよ…!!!」
「遊海先生…あなたって人は…!」
「痛みの波が収まってきた…体育館に戻るよ…そうだ三沢…」
「なんです?」
「お前の敬愛するツバインシュタイン博士なら…どう連絡を取ろうとする…?」
「博士…博士なら…!!そうか!!この式をあそこに当てはめて…!先生ありがとうございます!!」
三沢は何かに気づいたのか走りさっていった…。
「ははは…頼んだぞ三沢…お前が…鍵…だ…」
襲い来る痛みに遊海は意識を手放す…その後、偶然通りかかったクロノス先生に回収され無事に体育館に戻った…。